説明

苗木と植物用有機繊維種蒔き容器と鉢及びその製造方法

【課題】生分解性を有する苗木用、種蒔き用容器、皿または鉢及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】有機繊維、特に、未使用又は再生のセルロース繊維にメチレン尿素および/またはメチロール尿素などを結合材料として使用し、所望形状の個々のルクラムを有する苗木用、植物用種蒔き容器、皿または鉢として成形する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は苗木と植物用有機繊維種蒔き容器と鉢に関し、そして前記容器と鉢の製造方法にも関する。
【0002】
特に、この発明は、有性及び無性増殖植物用基材容器として使用される他の要素を加えることができる生分解性の毒性のない物質から作られる苗木と植物の種蒔き容器と鉢に関する。
【背景技術】
【0003】
知られているように、有性増殖植物は有性で又は植物種子により増殖される植物である一方、無性増殖植物はほふく枝、種芋、根茎、球根等のような異なる植物性要素を介して増殖する植物である。
【0004】
いくつかの農耕栽培は種が蒔かれ、又は移植され、又は直接田畑へ植えられる一方、他の栽培は種が蒔かれ、又は移植され、又は最初保護環境に植えられ、ここでそれらは花壇または苗木段階迄、その生育サイクルの第1の部分の間、留まり、次に田畑又は温室へ植えられ、ここでその植物はその生育サイクルを終了する。
【0005】
近代の栽培法又は農法は、種には適切な発芽基材に、又は植物部分には発根基材に種の蒔き方、植物部分の植え付け方を提供する。
【0006】
このような基材は異なる寸法と形状を有する複数のルクラム又はウエルを含む、適切な容器、いわゆる“種蒔き容器”又は“種蒔き皿”に配置される。
【0007】
これにより、栽培操作が実施されると、各苗木はその中で大部分の小型根装置を生育させるための小型基材“パン”を有するだろう。
【0008】
従って、この装置は移植されると外傷性応力を受けず、生育田畑又は温室のいずれかのその最後の生育プレートへ苗木又は植物を移植すると、その生育を迅速に回復することができるだろう。
【0009】
従来の種蒔き皿は通常ポリエチレンのようなプラスチック材料又は紙材料のような複合材料、又は可塑/ワックス/多層タイプで作られ、および/または織物繊維とプラスチック材料の複合物で作られる。
【0010】
特に、広域拡散型種蒔き容器を代表する発砲ポリスチレン種蒔き皿は、“床支持”上又は“ベンチ支持”上のいずれかでの栽培システムに対し比較的高い明度と適性の利点を有し、即ち前記種蒔き皿は発芽温室床上、又はよく知られた作業“ベンチ”に類似し、この中へ上から又はいわゆる“フロートシステム”の撒布装置により水を撒く隆起した樽の中に、直接配置される。
【0011】
語句“フロートシステム”は、ここではよく知られるように、苗木を生育するためのシステムで、ここではポリスチレン種蒔き皿を水中又は栄養のある溶液を満たした樽中に浮かぶようにする。
【0012】
これにより、苗木は発芽すると上記ルクラム又はウエルに保持された基材から液体媒体へそれらの幼根を伸ばして行き、そこからそれらは水や他の栄養要素を摂取する。
【0013】
上記利点にも拘らず、従来のプラスチック材の種蒔き皿や容器、特にポリスチレン種蒔き皿は多くの欠点を有する。
【0014】
事実、植物検疫の理由で、それらはカビや細菌病種を運搬しやすいので、それらを各生育サイクルの終わり毎に更新しなければならない。これを達成するため、使用済み状態ではそれらは植物保護製品の残留物により汚染された特別なタイプの廃棄物となるので、使用済みの種蒔き皿を温度破壊システム又はごみ捨て場へ送る。
【0015】
実際に、消毒蒸気又は溶液を使用して使用済み種蒔き皿を殺菌する試みは、この様な消毒操作は種蒔き皿の容量と形状により逆に影響されるので、多くの操作の困難性を含む。更に、この状況は、曲げ、破損、その材料の脆性増加等のような前記種蒔き皿上で実施される処理操作から導かれる更なる問題により更に悪化する。
【0016】
このように、先に使用された種蒔き皿又は容器又は鉢の廃棄に関する問題や支出に加え、更なる問題はトマト、メロン、タバコ等のような外の田畑へ移植されるような工業栽培植物の提供をするため、それらの使用からの導出である。
【0017】
こうしてこのような栽培に対し、種蒔き皿はそれにより行われる植物を移植すると、通常田畑の周辺部に置かれ、これは続く高価な収集操作を実施し、使用済み皿を廃棄される共同場所へ運搬する必要がある。
【0018】
