説明

船舶の腐食・水中電界発生防止装置

【課題】 船舶の腐食を確実に防止すると共に、船舶からの水中電界の発生を確実に防止する。
【解決手段】 船体1と、船体1と固有電位が異なるプロペラ2と、プロペラ2が取り付けられる船外軸3と、船外軸3に連結されプロペラ2を駆動するための駆動力を船外軸3に伝達する船内軸4と、船外軸3と船外軸3及び船内軸4の連結部との少なくとも一方に設けられ、プロペラ2から船外軸3を通じて、船内軸4或いは水等を介して船体1に至る直接的或いは間接的な電気的導通を遮断するための絶縁手段11、17、25、26、30、31とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶の船体等の腐食を防止すると共に、船舶からの水中電界の発生を防止するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図7に示すように、船舶は、船体51と、プロペラ52と、プロペラ52が取り付けられる船外軸53と、船外軸53に連結され、プロペラ52を駆動するための駆動力を船外軸53に伝達する船内軸54とを備えている。船体51とプロペラ52とは、船外軸53及び船内軸54等を介して金属的に接触しており、且つ、海水等を介して電気的に接触している。一般的に、船体51は、鉄等の金属材料からなり、海水等に対する耐腐食性及び高速回転に対する高強度が要求されるプロペラ52は、銅合金等の金属材料からなる。
【0003】
ところで、鉄や銅合金等の金属材料は、海水等の電解質溶液中で、それぞれ固有電位を有している。例えば、プロペラ52を構成する銅合金の固有電位は、船体51を構成する鉄の固有電位より高い。そのため、図7に示す船舶においては、電流が、固有電位の高いプロペラ52から、船外軸53及び船内軸54等を介して、固有電位の低い船体51へと流れる。その結果、船体51を陽極とし、プロペラ52を陰極とする電気回路が形成される。すると、船体51を構成する鉄がイオン化されて海水中に溶出し、そのイオンがプロペラ52へと移動する。これにより、電流(腐食電流)55が、船体51から海水を通じてプロペラ52へと流れる。この際、船体51は、イオンの溶出により腐食(異種金属接触腐食)されてしまう。
【0004】
従来、船体の腐食を防止するため、種々の方法が採られていた。
【0005】
例えば、船体表面に塗装膜を形成していた。このようにすることで、船体の海水等に対する絶縁抵抗を高くして、船体の腐食を低減していた。
【0006】
また、プロペラ表面に塗装膜を形成していた。このようにすることで、鉄より固有電位が高い金属(貴の金属)を海水中に存在させないようして、船体の腐食を低減していた。
【0007】
さらに、図7に示すように、鉄より固有電位が低い金属(卑の金属)からなる保護陽極56を船体に設けていた。保護陽極56は、亜鉛等の金属材料からなる。このようにすることで、電流(防食電流)57が、保護陽極56から海水を通じて船体或いはプロペラへと流れるようにし、保護陽極を船体の代わりに積極的に腐食させて、船体の腐食を防止していた。
【0008】
また、強制電位を与える電源陽極を船体に設けていた。電源陽極は、白金チタン等の金属材料からなる。このようにすることで、電流(防食電流)が、電源陽極から海水を通じて船体或いはプロペラへと流れるようにして、船体の腐食を防止していた。
【0009】
【特許文献1】特開2001−30986号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、船体が海水等に長期間浸されると、船体表面の塗装膜には、経年劣化により、酸素、水分子、塩素分子等が浸透してしまう。これにより、塗装膜に浸透した酸素、水分子、塩素分子等が船体表面に触れ、船体表面にふくれや錆が生じてしまう。船体表面にふくれや錆が生じると、塗装膜の絶縁抵抗が急激に減少してしまう。そのため、船体表面の塗装膜は、定期的に塗装直しの必要があった。さらには、塗装膜が傷ついて、その傷が船体表面まで達すると、船体表面が部分的に露出しまう。そうなると、電流が、露出された船体表面から集中的に流れて、局部腐食を生じるおそれがあった。
【0011】
