説明

臭気しゃ断装置及びその取付構造

【課題】路面からの汚水や塵埃を下水路に落下させると共に、地上に悪臭が噴出することを防止し、且つ出入りが容易なマンホール用臭気しゃ断装置の提供。
【解決手段】マンホール20の入口部を閉鎖する略皿状又は略円錐状の可撓性樹脂シートで作製され、中央部にはスプリング付蝶番23bで支持された排出孔フランジ部23aを設け、不純物体Fが所定量以上堆積したとき、これを開放して落下させた後、バネ力により復元して通常は臭気をしゃ断する。またマンホール20の内側に固着されている可撓性樹脂シートの取付部上端22jと可撓性樹脂シートの取付部下端22kとは、両者の中間に一部を残して周設したファスナー等の脱着部材22mにより結合しているので、作業者は脱着部材22mを回動して開くことにより容易に下方に下りることができ、作業後も脱着部材22mを逆に回動して容易に閉じることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面からの汚水や塵埃を下水路に落下させると共に該下水路からマンホールに通じた経路に本発明装置を装着し、地上に悪臭が噴出することを防止すべくした臭気しゃ断装置及びその取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の臭気しゃ断装置の第1の例としては、図11に示す特開2005−194770公開特許公報に開示した技術がある。これについて説明すれば、マンホール1は、下水道に作業員が出入するためのもので、縦孔2の最上部に蓋保持枠3が設けられ、この蓋保持枠3に蓋4が載置されている。このマンホール1の内部に、臭気止め装置5が設けられている。臭気止め装置5は図11に示すように、マンホール1の縦孔2の内壁2aに取付られている。臭気止め装置5は、下蓋6を有しており、該下蓋6は、金属板より成り、中央に内径孔を有する輪状の部材で、外径がマンホール1の縦孔2の内径に等しく、例えば900mmであり、また内径孔は人が通れる大きさの600mmとなっている。この下蓋6は、半輪状部材を継ぎ合わ部により、継いで輪状の部材としたものであり、継ぎ合せ部により、その径を多少拡大又は縮小できるもので、縦孔2の内径に合わせることができる。また、この下蓋6には、4ヶ所に設けられた取付用アングル部材7にてねじ8を介して固定されている。なお、下蓋6の外周にゴムなどのシール部材が嵌め込まれて、縦孔2の内壁2aとのシールが行われている。上蓋9は、円形の金属板で、外径は、前記下蓋6の内径孔の径よりも若干大きく、外周にゴムなどのシール部材が嵌め込まれている。 この下蓋6内には、水抜き孔10と排気孔11が設けられている。前記した水抜き孔10は、下蓋6に形成の水抜き開口と、その下方に連接の筒体とより成り、該筒体は、その一方を前記した上蓋9の下面に固着されている。この筒体の他方である開口に、水抜き蓋12が当接されている。
【0003】
次に、この種のヒンジ部補強構造の第2の例としては、図12に示す特開2004−19242公開特許公報に開示した技術がある。これについて説明すれば、布状体13は、図12に示すように、上記管渠内周の約半分程度の所定幅と所定長さからなる方形部14と、これに連続するほぼ半円形状を円心からV字状に55度の角度で切り欠いた一対の弧状片15、15とからなる。方形部14には、一端所定幅と両側所定幅をそれぞれ内壁取り付け代16、16、17、17として形成してある。一端の内壁取り付け代16は布状体13を円筒状管渠内壁の上半の周方向に固定し、両側の取り付け代17、17は布状体13を管渠内壁の管路方向に固定するためのものである。弧状片15には、その弧状縁部に複数の折り返し片18…が切り込み18a…により形成され、V字状切り欠き縁部にはフロート収納部が所定の幅で形成されている。ここで布状体13の材質は、特に限定するものではないが防水性のものが好ましく、両面塩ビコートアラミド繊維シートを使用した。なお、布状体13の寸法は、幅、長さとも上記管渠の内周の約1/2程度である。上記の布状体13は、図12に示すように、弧状縁部に形成された折り返し片18…を折り返し、熱融着して該縁部が補強される。またV字状切り欠き縁部には、たとえば図12に示すフロート材がフロート収納部19を折り返して収納される。フロート材は、単独気泡発泡体が好ましく、たとえばスチレン系の単独気泡発泡体を角材状にし、両面からFRP板ではさみこんでいる。この場合、フロート材の寸法は、上記フロート収納部19に収納できるように設定している。このようにして全体として管路臭気しゃ断シートが形成される。
【特許文献1】特開2005−194770公開特許公報
【特許文献2】特開2004−19242公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、背景技術で述べたようなした構成、作用であるので次の課題が存在した。
すなわち、上記第1の例によれば、臭気止め装置5が縦孔2の内壁2aに取付けられており、この臭気止め装置5を該縦孔2から引外すためには左・右のねじ8、8を緩めて前記臭気止め装置5を構成する例えば、下蓋6と上蓋9を分離し、さらに、前記内壁2aに固定された取付用アングル部材7に緊締しているねじ8、8を緩めて、下蓋6及び上蓋9を取外しさらに該下蓋6及び上蓋9に固定されている水抜き蓋12等の臭気止め装置5の他の構成部材を取外すことにより行なわれる。従って、一旦当該臭気止め装置5を前記内壁2aから取外した後に、マンホール内に入った作業員が作業終了後該マンホールから出た場合、新規な臭気止め装置5を内壁2aに再び取付ける必要があり、該臭気止め装置5の取替え工数が大幅に増大すると共に臭気止め装置5自体の部品点数が多く、製作費及び組立費が嵩む問題点があった。
