説明

船舶及びその船首構造

【課題】隣り合う骨材同士の間隙が狭隘となることが抑制され、船舶の製造コストを削減することが可能な船舶及びその船首構造を提供すること。
【解決手段】船舶10は、上甲板26及び内部甲板28を有し、船首部20がフレア状船首36を含んでいる。フレア状船首36は、外板38と、外板38の内面と接合された小形骨材42と、小形骨材42よりも高い剛性を有し、外板38の内面及び小形骨材42と接合された大形骨材40とを備える。大形骨材40は、外板38の内面に沿って内部甲板28から上甲板26に向かう方向に延在している。小形骨材42は、外板38の内面に沿って船体の後方から船首部20に向かうように縦通している船側縦フレーム48とは別体となっており、大形骨材40と交差する方向に延在している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶及びその船首構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、オイルタンカー等の船舶には、上甲板と、船首部における船体内部に配置された内部甲板と、船首隔壁(Collision Bulkhead)とで区画される空間により構成された甲板倉庫(Boatswain's store)が設けられている。そして、船首部が、球状船首(バルバス・バウ:BulbousBow)と、外形が内部甲板付近から上方に向かうにつれて外方に広がるフレア状船首とを含んでおり、船舶の長手方向に沿って延びる中心線を含む鉛直平面により船舶を切断した断面において、フレア状船首を構成する外板と水平面とのなす角度(フレア角)を大きくして、船体の全長を増加させることなく船首部の反射波による波浪中抵抗増加量を低減する船舶が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−224811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来の船舶では、甲板倉庫を構成する上甲板と内部甲板との間において、外板内面に沿って内部甲板から上甲板に向かう方向に延びるように小形骨材(フレーム)が配置され、外板内面に沿って水平方向に縦通する大形骨材(ストリンガ)がそれらの小形骨材と接続されることで、フレア状船首の骨組が構成され(このような構造は、縦式構造と呼ばれる)、フレア状船首を構成する外板に作用する波浪等による荷重が外板、小形骨材、大形骨材の順に伝達されるようになっている。このフレア状船首では、その形状ゆえに、内部甲板に対応する位置における外板の曲率半径が上甲板に対応する位置における外板の曲率半径よりも小さくなっている。従って、フレア状船首の強度を均一にする目的で、隣り合う小形骨材の水平方向における間隔が略等しくなるように小形骨材を配置すると、フレア状船首を構成する小形骨材は内部甲板から上甲板に向けて放射状に広がることとなる。小形骨材は大形骨材よりも剛性が低いものであり、大形骨材の本数よりも小形骨材の本数が多くなることが通常であるので、内部甲板近傍ほど隣り合う小形骨材の水平方向における間隙が狭隘となる。
【0004】
そして、このように隣り合う小形骨材の間隙が狭隘となるため、(1)小形骨材の外板への溶接が極めて困難となる、(2)小形骨材の外板への溶接後には小形骨材及び外板のうち露出している部分を全て塗装する必要があるが、狭隘な間隙における小形骨材及び外板への確実な塗装が困難となる、(3)狭隘な間隙における船舶完成後のメンテナンスが困難となる、といった問題があった。そのため、従来の船舶では、溶接、塗装、メンテナンス等にかかる作業時間の増大に伴い人件費が増加して、製造コストが著しく増加してしまっていた。この問題は、フレア角を大きく設定した特許文献1のような船舶において顕著であった。また、上甲板に設けられる係留装置の配置の制約から、この問題はフレア角を小さくすることによっては解決できないものであった。
【0005】
