自己蒸気発生有益組成物
布地を処理するための自己蒸気発生有益組成物。本発明は、自己蒸気発生性であること、及び布地に有益を送達する1つ以上の有益剤を含むことの両方である組成物に関する。本発明は、また、本発明の自己蒸気発生有益組成物を利用する、布地を処理する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地を処理するための自己蒸気発生有益組成物に関する。本発明は、また、本発明の自己蒸気発生有益組成物を利用した布地を処理する方法に関する。本発明は、更に、布地を処理するキットに関する。
【背景技術】
【0002】
布地を洗浄する/清新にするための蒸気利用に関する一つの難題は、布地を洗浄する/清新にするために必要な蒸気を発生させるために、別個の熱源を必要とすることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自己蒸気発生性である組成物を提供することによって、この欠点に対処する。この組成物は、また、布地に有益を提供するために1つ以上の有益剤を包含することができる。本発明のこの及び他の特徴、態様、利点、及び変更は、添付された請求項と共に本開示を読むことにより当業者には明白となり、請求項の範囲内に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
布地を処理するための自己蒸気発生有益組成物が提供される。自己蒸気発生有益組成物は、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気発生率の蒸気を有する。一つの非限定実施形態において、自己蒸気発生有益組成物が、
a)約30重量%〜約80重量%の鉄粉末;
b)約0.5重量%〜約25重量%の炭素;
c)約0.5〜約10重量%の金属塩;
d)約1重量%〜約60重量%の水;
e)約0.1重量%〜約30重量%の水管理体;及び
f)蒸気の発生を支援するのに十分な量の酸素;
を含む。
【0005】
自己蒸気発生有益組成物物品も提供される。物品は、一緒に積層されている不織布材の複数の層の間に埋め込まれている少なくとも1つの蒸気発生セルを含む実質的に平面の積層体構造を備え、少なくとも1つの蒸気発生セルが少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を生成することができる。
【0006】
容器も提供される。容器は、バッグ、キャビネット、布地ローラーのコア、洗濯機、布地物品乾燥装置、又はそれらの組み合わせであってもよい。容器は、クローゼットであることもできる。容器は、自己拡張性であってもよい。自己蒸気発生有益組成物は、容器内で送達され得るか、又は容器の外側の或る点へ送達され得る。
【0007】
自己蒸気発生有益組成物及び容器を含むキットも提供される。自己蒸気発生有益組成物は、物品の形態であってもよい。布地を処理する方法も提供される。一つの非限定的な方法は、
a)容器を提供し;
b)容器内に自己蒸気発生有益組成物を提供し;及び
c)、自己蒸気発生有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での蒸気が、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気を生成する。
【0008】
別の非限定的な方法は、
a)容器を提供し;
b)自己蒸気発生有益組成物の供給源を提供し;
c)自己蒸気発生有益組成物の供給源から容器の内部に導管を提供し;及び
d)自己蒸気発生有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での蒸気が、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気を生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の多様な実施形態が詳細に言及され、その実施例は添付図面に例示されているが、類似の数字は図面の全体を通して同一の要素を示している。本明細書の百分率、比率、及び割合は、全て、特に指示がない限り、重量を基準とする。
【0010】
特に指示される場合を除き、分量、百分率、部分及び割合を包含する全ての量は、「約」という言葉により修正されると理解され、量は有効数字を示すことを意図するものではない。
【0011】
特に指示される場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は「1つ又はそれより多くの」を意味する。
【0012】
本明細書で使用する時、「含む」は、最終結果に影響を与えないその他の工程及びその他の要素を加えることができるということを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書で記載される本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書で記載される追加、若しくは所望の要素、成分、工程、又は制限のいずれかを含むか、それらから成るか、及びそれらから本質的に成ることができる。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「自己蒸気発生」は、自己蒸気発生実体に対して水から蒸気を発生する固有の能力を有し、その蒸気が実体から放出される能力を有することを意味する。本発明によると、蒸気を自己発生する能力は、自己蒸気発生実体と別個である供給源からのエネルギー入力に依存しない。
【0014】
本明細書で使用する時、「蒸気」は、目に見えない気体としての蒸発した水を意味し、それを凝縮した目に見える霧を包含することができる。
【0015】
本明細書で使用する時「有益組成物」は、布地物品に有益を送達するのに使用される組成物を意味する。有益組成物は、1つ以上の「有益剤」を備えることが可能である。有益剤を含み得る、及び/又は有益組成物の一部として包含され得る材料及びその混合物の非限定例には、水(蒸気を含むあらゆる形態)、柔軟化剤、縮毛剤(crispeningagents)、香料、撥水剤/汚れ防止剤(water/stainrepellents)、清涼剤、静電気防止剤、抗菌剤、パーマネントプレス剤、しわ防止剤、しわ復旧剤(wrinklereleaseagents)、防臭剤(odorresistanceagents)、耐磨耗剤、溶媒、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「布地」は、衣類、亜麻布、掛け布、服飾用付属品、革製品、床の敷物などを含むが、それらには限定されない布地物品を包含する。その用語は、また、トートバッグ、家具カバー、ターポリン、靴などのような、全体又は部分的に布地で作製されたその他の品目を包含する。
【0017】
本明細書全体にわたって示されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定含み、それは、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているとして理解されるべきである。本明細書全体を通じて示されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通じて示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。
【0018】
自己蒸気発生有益組成物
本発明の自己蒸気発生有益組成物は、蒸気を自己発生して、有益を布地に提供することができる組成物を含む。
【0019】
A.自己蒸気発生成分
本発明の自己蒸気発生成分は、一緒に反応すると蒸気を生成する物質の混合物を含む。それから生成された蒸気は、また、有益剤として考慮されてもよい。
【0020】
一つの非限定実施形態において、本発明の自己蒸気発生材料は、鉄粉末、酸素、炭素、金属塩、水、及び任意の追加的な水放出成分を含む、粒子状の発熱組成物を含んでもよい。
【0021】
鉄粉末
鉄は、鉄の発熱酸化に関わる電気化学反応における陽極である。鉄粉末に好適な供給源には、鋳鉄粉末、還元鉄粉末、電解鉄粉末、くず鉄粉末、銑鉄、錬鉄、種々の鋼鉄、鉄合金など、及びこれらの鉄粉末の処理された変種が挙げられる。導電性の水及び空気により蒸気発生を生み出すのに使用できる限り、それらの純度、種類などに特に制限はない。典型的には、鉄の酸素含有量(水素損失として測定されてもよい)は、約1%未満であるべきである。水素損失を測定する好適な方法は、MPIF(金属粉末産業組合(Metal Powders Industry Federation)標準02、表題「金属粉末の水素中での損失量の測定(Determinationof Lossof Massin Hydrogen for Metal Powders)」である。
【0022】
典型的には、海綿(多孔質)鉄が使用され、この鉄供給源の大きい内部表面積のため、特に有益である可能性がある。この内部表面積は外部表面積よりも桁違いに大きいので、反応性は粒径により制御されなくてもよい。海綿鉄の非限定例には、ヘガネス社(Hoeganaes Corporation)(ニュージャージー州リバートン(Riverton))から市販されている、M−100及びF−417が挙げられる。
【0023】
典型的には、鉄粉末は、本発明の粒子状発熱組成物の約30重量%〜約80重量%、又は約50重量%〜約70重量%含む。
【0024】
酸素
酸素は、鉄の酸化反応が起こるために必要である。酸素は、蒸気の発生を支援するのに十分な速度で鉄と反応するように入手されることが必要である。少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気が生成されることが望ましい。
【0025】
酸素供給源は、本発明の蒸気発生セル内に含有されている内部酸素供給源又は酸素の外部供給源のいずれかであってもよい。内部酸素供給源の一つの非限定例は、セル内に含有されている過酸化水素である。本発明で有用な外部酸素供給源の非限定例には、空気、及び/又は種々の純度の人工的に作製された酸素が挙げられる。
【0026】
一つの非限定例において、酸素は組成物を取り囲んでいる空気により供給されてもよい。粒子状発熱組成物に組み込まれている酸素生成化学物質を、調製時に分離することが望ましい可能性がある。例えば、気体不透過性フィルムバリアが、鉄混合物を空気から分離するために使用されてもよい。別の非限定例において、過酸化水素のような酸素供給源が使用される場合、典型的には追加のバリアが酸化液と鉄を分離するために使用される。
【0027】
活性及び非活性炭
活性炭が、鉄酸化反応の触媒として使用されてもよい。具体的には、濡れたときの活性炭が酸素を吸着する能力を有する。活性炭は、また、鉄の発熱酸化に関わる電気化学反応において陰極として機能を果たす可能性がある。更に、活性炭は、その極めて多孔質な内部構造のため水の放出を促進することができ、蒸気発生プロセスが始まるまで水を一時的に保持することが可能となるので、水放出剤として機能を果たす可能性がある。更に、活性炭は、鉄粉末の酸化により引き起こされる可能性があるもののような臭気を吸着することができる。
【0028】
ココナッツの殻、木材、炭、石炭、骨炭などから調製される活性炭は有用であるが、畜産物、天然ガス、脂肪類、油類、及び樹脂類のような他の原材料から調製される活性炭も、本発明の蒸気発生セルに有用である。使用される活性炭の種類に制限はない。陰極の能力は、非活性炭粉末、すなわち費用を低減するためにブレンドされた炭素を使用することにより拡張できる。従って、上記の炭素の混合物は本発明でも同様に有用である。
【0029】
典型的には、活性炭、非活性炭、及びこれらの混合物は、自己蒸気発生成分の約0.5重量%〜約25重量%、又は約1重量%〜約20重量%、又は約2重量%〜約15重量%含む。
【0030】
金属塩
金属塩は、空気との酸化反応を容易にするために鉄粉末の表面を活性化する反応促進剤として機能を果たし、腐食反応を維持するために発熱組成物に電気伝導を提供する。有用な金属塩類には、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムのような硫酸塩類、並びに塩化第二銅、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム及び塩化第一銅のような塩化物類が挙げられる。また、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩及び他の塩類も使用できる。一般に、鉄の腐食反応を維持するために単独又は組み合わせて使用できる、幾つかの好適なアルカリ、アルカリ土類及び遷移金属塩が存在する。
【0031】
上記で記載された塩類は全て使用できるが、典型的には塩化物類が使用される。理論に束縛されるものではないが、塩化物類は、鉄の電気化学酸化反応を促進する能力が考慮されて、慣用的に使用される。典型的には、金属塩(類)は、自己蒸気発生成分の約0.5重量%〜約10重量%、又は約1.0重量%〜約5重量%含む。
【0032】
水
本明細書で使用される水は、あらゆる適切な供給源からのものであってもよい。水道水、軟水、蒸留水、又は脱イオン水が、典型的に使用される。水は、一般に本発明の粒子状発熱組成物の約1重量%〜約60重量%、又は約10重量%〜約30重量%含む。水が、熱及び蒸気が放出される反応で消費される時、反応のために必要とされる化学量論量を超える過剰量の水が、蒸気を生成するのに使用される水の供給源を提供するために、添加される必要がある。
【0033】
水は液体の水の形態で組成物に直接組み込まれることができるか、或いは別個の水管理体又は水放出体に物理的に若しくは化学的に保持されている水が使用されてもよいか、或いはこれらの組み合わせである。
【0034】
水管理体
水管理体は、自己蒸気発生成分の一部として包含できる。本明細書で使用する時、用語「水管理体」、「水放出剤」、「水放出成分」、及び「水放出物質」は、水を物理的に又は化学的に保持又は保有し、適切な時点で、典型的には熱の適用時に水を放出する何かを意味するために、交換可能に使用される。理論に束縛されるものではないが、水管理体は、制御された速度で水を放出することにより、蒸気の発生量の増大を促進することができると考えられる。更に、水管理体は、水が組成物の種々の粒子の隙間空間に入る、又はそこで維持されることを防止又は抑制し、それによってあふれ出ることを防止又は抑制することを助けることができる。
【0035】
好適な水管理体の非限定例には、バーミキュライト、多孔質ケイ酸塩類、木材粉末、木粉、多量の毛羽立ちを有する綿布、綿の短繊維、紙の切れ端、植物質、超吸収性の水膨潤性又は水溶性ポリマー類及び樹脂類、吸収性ゲル材料(「AGM」)のようなアクリル系ポリマー類、カルボキシメチルセルロース塩類が挙げられ、大きな毛管機能及び親水特性を有する他の多孔性物質が使用できる。水和物の脱水温度が自己蒸気発生反応の最大温度以下である場合、水和無機塩類が水管理体として使用されてもよい。典型的には、水管理体は、本発明の粒子状発熱組成物の約0.1重量%〜約30重量%、又は約0.5重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約10重量%含む。水管理体と水の比率は、典型的には、全て重量に基づいて、約0.001:1〜約0.2:1、又は約0.01:1〜約0.17:1、又は約0.05:1〜約0.12:1である。
【0036】
水管理体は、約250ミクロンを超える、又は少なくとも約400ミクロン、又は約400ミクロン〜約800ミクロンの平均粒子を有してもよい。所定の成分の平均粒径は、ホリバ(HORIBA)LA−910レーザー散乱粒径分布分析器(カリフォルニア州ホリバ(Horiba,CA))、又は実質的に同様の結果を提供する他の機器を使用して、測定されてもよい。器具を使用する方法に加えて、ふるい分析も、平均粒径を決定するために利用されてもよい。
【0037】
追加の物質
上記の物質に加えて、本発明の自己蒸気発生成分は、また、必要に応じて追加の物質を含んでもよい。所望により、使用されてもよい他の追加の物質には、元素状態のクロム、マンガン、若しくは銅、これらの元素を含む化合物、又はそれらの混合物のような酸化反応増強剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム塩類、及びプロピオン酸ナトリウムを包含する無機若しくは有機アルカリ化合物、又はアルカリ弱酸塩類のような水素ガス阻害物質、木材粉塵、綿リンター、及びセルロースを含む天然セルロースの断片、ポリエステル繊維を含む断片形態の合成繊維、発泡型のポリスチレン及びポルウレタンのような発泡合成樹脂類、並びにシリカ粉末、多孔質シリカゲル、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、酸化鉄類、及びアルミナを含む無機化合物のような充填剤、リン酸三カルシウム及びアルミノケイ酸ナトリウムのような固化防止剤が挙げられる。
【0038】
そのような成分には、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びαデンプンのような増粘剤、並びにアニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、及び両性型の中に含まれるもののような界面活性剤が挙げられる。必要に応じて、本発明の粒子状発熱組成物に添加されてもよいなお別の追加の成分には、メタケイ酸塩類、ジルコニウム、及びセラミックスのような増量剤が挙げられる。
【0039】
自己蒸気発生成分の追加の非限定例
好適な自己蒸気発生成分の他の非限定例は、米国特許第4,017,414号;同第4,264,362号;同第4,522,190号;及び同第5,611,329号で開示されており、ここでは、腐食性超合金が、腐食性超合金及び塩の混合物に添加された電解質塩溶液又は水と反応する。典型的には、マグネシウムに組み込まれた少量の鉄を持つマグネシウムが、塩化ナトリウム水溶液と反応して、熱及び蒸気を生成する。反応化学量論は、Mg+2H2O→Mg(OH)2+H2+熱として記載することができる。この反応を利用するとき、蒸気を作製するのに必要な化学量論的な量を超える過剰量の水を加えることが望ましい。
