説明

航空機用舵面駆動機構

【課題】マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化を図る。
【解決手段】アクチュエータ11は、シリンダ(21a、22a)及びロッド(21b、22b)がそれぞれ設けられたシリンダユニット(21、22)を複数有し、舵面102に対して、一端側が揺動自在に取り付けられる。リアクションリンク12の一端側が、舵面102を回転自在に支持する支点軸104に対して、揺動自在に取り付けられる。リアクションリンク12の他端側が、アクチュエータ11の他端側に対して、複数のシリンダユニット(21、22)の間において、揺動自在に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧作動式のアクチュエータとこのアクチュエータに連結されるリアクションリンクとを備えるリンク機構として設けられ、航空機の舵面を駆動する、航空機用舵面駆動機構に関する。
【背景技術】
【0002】
航空機においては、動翼(操縦翼面)として形成されて、補助翼(エルロン)、昇降舵(エレベータ)、方向舵(ラダー)、等として構成される舵面が設けられている。そして、航空機の舵面を駆動するための機構として、特許文献1及び特許文献2においては、油圧作動式のアクチュエータとこのアクチュエータに連結されるリアクションリンクとを備えるリンク機構として設けられた航空機用舵面駆動機構が開示されている。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に開示された航空機用舵面駆動機構においては、シリンダ及びロッドを有するアクチュエータの一端側が、舵面又は舵面に取付けられる部材に対して揺動自在に取り付けられる。そして、リアクションリンクの一端側が、舵面を回転自在に支持する支点軸に対して揺動自在に取り付けられる。一方、リアクションリンクの他端側が、アクチュエータの他端側に対して揺動自在に取り付けられる。
【0004】
また、特許文献2に開示されているように、リアクションリンクは、一対の直線部とこれらを連結する連結部とを備えた門型の形状に形成されている。そして、このリアクションリンクは、上記の連結部が設けられた一端側が舵面に取付けられる。また、このリアクションリンクにおける一対の直線部のそれぞれがアクチュエータのシリンダに対してその側方に配置される。更に、リアクションリンクにおける一対の直線部のそれぞれの端部として設けられた他端側がアクチュエータのシリンダに対して取り付けられる。上述した航空機用舵面駆動機構は、上記のようにリアクションリンクが設置されることにより、アクチュエータの作動に伴って舵面を安定して駆動できるとともに、アクチュエータからの出力による反力をリアクションリンクにて支持できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−87247号公報
【特許文献2】特開2010−254167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年においては、燃費向上のための機体の効率向上を目的として翼の薄型化を図る薄翼化の対応が望まれている。そして、薄翼化の対応に伴って、翼及び舵面に対して設置される航空機用舵面駆動機構の構造のコンパクト化が図られることが望まれている。とくに、航空機用舵面駆動機構において、油圧作動式のアクチュエータに対して圧油を供給及び排出するための各種バルブ機構及び各種ポートが設けられるマニホールド構造部が設置されるスペースの効率的な配置が望まれる。即ち、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置が可能となることで、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化が図られることが望ましい。
【0007】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化を図ることができる、航空機用舵面駆動機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための第1発明に係る航空機用舵面駆動機構は、油圧作動式のアクチュエータと当該アクチュエータに連結されるリアクションリンクとを備えるリンク機構として設けられ、航空機の舵面を駆動する、航空機用舵面駆動機構に関する。そして、第1発明に係る航空機用舵面駆動機構は、前記アクチュエータは、シリンダ及びロッドがそれぞれ設けられたシリンダユニットを複数有し、前記舵面に対して又は当該舵面に取り付けられた舵面側部材に対して、一端側が揺動自在に取り付けられ、前記リアクションリンクは、一端側が、前記舵面を回転自在に支持する支点軸に対して、揺動自在に取り付けられ、他端側が、前記アクチュエータの他端側に対して、複数の前記シリンダユニットの間において、揺動自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0009】
