説明

航空機キャビン構造を与圧し、かつ航空機キャビン構造の漏れ量を測定するための装置および方法

航空機キャビン構造(12)を与圧し、その漏れ量を測定する装置(10)が、与圧空気源からキャビン構造へ与圧空気を供給するよう第1の端部で与圧空気源に結合しかつ第2の端部でキャビン構造に結合できる空気供給管路(14)と、供給管路内の空気供給弁(36)と、キャビン構造内部の圧力を感知しかつキャビン構造内部の圧力を示す信号の供給用の圧力センサ(50)と、キャビン構造内から空気排出開口(44)へ空気を排出するよう第1の端部でキャビン構造と結合しかつ第2の端部で排出開口と結合できる排出管路(42)と、排出管路内の空気排出弁(48)とを含む。キャビン構造内部で第1の圧力レベルに到達するまでキャビン構造内に与圧空気を供給し、第1の所定期間、第1の所定レベルでキャビン構造内の圧力を維持し、その後、キャビン構造内から空気を排出するよう電子制御ユニット(ECU)は圧力センサによって提供される信号に応じて空気供給弁(36)および排出弁を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機キャビン構造を与圧し、かつ航空機キャビン構造の漏れ量を測定するための装置および方法を対象とする。
【背景技術】
【0002】
航空機の飛行高度の環境圧力は低いので、飛行中の航空機のキャビンは通常海抜高度約2500mでの大気圧に対応する高圧下に保たれる。したがって、キャビン構造は、低い環境圧力と高いキャビン圧力との間の圧力差に耐えるように設計されていなければならない。さらに、航空機キャビン構造は、キャビン内部の高圧を維持することができるように実質的に漏れがあってはならない。したがって、航空機の最終組み立て時に、1.与圧したキャビンの構造強度を確認し、かつ2.飛行中の航空機キャビンの与圧を妨害しうる組み立ての欠陥による漏れがないことを確認する、試験が航空機キャビン構造上で実施されなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、キャビンの漏れのための値を提供するように、航空機キャビン構造を確実に、正確に、および自動的に与圧するのを可能にする、さまざまな航空機のタイプのための装置および方法を提供する課題を対象とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明装置は、与圧空気源から航空機キャビン構造へ与圧空気を供給するように、第1の端部で与圧空気源と結合可能であり、かつ第2の端部で航空機キャビン構造と結合可能である空気供給管路を含む。空気供給管路の第2の端部は、航空機キャビン構造に設けられた開口に結合可能であってもよい。たとえば、空気供給管路を結合するための開口は、漏れ試験を実施中に、オリジナルの航空機キャビンドアに取って代わるダミーの航空機キャビンドア内に形成されてよい。
【0005】
たとえば電磁弁であってよい空気供給弁が空気供給管路内に配置される。その閉鎖状態で、空気供給弁は与圧空気源と航空機キャビン構造の間の流体結合を中断し、一方、その開放状態にある空気供給弁は与圧空気源から航空機キャビン構造への与圧空気の供給を可能にする。
【0006】
本発明装置は、航空機キャビン構造内部の圧力を感知し、かつ航空機キャビン構造内部の圧力を示す信号を供給するための圧力センサをさらに含む。圧力センサは航空機キャビン構造内部に直接配置され、かつ個別の電気結合を介して個別の圧力信号を供給してよい。しかし好ましくは、圧力センサは航空機キャビン構造の外側に配置され、かつ、たとえば可撓管によってキャビン構造の内部に結合される。このような配列は、複雑な電気配線を含む配列より堅牢である。
【0007】
さらに、キャビン構造の内部から空気排出開口に空気を排出するように、第1の端部で航空機キャビン構造に結合可能であり、かつ第2の端部で空気排出開口に結合可能である空気排出管路が存在する。好ましくは、空気排出管路は空気供給管路から分岐し、そのため航空機キャビン構造内部へは1つの結合のみが必要である。空気排出開口は環境に開放してよく、空気排出管路および空気排出開口を介して航空機キャビン構造から空気を排出する時に生成される騒音を減衰するように、消音器が設けられてよい。
【0008】
空気供給弁と同様に、電磁弁であってよい空気排出弁が、空気排出管路内に配置される。その閉鎖状態で、空気排出弁は航空機キャビン構造と空気排出開口の間の流体結合を中断し、一方、その開放状態にある空気排出弁は航空機キャビン構造から空気排出開口への空気の排出を可能にする。
【0009】
航空機キャビン構造内の漏れを検出するための本発明装置の電子制御ユニットは、航空機キャビン構造内部で第1の所定圧力レベルに到達するまで航空機キャビン構造内に与圧空気を供給し、航空機キャビン構造内部の圧力を第1の所定期間、第1の所定レベルで維持し、その後、航空機キャビン構造の内部から空気を排出するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、空気供給弁および空気排出弁を制御するように適合される。言い換えれば、航空機キャビン構造内に与圧空気を供給し、したがって航空機キャビン構造内部に高圧を構築するように、電子制御ユニットは空気供給弁および空気排出弁を制御する。航空機キャビン構造の内部の間の圧力差のために、航空機キャビン構造の内側から空気が漏れる。したがって、第1の所定期間中に、操作者は航空機キャビン構造を容易に検査でき、したがって個々の構成部品の欠陥または組み立ての欠陥に起因する航空機キャビン構造内の不利な漏れを確実に認識できる。
【0010】