【0005】
また、上記第2の例によれば、管路臭気しゃ断シートは、下水管路又は管路の途中に取付け、上流側の悪臭をしゃ断し、下流側に対して悪臭をしゃ断する装置である。従って、周辺住民に対して悪臭しゃ断を効果的にするための当該管路臭気しゃ断シートの設置箇所を特定することが困難であるという問題点があった。
本発明が解決しようとする課題は、背景技術で述べた問題点を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る臭気しゃ断装置は、マンホールの壁面に容易かつ迅速に取付けることができると共に上方からの泥水又は汚水や塵埃を下水道に適宜落下可能とすべくした構成を特徴とし、悪臭の出口をしゃ断するので、悪臭対策としては効果を挙げ、製品化されているので熟練工を要せず素人でも取付可能となり、立ち上がり部のファイナーにより開閉可能であり、下水路の点検等可能となると共に路面上からの泥水が浸入しても排出蓋により浸入時のみ開閉し、常時は閉まった状態であるので悪臭の流出はないという臭気しゃ断装置を提供することを目的としたものであって、次の構成、手段から成立する。
【0007】
すなわち、請求項1記載の発明によれば、全体が略皿状又は略円錐状に形成された可撓性樹脂シートであり、垂直壁面部と底面部とで構成し、該垂直壁面部が取付部上端、取付部下端を及び該底面部が可撓性樹脂シートしゃ断部でなる装置であって、前記取付部上端と前記取付部下端間を一部に非脱着部を有して両者を分離しかつ結合する脱着部材を周設し、前記可撓性樹脂シートしゃ断部の略中央に不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋を有した排出孔フランジ部を構成したことを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明に於いて、前記排出孔フランジ部は不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋と、断面略矩形状の円環体でなるフランジの下面であって、該排出蓋の基端に連結されるスプリング付蝶番と、中央孔の周縁部に固定されかつ該スプリング付蝶番を備えた断面略矩形状の円環体でなるフランジとで構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の臭気しゃ断装置に於いて、マンホールの壁面に固定される略皿状又は略円錐状に形成された可撓性樹脂シートの取付部上端の表面に固定されかつ所定幅を有する略リング状押え金具と、該略リング状押え金具の表面から前記取付部上端を貫通・固定するアンカーボルトとで構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明によれば、全体が略皿状又は略円錐状に形成された臭気しゃ断装置であり、可撓性樹脂シートで略垂直壁面部を構成し、その略垂直壁面部が取付部上端、取付部下端を有し、及び該可撓性樹脂シートに固定される底面部がプラスチック材しゃ断部で構成し、前記取付部上端と前記取付部下端間を一部に非脱着部を有して両者を分離しかつ結合する脱着部材を周設し、前記プラスチック材しゃ断部の略中央に不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋を有した排出孔フランジ部を構成したことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明によれば、請求項4記載の発明に於いて、前記排出孔フランジ部は不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋と、該中央孔の周縁部下面に固定されかつ該排出蓋の基端に連結されるスプリング付蝶番とを有したことを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の全体が略皿状又は略円錐状の臭気しゃ断装置に於いて、マンホールの壁面に固定される可撓性樹脂シートの取付部下端を溶着・固定するプラスチック材しゃ断部と、該可撓性樹脂シートの取付部上端の頂部の表面から貫通・固定するアンカーボルトとで構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る臭気しゃ断装置及びその取付構造は、叙上の構成を有するので次の効果がある。
【0014】
すなわち、請求項1記載の発明によれば、全体が略皿状又は略円錐状に形成された可撓性樹脂シートであり、垂直壁面部と底面部とで構成し、該垂直壁面部が取付部上端、取付部下端を及び該底面部が可撓性樹脂シートしゃ断部でなる装置であって、前記取付部上端と前記取付部下端間を一部に非脱着部を有して両者を分離しかつ結合する脱着部材を周設し、前記可撓性樹脂シートしゃ断部の略中央に不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋を有した排出孔フランジ部を構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置を提供する。