この発明によると、リアクションリンクは、一端側が、舵面側の支点軸に対して揺動自在に取り付けられ、他端側が、アクチュエータに対してその複数のシリンダユニットの間にて揺動自在に取り付けられる。このため、航空機用舵面駆動機構は、アクチュエータの作動に伴って舵面を安定して駆動できるとともに、アクチュエータからの出力による反力をリアクションリンクにて支持できる。更に、リアクションリンクの他端側がシリンダユニット間でアクチュエータに連結されるため、アクチュエータの周囲が広く開放された状態となる。即ち、従来の航空機用舵面駆動機構とは異なり、アクチュエータの周囲において、シリンダユニットの配列方向の側方のスペースと、その配列方向に垂直な方向のスペースとが広く開放された状態となる。そして、これらの開放されたスペースに、マニホールド構造部を設置することが可能となる。これにより、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置が可能となり、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化が図られることになる。
【0010】
従って、本発明によると、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化を図ることができる。
【0011】
第2発明に係る航空機用舵面駆動機構は、第1発明の航空機用舵面駆動機構において、前記アクチュエータにおける複数の前記シリンダは、一体に形成され又は一体に結合されていることを特徴とする。
【0012】
この発明によると、アクチュエータにおける複数のシリンダが一体に形成又は結合されているため、重量の増大を抑制しつつアクチュエータの剛性を向上させることができる。これにより、作動の更なる安定性が軽量な構造で効率よく確保されることになる。
【0013】
第3発明に係る航空機用舵面駆動機構は、第1発明又は第2発明の航空機用舵面駆動機構において、前記アクチュエータは、複数の前記シリンダユニットのそれぞれにおける前記ロッドを結合するとともに前記舵面又は前記舵面側部材に対して揺動自在に連結されるロッドエンド部を更に有していることを特徴とする。
【0014】
この発明によると、アクチュエータにおける複数のロッドを結合して舵面又は舵面側部材に連結されるロッドエンド部が設けられる。このため、複数のシリンダユニット間において、ロッドの位置のずれが生じて逆方向に舵面を付勢し合うフォースファイトが発生してしまうことが効率よく防止されることになる。これにより、更なる作動の安定性及び作動の同期化が効率よく達成されることになる。
【0015】
第4発明に係る航空機用舵面駆動機構は、第1発明乃至第3発明のいずれかの航空機用舵面駆動機構において、前記リアクションリンクには、前記支点軸に対して揺動自在に取り付けられる一端側の端部にかけて当該リアクションリンクの長手方向に垂直な方向である幅方向において広がるように形成された拡幅部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
この発明によると、リアクションリンクに、支点軸に取付けられる一端側、即ち舵面側にかけて幅方向に広がって断面二次モーメントが増大する拡幅部が設けられる。このため、アクチュエータから舵面側に出力が作用することで舵面側からリアクションリンクに作用する反力について、リアクションリンクにおいて、重量の増大を抑制しつつ効率よく支持することができる。
【0017】
第5発明に係る航空機用舵面駆動機構は、第1発明乃至第4発明のいずれかの航空機用舵面駆動機構において、前記リアクションリンクは、一端側の端部の2か所において、前記支点軸に対して揺動自在に取り付けられ、他端側の端部の1カ所において、前記アクチュエータの他端側に対して揺動自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0018】
この発明によると、リアクションリンクは、一端側が2か所で支点軸に連結され、他端側が1カ所でアクチュエータに連結されるため、三角形の各頂点部分において舵面側及びアクチュエータ側に連結されることになる。このため、このリアクションリンクによって、アクチュエータの出力に対して舵面を介して作用する反力を更に安定して支持可能なリンク構造が実現されることになる。
【0019】
第6発明に係る航空機用舵面駆動機構は、第5発明の航空機用舵面駆動機構において、前記アクチュエータは、一端側の2か所において、前記舵面又は前記舵面側部材に対して揺動自在に連結されることを特徴とする。
【0020】
この発明によると、リアクションリンクは、一端側が2か所で支点軸に連結され、他端側が1カ所でアクチュエータに連結される。そして、アクチュエータは、一端側が2か所で舵面側に連結される。このため、リアクションリンク及びアクチュエータは、四角錐の各頂点部分において、舵面側と舵面が回転自在に取り付けられる翼側とに対して、連結されることになる。このため、リアクションリンク及びアクチュエータに対して曲げ方向或いは捩じれ方向に作用する外力が生じた場合であっても、その外力を安定して支持可能であってその外力による変形を抑制することができるリンク構造が実現されることになる。これにより、航空機用舵面駆動機構において、重量の増大を抑制しつつ効率よく剛性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施の形態に係る航空機用舵面駆動機構が航空機の翼及び舵面に対して取り付けられた状態を示す模式図である。
【図2】図1に示す航空機用舵面駆動機構の斜視図である。
【図3】図2に示す航空機用舵面駆動機構の正面図である。
【図4】図2に示す航空機用舵面駆動機構の平面図である。