本発明装置の好ましい実施形態で、第1の所定期間の後、および航空機キャビン構造内部で第2の所定圧力レベルに到達するまで航空機キャビン構造の内部から空気を排出する前に、航空機キャビン構造内に与圧空気をさらに供給するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、電子制御ユニットは空気供給弁および空気排出弁を制御するようにさらに適合される。第2の所定圧力レベルは、第1の所定圧力レベルより高い圧力レベルである。電子制御ユニットは、第2の所定期間、第2の所定レベルで航空機キャビン構造内部の圧力を維持するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、空気供給弁および空気排出弁を制御するようにさらに適合されてよい。次に、第2の所定期間は、航空機キャビン構造を検査し、したがって、たとえば第1の所定期間に認識されなかった、より小さな漏れを認識するために使用することもできる。
【0011】
さらに、本発明装置の電子制御ユニットは、第2の期間の後、航空機構造内部で第3の所定圧力レベルに到達するまで、航空機キャビン構造内に与圧空気をさらに供給し、かつ第3の所定期間、第3の所定レベルで航空機キャビン構造内部の圧力レベルを維持するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、空気供給弁および空気排出弁を制御するように適合されてよい。第3の所定圧力レベルは第2の圧力レベルより高く、好ましくは、航空機の通常の飛行運航中に航空機キャビン構造に作用する圧力差より高い圧力レベルである。
【0012】
第1、第2、および第3の期間は、既定の固定期間であってよい。しかし、電子制御ユニットはまた、たとえば航空機キャビン構造が高圧下に保持される間に、航空機キャビン構造を検査するのに長期間が必要なとき、具体的な試験状件に応答して、航空機キャビン構造上で漏れ試験を実施中に所定期間を手動で変更できるように適合されてよい。
【0013】
好ましくは、第1の所定高圧レベル(環境圧力と航空機キャビン内部の圧力の間の差圧)の約100mbarに到達するまで、約1.2mbar/秒の速度で航空機キャビン構造内に与圧空気が供給される。約100mbarの圧力レベルは、第1の所定期間の約1分間維持されてよい。この期間は通常、航空機キャビン構造内の大きい漏れを認識するのに十分である。その後、航空機キャビン構造内部の圧力は、航空機キャビン構造内部の第2の所定圧力レベルの約400mbarに到達するまで、約1.2mbar/秒の速度で上昇させられる。この圧力レベルは第2の期間の約8分間維持される。この期間は通常、航空機キャビン構造内でより小さい漏れを認識するのにも十分である。
【0014】
航空機キャビン構造内部の圧力をさらに上昇させると、安全上の理由で、操作者はもはや試験される航空機キャビン構造の近くにいることは許されない。したがって、本発明装置の電子制御ユニットは、好ましくは試験手順全体のリモートコントロールを可能にするように適合される制御ユニットである。第2の所定圧力レベルの約400mbarから、航空機キャビン構造内部の圧力は、第3の所定圧力レベルの約800mbarまで上昇し、その間、圧力は約593mbarのレベルまで約1.2mbarの速度で上昇し、約593mbarのレベルから約800mbarのレベルまで約0.6mbarの速度で上昇する。航空機キャビン構造内部の圧力は、第3の所定期間の約300秒の間、第3の所定圧力レベルの約800mbarで維持される。
【0015】
本発明装置の好ましい実施形態で、第4の所定圧力レベルに到達するまで航空機キャビン構造の内部から空気を排出し、かつ第5の所定圧力レベルに到達するまで、空気供給弁および空気排出弁をそれらの閉鎖状態に維持するように、電子制御ユニットは圧力センサによって提供される信号に依存して、空気供給弁および空気排出弁を制御するようにさらに適合される。好ましくは、航空機キャビン構造内部の圧力は、最大圧力レベルの約800mbarから第4の所定圧力レベルの約593mbarまで約1.2mbar/秒の速度で低下する。第4の所定圧力レベルの約593mbarは、航空機の通常の飛行運航中に航空機キャビン構造に作用する圧力差に対応する。第5の所定圧力レベルは、たとえば約500mbarのレベルであってよい。空気供給弁および排出弁がそれらの閉鎖状態で維持されるので、第4の所定圧力レベルから第5の所定圧力レベルまでの圧力低下は、独占的に航空機キャビン構造内の漏れに起因する。
【0016】
本発明装置の電子制御ユニットは、第4から第5の所定レベルまで航空機キャビン構造内部の圧力の低下に依存して、好ましくは航空機キャビン構造の漏れ値を計算するようにさらに適合される。たとえば、計算した漏れ値は、たとえば約556mbarの既定圧力レベルで、第4と第5の所定圧力レベルの間の時間依存圧力レベル曲線用に計算した正接の勾配に対応してよい。電子制御ユニットによって計算された漏れ値は、名目上の漏れ値と比較されてよい。測定した漏れ値と名目上の漏れ値の間の差が所定限度を超過した場合、航空機キャビン構造の漏れ特性を改善する適正な措置が取られなければならない。
【0017】
航空機キャビン構造内部の圧力レベルが第5の所定圧力レベルに到達した後、航空機キャビン構造内部の圧力が再び環境圧力レベルに到達するまで、約1.2mbarの速度で航空機キャビン構造内部から空気を排出するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、電子制御ユニットは空気供給弁および空気排出弁を制御してよい。
【0018】
