説明

船体の防汚設備及び防汚方法

【課題】海洋汚染の発生を抑えながら、船体への付着動物の付着を抑えることができる船体の防汚設備及び防汚方法を提供する。
【解決手段】防汚設備1は、海上に係留された船舶Bの船体の汚濁を防止するための設備である。この防汚設備1には、岸壁3で海中に設けられ船底B1に光を照射する多数の水中投光器7を備えている。海中の付着生物であるフジツボは、光が当たる場所には付着しにくい性質を持っているので、この水中投光器7からの光が船底B1に照射されることで、船底B1へのフジツボの付着を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、海上に係留された船舶の船体の汚濁を防止するための船体の防汚設備及び防汚方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
船舶が海上に係留されている際、船底など海中の部分には、フジツボなどの付着動物が付着する。このような付着動物が付着すると、船底の水の抵抗が増大し船舶の速度低下や燃費低下の原因となるので、定期的に清掃作業を行って船底から物理的に付着動物を除去する必要があった。このような清掃作業は、潜水夫の手作業が必要な危険を伴うものであり、時間や費用もがかかるので、清掃作業の頻度を少なくすることが望まれる。従来、清掃作業の頻度を少なくするため、船体の喫水域までを、毒性の化学物質を含む塗料を用いて塗装することで、付着動物の付着を抑える方法が知られている(例えば、下記特許文献1及び2参照。)。
【特許文献1】特開2006−152205号公報
【特許文献2】特開2005−068191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの方法は、毒性の化学物質を船体の塗装から海水中に溶出させるものであるので、溶け出した化学物質による海洋汚染が問題となる。このような問題に対応し、上記特許文献2では、毒性を低く抑えた塗料も提案されているが、海水中に化学物質を放出する方法である以上、海洋汚染を十分に抑えられるとは言えない。
【0004】
そこで、本発明は、海洋汚染の発生を抑えながら、船体への付着動物の付着を抑えることができる船体の防汚設備及び防汚方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の船体の防汚設備は、海上に係留された船舶の船体の汚濁を防止するための船体の防汚設備において、船舶の係留場所で海中に設けられ船体の海中の部分に光を照射する投光手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明者らは、海上に船舶が係留された場合に、船体の海中の部分の中でも、光が当たる場所にはフジツボなどの付着動物が付着しにくいことを研究により見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明の設備によれば、投光手段により船体の海中の部分に光が照射されるので、付着動物が当該海中の部分に付着しにくくなり、付着動物による船体の汚濁を抑制することができる。そして、この設備の場合、海水中に化学物質を放出するといったことが不要であるので、海洋汚染も抑えることができる。
【0007】
また、この場合、投光手段は、光を発する照明装置を有することとしてもよい。この構成によれば、夜間においても付着動物の付着を抑制することができる。
【0008】
また、本発明の船体の防汚設備は、船舶の係留場所で海中に設けられ付着動物を誘引する付着動物誘引板を更に備え、付着動物誘引板は、投光手段から見て裏面側に位置する誘引面を有することとしてもよい。
【0009】
更に、フジツボなどの付着動物は、既に他の付着動物が付着している場所の近傍に特に付着しやすいという性質を持つことが知られており、本発明者らはこの点に着目した。この設備の構成によれば、付着動物誘引板の誘引面は、投光手段から見て裏面側に位置するので投光手段からの光を直接受けず、付着動物が付着し易い。そして、この誘引面に付着動物が一旦付着すれば、更に新たな付着動物が誘引され付着し易い。このように、付着動物誘引板の誘引面が、付着動物を引き寄せる役割を果たすので、船体に付着する分の付着動物が減少し、船体への付着動物の付着が抑えられる。
【0010】
また、本発明の船体の防汚設備は、船舶の係留場所で海中に設けられ投光手段の光を反射する反射板を更に備え、反射板は、船体の海中の部分に向けて反射光を照射する反射面を有することとしてもよい。この構成によれば、反射面が投光手段からの光を反射して有効に船体に光を当てることができる。
【0011】
