説明

自己安定化された電気泳動で全内部反射を抑制したディスプレイ

画像ディスプレイ(10)は、プリズム状の微細構造(16)をした内表面を有する透明な前面シート(12)、および前面シート(12)に平行に離間した背面シート(14)を有する。電気泳動懸濁液がシート(12,14)の間の空隙を充填している。電気泳動媒体(22)中に、一体的に熱力学的に安定な凝集体(56)を形成するまで非光散乱光を吸収する粒子(24)を懸濁した懸濁液が形成されている。懸濁液に電圧を印加すると電場が形成されて、粒子凝集体(56)を一体的に電気泳動で前面シートの内表面の方向へ制御可能に動かして、前面シート(12)を通過する光線の内表面での全内部反射を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気泳動で全内部反射(TIR)を抑制した画像ディスプレイの長期間安定性を改善した。
【背景技術】
【0002】
複数画素ディスプレイの選択された画素を、TIRをする画素上に光が照射されている反射状態と、TIRが抑制されている画素での非反射状態と、の間でスイッチする、制御可能に抑制されたTIRによって表示され得るディスプレイは周知である。制御可能にTIRを抑制し、ディスプレイにおいて画素の状態をスイッチ可能にするために電気泳動が使用され得るのも周知である。静電的に荷電された物質が印加電場の下で媒体を移動する電気泳動は周知の現象である。例えば電気泳動媒体を介して、エバネセント波領域の内外に粒子を移動させてその領域の画素部分をTIR制御するために、電磁場を制御可能に印加し得る。
【0003】
電気泳動的に移動できる粒子を使用してディスプレイのスイッチングを繰り返すと粒子の不均一分布やクラスタリングをもたらして、長い間に徐々に表示画像の品質を劣化させることも周知である。例えば、ダリサ(Dalisa,A)による、「電気泳動ディスプレイ技術」(Electrophoretic Display Technology)、IEEE Transactions on Electron Devices、Vol.24,827〜834、1997; や、ミュラウ(Murau)等による「電気泳動ディスプレイにおける懸濁不安定性の理解と除去」(The understanding and elimination of some suspension instabilities in an electrophoretic display)J.Appl.Phys.,Vol.49,No.9,September 1978,pp.4820〜4829、を参照されたい。好ましくないクラスタリングは、分離されたマイクロ液の領域中で懸濁粒子の群をカプセル化することによって抑制され得ることも示されている。例えば、中村等の「マイクロカプセル化された懸濁粒子を用いた電気泳動ディスプレイの開発」(Development of Electrophoretic Display Using MicroencapsulatedSuspension)、Society of Information Display Symposium Proceedings、1014〜1017、1998、や、Drzaic等の「印刷およびロール成型できる双安定性電気泳動ディスプレイ」(A Printed and Rollable Bistable Electronic Display)、Society for Information Display
Symposium Proceedings,1131〜1134、1998、を参照されたい。
【特許文献1】米国特許第20030165016号
【特許文献2】米国特許第6,064,784号
【特許文献3】米国特許第6,215,920号
【特許文献4】米国特許第6,304,365号
【特許文献5】米国特許第6,384,979号
【特許文献6】米国特許第6,437,921号
【特許文献7】米国特許第6,452,734号
【非特許文献1】ダリサ(Dalisa,A)による、「電気泳動ディスプレイ技術」(Electrophoretic Display Technology)、IEEE Transactions on Electron Devices、Vol.24,827〜834、1997。
【非特許文献2】ミュラウ(Murau)等による「電気泳動ディスプレイにおける懸濁不安定性の理解と除去」(The understanding and elimination of some suspension instabilities in an electrophoretic display)J.Appl.Phys.,Vol.49,No.9,September 1978,pp.4820〜4829。
【非特許文献3】中村等の「マイクロカプセル化された懸濁粒子を用いた電気泳動ディスプレイの開発」(Development of Electrophoretic Display Using MicroencapsulatedSuspension)、Society of Information Display Symposium Proceedings、1014〜1017、1998。
