説明

航空機情報表示装置及びプログラム

【課題】航空機、建造物、地形との間の正確な高度関係を直感的に素早く把握することを可能とする。
【解決手段】実施形態の航空機情報表示装置は、管制空域内に存在する航空機の位置・速度を含む航空機情報と、管制空域内に存在する建造物・地形を示す建造物・地形情報とをもとに、管制空域内の航空機、建造物・地形を水平面に2次元表示する2次元監視画面を表示する2次元監視画面表示手段と、2次元監視画面上の注目ポイントと、その注目ポイントを囲む外縁と、外縁で囲まれた領域への投影方向とを設定する設定手段と、航空機情報と、建造物・地形情報とをもとに、外縁で囲まれた領域内の航空機、建造物・地形を、設定された投影方向と直交する鉛直面に投影した投影画面を表示する投影画面表示手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、航空機情報表示装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、管制空域の航空機情報を表示する航空機情報表示装置の監視画面には、航空機の3次元的な位置を水平方向に投影した2次元的な地図上に表示し、鉛直方向については高度値をタグ情報として表示している。また、設定した視点からの3次元表示により水平方向と鉛直方向との位置関係の把握が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3530063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術においては、注目する航空機と、他の航空機、建造物、地形との間の正確な高度関係を直感的に素早く把握することが困難であった。例えば、鉛直方向の高度値をタグ情報として表示する場合は、2次元的な地図上に表示されたタグ情報の一つ一つを確認する必要があるため、高度関係を直感的に素早く把握することは困難である。また、3次元表示の場合は、おおよその高度関係が把握できるにとどまるため、正確な高度関係を把握できるものではなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、実施形態の航空機情報表示装置は、管制空域内に存在する航空機の位置・速度を含む航空機情報と、前記管制空域内に存在する建造物・地形を示す建造物・地形情報とをもとに、前記管制空域内の航空機、建造物・地形を水平面に2次元表示する2次元監視画面を表示する2次元監視画面表示手段と、前記2次元監視画面上の注目ポイントと、当該注目ポイントを囲む外縁と、前記外縁で囲まれた領域への投影方向とを設定する設定手段と、前記航空機情報と、前記建造物・地形情報とをもとに、前記外縁で囲まれた領域内の航空機、建造物・地形を、前記設定された投影方向と直交する鉛直面に投影した投影画面を表示する投影画面表示手段とを備える。
【0006】
また、実施形態のプログラムは、コンピュータを、管制空域内に存在する航空機の位置・速度を含む航空機情報と、前記管制空域内に存在する建造物・地形を示す建造物・地形情報とをもとに、前記管制空域内の航空機、建造物・地形を水平面に2次元表示する2次元監視画面を表示する2次元監視画面表示手段と、前記2次元監視画面上の注目ポイントと、当該注目ポイントを囲む外縁と、前記外縁で囲まれた領域への投影方向とを設定する設定手段と、前記航空機情報と、前記建造物・地形情報とをもとに、前記外縁で囲まれた領域内の航空機、建造物・地形を、前記設定された投影方向と直交する鉛直面に投影した投影画面を表示する投影画面表示手段として機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、実施形態にかかる航空機情報表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施形態にかかる航空機情報表示装置の機能構成を模式的に示すブロック図である。
【図3】図3は、実施形態にかかる航空機情報表示装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、2次元監視画面の一例を示す概念図である。
【図5】図5は、投影画面の一例を示す概念図である。
【図6】図6は、投影画面の一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態の航空機情報表示装置及びプログラムを詳細に説明する。図1は、実施形態にかかる航空機情報表示装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0009】