航空機キャビン構造内の漏れを検出するための本発明装置は、電子制御ユニットからの個別の警戒信号出力指令を受信して、可視および/または音響警戒信号を出力するように適合される警戒信号出力装置をさらに含んでよい。たとえば、電子制御ユニットは、航空機キャビン構造内部の圧力レベルが所定圧力レベルの1つに到達するたびに、警戒信号出力指令を出力するように適合されてよい。電子制御ユニットは、さらに、対応する時間依存の名目上の圧力レベルと、圧力センサによって航空機キャビン構造を試験する間に測定された時間依存圧力レベルとを比較するように適合されてよい。次に、航空機キャビン構造内部の測定された圧力レベルと対応する名目上の圧力レベルの間の差が所定限度を超過した場合、電子制御ユニットは、警戒信号出力装置に警戒信号出力指令を提供してよい。電子制御ユニットは、航空機キャビン構造内部の測定した圧力レベルと対応する名目上の圧力レベルの差が所定限度を超過する場合、たとえば航空機キャビン構造内への与圧空気の供給を中断するなど、試験を自動的に中断するようにさらに適合されてよい。
【0019】
本発明装置は、試験の中断、詳細には試験中いつでも航空機キャビン構造内への与圧空気の供給の中断を可能にする手動操作可能の緊急遮断装置をさらに設けることもできる。
【0020】
航空機キャビン構造内の漏れを検出するための本発明装置は、空気供給管路内に配置されたボール弁をさらに含んでよい。たとえば、ボール弁は空気供給弁の下流側の空気供給管路内に配置されてよい。ボール弁は、空気供給弁が故障した場合でさえ、航空機キャビン構造内部の圧力を確実に制御できる安全装置として作動する。
【0021】
空気供給管路の一部分および/または空気供給弁および/または圧力センサおよび/または空気排出弁および/またはボール弁が、可動台車に搭載されてよい。次に、本発明装置のいくつかの最も重要な構成部品を備えた可動台車は、たとえば最終組み立てラインのさまざまな工程の間に取り換えることができる。
【0022】
航空機キャビン構造内の漏れを検出するための本発明装置は、組み立てた航空機キャビン構造内の漏れを検出するために、航空機の最終組み立て時に使用してよい。しかし、航空機キャビン構造の個別の構成部品、たとえば航空機胴体内の漏れを検出するために、たとえばフライトラインで本発明装置を使用することも可能である。
【0023】
代替実施形態によれば、航空機キャビン構造を与圧し、かつ航空機キャビン構造の漏れ量を測定するための本発明装置は、与圧空気源から航空機キャビン構造内に与圧空気を供給するように、第1の端部で与圧空気源に結合可能であり、かつ第2の端部で航空機キャビン構造に結合可能である空気供給管路と、空気供給管路内に配置された空気供給弁と、航空機キャビン構造内部の圧力を感知し、かつ航空機キャビン構造内部の圧力を示す信号を供給するための圧力センサと、航空機キャビン構造の内部から空気排出開口へ空気を排出するように、第1の端部で航空機キャビン構造に結合可能であり、かつ第2の端部で空気排出開口に結合可能である空気排出管路と、空気排出管路内に配置される空気排出弁と、少なくとも1つの圧力計画と、を含む。圧力計画に従って航空機キャビン構造内部の圧力を制御するように、航空機キャビン構造内に与圧空気を供給し、または航空機キャビン構造から空気を排出するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、かつ圧力計画からの設定値に依存して、電子制御ユニットは空気供給弁および空気排出弁を制御するように適合される。
【0024】
好ましくは、複数の圧力計画がさまざまな航空機のタイプおよびさまざまな試験範囲のために設けられる。
【0025】
好ましくは、圧力計画を選定し、制御し、かつ/または適合させるように、電子制御ユニットはさらに適合される。
【0026】
さらに、電子制御ユニットは、キャビンの漏れを示す値を含む測定手順のプロトコルを提供するように適合されてよい。
【0027】
航空機キャビン構造内の漏れを検出するための一発明方法は、空気供給管路を介して与圧空気源から航空機キャビン構造内へ与圧空気を供給するステップと、圧力センサによって、航空機キャビン構造内部の圧力を感知し、かつ航空機キャビン構造内部の圧力を示す信号を供給するステップと、空気排出管路を介して航空機キャビン構造の内部から空気排出開口へ空気を排出するステップとを含む。航空機キャビン構造内部で第1の所定圧力レベルに到達するまで、航空機キャビン構造内に与圧空気を供給し、第1の所定期間、第1の所定レベルで航空機キャビン構造内部の圧力を維持し、その後航空機キャビン構造の内部から空気を排出するように、空気供給管路内に配置された空気供給弁および空気排出管路内に配置された空気排出弁は、圧力センサによって提供される信号に依存して、電子制御ユニットによって制御される。
【0028】
第1の所定期間の後で、かつ航空機キャビン構造内部で第2の所定圧力レベルに到達するまで航空機キャビン構造の内部から空気を排出する前に、航空機キャビン構造内に与圧空気をさらに供給するように、本発明方法は、圧力センサによって提供される信号に依存して、電子制御ユニットによって空気供給弁および空気排出弁を制御するステップをさらに含んでよい。キャビン構造内部の圧力は、第2の所定期間、第2の所定レベルに維持されてよい。第2の所定期間の後、航空機キャビン構造内部で第3の所定圧力レベルに到達するまで、さらなる与圧空気が航空機キャビン構造内に供給されてよい。航空機キャビン構造内部の圧力は、第3の所定期間、第3の所定レベルに維持されてよい。
【0029】