そこで、本発明は、隣り合う骨材同士の間隙が狭隘となることが抑制され、船舶の製造コストを削減することが可能な船舶及びその船首構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る船舶の船首構造は、上甲板と、その上甲板よりも下方で且つ船首における船体内部に配置された内部甲板とを有し、船首が、外形が内部甲板付近から上方に向かうにつれて外方に広がるフレア状船首を含んでいる船舶の船首構造であって、外板と、外板の内面と接合された複数の小形骨材と、小形骨材よりも高い剛性を有し、外板の内面及び小形骨材と接合された複数の大形骨材とを備え、大形骨材は、外板内面に沿って内部甲板から上甲板に向かう方向に延在しており、小形骨材は、外板の内面に沿って船体の後方から船首に向かうように縦通している骨材とは別体となっており、大形骨材と交差する方向に延在していることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る船舶の船首構造では、小形骨材よりも剛性の高い大形骨材が内部甲板から上甲板に向かう方向に延在し、小形骨材が大形骨材と交差する方向に延在している。そのため、小形骨材が内部甲板から上甲板に向けて放射状に広がるように配置されることがなく、隣り合う小形骨材の間隙が狭隘となることがなくなる。一方、大形骨材は内部甲板から上甲板に向けて放射状に広がるように配置されることとなるが、大形骨材は、小型骨材よりも剛性が高く、配置される本数も小形骨材よりも少ないので、隣り合う大形骨材の間隙が狭隘となることが抑制されている。その結果、作業性が向上し、船舶の製造コストを削減することが可能となる。
【0008】
また、本発明に係る船舶の船首構造では、船首がフレア状船首を含んでおり、小形骨材と、外板の内面に沿って船体の後方から船首に向かうように縦通している骨材とが別体となっている。そのため、小形骨材と、外板の内面に沿って船体の後方から船首に向かうように縦通している骨材とが一体となっている場合に船首近傍で生じうる小形骨材のねじれが抑制され、その結果、小形骨材の製作が容易となる。
【0009】
また、小形骨材は、平板状の第1板状部分、及び、第1板状部分に対して略垂直となるように第1板状部材の端部に配置された平板状の第2板状部分を有しており、第1板状部分は、外板に対して略垂直となるように外板の内面と接合されていることが好ましい。このようにすると、第1板状部分が外板に対して斜めとなるように外板の内面と接合されている場合と比較して、第1板状部分と外板とを簡単に接合できるので作業時間の短縮を図ることが可能となると共に、小形骨材の強度が向上するので小形骨材のサイズを小さくすることが可能となる。
【0010】
また、内部甲板の下面に船首部から船尾部に向かう方向に延在するガーダが複数設けられており、船体の長手方向に沿って延びる中心線に垂直で且つ複数のガーダのうち後端が最も船尾部側に位置するガーダの後端を含む仮想平面よりも船首側に含まれる外板の上甲板に対応する位置における外周長さをA、仮想平面よりも船首側に含まれる外板の内部甲板に対応する位置における外周長さをBとしたときにA/B≧1.5となっていることが好ましい。A/B<1.5のときは、外板の上甲板に対応する位置における外周長さAと、外板の内部甲板に対応する位置における外周長さBとで大きさにそれほど差がなくなり、フレア角が小さくなるので、本発明の効果を十分に得ることができなくなる傾向がある。
【0011】
また、本発明に係る船舶は、上記のいずれかの船首構造を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、隣り合う骨材同士の間隙が狭隘となることが抑制され、船舶の製造コストを削減することが可能な船舶及びその船首構造を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0014】
まず、図1を参照して、本実施形態に係る船舶10の全体構造について説明する。図1は、本実施形態に係る船舶を示す側面図である。
【0015】
船舶10は、図1に示されるように、船体12、推進器16、推進方向を制御する舵18等を備えている。船舶10は、本実施形態においてオイルタンカー等の肥大船となっている。
【0016】
船体12は、船首部20、船体中央部22、及び船尾部24を有している。船首部20には、上甲板26と、この上甲板26よりも下方で且つ船首における船体12内部に配置された内部甲板28と、船首隔壁30とで区画される空間により構成された甲板倉庫32が設けられている。船体中央部22には、オイルタンク等の複数の船倉が設けられている。船尾部24には、推進器16及び舵18が設けられている。
【0017】
続いて、図1〜図6を参照して、船首部20の構造について説明する。図2は、本実施形態に係る船舶の船首を示す正面図である。図3は、フレア部を構成している骨材の配置を展開した状態で示す平面図である。図4は、船首近傍における上甲板を示す平面図である。図5は、船首近傍における内部甲板を示す平面図である。図6は、図4及び図5のVI−VI線矢視図である。
【0018】