航空機情報表示装置1は、管制空域の航空機情報を表示する情報処理装置であり、図1に示すように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成されるコンピュータ構成の制御部10と、通信I/F12と、I/O機器制御部13とがバス11によって接続されて構成されている。
【0010】
制御部10は、CPUがROMや記憶部17に記憶されるプログラム171をRAMの作業領域に展開して順次実行することで、航空機情報表示装置1の動作を統括制御する。具体的には、制御部10は、記憶部17に記憶されるプログラム171を順次実行することで、監視画面処理部101、監視画面表示部102、監視画面操作部103としての機能(詳細は後述する)を実現する。通信I/F12は、制御部10の制御のもと、RDP(Radar Data Processing system)等の外部の管制情報処理システムとの間のデータ通信を行う。具体的には、通信I/F12は、外部の管制情報処理システムから管制空域内の航空機位置(緯度、経度、高度、誤差)、速度、フライトプラン等の航空機情報を随時取得する。
【0011】
制御部10には、I/O機器制御部13を介して操作部14、表示部15、プリンタ16及び記憶部17が接続されている。操作部14は、キーボード、マウスや表示部15に積層されたタッチパネル等のポインティングデバイスであり、オペレータ(管制官)からの操作を受け付ける。表示部15は、制御部10からの表示情報を表示するディスプレイ装置である。記憶部17は、HDD(Hard Disk Drive)等のストレージデバイスである。記憶部17は、制御部10が実行するプログラム171の他、管制空域内の建造物や地形の位置(緯度、経度、高度)が記述された建造物・地形情報ファイル172を記憶する。
【0012】
図2は、航空機情報表示装置1の機能構成を模式的に示すブロック図である。図2に示すように、監視画面処理部101は、入力された航空機情報、建造物・地形情報ファイル172から読み出した建造物・地形情報をもとに、管制空域内の航空機、建造物・地形を表示部15に監視画面として表示する表示情報を生成する。具体的には、監視画面処理部101は、管制空域内の航空機、建造物・地形を、鉛直上方から見下ろした水平面に2次元表示する2次元監視画面を表示する表示情報を生成する。また、監視画面操作部103より出力された操作データをもとに、2次元監視画面上で設定されたエリア(領域)を鉛直面に投影した投影画面を表示する表示情報を生成する。監視画面処理部101は、生成した表示情報を監視画面表示部102へ出力する。
【0013】
監視画面表示部102は、監視画面処理部101より出力された表示情報をもとに、表示部15に監視画面を表示させる。監視画面操作部103は、操作部14により監視画面を表示部15に表示する際の、オペレータの操作入力を操作部14より受け付ける。具体的には、操作部14におけるキーボード、マウス、タッチパネル等の操作をもとに、監視画面上のポインティング操作や各種設定操作をオペレータより受け付ける。監視画面操作部103は、受け付けた操作を示す操作データを監視画面処理部101へ出力する。
【0014】
次に、上述した監視画面処理部101、監視画面表示部102、監視画面操作部103により実現される航空機情報表示装置1の動作の詳細について説明する。図3は、航空機情報表示装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0015】
図3に示すように、制御部10のCPUによりプログラム171が実行されて処理が開始されると、監視画面処理部101は、通信I/F12を介して接続する管制情報処理システムから通知される航空機情報と、記憶部17に記憶された建造物・地形情報ファイル172から建造物・地形情報とを取得する(S1)。次いで、監視画面処理部101は、航空機情報に含まれる航空機位置(経度、緯度)や建造物・地形情報に含まれる建造物や地形の位置(緯度、経度)を参照して、管制空域内の航空機、建造物・地形を鉛直上方から見下ろした2次元監視画面の表示情報を生成し、生成した表示情報を監視画面表示部102へ出力して表示部15に2次元監視画面を表示させる(S2)。この2次元監視画面は、管制空域内の航空機、建造物・地形を鉛直上方から水平面に投影して得られる2次元のマップである。
【0016】
