説明

花包装材

【課題】花束を花包装材を用いて包装する際に、花包装材を予め設定された形状にできる花包装材を提供すること。
【解決手段】花束Fを包装する略多角形状をなすシート材である花包装材1において、互いに同じ長さ寸法で非平行をなす2つの辺が花束Fを包装するときの基準となる基準辺6,7として形成され、両基準辺6,7の少なくとも一方には、基準辺6,7同士を接着する接着剤2が設けられ、基準辺6,7同士が互いに重ね合わされて接着されることで、花包装材1が略円錐形状に成形される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、花束を包装する略多角形状をなすシート材である花包装材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、花束の棒状物の外側をシート基材でロール状に覆い、このシート基材の一方面に付着させた粘着剤を用いて一方面を他方面に粘着させる包装シートがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−255670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の包装シートにあっては、花束の包み方、特に包装シート(花包装材)の巻き方には個人差があり、同じ形状及び同じ大きさの包装シートを用いても、出来上がった花束の形状が各人で異なってしまうという問題がある。特に、花束は出来上がりの見栄えが重要であり、いずれの者が包装しても見栄えよく包装できる花包装材が欲しいという需要者側の要望がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、花束を花包装材を用いて包装する際に、花包装材を予め設定された形状にできる花包装材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の花包装材は、
花束を包装する略多角形状をなすシート材である花包装材において、互いに同じ長さ寸法で非平行をなす2つの辺が花束を包装するときの基準となる基準辺として形成され、該両基準辺の少なくとも一方には、該基準辺同士を接着する接着剤が設けられ、該基準辺同士が互いに重ね合わされて接着されることで、前記花包装材が略円錐形状に成形されることを特徴としている。
この特徴によれば、花束を花包装材を用いて包装する際に、基準辺同士が同じ長さ寸法であるため重ね合わせ易くなっており、かつ接着剤により略円錐形状に成形された花包装材の形状を容易に保持することができ、両基準辺が花束を包装する使用者の目印となって、いずれの者が包装しても花包装材を予め設定された形状、特に、花束を包装したときに開口縁の形状を見栄えよく形成できる。
【0007】
本発明の花包装材は、
前記両基準辺の間には、花束を包装したときに該花束の花びら部を装飾する形状の装飾辺が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、花束を包装したときに花束の花びら部の周囲に装飾辺が配置されて花束を見栄えよく包装できる。
【0008】
本発明の花包装材は、
前記両基準辺の間には、花束を包装したときに該花束の茎部を露出させるように切り欠かれた切欠辺が形成されることを特徴としている。
この特徴によれば、花束を包装したときに予め設定された形状の切欠辺にして、この切欠辺による開口部から花束の茎部を露出させることができる。
【0009】
本発明の花包装材は、
前記両基準辺の少なくとも一方には、該基準辺を補強する補強部が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、基準辺が補強部により補強されて花包装材が破れにくくなり、かつ花束を包装する際に、基準辺同士を重ね合わせ易くなる。
【0010】
本発明の花包装材は、
前記両基準辺の少なくとも一方は、折り畳まれた折畳部となっており、該折畳部に前記接着剤が設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、花束を包装する前は、折畳部により接着剤が閉塞されており、他の部材に花包装材が接着される虞がなく、この折畳部を開くことで接着剤が露呈して基準辺同士の接着に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施例1における花包装材を示す平面図である。
【図2】花束を包装したとき花包装材を示す斜視図である。
【図3】実施例2における花包装材を示す平面図である。
【図4】実施例3における花包装材を示す平面図である。
【図5】実施例4における花包装材を示す平面図である。
【図6】花束を包装したとき花包装材を示す斜視図である。
【図7】実施例5における花包装材を示す平面図である。
【図8】花束を包装したとき花包装材を示す斜視図である。
【図9】実施例6における花包装材を示す平面図である。
【図10】花束を包装したとき花包装材を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る花包装材を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例1】