好ましくは、本発明方法はまた、第4の所定圧力レベルに到達するまで航空機キャビン構造の内部から空気を排出するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、電子制御ユニットによって空気供給弁および空気排出弁を制御するステップも含む。空気供給弁および空気排出弁は、第5の所定圧力レベルに到達するまで、それらの閉鎖状態に維持されてもよい。航空機キャビン構造内部の圧力の第4の所定圧力レベルから第5の所定圧力レベルへの低下は、航空機キャビン構造内の漏れによって独占的に引き起こされる。
【0030】
航空機キャビン構造内の漏れを検出するための本発明方法は、好ましくは、電子制御ユニットによって第4から第5の所定レベルへの航空機キャビン構造内の圧力の低下に依存して、航空機キャビン構造の漏れ値を計算するステップをさらに含む。
【0031】
代替実施形態によると、航空機キャビン構造を与圧し、かつ航空機キャビン構造の漏れ量を測定するための本発明方法は、空気供給管路を介して与圧空気源から航空機キャビン構造内へ与圧空気を供給するステップと、航空機キャビン構造内部の圧力を感知し、かつ圧力センサによって航空機キャビン構造内の圧力を示す信号を供給するステップと、空気排出管路を介して航空機キャビン構造の内部から空気排出開口へ空気を排出するステップと、圧力計画を提供するステップとを含む。空気供給管路内に配置された空気供給弁、および空気排出管路内に配置された空気排出弁は、圧力計画に従って航空機キャビン構造内の圧力を制御するように、航空機キャビン構造内に与圧空気を供給し、または航空機キャビン構造から空気を排出するように、圧力センサによって提供される信号に依存して、かつ圧力計画からの設定値に依存して、電子制御ユニットによって制御される。
【0032】
好ましくは、複数の圧力計画がさまざまな航空機のタイプおよびさまざまな試験範囲のために提供される。
【0033】
本発明方法は、電子制御ユニットによって圧力計画を選定するステップと、制御するステップと、および/または適合させるステップとをさらに含んでよい。
【0034】
好ましくは、本発明方法は、電子制御ユニットによってキャビン漏れを示す値を含む、測定手順のプロトコルを提供するステップをさらに含む。
【0035】
次に本発明は、次の概略図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】航空機キャビン構造を与圧し、かつ航空機キャビン構造の漏れ量を測定するための、一発明装置の好ましい実施形態を示す図である。
【図2】航空機キャビン構造を与圧し、かつ航空機キャビン構造の漏れ量を測定するための試験を実施中の、航空機キャビン構造内部の圧力の時間依存曲線を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1で、航空機キャビン構造12を与圧し、かつ航空機キャビン構造12の漏れ量を測定するための装置10は、空気供給管路14を含む。空気供給管路14の第1端部は、6から8barの圧力で空気を供給する与圧空気源(図1に図示せず)に結合される。第1の手動操作可能な遮断弁16が空気供給管路14内に設けられる。第1の遮断弁16の下流側に、電力故障の場合に、空気供給管路14を介する与圧空気の供給を自動的に中断する働きをする第2の遮断弁18が空気供給管路14内に配置される。第2の遮断弁18の下流側の空気供給管路14内に配置されるフィルタ20は、航空機キャビン構造内に供給される与圧空気を濾過する働きをし、したがって微粒子不純物が航空機キャビン構造内に導入されるのを回避する。
【0038】
空気供給管路14は、第2の部分14bに結合される第1の固定部分14aを含み、そこで空気供給管路14の第2の部分14bは可動台車22に搭載される。空気供給管路14の第2の部分14bは、第1の部分14aと同様、固定管の形態で提供される第3の空気供給管路部分14cに結合される。空気供給管路14は、空気供給管路14の固定の第4の部分14cをダミーの航空機キャビンドア26内に設けられる開口24に結合する、可撓管によって形成される第4の部分14dを最終的に含む。航空機キャビン構造12内の漏れを検出するための試験を実施中に、ダミーのキャビンドア26がオリジナルのキャビンドアに取って代わる。
【0039】
図1の図面から明らかになるように、空気供給管路14の第3の固定部分14cは、2つの異なる結合点28、28'まで延在するように分岐する。したがって、空気供給管路14の第4の可撓管部分14dは空気供給管路14の第3の部分14cの結合点28、28'のいずれにも結合できる。選定弁30、30'が結合点28、28'の選定した1つに与圧空気を選定的に供給するように、空気供給管路14の第3の部分14c内に配置される。したがって、装置10は異なったサイズの航空機の航空機キャビン構造の漏れを検出するための試験を実施するのに使用できる。
【0040】
空気供給管路14の第1の部分14a、第2の部分14b、および第3の部分の主要部分14c、弁16、18、30、30'、フィルタ20および可動台車22は、航空機製造工場の地下にスペースを節約して配置される。空気供給管路14の第3の部分14cは、地下の天井34に配置された開口32を介して延在する。
【0041】
電磁空気供給弁36が空気供給管路14の第2の部分14b内に配置され、可動台車22に搭載される。その開放状態で、空気供給弁36は与圧空気の与圧空気源から航空機キャビン構造12への供給を可能にし、航空機キャビン構造12に供給される与圧空気の圧力を調節する。第1の圧力センサ38は、空気供給弁36の下流側の空気供給管路14内の圧力を測定するように働く。
【0042】
