説明

航空機用の複合材継手

本発明は、積層複合材カバーと第2カバー(同様に複合材料から形成されても、されなくてもよい)との間の継手に関する。また、本発明は、斯かる継手の製造方法及び斯かる継手における使用に適した複合材カバーの製造方法に関する。積層複合材カバーは積層体を具備し、且つ実質的に全ての層がジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が該第1部分にほぼ平行に延在する第2部分と、層が前記第1部分及び前記第2部分に対して所定の角度で延在する前記第1部分と前記第2部分との間の傾斜部とを具備し、層の数が前記傾斜部の両側で実質的に同数である。第2カバーは前記複合材カバーに部分的に重なり合い、且つクランプまたは締結具は前記両カバーが重なり合っている箇所において前記両カバーを共に保持する。前記両カバーは、滑らかな空気力学的表面を形成するように互いに実質的に整列された外側面を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層複合材カバーと第2カバー(同様に複合材料から形成されても、されなくてもよい)との間の航空機用の継手に関する。また、本発明は、斯かる継手の製造方法及び斯かる継手における使用に適した複合材カバーの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウイングスキン及びその他のカバーのような部材を含む航空機の構成部品は、次第に、例えば積層材のような複合材料から作られるようになっている。リーディングエッジカバー及びトレーリングエッジカバーとウイングスキンとの間の継手に沿って設置された継目板(butt-strap)を用いて、翼のリーディングエッジカバー及びトレーリングエッジカバーをウイングスキンに固定することが知られている。これら継目板は、カバーを所定位置に固定し、且つカバーのリーディングエッジ及びトレーリングエッジがウイングスキンの対応するトレーリングエッジ及びリーディングエッジに適切に整列されることを確実なものにする。
【0003】
従来から、金属製の継目板1は、図1に断面で示されるように使用され且つ国際公開第2007/071905号に記載されるように使用されている。この継目板は、一般的に翼の内部側に向いたウイングスキンの内側成形ライン(IML)面に取り付けられる。従来技術の継目板1は、2つの水平プレート部1b、1cを連結する短い垂直部1aを備えた段付きのZ字状の外形を有する。この例において、プレート1bは、スキン2のリーディングエッジが垂直部1aに対して当接するように、航空機のウイングスキン2のIML面上に合わさる。このプレート1bは、スキン2の外側成型ライン(OML)面でスキン2内へと皿穴に埋められるように挿入されたボルト3で所定位置にボルト固定される。
【0004】
プレート1cは、カバーのリーディングエッジに固定されるべく構造体に取り付けられる。例として、D字ノーズのリーディングエッジスキン4が、ウイングカバーのリーディングエッジ5に取り付けられた状態が示される(図2)。気流6による複合材スキン2の浸食を減らすために、D字ノーズのスキン4は、通常、スキン2のリーディングエッジ5から突き出るように十分厚いものが選択される。しかしながら、空力的な浸食はそれでもまだ発生し、また増された厚みは抗力を増加させることが分かる。空力的な浸食は、複合材料が使用された時に悪化することが多い。
【0005】
また、従来技術の継目板は、鳥の衝突や同様の衝撃に損傷を受けやすい。図3は、継目板1によって取り付けられたリーディングエッジ構造(図示せず)への衝撃がどのようにボルト3に破壊的な力をもたらすかを概略的に示す。本発明は、上述した問題のうちの少なくともいくつかを改善しようとするものである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様では、複数の層の積層体を具備する積層複合材カバーであって、実質的に全ての層がジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が該第1部分にほぼ平行に延在する第2部分と、層が第1部分及び第2部分に対して所定の角度で延在する第1部分と第2部分との間の傾斜部とを具備し、層の数が傾斜部の両側で実質的に同数である積層複合材カバーと、複合材カバーに部分的に重なり合う第2カバーと、両カバーが重なり合っている箇所において両カバーを共に保持するクランプまたは締結具とを具備する、航空機用の継手において、両カバーが滑らかな空気力学的表面を形成するように互いに実質的に整列された外側面を有する、航空機用の継手が提供される。
【0007】