【0013】
実施例1に係る花包装材につき、図1及び図2を参照して説明する。図1の符号1は、本発明の適用された花包装材である。尚、図1の紙面手前側が花包装材1の裏面側として説明する。この花包装材1は、略多角形状をなすシート材となっており、ポリプロピレン等の材質で形成された透明なプラスチィックフィルムとなっている。この花包装材1を花束Fに巻き付けて包装するようになっている。
【0014】
図1に示すように、花包装材1を製造する際には、略長方形状をなすシート材の一辺の近傍の裏面側に接着剤2を塗布するとともに、この接着剤2の近傍に剥離剤3を塗布し、折り畳んで折畳部4を形成する(図1(a)参照)。この折畳部4を形成したときにシート材の形状は略正方形状をなすようにする。そして、この正方形状のシート材の四隅の角部の1つを切り欠いて切欠辺5を形成する。
【0015】
このように製造された花包装材1において、互いに非平行をなす2つの辺6,7が花束Fを包装するときの基準となる基準辺6,7として形成される。そして、この第1基準辺6の長さ寸法L1と、第2基準辺7の長さ寸法L2は、互いに同じ長さ寸法となっている(L1=L2)。
【0016】
尚、折畳部4の谷部が第1基準辺6となっている。また、切欠辺5は両基準辺6,7の間に配置されるとともに、両基準辺6,7の間においける切欠辺5の対角側には、花束Fを包装したときに開口縁となる開口辺8が設けられる。
【0017】
花束Fを花包装材1を用いて包装する際には、折畳部4を開いて接着剤2を露呈させる(図1(b)参照)。尚、折畳部4が折り畳まれているときに接着剤2は剥離剤3に付着しているため容易に折畳部4を開くことができる。そして、使用者は花包装材1の裏面側に花束Fを配置する。花束Fを配置する際には、花包装材1の対角線上に斜めに置くようにする。
【0018】
そして、花束Fに花包装材1を巻き付ける。このときに基準辺6,7同士が互いに重なり合うようにする。すると、第1基準辺6の接着剤2が塗布された部位と、第2基準辺7の部位とが互いに接着される。
【0019】
図2に示すように、花束Fを包装した花包装材1は略円錐形状をなし、この花包装材1下端側(円錐の頂点側)の切欠辺5から花束Fの茎部Fbが露出される。この切欠辺5の開口部9の形状は、略涙形状をなしており、見栄えよく茎部Fbの開口部9を形成できる。尚、この開口部9の形状は、花包装材1の製造者が予め設定した形状となっている。
【0020】
また、花束Fを包装したときに花束Fの花びら部Faの周囲に配置される開口縁部10の形状は、左右対称の均整のとれた形状に成形され、開口縁部10における基準辺6,7が重なり合った箇所に段差が生じないようになっている。尚、この開口縁部10の形状は、花包装材1の製造者が予め設定した形状となっている。
【0021】
このように本発明の花包装材1では、花束Fを花包装材1を用いて包装する際に、基準辺6,7同士が同じ長さ寸法であるため重ね合わせ易くなっており、かつ接着剤2により略円錐形状に成形された花包装材1の形状を容易に保持することができ、両基準辺6,7が花束Fを包装する使用者の目印となって、いずれの者が包装しても花包装材1を予め設定された形状、特に、花束Fを包装したときに開口縁部10の形状を見栄えよく形成できる。
【0022】
また、両基準辺6,7の間には、花束Fを包装したときに花束Fの茎部Fbを露出させるように切り欠かれた切欠辺5が形成されることで、花束Fを包装したときに予め設定された形状の切欠辺5にして、この切欠辺5による開口部9から花束Fの茎部Fbを露出させることができる。
【0023】
また、折畳部4に接着剤2が設けられることで、花束Fを包装する前は、折畳部4により接着剤2が閉塞されており、他の部材に花包装材1が接着される虞がなく、この折畳部4を開くことで接着剤2が露呈して基準辺6,7同士の接着に用いることができる。
【実施例2】
【0024】
次に、実施例2に係る花包装材1aにつき、図3を参照して説明する。尚、図3の紙面手前側が花包装材1aの裏面側として説明する。図3に示すように、第1基準辺6に設けられた折畳部4には、接着剤2が塗布されているとともに、この接着剤2を閉塞する剥離シール11が設けられている。このように剥離シール11により接着剤2を閉塞することで、花束Fを包装する使用者が容易に第1基準辺6の位置を視認することができる。
【実施例3】
【0025】
次に、実施例3に係る花包装材1bにつき、図4を参照して説明する。尚、図4の紙面手前側が花包装材1bの裏面側として説明する。図4に示すように、花包装材1bにおける第2基準辺7の表面側に、接着剤2が塗布されている。この接着剤2は実施例2で示したように剥離シール11により閉塞するようにしてもよい。また、第1基準辺6及び第2基準辺7には、これら各基準辺6,7と補形をなす補強用の補強シート部材12が接着されている。この補強シート部材12が補強部となっている。
【0026】
このようにすることで、各基準辺6,7が補強シート部材12により補強されて花包装材1bが破れにくくなり、かつ花束Fを包装する際に、基準辺6,7にこしを持たせて、基準辺6,7同士を重ね合わせ易くなる。尚、本実施例では、両基準辺6,7に補強シート部材12が設けられているが、いずれか一方の基準辺に補強シート部材12を設けるようにしてもよい。
