説明

自由流物質用の用量分注ユニット

【課題】用量物質を正確にかつ汚染を伴わないように目標容器に供給する。
【解決手段】用量分注ヘッドは、端部表面74と、結合領域73とを備える基礎胴体71とを含む。端部表面74には出口開口部75と、通路開口部82を有する摺動部80とが配置される。更に用量分注ヘッドは、基礎胴体71上に配置され、オリフィス開口部を有し、基礎胴体71と同軸回転可能な開口部付部材90を含む。開口部付部材90を基礎胴体71に対して回転させることによって、摺動部80が端部表面74上で摺動し、通路開口部82が出口開口部75に対して変位する結果、用量分注ヘッドの開口幅が変化し、用量物質の流量が調整される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末または練り物の形態の用量物質用の用量分注ヘッドならびに用量分注ユニットおよび用量分注デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
通常は供給源容器および用量分注ヘッドを含む用量分注ユニットを備える用量分注デバイスが、具体的に、少用量の有毒物質などを高精度で小目標容器内に分注するのに使用される。そのような目標容器は、用量分注デバイスから供給された物質の重量を測定するために秤上に配置されることが多く、したがって、物質は、さらに、所与の指令によって順次処理することができる。
【0003】
米国特許第7,284,574号には、供給源容器および用量分注ヘッドを含む用量分注ユニットを挿入することができる用量分注デバイスが記載されている。用量分注ヘッドは、端部表面および供給源容器用の結合領域を有する基礎胴体を含む。さらに、基礎胴体の端部表面に、結合領域に接続される出口開口部が配置される。出口開口部は、回転摺動部によって閉鎖することができ、回転摺動部は、基礎胴体に接続され、基礎胴体の長手方向中心軸の周りに自由に回転するが、前記長手方向中心軸は、端部表面に平行に配置される。外部から接近可能な回転摺動部の端部に、フィリップス型ねじ回しと同様の形状をした駆動軸の端部と係合することによって回転摺動部を作動させるように機能する、十字溝のある開口部付部材が配置される。駆動軸と結合する回転摺動部を回転させることによって、出口開口部は、様々な程度の開口に開放することができ、したがって、用量物質は、出口開口部を通って運動し、目標容器に流入する。回転摺動部が、その構造のために用量物質の流出経路を歪めるとき、狭い充填開口部を備えた目標容器内に用量物質を分注することをさらに可能にするために、出口開口部下のハウジング部分によって用量物質を導く必要がある。
【0004】
米国特許第7,614,429号に記載された用量分注デバイスの用量分注ヘッドは、端部表面および供給源容器用の結合領域を有する基礎胴体を含む。さらに、基礎胴体の一方の側面上に、結合領域に接続される出口開口部が配置される。出口開口部は、基礎胴体上で側面に平行な案内直線摺動運動に制限される摺動部によって、覆うことができる。摺動部が機械的に接続される環状の開口部付部材によって、摺動部の作動が起こる。開口部付部材を垂直に動かすことによって、出口開口部は、様々な程度の開口に開放することができ、したがって、用量物質が出口開口部から流出する。出口開口部が側面上に配置されるので、用量物質は、垂直方向には流出せず、したがって、用量分注ヘッドに堅固に取り付けられた漏斗によって目標容器内に導く必要がある。さらに、シャッター舌部の長さが、出口閉鎖の密封性に関する問題につながる可能性がある。
【0005】
米国特許第7,284,574号および米国特許第7,614,429号で開示された用量分注デバイスは、摺動部または回転摺動部の下で、用量物質を捕捉することができるハウジング部分によって用量物質を目標容器内に導き、それによって、結果の精度を低下させる可能性があるという欠点を抱える。この側面は、猛毒物質の量を測定する場合に、たとえば用量分注ユニットの交換中、残留粒子が、用量分注ユニットから流出し、周囲の作業領域または装置を扱う人を汚染するときに特に問題となる。
【0006】
こういうわけで、先行技術において提供された構成は、それらの設計配置のために、液体、顆粒、またはほぼ球形で滑らかな表面を有する粒子を含む特別な粉末などの、良好な自由流特性を有する用量物質にのみ適しており、したがって、最小限の用量物質が、装置に付着したままになる。
【0007】
それに加えて、米国特許第7,614,429号に開示された装置は、複雑で高価な構造を含み、所望の小型性を欠く。
【0008】
同様に、米国特許第7,284,574号に開示された構成は、類似の問題を伴う。米国特許第7,284,574号の図2〜7に開示された用量分注ヘッドの構造を、小型デバイスとして好ましい費用で製作することができる一方で、用量分注ユニットが、駆動機構の着座受口内に垂直に挿入され、結合されるために、正しい位置に向かってその垂直長手方向中心軸の周りに回転させる必要があるとき、用量分注ユニットの機械的構成は、大きい労働力を要する駆動機構の組立てを必要とし、したがって、駆動軸および回転摺動部は、互いに揃う。用量分注ユニットが、着座し、かつ揃った後に、回転摺動部を駆動軸に結合することを可能にするために、駆動機構の駆動軸を回転摺動部に対して水平方向に動かすことが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,284,574号