本発明の別の態様では、複合材カバーと第2カバーとの間の航空機用の継手の製造方法において、複数の層の積層体を具備する積層複合材カバーであって、実質的に全ての層がジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が該第1部分にほぼ平行に延在する第2部分と、層が第1部分及び第2部分に対して所定の角度で延在する第1部分と第2部分との間の傾斜部とを具備し、層の数が傾斜部の両側で実質的に同数である積層複合材カバーを提供することと、複合材カバーに第2カバーを部分的に重ね合わせることと、両カバーが重なり合っている箇所においてクランプまたは締結具で両カバーを共に保持することと、滑らかな空気力学的表面を形成するように両カバーの外側面を互いに実質的に整列させることとを含む、製造方法が提供される。
【0008】
典型的には、傾斜部の少なくとも一部を覆う複合材カバーの外側面上にプロテクターが設けられる。プロテクターは、複合材料、ゴムまたはその他の適切な材料から形成されうる。
【0009】
典型的には、プロテクターは、傾斜部の底端へ向かって相対的に厚くなり且つ傾斜部の頂端へ向かって相対的に薄くなるテーパー形状を有する。
【0010】
第2カバーは、翼、水平尾翼、垂直尾翼、または、補助翼またはフラップ等の操縦翼面のような航空機構造のリーディングエッジカバーまたはトレーリングエッジカバーを具備しうる。この場合、複合材カバーは、典型的には翼ボックスのような主要な要素の上方スキンまたは下方スキンであり、且つ第2カバーからスパーの反対側に延在する。
【0011】
或いは、第2カバーは、マンホールカバーを具備してもよい。この場合、複合材カバーは典型的には翼の下方スキンである。
【0012】
プロテクターは、両カバーが重ね合わされた後に取り付けられうるが、より好ましくは該両カバーが重ね合わされる前に取り付けられる。
【0013】
プロテクターは、接着層、該プロテクターと両カバーの一つとの同時硬化、これら方法の組み合わせ、またはその他の適切な方法によって取り付けられうる。
【0014】
好ましくは、プロテクターは該プロテクターが傾斜部を覆う位置に取り付けられる前に、テーパー形状に予め形成される。
【0015】
好ましくは、各傾斜部は第1カバーおよび第2カバーに対して11.3°以下(1/5以下)の勾配となるような角度で延在する。例として、各傾斜部は、第1カバーおよび第2カバーに対して7.1°(1/8)または5.7°(1/10)の勾配となる角度で延在してもよい。
【0016】
本発明の別の態様では、複合材カバーの製造方法において、プロテクターをテーパー形状で予め形成することと、成形型上にプロテクターを設置することと、成形型上のプロテクター上に複合材料の積層体を載置することによって少なくとも複数の層の一つが傾斜部を形成することと、複合材料の積層体を硬化させることとを含む、製造方法が提供される。典型的には積層体の複数の層の各層には傾斜部が形成され、且つ各層は典型的にはカバーをZ字状またはジョグル形状に形成する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、従来技術の継目板の構造を示す。
【図2】図2は、従来技術の継目板の構造を示す。
【図3】図3は、従来技術の継目板の構造を示す。
【図4】図4は、航空機の翼の前方スパーの斜視図である。
【図5】図5は、図4の翼における、ウイングスキンとリーディングエッジパネルとの間の継手の断面側面図である。
【図6】図6は、図4のウイングスキンを作成する方法を示す。
【図7】図7は、図6に示される方法によって製造されるウイングスキンの下側を示す。
【図8】図8は、ウイングスキンとリーディングエッジパネルとの間の別の継手の側面図である。
【図9】図9は、ゴム製のエッジプロテクターのみの側面図である。
【図10】図10は、ウイングスキンとマンホールカバーとの間のジョグル継手を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図4には、航空機の翼の前方スパーが示される。スパーは、ウェブ10、上方フランジ11、及び下方フランジ(図示せず)を具備する。スパーは、ウェブ10がフランジ11と交わる湾曲部(radius portion)10aを有する。積層複合材スキン12が、上方フランジ11に取り付けられ、且つ翼ボックス(翼の主要な構造要素)の上側境界を形成すべくスパーの後方に延在する。また、スキン12は、図4に示されるように、僅かにスパーの前方に突き出る。
スキン12は、図4に示されている外側面13と、図7に示されている内側面14とを有する。
【0019】
図6には、製造中のスキン12の詳細な構造が示されている。スキン12は、下記の工程の順序で形成される。