図4は、2次元監視画面G1の一例を示す概念図である。図4に示すように、2次元監視画面G1には、航空機情報に含まれる航空機位置をもとに、管制空域内を飛行する航空機A1〜A18が2次元表示される。また、2次元監視画面G1には、建造物・地形情報に含まれる建造物や地形の位置をもとに、管制空域内にある丘陵や山などの地形M1、M2や、建造物M3も航空機A1〜A18とともに2次元表示される。
【0017】
次いで、監視画面操作部103は、2次元監視画面G1におけるオペレータの操作を操作部14より受け付けて、2次元監視画面G1上の注目ポイントとして航空機A1〜A18の選択を受け付ける(S17)。この2次元監視画面G1上の注目ポイントとしての、航空機A1〜A18の選択は、2次元監視画面G1上のタッチ操作や、カーソルキーなどの操作で行ってよい。なお、本実施形態では2次元監視画面G1上の注目ポイントとして航空機A1〜A18を選択する場合を例示するが、2次元監視画面G1上の注目ポイントは、航空機A1〜A18以外であってもよい。例えば、2次元監視画面G1上の注目ポイントは、M1、M2、M3等の地形又は建造物や、所定の空域などであってよく、この場合もオペレータが所望の注目ポイントをタッチ操作して設定する。図4の例では、航空機A10が選択されており、選択された航空機A10には、選択されたことを示す投影方向設定カーソルP3が表示される。
【0018】
次いで、監視画面操作部103は、オペレータの操作を操作部14より受け付けて、注目ポイントとして設定された航空機A10を含むエリア(領域)の種類、すなわちエリアを囲む外縁の形状の選択を受け付ける(S4)。ここで受け付けるエリアの種別には、「円」、「矩形」、「多角形」、「扇型」がある。S4において、監視画面処理部101は、「円」「矩形」「多角形」「扇型」をオペレータが選択する選択画面を表示する表示情報を監視画面表示部102に出力し、表示部15に選択画面を表示させる。監視画面操作部103は、選択画面上におけるオペレータの選択操作を操作部14より受け付けて、受け付けた操作データを監視画面処理部101へ出力する。
【0019】
監視画面処理部101は、S4で受け付けたエリアの種類を判定する(S5)。エリアの種類が「円」である場合、監視画面操作部103は、注目ポイントとして設定された航空機A10を中心とする円の半径をオペレータより受け付けて、円の半径を設定する(S6)。具体的には、円の半径を設定させる画面を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。この入力操作による円の半径の設定方法は、キーボードによる距離(円の半径)の数値入力や、2次元監視画面G1上の所望のポイントを指定(クリック)させ、注目ポイントとして設定された航空機A10との距離を円の半径としてよい。
【0020】
エリアの種類が「矩形」である場合、監視画面操作部103は、注目ポイントとして設定された航空機A10を含む矩形の辺長をオペレータより受け付けて設定する(S7)。具体的には、矩形の開始点の緯度及び経度、並びに縦及び横の距離を設定させる画面を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。この入力操作による矩形の設定方法は、キーボードによる縦横の数値入力や、2次元監視画面G1上の所望の2点を開始点と終了点として指定(クリック)させ、その開始点と終了点を角とする矩形としてよい。
【0021】
エリアの種類が「多角形」である場合、監視画面操作部103は、注目ポイントとして設定された航空機A10を含む多角形の頂点をオペレータより受け付けて設定する(S8)。具体的には、多角形の頂点を設定させる画面を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。この入力操作による多角形の設定方法は、多角形の頂点とする緯度・経度の入力や、2次元監視画面G1上の所望の点を指定(クリック)させ、その指定された点を頂点とする多角形としてよい。
【0022】
エリアの種類が「扇形」である場合、監視画面操作部103は、注目ポイントとして設定された航空機A10を中心とした扇形の半径及び中心角をオペレータより受け付けて設定する(S9)。具体的には、扇形の半径、開始角及び終了角を設定させる画面を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。この入力操作による扇形の設定方法は、扇形の半径及び中心角の数値入力や、2次元監視画面G1上の所望の2点を指定(クリック)させ、その指定された2点を扇形の円弧の開始点(開始角及び扇形の半径の設定)、終了点(終了角の設定)としてよい。