ボール弁40が空気供給弁36の下流側の空気供給管路14の第2の部分14b内に配置される。ボール弁40はまた、可動台車22にも搭載される。その開放状態で、ボール弁40は与圧空気源から航空機キャビン構造12への与圧空気の供給を可能にする。逆に、その閉鎖状態では、ボール弁40は与圧空気源から航空機キャビン構造12への空気の供給を中断する。
【0043】
空気排出管路42は、空気供給管路14の第2の部分14bから分岐し、環境に開放する空気排出開口44に延在する。空気排出開口44を介して航空機キャビン構造12の内部からの空気の排出時に生成される雑音を減衰させるように、消音器46が空気排出開口44に設けられる。電磁空気排出弁48が空気排出管路42内に配置される。その開放状態で、空気排出弁48は航空機キャビン構造12の内部から空気排出開口44への空気の排出を可能にし、航空機キャビン構造12から空気排出開口44へ排出される空気の圧力を調整する。
【0044】
第2の圧力センサ50もまた可動台車22に搭載される。第2の圧力センサ50は可撓管52を介して航空機キャビン構造12の内部に結合される。センサ50は航空機キャビン構造12内の圧力を測定し、航空機キャビン構造12内の圧力を示す信号を電子制御ユニットECUに供給するように働く。
【0045】
電子制御ユニットECUは可動台車22および試験をする航空機キャビン構造から遠隔に配置されるが、第2の圧力センサ50によって提供される信号に依存し、空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48を遠隔制御するように適合される。電子制御ユニットECUは、試験パラメータ、特に操作者に図2で示されるような時間に依存する第2の圧力センサ50によって測定される航空機キャビン構造12内部の圧力の曲線を表示するように表示装置を含む。したがって、電子制御ユニットECUはまたマンマシンインターフェースとしても働く。電子制御ユニットECUはさらに、電子制御ユニットECUから個別の警戒信号出力指令の受信時に、可視および音響警戒信号を出力するように適合される警戒信号出力装置54に結合される。
【0046】
航空機キャビン構造12内の漏れを検出するための試験を実施するために、第1の遮断弁16が手動で開放される。第2の遮断弁18および第1の選定弁30'がまた開放される。次に与圧空気が与圧空気源から航空機キャビン構造12へ供給され、そこで空気供給弁36およびボール弁40は航空機キャビン構造12内の圧力が1.2mbar/秒の速度で確実に上昇するように、電子制御ユニットECUによって制御される。航空機キャビン構造12に与圧空気を供給中、空気排出弁48はその閉鎖状態に維持される。
【0047】
航空機キャビン構造12内の圧力が第1の所定レベル(環境圧力と航空機キャビン構造12内の圧力の間の圧力差)の100mbarに到達したとき、電子制御ユニットECUは、警戒信号出力装置54が可視および音響警戒信号を出力するように、警戒信号出力装置54に警戒信号出力指令を提供する。図2から明らかになるように、第1の所定圧力レベルの100mbarは、電子制御ユニットECUによって、空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48を適正に制御することで、第1の所定期間の約1分間維持される。第1の所定期間中に航空機キャビン構造12は検査でき、それゆえ航空機キャビン構造12の大きな漏れは容易に検出できる。
【0048】
第1の所定期間の後、航空機キャビン構造12内部の圧力は第2の所定圧力レベルの400mbarに到達するまで1.2mbar/秒の速度でさらに上昇させられる。次に再び、警戒信号出力指令が電子制御ユニットECUによって可視および音響警戒信号をその結果出力する警戒信号出力装置54に提供される。空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48を適正に制御することで、航空機キャビン構造12内部の圧力は第2の所定期間の約8分間第2の所定レベルの400mbarに維持される。第2の所定期間中に航空機キャビン構造12は再び検査でき、そのため、また第1の所定期間中に認識されなかった航空機キャビン構造12内の小さい漏れも検出できる。
【0049】
第2の所定期間の後、航空機キャビン構造12内部の圧力は593mbarの圧力レベルに到達するまで、電子制御ユニットによって空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48を適正に制御することで再び上昇する。その後、航空機キャビン構造12内部の圧力が第3の所定レベルの800mbarに到達するまで、圧力上昇速度は0.6mbar/秒に縮小される。第3の所定圧力レベルの800mbarは、約593mbarである航空機の通常の飛行運航中の航空機キャビン構造12に作用する圧力差を十分上回る。航空機キャビン構造12内の圧力が第3の所定レベルの800mbarに到達するとき、電子制御ユニットECUは、その結果可視および音響警戒信号を出力する警戒信号出力装置54に警戒信号出力指令を再び与える。空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48を適正に制御することで、航空機キャビン構造12内部の圧力は、第3の所定期間の約300秒間、第3の所定レベルに維持される。
【0050】