・エッジプロテクター22が、相対的に厚い端部から相対的に薄い縁部へと次第に細くなる楔形で予め形成される。エッジプロテクター22は、単方向の押出複合材料、ゴムから、またはエポキシ樹脂を含侵したカーボンファイバーによって予め形成され、形作りすべく引き抜き成形されてもよい。好ましくは、エッジプロテクターは、カーボンファイバー及びエポキシ樹脂が混合され且つ所望の断面形状を備えたダイを通してローラーによって引き抜かれる引き抜き成形処理によって予め形成される。ダイはエポキシ樹脂を硬化、または部分的に硬化すべく加熱せしめられるので、エッジプロテクター22がその形状を保持する。
【0020】
・銅フィルム20が、段部29の設けられた成形面28上に載置される。
・エッジプロテクター22は、図示されるように、エッジプロテクター22の厚い端部が銅フィルムの段部に接触した状態で、銅フィルム20上に配置される。エッジプロテクター22の傾斜面23は成形型上に載置される前または後に一片のフィルム接着剤FM300(図示せず)に取り付けられる。
・「プリプレグ」の第一層24が、成形型上に載置され、フィルム接着剤に付着する。「プリプレグ」の第一層24は、エポキシ樹脂マトリックスを含侵したカーボンファイバーの一方向の配列を有する。
【0021】
・(スキン12の内面を形成することになる)最終層25が載置されるまで、「プレプレグ」材の積層体が、必要に応じて繊維の方向が積層体を横断して変化した状態で、成形型上に載置される。
・真空バッグ(図示せず)が、剥離フィルムのような他の要素と随意に組み合わせられて、最終層25上に載置される。
・真空バッグと成形型との間の空間はオートクレーブ内で真空引きにされ、同時にオートクレーブはプリプレグ及びエッジプロテクター22が完全に硬化されるようにエポキシ樹脂の硬化温度よりも高い温度に加熱される。
・図7に示されるように、真空バッグ等は除去され、硬化したスキン12が残る。
【0022】
積層体は、エッジプロテクター22上の傾斜部と共に、Z字状のいわゆる「ジョグル(joggle)」外形を形成する。積層体の複数の層のそれぞれはジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が第1部分とほぼ平行に延在する第2部分と、層が第1部分及び第2部分に対して所定の角度で延在する第1部分と第2部分との間の傾斜部とを具備する。例えば、積層体の内側の層の一つは、傾斜部46の「頂端」で第1水平部分45を(この場合の頂端及び底端は、図5に示される方向に対して定義される)、傾斜部46の「底端」で第2水平部分47を具備する。
【0023】
傾斜部は、外層24及び内層25の双方に全ての内側の層と共に傾斜部26、27がそれぞれ形成されるように、積層体の全厚に亘って延在することに留意すべきである。(「アウターモールドライン」またはOMLとして知られる)スキンの外側面13の形状は、硬化処理中に外側面13が成形型と係合するので、正確に調整される。
【0024】
積層体の層の数は、傾斜部の両側で同数であることに留意すべきである。結果として、積層体の内部に、ポロシティの問題を引き起こしうる非連続の層がなくなる。
【0025】
スキン12は、スパーにボルト固定された後、図5の断面図で最も明瞭に示されるような重ね継手(lap joint)によってリーディングエッジパネル15に結合される。パネル15は同様の複合材料から形成されても、されなくてもよい。
【0026】
パネル15の内側面は、図5に示されるように、スキン12の外側面13に部分的に重ね合わされる。エッジプロテクター22とパネル15の外側面とスキン12とは、図示されるように、気流に曝される実質的に連続的な空気力学的外面を共に形成する。その後、(ボルトのような)締結具が、スキン12とパネル15とが互いに重なり合っている箇所において、線31に沿ってスキン及びパネル15に貫通せしめられる。締結具は、検査または修理の目的で継手を解体できるように、取り外しが可能である。
【0027】
エッジプロテクター22は、傾斜部とパネル15のトレーリングエッジ30との間に配置され、傾斜部26の下流側頂端でエッジ32を(図5で指示される方向に流れる)気流によって運ばれる粒子による浸食から保護する。エッジプロテクター22とパネル15のトレーリングエッジ30との間の隙間は、最終組立時にエアロフィラー(図示せず)を使用して埋められる。
【0028】
カバー12の内側面で、傾斜部の「頂端」33が、スパー11にできるだけ近く配置されるので、傾斜部は部分的にスパーの湾曲部10aに重なる(この場合の頂端と底端は、図5に示される方向に対して定義される)。これによって、カバー12のエッジ34がスパーの比較的近くに配置されることが可能となる。
【0029】
図8及び図9は、エッジプロテクターの別の形態を示す。構造のほとんどの要素は図5に示すものと同一であり、同様な要素については同一の参照番号が用いられる。この場合、エッジプロテクターは、予め形成されたゴムから作られ、且つスキン12とパネル15との間のシールを形成する。エッジプロテクターは、傾斜部を覆うテーパー付きの楔形部40と、図9で最も明瞭に示される、スキン12とパネル15との重なり合った部分間のシールを形成する尾部41とを有する。この場合、エッジプロテクターは、パネル15及びスキン12が継手を形成すべく重ね合わされる前に、接着層(図示せず)によってパネル15またはスキン12に取り付けられうる。図8にはリブ42も示されており、スキン12及びパネル15はリブ42にボルト固定される。