この点で、1ヘクタールの表面に通常使用される多くの種蒔き皿は、処理される植物品種により、150〜250の間で変動し、各皿は平均寸法0.008〜0.012mで、密度は19〜3kg/mである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
従って、この発明の目的は、従来技術に影響を与え、そして熱破壊又は他の処理方法により従来の皿の処理要件に関係する上記問題を克服するように構成された苗木と植物に種蒔き容器または皿または鉢を提供することで、一方その技術栽培期間、即ちそのサービス後の段階の終わりのその処置に関する他の問題や出費を排除するのに適した苗木や植物用の種蒔き容器又は皿又は鉢を提供することである。
【0020】
上記目的の範囲内で、本発明の主目的は生分解性を有し、所望構成と寸法の個々のルクラムで作ることができる苗木や植物用種蒔き容器または皿または鉢を提供することである。
【0021】
別の目的は、使用済みの皿を収集し廃棄場所へ搬送するか又は、熱的に破壊するか又は殺菌操作後再使用するため、収集や搬送に関する問題のようなサービス後の処置に関する他の問題をできる限り克服する、このような苗木や植物の種蒔き皿や容器鉢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この発明の一態様によると、上記目標や目的を始め、後により明らかとなる他の目的は、種蒔き容器が有機繊維、特に、未使用又は再生のセルロース繊維及び結合材料として作用するメチレン尿素および/またはメチロール尿素などからできる所望形状と個数の個々のルクラムを含み、生分解性種蒔き容器又は皿及び鉢により達成される。
【0023】
知られるように、メチレン尿素はその製造反応が酸性媒体中で行われるならば、尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物である一方、メチロール尿素は、その製造反応がアルカリ性媒体中で行われるならば、尿素とホルムアルデヒドの縮合生成物である。
【0024】
両反応の縮合方法は、ここ数年来よく知られている。
【0025】
各ルクラム又はウエルは各苗木や植物に対し、有機物質源を意味する一方、メチレン尿素および/またはメチロール尿素は徐々に解放する窒素源を意味する。
【0026】
このようにして作られた種蒔き容器又は皿は、更に無機成分と有機成分の両方からなる。
【0027】
無機成分としては、無機肥料、特に粉状メチレン尿素、沸石、岩綿、ポゾラン、軽石、無機粘土、バーミキュライト、真珠岩、発砲粘土、ベントナイト、及び所望比率のそれらの混合物を使用することができる。
【0028】
有機成分としては、植物食、澱粉、天然及び人口織物繊維、おがくず、木材繊維や粉末を始め、パネル工業副産物、製紙工場副産物、紙処理廃棄物、ココナット繊維、麻繊維、ケナフ繊維、樹皮、コルク、穀類の藁、米及び他の穀類の殻、ヒマワリ種殻、バガス、泥炭、木材廃棄物、および全ての所望比率のそれらの混合物を、使用することが可能である。
【0029】
1つの好適実施形態は、1〜680(34×20)のルクラム又はウエルを備える、長さ60mm×幅400mm迄×高さ160mm迄の寸法を有するパラレルエピペダル型種蒔き容器又は皿を備える。
【0030】
ルクラム又はウエルの数は本発明による皿や容器で栽培される植物品種の農学的要件、及びその生育手順に依存する。
【0031】
同じ理由により、ルクラム又はウエルは、栽培される植物品種の農学的要件に依存して、複数の異なる寸法穴を含む、開又は閉のいずれかの正面を持つことができる。
【0032】
第2の実施形態は、先の実施形態でルクラム又はウエルの内部空間を分離した分離要素のない上昇した周辺リムを備える種蒔き皿の形状の種蒔き容器からなる。この実施形態で、皿寸法は長さ600mm迄×幅400mm迄×外高さ160mm迄及び皿内で測定した内高さ145mm迄の範囲で変動する。この実施形態でさえ、皿の底を貫通する穴を備えるか備えないかのいずれも可能である。
【0033】
最後に、第3実施形態は周辺の上昇リムのない平坦な皿からなり、その上に長さ600mm迄×幅400mm迄×高さ160mm迄の寸法を好ましくは有する、栽培下層が単に配置又は支持される。
【0034】
この実施形態でも、皿の底部を貫通する穴を備えるか備えないかいずれも可能である。
【0035】
この発明による種蒔き容器又は鉢は従来技術に対し複数の利点を備える。
【0036】
最初に、完全な生分解性材料の種蒔き容器又は鉢の使用により、収集、処理及びごみ捨て場への搬送のようなその使用後の管理、又は殺菌後のその熱破壊又は再使用に関する問題を出来る限り防止する。