【0040】
これを行う一つの可能な手段は、5原子%の鉄の腐食性超合金、約0.7グラムの不活性充填剤、0.5グラムのNaCl、及び約0.3グラムの消泡剤から構成される7.5グラムのマグネシウムから成る粉末ミックスを利用することである。粉末ミックスはポケットに含有できる。ポケットは、気体及び水透過性である比較的可撓性のポリマーの第1シートにより形成することができ、また気体及び水透過性でもある比較的可撓性のポリマーの第2シートに結合して、第1シートに複数個のポケットを形成する。ポケットを形成するシートは、濡れることに役立つ界面活性剤コーティングを含むことができる。次に40グラムの量の水が、粉末ミックスを含有するポケット形成シート上に流され、それによって自己蒸気発生反応が開始する。上記で記載された全体の反応を開始するのは、ポケットを通して粉末へ流れた水である。次に化学量論的な量を超える過剰量の水が蒸気に変換される。
【0041】
この系の活性化は、破裂し得るシールを、水と粉末ミックスポケットとの間に包含し、破裂した際に水が混ぜ合わさって達成できる。あるいは、水は手で注ぐような他の分配手段により添加できる。
【0042】
自己蒸気発生反応を利用するとき、使用中に放出されるH2を管理することが望ましい。これを行う非限定的な方法には、H2吸収体又は反応体を組み込んで、H2を有効に捕捉する又は除去することが挙げられる。
【0043】
別の、米国特許第5,936,486号で開示されているものと同様な手法で、固体加熱物質を、水又は水溶液の添加により活性化することが可能である。加熱物質は、酸無水物又は塩と塩基性無水物又は塩とが一緒になって、酸性と塩基性の無水物の両方へ水を添加することで、熱、並びに酸と塩基それぞれを生成するように構成してもよい。酸と塩基の後続反応で、追加の熱、並びに中性の生成物を生成される。塩基反応で使用する量をいくら超える、十分な量の水を追加することにより、熱が水を蒸気に変換することが可能になり、蒸発の潜熱が混合物全体の温度の制御に役立つ。
【0044】
これを行う可能な一手段は、ペレットに押出成形されたP2O5及びCaOを使用することである。P2O5/CaO(重量で1:1)組成物は、ペレットの形態に押出成形される。加熱物質は、固体粉末(P2O5及びCao)を混合し、熱生成の速度を制御し、プロセスを促進するために不活性液体を加え、ラム押出機、スクリュー押出機、ペレットミルなどを使用して組成物を押出成形することによって成形される。机上の一実施例において、組成物は、CaOとP2O5を等しい重量比で混合し、次に74%の白色鉱油と26%の界面活性剤から成る15.4%の液体を添加することによって調製される。この目的に好適な界面活性剤は、ジョージア・パシフィック・レジンズ(GeorgiaPacificResins)(ジョージア州アトランタ(Atlanta))から入手可能なアクトラフォス(ACTRAFOS)216のようなリン酸エステルであってもよい。次にペレットをペレットミルの0.318cm(0.125インチ)ダイスから押出成形し、0.318cm(0.125インチ)〜1.27cm(0.5インチ)の長さに切断する。次にペレットは約100℃で0.5〜1.0時間加熱される。ペレットの加熱で、改善された性能がペレットにもたらされ得ると考えられる。
【0045】
この系の活性化も水との相互作用を必要とする。この例では、40グラムの水が55グラムのペレットミックスに包含されて、自己蒸気発生反応を開始する。水は上記で記載されたものと同様な方法で、管理/導入できる。
【0046】
さらに別の手法では、CaOが使用できる。次にこれは、上記で記載されたように、水との相互作用により活性化される。所望であれば、塩化カルシウムのような反応増強剤が、蒸気発生を増強するために添加できる。
【0047】
別の手法では、熱を生成するために、過マンガン酸塩をグリセリンと混合できる。次に過マンガン酸塩/グリセリンとの熱連通において、水が加熱され、蒸気を生成する。
【0048】
本発明の自己蒸気発生成分に関して、自己蒸気発生成分内で酸素伝達を制限しないように、化学混合の多孔性を維持することが望ましい。多孔性の一つの指標は、自己蒸気発生成分のドライミックス(すなわち、自己蒸気発生成分プロセス中で水を添加する前)のタップ密度である。本発明の自己蒸気発生成分ドライミックスは、一般に約1g/ml〜約3g/mlのタップ密度を有する。タップ密度を決定する方法は、本文献で後述される。
【0049】
自己蒸気発生成分化学ミックスにおいて、ミックスで使用される約25%の鉄が約250μmを超える粒径直径を有するが、約25%未満の鉄が約15μm未満の粒径直径を有するような、狭い分布の粒径を利用することが典型的である。ふるいは、粒径分布を決定する一つの好適な方法である。
【0050】
この実施形態において、これらの比較的大きい粒径分布は、微粉(例えば、微細鉄粉末)が急速な反応に必要であるとの当該技術分野において一般的に持たれている考えに反している。事実、前記の比較的大きい粒径は、組成物内の成分の間での凝離効果を低減して、追加的に反応効率を増加する(例えば、金属又は他の物質がほとんど必要ない可能性がある)ことが、本明細書で見出されている。理論に束縛されるものではないが、これは、金属の表面積ではなく(又はそれに加えて)、利用される粒子の混合物の多孔性が反応速度を決定する可能性があるという知見に基づく。
【0051】
B.有益剤
有益剤と考慮され得る自己蒸気発生成分により発生された蒸気に加えて、本発明では、1つ以上の追加の有益剤を含んでもよい。追加の有益剤は、約0.001重量%〜約25重量%、約0.01重量%〜約15重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。これらの有益剤は個別の要素であってもよく、又はこれらは組成物中に一緒に含まれてもよく、又はその組み合わせであってもよい。有益剤成分の非限定例には、水、シリコーン、デンプン、しわ復旧剤(wrinkle releasingagent)、香料、界面活性剤、芳香剤、防腐剤、漂白剤、補助洗浄剤、布地収縮低減組成物、有機溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒の非限定例には、グリコールエーテル類、具体的にはメトキシプロポキシプロパノール、エトキシプロポキシプロパノール、プロポキシプロポキシプロパノール、ブトキシプロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、エタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物が挙げられる。自己蒸気発生成分に含まれる水も、本発明によると有益剤と考慮され得ることが理解されるべきである。
【0052】
本発明での使用に好適な布地収縮低減組成物には、エチレングリコール、プロパンジオールの全ての異性体、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。布地収縮低減組成物には、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1−オクタノール、及びこれらの混合物を挙げてもよい。界面活性剤は、エトキシル化アルコール又はエトキシル化アルキルフェノールのような非イオン性界面活性剤であってもよく、有益組成物の約2重量%まで存在してもよい。有益組成物は、所望により、水を包含してもよい。水が有益組成物に存在する場合、典型的には水を約0.01重量%〜約95重量%含む。
【0053】
有機溶媒、界面活性剤、香料、防腐剤、漂白剤、及び補助洗浄剤のような本発明で使用されてもよい有益組成物成分のより詳細な記載が、米国特許第5,789,368号(ユー(You)ら、1998年8月4日発行)及び米国特許第5,912,408号(トリン(Trinh)ら、1999年6月15日発行)で見出すことができる。本発明で用いる収縮低減組成物は、PCT国際公開特許WO00/11133(表題「布地収縮を低減する洗浄組成物(CleaningCompositionsthatReduceFabricShrinkag)」、2000年3月2日にストラング(Strang)らの名前で公開)に見出すことができる。
【0054】
C.任意の追加成分
本発明は、また、他の任意成分を含んでもよく、その非限定例は、ユーザーに自己蒸気発生プロセスの状態又はシステムの状態を知らせる信号である。例えば、処置が始まる及び/又は終わるときを示す信号であってもよい。使用されてもよい信号の非限定例には、色、音、及び/又は嗅覚信号を挙げてもよい。
【0055】
一つの非限定例には、温度又は湿度の変化に敏感な色変化染料又は塗料が挙げられる。好適な色変化塗料の例は、TMCU.S.A(イリノイ州グレンビュー(Glenview))により製造されるクロマゲン(Kromagen)75である。任意の追加成分を含める非限定例には、容器への追加、自己蒸気発生有益組成物への追加、及び/又は基材へ追加することが挙げられる。追加の成分は、自己蒸気発生有益組成物及び/又は基材へ追加される場合は、約0重量%〜約20重量%の量で添加される。
【0056】
ブレンディング
自己蒸気発生有益組成物を含む物質は、数多くの方法で、一緒にブレンドされてもよい。例えば、上記で記載された鉄酸化により誘導される自己蒸気発生有益組成物を利用する時、以下の非限定的な方法を物質のブレンドに使用することが可能である。プレミックスは、炭素を水で予め濡らして、鉄、アクリル系水放出剤、塩、及びチオ硫酸ナトリウム、並びに使用可能な他のあらゆる追加の有益剤に加えることによって、形成される。例えば、香料を含む有益剤が添加される場合、これを、炭素に、形成されたプレミックスに、混合物を含有する不織布基材に、又はこれらの組み合わせに、添加することができる。
【0057】
自己蒸気発生有益組成物物品
自己蒸気発生有益組成物物品は、使い捨てであってもよい。使い捨て自己蒸気発生有益組成物物品は、一緒に積層されている物質の複数の層の間に埋め込まれている単独の蒸気発生セル又は複数個の蒸気発生セルを有する実質的に平面の積層体構造を含んでもよい。1つの蒸気発生セル又は複数のセルは、積層体構造に固定的に結合されてもよい。自己蒸気発生有益組成物(他に記載されている)が1つのセル又は複数のセルの中に置かれ、酸素を組成物の中に入れる手段が、組成物の1つ以上の側面及び/又は部分上の透過層を介して提供される。この目的に好適なヒートシール可能なフィルムは、クロペイ・プラスチックス(ClopayPlastics)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))から材料番号DH245として入手可能なポリプロピレン/エチレンビニルアセテート(「PP/EVA」)フィルムである。
【0058】
積層体構造の或る部分は、典型的には多孔質である。積層体構造は、不織布を含んでもよい。一非限定例において、不織布はSMMS共押出積層体(「SMMS」は、スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド積層体を意味する)から構成されてもよい。メルトブローン部分は1つ以上の層から構成されてもよく、少なくとも1つのメルトブローン層は、典型的には少なくとも約8グラムの坪量を有する。理論に束縛されるものではないが、炭素化学及び少なくとも約8グラムの坪量を有するメルトブローン層を利用する自己蒸気発生有益組成物は、炭素粉末が物品から出ることを防ぐために役立つと考えられる。好適な不織布は、ポリマー・グループ・インターナショナル(PolymerGroupInternational)(バージニア州ウェーンズボロ(Waynesboro))から材料番号W502FWHとして入手可能である。
【0059】
自己蒸気発生有益組成物物品は、一回使用に設計されてもよいか、あるいは2回以上の使用に設計され得る。
【0060】
図1〜2、3A及び3Bを参照すると、自己蒸気発生有益組成物物品の非限定実施形態が示されている。図1を参照すると、3個のポケットを含む物品200が例示されており、各ポケット201は、自己蒸気発生有益組成物を含有する。自己蒸気発生有益組成物は、多孔質基材202で包まれている。一非限定実施形態において、多孔質基材202は、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)のブレンドであってもよい。この実施形態は、また、支持構造体203を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、支持構造体は、個別のポケットの中で内容物が沈殿することを防ぐのに役立つと考えられている。支持構造体203は、支持を提供し、且つ当業者によく知られているあらゆる物質から構成されることができ、セルロース性及び非セルロース性物質、金属、プラスチックなどが挙げられるが、それらには限定されない。
【0061】
図2を参照すると、別の非限定実施形態において、自己蒸気発生有益組成物207が多孔質基材202の中に包まれている。多孔質基材202はPETであってもよい。酸素バリア上包み204が、自己蒸気発生有益組成物及び多孔質基材を包む。
【0062】
図3A及び3Bを参照すると、自己蒸気発生有益組成物物品のさらに別の非限定実施形態において、多孔質基材トップシート205及び多孔性でないバックシート206が、自己蒸気発生有益組成物207を包み込む。一非限定例において、多孔質トップシートはSMMSから構成されてもよく、一方、多孔性でないバックシートはPP/EVAから構成されてもよい。この実施形態は、また、蒸気が物品の両側から発散するように、多孔質トップシートが両方の側面の外側を向くようにして、折りたたむことができる。
【0063】
自己蒸気発生有益組成物の活性化
鉄化学に基づく一非限定実施形態において、自己蒸気発生有益組成物は、次のようにして活性化されてもよい:自己蒸気発生有益組成物物品が、酸素不透過性プラスチック上包みを含んでもよい。ユーザーが利用し易いように、上包みの上に引き裂きタブ又は切り欠きが包まれてもよい。上包みを破って開けて自己蒸気発生有益組成物物品を取り出すことをユーザーに指示する使用説明書が、パッケージに含まれてもよい。この開封動作は、周囲空気に含有されている近位の酸素と鉄ミックスとを直ちに混合して、自己蒸気発生プロセスを開始させる。
【0064】
実際には、自己蒸気発生プロセスは、典型的には、蒸気発生が所望の時点で起こるように設計される。このように組成物は、一般に、蒸気発生が必要に応じて開始又は活性化できるような方法で含有又は提示されている。例えば、本発明の自己蒸気発生組成物は、空気に対して不透過性である容器内に含有されていてもよく、蒸気発生は、容器の破裂を通して開始又は活性化されてもよい。
【0065】
追加的な又は代替的な例として、蒸気形成のために反応する組成物では、反応が望まれる時まで起こらないよう、反応性成分の間にバリアが存在させることも可能である。この任意の実施形態において、組成物の活性化は、望ましい自己蒸気発生効果を作り出すような方法で組成物を相互作用させるバリアの除去又は破裂によって達成されてもよい。
【0066】
鉄酸化の場合、バリアは、鉄系ミックス又は鉄系ミックスを含有する基材の周りの酸素不透過性上包みであり得る。上記で示されたように、この場合、組成物は、単に上包みを除去して空気中の酸素と鉄系ミックスを接触させ、蒸気発生プロセスを開始するようにることによって、活性化される。
【0067】
マグネシウム系自己蒸気発生化学又は酸化カルシウム系自己蒸気発生化学の場合、反応を開始するのに使用される水は、連続格納系の中の破裂し得るバリアにより分離し得るか、或いは、別個の物理的作用を取って組成物全体を密接に接触させることで蒸気発生プロセスを開始させる別個の隣接する容器に収容できる。
【0068】
自己蒸気発生有益組成物は、容器内に位置してもよいか、又は容器の外側に位置してもよい。自己蒸気発生有益組成物が容器の外側で活性化される場合、蒸気は、自己蒸気発生有益組成物の供給源を容器の内部と接続する導管を介して、容器内に送達されてもよい。導管の非限定例には、管類、パイプなどが挙げられる。
【0069】
蒸気発生
ピーク蒸気生成では、自己蒸気発生有益組成物は、典型的には、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気を発生し、少なくとも自己蒸気発生有益組成物1グラムあたり約5×10−5グラム蒸気を生成する。活性化したとき、本発明の自己蒸気発生有益組成物は、典型的には容器内で約50%〜約105%の相対湿度を発生するようなレベルで使用される。
【0070】
追加の有益剤の送達
追加の有益剤が自己蒸気発生有益組成物で利用される場合、それは、自己蒸気発生成分と共に、数多くの方法で布地に送達できる。以下は幾つかの非限定例である。
【0071】
a)蒸発
追加の有益剤成分は、有益剤の直接の蒸発により(すなわち、蒸気により、熱により、またはこれらの組み合わせにより)送達できる。この場合、追加の有益剤成分は、自己蒸気発生成分の中に、あるいは、蒸気が基材から追加の有益剤成分を放出するように基材と熱連通する基材の中に若しくは上に直接組み込まれる。非限定例には、香料が自己蒸気発生成分の中に直接組み込まれること、あるいは香料が、自己蒸気発生成分と熱連通する不織布基材上にあること、が挙げられる。蒸気は、香料が蒸気と共に運ばれるように香料を蒸発させる。
【0072】
追加の有益剤は、共沸混合物の形態で送達できる。蒸気は水から形成されるので、水と有益剤の一定したミックスは、共沸混合物の形態で蒸発し得る。
【0073】
b)物理的な送達
別の非限定例において、追加の有益剤は布地上に分配されてもよい。例えば、追加の有益剤は、基材上に含まれ得る。次に、有益剤を布地上に分配するため、基材を布地の全面にわたって擦ることができる。
【0074】
容器
本発明は容器を含む。本発明の範囲内に含まれる容器の非限定例には、バッグ(これには限定されないが、衣類バッグが挙げられる)、クローゼット(これには限定されないが衣服用クローゼットが挙げられる)、キャビネット、布地ローラーのコア(その非限定例には、糸屑ローラーのようなローラーと布地との間で効果を移動させるローラーが挙げられる)、洗濯機、及び布地物品乾燥装置(これには限定されないが衣服用乾燥機が挙げられる)が挙げられる。自己蒸気発生有益組成物物品は、容器の中に含まれてもよい。加えて、自己蒸気発生有益組成物で処理される布地は、また、容器の中に含まれてもよい。