船首部20は、図1及び図2に示されるように、球状船首34及びフレア状船首36を有している。球状船首34は、船舶10の進行方向に向けて球状に張り出しており、造波抵抗を低減できるようになっている。
【0019】
フレア状船首36は、船首の外形が内部甲板28付近から上方に向かうにつれて外方に広がるフレア形状となっている。このフレア状船首36は、外板38、複数(本実施形態において7本)の大形骨材40及び複数(本実施形態において12本)の小形骨材42によって構成されている。
【0020】
外板38は、船体12の外表面に配置され、船体12の外形を規定している。
【0021】
各大形骨材40は、図2及び図3に示されるように、外板38の内面に沿って内部甲板28から上甲板30に向かう方向に延在している。大形骨材40は、フレア状船首36の強度を均一にするために、隣り合う大形骨材40の水平方向における間隔が略等しくなるように配置されている。そのため、大形骨材40は、内部甲板28から上甲板26に向けて放射状に広がっている(図2参照)。
【0022】
大形骨材40は、図6に示されるように、小形骨材42よりもサイズが数倍大きなものとなっており、小形骨材42よりも高い剛性を有している。大形骨材40は、鋼板からなる第1板状部分40a及び鋼板からなる第2板状部分40bを有している。第2板状部分40bは、第1板状部分40aに対して略垂直となるように第1板状部分40aの端部に配置されている。このような大形骨材40としては、例えばT型鋼材やL型鋼材を用いることができる。
【0023】
大形骨材40の前縁は、図4及び図6に示されるように、外板38の内面と接合されている。大形骨材40の第1板状部分40aの前縁側は、図6に示されるように、複数の小形骨材42と接合されている。このとき、小形骨材42が大形骨材40の第1板状部分40aを貫通している所では、大形骨材40の第1板状部分40aは小形骨材42に加え補助鋼板44とも接合されている(図6参照)。
【0024】
大形骨材40の上端は、図4及び図6に示されるように、上甲板26の下面と接合されている。上甲板26の下面には、同じく、船体12の長手方向に沿って延びる中心線X(図4参照)に対して垂直となるように配置されたウェブビーム46が接合されている。大形骨材40の上部は、船首部20の外板38からウェブビーム46まで延在している。そのため、大形骨材40は、側方から見て略逆L字状を呈している(図6参照)。
【0025】
各小形骨材42は、図2及び図3に示されるように、外板38の内面に沿って各大形骨材40の第1板状部分40aと交差する方向に延在しているが、大形骨材40のうち最も船尾部24寄りに配置されている大形骨材40A,40Bよりも船尾部24側には延在していない。すなわち、小形骨材42は、船体12の側外板の内面に沿って船体12の後方から船首部20に向かうように縦通している船側縦フレーム48とは別体となっている。また、小形骨材42は、フレア状船首36の強度を均一にするために、隣り合う小形骨材42の間隔が略等しくなるように配置されている。この隣り合う小形骨材42の間隔は、他の器機を使わずに、人間が各小形骨材42を伝って内部甲板28と上甲板26との間を上り下りできる程度の間隔に設定されていると好ましい。
【0026】
小形骨材42は、図6に示されるように、鋼板からなる第1板状部分42a及び鋼板からなる第2板状部分42bを有している。第2板状部分42bは、第1板状部分42aに対して略垂直となるように第1板状部分42aの端部に配置されている。このような小形骨材42としては、例えばT型鋼材やL型鋼材を用いることができる。小形骨材42の第1板状部分42aは、外板38に対して略垂直となるように外板38の内面と接合されている。なお、小形骨材42の本数及びサイズは、大形骨材40と小形骨材42とで区画される格子の面積に対して作用するものと想定される波浪等による荷重に基づいて決定される。
【0027】
ここで、内部甲板28の下面には、図5及び図6に示されるように、対応する大形骨材40の下端と一致するように配置された複数のガーダ50が接合されている。内部甲板28下面には、同じく、船体12の長手方向に沿って延びる中心線X(図5参照)に対して垂直となるように配置されたウェブビーム52が接合されている。ガーダ50は、船首部20の外板38からウェブビーム52まで延在している。
【0028】