【0037】
本発明による有機繊維種蒔き容器は、生分解性であることに加えて、それらは栽培の観点から非常な利点を備える窒素を徐々に解放する肥料により部分的に構成される一方、有機部分(繊維)は有機土壌改良と施肥機能を提供するので、その使用後の期間で非常に重要な機能を提供する。
【0038】
任意に含まれる共に配合される無機又は有機配列は、その補間的施肥および/または改良機能のためメチレン尿素活性作用を組み込む。
【0039】
特に、この発明による種蒔き容器と鉢は、それらが無損傷状態で操作してはならず、直接栽培田畑の上で細かく分解し、そして従来の窒素肥料のように土壌に分散されるので、移植操作を非常に単純化し、完全に自動化することを可能にする。
【0040】
この発明の更なる図示のため、限定しない例を以下に開示するが、これは発明の範囲を網羅すると考えるべきではない。
【0041】
特に、開示例は全て、その繊維量を使用して作ることができる多くの種蒔き容器とは別に、1000gの乾燥繊維に言及する。
【0042】
(例1)
予め洗浄した1000gのリサイクルセルロースをパルプ化装置で水パルプにし、全部で33333.3gの3%乾燥材パルプにする。
【0043】
この分散物を穴開きベルト上に広げ、この上に所望構造を有する種蒔き容器又は鉢を作る。
【0044】
移動ベルト上で、3%パルプ材料は水分を失い、全部で1428.6gの約30%残留水(約70%セルロースに対応)を含む中間製品とする。
【0045】
次に、ベルトを連続駆動させながら、メチレン尿素をノズル又はスロット膜塗装機により添加する。
【0046】
ここで使用されるメチレン尿素は、モル比U:F=1:0.5で、60%乾燥後残留物で、使用直前に20%リン酸で触媒する。使用する割合は、以下の通りである;100gの液体メチレン尿素および2gのリン酸溶液。
【0047】
上記触媒混合物500gを1428.6gの70%セルロースの処理中間製品上に噴射する。
【0048】
樹脂結合操作後直ちに、ベルトを150℃の窯を通過させ、ここで触媒メチレン尿素を乾燥させ、セルロースは更に水を失い、全重量1364.3gに対し、全体で5%残留水分を含む最終製品とする。
【0049】
こうして作られた製品は軽く、衝撃に強く、完全な固体で、全体で8.7%の窒素を含み、その内の7.8%は徐々に解放される窒素で、一方残りの0.9%は尿素窒素により構成される。
【0050】
(例2)
1000gの未使用セルロースをパルプ化装置で水パルプとし、全部で33333.3gの3%乾燥材パルプとする。
【0051】
この分散物を穴開きベルト上に広げ、その上に種蒔き容器と鉢を所望構造と寸法に形成する。
【0052】
移動ベルト上で、3%乾燥材料パルプは水を失い、全部で1428.6gの約30%残留水(約70%セルロースに対応)を含む中間製品とする。
【0053】
次に、ベルトを連続駆動しながら、メチロール尿素をノズル又はスロット膜塗装装置を使用して添加する。
【0054】
ここで使用されるメチロール尿素はモル比U:F=1:0.7で、乾燥残留70%で、その使用直前に15%リン酸アンモニウム(MAP)溶液を使用して触媒する。
【0055】
上記触媒混合物700gを70%セルロースの1428.6gの中間処理製品上に、噴射する。
【0056】
樹脂結合操作直後に、ベルトを170℃の窯を通過させ、ここで前記触媒メチロール尿素を乾燥させ、そしてセルロースは更に水を失い、全重量1540.5gの全部で7%の残留水分を含む最終製品とする。
【0057】
こうして作られた製品は軽く、衝撃に強く、完全な固体で、全部で10.0%の窒素を含み、その内の8.5%は徐々に解放される窒素により構成される一方、残りの1.5%は尿素窒素により構成される。
【0058】
(例3)
適当に洗浄された1000gのリサイクルセルロースをパルプ化装置で水パルプとし、全部で33333.3gの3%乾燥材料パルプとする。
【0059】
この分散物を穴開きベルト上に広げ、その上で作られる種蒔き容器と鉢を所望構造と寸法に成形する。
【0060】
前記可動ベルト上で、3%乾燥材料パルプは水を失い、全部で1428.6gの約30%残留水(70%セルロースに相当)を含む中間製品とする。
【0061】
次に、ベルトを連続駆動させ、前記メチレン尿素をノズル又はスロット膜塗装装置を使用して添加する。
【0062】
ここで使用されるメチレン尿素はモル比U:F=1:1.0で、65%乾燥材料で、使用直前に35%硫酸アンモニウムで触媒する。比率は以下のようである;
100gの尿素樹脂液と8gの硫酸アンモニウム溶液である。