【0075】
本発明での使用に好適な容器の非限定例は、PCT国際公開特許WO00/19001(2000年4月6日公開)に開示されている。
【0076】
本発明での使用に好適な別の実施形態において、図4〜10で示されているように、自己拡張容器が使用される。この実施形態は、折り畳み方向と開放方向を含む2つの方向性が可能である。折り畳まれた方向にあるとき、容器のフレーム部材は、張力下にある。開放方向に置かれた場合、張力が各フレームから部分的に解除されて、それにより各フレーム部材がはじけ出るか、飛び出して開放方向になることを可能にする。本明細書で使用する時、用語「自己拡張」は、容器自体が折り畳まれた状態からはじけて開くか、飛び出す能力を意味する。図7を参照すると、実施形態の骨格図が示されている。ループフレーム部材27を含む前部フレーム部材22及び後部フレーム部材32を備える。前部フレーム部材22及び後部フレーム部材32は、輪になった可撓性のフレームであり、それぞれ、十分な堅さがあるが、フレームを輪の形状にすることを可能にする弾力性材料から形成されている。各フレーム部材は、2つの位置又は方向性を取ることができ、一方の位置は、開放又は拡張位置であり、他方は、フレーム部材がそれぞれの開放位置よりもかなり小さいサイズに折り畳まれている折り畳み位置である。フレーム部材は、これらの要件を満たすあらゆる材料で構成され得、ばね鋼線、プラスチック、ガラス繊維、グラファイト、又は他の金属ロッド若しくはワイヤが挙げられるが、それらには限定されない。フレーム部材は、スリーブ26を保持する前部フレームとスリーブ36を保持する後部フレームとの間の物質の張力により、加えて前部支持部材60及び背側支持部材62により、所望の方向に保持されている(図6及び7で示され、下記で更に考察される)。
【0077】
また含まれるものは、側部支持部材64及び65であり、これらは典型的には互いに対向して位置している。前部硬質支持部材60及び後部硬質支持部材62が含まれてもよく、取付け部材90も含まれてもよい。内部懸架部材95及び外部懸架部材70(図4及び5で示されている)が、取付け部材90と接続されてもよい。内部懸架部材95は、フック、バーなど(しかしこれらに限定されない)容器10の内部の衣類物品を含むがそれに限定されない何かを吊すために使用され得るようなものを含んでもよい。外部懸架部材70は、表面から容器10を吊すために、ブラケット、フックなどを持つストラップ73(しかしこれに限定されない)を含んでもよい。所望であれば、外部懸架部材70は、所望により、図4で示されているような折り畳みフック80を含むことができる。
【0078】
ループフレーム部材27(図7)は、物質により覆われている。物質は、典型的には、一般に可撓性であり、折り畳み可能であり、丈夫であり、軽量であり、そして耐水性である布地から構成され、この非限定例には、ナイロン、ポリエステル、マイクロファイバー、プラスチック、マイラー、不織布などが挙げられる。この物質は、典型的には約200g/m2/日未満、又は約100g/m2/日未満、又は約75g/m2/日未満の湿気透過速度を有する。
【0079】
図4〜7を参照すると、物質により覆われたループフレーム部材27は、前面パネル20、背面パネル30及び側面パネル40から構成される。側面パネル40は、例えば、一緒に結合してパネルを形成する連続性の物質片又は非連続性の物質片から構成されてもよい。前面パネル20、背面パネル30及び側面パネル40に加えて、前部支持部材60及び後部支持部材62が含まれてもよい。これらの支持パネルは、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。
【0080】
一般に、背面パネル30は連続性の物質のウエブにより覆われているが、前面パネル20は、容器10の中へ物を入れることを可能にする開口部を含む。開口部は、図4で示されているように、移動可能な閉鎖部材50であってもよい。移動可能な閉鎖部材50は、典型的には、閉鎖位置にあるときに所定の位置に移動可能な閉鎖を保持するために、側面パネル40と重なり合う。移動可能な閉鎖部材50は、容器10に取付けることが可能な扉を含んでもよいか、或いは部分的取り付けられていてもよい及び/又は容器10から完全に取り外し可能であってもよい。容器10の前部、側部、及び後部の物質は、典型的には可撓性であり、折り畳み可能であり、丈夫であり、軽量であり、そして耐水性である物質から構成され、この非限定例には、ナイロン、ポリエステル、プラスチック、マイラー、不織布、ライクラ、スパンデックスなどが挙げられる。上記で示されたいずれの物質も移動可能な閉鎖部材50に好適であるが、典型的には移動可能な閉鎖部材50の或る部分は、伸縮性の物質から構成されてもよく、その非限定例には、ライクラ及びスパンデックスが挙げられる。
【0081】
図4を参照すると、移動可能な閉鎖部材50は、また、移動可能な閉鎖を保持するスリーブ59及び伸縮部材58を含むことができる。移動可能な閉鎖保持スリーブ59は、物質中に狭い溝により形成される。伸縮部材58は、移動可能な閉鎖保持スリーブ59の中に位置し、その伸縮性は、移動可能な閉鎖部材50が側面パネル40の周りの所定の位置で保持されることを可能にする。この概念は、ぴったり合うように作られたベッドシートと同様であり、伸縮部材58及び移動可能な閉鎖部材50を含む物質の伸縮性は、移動可能な閉鎖部材50を前部フレーム部材22の周りに伸張し、次に前部フレーム部材22の周りに収縮して、移動可能な閉鎖部材50を所定の位置にぴったりと合わせ、保持する能力を提供する。好適な伸縮部材の一非限定例はバンジーコードである。加えて、他の物質が閉鎖目的のために使用できることは当業者には明白であり、その非限定例には、磁石、ジッパー、テープ、ジップ・ロック(ZipLock)(登録商標)シール、並びにフック及びループ形締結具、例えばベルクロ(VELCRO)(登録商標)が挙げられる。
【0082】
容器10の全て又は一部は、内部が容易に見えるように半透明又は透明であってもよい。図4及び9を参照すると、容器10は、また、1つ以上の窓52も含んでもよい。窓は、容器10のどこに配置されてもよい。一非限定例において、窓52は、移動可能な閉鎖部材50に位置する。窓52は透明であってもよい。窓52が形成される好適な物質の非限定例には、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリエチレンテレフタレートギコール(gycol)(「PETG」)、ポリカーボネート(「PC」)、ビニル、マイラーなど、及びこれらの組み合わせである、硬質又は可撓性の透明な物質が挙げられる。典型的には、窓52は、移動可能な閉鎖部材50が閉鎖した時、容器10の内側の物体を見るために十分に大きいサイズである。
【0083】
図4−5、及び図6を参照すると、側面パネル40を覆う物質が、前面パネル20及び背面パネル30を覆う物質の周辺部に取付けられている。これらは、スリーブ26を保持する前部フレーム、スリーブ36を保持する後部フレーム、前部フレーム部材22、及び後部フレーム部材32が容器10の中に含有されるように取付けられている。スリーブ26及び36をそれぞれ保持する前部及び後部フレームは、フレーム部材を包むためにウエブの周囲に狭い溝を取付けることにより形成されてもよい。取付けの好適な方法には、縫付、溶封、糊付など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。
【0084】
前部フレーム部材22のようなフレーム部材に追加の支持体を提供することが望ましい場合、前面パネル20及び背面パネル30に加えて、前部硬質支持部材60及び背側硬質支持部材62が使用されてもよい。前面パネル20の開放性のため、物質は、前部フレーム部材22を所望の配置に保持するための十分な張力を提供しない可能性がある。前部硬質支持部材60は、前部フレーム部材22に方法を問わず接続しているときに、この追加の支持を提供する。容器10が図9Eで示されているように折り畳み形状であるとき、前部及び後部硬質支持部材60及び62も、容器10の周りにシェルを提供して、携帯を容易に可能にする。前部及び背側硬質支持部材は、PET、PETG、PC、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、ポリプロピレン(「PP」)などのようなあらゆる硬質又は半硬質物資から作製されてもよいが、より可撓性の物質及び布地から作製することもできる。
【0085】
図7で示されている側部支持部材64及び66は、前部フレーム部材22と後部フレーム部材32との間に張力を提供して、分離したままである様に、前部フレーム部材22と背側フレーム部材32の両方に取付けられてもよい。側部支持部材64及び66は種々の材料から作製することができ、硬質プラスチック(その非限定例として、PET、PETG、PC、HDPE、PPを含む)、金属ワイヤのループなどが挙げられるがそれらには限定されない。
【0086】
図8A〜8D及び9A〜9Eを参照すると、図7の骨格は、拡張された形状から部分的に折り畳まれた形状までが示している。容器をその小さくなった状態に折り畳むために、移動可能な閉鎖部材50(図4及び10を参照すること)は、容器10から取り外されてもよく、前部及び後部フレーム部材22及び32は、一緒に圧縮され、容器の上端が前方へ丸められる。
【0087】
容器10の上端は、小型のループを形成するように折り畳まれる。所望であればループは前部及び後部硬質支持部材60及び62の間に折り込まれてもよい。フレーム部材22及び32を前部及び背側硬質支持部材60及び62の中に折り畳んだ後、移動可能な閉鎖部材50は丸められ、小型で保管及び移動の容易な容器10を形成する。
【0088】
図4〜5及び7を参照すると、所望であれば、外部懸架部材70が扉、バーなどのような構造から容器10を吊すために使用されてもよい。外部懸架部材70は、取付け部材90と接続されていてもよい。示されている実施形態では、ユーザーは、所望であれば外部懸架部材70を回すことによって、ドアフック72又はロッドフック74のいずれかを所望により使用することができる。高さ調整スロット76は、ユーザーが容器10の吊す高さの調整することを可能にする。図4を参照すると、ユーザーがこれらのコンポーネントに届くことを補助するため、任意のハンドル78が外部懸架部材70に組み込まれ得る。ストラップ73のような可撓性部材が、外部懸架部材70と容器10とを接続するために使用されてもよい。
【0089】
フックが使用される場合、それは折り畳みフックであってもよい。図4を参照すると、折り畳みフック80は、ユーザーが、折り畳まれた容器10が吊されて且つ使用されていないときに、より平らな構成にすることを可能にする。折り畳みフック80は外部懸架ストラップ73に取付けられている。ユーザーは、容器10の可撓性フレームの上端を折り畳みフック86のアームの下を通して、前面パネルの上端と背面パネルの上端を締めることができる。
【0090】
図7、8A〜8D、及び9A〜9Eを参照すると、布地が内部懸架部材95により容器10の中に吊されてもよい。内部懸架部材95は、取付け部材90と接続されている。内部懸架部材95は、布地が容器10の中に吊されることを可能にするあらゆるものであることができ、その非限定例には、当業者によく知られているバー/ロッド、フック、ハンガーなどが挙げられる。取付け部材90は、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのような軽量プラスチックから作製されてもよい。
【0091】
容器10は、フレームの支持により自立し得るか、例えば、外部懸架部材70により表面から吊され得る。容器10の中で吊されている布地は、所望であればしわの低減を改善するために重りをかけること又は伸張することができる。重りをかけて伸張する装置は、当業者に既知であろう。処理は、容器10の中に置かれた後で、且つプロセスが始まる前に機械的に伸張されるべく処理されてもよい。理論に束縛されるものではないが、布地の伸張又はいわゆる引張りがプロセスの際のしわをゆるませることに役立つと考えられる。
【0092】
伸張系の非限定例には、重りをかけたクランプ、並びに軽量圧縮性又は伸縮自在伸張系が挙げられ、この系はばねのような張力装置を含む。後者の系は、必要に応じて張力及び方向を調節できると共に、洗浄及び清新装置に余分の重みを加えないという有益を有する。使用される場合、これらの系は典型的には容器10の底部に取付けられる。このような系の一例は、自動車用のサンフィルタとして従来使用されている巻上げブラインドであり、ハルフォーズ(Halfords)から市販されている。この系は、巻上げばね機構手段により広げたり又は小さくしたりすることができる巻上げブラインドである。布地の引張りにこの系を適合させるためには、この系の僅かな変更が必要である。一非限定的な適合化は、この系のハウジングを容器10の底部に取付け、反対側に1つ以上のクランプを設けることを含み、それによって、容器10の中の布地のクランプ留め、従って伸張又は引張りが得られる。また、ばねの張力は、所定の布地に対して望ましい伸張力に調節できる。クランプの大きさは、この系に1つ以上のクランプが取り付け可能なように変えることができる。更に、別の変形は、系のハウジングの反対側に位置する巻き上げブラインド引張り系に沿って又は部分的に沿って動く1つのクランプだけを有することに関わる。
【0093】
図4を参照すると、ファン作動系103と共にファン100が含まれてもよい。容器10の底部の側面に取付けられているように示されているが、容器10にファン100及びファン作動系103を取付ける他の位置は、本発明の原理から逸脱することなく調整できる。ファン作動系103は、ファン100が作動する適切な時間を決定する。ファン作動系103は、電源、ユーザーインターフェース、並びに電子部品のプリント回路基盤を含んでもよい。電子部品の一実施形態が下記で非常に詳細に考察される。電源は、6ボルトを送達する4個の単三電池のセットのような電池であってもよい。ユーザーインターフェースは、機械式のオン−オフスイッチ、LED光、又はユーザーと通信するのに利用可能な他のあらゆる装置であり得る。プリント回路基盤は、ファン100のDCモーターを操作する制御回路網を含有する。一般論として、回路は、通常、電池と切断されていて電流の流出がなく、それによって電池の寿命を維持する。機械式のスイッチが一瞬押されると、回路にはリレーをラッチングすることにより動力が供給される。PCBは、また、布地処理期間の間の特定の時にファン100を操作できる、論理制御を含有する。バイメタル感温性スイッチ(示されず)がファン100を制御するために使用できる。このスイッチは、予め設定した温度範囲でモーターを回すように、自己加熱有益組成物に近接して配置されてもよい。
【0094】
ファンアセンブリは、作動中にファンの手動操作を防ぐために使用され得る、格子付き覆いを有するファンハウジング前面のような、特定の安全機能を含んでもよい。ファンモータは、所定の場所に保持され、ファン取付け片によりファンアセンブリ100の中央に位置されてもよい。この目的のために使用されてもよい好適なファンは、軸及び遠心ファンを含む。ファン及びファン吸気口は、容器10の空隙内の空気の少なくとも一部分が再循環するように、容器10の内部の空隙内中にあってもよい。
【0095】
ファン100により容器10の中の布地の周りに生じる気流速度は、一般に約0.05m/s〜約10m/s、又は約0.1m/s〜約5m/s、又は約0.5m/s〜約2m/sである。加えてフィルタは、所望により、容器10の内部又は外部に提供されてもよい。
【0096】
図11を参照すると、本発明に従って作製された別の容器の非限定実施形態が示される。容器500は、開口部130を介して利用できる、内部チャンバ230を画定する側面パネル210を含む。開口部130は、典型的には、封止手段によって、容器500が操作中に覆われる。封止は、実質的にあらゆる既知の封止装置により達成することができ、その非限定例には、磁石、ジッパー、テープ、ジップ・ロック(ZipLock)(登録商標)シール、並びにフック及びループ形締結具、例えばベルクロ(VELCRO)(登録商標)が挙げられる。
【0097】
容器500は、プラスチック、布地、金属などのような、あらゆる適切な材料で構成することができる。一非限定例において、側面パネル210、上部パネル300、及び底部パネル360は、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのような、プラスチックシート材料から構成されてもよい。このシート材料は、硬質又は可撓性であり得ることが理解されるべきである。パネル210、300、及び360は、透明であり得、又は所望であれば、他の物質から構成され得、その非限定例には、不透明の物質、UV遮断物質、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0098】
布地容器500は、所望により、上部フレーム280、底部フレーム340、及び側部フレーム250を更に含む。これらのフレームは、互いに別個の物であり得、又は単一構造であり得る。これらのフレームの1つ以上が不在であり得る。所望であれば、硬質側面パネルを本発明の容器構成に使用でき、ヒンジを折り畳みできる容器作製に使用できる。
【0099】
フレームが使用される場合、フレームは、拡張したときに半剛性の三次元構造体を形成する、可撓性の折り畳み式構造体を形成してもよい。折り畳み式構造体の例は、例えば、米国特許第5,038,812号(ノーマン(Norman)、1991年8月13日発行)により既知である。一般に、ノーマン(Norman)において見出されたように、可撓性の折り畳み式フレームは、比較的強度があるにもかかわらず、折り畳める程十分に可撓性のある材料で形成される。代表的なフレーム材料は板ばね鋼である。1つ又は複数のフレームは、容器の内部又は外部に縫付ける、接着する、ないしは別の方法で取付けることができる。同様に、1つ又は複数のフレームは、緩く上に掛かっているか又はフレームにより拡張されている容器布物質と共に自立することができる。