フレア状船首36の構造としては、中心線Xに垂直で且つガーダ50のうち後端が最も船尾部24側に位置するガーダ50A,50Bの後端を含む仮想平面Sを想定したとき、仮想平面Sよりも船首部20側に含まれる外板38の上甲板26に対応する位置における外周長さをA(図4参照)、仮想平面Sよりも船首部20側に含まれる外板38の内部甲板28に対応する位置における外周長さをB(図5参照)としたときにA/B≧1.5となっていることが好ましい。A/B<1.5のときは、外板38の上甲板26に対応する位置における外周長さAと、外板38の内部甲板28に対応する位置における外周長さBとで大きさにそれほど差がなくなり、フレア角が小さくなるので、本発明の効果を十分に得ることができなくなる傾向がある。また、内部甲板28に対応する位置における複数の大形骨材40のうち隣り合う大形骨材40の間隔をC(図2及び図3参照)としたときに、C≧600mmとなっていることが好ましい。C<600mmのときは、複数の大形骨材40のうち内部甲板28近傍において隣り合う大形骨材40の水平方向における間隙が狭隘となる傾向がある。
【0029】
ところで、従来の船舶110では、上甲板26と内部甲板28との間において、外板38の内面に沿って内部甲板28から上甲板26に向かう方向に延びるように小形骨材142が配置され、外板38の内面に沿って水平方向に縦通するストリンガ140がそれらの小形骨材142と接続されることで、フレア状船首136の骨組が構成されていた。このフレア状船首136では、その形状ゆえに、内部甲板28に対応する位置における外板38の曲率半径が上甲板26に対応する位置における外板38の曲率半径よりも小さくなっている。従って、フレア状船首136の強度を均一にする目的で、隣り合う小形骨材142の水平方向における間隔が略等しくなるように小形骨材142を配置すると、フレア状船首136を構成する小形骨材142は図7に示されるように、内部甲板28から上甲板26に向けて放射状に広がることとなる。小形骨材142はストリンガ140よりも剛性が低いものであり、ストリンガ140の本数よりも小形骨材142の本数が多くなることが通常であるので、内部甲板28近傍ほど隣り合う小形骨材142の水平方向における間隙が狭隘となる。
【0030】
そして、このように隣り合う小形骨材142の間隙が狭隘となるため、(1)小形骨材142の外板への溶接が極めて困難となる、(2)小形骨材142の外板38への溶接後には小形骨材142及び外板38のうち露出している部分を全て塗装する必要があるが、狭隘な間隙における小形骨材142及び外板38への確実な塗装が困難となる、(3)狭隘な間隙における船舶110完成後のメンテナンスが困難となる、といった問題があった。そのため、従来の船舶110では、溶接、塗装、メンテナンス等にかかる作業時間の増大に伴い人件費が増加して、製造コストが著しく増加してしまっていた。
【0031】
しかしながら、本実施形態においては、小形骨材42よりも剛性の高い大形骨材40が内部甲板28から上甲板26に向かう方向に延在し、小形骨材42が大形骨材40と交差する方向に延在している。そのため、小形骨材42が内部甲板28から上甲板26に向けて放射状に広がるように配置されることがなく、隣り合う小形骨材42の間隙が狭隘となることがなくなる。一方、大形骨材40は内部甲板28から上甲板26に向けて放射状に広がるように配置されることとなるが、大形骨材40は、小型骨材42よりも剛性が高く、配置される本数も小形骨材42よりも少ないので、隣り合う大形骨材40の間隙が狭隘となることが抑制されている。その結果、作業性が向上し、船舶10の製造コストを削減することが可能となる。そして、このように内部甲板28から上甲板26に向かう方向に延在する大形骨材40の本数が少ないものであるので、通常行われているブロック建造方式によるフレア状船首36と球状船首34との組み立ての際に、大形骨材40の下端と球状船首34との位置合わせや接合を簡便に行うことが可能となっている。
【0032】
また、本実施形態においては、船首部20がフレア状船首36を含んでおり、小形骨材42と、船体12の側外板の内面に沿って船体12の後方から船首部20に向かうように縦通している船側縦フレーム48とが別体となっている。そのため、小形骨材42と、船側縦フレーム48とが一体となっている場合に船首部20の近傍で生じうる小形骨材42のねじれが抑制され、その結果、小形骨材の製作が容易となる。
【0033】
また、本実施形態においては、小形骨材42が第1板状部分42a及び第1板状部分42aに対して略垂直となるように第1板状部材42aの端部と接合された第2板状部分42bによって構成されており、第1板状部分42aが外板38に対して略垂直となるように外板38の内面と接合されている。そのため、第1板状部分42aが外板38に対して斜めとなるように外板38の内面と接合されている場合と比較して、第1板状部分42aと外板38とを簡単に接合できるので作業時間の短縮を図ることが可能となると共に、小形骨材42の強度が向上するので小形骨材42のサイズを小さくすることが可能となる。