【0063】
上記触媒混合物300gを70%セルロースの処理中間製品1428.6g上に噴射する。
【0064】
樹脂結合操作の直後に、ベルトを160℃の窯を通過させ、ここで前記触媒メチレン尿素を乾燥し、セルロースは更に水を失い、全重量1212.6gの全部で2%残留水分を含む最終製品とする。
【0065】
こうして作られた製品は軽く、衝撃に強く、完全な固体であり、徐々に解放される窒素により完全に構成された全部で5.5%の窒素を含む。
【0066】
(例4)
例1で開示された方法によると、木材廃棄物(N=12%)はここでは種蒔き容器又は鉢製造用セルロースの代わりに使用され、これはこの実施形態で、全部で17.5%の窒素を含有し、その8.8%は有機窒素により構成され、7.8%は徐々に解放される窒素により構成され、残り0.9%は尿素窒素により構成される。
【0067】
(例5)
例3で開示される方法によると、ここではセルロース繊維材料から始めて得られるそれに対応する特徴を有する種蒔き容器又は鉢の製造のため樹皮繊維(N=12%)が使用される。
【0068】
(例6)
1000g麻布又は繊維をパルプ化装置で水パルプにする。
【0069】
上記分散物を穴開きベルト上に広げ、その上で製造される種蒔き容器と鉢を所望構造と寸法に成形する。
【0070】
移動ベルト上で、前記パルプは水を失い、全部で1666.6gの約40%の残留水(約60%麻布材料に相当)を含む中間製品とする。
【0071】
次に、ベルトを連続駆動させ、メチレン尿素をノズル又はスロット膜塗装装置を使用して添加する。
【0072】
ここで使用されるメチレン尿素はモル比U:F=1:0.6を有し、70%乾燥残留物で、使用直前に35%リン酸と混合する。操作比率は以下の通りである;100gメチレン尿素液と3g硫酸溶液。
【0073】
上記触媒混合物200gを60%麻布材料の1666.6gの処理中間製品上に噴射する。
【0074】
樹脂結合操作直後に、ベルトを150℃の窯を通過させ、ここで前記触媒樹脂を乾燥し、そして麻は更に水を失い、全重量1161.2gの全部で2%残留水分を含む最終製品とする。
【0075】
こうして作られた最終製品は軽く、衝撃に強く、完全な固体で、全部で4.0%の窒素を含み、その内3.6%は徐々に解放される窒素により構成され、残りの0.4%は尿素窒素により構成される。
【0076】
(例7)
適当に洗浄した1000gのリサイクルセルロースをパルプ化装置で水パルプとし、全部で100000g分散物に対し1%乾燥材料パルプとする。
【0077】
この分散物へ分散物から直接前記メチレン尿素を加える。
【0078】
連続操作処理システムで、メチレン尿素も連続して添加する。
【0079】
ここで使用されるメチレン尿素はモル比U:F=1:0.6を有し、65%の乾燥残留物を有し、使用直前に35%硫酸アンモニウムにより触媒される。
【0080】
操作比は100gメチレン尿素液と2gの硫酸アンモニウム溶液である。
【0081】
1000g乾燥繊維へ、1333.3gメチレン尿素液を加える。
【0082】
この添加直後に、種蒔き容器又は他の所望種蒔き鉢又は桶からなる、この製品を成形するため鋳型を使用する。
【0083】
その上に配置した鋳型から取り外された製品を乗せたベルトを160℃の窯を通過させ、ここで前記触媒メチレン尿素を乾燥し、そしてセルロースは更に水を失い、全重量1300gに対し、全部で5%残留水分を含む最終製品となる。
【0084】
これに関し、最終重量は添加したメチレン尿素の部分だけが繊維材料上に残り、残りの部分は溶液へ溶けるという事実によることは明らかである。
【0085】
こうして作られた製品は軽く、衝撃に強く、完全な固体で、全部で6%の窒素を含み、その内5.8%は徐々に解放される窒素により構成される、一方残りの0.2%は尿素窒素により構成される。
【0086】
3.6%に相当する全部で60%の窒素は、施肥材料活性化指標法によると、熱湯に溶解できる。
【0087】
(例8)
適当に洗浄された1000gのリサイクルセルロースをパルプ化装置で水パルプにし、全部で100000gのペーストに対し1%の乾燥材料パルプとする。
【0088】
この分散物に対し、メチロール尿素を前記ペースに直接添加する。
【0089】
ペーストを連続的に添加しながら、前記メチロール尿素も連続的に添加する。
【0090】
ここで使用されるメチロール尿素はモル比U:F=1:0.7で、85%の乾燥残留物を有し、使用直前に35%硫酸アンモニウムを使用して触媒する。操作比は100gのメチロール尿素液と1gの硫酸アンモニウム溶液に相当する。
【0091】