【0100】
通気口が使用されてもよい。通気口は別個の要素である必要はない。通気口320は、容器500の中のあらゆる位置に存在し得る。通気口は別個の要素である必要はない。具体的には、容器500は、継ぎ目及びシールを通した自然な漏れにより通気できる。あるいは、完全に封止された内部チャンバが、特に内部チャンバ温度又は蒸気濃度を上げるために使用され得る。
【0101】
布地は、容器500の内部チャンバ230の内部であらゆる適切な方法により吊るすことができる。そのような一非限定的な方法が示されており、バー240がハンガー260を吊すために提供される。本発明の一非限定実施形態において、基材400を底面パネル360の上に置くことができる。本明細書で示されていない別の非限定実施形態では、基材400は、容器500の中で、例えば、ハンガー260に架けられている掛け布形状の基材400で吊されることができる。容器500は、上記で記載されたように硬質フレームの支持により自立することができるか、又は支持手段(示されず)から懸架部材220により吊されることができる。容器500が懸架部材220で吊される場合、フレームは必要ではないが、フレームは、一般に内部チャンバ230の形状及び容量を制御及び維持するために好ましい。
【0102】
1つ以上の追加の有益剤を放出可能に含有してもよい単独の又は複数の基材は、本明細書で記載される布地処理プロセスにおいて使用できることが理解される。更に、基材は、容器中の実質的にどこにでも置かれることができるか、又は上記で記載されたように容器の外部に隣接して置かれることができる。
【0103】
衣類330のような布地物品を通る乱空気流は、布地と空気の接触を改善する可能性があり、布地物品からの改善された悪臭除去をもたらす。乱空気流は、当業者に既知の多様な方法のうちのいずれかによって実現できる。容器の内部チャンバの中に乱流を生じることができる方法の非限定例には、特別な設計の容器、容器内のバッフル、電池、太陽電池又は他の入手可能な電源により作動されるファンが挙げられる。
【0104】
通気口
前記で示されたように、本発明は通気口を含有してもよい。通気口は数多くの目的のために役割を果たすことができるが、典型的には通気口は、容器の内側の大気を容器の外側の周囲空気と交換する方法を提供することに役立つように設計できる。これは処理後の布地を乾燥するのに役立つ可能性がある。自動化された電池駆動式ファン系が、通気口と一緒になって乾燥を達成するのに都合のよい方法である。この場合の通気口は、作動されるフラップを持つか若しくは持たない単一の開口であることができるか、又は物質の透過性の性質により分配領域全体にわたって均一に通風する物質により容器を設計することによって達成できる。通気口の別の理由は、処理の時間とともに、少量の自己蒸気発生有益組成物の蒸気を容器から逃がすことであってもよい。この例は、好ましい香料の匂い/香りを、処理容器が作動している領域に放出することである。
【0105】
布地を処理するキット
自己蒸気発生有益組成物物品及び容器は、キットとして一緒に提供されてもよい。キットとして提供されるとき、自己蒸気発生有益組成物は、容器の外部に位置してもよいし、容器の内側に位置してもよい。容器は、自己蒸気発生有益組成物物品を保持するホルダを含んでもよい。ホルダは、容器の外部又は内部のどこに位置されてもよい。ホルダは、自己蒸気発生有益組成物が、容器の内部に位置していてもよい布地と混ざり合うように、容器の内部と流体連通してもよい。好適なホルダには、当業者には容易に知られているものが挙げられ、その一つの非限定例は小袋である。所望であれば、自己蒸気発生有益組成物は、直接小袋の中に入れることができる。同様に、追加の有益組成物が使用される場合、自己蒸気発生有益組成物の中に直接組み込まれることができるか、又は別の非限定例としては、小袋に直接添加できる。
【0106】
所望であれば、本発明の自己蒸気発生有益組成物物品は、天然の折り畳み点を含んでもよく、従って物品を梁、ハンガーなどに掛け布状に架けることができる。逆に言えば、所望であれば、物品は容器のどこにでも位置することができ、例えば、ポケットの中に落ちていることができるか又は容器に取付けられていることができる。物品は、また、物品からの蒸気が容器の中に入ることができる限り、容器の外側に位置することができる。
【0107】
自己学習型商品
本発明は、また、1)本発明の自己蒸気発生有益組成物、及び2)布地を洗浄/清新するために本発明の方法をどのように利用するかをユーザーに指示する一連の説明、を含む商品を含む。
【0108】
一つの実施形態において、商品は、一連の説明に関連して本発明の自己蒸気発生有益組成物を含み、ここで、説明は、布地に有益を提供する方法にユーザーが従うように指示をする。例えば、一つの実施形態において、そのような説明は、1)自己蒸気発生有益組成物を容器の中に置くこと、2)布地を容器の中に置くこと、及び3)自己蒸気発生有益組成物を活性化すること、をユーザーに指示する。
【0109】
本明細書において、「関連する」は、そのような説明を参照するとき、一連の説明を自己蒸気発生有益組成物及び/又は容器の消費者に知らせるように、説明が、自己蒸気発生有益組成物の上に直接印刷されている;自己蒸気発生有益組成物及び/又は容器のパッケージの上に直接印刷されている;自己蒸気発生有益組成物及び/又は容器のパッケージに付いているラベルに印刷されている;或いはパンフレット、活字広告、電子広告、放送若しくはインターネットでの広告、及び/又は他の媒体が挙げられるが、それらには限定されない異なる方法により表されるもののいずれかであることを意味する。
【0110】
方法
自己蒸気発生成分プレミックスのタップ密度を決定する方法
タップ密度は、沈殿をもたらすために容器を軽くたたいた後の物質の嵩密度を意味する。以下は自己蒸気発生成分プレミックスのタップ密度を決定する方法を提供する。
【0111】
測定される物質の試料の全てを蓋の付いた大型の容器の中に注ぐ。容器を、試料を十分に混合するために混転し回転する。100mlのメスシリンダーが天秤の上に置かれ、風袋でゼロにする。次に容器の試料は、シリンダーが約1/2から3/4まで充填されるまで、シリンダーの中に入れられる。充填されたメスシリンダーをタップ密度試験機と接続し、タップ番号を600に設定する(好適なタップ密度試験機はヴァンケル・インダストリーズ(VanKelIndustries)(ニュージャージー州エジソン(Edison))から入手可能なVK−50−100単一プラットフォームユニットである)。軽くたたくことが完了すると、シリンダーが取り外され、物質の容量が記録される。タップ密度が次の方程式により決定される。
タップ密度(g/ml)=W/Y、式中:
W=試料の重量(g)
Y=試料のタップ容量(ml)
【実施例】
【0112】
自己蒸気発生有益組成物
本発明で用いる自己蒸気発生有益組成物は以下のようにして調製されてもよい。
【0113】
自己蒸気発生成分プレミックス:
100kgの自己蒸気発生成分プレミックスは、以下のようにして作製できる。
5.58kgの活性炭をミキサーに加える。この目的に好適なミキサーは、リトルフォード・デイ・ミキサー(LittlefordDayMixer)である。4.28kgの水をミキサーに加え、10分間混合する。83.14kgの海綿鉄をミキサーに加え、3分間混合する。7kgのAGM(ポリアクリレート吸収性ゲル材料)をミキサーに加え、12分間混合する。次にこのプレミックスは容器に添加される。
【0114】
ブライン:
100kgのブラインは以下のようにして作製できる。
88.3kgの水(軟水が使用されてもよい)をミキサーに加える。10.4kgの塩化ナトリウム及び1.3kgのチオ硫酸ナトリウムをミキサーに加え、15分間混合する。次にブライン溶液が容器に添加される。
【0115】
自己蒸気発生熱セル:
ブライン溶液が、最終上包み容器に包装する少し前に、自己蒸気発生成分粉末プレミックスに添加されるか、又は最終上包みに包装する少し前に、粉末プレミックスを含有する基材に添加される。所望であれば、1つ以上の追加の有益剤が、自己蒸気発生熱セルに添加されてもよい。これの非限定例には、有益剤を炭素に加えること、形成されたプレミックスに加えること、混合物を含有する不織布基材に加えること、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0116】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うことが意図される。本明細書で引用される全ての文献は、関連部分において参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきではない。
【0117】
本発明は、以下の説明を添付図面と併せることで、より良く理解されると考える。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に従って作製された自己蒸気発生有益組成物物品の実施形態の平面図。
【図2】本発明に従って作製された自己蒸気発生有益組成物物品の代替的実施形態の平面図。
【図3A】本発明に従って作製された自己蒸気発生有益組成物物品の別の代替的実施形態の平面図。
【図3B】図3Aの実施形態の正面図。
【図4】本発明に従って作製された容器の正面斜視図。
【図5】図4の容器の背面斜視図。
【図6】図4の容器の線6−6に沿って見た断面図。
【図7】図4の容器の骨格の斜視図。
【図8A】図7の容器を示す側面図。
【図8B】図7の容器を示す側面図。
【図8C】図7の容器を示す側面図。
【図8D】図7の容器を示す側面図。
【図9A】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9B】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9C】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9D】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9E】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図10】本発明に従って作製された好適な閉鎖部材の斜視図。
【図11】本発明に従って作製された容器の別の実施形態の正面斜視図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地を処理するための自己蒸気発生有益組成物に関する。本発明は、また、本発明の自己蒸気発生有益組成物を利用した布地を処理する方法に関する。本発明は、更に、布地を処理するキットに関する。
【背景技術】
【0002】
布地を洗浄する/清新にするための蒸気利用に関する一つの難題は、布地を洗浄する/清新にするために必要な蒸気を発生させるために、別個の熱源を必要とすることである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、自己蒸気発生性である組成物を提供することによって、この欠点に対処する。この組成物は、また、布地に有益を提供するために1つ以上の有益剤を包含することができる。本発明のこの及び他の特徴、態様、利点、及び変更は、添付された請求項と共に本開示を読むことにより当業者には明白となり、請求項の範囲内に含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
布地を処理するための自己蒸気発生有益組成物が提供される。自己蒸気発生有益組成物は、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気発生率の蒸気を有する。一つの非限定実施形態において、自己蒸気発生有益組成物が、
a)約30重量%〜約80重量%の鉄粉末;
b)約0.5重量%〜約25重量%の炭素;
c)約0.5〜約10重量%の金属塩;
d)約1重量%〜約60重量%の水;
e)約0.1重量%〜約30重量%の水管理体;及び
f)蒸気の発生を支援するのに十分な量の酸素;
を含む。
【0005】
自己蒸気発生有益組成物物品も提供される。物品は、一緒に積層されている不織布材の複数の層の間に埋め込まれている少なくとも1つの蒸気発生セルを含む実質的に平面の積層体構造を備え、少なくとも1つの蒸気発生セルが少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を生成することができる。
【0006】
容器も提供される。容器は、バッグ、キャビネット、布地ローラーのコア、洗濯機、布地物品乾燥装置、又はそれらの組み合わせであってもよい。容器は、クローゼットであることもできる。容器は、自己拡張性であってもよい。自己蒸気発生有益組成物は、容器内で送達され得るか、又は容器の外側の或る点へ送達され得る。
【0007】
自己蒸気発生有益組成物及び容器を含むキットも提供される。自己蒸気発生有益組成物は、物品の形態であってもよい。布地を処理する方法も提供される。一つの非限定的な方法は、
a)容器を提供し;
b)容器内に自己蒸気発生有益組成物を提供し;及び
c)、自己蒸気発生有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での蒸気が、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気を生成する。
【0008】
別の非限定的な方法は、
a)容器を提供し;
b)自己蒸気発生有益組成物の供給源を提供し;
c)自己蒸気発生有益組成物の供給源から容器の内部に導管を提供し;及び
d)自己蒸気発生有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での蒸気が、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気を生成する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
ここで、本発明の多様な実施形態が詳細に言及され、その実施例は添付図面に例示されているが、類似の数字は図面の全体を通して同一の要素を示している。本明細書の百分率、比率、及び割合は、全て、特に指示がない限り、重量を基準とする。
【0010】
特に指示される場合を除き、分量、百分率、部分及び割合を包含する全ての量は、「約」という言葉により修正されると理解され、量は有効数字を示すことを意図するものではない。
【0011】
特に指示される場合を除き、冠詞「a」、「an」及び「the」は「1つ又はそれより多くの」を意味する。
【0012】
本明細書で使用する時、「含む」は、最終結果に影響を与えないその他の工程及びその他の要素を加えることができるということを意味する。この用語は、「から成る」及び「から本質的に成る」という用語を包含する。本発明の組成物及び方法/プロセスは、本明細書で記載される本発明の必須要素及び制限、並びに本明細書で記載される追加、若しくは所望の要素、成分、工程、又は制限のいずれかを含むか、それらから成るか、及びそれらから本質的に成ることができる。
【0013】
本明細書で使用する時、用語「自己蒸気発生」は、自己蒸気発生実体に対して水から蒸気を発生する固有の能力を有し、その蒸気が実体から放出される能力を有することを意味する。本発明によると、蒸気を自己発生する能力は、自己蒸気発生実体と別個である供給源からのエネルギー入力に依存しない。
【0014】
本明細書で使用する時、「蒸気」は、目に見えない気体としての蒸発した水を意味し、それを凝縮した目に見える霧を包含することができる。
【0015】
本明細書で使用する時「有益組成物」は、布地物品に有益を送達するのに使用される組成物を意味する。有益組成物は、1つ以上の「有益剤」を備えることが可能である。有益剤を含み得る、及び/又は有益組成物の一部として包含され得る材料及びその混合物の非限定例には、水(蒸気を含むあらゆる形態)、柔軟化剤、縮毛剤(crispeningagents)、香料、撥水剤/汚れ防止剤(water/stainrepellents)、清涼剤、静電気防止剤、抗菌剤、パーマネントプレス剤、しわ防止剤、しわ復旧剤(wrinklereleaseagents)、防臭剤(odorresistanceagents)、耐磨耗剤、溶媒、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0016】
本明細書で使用する時、用語「布地」は、衣類、亜麻布、掛け布、服飾用付属品、革製品、床の敷物などを含むが、それらには限定されない布地物品を包含する。その用語は、また、トートバッグ、家具カバー、ターポリン、靴などのような、全体又は部分的に布地で作製されたその他の品目を包含する。
【0017】
本明細書全体にわたって示されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定含み、それは、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているとして理解されるべきである。本明細書全体を通じて示されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通じて示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。
【0018】
自己蒸気発生有益組成物
本発明の自己蒸気発生有益組成物は、蒸気を自己発生して、有益を布地に提供することができる組成物を含む。
【0019】
A.自己蒸気発生成分
本発明の自己蒸気発生成分は、一緒に反応すると蒸気を生成する物質の混合物を含む。それから生成された蒸気は、また、有益剤として考慮されてもよい。
【0020】
一つの非限定実施形態において、本発明の自己蒸気発生材料は、鉄粉末、酸素、炭素、金属塩、水、及び任意の追加的な水放出成分を含む、粒子状の発熱組成物を含んでもよい。
【0021】
鉄粉末