【特許文献2】米国特許第7,614,429号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、目標容器の充填開口部内に流れを導き、かつ目標量を達成することに関しては正確に、また汚染に対しては安全に用量物質を供給することを可能にし、簡単で費用効率が高い駆動機構と伝達可能である、小型で低費用の用量分注ヘッドを提供することが、本発明の目的である。
【0011】
この課題は、請求項1による用量分注ヘッド、請求項10による用量分注ユニット、および請求項12による用量分注デバイスによって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
用量分注ヘッドは、端部表面と、供給源容器または閉鎖蓋用の結合領域とを備える基礎胴体を含む。結合領域に接続される出口開口部は、基礎胴体の端部表面内に配置される。用量分注ヘッドは、基礎胴体上で端部表面に平行な案内直線摺動運動に制限される摺動部をさらに含む。摺動部を作動させるために、用量分注ヘッドは、端部表面に直交する回転軸の周りに回転することができる、基礎胴体上に配置された開口部付部材を含む。開口部付部材は、基礎胴体に対する開口部付部材のあらゆる位置において、出口開口部がオリフィス開口部の領域内に入るように構成されたオリフィス開口部を有する。
【0013】
通路開口部を有する摺動部は、基礎胴体と開口部付部材との間に配置される。基礎胴体に対して開口部付部材を回転させることによって、摺動部を基礎胴体に対して直線経路内で運動させることができ、それによって、用量分注ヘッドの開口部幅は、通路開口部の出口開口部に対する変位の結果として変化することができ、通路開口部によって自由流用量物質の流量を調整することができる。
【0014】
用量分注ヘッドの組立後状態において、開口部付部材は、基礎胴体の端部表面に隣接して配置される対向表面を有するのが好ましい。対向表面内の陥凹部は、摺動部を受容するように機能する。陥凹部の中心軸は、回転軸に平行で、かつ回転軸から離間して延びる。
【0015】
このことは、用量分注ヘッドの特に小型の構造、ならびに開口部付部材の回転運動を摺動部の直線運動に伝達および変換する簡単な方法の可能性を開く。陥凹部は、円筒形であることが好ましく、それは、この形状が製作しやすく、中心軸の偏心によってカム円板のように機能するその周囲形状が、開口部付部材の回転運動を摺動部に伝達するのに適しているためである。しかし、たとえば、中心軸と直交する断面を見て、楕円形を有し、または部分円もしくは任意に形成された部分曲線からも構成された陥凹部を選択することによって、この円筒形から逸脱することが可能である。陥凹部の輪郭形状の選択によって、摺動部の直線運動と開口部付部材の回転運動との間の変換比を変化させることができる。このことによって、開口部付部材の一定の回転速度で、摺動部の変位経路の長さにわたって、摺動部の様々な速度の直線運動を達成することが可能になる。
【0016】
トルクを伝達するために、基礎胴体は、第1の手段を含むことができ、開口部付部材は、第2の手段を含むことができる。たとえば、隆起部、突起、レンチ用の把持面、陥凹部、および同様のものなどの、このために考えられる手段は、形状係合によって機能することができる。粗表面、ゴム挿入物、特に高摩擦係数を有する被覆、または同様の設計要素などの、力をベースとする係合によって機能する他の手段を使用することもできる。
【0017】
摺動部、開口部付部材、および基礎胴体を不適当な取扱いによる損傷から保護するために、基礎胴体と開口部付要素との間に、回転角度制限要素が配置されるのが好ましい。
【0018】
用量分注ヘッドを使用者の要求、および/または用量物質によって与えられた要求に適合させるために、通路開口部および/または出口開口部は、円形、三角形、または正方形の断面を有する穿孔とすることができる。当然、たとえば、最大粒径の選択的ふるい分けなどの追加の要求が所望されるとき、通路開口部および/または出口開口部のあらゆる断面形状が想定できる。
【0019】
用量物質の粒子が、用量分注ユニット内で互いに運動する結果として、粒子は、帯電し、したがって、互いに、または開口部付部材に、または摺動部に付着する可能性がある。凝集した用量物質は、用量分注過程を妨げるか、または遮断も行う可能性がある。さらに、開口部付部材に付着する用量物質は、環境を汚し、または汚染する可能性がある。この問題を回避するために、摺動部および開口部付部材は、電気伝導性物質から形成されるのが好ましい。この場合に、摺動部は、適当な接続手段によって、開口部付部材および連続する電気経路を通して、電力網または建物の接地導体に接続することができ、それによって、静電気を除去することができる。当然、基礎胴体は、電気伝導性物質から形成することもできる。
【0020】
直線摺動案内部として、摺動部は、基礎胴体の溝内で摺動する案内帯を有することができる。特に樹脂材料から形成された部分に正確な狭い溝を形成するのは難しいので、案内帯の厚さよりも十分に広い溝を形成することができ、溝の少なくとも1つの部分的区域は、案内帯に正確に嵌合する案内部を提供するために、溝自体に平行に偏位する必要がある。この構成において、部分的区域の偏位は、案内帯の厚さおよび溝の幅に合わせられる。この構成の付加的利点として、直線案内構成部における摩擦抵抗を低減することができ、用量物質粒子による直線案内構成部の閉塞を大部分回避することができる。当然、他の既知の種類の直線案内構成部を使用することもできる。
【0021】