1000gの乾燥繊維に対し、1500gの液体メチロール尿素溶液を添加する。
【0092】
直後に適当な鋳型を使用して、種蒔き容器又は他の種蒔き鍋又は桶からなる、ここで所望の製品を作る。
【0093】
鋳型から取り外した製品を支持する製品支持ベルトを130℃の窯を通過させ、ここで触媒メチロール尿素を乾燥し、セルロースは更に水を失い、全重量1250gに対し全部で6%の残留水分を含む最終製品となる。
【0094】
これに関して、最終重量は、添加したメチロール尿素の一部のみが繊維材料に残り、残りの部分は溶液に溶けるという事実によることは明らかである。
【0095】
こうして作られた最終製品は軽く、衝撃に強く、完全な固体で、全部で5%の窒素を含み、その内の4.9%の徐々に解放する窒素である一方、残りの0.1%は尿素窒素である。
【0096】
全部で80%の窒素、すなわちその4.0%は施肥活性化指標法により熱湯に溶解する。
【0097】
本発明は意図した目標と目的を充分達成することが判明した。
【0098】
事実、本発明は一般に苗木と植物の生育に対し、種蒔き容器と鉢又は桶を提供し、その容器はすべて生分解性材料から作られ、これにより収集、処理、及び廃棄場所への搬送、またはそれらを熱破壊システムへ搬送するか、または可能な限り任意に再使用する、ようなその使用後の管理に関する全ての問題を排除する。
【0099】
こうして作られた種蒔き容器と鉢は、前記容器が必ずしも損傷されない状態に維持される必要はないので、田畑上で直接小片に分解でき、そして従来の施肥のように土壌にばら蒔かれるので、完全に機械化された方法で、必要な移植操作を全て簡単に行う可能性を提供する。
【0100】
本発明の実施において、使用材料は付帯する寸法と形状と共に必要条件と技術レベルにより何でもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
苗木と植物用種蒔き容器と鉢であって、前記種蒔き容器と鉢は全て生分解性材料からできていることを特徴とする種蒔き容器と鉢。
【請求項2】
前記生分解性材料は有機繊維の一部およびメチレン尿素、および/またはメチロール尿素の一部からなることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項3】
前記有機繊維はセルロース、特に未使用セルロースまたはリサイクルセルロースからなることを特徴とする、請求項2に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項4】
前記有機繊維は、前記種蒔き容器と鉢の乾燥重量で20〜99%、好ましくは40〜80%からなる、請求項2に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項5】
前記メチレン尿素は、尿素:ホルムアルデヒドのモル比が1:0.3〜1:2.0、そして好ましくは1:0.50〜1:1.0であり、そして乾燥材料残留は30%〜80%であることを特徴とする、請求項2に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項6】
前記メチロール尿素は尿素:ホルムアルデヒドのモル比が1:0.3〜1:2.0、そして好ましくは1:0.5〜1:1.0であり、そして乾燥残留は30%〜80%であることを特徴とする、請求項2に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項7】
前記メチレン尿素は、前記種蒔き容器の乾燥重量で5〜70%、好ましくは10〜40%であることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項8】
前記メチロール尿素は、前記種蒔き容器の乾燥重量で5〜70%、そして好ましくは10〜40%であることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項9】
前記種蒔き容器と鉢は全窒素含有量1〜30%を有し、そして好ましくは5〜20%であることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項10】
前記メチレン尿素、および/またはメチロール尿素には下記の触媒から選択された触媒を添加することを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