第3の所定期間の後、空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48は、航空機キャビン構造12内部の圧力が第4の所定圧力レベルの593mbarへ1.2mbar/秒の速度で低下するように電子制御ユニットによって制御される。既に上記したように、第4の所定圧力レベルの593mbarは、航空機の通常の飛行運航中の航空機キャビン構造12に作用する圧力差に対応する。航空機キャビン構造12内部の圧力が第4の所定レベルの593mbarに到達したとき、空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48は閉鎖される。弁36、40、48のこの運用状態は、航空機キャビン構造12内部の圧力が第5の所定レベルの500mbarに低下するまで維持される。593mbarから500mbarへの圧力低下は、航空機キャビン構造12内の漏れによって独占的に引き起こされる。
【0051】
航空機キャビン構造12内部の圧力が第5の所定レベルの500mbarに到達したとき、航空機キャビン構造12内部の圧力が1.2mbar/秒の速度で第5の所定圧力レベルの500mbarから環境圧力へ低下するように、電子制御ユニットECUは、空気供給弁36、ボール弁40および空気排出弁48を制御する。
【0052】
電子制御ユニットECUは、556mbarの圧力レベルで第4と第5の所定圧力レベルの間の図2に示された時間依存圧力曲線に対する正接の勾配を計算することで、航空機キャビン構造12の漏れ値を計算する。この計算した漏れ値は名目上の漏れ値と比較される。計算した漏れ値と名目上の漏れ値の間の差が所定限度を超えなければ、航空機キャビン構造12の漏れ特性は十分であるとわかる。
【符号の説明】
【0053】
10 装置
12 航空機キャビン構造
14 空気供給管路
14a、14b、14c、14d 空気供給管路の一部分
16 第1の遮断弁
18 第2の遮断弁
20 フィルタ
22 可動台車
24 開口
26 ダミーのキャビンドア
28、28' 結合点
30、30' 選定弁
32 開口
34 地下の天井
36 空気供給弁
38 第1の圧力センサ
40 ボール弁
42 空気排出管路
44 空気排出開口
46 消音器
48 空気排出弁
50 圧力センサ
52 可撓管
54 警戒信号出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機キャビン構造(12)を与圧し、かつ前記航空機キャビン構造(12)の漏れ量を測定するための装置(10)であって、
与圧空気源から前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気を供給するように、第1の端部で前記与圧空気源に結合可能であり、かつ第2の端部で前記航空機キャビン構造(12)に結合可能である空気供給管路(14)と、
前記空気供給管路(14)内に配置された空気供給弁(36)と、
前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を感知し、前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を示す信号を提供するための圧力センサ(50)と、
前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気排出開口(44)へ空気を排出するように、第1の端部で前記航空機キャビン構造(12)と結合可能であり、かつ第2の端部で前記空気排出開口(44)と結合可能である空気排出管路(42)と、
前記空気排出管路(42)内に配置された空気排出弁(48)と、
前記航空機キャビン構造(12)内部で第1の所定圧力レベルに到達するまで、前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気を供給し、前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を第1の所定期間、前記第1の所定レベルで維持し、その後、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気を排出するように、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)を制御するように構成されている電子制御ユニット(ECU)と、を含む装置(10)。
【請求項2】
前記第1の所定期間の後、および前記航空機キャビン構造(12)内部で第2の所定圧力レベルに到達するまで、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気を排出する前に、前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気をさらに供給し、前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を第2の所定期間、前記第2の所定レベルに維持し、前記第2の所定期間の後、前記航空機キャビン構造(12)内部で第3の所定圧力レベルに到達するまで、前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気をさらに供給し、第3の所定期間、前記第3の所定レベルで前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を維持するように、前記電子制御ユニット(ECU)が、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)を制御するようにさらに構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