また、本発明の船体の防汚設備は、船舶の係留場所で海中に設けられた板状部材を更に備え、板状部材は、投光手段の光を反射し反射光を船体の海中の部分に向けて照射する反射面と、反射面の裏面に位置する誘引面と、を有することとしてもよい。
【0012】
この設備の構成によれば、反射面が投光手段からの光を反射して有効に船体に光が当てられるので、船体への付着動物の付着をより抑えることができる。また、誘引面は、投光手段から見て裏面側に位置するので投光手段からの光を直接受けず、付着動物が付着し易い。そして、この誘引面に付着動物が一旦付着すれば、更に新たな付着動物が誘引され付着し易い。このように、誘引面が、付着動物を引き寄せる役割を果たすので、船体に付着する分の付着動物が減少し、船体への付着動物の付着が抑えられる。また、上記反射面と誘引面とが板状部材の表裏に設けられるので、設備を小型化することができる。
【0013】
本発明の船体の防汚方法は、海上に係留された船舶の船体の汚濁を防止するための船体の防汚方法において、船舶の係留場所で海中に設けられた投光手段から船体の海中の部分に光を照射する投光工程を備えたことを特徴とする。
【0014】
この方法によれば、投光手段により船体の海中の部分に光が照射されるので、付着動物が当該海中の部分に付着しにくくなり、付着動物による船体の汚濁を抑制することができる。そして、この方法の場合、海水中に化学物質を放出するといったことが不要であるので、海洋汚染も抑えることができる。
【0015】
また、この場合、投光手段は、光を発する照明装置を有することとしてもよい。この構成によれば、天候に関わらず、また、夜間においても付着動物の付着を抑制することができる。
【0016】
また、投光工程では、付着動物を誘引する付着動物誘引板が船舶の係留場所で海中に設けられており、付着動物誘引板は、投光手段から見て裏面側に位置する誘引面を有することとしてもよい。
【0017】
この設備の構成によれば、付着動物誘引板の誘引面は、投光手段から見て裏面側に位置するので投光手段からの光を直接受けず、付着動物が付着し易い。そして、この誘引面に付着動物が一旦付着すれば、更に新たな付着動物が誘引され付着し易い。このように、付着動物誘引板の誘引面が、付着動物を引き寄せる役割を果たすので、船体に付着する分の付着動物が減少し、船体への付着動物の付着が抑えられる。
【0018】
また、投光工程では、投光手段の光を反射する反射板が船舶の係留場所で海中に設けられており、反射板は、船体の海中の部分に向けて反射光を照射する反射面を有することとしてもよい。この構成によれば、反射面が投光手段からの光を反射して有効に船体に光を当てることができる。
【0019】
また、投光工程では、板状部材が船舶の係留場所で海中に設けられており、板状部材は、投光手段の光を反射し反射光を船体の海中の部分に向けて照射する反射面と、反射面の裏面に位置する誘引面と、を有することとしてもよい。この構成によれば、反射面が投光手段からの光を反射して有効に船体に光が当てられるので、船体への付着動物の付着をより抑えることができる。また、誘引面は、投光手段から見て裏面側に位置するので投光手段からの光を直接受けず、付着動物が付着し易い。そして、この誘引面に付着動物が一旦付着すれば、更に新たな付着動物が誘引され付着し易い。このように、誘引面が、付着動物を引き寄せる役割を果たすので、船体に付着する分の付着動物が減少し、船体への付着動物の付着が抑えられる。また、上記反射面と誘引面とが板状部材の表裏に設けられるので、設備を小型化することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の船体の防汚設備及び防汚方法によれば、海洋汚染の発生を抑えながら、船体への付着動物の付着を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る船体の防汚設備及び防汚方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】
(第1実施形態)
図1に示す防汚設備1は、船舶Bが係留される岸壁3において海中に設けられており、船舶Bの船体の海中にある部分(船底B1及び海中の船体側面B2)の汚濁を防止するものである。
【0023】
この防汚設備1は、海中に設けられ船舶Bの船体表面に光を照射するための多数の水中投光器(投光手段、照明装置)7を備えている。各水中投光器7は、船舶Bが停止する予定位置の下方に設置されており、上方に向けて光を照射する。各水中投光器7は、水平に延在する支持部材9に等間隔に固定されており、当該支持部材9は鎖11によって海底Tに設置された錘等に繋がれている。また、支持部材9には、各水中投光器7の間の各位置においてブイ13が取り付けられており、このブイ13の浮力によって支持部材9及び水中投光器7が海底Tから所定の高さ位置に停止している。