さらにそれ以上摩擦力を低減する手段として、端部表面は、出口開口部を取り巻く隆起堰堤を含むことができる。したがって、摺動部は、この堰堤にのみ支えられる。さらに、用量物質が端部表面と対向表面との間に入り込む可能性を最小化するために、出口開口部を取り巻く密封辺縁部を堰堤上に形成することができる。基礎胴体、開口部付部材、および摺動部の寸法は、組立後状態において、摺動部が密封辺縁部にわずかに押し付けられるように、互いに合わせられる。
【0022】
当然、摺動部の直線運動は、開口部付部材の側面から案内することもでき、円筒形陥凹部は、基礎胴体の端部表面からの後退部とすることができる。
【0023】
既に序論で説明したように、用量分注ユニットは、少なくとも1つの用量分注ヘッド、および少なくとも1つの結合領域に接続される少なくとも1つの供給源容器または閉鎖蓋を含む。用量分注ユニットをすぐに操作できるようにするために、用量物質が供給源容器内に満たされ、供給源容器は、分注ヘッドによって閉鎖される。ごくわずかな量の場合には、当然、用量物質を用量分注ヘッド内に満たすこともでき、結合領域を閉鎖蓋によって閉鎖することができる。摺動部が閉鎖位置にあるとき、満たされた用量分注ユニットは、それが使用されるまで、貯蔵容器として保管することができる。貯蔵条件をより高い基準に合わせる必要があるとき、用量分注ヘッドの開口部付部材を、その周縁部が基礎胴体上に到達することが好ましい蓋によって密封することができる。
【0024】
しかし、用量分注ユニットが、閉鎖蓋または供給源容器を有することが絶対的に必要なわけではない。用量分注ユニットは、結合領域に接続される少なくとも1つの供給給送デバイスを備えた、本発明による用量分注ヘッドから構成することもできる。そのような供給給送デバイスは、たとえば、サイロ、タンク、または漏斗とすることができる。
【0025】
上述した用量分注ユニットは、用量分注デバイス内に設置することができる。用量分注デバイスは、基礎ユニットと、基礎ユニット上に配置され、少なくとも1つの用量分注ユニットおよび少なくとも1つの駆動機構を保持する少なくとも1つの受容デバイスとを含む。上述のように、トルクを伝達するために、基礎胴体は第1の手段を含み、開口部付部材は第2の手段を含む。さらに、受容デバイスは、第1の手段に対応する第1のユニットを含み、駆動機構は、第2の手段に対応する第2のユニットを含む。第1のユニットおよび第2のユニットは、一方では用量分注ユニットの重量を支持し、他方では回転運動を伝達し、かつ回転運動によって発生したトルクを吸収するように機能する、システムの一部分であり、支持、運動、およびトルクの吸収の機能は、第1および第2のユニット間で適宜分割することができる。
【0026】
受容デバイスを基礎ユニット上でピボット回転可能に支持することができ、したがって、受容デバイスは、水平傾動軸の周りに傾動することができる。その利点は、用量分注ユニットを好都合にも受容デバイスの場所内に設置することができ、同時に摺動部の位置を確認することができる点である。さらに、用量分注ユニットを1回または複数回、前後に傾動させることによって、用量分注ユニット内に含まれる用量物質をほぐすために、傾動機構を使用することができる。さらに、ほぐす過程は、受容デバイス上に作用する振動によって助長することができる。用量分注ユニットは、通常、棚などの保持デバイス内に、用量分注ヘッドを上に向けて保存される。この文脈における「上に向ける」とは、用量分注ヘッドが、その出口開口部と共に重力の方向とは反対に向くという意味である。用量分注ユニット内に満たすことができる一部の粉末状物質は、それらの保存凝塊が凝集して大凝塊になる時間を超える可能性があるので、この保存配置には妥当な理由がある。これらの大凝塊は、摺動部を遮断し、または損傷さえする可能性がある。用量分注デバイスが自動化された環境で使用されるとき、ロボット把持部が最初に用量分注ユニットを上下に回転させることを必要とせずに、ロボット腕部が、出口開口部が上を向く方向で用量分注ユニットを受容することができる可能性を、傾動可能な受容デバイスは、さらに提供する。
【0027】
駆動機構が用量分注ユニット上で作動することができる3つの方法がある。たとえば、第1のユニットは、駆動機構に接続されている間に、受容デバイス上で回転することができるように構成することができ、第2のユニットは、用量分注ユニットを保持し、用量分注過程中にトルクを吸収するように機能することができる。
【0028】
別の方法として、第1のユニットは、受容デバイスに堅固に接続され、用量分注ユニットを保持し、用量分注過程中にトルクを吸収するように機能することができる一方で、第2のユニットは、駆動機構に回転可能に接続される。当然、駆動機構は、第1および第2のユニット上で作動することもでき、その場合に、必然的に、開放または閉鎖過程が行われるように、第1および第2のユニット間の相対運動の状態が存在する必要がある。
【0029】
第1および第2のユニットは、それぞれの場合で、基礎胴体および開口部付部材にそれぞれ堅固に接続することができる、取付デバイスまたは形状嵌合容器デバイスとすることができる。
【0030】
別の構成においては、第1のユニットおよび用量分注ユニットの第1の手段、ならびに第2のユニットおよび用量分注ユニットの第2の手段は、それぞれ、形状嵌合相互係合によって互いに合致することができ、2つの形状嵌合合致は、用量分注ユニットが完全に設置されたとき、基礎胴体が第1のユニットに対して取る1つの位置、および開口部付部材が第2のユニットに対して取る1つの位置のみがそれぞれ存在するように設計される。