【非特許文献4】Drzaic等の「印刷およびロール成型できる双安定性電気泳動ディスプレイ」(A Printed and Rollable Bistable Electronic Display)、Society for Information Display Symposium Proceedings,1131〜1134、1998。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電気泳動懸濁液中の粒子を熱力学的に安定な凝集体にすることにより、電気泳動で移動する粒子によるディスプレイの長期安定性を改良する。凝集体は単一体として電気泳動で移動でき、個々の領域の懸濁粒子の群をカプセル化せずに、全体としてディスプレイの画素を反射状態と無反射状態との間でスイッチする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
下記の説明において、本発明を全体的に理解するために具体的な詳細説明を行うが、本発明はそれに限定されない。他の例において、本発明を不必要に不明確にすることを避けるために、周知の要素は示さず詳細説明もしない。従って、具体例や図は説明のためであって限定する意図はない。
【0006】
図1は、透明な前面シート12および、前面シート12と平行に離間して設けられた背面シート14を有する、電気泳動TIR抑制画像ディスプレイ10の部分図である。前面シート12の内表面は、多数の平行な反射マイクロプリズム16からなる微細構造である。別例として、2003年9月4日付けの米国特許第20030165016号に記載されており本願特許に引用するように、前面シート12の内表面は、多数の半球状の高反射率の透明な半ビーズからなる微細構造でもよい。薄い連続の透明電極18はプリズム16の内表面に形成されている。分割された電極20は背面シート14の内表面に形成されており、プリズム16の各隣接対間で異なる(個々の画素に対応する)電圧を印加できる。各画素と、プリズム16又は分割された電極20と、の間には1:1対応する必要はない。各画素は、複数のプリズム16や複数の分割された電極20と対応するのが望ましい。電気泳動媒体22は、例えば、3M社(St.Paul、ミネソタ州)から入手できる、フルオリナート(Fluorinert)(商標)パーフルオリネイト炭化水素液のような低反射率低粘性で電気絶縁性の液体でシート12と14の間の空隙部を充填して、シート12と媒体22との間のTIR境界層を形成する。顔料粒子のような、光を散乱せずに吸収する粒子24の微細に分散された懸濁が媒体22中に形成される。
【0007】
電圧源(不図示)を電極18と20との間に接続して、媒体22の選択された画素域に電圧を印加制御する。選択された画素域に電圧を印加すると、粒子24が電気泳動で選択域内を移動して、選択域のプリズム16の内表面に隣接するエバネセント波ゾーンの約0.25ミクロン内で始まり、その領域中へ約5ミクロン伸びる。そのように電気泳動で移
動した粒子24は、周囲の液よりも高い屈折率を有し、且つ、光の波長よりもずっと小さいので、光散乱せず、周囲の液よりも高い実効屈折率を有する層になる。この吸収粒子層は、TIRを抑制して、境界層で光線を反射するのでなく透過する、屈折率の実構成物と、吸収粒子層を通る光線を吸収する虚構成物との両方を有する。光が粒子と相互作用して光が散乱することはなく光を吸収する。これによって、選択された画素域を暗くして、シート12の外表面が黒く見える。選択された画素域に逆電圧を印加すると、粒子24が電気泳動でその域内の電極20に移動して、シート12を通る入射光線はTIR境界面でTIRによって反射されて、シート12の外表面のその領域を白く見せる。
構成の更なる詳細と、電気泳動TIR抑制画像ディスプレイの光学特性については、本明細書の参照として援用されている、米国特許第6,064,784や6,215,920や6,304,365や6,384,979や6,437,921や6,452,734を参照されたい。前出の米国特許第20030165016も参照されたい。
電気泳動ディスプレイ10は、長期に亘ると、粒子24に好ましくないクラスタリングを起こし得る。特に、比較的少ない懸濁粒子24を含む媒体22の域28の粒子24は緩い凝集体26を形成する傾向にある。そのようなクラスタリングは、ディスプレイの画像品質や全体的な性能を長期的に劣化させることになる。
【0008】
図2Aと2Bは、透明な前面シート32と背面シート34を有する電気泳動ディスプレイ30において好ましくない粒子クラスタリングを減少させる従来法を示す。前面シート32の内表面は多数の平行で反射のマイクロプリズム36からなる微細構造である。マイクロプリズム36の頂点38は、背面シート34の内表面と接して、各隣接プリズム対の対向面の間にカプセル化されたチャネル40を形成する。各チャネル40は電気泳動媒体42で充填され、シート32と媒体42との間のTIR境界層を形成している。各チャネル40内に、媒体42が、顔料のような光不散乱で光吸収粒子の微細分散懸濁液を含む。各チャネル40内に、薄い透明電極45が隣接プリズム36の内表面に形成されてチャネルを画定している。背面シート34の内表面に分割された電極46が形成されて、各チャネル40に対応する(または、隣接チャネル40の選択された群に対応する)分割された画素域が作成される。