:濃度5〜50%、そして好ましくは10〜25%のギ酸、濃度10〜40%、そして好ましくは25〜35%の硫酸アンモニウム、濃度5〜20%、そして好ましくは10〜15%の水溶性第1硫酸アンモニウム(MAP);濃度10〜40%、そして好ましくは20〜30%の水溶性第2硫酸アンモニウム(DAP);濃度10〜75%、そして好ましくは20〜30%のリン酸;濃度5〜30%、そして好ましくは10〜20%の硫酸;そして所望比率のそれらの混合物。
【請求項11】
前記触媒は前記種蒔き容器または鉢の乾燥重量で0.1〜10%、そして好ましくは0.5〜5%からなることを特徴とする、請求項10に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項12】
前記種蒔き容器と鉢は、補完的な土壌改良および/または施肥作用を備える前記セルロースとメチレン尿素および/またはメチロ−ル尿素の活性を組み込むため、無機共配合剤または有機マトリックス配列からなることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項13】
前記種蒔き容器と鉢は天然有機添加物、無機または合成添加物及び所望比率のそれらの混合物からなることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項14】
前記種蒔き容器と鉢は、植物食、でんぷん、天然および人工織物繊維、おがくず、木材繊維と粉末を始め、パネル工業副産物、紙工場副産物、紙処理廃棄物、ココナッツ繊維、麻繊維、ケナフ繊維、樹皮、コルク、穀物藁、米および他の穀物殻、ひまわり種殻、バガス、泥炭、木材廃棄物とその混合物、および所望比率のそれらの混合物、を含む有機添加物からなることを特徴とする、請求項13に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項15】
前記種蒔き容器と鉢は無機NPK、NP,NK,N、施肥機、特に、メチレン尿素粉末、PとK施肥機、無機粘土、沸石、岩綿、ポゾラン、軽石、無機粘土、バーミキュライト、パーライト、発泡粘土、ベントナイト、及び所望比率のそれらの混合物を含む無機添加物からなることを特徴とする、請求項13に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項16】
前記種蒔き容器と鉢は閉または開の正面部と複数の異なる寸法の貫通穴を有し、1〜680(34x20)個のルクラム又はウエルを備える、長さ600mm迄、幅400m迄、高さ160m迄の寸法のパラレルエピペダル構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項17】
前記種蒔き容器と鉢は、内部の分離要素のない、上昇した周辺リムを含む皿構造を有し、前記種蒔き容器と鉢は、長さ600mm迄、幅400mm迄、外部高さ160mm迄、そして内部高さ145mm迄の寸法を有し、前記種蒔き容器と鉢の底部は貫通穴を備えるか、または備えない、ことを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項18】
前記種蒔き容器と鉢は周辺の上昇縁部のない、平坦な皿構造を有し、その上で栽培下層を支持し、前記種蒔き容器と鉢は、長さ600mm迄、幅400mm迄、高さ160mm迄の寸法を有し、前記種蒔き容器と鉢は貫通穴を含むか、または含まないかいずれかの底部を有することを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項19】
前記メチレン尿素および/またはメチロール尿素はノズル膜塗装装置を使用して完成容器と鉢に添加されることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項20】
メチレン尿素および/またはメチロール尿素は、直接繊維のスタートペーストへ添加されることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項21】
花鉢であることを特徴とする、請求項1に記載の苗木と植物用種蒔き容器と鉢。
【請求項22】
有機繊維とメチレン尿素および/またはメチロール尿素を使用するステップからなる、苗木と植物用種蒔き容器と鉢の製造方法。
【請求項23】
