説明

色識別訓練装置

【課題】
訓練者に対する色識別の反応能力をゲーム感覚で訓練することができるようにした色識別訓練装置を提供する。
【解決手段】
色識別訓練装置100の上面の傾斜部に設けられた6個の発光窓21〜26を、青色、赤色、黄色等の複数の色でランダムに切り換えて発光させ、これに応答して訓練者が該訓練者に対応する操作スイッチを正しく操作すると、該訓練者に対応する表示部11〜16の表示ランプを1つずつ点灯させ、訓練者が操作スイッチの操作を誤ると、該訓練者に対応する表示部11〜16の表示ランプを1つずつ消灯し、その結果、一番早く表示部11〜16の5個の表示ランプを全点灯させた参加者がこの色識別反応ゲームの勝者となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、色識別訓練装置に関し、特に、色識別訓練者の色識別に対する反応能力をゲーム感覚で訓練することができるようにした色識別訓練装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、人間の目には、色を感じる3種類の視細胞(S,M,L錐体)を有し、光が目に入ると、S錐体、M錐体、L錐体の刺激反応及びM錐体とL錐体との刺激反応の差分が信号として脳に伝達され、目に入った色を識別する。
【0003】
ここで、S錐体、M錐体、L錐体の刺激反応速度、若しくは、S錐体、M錐体、L錐体の各刺激反応に対応する信号及びM錐体とL錐体との刺激反応の差分の信号の脳に対する伝達系統は、先天的に遅かったり、障害若しくは年齢により劣化したりして、これが環境における色識別の遅延として知られている。
【0004】
環境における色識別の遅延が生じると、生活環境によっては非常に危険となる場合がある。
【0005】
ところで、人間の視覚を訓練する装置としては、特許文献1に記載された「人間の視力トレーニング用の改良された方法および装置」が知られている。
【特許文献1】特表2005−516679号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された「人間の視力トレーニング用の改良された方法および装置」においては、色識別の応答性に対しては全く考慮されてなく、また、楽しんで訓練を行うことができるようにした点についての記載もない。
【0007】
そこで、この発明は、訓練者に対する色識別の反応能力をゲーム感覚で訓練することができるようにした色識別訓練装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1の発明の色識別訓練装置は、装置の上面にそれぞれ外側に向かって配設された複数の発光窓と、前記複数の発光窓をそれぞれ所定の周期で任意の色に切り換えて発光させる発光制御部と、各発光窓に対応して設けられ、該発光窓の発光色が予め設定した所定の色であるときに該発光窓対応して設定された訓練者により操作される操作部と、前記装置の周面に各発光窓に対応して設けられ、それぞれ所定の数の表示ランプを有する複数の表示部と、前記発光窓の発光色が予め設定した所定の色なったときに前記操作部が前記訓練者により正しく操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ点灯させ、前記操作部が前記訓練者により誤って操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ消灯させる点灯制御部と、前記表示ランプの点灯数が予め設定された数に最初に達した表示部に対応する訓練者を勝者として判定する判定部とを具備することを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記発光窓から発光される発光色を切り換える速度を設定する速度設定部を具備し、前記発光制御部は、前記複数の発光窓を前記速度設定部で設定された速度でそれぞれ任意の色に切り換えて順次発光させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記発光窓から発光される発光色の明度を設定する明度設定部を具備し、前記発光制御部は、前記複数の発光窓を前記明度設定部で設定された明度でそれぞれ任意の色に切り換えて発光させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの発明において、前記発光窓から発光される発光色の彩度を設定する彩度設定部を具備し、前記発光制御部は、前記複数の発光窓を前記彩度定部で設定された彩度でそれぞれ任意の色に切り換えて発光させることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの発明において、前記操作部は、前記発光窓の発光色が予め設定した第1の色であるときに操作される第1の操作部と、前記発光窓の発光色が予め設定した第2の色であるときに操作される第2の操作部とを具備し、前記点灯制御部は、前記第1の操作部若しくは前記第2の操作部が前記訓練者により正しく操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ点灯させ、前記第1の操作部若しくは前記第2の操作部が前記訓練者により誤って操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ消灯させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、色識別に対する反応能力の訓練をゲーム感覚で行うことができ、また、同時に色識別に対する反応操作のリハビリテーションも同時に行うことができる。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、発光窓から発光される発光色を切り換える速度を速度設定部で任意に設定することで、ゲーム性の向上と色識別に対する反応能力の訓練を効率よく行うことができる。