【0009】
電圧源(不図示)が各チャネルの電極対45と46との間を接続して、対応する画素域に電圧を印加制御する。選択された画素域に電圧を印加すると、図2Bのチャネル40Cの場合を図示したが、懸濁粒子44が電気泳動で選択域内を移動して、選択域のプリズム16の内表面に隣接するエバネセント波ゾーンの約0.25ミクロン内で始まり、その領域中へ約5ミクロン伸びる層を形成する。そのように電気泳動で移動した粒子24は、周囲の液よりも高い屈折率を有し、且つ、光の波長よりもずっと小さいので、光散乱せず、周囲の液よりも高い実効屈折率を有する層になる。この吸収粒子層がTIRを抑制して、境界層で光線を反射するのでなく透過する、屈折率の実構成物と、吸収粒子層を通る光線を吸収する虚構成物との両方を有する。光が粒子と相互作用して光が散乱することはなく吸収する。これによって、選択された画素域を暗くして、シート32の外表面が黒く見える。選択された画素域に逆電圧を印加すると、粒子44が電気泳動でその域内の電極46に移動して、シート32を通る入射光線52,54はTIR境界面でTIRによって反射されて、シート12の外表面のその領域を白く見せる。
【0010】
分割チャネル40内の粒子群44のカプセル化によって好ましくないクラスタ化は減少するが、チャネル40の製造、充填、保持には実用的でない場合がある。
本発明によると、電気泳動媒体は高濃度の光吸収顔料粒子を含んで、懸濁液中に粒子の体積分率を有するスポンジ状の電気泳動懸濁ペーストを形成する。体積分率は充分に大きいので、粒子は電気泳動媒体の中を自由に移動できず、長時間かけて粒子クラスタリングを起こすと考えられる横方向への粒子移動を防ぐ。特に、体積分率は充分に大きいので、懸濁は熱力学的に安定状態にあって粒子の均一分布が維持される。この熱力学的に安定状態
になる体積分率は、特定の懸濁液中の特定の粒子の粒子内力に依存する。懸濁は、単一の凝集体を形成するまで、電気泳動媒体に粒子を加えることによって形成される。凝集した粒子は、電気泳動で移動して印加電圧に応答しTIRを制御し得る単一体になる。別例で、最初に希薄懸濁液を形成し、次に、懸濁液中の粒子が所望の体積分率になるまで電気泳動媒体を蒸発させてもよい。クリトクス(Krytox商標)157−FSL,クリトクス(Krytox商標)157−FSM,あるいはクリトクス(Krytox商標)157−FSHフッ素化油(それぞれ、約2500.3500〜4000、および7000〜7500の分子量を有する、CAS登録第860164−51−4、デュポン(Dupont)製界面活性剤、ウィルミントン(Wilmington)、DE19880−0023)が、電気泳動媒体中の粒子の安定懸濁を容易にするために加えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
これを図3Aと3Bに概略的に示した。この図は、電気泳動媒体22と粒子24の替わりに、電気泳動で圧縮でき、かつ、光散乱しない光吸収粒子集合体56を有する電気泳動懸濁液を有する、図1のディスプレイ構造の選択された画素域である。電圧源57は電極18,20の間に接続されて電気泳動媒体22に制御可能に印加される。印加電圧は電極18,20の間のすべての粒子(すなわち、粒子集合体56)に影響を与える。図3Aに示すように、印加電圧は粒子集合体56を電気泳動で圧縮して、電極18から電極20に向かわせる。これによって、シート12の内表面と粒子集合体56との間に、低屈折率電気泳動液の希薄域58が生成される。希薄域58は、ほとんどすべてのエバネセント光が液の無粒子域のみに入ってTIRを発生するのに充分な厚さである。従って、シート12を通る光線60は図示の領域のTIR境界でTIRによって反射されて、シート12の外表面が白く見える。
特に、粒子24は圧縮できないが、粒子集合体56は、電気泳動媒体22を含む多くの小さな粒子間空孔を有する。粒子24は、溶媒と分散分子と粒子上の表面群との間の化学的相互作用によって静電的に荷電されているので、粒子集合体56に電圧を印加すると、印加電圧の極性に依存して電極18、24の一方から他方に、単一体として動く。これによって粒子集合体56を圧縮し、粒子24はさらに密に詰まって、電気泳動媒体22を粒子間空孔から外へ追い出す。
【0012】
図3Bに示すように、図示の画素域に逆極性の電圧を印加すると、粒子集合体56は、電極20から電極18の方向に、図示の領域をプリズム16の内表面に隣接したエバセント波ゾーンの約0.25ミクロン内にまで電気泳動で圧縮される。電極18の方向に電気泳動で圧縮されると、粒子集合体56は、TIRを抑制するような屈折率不整合状態を形成し、入射光線を散乱または吸収して、その結果、シート12の外表面が暗く見える。
懸濁液中の粒子24の大きな体積分率がエバセント波域内での粒子24の充分な移動を可能にして制御可能にTIRを調整できる、というのは直感的には理解し難い。懸濁液中の粒子24の大きな体積分率は懸濁液の粘性を高めるが、粒子間気孔を充填する低屈折率電気泳動媒体22は低粘性なので、粒子集合体56を圧縮して、無粒子の低屈折率電気泳動媒体22の領域をシート12の内表面と接触させるのは比較的容易である。特に、電気泳動媒体22は低粘性であり、無粒子域はすべてのエバセント波を閉じ込めるのに十分な厚さであればよいので、良好に光制御できる。