また、プロペラが海水等に長期間浸されると、プロペラ表面の塗装膜は、経年劣化してしまう。そのため、プロペラ表面の塗装膜も、定期的に塗装直しの必要があった。
【0012】
さらに、保護陽極は、時間の経過とともに腐食が進行してしまう。そのため、保護陽極は、定期的に交換の必要があった。
【0013】
また、電源陽極は、環境変化に応じて、その電源陽極に与える強制電位を制御する必要があった。そのため、船体の電流(防食電流)のバランス管理が必要であった。さらには、電源陽極を有する外部電源防食装置は、非常に高価であるため、導入にコストがかかった。
【0014】
ところで、船舶の腐食原因である電流(腐食電流)により、水中に電界(水中電界)が発生する。そのため、船舶からの水中電界の発生を防止することは、腐食電流の発生による腐食を防止することと密接に関係している。従来、水中電界の変動を防止する装置或いは方法はあったが、水中電界の発生そのものを防止する装置或いは方法はなかった。
【0015】
そこで、本発明の目的は、船舶の腐食を確実に防止することができると共に、船舶からの水中電界の発生を確実に防止することができる船舶の腐食・水中電界発生防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、船体と、該船体と固有電位が異なるプロペラと、該プロペラが取り付けられる船外軸と、該船外軸に連結され上記プロペラを駆動するための駆動力を上記船外軸に伝達する船内軸と、上記船外軸と上記船外軸及び上記船内軸の連結部との少なくとも一方に設けられ、上記プロペラから上記船外軸を通じて、上記船内軸或いは水等を介して上記船体に至る直接的或いは間接的な電気的導通を遮断するための絶縁手段とを備えたことを特徴とする船舶の腐食・水中電界発生防止装置である。
【0017】
請求項2の発明は、上記船外軸及び上記船内軸が、互いの連結のためのフランジをそれぞれ備え、上記絶縁手段が、上記両フランジ間に配設された絶縁板と、上記両フランジ同士を絶縁しつつ連結するための絶縁連結部材とを有する請求項1記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置である。
【0018】
請求項3の発明は、上記絶縁手段が、上記船外軸の表面に被覆された第一の絶縁被覆部材を有する請求項1又は2記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置である。
【0019】
請求項4の発明は、上記船外軸が分割されると共に、その分割部同士を連結する継手部を設け、上記絶縁手段が、上記継手部全体を覆うように被覆する第二の絶縁被覆部材を有する請求項1から3いずれか記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置である。
【0020】
請求項5の発明は、上記船外軸を支持するための軸受と、上記船外軸における上記軸受に支持される部分に外装される軸スリーブとを備え、上記絶縁手段が、上記船外軸と上記軸スリーブとの間に介在させて設けられた絶縁被覆層を有する請求項1から4いずれか記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、船舶の腐食を確実に防止することができると共に、船舶からの水中電界の発生を確実に防止することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0023】
本実施形態の船舶の腐食・水中電界発生防止装置は、船体と、その船体と固有電位が異なるプロペラとを備えた船舶に適用されるものである。また、本実施形態の腐食・水中電界発生防止装置は、大型の船舶であって、主に海上を航行する船舶に適用されるものである。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態に係る腐食・水中電界発生防止装置が適用される船舶の概略図である。図2は、図1のA部断面図である。図3は、図1のB部断面図である。図4は、図1のC−C線断面図である。図5は、図1のD部断面図である。図6は、図1のE部断面図である。
【0025】