鉄は、鉄の発熱酸化に関わる電気化学反応における陽極である。鉄粉末に好適な供給源には、鋳鉄粉末、還元鉄粉末、電解鉄粉末、くず鉄粉末、銑鉄、錬鉄、種々の鋼鉄、鉄合金など、及びこれらの鉄粉末の処理された変種が挙げられる。導電性の水及び空気により蒸気発生を生み出すのに使用できる限り、それらの純度、種類などに特に制限はない。典型的には、鉄の酸素含有量(水素損失として測定されてもよい)は、約1%未満であるべきである。水素損失を測定する好適な方法は、MPIF(金属粉末産業組合(Metal Powders Industry Federation)標準02、表題「金属粉末の水素中での損失量の測定(Determinationof Lossof Massin Hydrogen for Metal Powders)」である。
【0022】
典型的には、海綿(多孔質)鉄が使用され、この鉄供給源の大きい内部表面積のため、特に有益である可能性がある。この内部表面積は外部表面積よりも桁違いに大きいので、反応性は粒径により制御されなくてもよい。海綿鉄の非限定例には、ヘガネス社(Hoeganaes Corporation)(ニュージャージー州リバートン(Riverton))から市販されている、M−100及びF−417が挙げられる。
【0023】
典型的には、鉄粉末は、本発明の粒子状発熱組成物の約30重量%〜約80重量%、又は約50重量%〜約70重量%含む。
【0024】
酸素
酸素は、鉄の酸化反応が起こるために必要である。酸素は、蒸気の発生を支援するのに十分な速度で鉄と反応するように入手されることが必要である。少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気が生成されることが望ましい。
【0025】
酸素供給源は、本発明の蒸気発生セル内に含有されている内部酸素供給源又は酸素の外部供給源のいずれかであってもよい。内部酸素供給源の一つの非限定例は、セル内に含有されている過酸化水素である。本発明で有用な外部酸素供給源の非限定例には、空気、及び/又は種々の純度の人工的に作製された酸素が挙げられる。
【0026】
一つの非限定例において、酸素は組成物を取り囲んでいる空気により供給されてもよい。粒子状発熱組成物に組み込まれている酸素生成化学物質を、調製時に分離することが望ましい可能性がある。例えば、気体不透過性フィルムバリアが、鉄混合物を空気から分離するために使用されてもよい。別の非限定例において、過酸化水素のような酸素供給源が使用される場合、典型的には追加のバリアが酸化液と鉄を分離するために使用される。
【0027】
活性及び非活性炭
活性炭が、鉄酸化反応の触媒として使用されてもよい。具体的には、濡れたときの活性炭が酸素を吸着する能力を有する。活性炭は、また、鉄の発熱酸化に関わる電気化学反応において陰極として機能を果たす可能性がある。更に、活性炭は、その極めて多孔質な内部構造のため水の放出を促進することができ、蒸気発生プロセスが始まるまで水を一時的に保持することが可能となるので、水放出剤として機能を果たす可能性がある。更に、活性炭は、鉄粉末の酸化により引き起こされる可能性があるもののような臭気を吸着することができる。
【0028】
ココナッツの殻、木材、炭、石炭、骨炭などから調製される活性炭は有用であるが、畜産物、天然ガス、脂肪類、油類、及び樹脂類のような他の原材料から調製される活性炭も、本発明の蒸気発生セルに有用である。使用される活性炭の種類に制限はない。陰極の能力は、非活性炭粉末、すなわち費用を低減するためにブレンドされた炭素を使用することにより拡張できる。従って、上記の炭素の混合物は本発明でも同様に有用である。
【0029】
典型的には、活性炭、非活性炭、及びこれらの混合物は、自己蒸気発生成分の約0.5重量%〜約25重量%、又は約1重量%〜約20重量%、又は約2重量%〜約15重量%含む。
【0030】
金属塩
金属塩は、空気との酸化反応を容易にするために鉄粉末の表面を活性化する反応促進剤として機能を果たし、腐食反応を維持するために発熱組成物に電気伝導を提供する。有用な金属塩類には、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムのような硫酸塩類、並びに塩化第二銅、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム及び塩化第一銅のような塩化物類が挙げられる。また、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩及び他の塩類も使用できる。一般に、鉄の腐食反応を維持するために単独又は組み合わせて使用できる、幾つかの好適なアルカリ、アルカリ土類及び遷移金属塩が存在する。
【0031】
上記で記載された塩類は全て使用できるが、典型的には塩化物類が使用される。理論に束縛されるものではないが、塩化物類は、鉄の電気化学酸化反応を促進する能力が考慮されて、慣用的に使用される。典型的には、金属塩(類)は、自己蒸気発生成分の約0.5重量%〜約10重量%、又は約1.0重量%〜約5重量%含む。
【0032】
水
本明細書で使用される水は、あらゆる適切な供給源からのものであってもよい。水道水、軟水、蒸留水、又は脱イオン水が、典型的に使用される。水は、一般に本発明の粒子状発熱組成物の約1重量%〜約60重量%、又は約10重量%〜約30重量%含む。水が、熱及び蒸気が放出される反応で消費される時、反応のために必要とされる化学量論量を超える過剰量の水が、蒸気を生成するのに使用される水の供給源を提供するために、添加される必要がある。
【0033】
水は液体の水の形態で組成物に直接組み込まれることができるか、或いは別個の水管理体又は水放出体に物理的に若しくは化学的に保持されている水が使用されてもよいか、或いはこれらの組み合わせである。
【0034】
水管理体
水管理体は、自己蒸気発生成分の一部として包含できる。本明細書で使用する時、用語「水管理体」、「水放出剤」、「水放出成分」、及び「水放出物質」は、水を物理的に又は化学的に保持又は保有し、適切な時点で、典型的には熱の適用時に水を放出する何かを意味するために、交換可能に使用される。理論に束縛されるものではないが、水管理体は、制御された速度で水を放出することにより、蒸気の発生量の増大を促進することができると考えられる。更に、水管理体は、水が組成物の種々の粒子の隙間空間に入る、又はそこで維持されることを防止又は抑制し、それによってあふれ出ることを防止又は抑制することを助けることができる。
【0035】
好適な水管理体の非限定例には、バーミキュライト、多孔質ケイ酸塩類、木材粉末、木粉、多量の毛羽立ちを有する綿布、綿の短繊維、紙の切れ端、植物質、超吸収性の水膨潤性又は水溶性ポリマー類及び樹脂類、吸収性ゲル材料(「AGM」)のようなアクリル系ポリマー類、カルボキシメチルセルロース塩類が挙げられ、大きな毛管機能及び親水特性を有する他の多孔性物質が使用できる。水和物の脱水温度が自己蒸気発生反応の最大温度以下である場合、水和無機塩類が水管理体として使用されてもよい。典型的には、水管理体は、本発明の粒子状発熱組成物の約0.1重量%〜約30重量%、又は約0.5重量%〜約20重量%、又は約1重量%〜約10重量%含む。水管理体と水の比率は、典型的には、全て重量に基づいて、約0.001:1〜約0.2:1、又は約0.01:1〜約0.17:1、又は約0.05:1〜約0.12:1である。
【0036】
水管理体は、約250ミクロンを超える、又は少なくとも約400ミクロン、又は約400ミクロン〜約800ミクロンの平均粒子を有してもよい。所定の成分の平均粒径は、ホリバ(HORIBA)LA−910レーザー散乱粒径分布分析器(カリフォルニア州ホリバ(Horiba,CA))、又は実質的に同様の結果を提供する他の機器を使用して、測定されてもよい。器具を使用する方法に加えて、ふるい分析も、平均粒径を決定するために利用されてもよい。
【0037】
追加の物質
上記の物質に加えて、本発明の自己蒸気発生成分は、また、必要に応じて追加の物質を含んでもよい。所望により、使用されてもよい他の追加の物質には、元素状態のクロム、マンガン、若しくは銅、これらの元素を含む化合物、又はそれらの混合物のような酸化反応増強剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、チオ硫酸ナトリウム塩類、及びプロピオン酸ナトリウムを包含する無機若しくは有機アルカリ化合物、又はアルカリ弱酸塩類のような水素ガス阻害物質、木材粉塵、綿リンター、及びセルロースを含む天然セルロースの断片、ポリエステル繊維を含む断片形態の合成繊維、発泡型のポリスチレン及びポルウレタンのような発泡合成樹脂類、並びにシリカ粉末、多孔質シリカゲル、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、酸化鉄類、及びアルミナを含む無機化合物のような充填剤、リン酸三カルシウム及びアルミノケイ酸ナトリウムのような固化防止剤が挙げられる。
【0038】
そのような成分には、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びαデンプンのような増粘剤、並びにアニオン性、カチオン性、非イオン性、双性イオン性、及び両性型の中に含まれるもののような界面活性剤が挙げられる。必要に応じて、本発明の粒子状発熱組成物に添加されてもよいなお別の追加の成分には、メタケイ酸塩類、ジルコニウム、及びセラミックスのような増量剤が挙げられる。
【0039】
自己蒸気発生成分の追加の非限定例
好適な自己蒸気発生成分の他の非限定例は、米国特許第4,017,414号;同第4,264,362号;同第4,522,190号;及び同第5,611,329号で開示されており、ここでは、腐食性超合金が、腐食性超合金及び塩の混合物に添加された電解質塩溶液又は水と反応する。典型的には、マグネシウムに組み込まれた少量の鉄を持つマグネシウムが、塩化ナトリウム水溶液と反応して、熱及び蒸気を生成する。反応化学量論は、Mg+2H2O→Mg(OH)2+H2+熱として記載することができる。この反応を利用するとき、蒸気を作製するのに必要な化学量論的な量を超える過剰量の水を加えることが望ましい。
【0040】
これを行う一つの可能な手段は、5原子%の鉄の腐食性超合金、約0.7グラムの不活性充填剤、0.5グラムのNaCl、及び約0.3グラムの消泡剤から構成される7.5グラムのマグネシウムから成る粉末ミックスを利用することである。粉末ミックスはポケットに含有できる。ポケットは、気体及び水透過性である比較的可撓性のポリマーの第1シートにより形成することができ、また気体及び水透過性でもある比較的可撓性のポリマーの第2シートに結合して、第1シートに複数個のポケットを形成する。ポケットを形成するシートは、濡れることに役立つ界面活性剤コーティングを含むことができる。次に40グラムの量の水が、粉末ミックスを含有するポケット形成シート上に流され、それによって自己蒸気発生反応が開始する。上記で記載された全体の反応を開始するのは、ポケットを通して粉末へ流れた水である。次に化学量論的な量を超える過剰量の水が蒸気に変換される。
【0041】
この系の活性化は、破裂し得るシールを、水と粉末ミックスポケットとの間に包含し、破裂した際に水が混ぜ合わさって達成できる。あるいは、水は手で注ぐような他の分配手段により添加できる。
【0042】
自己蒸気発生反応を利用するとき、使用中に放出されるH2を管理することが望ましい。これを行う非限定的な方法には、H2吸収体又は反応体を組み込んで、H2を有効に捕捉する又は除去することが挙げられる。
【0043】
別の、米国特許第5,936,486号で開示されているものと同様な手法で、固体加熱物質を、水又は水溶液の添加により活性化することが可能である。加熱物質は、酸無水物又は塩と塩基性無水物又は塩とが一緒になって、酸性と塩基性の無水物の両方へ水を添加することで、熱、並びに酸と塩基それぞれを生成するように構成してもよい。酸と塩基の後続反応で、追加の熱、並びに中性の生成物を生成される。塩基反応で使用する量をいくら超える、十分な量の水を追加することにより、熱が水を蒸気に変換することが可能になり、蒸発の潜熱が混合物全体の温度の制御に役立つ。
【0044】
これを行う可能な一手段は、ペレットに押出成形されたP2O5及びCaOを使用することである。P2O5/CaO(重量で1:1)組成物は、ペレットの形態に押出成形される。加熱物質は、固体粉末(P2O5及びCao)を混合し、熱生成の速度を制御し、プロセスを促進するために不活性液体を加え、ラム押出機、スクリュー押出機、ペレットミルなどを使用して組成物を押出成形することによって成形される。机上の一実施例において、組成物は、CaOとP2O5を等しい重量比で混合し、次に74%の白色鉱油と26%の界面活性剤から成る15.4%の液体を添加することによって調製される。この目的に好適な界面活性剤は、ジョージア・パシフィック・レジンズ(GeorgiaPacificResins)(ジョージア州アトランタ(Atlanta))から入手可能なアクトラフォス(ACTRAFOS)216のようなリン酸エステルであってもよい。次にペレットをペレットミルの0.318cm(0.125インチ)ダイスから押出成形し、0.318cm(0.125インチ)〜1.27cm(0.5インチ)の長さに切断する。次にペレットは約100℃で0.5〜1.0時間加熱される。ペレットの加熱で、改善された性能がペレットにもたらされ得ると考えられる。
【0045】
この系の活性化も水との相互作用を必要とする。この例では、40グラムの水が55グラムのペレットミックスに包含されて、自己蒸気発生反応を開始する。水は上記で記載されたものと同様な方法で、管理/導入できる。
【0046】
さらに別の手法では、CaOが使用できる。次にこれは、上記で記載されたように、水との相互作用により活性化される。所望であれば、塩化カルシウムのような反応増強剤が、蒸気発生を増強するために添加できる。
【0047】
別の手法では、熱を生成するために、過マンガン酸塩をグリセリンと混合できる。次に過マンガン酸塩/グリセリンとの熱連通において、水が加熱され、蒸気を生成する。
【0048】
本発明の自己蒸気発生成分に関して、自己蒸気発生成分内で酸素伝達を制限しないように、化学混合の多孔性を維持することが望ましい。多孔性の一つの指標は、自己蒸気発生成分のドライミックス(すなわち、自己蒸気発生成分プロセス中で水を添加する前)のタップ密度である。本発明の自己蒸気発生成分ドライミックスは、一般に約1g/ml〜約3g/mlのタップ密度を有する。タップ密度を決定する方法は、本文献で後述される。
【0049】
自己蒸気発生成分化学ミックスにおいて、ミックスで使用される約25%の鉄が約250μmを超える粒径直径を有するが、約25%未満の鉄が約15μm未満の粒径直径を有するような、狭い分布の粒径を利用することが典型的である。ふるいは、粒径分布を決定する一つの好適な方法である。
【0050】
この実施形態において、これらの比較的大きい粒径分布は、微粉(例えば、微細鉄粉末)が急速な反応に必要であるとの当該技術分野において一般的に持たれている考えに反している。事実、前記の比較的大きい粒径は、組成物内の成分の間での凝離効果を低減して、追加的に反応効率を増加する(例えば、金属又は他の物質がほとんど必要ない可能性がある)ことが、本明細書で見出されている。理論に束縛されるものではないが、これは、金属の表面積ではなく(又はそれに加えて)、利用される粒子の混合物の多孔性が反応速度を決定する可能性があるという知見に基づく。
【0051】
B.有益剤
有益剤と考慮され得る自己蒸気発生成分により発生された蒸気に加えて、本発明では、1つ以上の追加の有益剤を含んでもよい。追加の有益剤は、約0.001重量%〜約25重量%、約0.01重量%〜約15重量%、又は約0.1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。これらの有益剤は個別の要素であってもよく、又はこれらは組成物中に一緒に含まれてもよく、又はその組み合わせであってもよい。有益剤成分の非限定例には、水、シリコーン、デンプン、しわ復旧剤(wrinkle releasingagent)、香料、界面活性剤、芳香剤、防腐剤、漂白剤、補助洗浄剤、布地収縮低減組成物、有機溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。有機溶媒の非限定例には、グリコールエーテル類、具体的にはメトキシプロポキシプロパノール、エトキシプロポキシプロパノール、プロポキシプロポキシプロパノール、ブトキシプロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、エタノール、イソプロパノール、及びこれらの混合物が挙げられる。自己蒸気発生成分に含まれる水も、本発明によると有益剤と考慮され得ることが理解されるべきである。
【0052】
本発明での使用に好適な布地収縮低減組成物には、エチレングリコール、プロパンジオールの全ての異性体、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらには限定されない。布地収縮低減組成物には、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1−オクタノール、及びこれらの混合物を挙げてもよい。界面活性剤は、エトキシル化アルコール又はエトキシル化アルキルフェノールのような非イオン性界面活性剤であってもよく、有益組成物の約2重量%まで存在してもよい。有益組成物は、所望により、水を包含してもよい。水が有益組成物に存在する場合、典型的には水を約0.01重量%〜約95重量%含む。
【0053】
有機溶媒、界面活性剤、香料、防腐剤、漂白剤、及び補助洗浄剤のような本発明で使用されてもよい有益組成物成分のより詳細な記載が、米国特許第5,789,368号(ユー(You)ら、1998年8月4日発行)及び米国特許第5,912,408号(トリン(Trinh)ら、1999年6月15日発行)で見出すことができる。本発明で用いる収縮低減組成物は、PCT国際公開特許WO00/11133(表題「布地収縮を低減する洗浄組成物(CleaningCompositionsthatReduceFabricShrinkag)」、2000年3月2日にストラング(Strang)らの名前で公開)に見出すことができる。
【0054】
C.任意の追加成分
本発明は、また、他の任意成分を含んでもよく、その非限定例は、ユーザーに自己蒸気発生プロセスの状態又はシステムの状態を知らせる信号である。例えば、処置が始まる及び/又は終わるときを示す信号であってもよい。使用されてもよい信号の非限定例には、色、音、及び/又は嗅覚信号を挙げてもよい。