このような構成としたので、常時は排出蓋を閉止し、下水道等から上昇した悪臭や異臭を路面上に流出・噴出することがなく、必要に応じて作業員が脱着部材の操作部品を回動操作することにより当該臭気しゃ断装置を開閉し、下水道等への出入を容易にし下水道等の清掃や点検作業の迅速化が図れるという効果がある。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、前記排出孔フランジ部は不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋と、断面略矩形状の円環体でなるフランジの下面であって、該排出蓋の基端に連結されるスプリング付蝶番と、中央孔の周縁部に固定されかつ該スプリング付蝶番を備えた断面略矩形状の円環体でなるフランジとで構成したことを特徴とする請求項1記載の臭気しゃ断装置を提供する。
このような構成としたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、臭気しゃ断装置に於ける可撓性樹脂シートしゃ断部の略中央にスプリング付蝶番により不純物の堆積又は落下により自動的に開閉自在となる排出蓋を設けたので、路面上からの汚水や泥水又は漏水を該路面上に滞留させることなく合理的に下水道等に落下させると共に併せて臭気を路面上に流出・噴出することがないという効果がある。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の臭気しゃ断装置に於いて、マンホールの壁面に固定される略皿状又は略円錐状に形成された可撓性樹脂シートの取付部上端の表面に固定されかつ所定幅を有する略リング状押え金具と、該略リング状押え金具の表面から前記取付部上端を貫通・固定するアンカーボルトとで構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置の取付構造を提供する。
このような構成としたので、予め製品化された当該臭気しゃ断装置を路面上のマンホールの設置場所まで搬送し、熟練を要しない素人でも容易にマンホールの壁面に設置・固定することが可能となり、その実施化が容易であるという効果がある。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、全体が略皿状又は略円錐状に形成された臭気しゃ断装置であり、可撓性樹脂シートで略垂直壁面部を構成し、その略垂直壁面部が取付部上端、取付部下端を有し、及び該可撓性樹脂シートに固定される底面部がプラスチック材しゃ断部で構成し、前記取付部上端と前記取付部下端間を一部に非脱着部を有して両者を分離しかつ結合する脱着部材を周設し、前記プラスチック材しゃ断部の略中央に不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋を有した排出孔フランジ部を構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置を提供する。
このような構成としたので、常時は排出蓋を閉止し、下水道等から上昇した悪臭や異臭を路面上に流出・噴出することがなく、必要に応じて作業員が脱着部材の操作部品を回動操作することにより当該臭気しゃ断装置を開閉し、下水道等への出入を容易にし下水道等の清掃や点検作業の迅速化が図れ、加えてマンホール躯体とプラスチック材しゃ断部間に隙間を有したので地震時に於ける路盤の変形に追従可能となり、長年月の使用に耐える効果がある。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、前記排出孔フランジ部は不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋と、該中央孔の周縁部下面に固定されかつ該排出蓋の基端に連結されるスプリング付蝶番とを有したことを特徴とする請求項4記載の臭気しゃ断装置を提供する。
このような構成としたので、請求項4記載の発明の効果に加えて、臭気しゃ断装置に於ける可撓性樹脂シートしゃ断部の略中央にスプリング付蝶番により不純物の堆積又は落下により自動的に開閉自在となる排出蓋を設けたので、路面上からの汚水や泥水又は漏水を該路面上に滞留させることなく合理的に下水道等に落下させると共に併せて臭気を路面上に流出・噴出することがないこと及びマンホール躯体とプラスチック材しゃ断部間に隙間を有したので地震時に於ける路盤の変形に追従可能となり、長年月の使用に耐える効果がある。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、請求項4又は5記載の全体が略皿状又は略円錐状の臭気しゃ断装置に於いて、マンホールの壁面に固定される可撓性樹脂シートの取付部下端を溶着・固定するプラスチック材しゃ断部と、該可撓性樹脂シートの取付部上端の頂部の表面から貫通・固定するアンカーボルトとで構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置の取付構造を提供する。
このような構成としたので、請求項4又は5記載の発明の効果に加えて、可撓性樹脂シートとプラスチック材しゃ断部を容易に溶着・接合するので当該臭気しゃ断装置の作製工数の短縮化が図れるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る臭気しゃ断装置及びその取付構造の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明に係る臭気しゃ断装置を路面下のマンホールの壁面に取付けた状態を示す垂直断面図である。