図中、1は船舶の船体であり、2はプロペラであり、3はプロペラ2が取り付けられる船外軸であり、4は船外軸3に連結されプロペラ2を駆動するための駆動力を船外軸3に伝達する船内軸であり、5は海水が船内に浸入するのを防止するためのシール装置である。シール装置5よりプロペラ2側(図1中の左側)が船外であり、シール装置5より船内軸4側(図1中の右側)が船内である。
【0026】
船体1とプロペラ2とは、それぞれの用途に応じた異種の金属材料からなる。船体1は、鉄からなり、海水に対する耐腐食性及び高速回転に対する高強度が要求されるプロペラ2は、銅合金からなる。従来技術の欄でも説明したように、プロペラ2を構成する銅合金の固有電位は、船体1を構成する鉄の固有電位より高い。
【0027】
船体1の表面には、海水に対する耐腐食性を有する塗装膜6が形成されている。つまり、船体1の表面には、塗料による塗装が施されている。船体1の表面に塗装される塗料は、船体1における海水との絶縁抵抗を高くするため、金属系顔料を含まないものであることが好ましい。
【0028】
船外軸3は、プロペラ2が取り付けられるプロペラ軸7と、船内軸4に連結される船尾軸8とに分割されている。高速回転及びスラスト力に対する高強度が要求されるプロペラ軸7及び船尾軸8は、炭素鋼(例えば、SF440)からなる。プロペラ軸7は、船体1の底部に設けられた軸ブラケット軸受9に支持されている。船尾軸8は、船体1の底部に設けられた船尾管軸受10に支持されている。
【0029】
図2、図3及び図5に示すように、プロペラ軸7の表面(外周面)には、絶縁材料からなる第一の絶縁被覆部材11が被覆されている。第一の絶縁被覆部材11は、FRP(例えば、GFRP)からなる。第一の絶縁被覆部材11の形成は、シートワインディング法等により行う。
【0030】
このように、本実施形態においては、プロペラ軸7の表面を、第一の絶縁被覆部材11により被覆することで、プロペラ軸7を海水から電気的に絶縁している。そのため、プロペラ2からプロペラ軸7を通じて、海水を介して船体1に至る間接的な電気的導通を遮断することができる。
【0031】
図2に示すように、プロペラ軸7は、プロペラ2との連結のためのフランジ12を備えている。プロペラ軸7のフランジ12には、プロペラ2がボルト13により固定されている。プロペラ2とプロペラ軸7との連結部全体は、カバー部材14により覆われている。カバー部材14内には、充填材15が充填されている。
【0032】
図1、図3及び図4に示すように、プロペラ軸7における軸ブラケット軸受9に支持される部分には、軸スリーブ16が第一の絶縁被覆部材11の上から外装されている。軸スリーブ16は、銅合金(例えば、CAC402+0.5%Ni)からなる。このようにすることで、プロペラ軸7と軸スリーブ16との間に、第一の絶縁被覆部材11による絶縁被覆層17が介在させて設けられる。
【0033】
軸ブラケット軸受9は、円筒状に形成された軸受本体18と、軸受本体18の内周面に固着されたゴムパッド19とから構成されている。軸受本体18は、銅合金からなる。ゴムパッド19は、フッ素系樹脂からなる。ゴムパッド19には、海水を軸方向に通流させる水路20が、周方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。また、軸スリーブ16は、ゴムパッド19よりも小径であり、軸スリーブ16の外周面とゴムパッド19の内周面との間には、海水が通流可能な軸受隙間21が形成されている。
【0034】
ところで、プロペラ軸7と軸スリーブ16との間に、絶縁被覆層11が存在しない場合、電流(腐食電流)が、軸スリーブ16を通じて、海水を介して軸ブラケット軸受9の軸受本体18へと流れることがある。こうなると、軸スリーブ16が腐食されてしまう。そのため、従来の腐食防止装置においては、軸アースを設けて、電流を、船外軸から船体へと流すようにする必要があった。これに対して、本実施形態においては、プロペラ軸7と軸スリーブ16との間に、絶縁被覆層11を介在させて設けることで、プロペラ軸7と軸スリーブ16とを電気的に絶縁している。そのため、プロペラ2からプロペラ軸7の軸スリーブ16を通じて、海水を介して船体1に至る電気的導通を遮断することができる。そのため、軸アースを設けることなく、軸スリーブ16の腐食を防止することができる。
【0035】