【0055】
一つの非限定例には、温度又は湿度の変化に敏感な色変化染料又は塗料が挙げられる。好適な色変化塗料の例は、TMCU.S.A(イリノイ州グレンビュー(Glenview))により製造されるクロマゲン(Kromagen)75である。任意の追加成分を含める非限定例には、容器への追加、自己蒸気発生有益組成物への追加、及び/又は基材へ追加することが挙げられる。追加の成分は、自己蒸気発生有益組成物及び/又は基材へ追加される場合は、約0重量%〜約20重量%の量で添加される。
【0056】
ブレンディング
自己蒸気発生有益組成物を含む物質は、数多くの方法で、一緒にブレンドされてもよい。例えば、上記で記載された鉄酸化により誘導される自己蒸気発生有益組成物を利用する時、以下の非限定的な方法を物質のブレンドに使用することが可能である。プレミックスは、炭素を水で予め濡らして、鉄、アクリル系水放出剤、塩、及びチオ硫酸ナトリウム、並びに使用可能な他のあらゆる追加の有益剤に加えることによって、形成される。例えば、香料を含む有益剤が添加される場合、これを、炭素に、形成されたプレミックスに、混合物を含有する不織布基材に、又はこれらの組み合わせに、添加することができる。
【0057】
自己蒸気発生有益組成物物品
自己蒸気発生有益組成物物品は、使い捨てであってもよい。使い捨て自己蒸気発生有益組成物物品は、一緒に積層されている物質の複数の層の間に埋め込まれている単独の蒸気発生セル又は複数個の蒸気発生セルを有する実質的に平面の積層体構造を含んでもよい。1つの蒸気発生セル又は複数のセルは、積層体構造に固定的に結合されてもよい。自己蒸気発生有益組成物(他に記載されている)が1つのセル又は複数のセルの中に置かれ、酸素を組成物の中に入れる手段が、組成物の1つ以上の側面及び/又は部分上の透過層を介して提供される。この目的に好適なヒートシール可能なフィルムは、クロペイ・プラスチックス(ClopayPlastics)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))から材料番号DH245として入手可能なポリプロピレン/エチレンビニルアセテート(「PP/EVA」)フィルムである。
【0058】
積層体構造の或る部分は、典型的には多孔質である。積層体構造は、不織布を含んでもよい。一非限定例において、不織布はSMMS共押出積層体(「SMMS」は、スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド積層体を意味する)から構成されてもよい。メルトブローン部分は1つ以上の層から構成されてもよく、少なくとも1つのメルトブローン層は、典型的には少なくとも約8グラムの坪量を有する。理論に束縛されるものではないが、炭素化学及び少なくとも約8グラムの坪量を有するメルトブローン層を利用する自己蒸気発生有益組成物は、炭素粉末が物品から出ることを防ぐために役立つと考えられる。好適な不織布は、ポリマー・グループ・インターナショナル(PolymerGroupInternational)(バージニア州ウェーンズボロ(Waynesboro))から材料番号W502FWHとして入手可能である。
【0059】
自己蒸気発生有益組成物物品は、一回使用に設計されてもよいか、あるいは2回以上の使用に設計され得る。
【0060】
図1〜2、3A及び3Bを参照すると、自己蒸気発生有益組成物物品の非限定実施形態が示されている。図1を参照すると、3個のポケットを含む物品200が例示されており、各ポケット201は、自己蒸気発生有益組成物を含有する。自己蒸気発生有益組成物は、多孔質基材202で包まれている。一非限定実施形態において、多孔質基材202は、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)のブレンドであってもよい。この実施形態は、また、支持構造体203を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、支持構造体は、個別のポケットの中で内容物が沈殿することを防ぐのに役立つと考えられている。支持構造体203は、支持を提供し、且つ当業者によく知られているあらゆる物質から構成されることができ、セルロース性及び非セルロース性物質、金属、プラスチックなどが挙げられるが、それらには限定されない。
【0061】
図2を参照すると、別の非限定実施形態において、自己蒸気発生有益組成物207が多孔質基材202の中に包まれている。多孔質基材202はPETであってもよい。酸素バリア上包み204が、自己蒸気発生有益組成物及び多孔質基材を包む。
【0062】
図3A及び3Bを参照すると、自己蒸気発生有益組成物物品のさらに別の非限定実施形態において、多孔質基材トップシート205及び多孔性でないバックシート206が、自己蒸気発生有益組成物207を包み込む。一非限定例において、多孔質トップシートはSMMSから構成されてもよく、一方、多孔性でないバックシートはPP/EVAから構成されてもよい。この実施形態は、また、蒸気が物品の両側から発散するように、多孔質トップシートが両方の側面の外側を向くようにして、折りたたむことができる。
【0063】
自己蒸気発生有益組成物の活性化
鉄化学に基づく一非限定実施形態において、自己蒸気発生有益組成物は、次のようにして活性化されてもよい:自己蒸気発生有益組成物物品が、酸素不透過性プラスチック上包みを含んでもよい。ユーザーが利用し易いように、上包みの上に引き裂きタブ又は切り欠きが包まれてもよい。上包みを破って開けて自己蒸気発生有益組成物物品を取り出すことをユーザーに指示する使用説明書が、パッケージに含まれてもよい。この開封動作は、周囲空気に含有されている近位の酸素と鉄ミックスとを直ちに混合して、自己蒸気発生プロセスを開始させる。
【0064】
実際には、自己蒸気発生プロセスは、典型的には、蒸気発生が所望の時点で起こるように設計される。このように組成物は、一般に、蒸気発生が必要に応じて開始又は活性化できるような方法で含有又は提示されている。例えば、本発明の自己蒸気発生組成物は、空気に対して不透過性である容器内に含有されていてもよく、蒸気発生は、容器の破裂を通して開始又は活性化されてもよい。
【0065】
追加的な又は代替的な例として、蒸気形成のために反応する組成物では、反応が望まれる時まで起こらないよう、反応性成分の間にバリアが存在させることも可能である。この任意の実施形態において、組成物の活性化は、望ましい自己蒸気発生効果を作り出すような方法で組成物を相互作用させるバリアの除去又は破裂によって達成されてもよい。
【0066】
鉄酸化の場合、バリアは、鉄系ミックス又は鉄系ミックスを含有する基材の周りの酸素不透過性上包みであり得る。上記で示されたように、この場合、組成物は、単に上包みを除去して空気中の酸素と鉄系ミックスを接触させ、蒸気発生プロセスを開始するようにることによって、活性化される。
【0067】
マグネシウム系自己蒸気発生化学又は酸化カルシウム系自己蒸気発生化学の場合、反応を開始するのに使用される水は、連続格納系の中の破裂し得るバリアにより分離し得るか、或いは、別個の物理的作用を取って組成物全体を密接に接触させることで蒸気発生プロセスを開始させる別個の隣接する容器に収容できる。
【0068】
自己蒸気発生有益組成物は、容器内に位置してもよいか、又は容器の外側に位置してもよい。自己蒸気発生有益組成物が容器の外側で活性化される場合、蒸気は、自己蒸気発生有益組成物の供給源を容器の内部と接続する導管を介して、容器内に送達されてもよい。導管の非限定例には、管類、パイプなどが挙げられる。
【0069】
蒸気発生
ピーク蒸気生成では、自己蒸気発生有益組成物は、典型的には、少なくとも約2×10−5グラム/分の蒸気を発生し、少なくとも自己蒸気発生有益組成物1グラムあたり約5×10−5グラム蒸気を生成する。活性化したとき、本発明の自己蒸気発生有益組成物は、典型的には容器内で約50%〜約105%の相対湿度を発生するようなレベルで使用される。
【0070】
追加の有益剤の送達
追加の有益剤が自己蒸気発生有益組成物で利用される場合、それは、自己蒸気発生成分と共に、数多くの方法で布地に送達できる。以下は幾つかの非限定例である。
【0071】
a)蒸発
追加の有益剤成分は、有益剤の直接の蒸発により(すなわち、蒸気により、熱により、またはこれらの組み合わせにより)送達できる。この場合、追加の有益剤成分は、自己蒸気発生成分の中に、あるいは、蒸気が基材から追加の有益剤成分を放出するように基材と熱連通する基材の中に若しくは上に直接組み込まれる。非限定例には、香料が自己蒸気発生成分の中に直接組み込まれること、あるいは香料が、自己蒸気発生成分と熱連通する不織布基材上にあること、が挙げられる。蒸気は、香料が蒸気と共に運ばれるように香料を蒸発させる。
【0072】
追加の有益剤は、共沸混合物の形態で送達できる。蒸気は水から形成されるので、水と有益剤の一定したミックスは、共沸混合物の形態で蒸発し得る。
【0073】
b)物理的な送達
別の非限定例において、追加の有益剤は布地上に分配されてもよい。例えば、追加の有益剤は、基材上に含まれ得る。次に、有益剤を布地上に分配するため、基材を布地の全面にわたって擦ることができる。
【0074】
容器
本発明は容器を含む。本発明の範囲内に含まれる容器の非限定例には、バッグ(これには限定されないが、衣類バッグが挙げられる)、クローゼット(これには限定されないが衣服用クローゼットが挙げられる)、キャビネット、布地ローラーのコア(その非限定例には、糸屑ローラーのようなローラーと布地との間で効果を移動させるローラーが挙げられる)、洗濯機、及び布地物品乾燥装置(これには限定されないが衣服用乾燥機が挙げられる)が挙げられる。自己蒸気発生有益組成物物品は、容器の中に含まれてもよい。加えて、自己蒸気発生有益組成物で処理される布地は、また、容器の中に含まれてもよい。
【0075】
本発明での使用に好適な容器の非限定例は、PCT国際公開特許WO00/19001(2000年4月6日公開)に開示されている。
【0076】
本発明での使用に好適な別の実施形態において、図4〜10で示されているように、自己拡張容器が使用される。この実施形態は、折り畳み方向と開放方向を含む2つの方向性が可能である。折り畳まれた方向にあるとき、容器のフレーム部材は、張力下にある。開放方向に置かれた場合、張力が各フレームから部分的に解除されて、それにより各フレーム部材がはじけ出るか、飛び出して開放方向になることを可能にする。本明細書で使用する時、用語「自己拡張」は、容器自体が折り畳まれた状態からはじけて開くか、飛び出す能力を意味する。図7を参照すると、実施形態の骨格図が示されている。ループフレーム部材27を含む前部フレーム部材22及び後部フレーム部材32を備える。前部フレーム部材22及び後部フレーム部材32は、輪になった可撓性のフレームであり、それぞれ、十分な堅さがあるが、フレームを輪の形状にすることを可能にする弾力性材料から形成されている。各フレーム部材は、2つの位置又は方向性を取ることができ、一方の位置は、開放又は拡張位置であり、他方は、フレーム部材がそれぞれの開放位置よりもかなり小さいサイズに折り畳まれている折り畳み位置である。フレーム部材は、これらの要件を満たすあらゆる材料で構成され得、ばね鋼線、プラスチック、ガラス繊維、グラファイト、又は他の金属ロッド若しくはワイヤが挙げられるが、それらには限定されない。フレーム部材は、スリーブ26を保持する前部フレームとスリーブ36を保持する後部フレームとの間の物質の張力により、加えて前部支持部材60及び背側支持部材62により、所望の方向に保持されている(図6及び7で示され、下記で更に考察される)。
【0077】
また含まれるものは、側部支持部材64及び65であり、これらは典型的には互いに対向して位置している。前部硬質支持部材60及び後部硬質支持部材62が含まれてもよく、取付け部材90も含まれてもよい。内部懸架部材95及び外部懸架部材70(図4及び5で示されている)が、取付け部材90と接続されてもよい。内部懸架部材95は、フック、バーなど(しかしこれらに限定されない)容器10の内部の衣類物品を含むがそれに限定されない何かを吊すために使用され得るようなものを含んでもよい。外部懸架部材70は、表面から容器10を吊すために、ブラケット、フックなどを持つストラップ73(しかしこれに限定されない)を含んでもよい。所望であれば、外部懸架部材70は、所望により、図4で示されているような折り畳みフック80を含むことができる。
【0078】
ループフレーム部材27(図7)は、物質により覆われている。物質は、典型的には、一般に可撓性であり、折り畳み可能であり、丈夫であり、軽量であり、そして耐水性である布地から構成され、この非限定例には、ナイロン、ポリエステル、マイクロファイバー、プラスチック、マイラー、不織布などが挙げられる。この物質は、典型的には約200g/m2/日未満、又は約100g/m2/日未満、又は約75g/m2/日未満の湿気透過速度を有する。
【0079】
図4〜7を参照すると、物質により覆われたループフレーム部材27は、前面パネル20、背面パネル30及び側面パネル40から構成される。側面パネル40は、例えば、一緒に結合してパネルを形成する連続性の物質片又は非連続性の物質片から構成されてもよい。前面パネル20、背面パネル30及び側面パネル40に加えて、前部支持部材60及び後部支持部材62が含まれてもよい。これらの支持パネルは、硬質であってもよく、可撓性であってもよい。
【0080】
一般に、背面パネル30は連続性の物質のウエブにより覆われているが、前面パネル20は、容器10の中へ物を入れることを可能にする開口部を含む。開口部は、図4で示されているように、移動可能な閉鎖部材50であってもよい。移動可能な閉鎖部材50は、典型的には、閉鎖位置にあるときに所定の位置に移動可能な閉鎖を保持するために、側面パネル40と重なり合う。移動可能な閉鎖部材50は、容器10に取付けることが可能な扉を含んでもよいか、或いは部分的取り付けられていてもよい及び/又は容器10から完全に取り外し可能であってもよい。容器10の前部、側部、及び後部の物質は、典型的には可撓性であり、折り畳み可能であり、丈夫であり、軽量であり、そして耐水性である物質から構成され、この非限定例には、ナイロン、ポリエステル、プラスチック、マイラー、不織布、ライクラ、スパンデックスなどが挙げられる。上記で示されたいずれの物質も移動可能な閉鎖部材50に好適であるが、典型的には移動可能な閉鎖部材50の或る部分は、伸縮性の物質から構成されてもよく、その非限定例には、ライクラ及びスパンデックスが挙げられる。
【0081】
図4を参照すると、移動可能な閉鎖部材50は、また、移動可能な閉鎖を保持するスリーブ59及び伸縮部材58を含むことができる。移動可能な閉鎖保持スリーブ59は、物質中に狭い溝により形成される。伸縮部材58は、移動可能な閉鎖保持スリーブ59の中に位置し、その伸縮性は、移動可能な閉鎖部材50が側面パネル40の周りの所定の位置で保持されることを可能にする。この概念は、ぴったり合うように作られたベッドシートと同様であり、伸縮部材58及び移動可能な閉鎖部材50を含む物質の伸縮性は、移動可能な閉鎖部材50を前部フレーム部材22の周りに伸張し、次に前部フレーム部材22の周りに収縮して、移動可能な閉鎖部材50を所定の位置にぴったりと合わせ、保持する能力を提供する。好適な伸縮部材の一非限定例はバンジーコードである。加えて、他の物質が閉鎖目的のために使用できることは当業者には明白であり、その非限定例には、磁石、ジッパー、テープ、ジップ・ロック(ZipLock)(登録商標)シール、並びにフック及びループ形締結具、例えばベルクロ(VELCRO)(登録商標)が挙げられる。
【0082】
容器10の全て又は一部は、内部が容易に見えるように半透明又は透明であってもよい。図4及び9を参照すると、容器10は、また、1つ以上の窓52も含んでもよい。窓は、容器10のどこに配置されてもよい。一非限定例において、窓52は、移動可能な閉鎖部材50に位置する。窓52は透明であってもよい。窓52が形成される好適な物質の非限定例には、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリエチレンテレフタレートギコール(gycol)(「PETG」)、ポリカーボネート(「PC」)、ビニル、マイラーなど、及びこれらの組み合わせである、硬質又は可撓性の透明な物質が挙げられる。典型的には、窓52は、移動可能な閉鎖部材50が閉鎖した時、容器10の内側の物体を見るために十分に大きいサイズである。
【0083】
図4−5、及び図6を参照すると、側面パネル40を覆う物質が、前面パネル20及び背面パネル30を覆う物質の周辺部に取付けられている。これらは、スリーブ26を保持する前部フレーム、スリーブ36を保持する後部フレーム、前部フレーム部材22、及び後部フレーム部材32が容器10の中に含有されるように取付けられている。スリーブ26及び36をそれぞれ保持する前部及び後部フレームは、フレーム部材を包むためにウエブの周囲に狭い溝を取付けることにより形成されてもよい。取付けの好適な方法には、縫付、溶封、糊付など、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、それらには限定されない。
【0084】
前部フレーム部材22のようなフレーム部材に追加の支持体を提供することが望ましい場合、前面パネル20及び背面パネル30に加えて、前部硬質支持部材60及び背側硬質支持部材62が使用されてもよい。前面パネル20の開放性のため、物質は、前部フレーム部材22を所望の配置に保持するための十分な張力を提供しない可能性がある。前部硬質支持部材60は、前部フレーム部材22に方法を問わず接続しているときに、この追加の支持を提供する。容器10が図9Eで示されているように折り畳み形状であるとき、前部及び後部硬質支持部材60及び62も、容器10の周りにシェルを提供して、携帯を容易に可能にする。前部及び背側硬質支持部材は、PET、PETG、PC、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、ポリプロピレン(「PP」)などのようなあらゆる硬質又は半硬質物資から作製されてもよいが、より可撓性の物質及び布地から作製することもできる。