【図5】変形例に係る航空機用舵面駆動機構を模式的に示す平面図である。
【図6】変形例に係る航空機用舵面駆動機構を模式的に示す平面図である。
【図7】変形例に係る航空機用舵面駆動機構を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、以下の実施形態で例示した形態に限らず、航空機の舵面を駆動するための航空機用舵面駆動機構に関して広く適用することができるものである。
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態に係る航空機用舵面駆動機構1が航空機の翼101及び舵面102に対して取り付けられた状態を示す模式図である。図1に示す航空機用舵面駆動機構1(以下、単に「舵面駆動機構1」とも称する)は、図1にて翼101及び舵面102のみを図示して主要部の図示を省略した航空機に設置される。そして、舵面駆動機構1は、その航空機の舵面102を駆動するために用いられる。
【0025】
尚、舵面102を構成する航空機の動翼(操縦翼面)として、補助翼(エルロン)、方向舵(ラダー)、昇降舵(エレベータ)などが挙げられる。また、舵面駆動機構1は、フラップやスポイラー等として構成される舵面を駆動する機構として用いられてもよい。
【0026】
図2は、舵面駆動機構1の斜視図である。図3は、舵面駆動機構1の正面図である。図4は、舵面駆動機構1の平面図である。尚、図2乃至図4では、舵面102の一部が切り欠き状態で図示されている。図1乃至図4に示すように、舵面駆動機構1は、油圧作動式のアクチュエータ11とこのアクチュエータ11に連結されるリアクションリンク12とを備えるリンク機構として構成されている。
【0027】
アクチュエータ11は、例えば、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金、等の金属材料で形成されている。そして、アクチュエータ11は、複数(本実施形態では、2つ)のシリンダユニット(21、22)、ロッドエンド部23、等を備えて構成されている。各シリンダユニット(21、22)には、シリンダ(21a、22a)及びロッド(21b、22b)がそれぞれ設けられている。具体的には、シリンダ21a及びロッド21bがシリンダユニット21に設けられ、シリンダ22a及びロッド22bがシリンダユニット22に設けられている。
【0028】
各シリンダユニット(21、22)は、筒状の部分として構成された各シリンダ(21a、22a)の内部に対して圧油が供給及び排出されることによって作動する。尚、各シリンダ(21a、22a)に対しては、航空機に設置された油圧装置(図示せず)から圧油が供給される。また、各シリンダ(21a、22a)に対して圧油が供給及び排出されることで、軸状の部材として形成された各ロッド(21b、22b)が、各シリンダ(21a、22a)に対して伸張及び収縮して変位するように、駆動される。
【0029】
また、シリンダユニット21のシリンダ21aとシリンダユニット22のシリンダ22aとは、筒状に延びる長手方向が互いに平行に延びるように、翼101及び舵面102に対して設置されている。そして、シリンダ21a及びシリンダ22aは、それらの間に設けられる架橋部24を介して一体に形成されている。即ち、アクチュエータ11における複数のシリンダ(21a、22a)は、一体に形成されている。
【0030】
尚、本実施形態では、複数のシリンダ(21a、22a)及び架橋部24が一体に形成された形態を例にとって説明しているが、この通りでなくてもよい。複数のシリンダ(21a、22a)が、別体に形成された形態が実施されてもよい。また、別体に形成された複数のシリンダ(21a、22a)が、ブロック状の別部材として形成された架橋部によって、一体に結合された形態が実施されてもよい。
【0031】
また、シリンダユニット21には、シリンダ21aの側方に設置されたマニホールド構造部25aが設けられている。同様に、シリンダユニット22には、シリンダ22aの側方に設置されたマニホールド構造部25bが設けられている。各マニホールド構造部(25a、25b)には、各シリンダ(21a、22a)の内部に対する圧油の供給及び排出を制御するための制御弁等の各種バルブ機構、圧油が通過する各種ポート及び各種油路、等が設けられている。尚、マニホールド構造部(25a、25b)は、図2では図示が省略され、図4では二点鎖線で模式的に図示されている。
【0032】
ロッドエンド部23は、複数のシリンダユニット(21、22)のそれぞれにおけるロッド(21b、22b)を結合する一体のブロック状の部材として設けられている。具体的には、ロッドエンド部23は、ロッド21bにおけるシリンダ21aから突出した先端側の端部と、ロッド21bにおけるシリンダ22aから突出した先端側の端部とに対して固定されている。これにより、ロッドエンド部23は、ロッド21bとロッド22bとを架橋するように設置されるとともに、これらのロッド(21b、22b)の端部を互いに固定するように連結している。
【0033】
また、ロッドエンド部23には、複数(本実施形態では、2つ)の回転連結部23aが一体に設けられている。各回転連結部23aは、円筒状の摺動用部材としてのブッシュ、或いは、軸受を保持している。そして、各回転連結部23aは、舵面102に取り付けられた円柱状の揺動軸103に対して、上記のブッシュ或いは軸受を介して回転自在に取り付けられている。また、各回転連結部23aは、円柱状に延びる各ロッド(21b、22b)の軸線方向の延長線上に設けられている。