図1に示すように、電極20は複数の電極セグメントに分割されている。適当なコントローラ(不図示)を使用して、第1の電極と電極セグメントの第1部分との間に第1の電圧を印加し、第1の電極と電極セグメントの第2部分との間に第2の電圧を印加する等を行って、選択された電極間に異なる電場をかける。各電極セグメント(または、隣接電極セグメント群)は個々の制御可能画素に対応する。
【0013】
前述の説明において当業者には明らかなように、本発明を実施するのに、本発明の精神や範囲を逸脱せずに多くの改変や改良が可能である。例えば前述のように、懸濁液中の粒
子24の体積分率は充分大きくて、懸濁が熱力学的に安定で、粒子の均一分布が維持されなければならない。熱力学的な安定が得られる体積分率は、特定の懸濁液内の特定の粒子の粒子間力に依存する。多くの懸濁液において、熱力学的な安定は25%から75%の範囲内で得られ、粒子24の体積分率がその範囲内で増加すると有効性は向上する。電気泳動媒体22および分散剤が粒子集合体56の残りの体積分率を占める。(上記の範囲内で)懸濁液中の粒子24の体積分率が高いほど、繰り返しスイッチング後の粒子24のクラスタ化の傾向は減少する。懸濁液中の粒子24の体積分率が約75%より高いと、粒子間空孔中に十分な電気泳動媒体22が残らず、従って、粒子集合体56を圧縮して充分な量の電気泳動媒体22を粒子間空孔から追い出することによって高屈折率状態を得、低屈折率の電気泳動液の領域58を得ることが難しくなる。懸濁液中の分散剤が不十分な場合は、粒子集合体56の好ましい圧縮率が得られず、その結果、粒子24の不安定な懸濁液になって、粒子24が互いに吸着し合う。本発明の範囲は添付の請求項によって規定された内容によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】好ましくない不均一粒子分布を示す、従来技術の電気泳動TIR画像ディスプレイの大きく拡大された部分断面図
【図2A】従来技術の電気泳動TIR画像ディスプレイの、電圧印加前の、大きく拡大された部分断面図。
【図2B】従来技術の電気泳動TIR画像ディスプレイの、電圧選択印加後の、大きく拡大された部分断面図
【図3A】本発明による電気泳動TIR画像ディスプレイの1画素部分の、電圧印加前の、大きく拡大された部分断面図。
【図3B】本発明による電気泳動TIR画像ディスプレイの1画素部分の、電圧選択印加後の、大きく拡大された部分断面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明な前面シート(12)と、同透明な前面シート(12)に平行離間している背面シート(14)と、シート(12、14)の間を充填し、かつ、非光散乱の光吸収粒子(24)をその中に懸濁させた電気泳動媒体(22)からなる電気泳動懸濁液と、からなる画像ディスプレイ(10)であって、
(a)懸濁液中で充分大きな体積分率を占めて、熱力学的に安定な凝集体(56)を形成する粒子(24)と、
(b)前面シート(12)を通過する光線の内表面での全内部反射を抑制すべく、前面シート(12)の内表面に向かって単一体として凝集体(56)を電気泳動で制御し移動させるために懸濁液に電圧を印加する手段と、
からなる画像ディスプレイ(10)。
【請求項2】
粒子(24)が懸濁液の25%の体積分率以上を占める請求項1に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項3】
粒子(24)が懸濁液の25%から75%の間の体積分率を占める請求項1に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項4】
懸濁液が分散剤を更に含む請求項1に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項5】
分散剤がフッ素化油からなる請求項4に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項6】
凝集体(56)が単一体として圧縮されて、
(a)第1の印加電圧に応答して前面シート(12)の方向に動き、
(b)第2の印加電圧に応答して背面シート(14)の方向に動く、
請求項4に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項7】
前面シート(12)の内表面が微細構造からなる請求項6に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項8】
前面シート(12)の内表面がプリズム状の微細構造(16)からなる請求項6に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項9】
前面シート(12)の内表面が複数の半球状の透明半ビーズからなる請求項6に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項10】