【0031】
第1のユニットと基礎胴体との間、ならびに第2のユニットと開口部付部材との間の鍵と鍵穴の関係によって、第1および第2のユニットに対する第1および第2の手段の角度偏位に関して任意の位置で第1のユニット内に設置される用量分注ユニットは、駆動機構によって繋止方向に用量分注ユニットを単純に回転させることによって、正確かつ確実に揃えることができる。
【0032】
以下、用量分注ヘッドおよび用量分注ユニットは、例により、かつ図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】用量分注ヘッドを備える用量分注ユニットの3次元図である。
【図2】図1の用量分注ユニットの3次元分解図である。
【図3】本発明による用量分注ヘッドの断面図である。
【図4】図4Aは、図3においてX−Xで示された平面内の本発明による用量分注ヘッドの断面図であって、摺動部が、出口開口部を完全に覆う、その閉鎖位置で示される図である。図4Bは、図3においてX−Xで示された平面内の本発明による用量分注ヘッドの断面図であって、摺動部が、出口開口部を部分的に覆う、中間位置で示される図である。図4Cは、図3においてX−Xで示された平面内の本発明による用量分注ヘッドの断面図であって、摺動部が、出口開口部を完全に開放する、その開放位置で示される図である。
【図5】用量分注ユニット、受容デバイス、および駆動機構を備え、さらに分注される用量物質の量を測定する秤量セルを含む秤を備える用量分注デバイスの3次元概略図である。
【図6】用量分注ユニット、水平回転軸の周りに傾動することができる受容デバイス、駆動機構、ならびに分注される用量物質の量を測定する秤量セルを含む秤を備える用量分注デバイスの3次元概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明による、用量分注ヘッド70を備える用量分注ユニット50を3次元図で示す。用量分注ユニット50は、その組立位置、すなわち供給源容器60が用量分注ヘッドに接続する位置で示される。用量物質が用量分注ヘッド70から流出するようにするために、用量分注ユニット50は、上下を傾動させる必要があり、したがって、用量分注ヘッド70が下になり、供給源容器60が上になる。用量分注ヘッド70は、供給源容器60が解放可能に接続される基礎胴体71(部分的にのみ見える)を含む。供給源容器60の場所に、閉鎖蓋を置くこともでき、したがって、充填された、すぐに使用できる用量分注ヘッド70は、同時に、用量物質の供給量を保持する。さらに、漏斗、タンク、サイロ、または給送ホースなどの、他の供給給送デバイスを基礎胴体71に接続することもできる。基礎胴体71は、トルクを伝達する第1の手段72をさらに含む。当然、第1の手段72は、第1のユニット(図示せず)との形状嵌合的係合を可能にするために、必ずしも図1に示される突起で構成される必要はない。第1の手段72として、基礎胴体71は、力をベースとする係合によって、たとえば止爪またはコレットによって第1のユニットに接続することができる取付面を有することもできる。基礎胴体71は、それに回転可能に接続される、カップ状の開口部付部材90によってほぼ完全に密封される。開口部付部材90は、その端部表面に、それを通して摺動部80のごく一部が見えるオリフィス開口部91を有する。摺動部80は、その閉鎖位置で示されており、そのため摺動部80の通路開口部は、開口部付部材90によって隠されている。しかし、このことは厳密に要求されているわけではなく、オリフィス開口部91は、摺動部80の通路開口部が常に見えたままとなるほど十分に大きくなるよう選択することもできる。基礎胴体71と同様に、開口部付部材90は、トルクを伝達するために機能する第2の手段92を含む。
【0035】
図2は、図1の用量分注ユニット50を3次元分解図で示す。図1の説明で既に取り上げられた機構の全ては、図2でも同じ参照符号のままである。
【0036】
供給源容器60は、基礎胴体71の結合領域73(見えていない)に螺入することができる結合ねじ山61を備える。基礎胴体71の基本的な形状は、円筒形である。基礎胴体71の長手方向中心軸上にある出口開口部75は、その端部表面74内に配置される。出口開口部75は、結合領域73に接続されており、したがって、用量分注ユニット50がその操作状態にあるとき、用量物質は、供給源容器60から出口開口部75まで運動することができる。さらに、出口開口部75を取り巻く隆起堰堤76が、端部表面74から突起する。堰堤76は、出口開口部75を取り巻く密封辺縁部77をさらに含む。
【0037】
さらに、溝78が、基礎胴体71上に形成される。溝は、出口開口部75および密封辺縁部77と干渉しないように、長手方向中心軸から離間して端部表面74内に陥凹する。図示されるように、溝78の中央部分79は、横方向に偏位することができる。一方では、この機構は、それによって、より正確な摺動案内を摺動部80にもたらすことができるために、製作過程において技術的利点を有する。他方では、この機構は、摺動部80の案内運動における摩擦抵抗の低減につながる可能性もある。
【0038】