【0015】
また、請求項3の発明によれば、発光窓から発光される発光色の明度を明度設定部で任意に設定することで、ゲーム性の向上と色の明度を含めた色識別に対する反応能力の訓練を効率よく行うことができる。
【0016】
また、請求項4の発明によれば、発光窓から発光される発光色の彩度を彩度設定部で任意に設定することで、ゲーム性の向上と色の彩度を含めた色識別に対する反応能力の訓練を効率よく行うことができる。
【0017】
また、請求項5の発明によれば、例えば、第1の操作部を左手で操作し、第2の操作部を右手で操作することにより、手の操作応答を含めた色識別に対する反応能力の訓練を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、この発明に係わる色識別訓練装置の実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【実施例1】
【0019】
図1は、この発明に係わる色識別訓練装置一実施例を示す斜視図である。
【0020】
図1に示す色識別訓練装置100は、底面が六角形からなり、その6個の周面には、それぞれ5個の表示ランプ11a、11b、11c、11d、11e〜16a、16b、16c、16d、16eを有する6個の表示部11〜16が設けられており、上面のこれら表示部11〜16に対応する傾斜部には6個の発光窓21〜26が設けられ、上面の中心平面部には、この色識別訓練装置100を動作を設定するための操作パネル30が設けられている。
【0021】
また、この色識別訓練装置100は、表示部11〜16に対応して、それぞれ2個の操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bが設けられている。
【0022】
すなわち、この色識別訓練装置100は、6個の表示部11〜16および6個の発光窓21〜26がこの色識別訓練装置100を用いた訓練者にそれぞれ対応し、この色識別訓練装置を用いた色識別訓練(以下、色識別反応ゲームという)に同時に1人から最大6人まで参加できるように構成されている。
【0023】
さて、この色識別訓練装置100は、例えば、6人で色識別反応ゲームを行う場合は、6個の発光窓21〜26を、青色、赤色、黄色等の複数の色でランダムに切り換えて発光させる。
【0024】
この色識別反応ゲームの参加者は、自己に対応する発光窓21〜26が、青色、赤色、黄色等の複数の色のうちの予め設定された色で発光されたタイミングで、操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bを操作して、この操作タイミングが正しいと、表示部11〜16の表示ランプ11a、11b、11c、11d、11e〜16a、16b、16c、16d、16eを1個ずつ点灯させ、この操作タイミングが誤っていると、表示部11〜16の表示ランプ11a、11b、11c、11d、11e〜16a、16b、16c、16d、16eを1個ずつ消灯させ、その結果、一番早く5個の表示ランプ11a、11b、11c、11d、11e〜16a、16b、16c、16d、16eを全点灯させた参加者がこの色識別反応ゲームの勝者となる。
【0025】
例えば、予め設定された色が、青色、赤色であり、この色識別反応ゲームの参加者が、表示部11に対応するものであるとすると、この参加者は、発光窓11が青色が発光したタイミングで操作スイッチ41aを左手で押し、発光窓11が赤色が発光したタイミングで操作スイッチ41bを右手で押す。
【0026】
そして、この操作スイッチ41a若しくは41bが正しいタイミングで操作された場合は、正解として、まず表示部11の表示ランプ11aを点灯させ、更に正解が続くと、次に、表示ランプ11b、表示ランプ11cの順で点灯させる。
【0027】
しかし、操作スイッチ41a若しくは41bの操作タイミングが誤りとなると、そのとき最後に点灯していた表示ランプ、例えば、表示ランプ11cが消灯し、この動作が繰り返され、色識別反応ゲームが進行される。
【0028】
なお、上記実施例1においては各表示部11〜16に5個の表示ランプを設けるように構成したが、この表示ランプの数は、5個に限らず、4個以下でもまた6個以上でもよい。
【0029】
図2は、図1に示した操作パネル30の詳細を示した平面図である。
【0030】
この操作パネル30には、電源スイッチ31、参加人数設定部32、色設定部33、表示速度設定部34、スタートスイッチ35、ストップスイッチ36、リセットスイッチ37が設けられている。
【0031】
ここで、電源スイッチ31は、この色識別訓練装置100の電源をオンにするためのものであり、参加人数設定部32は、この色識別訓練装置100を用いた色識別反応ゲームの参加人数を設定するものである。
【0032】