【実施例4】
【0027】
次に、実施例4に係る花包装材1cにつき、図5から図6を参照して説明する。尚、図5の紙面手前側が花包装材1cの裏面側として説明する。図5に示すように、実施例4の花包装材1cは、切欠辺5の対角線上の角部は、ラウンドされた形状のラウンド部13に形成されている。このラウンド部13は、2つの開口辺8の間に設けられる。
【0028】
このようにすることで、図6に示すように、花束Fを包装したときにラウンド部13及び2つの開口辺8で形成される開口縁部10cの形状を略円形状にすることができる。尚、このラウンド部13及び2つの開口辺8が、花束Fの花びら部Faを装飾する装飾辺となっており、花びら部Faの周囲に装飾辺8,13が配置されて花束Fを見栄えよく包装できる。
【実施例5】
【0029】
次に、実施例5に係る花包装材1dにつき、図7から図8を参照して説明する。尚、図7の紙面手前側が花包装材1dの裏面側として説明する。図7に示すように、両基準辺6,7の間においける切欠辺5の対角側には、花束Fを包装したときに開口縁となる開口辺8dが設けられおり、この開口辺8dが全体的に略波形状に形成されている。
【0030】
このようにすることで、図8に示すように、花束Fを包装したときに略波形状の開口辺8dで形成される開口縁部10dの形状を略波形状にすることができる。尚、この開口辺8dが、花束Fの花びら部Faを装飾する装飾辺となっており、花びら部Faの周囲に装飾辺8dが配置されて花束Fを見栄えよく包装できる。
【実施例6】
【0031】
次に、実施例6に係る花包装材1eにつき、図9から図10を参照して説明する。尚、図9の紙面手前側が花包装材1eの裏面側として説明する。図9に示すように、両基準辺6,7の間においける切欠辺5の対角側には、ラウンドされた形状の2つのラウンド部14が形成されている。この両ラウンド部14は、2つの開口辺8の間に設けられる。
【0032】
このようにすることで、図10に示すように、花束Fを包装したときにラ2つのウンド部14及び2つの開口辺8で形成される開口縁部10eの形状を略ハート形状にすることができる。尚、この2つのラウンド部14及び2つの開口辺8が、花束Fの花びら部Faを装飾する装飾辺となっており、花びら部Faの周囲に装飾辺8,14が配置されて花束Fを見栄えよく包装できる。
【0033】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0034】
例えば、前記実施例では、透明なプラスチィックフィルムを用いて花包装材1を形成しているが、半透明なプラスチィックフィルムを用いて花包装材1を形成してもよいし、紙材等の材質を用いて花包装材1を形成してもよい。
【0035】
また、前記実施例では、少なくとも一方の基準辺6に接着剤2が設けられているが、両方の基準辺6,7に接着剤を設けるようにしてもよい。
【0036】
また、前記実施例では、花束Fを包装するために花包装材1を用いているが、花束Fのみならず、花束Fに類似の形状をなす棒状の野菜や棒状のお菓子や棒状のパン等の棒状物を包装するために花包装材1を用いることもできる。
【符号の説明】
【0037】
1、1a、1b 花包装材
1c、1d、1e 花包装材
2 接着剤
3 剥離剤
4 折畳部
5 切欠辺
6 第1基準辺
7 第2基準辺
8、8d 開口辺
9 開口部
10、10c 開口縁部
10d、10e 開口縁部
11 剥離シール
12 補強シート部材
13、14 ラウンド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
花束を包装する略多角形状をなすシート材である花包装材において、互いに同じ長さ寸法で非平行をなす2つの辺が花束を包装するときの基準となる基準辺として形成され、該両基準辺の少なくとも一方には、該基準辺同士を接着する接着剤が設けられ、該基準辺同士が互いに重ね合わされて接着されることで、前記花包装材が略円錐形状に成形されることを特徴とする花包装材。
【請求項2】
前記両基準辺の間には、花束を包装したときに該花束の花びら部を装飾する形状の装飾辺が形成されることを特徴とする請求項1に記載の花包装材。
【請求項3】
前記両基準辺の間には、花束を包装したときに該花束の茎部を露出させるように切り欠かれた切欠辺が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の花包装材。
【請求項4】
前記両基準辺の少なくとも一方には、該基準辺を補強する補強部が設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の花包装材。
【請求項5】
前記両基準辺の少なくとも一方は、折り畳まれた折畳部となっており、該折畳部に前記接着剤が設けられることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の花包装材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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