【0034】
上記のように、ロッドエンド部23は、各ロッド(21b、22b)の端部に対応する位置に設置された2つの回転連結部23aが設けられていることで、舵面102に対して揺動自在に連結されている。これにより、アクチュエータ11は、舵面102に対して、ロッド(21b、22b)の先端側であってロッドエンド部23が設けられる側である一端側が揺動自在に取り付けられている。そして、アクチュエータ11は、一端側の2か所において、舵面102に対して揺動自在に連結されている。
【0035】
リアクションリンク12は、アクチュエータ11からの出力が舵面102に出力された際に、この出力による舵面102からの反力を支持する部材として設けられている。そして、リアクションリンク12は、翼101に対して揺動する可動側の舵面102が受ける負荷が、舵面102が揺動自在に支持される固定側の翼101に対して、直接に影響しないようにするために設けられている。
【0036】
リアクションリンク12は、例えば、チタン合金、アルミニウム合金、ステンレス合金、等の金属材料で形成されている。尚、リアクションリンク12は、金属材料で形成されていなくてもよく、繊維強化プラスチックで形成されていてもよい。また、リアクションリンク12は、金属材料と繊維強化プラスチックとが組み合わされて形成されていてもよい。
【0037】
リアクションリンク12は、軸部26、拡幅部27、アクチュエータ取付部28、複数(本実施形態では、2つ)の支点軸取付部(29、29)、等を備えて構成されている。そして、リアクションリンク12には、アクチュエータ取付部28、軸部26、拡幅部27及び複数の支点軸取付部(29、29)が、この配列の順番で直列に設けられている。これらの要素(28、26、27、29)の配列方向が、リアクションリンク12の長手方向を構成している。
【0038】
軸部26は、直線状に延びる軸状の構造部分として設けられている。そして、本実施形態では、軸部26における長手方向に垂直な断面の形状は、一対で平行に設けられてそれぞれ断面が略長方形に形成された幅狭の平板状の部分が、それらの幅方向の中央でそれらに略垂直に設けられた厚肉の板状の部分で結合された形状として、構成されている。このような断面形状に形成されていることで、軸部26は、断面二次モーメントを効率よく確保し、重量増大を抑制しつつ高い剛性を確保できるように構成されている。尚、軸部26の形状は、上記の通りでなくてもよい。例えば、軸部26の形状が、円柱状、円筒状、角柱状、角筒状、等の種々の形状であってもよい。
【0039】
また、軸部26の両側方のスペースには、マニホールド構造部(25a、25b)がそれぞれ配置されている。即ち、軸部26は、シリンダ21aに設置されたマニホールド構造部25aと、シリンダ22aに設置されたマニホールド構造部25bとの間に配置されている。
【0040】
2つの支点軸取付部(29、29)は、それぞれ、舵面102を翼101側に対して回転自在に支持する支点軸104に対して取り付けられる部分として設けられている。各支点軸取付部29は、円筒状の摺動用部材としてのブッシュ、或いは、軸受を保持している。そして、各支点軸取付部29は、支点軸104に対して、上記のブッシュ或いは軸受を介して回転自在に取り付けられている。また、各支点軸取付部29は、ロッドエンド部23の各回転連結部23aに対向する位置に設置されている。
【0041】
上記により、リアクションリンク12は、2つの支点軸取付部(29、29)が設けられる一端側が、支点軸104に対して、揺動自在に取り付けられている。即ち、リアクションリンク12は、一端側の端部の2か所において、支点軸104に対して揺動自在に取り付けられている。
【0042】
尚、舵面102は、支点軸104を介して、或いは、支点軸104と同一軸線上に設置された軸部材を介して、翼101に対して回転自在に支持されている。また、支点軸104と揺動軸103とは、軸方向が互いに平行に延びるように設けられている。そして、支点軸104と揺動軸103との間の距離寸法は、アクチュエータ11の作動によって支点軸104を中心として揺動させて舵面102を駆動するために必要なトルクアーム長さを確保できるように、適宜設定されている。
【0043】
拡幅部27は、リアクションリンク12において、支点軸取付部29と軸部26との間の部分として設けられている。そして、拡幅部27は、軸部26と同一軸線上に沿って延びるように設けられている。また、この拡幅部27は、リアクションリンク12における支点軸104に対して揺動自在に取り付けられる一端側の端部にかけてこのリアクションリンク12の長手方向に垂直な幅方向において広がるように形成された部分として設けられている。
【0044】
また、本実施形態では、拡幅部27には、一対の平板状部分(27a、27b)と連結部分27cとが設けられている。一対の平板状部分(27a、27b)は、それぞれ平板状に形成されるとともに互いに平行に広がるように設けられた部分として構成されている。また、各平板状部分(27a、27b)には、リアクションリンク12の一端側にかけて二等辺三角形状に幅方向に広がるように形成された部分と、等幅で延びる部分とが設けられている。尚、各平板状部分(27a、27b)において等幅で延びる部分は、二等辺三角形状の部分と支点軸取付部29との間に設けられている。そして、この等幅で延びる部分は、二等辺三角形状に広がった部分の底辺部分の幅寸法のまま等幅でリアクションリンク12の一端側に向かって延びるように構成されている。
【0045】
拡幅部27における連結部分27cは、平行に設けられた一対の平板状部分(27a、27b)のそれぞれに対してそれらの幅方向の中央で略垂直に接続された厚肉の板状の部分として設けられている。そして、連結部分27cは、上記のように設けられることで、一対の平板状部分(27a、27b)を一体に連結するように構成されている。尚、拡幅部27の形状については、上記の通りでなくてもよい。例えば、各平板状部分が、二等辺三角形状に幅方向に広がる部分のみで構成された拡幅部を有するリアクションリンクが実施されてもよい。また、リアクションリンク12の長手方向に垂直な断面の形状が長方形に形成されるとともにその長方形の長辺の長さが一端側に向かって長くなるように形成された拡幅部が設けられたリアクションリンクが実施されてもよい。
【0046】
アクチュエータ取付部28は、アクチュエータ11におけるロッドエンド部23が設けられる一端側と反対側の他端側に対して揺動自在に取り付けられる部分として設けられている。アクチュエータ取付部28は、円筒状の摺動用部材としてのブッシュ、或いは軸受を保持している。そして、アクチュエータ取付部28は、アクチュエータ11とリアクションリンク12とを互いに回転自在に連結する円柱状のピン部材として設けられた連結軸30に対して、上記のブッシュ或いは軸受を介して回転自在に取り付けられている。
【0047】
また、アクチュエータ取付部28は、連結軸30に対して軸方向における略中央部分で回転自在に取り付けられている。そして、連結軸30における軸方向の両端側に対しては、シリンダ(21a、22a)の他端側(ロッド(21b、22b)が突出する一端側とは反対側)の端部から更に他端側に突出する連結部(31、31)が、固定されて連結されている。即ち、連結軸30の軸方向における一方の端部には、シリンダ21aの他端側の端部から突出する連結部31が固定されている。そして、連結軸30の軸方向における他方の端部(上記の一方の端部に対してアクチュエータ取付部28を介した反対側の端部)には、シリンダ22aの他端側の端部から突出する連結部31が固定されている。尚、連結軸30に対しては、アクチュエータ取付部28が固定されるとともに連結部(31、31)が回転自在に連結されていてもよい。また、アクチュエータ取付部28及び連結部(31、31)の両方ともに連結軸30に対して回転自在に取り付けられていてもよい。
【0048】
また、アクチュエータ11には、架橋部24において、各シリンダユニット(21、22)と平行に延びるとともにアクチュエータ11の他端側に向かって端部が開放されるように切込み状に形成された溝24aが設けられている。この溝24aの内側には、アクチュエータ11に対してアクチュエータ取付部28で取り付けられるリアクションリンク12における軸部26の一部が挿入された状態で配置される。
【0049】
上記のように構成されることで、リアクションリンク12は、アクチュエータ取付部28が設けられる他端側が、アクチュエータ11の他端側に対して、複数のシリンダユニット(21、22)の間において、揺動自在に取り付けられている。そして、リアクションリンク12は、他端側の端部の1カ所において、アクチュエータ11の他端側に対して揺動自在に取り付けられている。尚、アクチュエータ11及びリアクションリンク12は、連結軸30を介して、或いは、連結軸30と同一軸線上に設置された軸部材を介して、翼101に対して回転自在に支持されている。
【0050】
次に、舵面駆動機構1の作動について説明する。舵面102の駆動が行われる際には、図示しないコントローラからの指令に基づいて油圧装置が作動し、アクチュエータ11の各シリンダユニット(21、22)における各シリンダ(21a、22a)に対して圧油の供給及び排出が行われる。この圧油の給排に伴って、各ロッド(21b、22b)が各シリンダ(21a、22a)に対して伸張及び収縮する変位を行うことになる。
【0051】
上記により、連結軸30を中心として揺動可能なアクチュエータ11におけるロッド(21b、22b)の一端側が固定されたロッドエンド部23から付勢されて、舵面102が駆動されることになる。そして、前述のように、リアクションリンク12は、一端側が支点軸104に対して、他端側が連結軸30に対して、それぞれ揺動自在に取り付けられている。このため、舵面102が、支点軸104を中心として揺動して駆動されることになる。
【0052】
以上説明したように、舵面駆動機構1によると、リアクションリンク12は、一端側が、舵面102側の支点軸104に対して揺動自在に取り付けられ、他端側が、アクチュエータ11に対してその複数のシリンダユニット(21、22)の間にて揺動自在に取り付けられる。このため、舵面駆動機構1は、アクチュエータ11の作動に伴って舵面102を安定して駆動できるとともに、アクチュエータ11からの出力による反力をリアクションリンク12にて支持できる。
【0053】
更に、舵面駆動機構1は、リアクションリンク12の他端側がシリンダユニット(21、22)間でアクチュエータ11に連結されるため、アクチュエータ11の周囲が広く開放された状態となる。即ち、従来の航空機用舵面駆動機構とは異なり、舵面駆動機構1は、アクチュエータ11の周囲において、シリンダユニット(21、22)の配列方向の側方のスペースと、その配列方向に垂直な方向のスペースとが広く開放された状態となる。そして、これらの開放されたスペースに、マニホールド構造部(25a、25b)を設置することが可能となる。尚、本実施形態では、シリンダユニット(21、22)の配列方向に垂直な方向のスペースにマニホールド構造部(25a、25b)が設置された形態が、例示されている。上記により、本実施形態によると、マニホールド構造部(25a、25b)の設置スペースの効率的な配置が可能となり、舵面駆動機構1の全体としてのコンパクト化が図られることになる。
【0054】
従って、本実施形態によると、マニホールド構造部(25a、25b)の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構1の全体としてのコンパクト化を図ることができる。
【0055】
また、舵面駆動機構1によると、アクチュエータ11における複数のシリンダ(21a、22a)が一体に形成されているため、重量の増大を抑制しつつアクチュエータ11の剛性を向上させることができる。これにより、作動の更なる安定性が軽量な構造で効率よく確保されることになる。
【0056】
また、舵面駆動機構1によると、アクチュエータ11における複数のロッド(21b、22b)を結合して舵面102に揺動軸103を介して連結されるロッドエンド部23が設けられる。このため、複数のシリンダユニット(21、22)間において、ロッド(21b、22b)の位置のずれが生じて逆方向に舵面102を付勢し合うフォースファイトが発生してしまうことが効率よく防止されることになる。これにより、更なる作動の安定性及び作動の同期化が効率よく達成されることになる。
【0057】
また、舵面駆動機構1によると、リアクションリンク12に、支点軸104に取付けられる一端側、即ち舵面102側にかけて幅方向に広がって断面二次モーメントが増大する拡幅部27が設けられる。このため、アクチュエータ11から舵面102側に出力が作用することで舵面102側からリアクションリンク12に作用する反力について、リアクションリンク12において、重量の増大を抑制しつつ効率よく支持することができる。尚、拡幅部27は、リアクションリンク12における一端側に設けられるため、リアクションリンク12の他端側に設けられた軸部26の側方において、開放されたスペースが確保されることになる。このため、マニホールド構造部(25a、25b)の設置スペースの効率的な配置が阻害されてしまうことも防止される。
【0058】
また、舵面駆動機構1によると、リアクションリンク12は、一端側が2か所で支点軸104に連結され、他端側が1カ所でアクチュエータ11に連結されるため、三角形の各頂点部分においてアクチュエータ11側及び舵面102側に連結されることになる。即ち、リアクションリンク12は、三角形の各頂点部分であるアクチュエータ取付部28及び2つの支点軸取付部(29、29)においてアクチュエータ11側及び舵面102側に連結されることになる。このため、このリアクションリンク12によって、アクチュエータ11の出力に対して舵面102を介して作用する反力を更に安定して支持可能なリンク構造が実現されることになる。
【0059】
また、舵面駆動機構1によると、リアクションリンク12は、一端側が2か所で支点軸104に連結され、他端側が1カ所でアクチュエータ11に連結される。そして、アクチュエータ11は、一端側が2か所で舵面102側に連結される。このため、リアクションリンク12及びアクチュエータ11は、四角錐の各頂点部分において、舵面102側と舵面102が回転自在に取り付けられる翼101側とに対して、連結されることになる。即ち、リアクションリンク12及びアクチュエータ11は、四角錐の5つの頂点部分である、2つの支点軸取付部(29、29)、2つの回転連結部(23a、23a)、及びアクチュエータ取付部28、において、舵面102側及び翼101側に連結されることになる。このため、リアクションリンク12及びアクチュエータ11に対して曲げ方向或いは捩じれ方向に作用する外力が生じた場合であっても、その外力を安定して支持可能であってその外力による変形を抑制することができるリンク構造が実現されることになる。これにより、舵面駆動機構1において、重量の増大を抑制しつつ効率よく剛性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0061】
(1)前述の実施形態では、アクチュエータの一端側が舵面に対して揺動自在に取り付けられる形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、アクチュエータの一端側が、舵面に取付けられた舵面側部材に対して揺動自在に取り付けられる形態が実施されてもよい。尚、舵面側部材としては、舵面に固定されるとともに舵面からアーム状に突出するように設けられる部材等が用いられる。
【0062】
(2)前述の実施形態では、シリンダユニットの配列方向に垂直な方向のスペースにマニホールド構造部が設置された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、シリンダユニットの配列方向の側方のスペースにマニホールド構造部が設置された形態が実施されてもよい。
【0063】
(3)前述の実施形態では、アクチュエータにおける複数のロッドを結合するロッドエンド部が設けられた形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。アクチュエータにおける複数のロッドのそれぞれが、揺動軸に対して個別に回転自在に連結されている形態が、実施されてもよい。
【0064】
(4)前述の実施形態では、アクチュエータとリアクションリンクとが、円柱状のピン部材として設けられた連結軸を介して連結された形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、リアクションリンクの他端側の端部において、円柱状の部分として形成された突起状の軸部分が、一対で幅方向の両側に突出するように設けられ、この一対の軸部分に対して、アクチュエータの各シリンダユニットにおける各シリンダが回転自在に取り付けられていてもよい。
【0065】
(5)リアクションリンクの形状は、前述の実施形態で例示された形状に限らず、種々変更されて実施されてもよい。図5は、リアクションリンクの形状に関する変形例に係る航空機用舵面駆動機構2(以下、単に「舵面駆動機構2」とも称する)を模式的に示す平面図である。また、図6は、リアクションリンクの形状に関する他の変形例に係る航空機用舵面駆動機構3(以下、単に「舵面駆動機構3」とも称する)を模式的に示す平面図である。尚、図5及び図6の変形例に係る舵面駆動機構(2、3)の説明においては、前述の実施形態と異なる構成についてのみ説明し、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、説明を省略する。
【0066】
図5に示す舵面駆動機構2においては、リアクションリンク41は、軸部41a、分岐部41b、アクチュエータ取付部28、2つの支点軸取付部(29、29)、を備えて構成されている。リアクションリンク41は、前述の実施形態のリアクションリンク12とは異なり、拡幅部が設けられていない。そして、このリアクションリンク41は、リアクションリンク12の軸部26と断面形状が同様に形成された軸部41aが、一端側の端部から他端側の端部にかけて延びるように設けられている。
【0067】
また、リアクションリンク41の軸部41aにおける一端側の端部には、軸部41aと2つの支点軸取付部(29、29)とを連結する分岐部41bが設けられている。分岐部41bは、軸部41aに対して、軸部41aの長手方向に略直交する方向に向かって二手に分岐し、分岐した各先端側において、各支点軸取付部29に対して一体に連結されている。
【0068】
図6に示す舵面駆動機構3においては、リアクションリンク42は、軸部42a、アクチュエータ取付部28、支点軸取付部29、を備えて構成されている。リアクションリンク42は、図5に示す舵面駆動機構2のリアクションリンク41とは異なり、支点軸取付部29が1つのみ設けられており、分岐部が設けられていない。そして、このリアクションリンク42は、リアクションリンク41の軸部41aと同様に形成された軸部42aが、一端側の端部から他端側の端部にかけて延び、支点軸取付部29とアクチュエータ取付部28とを一体に連結するように構成されている。
【0069】
上述した変形例によっても、前述の実施形態と同様に、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化を図ることができる。
【0070】
(6)前述の実施形態では、アクチュエータにおけるシリンダユニットが2つ設けられ、リアクションリンクが1つ設けられた形態の航空機用舵面駆動機構を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。アクチュエータにおけるシリンダユニットが3つ以上設けられた形態の航空機用舵面駆動機構が実施されてもよい。また、リアクションリンクが2つ以上設けられた形態の航空機用舵面駆動機構が実施されてもよい。
【0071】
図7は、シリンダユニット及びリアクションリンクの設置数に関する変形例に係る航空機用舵面駆動機構4(以下、単に「舵面駆動機構4」とも称する)を模式的に示す平面図である。尚、図7の変形例に係る舵面駆動機構4の説明においては、前述の実施形態及び変形例と異なる構成についてのみ説明し、前述の実施形態及び変形例と同様に構成される要素については、図面において同一の符号を付すことで、説明を省略する。
【0072】
図7に示す舵面駆動機構4には、2つのリアクションリンク(42、42)が備えられている。舵面駆動機構4における各リアクションリンク42は、図6に示す舵面駆動機構3のリアクションリンク42と同様に構成されている。そして、2つのリアクションリンク(42、42)は、それらの長手方向が互いに平行に延びるように設置されている。
【0073】
また、舵面駆動機構4におけるアクチュエータ11aには、3つのシリンダユニット(21、43、22)が備えられている。そして、舵面駆動機構4における各シリンダユニット(21、43、22)のそれぞれは、前述の実施形態の舵面駆動機構1の各シリンダユニット(21、22)のそれぞれと同様に構成されている。即ち、シリンダユニット43のシリンダ43a及びロッド43bは、シリンダユニット(21、22)のシリンダ(21a、22a)及びロッド(21b、22b)と同様に構成されている。
【0074】
そして、舵面駆動機構4においては、シリンダユニット(21、22)の間に、これらと平行にシリンダユニット43が設置されている。また、シリンダユニット21のシリンダ21aとシリンダユニット43のシリンダ43aとは、架橋部24を介して一体に形成されている。更に、シリンダユニット22のシリンダ22aとシリンダユニット43のシリンダ43aとは、架橋部24を介して一体に形成されている。これにより、舵面駆動機構4のアクチュエータ11aにおいては、3つのシリンダ(21a、43a、22a)が一体に形成されている。
【0075】
また、2つのリアクションリンク(42、42)のうちの一方のリアクションリンク42の他端側は、アクチュエータ11aの他端側に対して、2つのシリンダユニット(21、43)の間において、揺動自在に取り付けられている。そして、2つのリアクションリンク(42、42)のうちの他方のリアクションリンク42の他端側は、アクチュエータ11aの他端側に対して、2つのシリンダユニット(43、22)の間において、揺動自在に取り付けられている。
【0076】
また、舵面駆動機構4のアクチュエータ11aにおいては、3つのシリンダユニット(21、43、22)のそれぞれにおけるロッド(21b、43b、22b)を結合する一体のブロック状の部材であるロッドエンド部44が備えられている。そして、ロッドエンド部44は、各ロッド(21b、43b、33b)の端部に対応する位置に設置された3つの回転連結部が設けられていることで、舵面102に対して揺動自在に連結されている。尚、ロッドエンド部44における各回転連結部は、前述の実施形態に係る舵面駆動機構1のロッドエンド部23における各回転連結部23aと同様に構成されている。
【0077】
上述した変形例によっても、前述の実施形態と同様に、マニホールド構造部の設置スペースの効率的な配置を可能とし、航空機用舵面駆動機構の全体としてのコンパクト化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、航空機の舵面を駆動するための航空機用舵面駆動機構に関して広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0079】
1 航空機用舵面駆動機構
11 アクチュエータ
12 リアクションリンク
21、22 シリンダユニット
21a、22a シリンダ
21b、22b ロッド
102 舵面
104 支点軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧作動式のアクチュエータと当該アクチュエータに連結されるリアクションリンクとを備えるリンク機構として設けられ、航空機の舵面を駆動する、航空機用舵面駆動機構であって、
前記アクチュエータは、シリンダ及びロッドがそれぞれ設けられたシリンダユニットを複数有し、前記舵面に対して又は当該舵面に取り付けられた舵面側部材に対して、一端側が揺動自在に取り付けられ、
前記リアクションリンクは、一端側が、前記舵面を回転自在に支持する支点軸に対して、揺動自在に取り付けられ、他端側が、前記アクチュエータの他端側に対して、複数の前記シリンダユニットの間において、揺動自在に取り付けられていることを特徴とする、航空機用舵面駆動機構。
【請求項2】
請求項1に記載の航空機用舵面駆動機構であって、
前記アクチュエータにおける複数の前記シリンダは、一体に形成され又は一体に結合されていることを特徴とする、航空機用舵面駆動機構。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の航空機用舵面駆動機構であって、
前記アクチュエータは、複数の前記シリンダユニットのそれぞれにおける前記ロッドを結合するとともに前記舵面又は前記舵面側部材に対して揺動自在に連結されるロッドエンド部を更に有していることを特徴とする、航空機用舵面駆動機構。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の航空機用舵面駆動機構であって、
前記リアクションリンクには、前記支点軸に対して揺動自在に取り付けられる一端側の端部にかけて当該リアクションリンクの長手方向に垂直な方向である幅方向において広がるように形成された拡幅部が設けられていることを特徴とする、航空機用舵面駆動機構。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の航空機用舵面駆動機構であって、
前記リアクションリンクは、
一端側の端部の2か所において、前記支点軸に対して揺動自在に取り付けられ、
他端側の端部の1カ所において、前記アクチュエータの他端側に対して揺動自在に取り付けられていることを特徴とする、航空機用舵面駆動機構。
【請求項6】
請求項5に記載の航空機用舵面駆動機構であって、
前記アクチュエータは、一端側の2か所において、前記舵面又は前記舵面側部材に対して揺動自在に連結されることを特徴とする、航空機用舵面駆動機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−250600(P2012−250600A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−123906(P2011−123906)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)