プロペラ軸7と船尾軸8との間には、プロペラ軸7及び船尾軸8の分割部同士を連結する継手部が設けられる。図1及び図5に示すように、プロペラ軸7と船尾軸8とは、プロペラ軸7の端面と船尾軸8の端面とを突き合わせた状態で、継手部材22により連結されている。継手部材22は、外周面がテーパ状に形成され、且つ、周方向に分割され、プロペラ軸7と船尾軸8とを挟み込む内側スリーブ23と、内周面がテーパ状に形成され、内側スリーブ23の外周面に嵌め合わされる外側スリーブ24とから構成されている。
【0036】
継手部材22とプロペラ軸7及び船尾軸8の外周面とを含む継手部全体を覆うように、絶縁材料からなる第二の絶縁被覆部材25が被覆されている。第二の絶縁被覆部材25は、FRP(例えば、GFRP)からなる。第二の絶縁被覆部材25の形成は、シートワインディング法等により行う。
【0037】
このように、本実施形態においては、プロペラ軸7と船尾軸8との継手部全体を、第二の絶縁被覆部材25により被覆することで、プロペラ軸7と船尾軸8との継手部を海水から電気的に絶縁している。そのため、プロペラ2からプロペラ軸7及び船尾軸8との継手部を通じて、海水を介して船体1に至る間接的な電気的導通を遮断することができる。
【0038】
図5に示すように、船尾軸8の表面(外周面)には、絶縁材料からなる第一の絶縁被覆部材26が被覆されている。第一の絶縁被覆部材26は、FRP(例えば、GFRP)からなる。第一の絶縁被覆部材26の形成は、シートワインディング法等により行う。
【0039】
このように、本実施形態においては、船尾軸8の表面に、第一の絶縁被覆部材26を設けることで、船尾軸8を海水から電気的に絶縁している。そのため、プロペラ2から船尾軸8を通じて、海水を介して船体1に至る間接的な電気的導通を遮断することができる。
【0040】
図1に示すように、船尾軸8における船尾管軸受10に支持される部分には、軸スリーブ27が第一の絶縁被覆部材26の上から外装されている。軸スリーブ27は、銅合金(例えば、CAC402+0.5%Ni)からなる。このようにすることで、船尾軸8と軸スリーブ27との間に、第一の絶縁被覆部材26による絶縁被覆層(図3の符号17参照)が介在させて設けられる。船尾管軸受10は、上記の軸ブラケット軸受9と同様に構成されているので、その説明を省略する。
【0041】
船尾軸8と船内軸4との間には、船尾軸8と船内軸4とを連結する連結部が設けられる。図1及び図6に示すように、船尾軸8及び船内軸4は、互いの連結のためのフランジ28、29をそれぞれ備えている。船尾軸8と船内軸4とは、互いのフランジ28、29の端面を突き合わせ、且つ、両フランジ28、29間に絶縁材料からなる絶縁板30を挟み込んだ状態で、両フランジ28、29を絶縁しつつ連結するための絶縁連結部材31により連結されている。つまり、両フランジ28、29間には、絶縁板30が配設されている。絶縁連結部材31は、表面に絶縁処理が施されたボルト32とナット33とから構成されている。ボルト32の非ねじ部32aの外周面には、絶縁材料からなる絶縁部材32bが被覆されている。ボルト32は、両フランジ28、29及び絶縁板30に設けられた取付孔34、35、36に挿通される。ボルト32の首部とフランジ28との間、及び、ナット33とフランジ29との間には、絶縁材料からなる絶縁座金37がそれぞれ設けられており、ボルト32及びナット33は、両フランジ28、29と接触しないようになっている。
【0042】
このように、本実施形態においては、船尾軸8及び船内軸4のフランジ28、29間に、絶縁板30を配設すると共に、両フランジ28、29を、絶縁連結部材31で連結することで、船尾軸8と船内軸4とを金属的に絶縁している。そのため、プロペラ2から船尾軸8を通じて、船内軸4を介して船体1に至る直接的な電気的導通を遮断することができる。
【0043】
本実施形態の第一の絶縁被覆部材11、絶縁被覆層17、第二の絶縁被覆部材25、第一の絶縁被覆部材26、絶縁板30、及び、絶縁連結部材31が、特許請求の範囲の絶縁手段をなす。
【0044】
以上、本実施形態によれば、船外軸と、船外軸及び船内軸の連結部とに、プロペラから船外軸を通じて、船内軸或いは海水を介して船体に至る直接的或いは間接的な電気的導通を遮断するための絶縁手段を備えたため、船体とプロペラとを繋ぐ電気回路の形成を抑制することができる。従って、腐食の原因となる電流(腐食電流)が発生することはなく、船舶の腐食を確実に防止すると共に、船舶からの水中電界の発生を確実に防止することができる。