参加人数設定部32は、参加人数設定部32の「+」スイッチ32aを操作すると、この色識別訓練装置100を用いた色識別反応ゲームの参加人数を1人増加させることができ、「−」スイッチ32bを操作すると、この色識別訓練装置100を用いた色識別反応ゲームの参加人数を1人減少させることができ、図2おいては、この参加人数設定部32により、この色識別反応ゲームの参加人数が3人に設定された場合を示している。
【0033】
色設定部33は、上記操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bの操作で応答する色を設定するものである。
【0034】
この色設定部33は、例えば、この色識別訓練装置100の発光窓21〜26の発光色が、青色、赤色、黄色の3色であるとすると、青色のみ、赤色のみ、黄色のみ、青色と赤色の2色、赤色の黄色の2色、黄色と赤色の2色の6パターンの設定が可能である。
【0035】
この色設定部33は、例えば、キートップを押す毎に、キートップの色が、青色のみ→赤色のみ→黄色のみ→青色と赤色の2色→赤色の黄色の2色→黄色と赤色の2色に切り換わり、その結果、青色、赤色、黄色の中の任意の1色若しくは青色、赤色、黄色の中の任意の2色の組合せを切り換えることができるスイッチから構成することができるようになっており、図2においては、例えば、青色と赤色の2色の組合せが設定された場合を示している。
【0036】
なお、色設定部33により1色が選択された場合は、操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bの内の41a、42a、43a、44a、45a、46a若しくは41b、42b、43b、44b、45b、46bのいずれか一方を有効にし、他方を無効にすることで対応でき、この場合、有効にされた操作スイッチが正しいタイミングで操作された場合にのみ、正解となる。
【0037】
なお、発光窓21〜26から発光される発光色は、青色、赤色、黄色に限らず、他の色でもよく、また、発光窓21〜26から発光される発光色の色数は、3色に限らず、4色以上でもよい。
【0038】
また、各発光窓21〜26に対応する操作スイッチの数はそれぞれ1個でもよいし、また、例えば、スイッチ板上に配列された3個以上のスイッチを含む操作部を採用してもよい。
【0039】
ただし、発光窓21〜26から発光される発光色の色数を、各発光窓21〜26に対応する操作スイッチの数より多くすることで、発光窓21〜26からは正解に該当しない色が発光されるタイミングが生じ、これによりゲーム性を高めるとともに、この色識別訓練装置を用いた色識別訓練の効果の向上を図ることができる。
【0040】
表示速度設定部34は、発光窓21〜26から発光される発光色の切換速度を設定するもので、図2に示した構成においては、発光窓21〜26から発光される発光色の切換速度を多段階で設定可能な、ボリュームスイッチ等から構成される。
【0041】
ここで、この表示速度設定部34で設定される表示速度を大きくすると、発光窓21〜26から発光される発光色の切換周期は短くなり、反対に、この表示速度設定部34で設定される表示速度を大きくすると、発光窓21〜26から発光される発光色の切換周期は長くなる。
【0042】
スタートスイッチ35は、この色識別訓練装置100による色識別反応ゲームの開始を指示するものである。ストップスイッチ36は、この色識別訓練装置100による色識別反応ゲームの停止を指示するものである。リセットスイッチ37は、この操作パネル30による設定を初期値に戻す指示を行うものである。
【0043】
図3は、図1に示した色識別訓練装置100の制御回路を示すブロック図である。
【0044】
図3において、この制御回路は、制御部50に、操作パネル30、表示部11〜16、発光窓21〜26、操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bを接続して構成され、この制御部50は、操作パネル30の表示速度設定部34で設定された表示速度に応じて、発光窓21〜26から発光される発光色の切換周期を制御するとともに、参加人数設定部32で設定されたこの色識別訓練装置100を用いた色識別反応ゲームの参加人数、色設定部33で設定された設定色および操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bの操作入力に応じて、表示部11〜16の各表示ランプ11a、11b、11c、11d、11e〜16a、16b、16c、16d、16eの点灯および消灯を制御する。
【0045】
図4は、図3に示した制御部50の動作を示すフローチャートである。
【0046】
図4において、図3に示した制御部50は、操作パネル30のスタートスイッチ36が押されると、まず、発光窓21〜26の内の参加人数設定部32で設定された参加人数に対応する発光窓を、予め設定された発光色の中からランダムに選択された発光色でそれぞれ発光する(ステップ401)。
【0047】
次に、操作パネル30の表示速度設定部34で設定された設定速度を読み込み(ステップ402)、この読み込んだ設定速度に対応する色発光切換周期に対応する時間を設定したタイマをスタートさせる(ステップ403)。
【0048】