【0085】
図7で示されている側部支持部材64及び66は、前部フレーム部材22と後部フレーム部材32との間に張力を提供して、分離したままである様に、前部フレーム部材22と背側フレーム部材32の両方に取付けられてもよい。側部支持部材64及び66は種々の材料から作製することができ、硬質プラスチック(その非限定例として、PET、PETG、PC、HDPE、PPを含む)、金属ワイヤのループなどが挙げられるがそれらには限定されない。
【0086】
図8A〜8D及び9A〜9Eを参照すると、図7の骨格は、拡張された形状から部分的に折り畳まれた形状までが示している。容器をその小さくなった状態に折り畳むために、移動可能な閉鎖部材50(図4及び10を参照すること)は、容器10から取り外されてもよく、前部及び後部フレーム部材22及び32は、一緒に圧縮され、容器の上端が前方へ丸められる。
【0087】
容器10の上端は、小型のループを形成するように折り畳まれる。所望であればループは前部及び後部硬質支持部材60及び62の間に折り込まれてもよい。フレーム部材22及び32を前部及び背側硬質支持部材60及び62の中に折り畳んだ後、移動可能な閉鎖部材50は丸められ、小型で保管及び移動の容易な容器10を形成する。
【0088】
図4〜5及び7を参照すると、所望であれば、外部懸架部材70が扉、バーなどのような構造から容器10を吊すために使用されてもよい。外部懸架部材70は、取付け部材90と接続されていてもよい。示されている実施形態では、ユーザーは、所望であれば外部懸架部材70を回すことによって、ドアフック72又はロッドフック74のいずれかを所望により使用することができる。高さ調整スロット76は、ユーザーが容器10の吊す高さの調整することを可能にする。図4を参照すると、ユーザーがこれらのコンポーネントに届くことを補助するため、任意のハンドル78が外部懸架部材70に組み込まれ得る。ストラップ73のような可撓性部材が、外部懸架部材70と容器10とを接続するために使用されてもよい。
【0089】
フックが使用される場合、それは折り畳みフックであってもよい。図4を参照すると、折り畳みフック80は、ユーザーが、折り畳まれた容器10が吊されて且つ使用されていないときに、より平らな構成にすることを可能にする。折り畳みフック80は外部懸架ストラップ73に取付けられている。ユーザーは、容器10の可撓性フレームの上端を折り畳みフック86のアームの下を通して、前面パネルの上端と背面パネルの上端を締めることができる。
【0090】
図7、8A〜8D、及び9A〜9Eを参照すると、布地が内部懸架部材95により容器10の中に吊されてもよい。内部懸架部材95は、取付け部材90と接続されている。内部懸架部材95は、布地が容器10の中に吊されることを可能にするあらゆるものであることができ、その非限定例には、当業者によく知られているバー/ロッド、フック、ハンガーなどが挙げられる。取付け部材90は、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンのような軽量プラスチックから作製されてもよい。
【0091】
容器10は、フレームの支持により自立し得るか、例えば、外部懸架部材70により表面から吊され得る。容器10の中で吊されている布地は、所望であればしわの低減を改善するために重りをかけること又は伸張することができる。重りをかけて伸張する装置は、当業者に既知であろう。処理は、容器10の中に置かれた後で、且つプロセスが始まる前に機械的に伸張されるべく処理されてもよい。理論に束縛されるものではないが、布地の伸張又はいわゆる引張りがプロセスの際のしわをゆるませることに役立つと考えられる。
【0092】
伸張系の非限定例には、重りをかけたクランプ、並びに軽量圧縮性又は伸縮自在伸張系が挙げられ、この系はばねのような張力装置を含む。後者の系は、必要に応じて張力及び方向を調節できると共に、洗浄及び清新装置に余分の重みを加えないという有益を有する。使用される場合、これらの系は典型的には容器10の底部に取付けられる。このような系の一例は、自動車用のサンフィルタとして従来使用されている巻上げブラインドであり、ハルフォーズ(Halfords)から市販されている。この系は、巻上げばね機構手段により広げたり又は小さくしたりすることができる巻上げブラインドである。布地の引張りにこの系を適合させるためには、この系の僅かな変更が必要である。一非限定的な適合化は、この系のハウジングを容器10の底部に取付け、反対側に1つ以上のクランプを設けることを含み、それによって、容器10の中の布地のクランプ留め、従って伸張又は引張りが得られる。また、ばねの張力は、所定の布地に対して望ましい伸張力に調節できる。クランプの大きさは、この系に1つ以上のクランプが取り付け可能なように変えることができる。更に、別の変形は、系のハウジングの反対側に位置する巻き上げブラインド引張り系に沿って又は部分的に沿って動く1つのクランプだけを有することに関わる。
【0093】
図4を参照すると、ファン作動系103と共にファン100が含まれてもよい。容器10の底部の側面に取付けられているように示されているが、容器10にファン100及びファン作動系103を取付ける他の位置は、本発明の原理から逸脱することなく調整できる。ファン作動系103は、ファン100が作動する適切な時間を決定する。ファン作動系103は、電源、ユーザーインターフェース、並びに電子部品のプリント回路基盤を含んでもよい。電子部品の一実施形態が下記で非常に詳細に考察される。電源は、6ボルトを送達する4個の単三電池のセットのような電池であってもよい。ユーザーインターフェースは、機械式のオン−オフスイッチ、LED光、又はユーザーと通信するのに利用可能な他のあらゆる装置であり得る。プリント回路基盤は、ファン100のDCモーターを操作する制御回路網を含有する。一般論として、回路は、通常、電池と切断されていて電流の流出がなく、それによって電池の寿命を維持する。機械式のスイッチが一瞬押されると、回路にはリレーをラッチングすることにより動力が供給される。PCBは、また、布地処理期間の間の特定の時にファン100を操作できる、論理制御を含有する。バイメタル感温性スイッチ(示されず)がファン100を制御するために使用できる。このスイッチは、予め設定した温度範囲でモーターを回すように、自己加熱有益組成物に近接して配置されてもよい。
【0094】
ファンアセンブリは、作動中にファンの手動操作を防ぐために使用され得る、格子付き覆いを有するファンハウジング前面のような、特定の安全機能を含んでもよい。ファンモータは、所定の場所に保持され、ファン取付け片によりファンアセンブリ100の中央に位置されてもよい。この目的のために使用されてもよい好適なファンは、軸及び遠心ファンを含む。ファン及びファン吸気口は、容器10の空隙内の空気の少なくとも一部分が再循環するように、容器10の内部の空隙内中にあってもよい。
【0095】
ファン100により容器10の中の布地の周りに生じる気流速度は、一般に約0.05m/s〜約10m/s、又は約0.1m/s〜約5m/s、又は約0.5m/s〜約2m/sである。加えてフィルタは、所望により、容器10の内部又は外部に提供されてもよい。
【0096】
図11を参照すると、本発明に従って作製された別の容器の非限定実施形態が示される。容器500は、開口部130を介して利用できる、内部チャンバ230を画定する側面パネル210を含む。開口部130は、典型的には、封止手段によって、容器500が操作中に覆われる。封止は、実質的にあらゆる既知の封止装置により達成することができ、その非限定例には、磁石、ジッパー、テープ、ジップ・ロック(ZipLock)(登録商標)シール、並びにフック及びループ形締結具、例えばベルクロ(VELCRO)(登録商標)が挙げられる。
【0097】
容器500は、プラスチック、布地、金属などのような、あらゆる適切な材料で構成することができる。一非限定例において、側面パネル210、上部パネル300、及び底部パネル360は、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはこれらの組み合わせのような、プラスチックシート材料から構成されてもよい。このシート材料は、硬質又は可撓性であり得ることが理解されるべきである。パネル210、300、及び360は、透明であり得、又は所望であれば、他の物質から構成され得、その非限定例には、不透明の物質、UV遮断物質、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0098】
布地容器500は、所望により、上部フレーム280、底部フレーム340、及び側部フレーム250を更に含む。これらのフレームは、互いに別個の物であり得、又は単一構造であり得る。これらのフレームの1つ以上が不在であり得る。所望であれば、硬質側面パネルを本発明の容器構成に使用でき、ヒンジを折り畳みできる容器作製に使用できる。
【0099】
フレームが使用される場合、フレームは、拡張したときに半剛性の三次元構造体を形成する、可撓性の折り畳み式構造体を形成してもよい。折り畳み式構造体の例は、例えば、米国特許第5,038,812号(ノーマン(Norman)、1991年8月13日発行)により既知である。一般に、ノーマン(Norman)において見出されたように、可撓性の折り畳み式フレームは、比較的強度があるにもかかわらず、折り畳める程十分に可撓性のある材料で形成される。代表的なフレーム材料は板ばね鋼である。1つ又は複数のフレームは、容器の内部又は外部に縫付ける、接着する、ないしは別の方法で取付けることができる。同様に、1つ又は複数のフレームは、緩く上に掛かっているか又はフレームにより拡張されている容器布物質と共に自立することができる。
【0100】
通気口が使用されてもよい。通気口は別個の要素である必要はない。通気口320は、容器500の中のあらゆる位置に存在し得る。通気口は別個の要素である必要はない。具体的には、容器500は、継ぎ目及びシールを通した自然な漏れにより通気できる。あるいは、完全に封止された内部チャンバが、特に内部チャンバ温度又は蒸気濃度を上げるために使用され得る。
【0101】
布地は、容器500の内部チャンバ230の内部であらゆる適切な方法により吊るすことができる。そのような一非限定的な方法が示されており、バー240がハンガー260を吊すために提供される。本発明の一非限定実施形態において、基材400を底面パネル360の上に置くことができる。本明細書で示されていない別の非限定実施形態では、基材400は、容器500の中で、例えば、ハンガー260に架けられている掛け布形状の基材400で吊されることができる。容器500は、上記で記載されたように硬質フレームの支持により自立することができるか、又は支持手段(示されず)から懸架部材220により吊されることができる。容器500が懸架部材220で吊される場合、フレームは必要ではないが、フレームは、一般に内部チャンバ230の形状及び容量を制御及び維持するために好ましい。
【0102】
1つ以上の追加の有益剤を放出可能に含有してもよい単独の又は複数の基材は、本明細書で記載される布地処理プロセスにおいて使用できることが理解される。更に、基材は、容器中の実質的にどこにでも置かれることができるか、又は上記で記載されたように容器の外部に隣接して置かれることができる。
【0103】
衣類330のような布地物品を通る乱空気流は、布地と空気の接触を改善する可能性があり、布地物品からの改善された悪臭除去をもたらす。乱空気流は、当業者に既知の多様な方法のうちのいずれかによって実現できる。容器の内部チャンバの中に乱流を生じることができる方法の非限定例には、特別な設計の容器、容器内のバッフル、電池、太陽電池又は他の入手可能な電源により作動されるファンが挙げられる。
【0104】
通気口
前記で示されたように、本発明は通気口を含有してもよい。通気口は数多くの目的のために役割を果たすことができるが、典型的には通気口は、容器の内側の大気を容器の外側の周囲空気と交換する方法を提供することに役立つように設計できる。これは処理後の布地を乾燥するのに役立つ可能性がある。自動化された電池駆動式ファン系が、通気口と一緒になって乾燥を達成するのに都合のよい方法である。この場合の通気口は、作動されるフラップを持つか若しくは持たない単一の開口であることができるか、又は物質の透過性の性質により分配領域全体にわたって均一に通風する物質により容器を設計することによって達成できる。通気口の別の理由は、処理の時間とともに、少量の自己蒸気発生有益組成物の蒸気を容器から逃がすことであってもよい。この例は、好ましい香料の匂い/香りを、処理容器が作動している領域に放出することである。
【0105】
布地を処理するキット
自己蒸気発生有益組成物物品及び容器は、キットとして一緒に提供されてもよい。キットとして提供されるとき、自己蒸気発生有益組成物は、容器の外部に位置してもよいし、容器の内側に位置してもよい。容器は、自己蒸気発生有益組成物物品を保持するホルダを含んでもよい。ホルダは、容器の外部又は内部のどこに位置されてもよい。ホルダは、自己蒸気発生有益組成物が、容器の内部に位置していてもよい布地と混ざり合うように、容器の内部と流体連通してもよい。好適なホルダには、当業者には容易に知られているものが挙げられ、その一つの非限定例は小袋である。所望であれば、自己蒸気発生有益組成物は、直接小袋の中に入れることができる。同様に、追加の有益組成物が使用される場合、自己蒸気発生有益組成物の中に直接組み込まれることができるか、又は別の非限定例としては、小袋に直接添加できる。
【0106】
所望であれば、本発明の自己蒸気発生有益組成物物品は、天然の折り畳み点を含んでもよく、従って物品を梁、ハンガーなどに掛け布状に架けることができる。逆に言えば、所望であれば、物品は容器のどこにでも位置することができ、例えば、ポケットの中に落ちていることができるか又は容器に取付けられていることができる。物品は、また、物品からの蒸気が容器の中に入ることができる限り、容器の外側に位置することができる。
【0107】
自己学習型商品
本発明は、また、1)本発明の自己蒸気発生有益組成物、及び2)布地を洗浄/清新するために本発明の方法をどのように利用するかをユーザーに指示する一連の説明、を含む商品を含む。
【0108】
一つの実施形態において、商品は、一連の説明に関連して本発明の自己蒸気発生有益組成物を含み、ここで、説明は、布地に有益を提供する方法にユーザーが従うように指示をする。例えば、一つの実施形態において、そのような説明は、1)自己蒸気発生有益組成物を容器の中に置くこと、2)布地を容器の中に置くこと、及び3)自己蒸気発生有益組成物を活性化すること、をユーザーに指示する。
【0109】
本明細書において、「関連する」は、そのような説明を参照するとき、一連の説明を自己蒸気発生有益組成物及び/又は容器の消費者に知らせるように、説明が、自己蒸気発生有益組成物の上に直接印刷されている;自己蒸気発生有益組成物及び/又は容器のパッケージの上に直接印刷されている;自己蒸気発生有益組成物及び/又は容器のパッケージに付いているラベルに印刷されている;或いはパンフレット、活字広告、電子広告、放送若しくはインターネットでの広告、及び/又は他の媒体が挙げられるが、それらには限定されない異なる方法により表されるもののいずれかであることを意味する。
【0110】
方法
自己蒸気発生成分プレミックスのタップ密度を決定する方法
タップ密度は、沈殿をもたらすために容器を軽くたたいた後の物質の嵩密度を意味する。以下は自己蒸気発生成分プレミックスのタップ密度を決定する方法を提供する。
【0111】
測定される物質の試料の全てを蓋の付いた大型の容器の中に注ぐ。容器を、試料を十分に混合するために混転し回転する。100mlのメスシリンダーが天秤の上に置かれ、風袋でゼロにする。次に容器の試料は、シリンダーが約1/2から3/4まで充填されるまで、シリンダーの中に入れられる。充填されたメスシリンダーをタップ密度試験機と接続し、タップ番号を600に設定する(好適なタップ密度試験機はヴァンケル・インダストリーズ(VanKelIndustries)(ニュージャージー州エジソン(Edison))から入手可能なVK−50−100単一プラットフォームユニットである)。軽くたたくことが完了すると、シリンダーが取り外され、物質の容量が記録される。タップ密度が次の方程式により決定される。
タップ密度(g/ml)=W/Y、式中:
W=試料の重量(g)
Y=試料のタップ容量(ml)
【実施例】
【0112】
自己蒸気発生有益組成物
本発明で用いる自己蒸気発生有益組成物は以下のようにして調製されてもよい。
【0113】
自己蒸気発生成分プレミックス:
100kgの自己蒸気発生成分プレミックスは、以下のようにして作製できる。
5.58kgの活性炭をミキサーに加える。この目的に好適なミキサーは、リトルフォード・デイ・ミキサー(LittlefordDayMixer)である。4.28kgの水をミキサーに加え、10分間混合する。83.14kgの海綿鉄をミキサーに加え、3分間混合する。7kgのAGM(ポリアクリレート吸収性ゲル材料)をミキサーに加え、12分間混合する。次にこのプレミックスは容器に添加される。
【0114】
ブライン:
100kgのブラインは以下のようにして作製できる。
88.3kgの水(軟水が使用されてもよい)をミキサーに加える。10.4kgの塩化ナトリウム及び1.3kgのチオ硫酸ナトリウムをミキサーに加え、15分間混合する。次にブライン溶液が容器に添加される。
【0115】
自己蒸気発生熱セル:
ブライン溶液が、最終上包み容器に包装する少し前に、自己蒸気発生成分粉末プレミックスに添加されるか、又は最終上包みに包装する少し前に、粉末プレミックスを含有する基材に添加される。所望であれば、1つ以上の追加の有益剤が、自己蒸気発生熱セルに添加されてもよい。これの非限定例には、有益剤を炭素に加えること、形成されたプレミックスに加えること、混合物を含有する不織布基材に加えること、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0116】