摺動部80は、一方の側に沿って直角に曲げられた、基本的には平面部分であり、したがって、角度付境界が案内帯81を形成する。用量分注ヘッド70の組立後状態において、案内帯81は、溝78内に達し、したがって、溝および案内帯は協調して、摺動部80に直線案内制限をもたらす。さらに、図2に円形の穴として示される通路開口部82が、摺動部80内に形成される。当然、通路開口部82は、三角形、長方形、正方形、または楕円形などの、あらゆる所望の形状を有することができる。米国特許第7,284,574号に詳細に説明されるように、三角形は、摺動部80およびその通路開口部82を出口開口部75に対して移動させることによって、用量分注ヘッド70の出口開口部形状を用量物質の個々の粒子の直径に合わせることができるので、三角形は、特によく適している。したがって、用量分注ユニットからの用量物質の可変的に調整可能な流れだけではなく、個々の粒子も分注することが可能である。より明確にするために、開口部付部材90の内部形状を、それらがデバイスの機能にとって不可欠である範囲で、具体的には、開口部付部材90の対向表面95および円筒形陥凹部94を点線で描いているが、円筒形陥凹部94は、対向表面95から奥まっており、摺動部80を受容するように機能する。
【0039】
摺動部80が損傷するのを防ぐために、基礎胴体71と開口部付部材90との間の回転運動の角度範囲を制限する機構が存在する必要がある。したがって、制限ストッパ83が、基礎胴体71上に形成され、開口部付部材90の内部上に形成される2つの対向ストッパ93と協調する。対向ストッパ93は、基礎胴体71上に形成された保持溝85内を滑動し、したがって、開口部付部材90は、長手方向中心軸の方向には制限される。開口部付部材90を基礎胴体71に接続するのを可能にするために、または、より具体的には、開口部付部材90が基礎胴体71上を滑動するのを可能にするために、基礎胴体71の円筒形側壁内に陥凹する2つのチャネル86がばね仕掛けの留具87と共に存在し、それらの留具87によって、対向ストッパ93を保持溝内に押し下げることができる。2つの対向ストッパ93および関連するチャネル86は、異なる幅を有することができ、したがって、開口部付部材は、ある特定の位置でのみ、基礎胴体71に接続することができる。
【0040】
図3は、図1および2の組立後用量分注ヘッド70を横方向断面図で示す。断面図は、基礎胴体71内の、結合領域73と出口開口部75との間の接続を示す。さらに、開口部付部材90のオリフィス開口部91が、出口開口部75の直径よりも極めて大きいことが明らかである。このことは、用量物質がオリフィス91の周縁部に付着する可能性を防ぐ。用量物質として用量分注ユニット50内に満たすことができる粉末状物質の一部は、用量分注ヘッド70内での流体運動の結果、帯電する傾向がある。このことによって、用量物質が、摺動部80および開口部付部材90に付着する結果になる可能性がある。対策として、開口部付部材90および摺動部80は、電気伝導性物質から形成されるのが好ましく、したがって、これらの部分を接地することができ、静電気を排出することができる。
【0041】
さらに、図3は、基礎胴体71と開口部付部材90との間の摺動部80の配置を示す。デバイスの組立後状態において、開口部付部材90の対向表面95は、基礎胴体71の端部表面74に隣接して配置される。摺動部80を受容するように機能する円筒形陥凹部94は、対向表面95の平面から奥まっている。円筒形陥凹部94の長手方向中心軸は、用量分注ヘッド70の長手方向中心軸から距離aだけ偏位している。円筒形陥凹部において、摺動部80は、密封辺縁部77に着座するように配置される。摺動部80の屈曲案内帯81は、溝78内に達し、それによって、直線摺動案内部88を形成する。開口部付部材90の寸法、具体的には対向ストッパ93と対向表面95との間の距離は、摺動部80が密封辺縁部77にわずかに押し付けられて保持されるように、摺動部80の厚さおよび基礎胴体71の寸法に合わせられる。規定量の圧縮力を達成するために、オリフィス91の周りの開口部付部材90の一部分は、皿ばねのように形成される。
【0042】
供給源容器と基礎胴体71との間を十分に密封するために、密封リング69を結合領域73内に形成、または挿入することができる。
【0043】
以下に続く図面において、図4A〜4Cは、摺動部80の運動ならびに円筒形陥凹部94および直線摺動案内部88の機能をより詳細に示す。図4A〜4Cは、本発明による用量分注ヘッド70を、図3においてX−Xで示された断面で断面図中に示すが、摺動部80は、異なる位置で示される。静止した基礎胴体71に対する開口部付部材90のそれぞれの位置は、第2の手段92の位置によって明らかになる。
【0044】
図4Aは、摺動部80をその閉鎖位置で示す。この位置において、摺動部80の表面形状は、円筒形陥凹部94に完全には一致しないように見える。この理由は、摺動部80が、直線摺動案内部88によって決められた方向にのみ運動することができる一方で、円筒形陥凹部94は、用量分注ヘッド70の長手方向中心軸の周りに円形に運動するためである。
【0045】
図4Bは、摺動部80を中間位置、すなわち摺動部80が出口開口部75の一部分を覆う位置で示す。この位置において開放される開口面積は、出口開口部75の断面積の約1/3の大きさである。したがって、開口面積の変化と開口部付部材90の回転角との間の関係は、非線形関数である。
【0046】
開口面積の変化が、出口開口部75に対する摺動部80の位置に依存する所与の特定関数に従うべきとき、通路開口部82および/または出口開口部75の形状をこの要求に適合させることが必要である。開口部のいずれか任意の形状は、本明細書では具体的に、三角形、楕円形、長方形、および三日月形と見なすことができる。
【0047】
さらに、図4Bから明らかなように、この摺動部位置において、摺動部80の形状は、円筒形陥凹部94に正確に一致する。