【0023】
S7、S8、S9に次いで、監視画面操作部103は、注目ポイントとして設定された航空機A10を基準として、エリアの回転角をオペレータより受け付けて設定する(S10)。具体的には、エリアの回転角を設定させる画面を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。この入力操作による回転角の設定方法は、回転角度の数値入力や、2次元監視画面G1上のポイントを指定(クリック)させ、注目ポイントとして設定された航空機A10と、指定されたポイントとを結ぶ線と、航空機A10から真下に延びる線との角度を回転角としてよい。
【0024】
以上のS6〜S10により、注目ポイントとして設定された航空機A10を含むエリアの外縁が設定されることとなる。図4の例では、エリアの種類が円である場合に、半径が設定されることで、注目ポイントとして設定された航空機A10を含む円の外縁としてエリア設定枠P2が設定されている。また、後述する図6の例では、エリアの種類が扇形である場合に、半径及び中心角が設定されることで、注目ポイントとして設定された航空機A10を中心とした扇型の外縁としてエリア設定枠P2が設定されている。
【0025】
S6、S10に次いで、監視画面操作部103は、設定されたエリアを投影する投影方向をオペレータより受け付けて設定する(S11)。具体的には、エリアを投影する投影方向を設定させる画面を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。この入力操作による投影方向の設定方法は、エリアに対する投影方向の角度の数値入力や、2次元監視画面G1上のポイントを指定(クリック)させ、注目ポイントとして設定された航空機A10と、設定されたポイントとを結ぶ方向を投影方向としてよい。図4の例では、2次元監視画面G1上のポイントを指定(クリック)させた位置に投影方向設定カーソルP3を表示させ、航空機A10を含むエリアを手前側から投影するように投影方向が設定されている。
【0026】
次いで、監視画面操作部103は、エリア内の航空機に関する表示諸元(注目ポイントとして設定された航空機A10との距離、位置(高度)誤差、速度等)について、表示の有無の選択をオペレータより受け付けて設定する(S12)。具体的には、距離、位置誤差、速度等の表示諸元ごとに、表示の有無を選択設定させる画面(例えばチェックボックスによる選択画面)を表示部15に表示させて、監視画面操作部103よりオペレータの入力操作を受け付ける。
【0027】
次いで、監視画面処理部101は、S4〜S10で設定したエリア内に含まれる航空機、建造物、地形にかかる航空機情報、建造物・地形情報を検索する(S13)。具体的には、2次元監視画面G1上で設定したエリアの外縁を緯度・経度に換算し、換算した緯度・経度内の航空機情報、建造物・地形情報を検索する。
【0028】
次いで、監視画面処理部101は、S13で検索した航空機情報、建造物・地形情報を参照し、S11で設定した投影方向でS4〜S10で設定したエリアを投影した投影図を生成する(S14)。具体的には、監視画面処理部101は、検索して得られたエリア内の航空機情報、建造物・地形情報から、エリア内の航空機、建造物、地形を3次元座標に置き換える。次いで、監視画面処理部101は、投影方向のエリア手前側に仮想光源を置き、投影方向のエリア反対側において、投影方向と直交する鉛直面に3次元座標に置き換えた航空機、建造物、地形を投影した投影図を得る。なお、ここにおける投影は、透過(透視)を許容するものとする。具体的には、投影方向の手前側に航空機、建造物、地形があったとしても、投影方向の奥側にある航空機、建造物、地形が隠れることなく、透過して投影図に表示されるものとしてよい。
【0029】
また、仮想光源は、図4の投影方向設定カーソルP3として設定された位置に置いてもよいが、本実施形態では無限遠に置くものとする。このように、投影にかかる仮想光源を無限遠におくことで、設定されたエリアに対しては平行光が投射されることから、エリア内の航空機、建造物、地形の高さ関係をそのままに(平行に)投影することができる。
【0030】