図2は、本発明に係る臭気しゃ断装置の実施形態に於ける構成概要を示す斜視図である。
図3は、前記臭気しゃ断装置の底面の略中央に配設した排出孔フランジ部の構成を示す図面であって、(a)は図2の矢視A−A線方向の拡大断面図、(b)は拡大平面図である。
図4は、前記臭気しゃ断装置の取付構造の第1の例を示す要部の垂直断面図である。図5は、図4の上方から見た平面図である。
【0022】
20は下水道に作業員が出入するためのマンホールであり、路面Eの所定箇所に設置され、その上端には、蓋21が覆設されている。該蓋21は蓋保持枠21aに載置されている。前記マンホール20の壁面20aには作業員が下水道まで下りて清掃や点検等作業を行なうために設けた踏台20bがある。そして、前記マンホール20の壁面20aの上部には本発明に係る臭気しゃ断装置Bが取付けられている。
【0023】
次に、本発明に係る臭気しゃ断装置Bの実施の形態について説明する。
当該臭気しゃ断装置Bは、図2に示すように例えば、全体が略皿状又は略円錐状の形態を有してなり、全体が可撓性樹脂シート22で作製されている。可撓性樹脂シート22の材質はガスバリアー性を有するシートでなければならず、この目的に適するシートとして、防水工法、遮水工法で用いられるシート防水材、遮水シートと同類のシート材料が利用でき、これらシート材料の材質は、加硫ゴム系、非加硫ゴム系、ポリウレタン系、塩化ビニル樹脂系、フッ素ゴム系、ポリエチレン酢酸ビニル樹脂系、ポリエチレン樹脂系、ポリプロビレン樹脂系、熱可塑性エラストマー系、フッ素樹脂等の一種以上の材料で成形された均質シート或いは前記各種ゴム系、各種樹脂系、熱可塑性エラストマー等の一種以上の材料と繊維編織物或いは不織布或いは接着布とで成形された複合シートであることが好ましい。可撓性樹脂シート22の形状は、垂直壁面部と底面部とでなり、この垂直壁面部は取付部上端22aと取付部下端22bで構成されると共にこの両者を例えばファスナーやジッパー等の脱着部材22cを周設して結合している。この脱着部材22cは樹脂製ジッパー、例えばYKK製ビスロン15を可撓性樹脂シート22又はプラスチック製の臭気しゃ断装置に溶着又はミシン縫製にて取付けてもよい。前記底面部はいわゆる可撓性樹脂シートしゃ断部22dを構成している。前記垂直壁面部には、前記脱着部材22cを設けない部分、すなわち非脱着部22eを形成している。前記脱着部材22cは図示しないが、右端22f又は左端22gのいずれかに作動杆又は作動フック等の操作部品を固定し、この操作部品を右側又は左側に回動して前記取付部上端22aと取付部下端22bを非脱着部22eの部分を残して分離又は結合する。前記可撓性樹脂シート22は、略円錐形状でもよくプラスチック製の臭気しゃ断装置を構成し、その取付部は可撓性樹脂シート材で構成してもよい。
【0024】
前記可撓性樹脂シートしゃ断部22dの略中央には、排出孔フランジ部23を配備している。該排出孔フランジ部23は、例えば、図3(a)、(b)に示す構成で明らかなように、マンホール20の上方から汚水や塵埃等が進入し、それが適宜量を堆積すると開放し、下水道又は下水路に落下させる構成とした排出蓋23aと、該排出蓋23aの基端を例えばスプリング付蝶番23bで固定すると共に可撓性樹脂シートしゃ断部22dの中央孔22iの周縁部22hに固定された断面略矩形状のフランジ23cとでなる。そして、前記スプリング付蝶番23bは線状バネと蝶番23eで構成され、該線状バネをフランジ23cの下面に位置する蝶番23eに巻付け、線状バネの反力で蝶番23eにより排出蓋23aを上・下動させ中央孔22iを開閉自在にフランジ23cに装着する。前記フランジ23cは例えば剛性のあるステンレス鋼であって円環状部品でなり、可撓性樹脂シートしゃ断部22dを挟み込みボルト・ナットでなる結合部品23dで前記可撓性樹脂シートしゃ断部22dの中央孔22iの周縁部22hに周設かつ固定される。略皿状又は円錐状の可撓性樹脂シート22或いはプラスチック製の臭気しゃ断装置の底面部には漏水を直下に流し落せるトラップを採用してもよい。
【0025】
次に、図4及び図5に基づき臭気しゃ断装置Bの取付構造の第1の例について説明する。
当該臭気しゃ断装置Bは取付部上端22aと取付部下端22bを形成し、この両者間に例えば、樹脂製ファスナー等でなる脱着部材22cを介在させて、両者を分離し又は結合している。そして、全体が略皿状又は略円錐状に形成した可撓性樹脂シート22の底面部は、可撓性樹脂シートしゃ断部22dとなり、前記取付部下端22bと一体成形されている。そこで、図4に示すように前記取付部上端22a及び取付部下端22bはマンホール20の壁面20aに当接する。次に、該取付部上端22aの表面に所定幅を有する図5に示すように略リング状押え金具24やフラットバー(SUS304)を押圧・配置する。さらに、アンカーボルト25を該略リング状押え金具24の表面から取付部上端22aを貫通させ、前記マンホール20の壁面20aに打込む。
【0026】
前記アンカーボルト25の打込み作業は略皿状又は略円錐状に形成した可撓性樹脂シート22の取付部上端22aの全周に渉りかつ所定間隔を有して行なう。従って、例えば、該可撓性樹脂シート22の中心点かつ略45°の角度毎に前記アンカーボルト25を壁面20aに向って打込むこととなる。かくして、前記略皿状又は略円錐状の可撓性樹脂シート22、すなわち臭気しゃ断装置Bがマンホール20の所定位置に装着される。