第4の所定圧力レベルに到達するまで、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気を排出し、第5の所定圧力レベルに到達するまで前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)をそれらの閉鎖状態に維持するように、前記電子制御ユニット(ECU)が、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)を制御するようにさらに構成される、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記電子制御ユニット(ECU)が、前記第4から前記第5の所定レベルへの前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力の低下に依存して、前記航空機キャビン構造(12)の漏れ値を計算するようにさらに構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記電子制御ユニット(ECU)からの個別の警戒信号出力指令を受信して、可視および/または音響警戒信号を出力するように構成される、警戒信号出力装置(54)をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記空気供給弁(36)の下流側の前記空気供給管路(14)内に配置されたボール弁(40)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記空気供給管路(14)の一部分(14b)および/または前記空気供給弁(36)および/または前記圧力センサ(50)および/または前記空気排出弁(48)および/または前記ボール弁(40)が可動台車(22)に搭載された、請求項1から6のいずれか一項に記載された装置。
【請求項8】
航空機キャビン構造(12)を与圧し、かつ前記航空機キャビン構造(12)の漏れ量を測定するための装置(10)であって、
与圧空気源から前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気を供給するように、第1の端部で前記与圧空気源に結合可能であり、かつ第2の端部で前記航空機キャビン構造(12)に結合可能である空気供給管路(14)と、
前記空気供給管路(14)内に配置された空気供給弁(36)と、
前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を感知し、かつ前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を示す信号を供給するための圧力センサ(50)と、
前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から前記空気排出開口(44)へ空気を排出するように、第1の端部で前記航空機キャビン構造(12)に結合可能であり、かつ第2の端部で空気排出開口(44)に結合可能である空気排出管路(42)と、
前記空気排出管路(42)内に配置された空気排出弁(48)と、
少なくとも1つの圧力計画と、
前記圧力計画に従って、前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を制御するように、前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気を供給し、または前記航空機キャビン構造(12)から空気を排出するように、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、かつ前記圧力計画からの設定値に依存して、前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)を制御するように構成される電子制御ユニット(ECU)と、を含む装置(10)。
【請求項9】
複数の圧力計画がさまざまな航空機タイプおよびさまざまな試験範囲のために準備される、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電子制御ユニット(ECU)が、圧力計画を選定し、制御し、かつ/または適合させるように、さらに構成される、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記電子制御ユニット(ECU)が、前記キャビンの漏れを示す値を含む測定手順のプロトコルを準備するようにさらに構成される、請求項8から10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
航空機キャビン構造(12)を与圧し、かつ前記航空機キャビン構造(12)の漏れ量を測定する方法であって、
空気供給管路(14)を介して、与圧空気源から前記航空機キャビン構造(12)へ与圧空気を供給するステップと、
圧力センサ(50)によって、前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を感知し、かつ前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を示す信号を供給するステップと、
空気排出管路(42)を介して、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気排出開口(44)へ空気を排出するステップと、