【0045】
ところで、腐食防止の目的から船舶に流す電流(防食電流)も、腐食電流と同様に水中電界の発生の要因となる。しかしながら、本実施形態によれば、上記のように腐食電流が発生しないため、腐食電流による腐食を防止するために船舶に防食電流を流す必要がない。従って、船舶からの水中電界の発生を確実に防止することができる。
【0046】
本発明は以上説明した実施形態には限定はされない。
【0047】
例えば、プロペラの固有電位が、船体の固有電位より高くても良い。
【0048】
また、本発明が適用される船舶は、大型のものに限らず、小型のものであっても良い。
【0049】
さらに、本発明が適用される船舶は、海上を航行するものに限らず、河川等の水上を航行するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の一実施形態に係る腐食・水中電界発生防止装置が適用される船舶の概略図である。
【図2】図1のA部断面図である。
【図3】図1のB部断面図である。
【図4】図1のC−C線断面図である。
【図5】図1のD部断面図である。
【図6】図1のE部断面図である。
【図7】従来の腐食防止装置が適用される船舶の概略図である。
【符号の説明】
【0051】
1 船体
2 プロペラ
3 船外軸
4 船内軸
7 プロペラ軸(船外軸)
8 船尾軸(船外軸)
9 軸ブラケット軸受(軸受)
10 船尾管軸受(軸受)
11 第一の被覆部材
16 軸スリーブ
17 絶縁被覆層
22 継手部材
25 第二の被覆部材
26 第一の被覆部材
27 軸スリーブ
28 フランジ
29 フランジ
30 絶縁板
31 絶縁連結部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体と、該船体と固有電位が異なるプロペラと、該プロペラが取り付けられる船外軸と、該船外軸に連結され上記プロペラを駆動するための駆動力を上記船外軸に伝達する船内軸と、上記船外軸と上記船外軸及び上記船内軸の連結部との少なくとも一方に設けられ、上記プロペラから上記船外軸を通じて、上記船内軸或いは水等を介して上記船体に至る直接的或いは間接的な電気的導通を遮断するための絶縁手段とを備えたことを特徴とする船舶の腐食・水中電界発生防止装置。
【請求項2】
上記船外軸及び上記船内軸が、互いの連結のためのフランジをそれぞれ備え、上記絶縁手段が、上記両フランジ間に配設された絶縁板と、上記両フランジ同士を絶縁しつつ連結するための絶縁連結部材とを有する請求項1記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置。
【請求項3】
上記絶縁手段が、上記船外軸の表面に被覆された第一の絶縁被覆部材を有する請求項1又は2記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置。
【請求項4】
上記船外軸が分割されると共に、その分割部同士を連結する継手部を設け、上記絶縁手段が、上記継手部全体を覆うように被覆する第二の絶縁被覆部材を有する請求項1から3いずれか記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置。
【請求項5】
上記船外軸を支持するための軸受と、上記船外軸における上記軸受に支持される部分に外装される軸スリーブとを備え、上記絶縁手段が、上記船外軸と上記軸スリーブとの間に介在させて設けられた絶縁被覆層を有する請求項1から4いずれか記載の船舶の腐食・水中電界発生防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−103615(P2006−103615A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−296019(P2004−296019)
【出願日】平成16年10月8日(2004.10.8)
【出願人】(502422351)株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド (159)