図中24aはテーパ座金であり、該アンカーボルト25の頭部と略リング状押え金具24間に介設され、アンカーボルト25を壁面20aに打込んだ際、該略リング状押え金具24を取付部上端22aに密着状態に固定する。
【0027】
次に、図6(a)、(b)及び図7に基づき臭気しゃ断装置Bの取付構造の第2の例について説明する。
図6(a)は、略皿状可撓性樹脂シート22の取付部上端22aに固定された断面V字形のステンレス金具に挾着された断面略U字形の挟み込み金具を添接板に溶接手段に固定する例であって、当該臭気しゃ断装置Bを取替え可能にする構成例である。
図6(b)は、図6(a)に示す臭気しゃ断装置Bの取付構造に於ける追加構成例であって、添接板とステンレス金具間に充填材を介在させる臭気しゃ断装置Bの取付構造である。充填材はブチルゴム等の塑性ゴム、水膨潤ゴム、ウレタン発泡材、ポリエチレン発泡材、シリコーン系コーキング材等から選ぶことができる。
【0028】
図6(a)に於いて、26は添接板であって、所定幅を有し、かつマンホール20の内面形状に合致させた略円環状でなりマンホール20の壁面20aに周設されている。そして、該添接板26は壁面20a上にアンカーボルト25を打込むことにより固定される。尚、上記添接板26に代えてフラットバー(SUS304)を使用してもよい。一方、前記可撓性樹脂シート22の取付部上端22aは所定幅及び所定高さを有する断面略V字状ステンレス金具27を図7の平面図に示すように例えば前記可撓性樹脂シート22の中心点から略45°の角度毎に覆設しかつ接着剤を使用し又は外の溶接手段等により係止する。
【0029】
すなわち、該断面略V字状ステンレス金具27の内側片27aは前記可撓性樹脂シート22の取付部上端22aに及び該断面略V字状ステンレス金具27の外側片27bは断面略U字状挟み込み金具28に加締め又は圧入若しくは溶接手段等で固定される。このとき、外側片27bの表面に凸部27cを形成したので該断面略U字状挟み込み金具28の固定が緊密化する。そして、該断面略U字状挟み込み金具28の外表面は溶接手段等により前記添接板26の表面に溶接部Cを形成し固着される。同様に添接板26の他の部位にも断面略U字状挟み込み金具28を順次固着する。
かくして、臭気しゃ断装置Bはマンホール20の壁面20aに装着される。そして、図8に示すように各道路の路面Eの交差点やその他の路面EのセンターラインL上の所定箇所に於けるマンホール20すなわちマンホールの蓋21が設置される。
【0030】
そして、当該臭気しゃ断装置Bが耐用年数を経た場合や何等かの原因で毀損した場合は前記溶接部Cを取り払い又は可撓性樹脂シート22の取付部上端22aを断面略V字状ステンレス金具27の内側片27aから取り外すことにより該臭気しゃ断装置Bを新規なものと取り替え可能になる。
【0031】
また、上述した第2の例の追加構成として、図6(b)に示すように図6(a)に示す添接板26と断面略V字状ステンレス金具27の外側片27bとで形成された空間D内にウレタン発泡材29を充填する。このウレタン発泡材29の充填作業が終了すれば、図7に示すように例えば、マンホール20の壁面20aに8箇所配備する。
而して、当該ウレタン発泡材29をマンホール20の壁面20aに介在させたので、地震や車両による輪加重等の原因によりマンホール20の径長やその壁面20aの伸縮作用が誘起した際にもこれを吸収し、臭気しゃ断装置Bが該壁面20aから離脱することがない。
ほかの構成は、前述した臭気しゃ断装置Bの取付構造の第1の例と略同一であり、同一番号を付し、その説明を省略する。
【0032】
次に、本発明に係る臭気しゃ断装置及びその取付構造の実施の形態に於けるその動作等について説明する。
【0033】
作業員は例えば、下水路を所定期間毎に清浄を行ない又は該下水路の点検を実行する必要がある。そのために、図8に示すように該下水路の上方にマンホール20を設置し、その上端に蓋21を覆設している。作業員は、下水路又は下水道に行く場合、該蓋21を取外し、脱着部材22cに取付けている作動杆又は作動フック等の操作部品(図示せず)を把み、例えば図2に示す右端22fから左端22gまで回動する。そこで、非脱着部22eを除いて可撓性樹脂シート22の取付部下端22bが取付部上端22aから分離し、該非脱着部22eに吊下げられた状態でマンホール20内に垂れ下がる。而して、臭気しゃ断装置Bは開放状態となり、作業員は踏台20bを利用してマンホール20の底部に下り、該マンホール20の下方に位置する下水道等まで行くことができ、下水道の清浄等作業に着手することができる。
【0034】