【0048】
図4Cは、摺動部80を開放位置で示し、出口開口部75は、摺動部80の通路開口部82によって完全に開放される。この位置において、図4Aの場合と同じ理由で、同様に、摺動部80の形状は、円筒形陥凹部94の円周に完全には一致しないように見える。
【0049】
実施形態の説明および図面において、摺動部が配置される陥凹部94の形状は、円筒形として言及されている。しかし、回転軸に直交する平面内の陥凹部94の断面形状が、部分円のみから構成されるか、または楕円形も有するなど、円筒形状から逸脱することも可能である。陥凹部に特定の形状を与えることによって、摺動部の直線運動と開口部付部材の回転運動との間の変換比に影響を及ぼす可能性がある。
【0050】
図5は、基礎ユニット20を有する用量分注デバイス10を3次元概略図で示す。受容デバイス21および駆動機構22、ならびに秤25は、基礎ユニット20に接続され、秤25は、分注される用量物質の量を測定するように機能する。基礎ユニットは、簡単な剛結骨組とすることができるが、用量分注過程を制御および調整する処理装置ユニット、結果を表示する出力ユニット、手動入力用の入力ユニット、より高水準の処理制御システムへの接続を可能にする通信モジュール、およびこの種の他の要素などの追加の要素を含むこともできる。その構成は、図面内に2つの矢印によって示す、受容デバイス21の短行程振動運動を発生させることによって、用量物質の流出速度を増加させる振動発生デバイスをさらに含むことができる。
【0051】
受容デバイス21は、用量分注ユニット50を受容デバイス21内に保持し、用量分注ユニット上に作用するトルクを吸収することができるように構成される第1のユニット23を含む。第1のユニット23は、基礎胴体に堅固に接続することができる取付デバイスまたは形状嵌合容器であることが好ましい(形状嵌合容器はこの図面では見えない)。吸収する必要があるトルクは、駆動デバイス22によって発生し、この例では摩擦力ベースのベルト駆動装置として構成される第2のユニット24によって用量分注ユニット50の開口部付部材90に伝達される。当然、たとえば、歯車、てこ、カム円板、ボックスレンチ、めがねレンチなどの、形状嵌合的係合をする伝達要素を想定することもできる。
【0052】
秤25、具体的にはその荷重受容器26は、用量分注ユニット50の下に配置される。目標容器30は、荷重受容器26上に設置され、分注される用量物質を受けることができる。秤25は、通信手段によって用量分注デバイス10の処理装置ユニットに接続されることが好ましく、したがって、秤25によって連続的に記録される重量値は、処理装置ユニット内で処理され、用量分注過程の制御に使用することができる。
【0053】
用量分注過程は、以下のステップを有することができる。
【0054】
− 用量物質で満たされた供給源容器60が、本発明による用量分注ヘッド70に結合され、図1に従う用量分注ユニット50を形成する。
【0055】
− 用量分注ユニット50、具体的にはその基礎胴体71は、図5に示される第1のユニット23によって受容デバイス21に堅固に接続される。
【0056】
− 空の目標容器30が、荷重受容器26上に配置され、目標容器の風袋重量が記録され、処理装置ユニットに伝送される。
【0057】
− 用量分注ユニット50の開口部付部材90は、第2のユニット24によって駆動機構22に接続される。
【0058】
− 入力ユニット(図面には示さず)によって、分注される用量物質の量が、用量分注デバイス10の処理装置ユニットに入力される。
【0059】
− 駆動機構22を作動させることによって、開口部付部材90が回転し、摺動部(図面では見えない)が直線経路に沿って運動し、用量分注ユニット50の出口開口部が開放される。
【0060】
− 目標容器30内に分注される用量物質の量が、秤25によって連続的に、または順次記録され、重量値が用量物質の所望の最終量に等しくなるまで、重量値が処理装置ユニットに伝送され、処理装置ユニットの指令に応答して、駆動機構22は、開口部付部材90を反対方向に回転させ、出口開口部を閉鎖する。
【0061】
図6は、用量分注ユニット50を有する用量分注デバイス110の3次元概略図を示し、用量分注デバイス110は、受容デバイス121および駆動機構22、ならびに分注される用量物質の量を測定する秤量セルを有する秤25を含む。受容デバイス121は、水平回転軸の周りに傾動することができるように、基礎ユニット120にピボット回転可能に接続される。第1のユニット123は、受容デバイス121内に回転可能に保持され、回転運動を伝達することができるように、ベルト127によって駆動機構22の駆動輪に接続される。第1のユニット123は、第1の手段72の形状に合う第1の陥凹部128を有する。2つの矢印が示すように、第2のユニット124は、受容デバイス121に堅固に接続された案内柱129に沿う第2のユニット124の直線運動と、案内柱129の周りの第2のユニット124の回転運動とを可能にするように設計される。さらに、第2のユニット124は、案内柱129上の固定位置に繋止することもできる。第2のユニット124は、第2の手段92の形状に合う第2の陥凹部130を有する。
【0062】