前記方法は主構成要素として、有機繊維、特に未使用または完全なリサイクルのセルロースを使用するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記有機繊維は、前記種蒔き容器または鉢の乾燥重量で30〜99%、そして好ましくは40〜80%からなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、第2構成要素として、モル比、尿素:ホルムアルデヒドが1:0.3〜1:2.0、そして好ましくは1:0.50〜1:1.0、そして乾燥残留は30%〜80%のメチレン尿素を使用するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、第2構成要素として、モル比、尿素:ホルムアルデヒドが1:0.3〜1:2.0、そして好ましくは1:0.50〜1:1.0、そして乾燥残留は30%〜80%のメチロール尿素を使用するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記メチレン尿素は、前記種蒔き容器または鉢の乾燥重量で5〜70%、そして好ましくは10〜40%からなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記メチロール尿素は、前記種蒔き容器または鉢の乾燥重量で5〜70%、そして好ましくは10〜40%からなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項29】
前記種蒔き容器または鉢は、全窒素含有量が1〜30%、そして好ましくは5〜20%であることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、以下の触媒:
濃度5〜50%、そして好ましくは20〜25%のギ酸;
濃度10〜40%、そして好ましくは25〜35%の硫酸アンモニウム;
濃度5〜20%、そして好ましくは10〜15%の水溶性第1リン酸アンモニウム(MAP);
濃度10〜40%、そして好ましくは20〜40%の水溶性第2リン酸アンモニウム(DAP);
濃度10〜75%、そして好ましくは20〜35%のリン酸;
濃度5〜30%、そして好ましくは10〜20%の硫酸;そして
所望比率のそれらの混合物;
から選択された触媒を前記メチレン尿素および/またはメチロール尿素へ任意に添加するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項31】
前記触媒は、前記種蒔き容器または鉢の乾燥重量で0.1〜10%、そして好ましくは0.5〜5%からなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、補完的土壌改良または施肥効果を備えるセルロースとメチレン尿素の活性を組み込むため、無機共配合剤または有機配列化合物を添加するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、天然有機添加物、無機または合成添加物、そして所望比率のそれらの混合物を添加するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記有機添加物は、植物食、でんぷん、天然および人工織物繊維、おがくず、木材繊維と粉末を始め、パネル工業副産物、紙工場副産物、紙処理廃棄物、ココナッツ繊維、麻繊維、ケナフ繊維、樹皮、コルク、穀物藁、米および他の穀物殻、ひまわり種殻、バガス、泥炭、木材廃棄物とその混合物、および所望比率のそれらの混合物、からなることを特徴とする、
請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記無機添加物は、NPK、NP,NK,N、無機施肥機(特に、メチレン尿素粉末)、PとK施肥機、無機粘土、沸石、岩綿、ポゾラン、軽石、無機粘土、バーミキュライト、パーライト、発泡粘土、ベントナイト、及び所望比率のそれらの混合物からなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記方法は、ノズル膜塗装装置を使用して、前記有機繊維と前記メチレン尿素および/またはメチロール尿素に添加するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項37】
前記方法は繊維スタートペーストに直接前記有機繊維、前記メチレン尿素および/またはメチロール尿素を添加するステップからなることを特徴とする、請求項20に記載の方法。

【公開番号】特開2008−289469(P2008−289469A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−64390(P2008−64390)
【出願日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(508078525)サデパン チミカ エス.アール.エル. (2)
【Fターム(参考)】