作業員による下水道等の作業が完了すれば、該作業員は踏台20bを駆け上り、垂れ下った取付部下端22bを上方に引き上げると共に前記操作部品を把み、例えば図2に示す左端22gから右端22fまで回動し、可撓性樹脂シート22の取付部下端22bを取付部上端22aに結合・連結し、前記蓋21を元の位置、つまり蓋保持枠21aに載置し、前記臭気しゃ断装置Bを閉止状態、つまり密閉状態にし下水道等からの悪臭や異臭が路面Eへ流出しないように構成している。ここで、図1に示すように該蓋21と蓋保持枠21aで形成される隙間又は該蓋保持枠21aと路面Eで形成される隙間から汚水、泥水、漏水又は塵埃や土砂、小石等の不純物体Fが臭気しゃ断装置Bの底面部に落下し、図3に示すように臭気しゃ断装置Bの可撓性樹脂シートしゃ断部22d、とりわけ排出蓋23aに滞留し又は堆積する。このとき、該排出蓋23aは中央孔22iを閉止した状態になっている。そして、当該不純物体Fが所定量以上に排出蓋23aに堆積したとき、スプリング付蝶番23bが該排出蓋23aの加重力によりその線状バネが強制的に巻締めされると共に該排出蓋23aが図3に示すように開放され、該不純物体Fは矢印G方向に落下する。而して、この不純物体Fは下方に配備した下水路や下水道に落下する。そこで、該排出蓋23aはスプリング付蝶番23bの線状バネの反力により復元され、中央孔22iを閉止する。
【0035】
一方に於いて、前記下水道や下水路には生活雑水や汚物等が常に流送しており、該下水道や下水路から悪臭や異臭等各種の臭気が上昇し、マンホール20を経て上昇する。ここで、前記臭気しゃ断装置Bは、その底面部に形成した可撓性樹脂シートしゃ断部22dの排出蓋23aが中央孔22iを完全に閉止している。下水道や下水路から上昇した臭気はこの排出蓋23aにより路面Eへ流出し又は噴出することなくしゃ断され、異臭や悪臭による周辺住民からの苦情を解消することができた。
【実施例1】
【0036】
次に、本発明に係る臭気しゃ断装置及びその取付構造の実施例1について図9(a)、(b)に基づき詳細に説明する。
当該臭気しゃ断装置Bは全体が略皿状又は円錐形を有してなり、略垂直壁面部と底面部とでなる。この略垂直壁面部は立上り部であって、可撓性樹脂シート22Aで構成され、この底面部は一体成形されたプラスチック材しゃ断部22Bが構成されている。
【0037】
前記臭気しゃ断装置Bの略垂直壁面部が立上り部としての可撓性樹脂シート22Aであって、取付部上端22j、取付部下端22kを有し及び該取付部上端22jと取付部下端22k間の両者を例えばジッパー等の脱着部材22mを周設して結合している。この脱着部材22mは樹脂製ジッパー、例えばYKK製ビスロン15で構成する。前記略垂直壁面部には前記脱着部材22mを設けない部分、すなわち非脱着部(図示せず)を形成している。
【0038】
前記脱着部材22mは図示しないが、右端又は左端のいずれかに作動杆又は作動フック等の操作部品を固定し、この操作部品を右側又は左側に回動して前記取付部上端22jと取付部下端22kを非脱着部の部分を残して分離又は結合する。
【0039】
前記プラスチック材しゃ断部22Bは斜面22nと平坦面22pを一体形成し、その略中央には中央孔22iが設置してあり、例えば、図9(a)、(b)に示す構成で明らかなように、マンホール20の上方から汚水や塵埃等が進入し、それが適宜量を堆積すると開放し、下水道又は下水路に落下させる構成とした排出蓋23aと、該排出蓋23aの基端を例えばスプリング付蝶番23bで固定する。そしてプラスチック材しゃ断部22Bの中央孔22iの周縁部22hの下面の一方にプラスチック付蝶番23bを固定する。該スプリング付蝶番23bは線状バネと蝶番23eで構成され、該線状バネを中央孔22iの周縁部22hつまり平坦面22pの下面に位置する蝶番23eに巻付け、該線状バネの反力で蝶番23eにより排出蓋23aを上・下動させ中央孔22iを開閉自在に中央孔22iの周縁部22hに装着する。
【0040】
次に、図9(a)、(b)に基づき臭気しゃ断装置Bの取付構造の第2の例について説明する。
当該臭気しゃ断装置Bは取付部上端22jと取付部下端22kを形成し、この両者間に例えば樹脂製ジッパー等でなる脱着部材22mを介在させて両者を分離し又は結合している。そして全体が略皿状又は略円錐状に形成した臭気しゃ断装置Bの底面部はプラスチック材しゃ断部22Bであり該プラスチック材しゃ断部22Bと前記取付部下端22kを溶着又は接着剤等で一連に固定する。例えばその両者を添接板や当て板で挟みかつ保持し、若しくは取付部下端22kを分岐して、その間にプラスチック材しゃ断部22Bを介装した後に溶接手段で固定する。
【0041】
而して、前記取付部上端22jはマンホール20の壁面20aに当接する。そして、アンカーボルト25を取付部上端22jの表面から貫通させ、マンホール20の壁面20aに打込む。前記アンカーボルト25の打込み作業は略皿状又は略円錐状に形成した可撓性樹脂シート22Aの取付部上端22jの全周に渉りかつ所定間隔を有して行なう。従って、例えば、該可撓性樹脂シート22Aの中心点かつ略45°の角度毎に前記アンカーボルト25を壁面20aに向って打込むこととなる。かくして、前記略皿状又は略円錐状の可撓性樹脂シート22A、すなわち臭気しゃ断装置Bがマンホール20の所定位置に装着される。
【0042】
次に、本発明に係る臭気しゃ断装置及びその取付構造の実施例1に於けるその動作等について説明する。
【0043】
作業員は例えば、下水路を所定期間毎に清浄を行ない又は該下水路の点検を実行する必要がある。そのために、図8に示すように該下水路の上方にマンホール20を設置し、その上端に蓋21を覆設している。作業員は、下水路又は下水道に行く場合、該蓋21を取外し、脱着部材22cに取付けている作動杆又は作動フック等の操作部品(図示せず)を把み、例えば図2に示す右端から左端まで回動する。そこで、非脱着部を除いて可撓性樹脂シート22Aの取付部下端22kが取付部上端22jから分離し、該非脱着部に吊下げられた状態でマンホール20内に垂れ下がる。而して、臭気しゃ断装置Bは開放状態となり、作業員は踏台20bを利用してマンホール20の底部に下り、該マンホール20の下方に位置する下水道等まで行くことができ、下水道の清浄等作業に着手することができる。