【0024】
この防汚設備1では、上記のような水中投光器7、支持部材9、鎖11、及びブイ13の組が、船舶Bの全長に亘って、船舶Bの全長方向(図1の紙面に直交する方向)に等間隔に配列されている。以上の構成により、水中投光器7を点灯させれば、海面下で格子状に配列された多数の水中投光器7によって、係留中の船舶Bの船底B1に全体的に光が照射される。
【0025】
更に、支持部材9の右端には、船舶Bの停止予定位置の側方に位置する長板状部材15が取り付けられている。この長板状部材15は、図1の紙面に直交する方向に延びる長方形をなし、下端の辺15aが各支持部材9に保持されている。また、この長板状部材15の一方の面は、鏡面加工されており光を反射する反射面15tとして機能する。更に、上記反射面15tの裏面には、海中の付着生物であるフジツボを誘引する機能を有する誘引面15sが設けられている。具体的には、この誘引面15sには、新たなフジツボを引き寄せるための囮として、少量のフジツボPが、予め故意に付着されている。
【0026】
このように長板状部材15の片側の誘引面15sのみに故意にフジツボPを付着させるためには、例えば、次のような方法が考えられる。まず、長板状部材15を海中に沈めておき、長板状部材15の裏表両面にフジツボを付着させたところで、誘引面15sに付着した一部のフジツボのみを残して他のフジツボを物理的に除去する。
【0027】
また、この長板状部材15は、支持部材9に保持された下端の辺15aを支軸とするヒンジ機構により、海中で約90°回動可能である。すなわち、長板状部材15の上端の辺15bが海面のブイ17に繋がれると、長板状部材15は、船舶Bの海中の側面B2に反射面15tを対向させた状態で停止する。そして、船舶Bが岸壁3を離れる際には、長板状部材15が障害にならないように、上端の辺15bがブイ17から開放され、長板状部材15は、誘引面15sを略水平下向きとする状態まで回動して停止する。
【0028】
更に、岸壁3の側壁3aにも、反射機能及びフジツボを誘引する機能をもつ長板状部材21が取り付けられている。この長板上部材21は、図1の紙面に直交する方向に延在しており、水中投光器7から見て表側には光を反射する反射面21tが設けられ、当該反射面21tの裏面には、少量のフジツボPが予め故意に付着された誘引面21sが設けられている。なお、誘引面21sに太陽光が直接当たらないように、長板状部材21は傾斜した状態で側壁3aに取り付けられている。
【0029】
このような岸壁3に船舶3が長期間係留される場合、船舶3の船体のうち海中に存在する部分(船底B1や海中の側面B2)には、フジツボが付着してしまうことが問題となる。ここで、本発明者らの研究によれば、船体の海面下の部分の中でも、光が当たる場所には付着動物が付着しにくいことが判った。これは、付着する前の海中のフジツボの幼生が、光を嫌う性質をもつことに起因すると考えられる。この知見に基づき、防汚設備1では、前述の水中投光器7を設けて、係留された船舶Bの船底B1に光を照射している。更に、長板状部材15,21の反射面15t,21tによって水中投光器7の光を反射させ、船体側面B2にも光を照射している。設備1のこのような構成により、光を嫌うフジツボの幼生が、船底B1及び側面B2に付着しにくくなり、その結果、船体へのフジツボの付着を抑制することができる。
【0030】
また、フジツボ等の付着動物は、既に他の個体が付着している場所の近傍に特に付着しやすいという性質を持つことが知られている。これは、フジツボが付着後に生殖を行うために、フジツボの密度が高い場所に付着する必要があるからであると考えられる。そして、この知見に基づき、防汚設備1では、前述の長板状部材15の誘引面15s、及び長板上部材21の誘引面21sに、囮のフジツボPが、予め故意に付着されている。
【0031】
これらの誘引面15s,21sは、いずれも水中投光器7から見て裏面側に位置し、水中投光器7からの光を受けないので、光を嫌うフジツボが比較的付着し易い。その上、誘引面15s,21sには囮のフジツボPが存在することも相俟って、誘引面15s,21sは、フジツボを引き寄せ易い条件を備えている。従って、岸壁3に存在するフジツボは、特に、誘引面15s,21sに引き寄せられ付着するので、船舶Bの船底B1及び側面B2に付着するフジツボが少なくなり、その結果、船体へのフジツボの付着を抑えることができる。
【0032】