次いで、監視画面処理部101は、S14で作成した投影図を投影画面として表示部15に表示させる(S15)。具体的には、監視画面処理部101は、S14で作成した投影図を投影画面して表示させる表示情報を生成して監視画面表示部102に出力する。監視画面表示部102は、監視画面処理部101より出力された表示情報をもとに、投影画面を表示部15に表示する。この時、監視画面表示部102は、投影画面上に投影された航空機について、S12で表示が設定された表示諸元を航空機情報より読み出して、その投影された航空機に対応する位置に表示する。
【0031】
図5、図6は、投影画面G2の一例を示す概念図である。より具体的には、図5は、エリアの種類として円が設定された場合の投影画面G2の概念図であり、図6は、エリアの種類として扇形が設定された場合の投影画面G2の概念図である。図5に示すように、S15では、エリアの種類として円が設定された際の、エリア設定枠P2内を鉛直面に投影した投影画面G2が表示部15に表示される。したがって、オペレータは、投影画面G2を確認することで、エリア設定枠P2に含まれる航空機A6、A7、A8、A10、A11、A12、地形M2及び建造物M3の正確な高度関係を直感的に素早く把握することができる。同様に、エリアの種類として扇形が設定された場合には、図6に示すように、扇形のエリア設定枠P2内を鉛直面に投影した投影画面G2が表示部15に表示される。これにより、オペレータは、扇形のエリア設定枠P2に含まれる航空機A8、A10、A11の高度関係を直感的に素早く把握することができる。このように、エリアの種類を変えることで、オペレータは、所望する形状のエリア内にある航空機、建造物、地形の高度関係を確認できる。
【0032】
また、図5に示すように、S12で表示が設定された航空機A6、A7、A8、A10、A11、A12の表示諸元として、注目ポイントとして設定した航空機A10に対する距離を示す距離情報D、高度誤差情報H及び速度情報Vが表示されることから、エリア内における航空機A6、A7、A8、A10、A11、A12の状態も詳細に把握することができる。なお、注目ポイントとして設定した航空機A10に対する距離を示す距離情報Dについては、投影方向における位置関係(手前側又は奥側)に応じて表示態様を変更してよい。具体的には、航空機A10に対して投影方向の手前側にある航空機A8、A11の距離情報Dについては正三角で距離の数値を囲み、航空機A10に対して投影方向に奥側にある航空機A6、A7、A12については逆三角で距離の数値を囲む等のように、表示態様を変更してよい。
【0033】
次いで、監視画面処理部101は、管制情報処理システムから入力される航空機情報の更新の有無を判定する(S16)。具体的には、監視画面処理部101は、管制情報処理システムから入力される航空機情報をRAMなどに一時記憶しておき、次に管制情報処理システムから入力される航空機情報と、一時記憶された航空機情報とを比較することで、更新の有無を判定している。航空機情報に更新がある場合(S16:YES)、監視画面処理部101は、更新された航空機情報をもとに投影画面G2を更新するため、S13へ処理を戻す。
【0034】
航空機情報に更新がない場合(S16:NO)、監視画面操作部103は、オペレータからの操作入力を判定する(S17)。オペレータからの操作入力が「なし」の場合、投影画面G2の表示を継続するためS15へ処理を戻す。また、オペレータからの操作入力が注目ポイントとする航空機の選択を開始するための「航空機」である場合、注目ポイントとする航空機の選択に戻すため、S3へ処理を戻す。また、オペレータからの操作入力がエリアの種類の選択を開始するための「エリア種類」である場合、エリアの種類の選択に戻すため、S4へ処理を戻す。また、オペレータからの操作入力が投影方向の設定を開始するための「投影方向」である場合、投影方向の設定に戻すため、S11へ処理を戻す。また、オペレータからの操作入力が表示諸元の設定を開始するための「表示諸元」である場合、表示諸元の選択設定に戻すため、S12へ処理を戻す。また、オペレータからの操作入力が監視画面の表示を終了するための「終了」である場合は、処理を終了する。
【0035】
なお、本実施形態の航空機情報表示装置1で実行されるプログラム171は、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の航空機情報表示装置1で実行されるプログラム171は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0036】
