説明

苦味マスキング食材、及び苦味マスキング方法

【課題】医薬品飲食品を包含する可食物が、微粉末でも、丸のままの果実でも、その苦味を安全に安価に簡単に、常温含水状態でも長期に防菌的防変性的に、その含有成分を破壊変性させずに、胃腸吸収させるために、昔からの食材を用いて、マスキングし、かつ産業廃棄物を生じない苦味マスキング剤及び方法の提供と、これを利用した可食物の輸出入方法の提供。
【解決手段】昔からの食材の可食凝集剤を用いることにより、医薬品飲食品を包含する可食物が、微粉末でも、丸のままの果実でも、その苦味を安全に安価に簡単に、常温含水状態でも長期に防菌的防変性的に、その含有成分を破壊変性させずに、胃腸吸収させ、かつ産業廃棄物を生じない苦味マスキング剤と方法、及びその方法を用いた医薬品飲食品を包含する可食物と、これを利用した可食物の輸出入方法。生鮮外国可食物を、大量にでも、安全に安価に簡単に、防疫的に輸出入させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昔からの食材の可食凝集剤を用いることにより、医薬品飲食品を包含する可食物が、微粉末でも、その苦味を安全に安価に簡単に、常温含水状態でも長期に防菌的防変性的に、その含有成分を破壊変性させずに、胃腸吸収させて、かつ産業廃棄物を生じない、苦味マスキング剤及び方法に関する。
【0002】
医薬品や飲食品などの可食物には、その強烈な味により、摂取困難な物がある。本願に係る「苦味」とは、そうした強烈な味を包括的に意味する広義の味であり、狭義の苦味に限定されず、渋味、辛味、不快味、等を包含するものである。
【背景技術】
【0003】
医薬品などの苦味をマスキングするには、一般的に、糖衣錠やカプセルにする。よって粉末のままで苦味マスキングすることは困難である。新しくは、界面活性剤と、油脂やワックス等とを混合したり、多孔質の吸収剤を用いたりすることも、国際特許報告されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
飲食品などの苦味をマスキングするには、培養物より菌体を分離除去した画分と菌エキスをイオン交換樹脂処理した酸性区分や、菌エキスをポーラスポリマー処理により分画した親水性区分や、菌由来ペプチドなどが、特許報告されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
オリーブは、その強烈な苦味の為に、ポリフェノールなどの栄養成分が多いのにかかわらず、これらを破壊した後でなければ食べられない。世界中で、トイレや下水の洗浄などに使われる劇薬苛性ソーダに漬けるか、そのままでは食べられない高濃度の塩水に何カ月も漬けるかして、ポリフェノールなどの栄養成分を破壊した後でなければ食べられない。オリーブを砕いた後に、糖を混ぜると、苦味が抑制低減され、摂食できることが最近特許報告されている。しかしこれは、苦いものに糖を混ぜれば食べられるとの、当たり前のことである。これにしても、本来の丸い形のまま、苦味をマスキングすることはできない(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−82594号公報
【特許文献2】特開2009−278917号公報
【特許文献3】特開2010−88392号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、苦味をマスキングすることは大変なことで、世界中で苦心している。さらにオリーブに対して、世界中で必然的に使われている苛性ソーダは劇薬です。その際にせっかくのオリーブの持っているポリフェノールなどの栄養や本来のきれいな色も内部組織も外敵防御組織も破壊されてボツリヌス菌等で腐敗し易くなり増す。農産物としては信じられない長期間の厳重な防菌管理が必要です。破壊された色の代わりにはグルコン酸鉄などの合成着色料を加えています。更に善玉菌なども破壊されます。我々も生物もオリーブも発酵菌などの善玉菌達のおかげで健康を維持できるだけでなく、悪玉腐敗菌感染から守られています。苛性ソーダを使っていない自然なリンゴ等の農産物は、そのままで長期に安定保存できます。オリーブオイルは、酸化酸度の品質がきびしく規制されています。酸度が0.8%以下でなければ、エキストラバージンオリーブオイルとして認められません。オリーブに上記の苛性ソーダを加えると全部酸化されて、酸度が100%にもなってしまいます。これは洗剤用の石鹸です。使用後の、産業廃棄物としての処分は大変です。オリーブ主産地の地中海や瀬戸内海は、狭く人口密度も高い。にもかかわらず、ここに大量に産業廃棄するしかない。使用後の、産業廃棄物としての正規に監視下に置かれている部分だけに限っても、処分は大変です。非正規の未処理廃棄量は想像もつかない。住民や漁業に大変な問題となっている。更に、オリーブオイル採油後の果実や種子は、健康に良いポリフェノールや栄養が多く含まれているにも拘わらず、あまりに苦くてまずいという理由だけで、世界中で処理が大変な大量の産業廃棄物となっている。
【0008】
本発明は、安全性が昔から十分に確認されている食材を用いることにより、医薬品飲食品を包含する可食物が、微粉末でも丸のままでも、その苦味を安全に安価に簡単に、常温含水状態でも長期に防菌的防変性的に、その含有成分を破壊変性させずに、胃腸吸収させて薬効を保持させて、かつ産業廃棄物を生じない、新しい苦味マスキング剤及び方法を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究したところ、食べられる凝集剤に苦味をマスキングする作用があることを見出し、本発明に至った。なお、本発明者は、下記の発表論文のような今までの研究において、特異的な凝集作用を良く経験した。
Yamada,Y.: Analytical Biochemistry 164(1987)170-174. J Biochem Biophys
Methods 7(1983)175-185.8(1983)175-181.8(1983)183-188. Advanced Methoods.Biochemical & Clinical
Apparatuses(1983)De Gruiter. Brain Research
142(1978)187-190.172(1979)165-168. Neuroendocrinology18(1975)263-271. Nature 247(1974)284-286, Jpn J Alcohol
21(1986)128-134.