そして、発光窓21〜26の発光に応答するゲーム参加者による操作スイッチ41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46bの操作入力を監視し、この操作入力が正解か否か、すなわち、操作スイッチが発光窓の発光に対応して正しく操作されたかを判断する(ステップ404)。
【0049】
ここで、ゲーム参加者による操作スイッチの操作が正解であると判断されると(ステップ404でYES)、該正解したゲーム参加者に対応する表示部11〜16の表示ランプを1つ点灯し(ステップ405)、次に、各ゲーム参加者に対応する表示部11〜16の表示ランプの点灯数が表示ランプの全点灯に対応する5個に達したか、すなわち、各ゲーム参加者に対応する表示部11〜16の表示ランプの点灯数が5個に達したものがあるかを調べる(ステップ406)。ここで、全てのゲーム参加者に対応する表示部11〜16の表示ランプの点灯数が5個に達していいない場合は(ステップ406でNO)、ステップ409に進む。
【0050】
また、ステップ404で、ゲーム参加者による操作スイッチの操作が正解でないと判断された場合は、ゲーム参加者による操作スイッチの操作が間違いか、すなわち、間違った操作スイッチの操作入力があったか、若しくは、操作すべき操作スイッチを操作しなかったかを調べる(ステップ407)。ここで、ゲーム参加者による操作スイッチの操作が誤りであると判断されると(ステップ407でYES)、該誤ったゲーム参加者に対応する表示部11〜16の表示ランプを1つ消灯し(ステップ4085)、ステップ409に進む。
【0051】
なお、ここで、該当ゲーム参加者に対応する表示部11〜16の表示ランプが1つも点灯していない場合は、上記表示ランプを1つ消灯する処理は行わない。
【0052】
また、ステップ407で、ゲーム参加者による操作スイッチの操作が間違いであると判断できなかった場合は(ステップ407でNO)、そのまま、ステップ409へ進む。
【0053】
ステップ409では、ステップ403でスタートしたタイマがタイムアップしたかを調べる。ここで、タイマがタイムアップしていないと判断されると(ステップ409でNO)、ステップ404に戻り、ステップ404から408の処理を繰り返す。
【0054】
ステップ409で、タイマがタイムアップしたと判断されると(ステップ409でYES)、ステップ401に戻り、発光窓21〜26を、参加人数に対応する発光窓を予め設定された発光色の中から各発光窓毎にランダムに選択された次の発光色でそれぞれ発光し、ステップ401から409の処理を繰り返す。
【0055】
このような処理を繰り返すことにより、各ゲーム参加者のうちのいずれかに対応する表示部11〜16の表示ランプの点灯数が5個に達すると、ステップ406で表示部11〜16の表示ランプの点灯数が5個に達したと判断される(ステップ407でYES)。
【0056】
この場合、この表示ランプの点灯数が5個に達したゲーム参加者がこの色識別反応ゲームの勝者となるので、この表示ランプの点灯数が5個に達したゲーム参加者を勝者と判定して(ステップ410)、この色識別反応ゲームを終了する。
【0057】
なお、上記フローチャートにおいては、各ゲーム参加者に対応する発光窓21〜26を同時に発光させるように構成したが、各ゲーム参加者に対応する発光窓21〜26を1つづつ順次発光させて、その都度ゲーム参加者の操作部による操作が正解か否かを判定するように構成してもよい。
【0058】
また、上記フローチャートにおいては、ゲーム参加者のうちのいずれか1人に対応する表示ランプの点灯数が5個に達すると、このゲーム参加者を勝者として判定してゲームを終了するように構成したが、各ゲーム参加者の表示ランプの点灯数が5個に達した時間をそれぞれ記憶して、この時間から各ゲーム参加者の順位を判定するように構成してもよい。
【0059】
さて、上記色識別反応ゲームにおいては、発光窓21〜26から発光される発光色の表示速度を表示速度設定部34で切換設定できるように構成したが、人間の色識別反応は、色の明度および彩度にも大きく依存するので、発光窓21〜26から発光される発光色の表示速度の切り換えに加えて、発光窓21〜26から発光される発光色の明度および/または彩度を切り換えるように構成してもよい。
【実施例2】
【0060】
図5は、このような点を考慮したこの発明に係わる色識別訓練装置の他の実施例で採用される操作パネル示す平面図である。
【0061】
この実施例においては、図2に示した操作パネル30に発光窓21〜26で発光される発光色の明度を設定する明度設定部38および彩度を設定する彩度設定部39を設け、この明度設定部38設定された明度および彩度設定部39で設定された彩度により発光窓21〜26で発光される発光色の明度および彩度を調節できるようにしている。その他の構成は、図1乃至図5に示した構成と同様である。
【0062】
図6は、図5に示した操作パネルを用いた色識別訓練装置の動作を示すフローチャートである。
【0063】
このフローチャートも、図4に示すフローチャートの最初に、明度設定部38設定された明度および/または彩度設定部39で設定された彩度を読み込む処理(ステップ600)を加えただけで、その他の処理は、図4に示すフローチャートの処理と同様であるので、図4で用いたステップと同一の符号を付して、その詳細説明を省略する。
【0064】
ただし、ステップ401の発光窓21〜26の発光処理においては、ステップ600で読み込んだ明度および/または彩度に基づき、発光窓21〜26から発光される発光色の明度および彩度を調節する。