【0044】
作業員による下水道等の作業が完了すれば、該作業員は踏台20bを駆け上り、垂れ下った取付部下端22kを上方に引き上げると共に前記操作部品を把み、例えば左端から右端まで回動し、可撓性樹脂シート22Aの取付部下端22kを取付部上端22jに結合・連結し、前記蓋21を元の位置、つまり蓋保持枠21aに載置し、前記臭気しゃ断装置Bを閉止状態、つまり密閉状態にし下水道等からの悪臭や異臭が路面Eへ流出しないように構成している。ここで、該蓋21と蓋保持枠21aで形成される隙間又は該蓋保持枠21aと路面Eで形成される隙間から汚水、泥水、漏水又は塵埃や土砂、小石等の不純物体Fが臭気しゃ断装置Bの底面部に落下し、図9(b)に示すように臭気しゃ断装置Bのプラスチック材しゃ断部22BのラインJに示す位置にとりわけ排出蓋23aに滞留し又は堆積する。そして、当該不純物体Fが所定量以上に排出蓋23aに堆積したとき、スプリング付蝶番23bが該排出蓋23aの加重力によりその線状バネが強制的に巻締めされると共に該排出蓋23aが図9(b)に示すように開放され、該不純物体Fは矢印H方向に落下する。而して、この不純物体Fは下方に配備した下水路や下水道に落下する。そこで、該排出蓋23aはスプリング付蝶番23bの線状バネの反力により復元され、中央孔22iを閉止する。
【0045】
一方に於いて、前記下水道や下水路には生活雑水や汚物等が常に流送しており、該下水道や下水路から悪臭や異臭等各種の臭気が上昇し、マンホール20を経て上昇する。ここで、前記臭気しゃ断装置Bは、その底面部に形成したプラスチック材しゃ断部22Bの排出蓋23aが中央孔22iを完全に閉止している。下水道や下水路から上昇した臭気はこの排出蓋23aにより路面Eへ流出し又は噴出することなくしゃ断され、異臭や悪臭による周辺住民からの苦情を解消することができた。
【0046】
また、常に壁面20aと前記プラスチック材しゃ断部22Bとの間に隙間Sを確保しているので地震や輪加重に際しても路盤の変形に追従可能となり、長年月の使用に耐える特徴を有している。
【実施例2】
【0047】
次に、本発明に係る臭気しゃ断装置及びその取付構造の実施例2について図10(a)、(b)に基づき詳細に説明する。
当該実施例2は排出孔フランジ部23Aの構成としてトラップにした場合の例を示すものである。
【0048】
図10(a)は、排出孔フランジ部23Aの全体斜視図であって、トラップの全体を示しかつトラップ導水部23B及びトラップ受け部23Cを示している。図10(b)は、図10(a)の矢視K−K線方向の断面図である。
【0049】
前記トラップ導水部23Bは、略円筒本体23fと該略円筒本体23fの下端に複数個を立設・固定した脚23gとで構成されている。該略円筒本体23fの上端は前記可撓性樹脂シートしゃ断部22dを介装する溝23iを周設した鍔23hを外方に突出形成している。
そして、可撓性樹脂シートしゃ断部22dを溝23iに差し込んだ後に前記鍔23hの上面からボルトを貫入し、ナットで締め付けるため緊締部品23jを有している。一方、トラップ受け部23Cは例えば略盆形状を形成してなり、路面Eから流し込んだ汚水や泥水又は漏水を一旦滞留・貯留する機能を有する。
【0050】
ほかの構成や動作等は前述した図1等に示す実施の形態のところで説明した内容と略同一であり、その説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る臭気しゃ断装置を路面下のマンホールの壁面に取付けた状態を示す垂直断面図である。
【図2】本発明に係る臭気しゃ断装置の実施形態に於ける構成概要を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る臭気しゃ断装置の底面の略中央に配設した排出孔フランジ部の構成を示す図面であって、(a)は図2の矢視A−A線方向の拡大断面図、(b)は拡大平面図である。
【図4】本発明に係る臭気しゃ断装置の取付構造の第1の例を示す要部の垂直断面図である。
【図5】前記図4の上方から見た平面図である。
【図6】本発明に係る臭気しゃ断装置の取付構造に於ける第2の例を示す図面であって、(a)は垂直断面図、(b)は(a)に示す取付構造に於ける追加構成例を示す垂直断面図である。
【図7】前記図6(b)の上方から見た平面図である。
【図8】本発明に係る臭気しゃ断装置をマンホールに取付けた場合に於ける路面上に設置された蓋の配置構成を示す平面図である。
【図9】本発明に係る臭気しゃ断装置の実施例1に於ける構成概要を示す図面であって、(a)は垂直断面図、(b)はプラスチック材しゃ断部に堆積した汚水等がマンホールへ落下するときの排出蓋の動作を示す要部垂直断面図である。
【図10】本発明に係る臭気しゃ断装置の実施例2に於けるトラップを採用したときの図面であって、(a)は該トラップの構成例を示す斜視図、(b)は(a)の矢視K−K線方向の断面図である。
【図11】従来の技術に於ける臭気しゃ断装置に於ける第1の例を示す垂直断面図である。
【図12】従来の技術に於ける臭気しゃ断シートのヒンジ部補強構造の第2の例を示す垂直断面図である。
【符号の説明】
【0052】
20 マンホール
20a マンホールの壁面
20b マンホールの踏み台