なお、ここでは、誘引面15s,21sに囮のフジツボPを予め付着させた長板上部材15,21を用いているが、予め付着させる囮のフジツボPは省略してもよい。この場合、誘引面15s,21sは、水中投光器7から見て裏面側に位置するので水中投光器7からの光を直接受けず、最初のフジツボPが付着し易い。そして、誘引面15s,21sにフジツボPが一旦付着すれば、更に新たなフジツボPが誘引され付着し易い。このように、囮のフジツボPを省略しても、誘引面15s,21sは、フジツボPを誘引する機能を実現する。但し、フジツボPの誘引を確実にする観点から、囮のフジツボPを付着させる方が好ましい。
【0033】
フジツボの付着抑制の手法としては、従来、船体に毒性をもつ化学物質を塗布する方法が一般的であったが、海水に溶出した化学物質による海洋汚染が問題となっていた。また、化学物質が十分に溶出するにはある程度の時間がかかるので船舶の係留直後には化学物質の濃度が不十分な場合もあり、また、船舶の係留中は化学物質の溶出が少ないため、十分な効果が得られない場合もあり得る。これに対し、上述した防汚設備1では、化学物質を用いないので、海洋汚染を発生させることもなく、係留中において十分なフジツボ抑制の効果を発揮することができる。
【0034】
また、この防汚設備1では、水中投光器7、長板状部材15,21等の各要素がすべて海面下に設けられているので、船舶Bの岸壁3への着岸・離岸を円滑に行わせることができる。また、このような防汚設備1は、既存の岸壁設備にも追加して設けることができる。また、防汚設備1は、水中投光器7や長板状部材15,21といったシンプルな要素を用いた簡単な構造をなすので、比較的低予算での導入が可能であると共に、メンテナンスの手間も小さい。また、長板状部材15,21は、反射板としての機能と付着動物誘引板としての機能を兼ね備え、表裏面を有効活用しているので、設備の小型化・省スペース化を図ることができる。
【0035】
また、船舶Bの海面下の部分に光を照射する投光手段としては、例えば、太陽光を反射させて船底に照射させることも考えられる。このような方法に比較して、上述した防汚設備1は、光源として水中投光器7を用いているので、天候に関わらず、また、夜間においてもフジツボの付着を抑制できる点で優れている。なお、水中投光器7としては、ハロゲンランプ、白熱投光器等を用いることができる。
【0036】
続いて、防汚設備1の具体的な寸法等について説明する。例えば、船舶Bの船幅を約45mとすれば、側壁3aから長板状部材15までの距離は約48mとすればよい。そして、支持部材9には、約6m間隔で7個の水中投光器7を設置し、水中投光器7の位置は、船底B1から約4m下方とすればよい。そして、各水中投光器7として、出力200〜1000W、光度10000cd程度のものを用い、海水の光透過率を0.3とすると、船底B1の照度は、約13〜200Lx程度になる。実際には、船底B1の照度がフジツボの付着を抑えられる照度になるように、水中投光器7の船底B1からの距離、水中投光器7の出力(ワット数)、水中投光器7の数等を調整する。
【0037】
(第2実施形態)
図2に示す防汚設備51は、船舶が係留される岸壁53において海面下に設けられ、船舶Bの船体の汚濁を防止するものである。
【0038】
防汚設備51の支持部材9には、水中投光器7がそれぞれ斜め方向に向けて固定されている。更に、支持部材9には、長板状部材21と同様の構成を有する長板状部材71が多数取り付けられている。すなわち、この長板状部材71の上面は、光を反射する反射面71tとされ、水中投光器7の光を受けない下面は、囮のフジツボPが故意に付着された誘引面71sとされている。そして、水中投光器7の光出射方向と長板上部材71の傾きとが調整されることで、反射面71tが水中投光器7の光を反射し、船底B1に向けて反射光を照射するようになっている。このような構成によれば、水中投光器7からの光を効率よく船底B1及び側面B2に照射することができる。従って、防汚設備51では、防汚設備1よりも水中投光器7の個数を少なくすることも可能になる。
【0039】
この場合、水中投光器7として、出力200〜1000W、光度10000cd程度のものを6個用い、海水の光透過率を0.3とすると、船底B1の照度は、約39〜103Lx程度になる。実際には、船底B1の照度がフジツボの付着を抑えられる照度になるように、水中投光器7の船底B1からの距離、水中投光器7の出力(ワット数)、水中投光器7の数等を調整する。
【0040】
なお、この防汚設備51において、前述の防汚設備1の構成部分と同一又は同等な構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0041】