さらに、本実施形態の航空機情報表示装置1で実行されるプログラム171を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の航空機情報表示装置1で実行されるプログラム171をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0037】
本実施形態の航空機情報表示装置1で実行されるプログラム171は、上述した各部(監視画面処理部101、監視画面表示部102、監視画面操作部103)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラム171を読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0038】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0039】
1…航空機情報表示装置、10…制御部、11…バス、12…通信I/F、13…I/O機器制御部、14…操作部、15…表示部、16…プリンタ、17…記憶部、101…監視画面処理部、102…監視画面表示部、103…監視画面操作部、171…プログラム、172…建造物・地形情報ファイル、A1〜A18…航空機、D…距離情報、G1…2次元監視画面、G2…投影画面、H…高度誤差情報、M1、M2…地形、M3…建造物、P1…選択ポイント、P2…エリア設定枠、P3…投影方向設定カーソル、V…速度情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管制空域内に存在する航空機の位置・速度を含む航空機情報と、前記管制空域内に存在する建造物・地形を示す建造物・地形情報とをもとに、前記管制空域内の航空機、建造物・地形を水平面に2次元表示する2次元監視画面を表示する2次元監視画面表示手段と、
前記2次元監視画面上の注目ポイントと、当該注目ポイントを囲む外縁と、前記外縁で囲まれた領域への投影方向とを設定する設定手段と、
前記航空機情報と、前記建造物・地形情報とをもとに、前記外縁で囲まれた領域内の航空機、建造物・地形を、前記設定された投影方向と直交する鉛直面に投影した投影画面を表示する投影画面表示手段と、
を備える航空機情報表示装置。
【請求項2】
前記投影画面表示手段は、前記設定された投影方向において無限遠にある仮想光源から前記外縁で囲まれた領域に対して平行光を投射して、前記外縁で囲まれた領域内の航空機、建造物・地形を前記鉛直面へ投影した投影画面を表示する、
請求項1に記載の航空機情報表示装置。
【請求項3】
前記投影画面表示手段は、前記航空機情報の更新に応じて前記投影画面の表示を更新する、
請求項1又は2に記載の航空機情報表示装置。
【請求項4】
前記設定手段は、円、矩形、多角形、扇型の中の一つを前記外縁の形状として設定する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の航空機情報表示装置。
【請求項5】
前記設定手段は、前記外縁で囲まれた領域内の航空機について、前記設定された注目ポイントからの距離、位置誤差、速度の中の少なくとも一つの諸元の表示を設定し、
前記投影画面表示手段は、前記航空機情報をもとに、前記投影画面に投影された航空機に対応して前記設定された諸元を表示する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の航空機情報表示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
管制空域内に存在する航空機の位置・速度を含む航空機情報と、前記管制空域内に存在する建造物・地形を示す建造物・地形情報とをもとに、前記管制空域内の航空機、建造物・地形を水平面に2次元表示する2次元監視画面を表示する2次元監視画面表示手段と、
前記2次元監視画面上の注目ポイントと、当該注目ポイントを囲む外縁と、前記外縁で囲まれた領域への投影方向とを設定する設定手段と、
前記航空機情報と、前記建造物・地形情報とをもとに、前記外縁で囲まれた領域内の航空機、建造物・地形を、前記設定された投影方向と直交する鉛直面に投影した投影画面を表示する投影画面表示手段と、
して機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−73359(P2013−73359A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211066(P2011−211066)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】