【0030】
好ましくは、ゴム製のエッジプロテクターは、スキン12の代わりにパネル15に予め取り付けられる。これによって、損傷または磨耗した場合に、主要な構造への影響なく部品を取り替えることができる。
【0031】
図10は、積層複合材スキン50とマンホールカバー54との間のジョグル継手を示す。複合材スキン50は航空機の翼のボトムスキンであり、且つその内面上に一連のT字状断面のストリンガーを保持し、斯かるストリンガー52の一つの一部が断面で示されている。
【0032】
マンホールカバー54が、挟持プレート53によってスキン50に挟持される。マンホールカバー54及び挟持プレート53は両方とも航空機の翼の下側から見るとほぼ楕円形である。スキン50には、挟持プレート53を受容する楕円形開口部が形成される。挟持プレート53は、スキン50の内面と係合する環状フランジ55を有する。破線で示されるゴム製のシーリングガスケット56が、フランジ55とスキン50との間の燃料密封シールを提供する。
【0033】
マンホールカバー54はその周辺部付近で、一連の締結具57によって挟持プレート53に結合される。締結具57が締め付けられると、締結具は、二つの部品53、54間にスキン50を挟持する。破線で示されるゴム製のシーリングガスケット58が、マンホールカバー54とスキン50との間の燃料密封シールを提供する。テーパー付きフィラー59が、ガスケット58とスキン50との間に提供される。
【0034】
スキン50には、図6に示されるように、スキン12と同様の態様で、ジョグル状積層体が形成される。挟持プレート53及び締結具57は共に、部品50、54が重なり合っている箇所において部品50、54を共に保持するクランプ(挟持部)として作用する。締結具57は、継手を解体できるように且つ翼の内部へのアクセスを提供するように取り外しが可能である。スキン50とマンホールカバー54とは、滑らかな空気力学的表面を形成するように、互いに実質的に整列された外側面を有する。
【0035】
リーディングエッジパネル15が一定の厚さを有する前記の実施形態と比較して、マンホールカバー54の厚さは相対的に狭いエッジ60に向かって細くなり、この細くなるテーパーはジョグルの傾斜部61の角度に追従する。ガスケット58がスキン50の外側面及びマンホールカバー54の外側面と面一に位置するように、スキン50の外側には、ガスケット58を収容し且つ段部61を備えた環状凹部が設けられる。
【0036】
ガスケット58及びテーパー付きフィラー59は共にエッジプロテクターとして作用し、気流によって運ばれる粒子による浸食からマンホールカバー54のエッジ60及びスキン50を保護する。
【0037】
本発明が、一つ以上の好ましい実施形態に関して上述されたが、添付の特許請求の範囲において定義された発明の範囲を逸脱することなく種々の変更または修正がなされうることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の層の積層体を具備する積層複合材カバーであって、実質的に全ての層がジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が該第1部分にほぼ平行に延在する第2部分と、層が前記第1部分及び前記第2部分に対して所定の角度で延在する前記第1部分と前記第2部分との間の傾斜部とを具備し、層の数が前記傾斜部の両側で実質的に同数である積層複合材カバーと、
前記複合材カバーに部分的に重なり合う第2カバーと、
前記両カバーが重なり合っている箇所において前記両カバーを共に保持するクランプまたは締結具と
を具備する、航空機用の継手において、
前記両カバーが滑らかな空気力学的表面を形成するように互いに実質的に整列された外側面を有する、航空機用の継手。
【請求項2】
前記傾斜部の少なくとも一部を覆う、前記複合材カバーの外側面上のプロテクターをさらに具備する、請求項1に記載の継手。
【請求項3】
前記プロテクターが複合材料から形成される、請求項2に記載の継手。
【請求項4】
前記プロテクターが前記傾斜部の底端へ向かって相対的に厚くなり且つ前記傾斜部の頂端へ向かって相対的に薄くなるテーパー形状を有する、請求項2または3に記載の継手。
【請求項5】
前記第2カバーが航空機の翼のリーディングエッジカバーまたはトレーリングエッジカバーを具備する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の継手。
【請求項6】
