説明

舗装用低熱透水性ブロックの製造方法。

【課題】 既存技術の組み合わせにより、天候に左右されずに夏季路面温度の上昇を抑え、透水性の機能を持ち、上質な質感と肌合いを有する舗装用低熱透水性ブロックの製造方法を提供する。
【解決手段】 温度上昇抑制効果をもつ炭酸カルシウム系骨材、またはそれを焼成した骨材を使用し、透水機能を持つ配合にて即脱成型を行い、さらに成型直後に洗い出し加工にて結合材を強度に影響しない程度に減ずることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は舖装用低熱透水性ブロックの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の都市部におけるヒートアイランド現象やゲリラ豪雨による都市型水害は深刻な社会問題となっている。これらの具体的な舗装における対策として保水性舖装や遮熱性舖装及び透水性舗装があげられる、これに対し技術背景として下記のような広報文献がある。
【特許文献1】特開2003−268706号公報
【特許文献2】特開2006−144369号公報
【特許文献3】特開2009−299404号公報
公開文献1ではコンクリートブロックに保水性を持たせ、水の蒸発散効果により、夏季における表面温度の上昇を抑えることを可能にしている。
公開文献2では舖装面に遮熱塗料を塗布又は同顔料を付着させた骨材を使用することにより、表面温度の上昇を抑えることを可能にしている。
公開文献3では対象物に熱交換塗料を塗布し、遮熱機能および断熱機能を発揮させ、夏季における対象物の温度上昇を抑制することを可能にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来技術では特許文献1にあるように、コンクリートブロックに保水性を持たせ、水の蒸発散効果により、夏季における表面温度の上昇を抑制していた。これは原材料に高炉スラグ細骨材を使用することにより、比較的安易に成型できるため、もっぱらこの方法で製造されていた。しかし、この方法で得られるブロックはその保水性や吸水性により、白華と呼ばれる景観上好ましくない現象が起きやすく、また、蒸発散効果自体、天候に左右されるものであった。そのため、天候に左右されず、白華を起こしにくい表面温度上昇低減効果をもつコンクリートブロックを製造するには、公開文献2、公開文献3に示すように、遮熱塗料もしくは熱交換塗料をコンクリートブロック表面に塗布するという、複雑な工程を追加するのが一般的であった。本発明は、複雑な工程を必要とせず、既存技術の組み合わせにより、夏季における表面温度上昇を抑えることができ、かつ透水性機能を持ち、さらに上質な質感と肌合いを有する舗装用低熱透水性ブロックの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、温度上昇抑制効果をもつ炭酸カルシウム系骨材、またはそれを焼成した骨材を使用し、透水機能を持つ配合にて即脱成型を行い、さらに成型直後に洗い出し加工にて結合材を強度に影響しない程度に減ずることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、複雑な工程を必要とせず、既存技術の組み合わせにより、天候に左右されずに夏季における表面温度上昇を抑えることができ、かつ透水機能をもち、また、白華がおきにくく、さらに上質な質感と肌合いを有する舗装用低熱透水性ブロックの製造方法を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】コンクリートブロックの斜視図。
【図2】従来技術により製造したコンクリートブロックの表層拡大断面図。
【図3】本発明により製造した舗装用低熱透水性ブロックの表層拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
結合材を減ずる方法として、成型直後に洗い出し加工にて強度に影響しない程度に結合材を減じる方法や、一定養生後ショット加工にて結合材を減じる方法などが考えられるが、工程の容易さを考慮すると、前者が最良の形態として挙げられる。
【符号の説明】
【0008】
1 表層
2 基層
3 骨材
4 結合材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天候に左右されずに夏季路面温度の上昇を抑え、透水性の機能を持ち、上質な質感と肌合いを有する舖装用低熱透水性ブロックの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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