電気泳動媒体(22)が多フッ素置換(perfluorinated)炭化水素液からなる請求項6に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項11】
電圧印加手段が、前面シート(12)内表面上の透明第1電極(18)と背面シート(14)内表面上の透明第2電極(20)とからなる請求項6に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項12】
第2電極(20)が複数の電極セグメントからなり、第1電極(18)と電極セグメントの選択された1つとの間の電圧印加による電場が、第1電極(18)と電極セグメントの選択された1つ以外のいずれかとの間の電圧印加によって得られる電場とは区別される、請求項11に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項13】
(a)背面シート(14)と平行離間させて透明前面シート(12)を配置する工程と、
(b)電気泳動媒体(22)中に、熱力学的に安定な凝集体(56)を形成するのに十分な大きな体積分率を占める非光散乱光吸収粒子(24)を懸濁させて電気泳動懸濁液を作製する工程と、
(c)シート(12、14)の間を電気泳動懸濁液で充填する工程と、
(d)前面シート(12)を通過する光線の内表面での全内部反射を抑制すべく、前面シート(12)の内表面に向かって単一体として凝集体(56)を電気泳動で制御し移動させるために懸濁液に電圧を印加する工程と、
からなる画像ディスプレイ法。
【請求項14】
粒子(24)が懸濁液の25%の体積分率以上を占める請求項13に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項15】
粒子(24)が懸濁液の25%から75%の間の体積分率を占める請求項13に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項16】
懸濁液に更に分散剤を加える請求項13に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項17】
前記分散剤がフッ素化油からなる請求項16に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項18】
(a)凝集体(56)を単一体として圧縮して、前面シート(12)の方向に動かすべく第1の電圧を印加する工程と、
(b)凝集体(56)を単一体として圧縮して、背面シート(14)の方向に動かすべく第2の印加電圧を印加する工程と、
からなる請求項16に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項19】
前面シート(12)の内表面を微細構造にする請求項18に記載の画像ディスプレイ(10)。
【請求項20】
前面シート(12)の内表面をプリズム状の微細構造(16)にする請求項18に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項21】
前面シート(12)の内表面を複数の半球状の透明半ビーズにする請求項18に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項22】
電気泳動媒体(22)が多フッ素置換(perfluorinated)炭化水素液からなる請求項18に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項23】
(a)前面シート(12)内表面に透明第1電極(18)を形成し、
(b)背面シート(14)内表面に第2電極(20)を印加し、
第1と第2の電極(18,20)との間に電圧を印加する工程、から更になる請求項6に記載の画像ディスプレイ法。
【請求項24】
第2電極(20)を複数の電極セグメントに分割し、第1電極(18)と電極セグメントの選択された1つとの間に電圧印加して第1の電場を形成し、第1電極(18)と電極セグメントの選択された1つ以外のいずれかとの間に電圧を印加して第1の電場とは異なる電場を形成する、請求項23に記載の画像ディスプレイ法。



【図1】
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【公表番号】特表2007−505330(P2007−505330A)
【公表日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504510(P2005−504510)
【出願日】平成15年12月10日(2003.12.10)
【国際出願番号】PCT/CA2003/001927
【国際公開番号】WO2005/010604
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(505093792)ザ ユニバーシティ オブ ブリティッシュ コロンビア (17)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF BRITISH COLUMBIA