図6に示される用量分注デバイス110は、すぐに使用できる状態ではなく、設置段階で示されている。設置段階において、用量分注ユニット50は、受容デバイス121内、より具体的には第1のユニット123の円形開口部内に設置される。用量分注デバイス110を完全に操作可能状態にするために、次に、環状の第2のユニット124は、用量分注ユニット50と揃うまで回転し、開口部付部材90が第2のユニット124を貫通し、第2のユニット124が第2の手段92上に緩めに配置されるまで、案内柱129に沿った直線運動で下ろされる。ここで、第2のユニット124は、第1の手段72がそれ自体を第1の陥凹部128内に着座させ、第2の手段92がそれ自体を第2の陥凹部130内に着座させるまで、回転することができる。次に、第2のユニット124は、案内柱129上の固定位置に繋止され、用量分注ユニット50を含む受容デバイス121は、水平回転軸の周りに上下に傾動し、したがって、出口開口部75は、目標容器30の入口開口部上に直接配置される。当然、用量物質をほぐすために、受容デバイス121は、分注過程が開始される前に、何度も前後に傾動させることができる。図6から明らかなように、用量分注ユニット50は、開口部付部材90を受容デバイス121に対して回転させることによってではなく、供給源容器60を備えた基礎胴体71を回転させることによって開放および閉鎖される。
【0063】
用量分注過程の後に、受容デバイス121から用量分注ユニット50を取り外すために、以上のステップを基本的に逆順で行う。
【0064】
異なる高さの目標容器30を使用することを可能にするために、基礎ユニット120を下部126および上部125に分割することができ、高さ調節のために、上部125は、下部126上を上下に摺動することができる。
【0065】
本発明を一実施形態の特定の例を示すことによって説明してきたが、本発明が公知になれば、複数の供給源容器用の複数の結合領域を有する用量分注ヘッドなどの、実施形態の他の多数の変形形態を創作することができることは明らかである。用量分注ヘッドは、全出口開口部用の1つの摺動部により、または各出口開口部用の個々の摺動部により閉鎖することができる複数の出口開口部を有することもできる。さらに、他の要素、たとえば、バーコード、2次元バーコード、および/または無線周波数ベースの識別手段(RFIDタグ)などの識別手段を用量分注ヘッドまたは供給源容器に追加することが可能である。さらに、保護不活性ガスを用量分注ユニット内に注入するためのガス接続ポートが存在することができ、または、乾燥剤用の区画を供給源容器および/もしくは用量分注ヘッド内に形成することができる。当然、図5および6に示された用量分注デバイスは、2つの可能な概略的に説明される実施形態のみを示したが、図6に示された案内柱などの詳細な設計、または駆動機構から用量分注ユニットへのトルクの伝達は、当業者に選択の余地を残す。
【符号の説明】
【0066】
110、10 用量分注デバイス
120、20 基礎ユニット
121、21 受容デバイス
22 駆動機構
123、23 第1のユニット
124、24 第2のユニット
25 秤
26 荷重受容器
30 目標容器
50 用量分注ユニット
60 供給源容器
61 ねじ山結合部
69 密封リング
70 用量分注ヘッド
71 基礎胴体
72 第1の手段
73 結合領域
74 端部表面
75 出口開口部
76 隆起堰堤
77 密封辺縁部
78 溝
79 溝の区画
80 摺動部
81 案内帯
82 通路開口部
83 制限ストッパ
85 保持溝
86 チャネル
87 ばね仕掛けの留具
88 直線摺動案内部
90 開口部付部材
91 オリフィス開口部、オリフィス
92 第2の手段
93 対向ストッパ
94 陥凹部
95 対向表面
125 上部
126 下部
127 ベルト
128 第1の陥凹部
129 案内柱
130 第2の陥凹部
a 陥凹部の長手方向中心軸の回転軸からの距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎胴体(71)を含む用量分注ヘッド(70)であって、前記基礎胴体は、端部表面(74)と、供給源容器(60)または閉鎖蓋用の結合領域(73)とを含み、前記端部表面(74)は、出口開口部(75)を含み、前記用量分注ヘッドは、直線案内部(88)によって前記基礎胴体(71)上で前記端部表面(74)と平行な案内直線運動に制限される摺動部(80)をさらに含み、前記摺動部(80)を作動させるように機能する開口部付部材(90)をさらに含む用量分注ヘッド(70)であって、
前記開口部付部材(90)は、前記端部表面と直交する回転軸の周りに回転することができる前記基礎胴体(71)上に配置され、前記開口部付部材(90)は、前記基礎胴体(71)に対する前記開口部付部材(90)のあらゆる位置において、前記出口開口部(75)がオリフィス開口部(91)の領域内に入るように構成されたオリフィス開口部(91)を含み、通路開口部(82)を含む前記摺動部(80)は、前記基礎胴体(71)と前記開口部付部材(90)との間に配置され、前記基礎胴体(71)に対して前記開口部付部材(90)を回転させることによって、前記摺動部(80)は、前記基礎胴体(71)に対して直線経路内で運動させることができ、それによって、前記用量分注ヘッド(70)の開口部幅は、前記通路開口部(82)の前記出口開口部(75)に対する変位の結果として変化することができ、前記通路開口部(82)によって自由流用量物質の流量を調整することができることを特徴とする、用量分注ヘッド(70)。
【請求項2】