本発明は、上記第1及び第2実施形態に限定されるものではない。例えば、第1及び第2実施形態に示したように船底B1や側面B2に全体的に光を当てるのではなく、例えば、船舶のビルジキールの下面など、通常太陽光が当たりにくい箇所に集中して光を当てるようにしてもよい。また、上記第1及び第2実施形態では、フジツボの付着の抑制について説明したが、本発明は、フジツボ以外の付着生物の抑制にも適用することができる。なお、本発明のような光を利用した付着生物の付着の抑制は、船舶の防汚だけでなく、人工浮島などの海上構造物の海中部分の防汚にも転用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係る船体の防汚設備の第1実施形態と係留された船舶とを示す図であり、船舶の後方から見た側面図である。
【図2】本発明に係る船体の防汚設備の第2実施形態と係留された船舶とを示す図であり、船舶の後方から見た側面図である。
【符号の説明】
【0043】
1,51…防汚設備、3…岸壁(係留場所)、7…水中投光器(投光手段、照明装置)、15,21,71…長板状部材(付着動物誘引板、反射板、板状部材)、15s,21s,71s…誘引面、15t,21t,71t…反射面、B…船舶、P…フジツボ(付着動物)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
海上に係留された船舶の船体の汚濁を防止するための船体の防汚設備において、
前記船舶の係留場所で海中に設けられ前記船体の海中の部分に光を照射する投光手段を備えたことを特徴とする船体の防汚設備。
【請求項2】
前記投光手段は、光を発する照明装置を有することを特徴とする請求項1に記載の船体の防汚設備。
【請求項3】
前記船舶の係留場所で海中に設けられ付着動物を誘引する付着動物誘引板を更に備え、
前記付着動物誘引板は、
前記投光手段から見て裏面側に位置する誘引面を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の船体の防汚設備。
【請求項4】
前記船舶の係留場所で海中に設けられ前記投光手段の光を反射する反射板を更に備え、
前記反射板は、
前記船体の海中の部分に向けて反射光を照射する反射面を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の船体の防汚設備。
【請求項5】
前記船舶の係留場所で海中に設けられた板状部材を更に備え、
前記板状部材は、
前記投光手段の光を反射し反射光を前記船体の海中の部分に向けて照射する反射面と、前記反射面の裏面に位置する誘引面と、を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の船体の防汚設備。
【請求項6】
海上に係留された船舶の船体の汚濁を防止するための船体の防汚方法において、
前記船舶の係留場所で海中に設けられた投光手段から前記船体の海中の部分に光を照射する投光工程を備えたことを特徴とする船体の防汚方法。
【請求項7】
前記投光手段は、光を発する照明装置を有することを特徴とする請求項6に記載の船体の防汚方法。
【請求項8】
前記投光工程では、
付着動物を誘引する付着動物誘引板が前記船舶の係留場所で海中に設けられており、
前記付着動物誘引板は、
前記投光手段から見て裏面側に位置する誘引面を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の船体の防汚方法。
【請求項9】
前記投光工程では、
前記投光手段の光を反射する反射板が前記船舶の係留場所で海中に設けられており、
前記反射板は、
前記船体の海中の部分に向けて反射光を照射する反射面を有することを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の船体の防汚方法。
【請求項10】
前記投光工程では、
板状部材が前記船舶の係留場所で海中に設けられており、
前記板状部材は、
前記投光手段の光を反射し反射光を前記船体の海中の部分に向けて照射する反射面と、前記反射面の裏面に位置する誘引面と、を有することを特徴とする請求項6又は7に記載の船体の防汚方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−308031(P2008−308031A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157763(P2007−157763)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(503218067)住友重機械マリンエンジニアリング株式会社 (55)