前記傾斜部の頂端が前記傾斜部の底端の後方に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の継手。
【請求項7】
前記クランプまたは前記締結具が、前記両カバーが互いに重なり合っている箇所において前記両カバーを貫通する締結具を具備する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の継手。
【請求項8】
各傾斜部は前記第1カバーおよび前記第2カバーに対して11.3°以下の勾配となるような角度で延在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の継手。
【請求項9】
スパーと、
前記スパーに取り付けられた積層複合材カバーと、
第二カバーと、
前記積層複合材カバーと前記第2カバーとの間の請求項1〜8のいずれか1項に記載の継手と
を具備する、航空機構造。
【請求項10】
複合材カバーと第2カバーとの間の航空機用の継手の製造方法において、
複数の層の積層体を具備する積層複合材カバーであって、実質的に全ての層がジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が該第1部分にほぼ平行に延在する第2部分と、層が前記第1部分及び前記第2部分に対して所定の角度で延在する前記第1部分と前記第2部分との間の傾斜部とを具備し、層の数が前記傾斜部の両側で実質的に同数である、積層複合材カバーを提供することと、
前記複合材カバーに第2カバーを部分的に重ね合わせることと、
前記両カバーが重なり合っている箇所においてクランプまたは締結具で前記両カバーを共に保持することと、
滑らかな空気力学的表面を形成するように前記両カバーの外側面を互いに実質的に整列させることと
を含む、製造方法。
【請求項11】
前記両カバーが重ね合わされる前に前記両カバーの一つにプロテクターを取り付けることをさらに含む、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記プロテクターが前記カバーに取り付けられる前に、前記プロテクターをテーパー形状で予め形成することをさらに含む、請求項11に記載の製造方法。
【請求項13】
前記プロテクターが前記複合材カバーと同時に硬化せしめられる、請求項11または12に記載の製造方法。
【請求項14】
所望の断面形状を備えたダイを通して材料を引き抜きおよび/または押し出すことによって前記プロテクターを予め形成することをさらに含む、請求項11〜13のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項15】
複合材カバーの製造方法において、
プロテクターをテーパー形状で予め形成することと、
成形型上に前記プロテクターを設置することと、
前記成形型上の前記プロテクター上に複合材料の積層体を載置することによって少なくとも複数の層の一つが傾斜部を形成することと、
前記複合材料の積層体を硬化させることと
を含む、製造方法。
【請求項16】
前記プロテクターが前記複合材料の積層体と同時に硬化される、請求項15に記載の製造方法。
【請求項17】
前記プロテクターが前記成形型上に設置される前に、前記プロテクターを少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む、請求項15または16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記プロテクターがテーパー状の断面形状を備えたダイを通して材料を引き抜きおよび/または押し出すことによって予め形成される、請求項15〜17のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項19】
実質的に全ての層がジョグルを形成すべく形作られ、各ジョグルは、第1部分と、層が該第1部分にほぼ平行に延在する第2部分と、層が前記第1部分及び前記第2部分に対して所定の角度で延在する前記第1部分と前記第2部分との間の傾斜部とを具備し、層の数が前記傾斜部の両側で実質的に同数である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−515278(P2011−515278A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501296(P2011−501296)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際出願番号】PCT/GB2009/050242
【国際公開番号】WO2009/118548
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(508305926)エアバス オペレーションズ リミティド (38)