21 マンホールの蓋
21a マンホールの蓋保持枠
22 可撓性樹脂シート
22A 可撓性樹脂シートしゃ断部
22B プラスチック材しゃ断部
22a 可撓性樹脂シートの取付部上端(垂直壁面部)
22b 可撓性樹脂シートの取付部下端(垂直壁面部)
22c 可撓性樹脂シートの脱着部材
22d 可撓性樹脂シートしゃ断部(底面部)
22e 可撓性樹脂シートの非脱着部材
22f 脱着部材の右端
22g 脱着部材の左端
22h 可撓性樹脂シートしゃ断部の中央孔の周縁部
22i 可撓性樹脂シートしゃ断部の中央孔
22j 可撓性樹脂シートの取付部上端
22k 可撓性樹脂シートの取付部下端
22m 可撓性樹脂シートの脱着部材
22n プラスチック材しゃ断部の斜面
22p プラスチック材しゃ断部の平坦面
23 排出孔フランジ部
23A 排出孔フランジ部
23B トラップ導水部
23C トラップ受け部
23a 排出孔フランジ部の排出蓋
23b 排出孔フランジ部のスプリング付蝶番
23c 排出孔フランジ部のフランジ
23d 排出孔フランジ部の結合部品
23e 排出孔フランジ部の蝶番
23f トラップ導水部の略円筒本体
23g トラップ導水部の脚
23h トラップ導水部の鍔
23i トラップ導水部の溝
23j トラップ導水部の緊締部品
24 略リング状押え金具
24a 略リング状押え金具のテーパ座金
25 アンカーボルト
26 添接板
27 断面略V字状ステンレス金具
27a 断面略V字状ステンレス金具の内側片
27b 断面略V字状ステンレス金具の外側片
27c 断面略V字状ステンレス金具の外側片の凸部
28 断面略U字状挟み込み金具
29 ウレタン発泡材
B 臭気しゃ断装置
C 溶接部
E 路面
F 不純物体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が略皿状又は略円錐状に形成された可撓性樹脂シートであり、垂直壁面部と底面部とで構成し、該垂直壁面部が取付部上端、取付部下端を及び該底面部が可撓性樹脂シートしゃ断部でなる装置であって、前記取付部上端と前記取付部下端間を一部に非脱着部を有して両者を分離しかつ結合する脱着部材を周設し、前記可撓性樹脂シートしゃ断部の略中央に不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋を有した排出孔フランジ部を構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置。
【請求項2】
前記排出孔フランジ部は不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋と、断面略矩形状の円環体でなるフランジの下面であって、該排出蓋の基端に連結されるスプリング付蝶番と、中央孔の周縁部に固定されかつ該スプリング付蝶番を備えた断面略矩形状の円環体でなるフランジとで構成したことを特徴とする請求項1記載の臭気しゃ断装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の臭気しゃ断装置に於いて、マンホールの壁面に固定される略皿状又は略円錐状に形成された可撓性樹脂シートの取付部上端の表面に固定されかつ所定幅を有する略リング状押え金具と、該略リング状押え金具の表面から前記取付部上端を貫通・固定するアンカーボルトとで構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置の取付構造。
【請求項4】
全体が略皿状又は略円錐状に形成された臭気しゃ断装置であり、可撓性樹脂シートで略垂直壁面部を構成し、その略垂直壁面部が取付部上端、取付部下端を有し、及び該可撓性樹脂シートに固定される底面部がプラスチック材しゃ断部で構成し、前記取付部上端と前記取付部下端間を一部に非脱着部を有して両者を分離しかつ結合する脱着部材を周設し、前記プラスチック材しゃ断部の略中央に不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋を有した排出孔フランジ部を構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置。
【請求項5】
前記排出孔フランジ部は不純物体の堆積又は落下により中央孔を開閉自在にする排出蓋と、該中央孔の周縁部下面に固定されかつ該排出蓋の基端に連結されるスプリング付蝶番とを有したことを特徴とする請求項4記載の臭気しゃ断装置。
【請求項6】
請求項4又は5記載の全体が略皿状又は略円錐状の臭気しゃ断装置に於いて、マンホールの壁面に固定される可撓性樹脂シートの取付部下端を溶着・固定するプラスチック材しゃ断部と、該可撓性樹脂シートの取付部上端の頂部の表面から貫通・固定するアンカーボルトとで構成したことを特徴とする臭気しゃ断装置の取付構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2007−239361(P2007−239361A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−65124(P2006−65124)
【出願日】平成18年3月10日(2006.3.10)
【出願人】(506083855)
【出願人】(000107044)ショーボンド建設株式会社 (71)
【出願人】(000239862)平岡織染株式会社 (81)
【Fターム(参考)】