【0034】
また、本実施形態においては、外板38の上甲板26に対応する位置における外周長さA及び外板38の内部甲板28に対応する位置における外周長さBを規定したときにA/B≧1.5となっている。このようにA/Bを設定することで、フレア角が大きい場合であっても作業性の向上が図れ、船舶10の製造コストを削減することが可能となる。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。例えば、本実施形態では本発明をオイルタンカー等の肥大船に適用したが、これに限られず、同様の課題が生じている種々の船舶に本発明を適用することが可能である。
【0036】
また、本実施形態では船舶10の船首部20が球状船首34及びフレア状船首36を有するものであったが、船首部20がフレア状船首36を有している種々の船舶に本発明を適用することが可能である。
【0037】
また、本実施形態ではC≧600mmとしたが、C<600mmとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本実施形態に係る船舶を示す側面図である。
【図2】本実施形態に係る船舶の船首を示す正面図である。
【図3】フレア部を構成している骨材の配置を展開した状態で示す平面図である。
【図4】船首近傍における上甲板を示す平面図である。
【図5】船首近傍における内部甲板を示す平面図である。
【図6】図4及び図5のVI−VI線矢視図である。
【図7】従来の船舶の船首を示す正面図である。
【符号の説明】
【0039】
10…船舶、12…船体、20…船首部、26…上甲板、28…内部甲板、30…船首隔壁、36…フレア状船首、38…外板、40…大形骨材、42…小形骨材、50…ガーダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上甲板と、該上甲板よりも下方で且つ船首部における船体内部に配置された内部甲板とを有し、前記船首部が、外形が前記内部甲板付近から上方に向かうにつれて外方に広がるフレア状船首を含んでいる船舶の船首構造であって、
外板と、
前記外板の内面と接合された複数の小形骨材と、
前記小形骨材よりも高い剛性を有し、前記外板の内面及び前記小形骨材と接合された複数の大形骨材とを備え、
前記大形骨材は、前記外板内面に沿って前記内部甲板から前記上甲板に向かう方向に延在しており、
前記小形骨材は、前記外板の内面に沿って前記船体の後方から前記船首部に向かうように縦通している骨材とは別体となっており、前記大形骨材と交差する方向に延在していることを特徴とする船首構造。
【請求項2】
前記小形骨材は、平板状の第1板状部分、及び、前記第1板状部分に対して略垂直となるように前記第1板状部材の端部に配置された平板状の第2板状部分を有しており、
前記第1板状部分は、前記外板に対して略垂直となるように前記外板の内面と接合されていることを特徴とする請求項1に記載された船首構造。
【請求項3】
前記内部甲板の下面に前記船首部から船尾部に向かう方向に延在するガーダが複数設けられており、
前記船体の長手方向に沿って延びる中心線に垂直で且つ前記複数のガーダのうち後端が最も前記船尾部側に位置するガーダの後端を含む仮想平面よりも前記船首部側に含まれる前記外板の前記上甲板に対応する位置における外周長さをA、前記仮想平面よりも前記船首部側に含まれる前記外板の前記内部甲板に対応する位置における外周長さをBとしたときにA/B≧1.5となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載された船首構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の船首構造を有することを特徴とする船舶。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−114792(P2008−114792A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301845(P2006−301845)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(503218067)住友重機械マリンエンジニアリング株式会社 (55)