前記開口部付部材(90)は、前記端部表面(74)に隣接して配置される対向表面(95)を含み、前記開口部付部材(90)は、前記対向表面(95)から奥まっており、前記摺動部(80)を受容するように機能する陥凹部(94)をさらに含み、前記陥凹部(94)の長手方向中心軸は、前記回転軸に平行で、かつ前記回転軸から離間して配置されることを特徴とする、請求項1に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項3】
トルクを伝達するために、前記基礎胴体(71)は、第1の手段(72)を含み、前記開口部付部材(90)は、第2の手段(92)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項4】
制限ストッパ(83)および対向ストッパ(93)が、前記基礎胴体(71)と前記開口部付部材(90)との間の回転範囲を制限する手段として配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項5】
前記通路開口部(82)および/または前記出口開口部(75)は、円形、三角形、または正方形の外形を有する穿孔であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項6】
前記摺動部(80)および前記開口部付部材(90)は、電気伝導性物質から形成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項7】
前記摺動部(80)を直線運動で案内する手段として、前記摺動部(80)は、案内帯(81)を含み、前記基礎胴体(71)は、溝(78)を含み、前記溝(78)の少なくとも部分的区域(79)は、前記溝自体に平行に偏位し、前記部分的区域(79)の偏位は、前記案内帯(81)および前記溝(78)のそれぞれの幅に合わせられることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項8】
前記端部表面(74)は、前記出口開口部(75)を取り巻く隆起堰堤(76)を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項9】
前記出口開口部(75)を取り巻く密封辺縁部(77)は、前記隆起堰堤(76)上に形成されることを特徴とする、請求項8に記載の用量分注ヘッド(70)。
【請求項10】
前記結合領域(73)に接続される少なくとも1つの供給源容器(60)または閉鎖蓋と、請求項1から9のいずれか一項に記載の用量分注ヘッド(70)とを含む、用量分注ユニット(50)。
【請求項11】
基礎ユニット(20、120)と、前記基礎ユニット(20、120)上に配置され、請求項10に記載の少なくとも1つの用量分注ユニット(50)を受容するために機能する少なくとも1つの受容デバイス(21、121)と、少なくとも1つの駆動機構(22)とを備える用量分注デバイス(10、110)であって、トルクを伝達するために、前記基礎胴体(71)は、第1の手段(72)を含み、前記開口部付部材(90)は、第2の手段(92)を含み、前記受容デバイス(21、121)は、前記第1の手段(72)に対応する第1のユニット(23、123)を含み、前記駆動機構(22)は、前記第2の手段(92)に対応する第2のユニット(24、124)を含むことを特徴とする、用量分注デバイス(10、110)。
【請求項12】
前記受容デバイス(121)は、前記基礎ユニット(120)上でピボット回転可能に支持され、それによって、水平傾動軸の周りに傾動することができることを特徴とする、請求項11に記載の用量分注デバイス(10、110)。
【請求項13】
前記第1のユニット(23、123)は、前記駆動機構(22)に接続されている間に、回転することができるように前記受容デバイス(21、121)に配置され、前記第2のユニット(24、124)は、前記用量分注ユニット(50)を保持し、用量分注過程中にトルクを吸収するように機能することを特徴とする、請求項11または12に記載の用量分注デバイス(10、110)。
【請求項14】
前記第1のユニット(23、123)は、前記受容デバイス(21、121)に堅固に接続され、前記用量分注ユニット(50)を保持し、前記用量分注過程中に前記トルクを吸収するように機能し、前記第2のユニット(24、124)は、前記駆動機構(22)に回転可能に接続されることを特徴とする、請求項11または12に記載の用量分注デバイス(10、110)。
【請求項15】
前記第1のユニット(23、123)および前記用量分注ユニット(50)の前記第1の手段(72)、ならびに前記第2のユニット(24、124)および前記用量分注ユニット(50)の前記第2の手段(92)は、それぞれ、形状嵌合相互係合によって互いに合致し、前記2つの形状嵌合合致は、前記用量分注ユニット(50)が完全に設置されたとき、前記基礎胴体(71)が前記第1のユニット(23、123)に対して取る1つの位置、および前記開口部付部材(90)が前記第2のユニット(24、124)に対して取る1つの位置のみがそれぞれ存在するように設計されることを特徴とする、請求項11から14のいずれか一項に記載の用量分注デバイス(10、110)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−219172(P2011−219172A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−53776(P2011−53776)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland