説明

航行体用ポッド

【課題】航行体用ポッドの全体の大きさを小型化且つ軽量化することにより、航行体の航行安定性を一層良好にする一方で、安価に製作できる航行体用ポッドを提供すること。
【解決手段】航行体用ポッド10は、航行体に付属して設けられる航行体用ポッドにおいて、筒状空間部aを形成した中空胴体部13を備えたポッド本体11と、中空胴体部aの胴体壁13aに配置された電子機器14と、胴体壁13a内に設けられ、電子機器14からの発熱を前記筒状空間部a側へ放熱する熱交換器15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機等の航行体の付属ポッドとして用いられるもので、特に、付属ポッド内に設置される電子機器からの発生熱を効率よく放熱する航行体用ポッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の航行体用ポッドは、航空機本体側に搭載される電子機器等の付属機器以外に、特別に機器の増設をしなければならない場合に、この特別の機器を航空機本体側に設置するには設置スペースや機器からの発熱に対する放熱性を考慮する必要がある。そこで、航空機本体の付属装置として、これらの電子機器類を航空機本体とは別の航行体用ポッドを設け、この航行体用ポッドに放熱を伴う電子機器類を収納設置して対応することができるようになされている。
【0003】
従来のこの種の航行体用ポッドとして、このポッド内部に独立構成の冷却装置を設け、運用時における電子機器からの放熱を必要に応じて吸収させ、電子機器の異常温度上昇を防止して電子機器の信頼性が保持されるようになされたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図7は、従来の航行体用ポッド1(特許文献1)の一部を断面して示す概要図である。
【0005】
図7に示す航行体用ポッド1は、ポッド壁体2内において設置される電子機器3に対して、この電子機器3側からの発熱(自己発熱成分)を吸収し、ポッド壁体2を介してこのポッド壁体2の外側を流れる外気Aと熱交換させることのできる冷却装置4が設けられる。
【0006】
この冷却装置4は、ポッド壁体2内の図示しない任意の位置に設置される電子機器3側から放熱する熱成分を冷媒により直接吸収する第1の熱交換器5と、熱交換した熱成分を含む冷媒を断熱圧縮するコンプレッサ6と、このコンプレッサ6により断熱圧縮された高圧液冷媒に含まれる熱成分を放熱する第2の熱交換器7と、この第2の熱交換器7により放熱された高圧液冷媒を第1の熱交換器5にて断熱膨張させて、最初のサイクルに戻り電子機器3側から放熱する熱成分を吸収させる膨張弁8とにより構成される。
【0007】
このように構成された冷却装置4は、第1の熱交換器5および第2の熱交換器7による熱交換効率が良好であればあるほど電子機器3からの放熱に対して効率よく熱成分を吸収させることができる。
【特許文献1】特開2001−97285号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の航行体用ポッド1によれば、電子機器3側から放熱する熱成分は、冷却装置4によりポッド壁体2外へ放熱されることにより、電子機器3は自己発熱による異常温度上昇が抑えられ、電子機器3の故障や誤作動を未然に防止することができるものであるが、冷却装置4をポッド壁体2内の設置するにあたっては、装置が大掛かりなることから、航行体用ポッド1の全体が大型化し、航行体の航行中における安全且つ航行安定性にも悪影響が出る虞があった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、航行体用ポッド1の全体の大きさを小型化且つ軽量化することにより、航行体の航行安定性を一層良好にする一方で、安価に製作できる航行体用ポッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明によれば、航行体に付属して設けられる航行体用ポッドにおいて、筒状空間部を形成したポッド本体と、このポッド本体の胴体壁に配置された電子機器と、前記胴体壁内に設けられ、前記電子機器からの発熱を前記筒状空間部側へ放熱する熱交換器とを備えたことを特徴とする航行体用ポッドを提供する。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明によれば、航行体に付属して設けられる航行体用ポッドにおいて、筒状空間部を形成したポッド本体と、このポッド本体の胴体壁に配置された電子機器と、前記胴体壁内に設けられ、前記電子機器からの発熱を前記筒状空間部側へ放熱する熱交換器と、前記ポッド本体の筒状空間部に設けられ、当該筒状空間部側内壁と所要の間隔をとり、且つ前記筒状空間部の長手方向に沿って設けられる中心胴体とを備えたことを特徴とする航行体用ポッドを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、航行体用ポッドの全体の大きさを小型化且つ軽量化することにより、航行体の航行安定性を一層良好にする一方で、安価に製作できる航行体用ポッドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明に係る航行体用ポッドの実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0014】
[第1の実施形態(図1〜図4)]
図1は、本発明の航行体用ポッド10の第1の実施形態の概要を示す側面図である。図2は、本発明の航行体用ポッド10の第1の実施形態の概要を示す正面図である。図3は、図1のA−A線に沿う一部縦断側面図である。また、図4は、図2のB−B線に沿う横断面である。
【0015】
航行体用ポッド10は、図1および図2に示すように、円筒状のポッド本体11と、このポッド本体11を図示しない航行体に取り付けるための脚部12とを備えている。
【0016】
ポッド本体11は、図2に示す内部に筒状空間部aを形成した中空胴体部13と、図3に示す中空胴体部13内に設置された、例えば電子素子の結合体である板状の電子機器14と、この電子機器14の板状面に熱伝導的に接合され、電子機器14にて発生する熱成分(自己発熱成分)を筒状空間部a側に放熱する熱交換器15と、中空胴体部13側に支持され、筒状空間部a内に設けられる流線形状をなした中心胴体16とから構成される。
【0017】
中空胴体部13に形成された筒状空間部aは、図3に示すように、ポッド本体11の長手方向に亘り長尺のもので、熱交換器15からの放熱を吸収し得る外気zを取り込める程度の大きさに形成される。中空胴体部13の胴体壁13aは、所定の厚さtを有し、この厚さt内に電子機器14が設けられる。
【0018】
符号17aは、中空胴体部13の胴体壁13aの側面部に設けた開口部11aで、この開口部11a側から電子機器14が胴体壁13a側に着脱できるように取り付けられるものである。また、符号17は開口部11aに開閉自在に取り付けられる開閉蓋である。この開閉蓋17は、航行体用ポッド10が航行体に搭載され、航行中における振動や風圧を受けた際に脱落することがないように取り付けられる。
【0019】
また、中空胴体部13には、胴体壁13a側から筒状空間部a側へ複数、例えほぼ同じ長さの3つの支柱13bが設けられ、これらの支柱13bの先端部に中心胴体16が支持されて設けられる。
【0020】
電子機器14は、図3および図4に示すように、中空胴体部13の胴体壁13a内において筒状空間部aに近い側に設置される。
【0021】
熱交換器15は、電子機器14の板状面に熱伝導的に接合された板状の熱伝導基台18と、この熱伝導基台18の板状面と電子機器14の板状面同士を面接触させて一体的に設けられる。また、熱交換器15には筒状空間部a側に突出する放熱フィン19が設けられ、この放熱フィン19を介して中空胴体部13の筒状空間部a側に放熱することができる構成になっている。放熱フィン19は、具体的には、図4に示すように、平板状のフィン部19aがポッド本体11の筒状空間部aの横断面方向に重層状に設けられて構成される。
【0022】
中空胴体部13に設けられた3つの支柱13bに支持される中心胴体16は、図1および図2に示すように、筒状空間部aのほぼ中心に位置し、筒状空間部aに取り込まれる外気xの整流作用が得られるように設けられる。
【0023】
次に、航行体用ポッド10の作用を図1〜図4を参照して説明する。
【0024】
航行体用ポッド10は、航行体の航行中において、複数の電子機器14が作動する。この複数の電子機器14が作動すると、この複数の電子機器14特有の発熱(自己発熱)作用が生じる。この発熱は、複数の電子機器14に熱伝導的に接合した熱伝導基台18を介して、複数設けられる放熱フィン19から放熱する。そして、この放熱は、航行体が航行中において、図3に示すように、例えば矢印y方向に移動した際に、中空胴体部13の筒状空間部a内へ外気xが取り込まれる。
【0025】
次に、中空胴体部13の筒状空間部a内に取り込まれ、この筒状空間部a内を通過する外気xの作用について更に詳述する。
【0026】
中空胴体部13の筒状空間部a内を通過する外気xは、台風等による風向きの変化や旋回航行する場合には、図3に示す航行体の航行方向(矢印y方向)と異なる方向から外気xが取り込まれる。このような場合には、筒状空間部a内を流れる外気zの風量や風向が変化した場合にでも、中心胴体16の外気xの整流作用により、航行体用ポッド10全体が受ける風圧変化の影響をほとんど受けない。従って、中空胴体部13の筒状空間部aに取り込まれる外気zの風量や風圧が大きく変化することはなく、筒状空間部aを通過しようとする外気xは、安定して熱交換器15に対して熱交換が行われる。
【0027】
このように、熱交換器15により、電子機器14に対する安定的な熱交換により、航行体用ポッド10を装着した航行体が、通常の航行状態にある他、旋回航行したり、更には台風のような異常な風圧を受ける環境下での航行にも航行体として受ける風圧の航行上の悪影響も調整することができる。
【0028】
航行体用ポッド10によれば、筒状空間部aを形成した中空胴体部13を備えたポッド本体11と、中空胴体部13の胴体壁13aに配置された電子機器14と、胴体壁13a内に設けられ、電子機器14からの発熱を筒状空間部a側へ放熱する熱交換器15とを備えた構成であるから、熱交換器15の設けられる筒状空間部aの範囲内での熱交換器15の密度を高める(放熱面積の増大化)ことにより、より一層放熱性能を向上させることができる。従って、従来の航行体用ポッドに用いられていた大掛かりな冷却装置を不要とすることが可能となる。
【0029】
また、筒状空間部aには、通過する外気xを利用して電子機器14の発熱成分を熱交換器15を用いて効率的に放熱させることができる構成としたので、航行体用ポッド10全体の大きさを小型化且つ軽量化することができる。
【0030】
更には、ポッド本体11の外周面には、ポッド本体11内に設置される電子機器14を取付けおよび取外しできる大きさの開口部11aと、この開口部11aを開閉可能に設けられる開閉蓋17を備えた構成であるから、航行体用ポッド10の組立ておよび分解作業の際に、開閉蓋17を外すことにより、ポッド本体11側から電子機器類の取付け、取外しを容易に行うことができる。
【0031】
また、航行体用ポッド10によれば、筒状空間部aを形成した中空胴体部13を備えたポッド本体11と、このポッド本体11の胴体壁13aに配置された電子機器14と、胴体壁13a内に設けられ、電子機器14からの発熱を筒状空間部a側へ放熱する熱交換器15と、ポッド本体11の筒状空間a部に設けられ、中空胴体部13の筒状空間部a側内壁と所要の間隔をとり、且つ前記筒状空間部aの長手方向に沿って設けられる中心胴体16とを備えた構成であるから、熱交換器15の放熱部分の大きさは、筒状空間部aの大きさの範囲にすることができ、小型化を図ることができる一方で、放熱密度(放熱面積)を高め、放熱性能を一層向上させることができる。
【0032】
また、中空胴体部13の筒状空間部aに、中空胴体部13の筒状空間部a側内壁と所要の間隔をとって中心胴体16を設けた構成であるから、航行体の航行中に筒状空間部aを通過する外気xが、中心胴体16の整流作用により風量および風向が安定し、熱交換器15の放熱性能を高効率な状態で安定に維持させることができる。従って、従来の航行体用ポッドに用いられていた大掛かりな冷却装置を不要とすることができる。
【0033】
また、航行体用ポッド10によれば、格別な冷却装置を必要としないので、航行体用ポッド10全体の小型化且つ軽量化を図ることができると共に、航行体用ポッド10全体として安価に製作することができる。
【0034】
[第2の実施形態(図5,図6)]
次に、本発明の第2実施形態である航行体用ポッド20について、図1〜図4図と同一部分に同一符号を附した図5および図6を参照して説明する。
【0035】
図5は、本発明の航行体用ポッド20の概要を示す、上述した図4に対応した一部縦断面図である。図6は、本発明の航行体用ポッド20の概要を示す、上述した図3に対応した横断面図である。
【0036】
図5および図6に示す航行体用ポッド20は、図5に示すように、円筒状のポッド本体21と、このポッド本体21を図示しない航行体の底部に取り付けるために設けられる脚部12とを備えている。
【0037】
ポッド本体21は、内部に筒状空間部aを形成した中空胴体部23と、図5に示すように、中空胴体部23内に設置された、例えば電子素子の結合体である板状の電子機器24と、この電子機器24の板状面に熱伝導的に接合され、電子機器24にて発生する熱成分(自己発熱成分)を筒状空間部a側に放熱する熱交換器25と、中空胴体部23側に支持され、筒状空間部a内に設けられる流体形状をなした中心胴体26とから構成される。
【0038】
中心胴体26は、中空胴体部23に設けられる2つの支柱23bに支持され、筒状空間部aのほぼ中心に位置するように設けられる。更に、中心胴体26は筒状空間部aの長手方向に沿って配置され、その両端部が流線型に形成される。この中心胴体26には、当該中心胴体26が支持される支柱23bがない側、すなわち、図6の上方側に電子機器24および熱交換器25が設けられる。
【0039】
熱交換器25は、電子機器24に対して熱伝導的に接合された熱伝導基台28と、この熱伝導基台28と一体的に設けられ、筒状空間部a側に突出するように設けられる複数の放熱フィン29とから構成される。
【0040】
この複数設けられる放熱フィン29は、図5に示すように、複数の平板状フィン部29aを備え、この複数の平板状フィン部29aが中空胴体部23の前方、すなわち、航行体用ポッド20の航行方向(図示y方向)に沿って長手方向が向かうように設けられる。
【0041】
熱伝導基台28は、図5および図6に示すように、裏面側が電子機器24と熱伝導的に接合され、表面側が筒状空間部a側に面するように設置される。また熱伝導基台28の表面側には、熱伝導的に一体的に複数の放熱フィン29が設けられる。
【0042】
航行体用ポッド20のその他の構成については、航行体用ポッド10の構成と同様であるので説明を省略する。
【0043】
次に、航行体用ポッド20の作用について、図5および図6を参照して説明する。
【0044】
航行体用ポッド20は、航行体の航行中において、中空胴体23側に設けられた複数の電子機器14および中心胴体26側に設けられた複数の電子機器24が作動する。これらの電子機器14,24が作動すると、これらの複数の電子機器14,24にて発熱(自己発熱)作用が生じる。この発熱は、複数の電子機器14,24にそれぞれ熱伝導的に接合した熱伝導基台18,28を介して、複数設けられる放熱フィン19,29から放熱する。そして、この放熱は、図5に示すように、航行体が、例えば矢印y方向へ移動した際に、中空胴体部23の筒状空間部a内へ外気xが取り込まれる。
【0045】
外気xが中空胴体部23の筒状空間部a内に取り込まれ、通過する外気xの作用について更に詳述する。
【0046】
中空胴体部23の筒状空間部a内を通過する外気xは、航行体が、例えば通常天候下で航行する際は、ポッド本体21には、図5に示す矢印y方向から安定的に取り込まれ、熱交換器14,24からの放熱は、高効率に外気xに吸収され、筒状空間部a外に放出される。一方、航行体に対して、航行方向と異なる方向から外気xの風圧がかかる場合がある。
【0047】
例えば、航行体自体が空中にて旋回航行したり、台風等の気象状況によっては空中の風向きが航行体の航行方向と異なった場合には、ポッド本体21が、航行方向でない方向から風圧の影響を受けることになる。この風圧の影響は、中空胴体部23全体の大きさに関係する。すなわち、中空胴体部23側に、例えば予期以上の風圧がかかると、航行体自体の受ける風圧が大きくなり、安定的な航行に支障が生じる。
【0048】
そこで、航行体用ポッド20によれば、小型化且つ軽量に製作することができるので、外気xの予期以上に強い風圧や航行体の航行方向とは異なる方向からの風圧を受けた場合にでも、その風圧による航行体事態に対する影響は少ない。従って、航行体用ポッド20を装着した航行体が、通常の航行状態にある他、旋回航行したり、更には台風のような異常な風圧を受ける環境下での航行にも航行体として安定的に航行することができる。
【0049】
また、航行体用ポッド20の中空胴体部23の筒状空間部aを通過する外気xは、中空胴体部23の筒状空間部a側に面する壁面により整流作用が得られるため、筒状空間部a内にて設けられる熱交換器15,25の放熱フィン19,29の設置密度を適宜に高めることにより、一層熱交換効率を向上させることができる。
【0050】
航行体用ポッド20によれば、筒状空間部aを形成した中空胴体部23を備えたポッド本体21と、このポッド本体21の胴体壁23aに配置された電子機器24と、胴体壁23a内に設けられ、電子機器24からの発熱を筒状空間部a側へ放熱する熱交換器25と、ポッド本体21の筒状空間a部に設けられ、中空胴体部23の筒状空間部a側内壁と所要の間隔をとり、且つ前記筒状空間部aの長手方向に沿って設けられる中心胴体26とを備え、中心胴体26には、電子機器24が設置されたことにより、中心胴体26からも電子機器24からの発熱を筒状空間部a側へ放熱させることができる構成にしたことにより、従来の航行体用ポッドに用いられていた大掛かりな冷却装置を不要とすることができる。
【0051】
また、ポッド本体21には、筒状空間部aを設け、この筒状空間部aに外気xを通過させると同時に、この通過する外気xを利用して電子機器14,24の発熱成分を熱交換器15,25を用いて効率的に放熱させることができる構成としたので、航行体用ポッド20全体の大きさを小型化且つ軽量化することができる。延いては、航行体用ポッド20全体として安価に製作することができる。
【0052】
更には、ポッド本体21の外周面には、ポッド本体21内に設置される電子機器24を取付けおよび取外しできる大きさの開口部11aと、この開口部11aを開閉可能に設けられる開閉蓋17を備えた構成であるから、航行体用ポッド20の組立ておよび分解作業性が向上する。特に、部品交換や機能チェックを行う必要のある電子機器類の取付け、取外し作業性を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明の実施形態である航行体用ポッド10および航行体用ポッド20において設けられた熱交換器15,25の放熱フィン19,29は、フラットな形状のものを用いたが、この形状のものに限らず、表面積を大きくして熱交換効率を向上させるために、例えば波打ち形状にしたものを用いることができる。
【0054】
更に、本発明の実施形態である航行体用ポッド10および航行体用ポッド20において設けられた中空胴体部13,23のそれぞれの開口部11aは、図1〜図4に示すように、電子機器14,24の一箇所だけを対象にして例示したが、他の電子機器14,24側を対象にして開閉蓋17をそれぞれ設けた構成にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の航行体用ポッドの第1の実施形態の概要を示す側面図。
【図2】本発明の航行体用ポッドの第1の実施形態の概要を示す正面図。
【図3】図1のA−A線に沿う一部縦断側面図。
【図4】図2のB−B線に沿う横断面。
【図5】本発明の航行体用ポッドの第2の実施形態の概要を示す図4に対応する図。
【図6】本発明の航行体用ポッドの第2の実施形態の概要を示す図3に対応する図。
【図7】従来の航行体用ポッドの一部を断面して示す概要図。
【符号の説明】
【0056】
10,20 航行体用ポッド
11,21 ポッド本体
11a 開口部
12 脚部
13,23 中空胴体部
13a,23a 胴体壁
13b,23b 支柱
14,24 電子機器
15,25 熱交換器
16,26 中心胴体
17 開閉蓋
18,28 熱伝導基台
19,29 放熱フィン
19a,29a 平板状フィン部
a 筒状空間部
x 外気

【特許請求の範囲】
【請求項1】
航行体に付属して設けられる航行体用ポッドにおいて、
筒状空間部を形成した中空胴体部を備えたポッド本体と、前記中空胴体部の胴体壁に配置された電子機器と、前記胴体壁内に設けられ、前記電子機器からの発熱を前記筒状空間部側へ放熱する熱交換器とを備えたことを特徴とする航行体用ポッド。
【請求項2】
上記ポッド本体には、その外周面に電子機器を取付けおよび取外しできる大きさの開口部が設けられ、この開口部には開閉蓋を備えたことを特徴とする請求項1記載の航行体用ポッド。
【請求項3】
上記熱交換器は、ポッド本体の筒状空間部の長手方向に沿い、且つ筒状空間側へ突出させた放熱フィンを備えたことを特徴とする請求項1記載の航行体用ポッド。
【請求項4】
上記熱交換器の放熱フィンは、複数の平板状フィンをポッド本体の筒状空間部の横断面方向に重層状に設けられたことを特徴とする請求項1記載の航行体用ポッド。
【請求項5】
上記熱交換器は、電子機器を取り付けた基台と、この基台に熱伝導的に設けられた放熱フィンを備えたことを特徴とする請求項1記載の航行体用ポッド。
【請求項6】
上記熱交換器の放熱フィンは、ポッド本体の筒状空間部の方向に沿って波状に形成されたことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の航行体用ポッド。
【請求項7】
航行体に付属して設けられる航行体用ポッドにおいて、
筒状空間部を形成した中空胴体部を備えたポッド本体と、このポッド本体の胴体壁に配置された電子機器と、胴体壁内に設けられ、電子機器からの発熱を筒状空間部側へ放熱する熱交換器と、ポッド本体の筒状空間部に設けられ、中空胴体部の筒状空間部側内壁と所要の間隔をとり、且つ前記筒状空間部の長手方向に沿って設けられる中心胴体とを備えたことを特徴とする航行体用ポッド。
【請求項8】
上記中心胴体は、ポッド本体側から筒状空間部側に突出させて設けられた支柱により支持されたことを特徴とする請求項7記載の航行体用ポッド。
【請求項9】
上記中心胴体には、電子機器が設置されたことを特徴とする請求項7記載の航行体用ポッド。
【請求項10】
上記中心胴体には、当該中心胴体内に設置される電子機器と、この電子機器からの発熱をポッド本体の筒状空間部側へ放熱する熱交換器を備えたことを特徴とする請求項7記載の航行体用ポッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−7009(P2008−7009A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−180920(P2006−180920)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)