本発明の特定の実施形態が説明及び記載されてきたが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行えることが当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うことが意図される。本明細書で引用される全ての文献は、関連部分において参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを承認するものとして解釈されるべきではない。
【0117】
本発明は、以下の説明を添付図面と併せることで、より良く理解されると考える。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明に従って作製された自己蒸気発生有益組成物物品の実施形態の平面図。
【図2】本発明に従って作製された自己蒸気発生有益組成物物品の代替的実施形態の平面図。
【図3A】本発明に従って作製された自己蒸気発生有益組成物物品の別の代替的実施形態の平面図。
【図3B】図3Aの実施形態の正面図。
【図4】本発明に従って作製された容器の正面斜視図。
【図5】図4の容器の背面斜視図。
【図6】図4の容器の線6−6に沿って見た断面図。
【図7】図4の容器の骨格の斜視図。
【図8A】図7の容器を示す側面図。
【図8B】図7の容器を示す側面図。
【図8C】図7の容器を示す側面図。
【図8D】図7の容器を示す側面図。
【図9A】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9B】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9C】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9D】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図9E】図7及び図8A〜8Dの容器を示す背面斜視図。
【図10】本発明に従って作製された好適な閉鎖部材の斜視図。
【図11】本発明に従って作製された容器の別の実施形態の正面斜視図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布地を処理し、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を有することを特徴とする、自己蒸気発生有益組成物。
【請求項2】
自己蒸気発生有益組成物1グラム当たり少なくとも5×10−5グラム蒸気が生成される、請求項1に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項3】
前記自己蒸気発生有益組成物が、
a)30重量%〜80重量%の鉄粉末であって、好ましくは25%の鉄粉末が250μmを超える粒径直径を有し、より好ましくは前記鉄粉末が海綿鉄である、鉄粉末;
b)0.5重量%〜25重量%の炭素;
c)0.5重量%〜10重量%の金属塩;
d)1重量%〜60重量%の水;
e)0.1重量%〜30重量%の水管理体であって、好ましくは水管理体が吸収性ゲル材料であり、より好ましくは水管理体の平均粒径が少なくとも250ミクロンである、水管理体;
f)蒸気の発生を支援するのに十分な量の酸素;及び
g)任意の追加的な有益剤;
を含む、請求項1又は2に記載の自己蒸気発生有益組成物
【請求項4】
前記自己蒸気発生有益組成物が自己蒸気発生成分を包含し、ここで自己蒸気発生成分のドライミックスが1g/ml〜3g/mlのタップ密度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項5】
前記自己蒸気発生有益組成物が有益剤を含み、前記有益剤が蒸気である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項6】
前記自己蒸気発生有益組成物が追加有益剤を更に含み、該追加有益剤が、直接の揮発を介して布地に送達されるか、布地への物理的な送達により送達されるか、又はこれらの組み合わせで送達され、好ましくは該追加有益剤が共沸混合物の形態で送達される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の自己蒸気発生有益組成物を含む物品であって、該物品が、更に、一緒に積層されている多孔質材料の複数の層の間に埋め込まれている少なくとも1つの蒸気発生セルを含む実質的に平面の積層体構造を備え、少なくとも1つの蒸気発生セルが少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を生成することができ、好ましくは該物品が容器を更に含み、より好ましくは該容器が、バッグ、キャビネット、クローゼット、布地ローラーのコア、洗濯機、布地物品乾燥装置、又はそれらの組み合わせである、物品。
【請求項8】
請求項1〜6に記載の自己蒸気発生有益組成物であって、前記容器が:
a)ループフレーム部材であって、
i)輪になった可撓性の前部フレーム部材;
ii)輪になった可撓性の後部フレーム部材;
iii)所望により、前記前部フレーム部材と前記後部フレーム部材との間に位置する少なくとも2個の、互いに対向する側に位置する側部支持部材;
iv)任意の前部硬質支持部材;及び
v)任意の後部硬質支持部材
を備えたループフレーム部材と、
b)ループフレーム部材を覆う材料、好ましくは前記ループフレーム部材が200g/m2/日未満の湿気透過速度を有する材料であって、
i)前記開口部を含む前面パネル;
ii)前記開口部を覆い、前記開口部への出入りを可能にするために移動できる、移動可能な閉鎖部材;
iii)背面パネル;及び
iv)前記前面パネルと前記背面パネルに接続している側面パネル
を備えた材料と、
c)該容器内で送達される、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気をピーク生成で生成する自己蒸気発生有益組成物と
を備えたことを特徴とする、自己蒸気発生有益組成物、
【請求項9】
布地を処理する自己拡張容器であって、前記自己拡張容器が:
a)ループフレーム部材であって、
i)輪になった可撓性前部フレーム部材と輪になった可撓性後部フレーム部材であり、該それぞれのフレーム部材が、開放方向と折り畳まれた方向を包含する2つの方向をとることができ、折り畳まれた方向のときは、それぞれのフレーム部材が張力下にあり、該開放方向に置かれると、それぞれのフレーム部材がはじけて開放方向になることを可能にするように、張力がそれぞれのフレーム部材から部分的に解除される、輪になった可撓性前部フレーム部材と輪になった可撓性後部フレーム部材;
ii)前記前部フレーム部材と前記後部フレーム部材との間に位置する少なくとも2個の、互いに対向する側に位置する側部支持部材;
iii)任意の前部硬質支持部材;及び
iv)任意の後部硬質支持部材
を備えたループフレーム部材と、
b)ループフレーム部材を覆う材料であって、
i)開口部を包含する前面パネル;
ii)開口部を覆い、該開口部への出入りを可能にするために移動できる、移動可能な閉鎖部材であり、好ましくは移動可能な閉鎖部材が、前面パネル開口部を覆うときに側面パネルと重なり合い、より好ましくは側面パネルと重なり合う移動可能な閉鎖部材の一部分が、伸縮性物質から構成され、さらにより好ましくは側面パネルと重なり合う移動可能な閉鎖部材の一部分が、弾性バンドを更に含む、移動可能な閉鎖部材;
iii)背面パネル;
iv)前記前面パネルと前記背面パネルに接続している側面パネル;
v)前記輪になった可撓性前部フレーム部材を含有する前部フレームを保持するスリーブ;及び
vi)前記輪になった可撓性後部フレーム部材を含有する後部フレームを保持するスリーブを備えた材料と
を備えたことを特徴とする、自己拡張容器。
【請求項10】
前記側面パネルと重なり合う移動可能な閉鎖部材の一部分が、移動可能な閉鎖を保持するスリーブを更に含み、前記伸縮性バンドが、移動可能な閉鎖を保持するスリーブ内に含有される、請求項9に記載の自己拡張容器。
【請求項11】
ファン及びファン作動系を更に含む、請求項9又は10に記載の自己拡張。
【請求項12】
通気口を更に含む、請求項9〜11に記載の自己拡張容器。
【請求項13】
布地を処理するキットであって、
a)好ましくは、バッグ、キャビネット、クローゼット、布地ローラーのコア、洗濯機、布地物品乾燥装置、又はこれらの組み合わせであり、より好ましくは自己拡張性である、容器;
b)少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を有する自己蒸気発生有益組成物;
c)ユーザーに自己蒸気発生プロセスの状態又はシステムの状態を知らせる任意の信号;及び
d)任意の布地伸長系;
を備えるキット。
【請求項14】
布地を処理する方法であって、
a)容器を提供し;
b)容器内に自己蒸気発生有益組成物を提供し;及び
c)自己蒸気有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での自己蒸気発生有益組成物が、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気を生成することを特徴とする方法。
【請求項15】
布地を処理する方法であって、
a)容器を提供し;
b)自己蒸気発生有益組成物の供給源を提供し;
c)自己蒸気発生有益組成物の供給源から容器の内部に導管を提供し;及び
d)自己蒸気発生有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での自己蒸気発生有益組成物が、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気を生成することを特徴とする方法。
【請求項1】
布地を処理し、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を有することを特徴とする、自己蒸気発生有益組成物。
【請求項2】
自己蒸気発生有益組成物1グラム当たり少なくとも5×10−5グラム蒸気が生成される、請求項1に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項3】
前記自己蒸気発生有益組成物が、
a)30重量%〜80重量%の鉄粉末であって、好ましくは25%の鉄粉末が250μmを超える粒径直径を有し、より好ましくは前記鉄粉末が海綿鉄である、鉄粉末;
b)0.5重量%〜25重量%の炭素;
c)0.5重量%〜10重量%の金属塩;
d)1重量%〜60重量%の水;
e)0.1重量%〜30重量%の水管理体であって、好ましくは水管理体が吸収性ゲル材料であり、より好ましくは水管理体の平均粒径が少なくとも250ミクロンである、水管理体;
f)蒸気の発生を支援するのに十分な量の酸素;及び
g)任意の追加的な有益剤;
を含む、請求項1又は2に記載の自己蒸気発生有益組成物
【請求項4】
前記自己蒸気発生有益組成物が自己蒸気発生成分を包含し、ここで自己蒸気発生成分のドライミックスが1g/ml〜3g/mlのタップ密度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項5】
前記自己蒸気発生有益組成物が有益剤を含み、前記有益剤が蒸気である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項6】
前記自己蒸気発生有益組成物が追加有益剤を更に含み、該追加有益剤が、直接の揮発を介して布地に送達されるか、布地への物理的な送達により送達されるか、又はこれらの組み合わせで送達され、好ましくは該追加有益剤が共沸混合物の形態で送達される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の自己蒸気発生有益組成物。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の自己蒸気発生有益組成物を含む物品であって、該物品が、更に、一緒に積層されている多孔質材料の複数の層の間に埋め込まれている少なくとも1つの蒸気発生セルを含む実質的に平面の積層体構造を備え、少なくとも1つの蒸気発生セルが少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を生成することができ、好ましくは該物品が容器を更に含み、より好ましくは該容器が、バッグ、キャビネット、クローゼット、布地ローラーのコア、洗濯機、布地物品乾燥装置、又はそれらの組み合わせである、物品。
【請求項8】
請求項1〜6に記載の自己蒸気発生有益組成物であって、前記容器が:
a)ループフレーム部材であって、
i)輪になった可撓性の前部フレーム部材;
ii)輪になった可撓性の後部フレーム部材;
iii)所望により、前記前部フレーム部材と前記後部フレーム部材との間に位置する少なくとも2個の、互いに対向する側に位置する側部支持部材;
iv)任意の前部硬質支持部材;及び
v)任意の後部硬質支持部材
を備えたループフレーム部材と、
b)ループフレーム部材を覆う材料、好ましくは前記ループフレーム部材が200g/m2/日未満の湿気透過速度を有する材料であって、
i)前記開口部を含む前面パネル;
ii)前記開口部を覆い、前記開口部への出入りを可能にするために移動できる、移動可能な閉鎖部材;
iii)背面パネル;及び
iv)前記前面パネルと前記背面パネルに接続している側面パネル
を備えた材料と、
c)該容器内で送達される、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気をピーク生成で生成する自己蒸気発生有益組成物と
を備えたことを特徴とする、自己蒸気発生有益組成物、
【請求項9】
布地を処理する自己拡張容器であって、前記自己拡張容器が:
a)ループフレーム部材であって、
i)輪になった可撓性前部フレーム部材と輪になった可撓性後部フレーム部材であり、該それぞれのフレーム部材が、開放方向と折り畳まれた方向を包含する2つの方向をとることができ、折り畳まれた方向のときは、それぞれのフレーム部材が張力下にあり、該開放方向に置かれると、それぞれのフレーム部材がはじけて開放方向になることを可能にするように、張力がそれぞれのフレーム部材から部分的に解除される、輪になった可撓性前部フレーム部材と輪になった可撓性後部フレーム部材;
ii)前記前部フレーム部材と前記後部フレーム部材との間に位置する少なくとも2個の、互いに対向する側に位置する側部支持部材;
iii)任意の前部硬質支持部材;及び
iv)任意の後部硬質支持部材
を備えたループフレーム部材と、
b)ループフレーム部材を覆う材料であって、
i)開口部を包含する前面パネル;
ii)開口部を覆い、該開口部への出入りを可能にするために移動できる、移動可能な閉鎖部材であり、好ましくは移動可能な閉鎖部材が、前面パネル開口部を覆うときに側面パネルと重なり合い、より好ましくは側面パネルと重なり合う移動可能な閉鎖部材の一部分が、伸縮性物質から構成され、さらにより好ましくは側面パネルと重なり合う移動可能な閉鎖部材の一部分が、弾性バンドを更に含む、移動可能な閉鎖部材;
iii)背面パネル;
iv)前記前面パネルと前記背面パネルに接続している側面パネル;
v)前記輪になった可撓性前部フレーム部材を含有する前部フレームを保持するスリーブ;及び
vi)前記輪になった可撓性後部フレーム部材を含有する後部フレームを保持するスリーブを備えた材料と
を備えたことを特徴とする、自己拡張容器。
【請求項10】
前記側面パネルと重なり合う移動可能な閉鎖部材の一部分が、移動可能な閉鎖を保持するスリーブを更に含み、前記伸縮性バンドが、移動可能な閉鎖を保持するスリーブ内に含有される、請求項9に記載の自己拡張容器。
【請求項11】
ファン及びファン作動系を更に含む、請求項9又は10に記載の自己拡張。
【請求項12】
通気口を更に含む、請求項9〜11に記載の自己拡張容器。
【請求項13】
布地を処理するキットであって、
a)好ましくは、バッグ、キャビネット、クローゼット、布地ローラーのコア、洗濯機、布地物品乾燥装置、又はこれらの組み合わせであり、より好ましくは自己拡張性である、容器;
b)少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気発生速度の蒸気を有する自己蒸気発生有益組成物;
c)ユーザーに自己蒸気発生プロセスの状態又はシステムの状態を知らせる任意の信号;及び
d)任意の布地伸長系;
を備えるキット。
【請求項14】
布地を処理する方法であって、
a)容器を提供し;
b)容器内に自己蒸気発生有益組成物を提供し;及び
c)自己蒸気有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での自己蒸気発生有益組成物が、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気を生成することを特徴とする方法。
【請求項15】
布地を処理する方法であって、
a)容器を提供し;
b)自己蒸気発生有益組成物の供給源を提供し;
c)自己蒸気発生有益組成物の供給源から容器の内部に導管を提供し;及び
d)自己蒸気発生有益組成物を活性化すること
を含んでなり、ピーク生成での自己蒸気発生有益組成物が、少なくとも2×10−5グラム/分の蒸気を生成することを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−500469(P2008−500469A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−527586(P2007−527586)
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/019110
【国際公開番号】WO2005/118946
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月27日(2005.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2005/019110
【国際公開番号】WO2005/118946
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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