前記航空機キャビン構造(12)内部で第1の所定圧力レベルに到達するまで前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気を供給し、第1の所定期間、前記第1の所定レベルに前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を維持し、かつその後、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気を排出するように、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、電子制御ユニット(ECU)によって前記空気供給管路(14)内に配置された空気供給弁(36)および前記空気排出管路(42)内に配置された空気排出弁(48)を制御するステップと、を含む方法。
【請求項13】
前記第1の所定期間の後、および前記航空機キャビン構造(12)内部で第2の所定圧力レベルに到達するまで、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気を排出する前に、前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気をさらに供給し、第2の所定期間、前記第2の所定レベルで前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を維持し、前記第2の所定期間の後、前記航空機キャビン構造(12)内部で第3の所定圧力レベルに到達するまで前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気をさらに供給し、第3の所定期間、前記第3の所定レベルで前記航空機キャビン構造(12)内の圧力を維持するように、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、前記電子制御ユニット(ECU)によって前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)を制御するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第4の所定圧力レベルに到達するまで前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気を排出し、第5の所定圧力レベルに到達するまで前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)をそれらの閉鎖状態に維持するように、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、前記電子制御ユニット(ECU)によって前記空気供給弁(36)および前記空気排出弁(48)を制御するステップをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記電子制御ユニット(ECU)によって前記第4から前記第5の所定レベルへの前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力の低下に依存して、前記航空機キャビン構造(12)の漏れ値を計算するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
航空機キャビン構造(12)を与圧し、かつ前記航空機キャビン構造(12)の漏れ量を測定する方法であって、
空気供給管路(14)を介して、与圧空気源から前記航空機キャビン構造(12)へ与圧空気を供給するステップと、
圧力センサ(50)によって、前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を感知し、かつ前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を示す信号を供給するステップと、
空気排出管路(42)を介して、前記航空機キャビン構造(12)の前記内部から空気排出開口(44)へ空気を排出するステップと、
圧力計画を準備するステップと、
前記圧力計画に従って前記航空機キャビン構造(12)内部の圧力を制御するように、前記航空機キャビン構造(12)内に与圧空気を供給し、または前記航空機キャビン構造(12)から空気を排出するように、前記圧力センサ(50)によって提供される信号に依存して、かつ前記圧力計画からの設定値に依存して、電子制御ユニット(ECU)によって、前記空気供給管路(14)内に配置された空気供給弁(36)および前記空気排出管路(42)内に配置された空気排出弁(48)を制御するステップと、を含む方法。
【請求項17】
複数の圧力計画が、さまざまな航空機のタイプおよびさまざまな試験範囲のために準備される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記電子制御ユニット(ECU)によって、圧力計画を選定し、制御し、かつ/または適合させるステップをさらに含む、請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
前記電子制御ユニット(ECU)によって、前記キャビンの漏れを示す値を含む測定手順のプロトコルを準備するステップをさらに含む、請求項16から18のいずれかに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−504831(P2011−504831A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−535222(P2010−535222)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010371
【国際公開番号】WO2009/068057
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(504467484)エアバス・オペレーションズ・ゲーエムベーハー (268)