【産業上の利用可能性】
【0065】
この発明の色識別訓練装置は、色識別に対する反応性の訓練に適用することができる。
【0066】
この発明の色識別訓練装置によれば、色識別に対する反応能力の訓練をゲーム感覚で行うことができるので、楽しんで色識別に対する反応能力の訓練を行うことができ、また、同時に色識別に対する反応操作のリハビリテーションも同時に行うことができるので、特に、老化等により色識別に対する反応操作が低下した場合の訓練に最適である。
【0067】
また、この発明の色識別訓練装置によれば、色識別に対する反応能力の訓練のみならず、色識別に対する反応能力の検査にも採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】この発明に係わる色識別訓練装置一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した操作パネルの詳細を示した平面図である。
【図3】図1に示した色識別訓練装置制御回路を示すブロック図である。
【図4】図3に示した制御部の動作を示すフローチャートである。
【図5】この発明に係わる色識別訓練装置の他の実施例で採用される操作パネルを示す平面図である。
【図6】図5に示した操作パネルを用いた色識別訓練装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0069】
11〜16 表示部
11a、11b、11c、11d、11e〜16a、16b、16c、16d、16e 表示ランプ
21〜26 発光窓
30 操作パネル
31 電源スイッチ
32 参加人数設定部
33 色設定部
34 表示速度設定部
35 スタートスイッチ
36 ストップスイッチ
37 リセットスイッチ
38 表示明度設定部
39 表示彩度設定部
41a,41b、42a,42b、43a,43b、44a,44b、45a,45b、46a,46b 操作スイッチ
50 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の上面にそれぞれ外側に向かって配設された複数の発光窓と、
前記複数の発光窓をそれぞれ所定の周期で任意の色に切り換えて発光させる発光制御部と、
各発光窓に対応して設けられ、該発光窓の発光色が予め設定した所定の色であるときに該発光窓対応して設定された訓練者により操作される操作部と、
前記装置の周面に各発光窓に対応して設けられ、それぞれ所定の数の表示ランプを有する複数の表示部と、
前記発光窓の発光色が予め設定した所定の色なったときに前記操作部が前記訓練者により正しく操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ点灯させ、前記操作部が前記訓練者により誤って操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ消灯させる点灯制御部と、
前記表示ランプの点灯数が予め設定された数に最初に達した表示部に対応する訓練者を勝者として判定する判定部と
を具備することを特徴とする色識別訓練装置。
【請求項2】
前記発光窓から発光される発光色を切り換える速度を設定する速度設定部
を具備し、
前記発光制御部は、
前記複数の発光窓を前記速度設定部で設定された速度でそれぞれ任意の色に切り換えて順次発光させることを特徴とする請求項1記載の色識別訓練装置。
【請求項3】
前記発光窓から発光される発光色の明度を設定する明度設定部
を具備し、
前記発光制御部は、
前記複数の発光窓を前記明度設定部で設定された明度でそれぞれ任意の色に切り換えて発光させることを特徴とする請求項1又は2記載の色識別訓練装置。
【請求項4】
前記発光窓から発光される発光色の彩度を設定する彩度設定部
を具備し、
前記発光制御部は、
前記複数の発光窓を前記彩度定部で設定された彩度でそれぞれ任意の色に切り換えて発光させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の色識別訓練装置。
【請求項5】
前記操作部は、
前記発光窓の発光色が予め設定した第1の色であるときに操作される第1の操作部と、
前記発光窓の発光色が予め設定した第2の色であるときに操作される第2の操作部と
を具備し、
前記点灯制御部は、
前記第1の操作部若しくは前記第2の操作部が前記訓練者により正しく操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ点灯させ、前記第1の操作部若しくは前記第2の操作部が前記訓練者により誤って操作された場合は、該訓練者に対応する前記表示部の表示ランプを1つ消灯させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の色識別訓練装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−46254(P2010−46254A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212576(P2008−212576)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(503158475)株式会社ティーエヌケー (14)