【0010】
すなわち、本発明は、可食物の苦味をマスキングする作用を有する可食凝集剤を有効成分とすることを特徴とする苦味マスキング剤である。また、本発明の別の態様は、上記可食凝集剤を有効成分とすることを特徴とする苦味マスキング剤を使うことを特徴とする苦味マスキング方法である。
【0011】
ここで、本発明に係る凝集とは、広辞苑にあるように、こりかたまってあつまること、である。具体的には、可食凝集剤としては、一部のカルシウム含有物、一部のアルコール類、一部の酸類などが挙げられる。
【0012】
苦味の分子表面の、反応性の高い部位が、舌の味蕾に結合して苦味活動電位を発生させると考えられている。本発明は、次のように考えて行った。苦味分子表面の当該部位は、反応活性が高い。その部位に、結合凝集反応を示しやすい凝集剤分子やイオンを結合させ、覆ったり、表面構造を変えたりすれば、当該部位が舌の味蕾に結合しにくくなる。これにより、苦味マスキング剤及び方法が開発できる。用いる物質は、昔から食材として安全性が十分に確認されているものでなくてはならない。且つ、味蕾のある口の中を通過した後には、速やかに結合を外し、元の構造物に戻して、体に吸収させ、薬や栄養として働かせなくてはならない。反応活性の高い物質ほど、苦味が強烈であり、生体に強い薬効を及ぼす。
【0013】
そこで、分子レベルで、可食凝集剤の石灰やエタノールを、苦味の分子表面に結合凝集させ、表に苦味の活動部位が出ないようにした。石灰の水酸化カルシウムの場合は、炭酸ガスをこれらに更に結合させ、更に覆いを増強させた。これにより、残存水酸化カルシウムは、安定な炭酸カルシウムとなり、炭酸基が表面を覆う。炭酸ガスは、空気中や生体内に豊富に存在する。つまり、口の中では、卵殻や貝殻の成分の安定な炭酸カルシウム結合物であり、胃の中では、胃酸で速やかに炭酸カルシウムが外れ、元の有用物質に戻る。
【0014】
空気中の炭酸ガスは、すぐに結合を始めるが、早急に結合させようと思えば呼気の炭酸ガスやボンベ入りの炭酸ガスを投与しても良い。
【0015】
本発明の、昔からの食材の可食凝集剤である石灰の水酸化カルシウムや炭酸カルシウムは、そのままで飲食品医薬品として使われているのみではない。農地や海中に投棄すれば、農地の肥料や海中の水産資源となり、海藻や海中生物の増産に寄与する。これにより、貝類が増産される。その貝殻や卵殻が炭酸カルシウムであり、簡単な加熱により、酸化カルシウムに、さらに、水を加えると水酸化カルシウムが生成される。つまり、完全な、地球の為のリサイクルとなる。
【0016】
オリーブ主産地は、地中海や瀬戸内海など海に近い地域である。よって、貝は豊富に採取される。貝殻を加熱すれば、貝殻中の結合蛋白は焼滅し、容易に粉末となる。石灰とは、酸化カルシウム、水酸化カルシウムと、炭酸カルシウムを含む。
【0017】
他方、石灰は、陸上にまけば、植物に必要な肥料となる。これらは、最終的には、川や海に流れ、前記のように地球の為のリサイクルとなる。
【0018】
水酸化カルシウムは、次のように、昔から飲食品に使われている。こんにゃく、赤ちゃんミルク、アルコール飲料、ソフトドリンク、ビタミンDとともに飲み物の栄養強化、砂糖精製、灰汁魚(ルートフィスクlutefisk)、漬物、製塩、トウモロコシ料理、保存卵(世紀の卵century egg)。
【0019】
水酸化カルシウムは、次のように、医薬品として使われている。骨再生刺激剤、歯科用の充填塗布剤、皮膚薬。
【0020】
炭酸カルシウムは、次のように、昔から飲食品に使われている。カルシウムサプリメント、有機リンゴ等の保存剤や色調保持剤。
【0021】
炭酸カルシウムは、次のように、医薬品として使われている。胃の制酸剤、高リン血症治療薬、製薬充填剤、骨粗鬆症薬。
【発明の効果】
【0022】
本発明の苦味マスキング剤及びマスキング方法により、医薬品飲食品等の本来有する味を損なう恐れなく、苦味をマスキングすることができる。
【0023】
また、本発明によれば、医薬品飲食品を包含する可食物が、微粉末でも丸のままでも、その苦味を安全に安価に簡単に、常温含水状態でも長期に防菌的防変性的に、その含有成分を破壊変性させずに、胃腸吸収させることができ、かつ産業廃棄物を生じないという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
食品用水酸化カルシウムの濃度は、対象物の含有水分を利用して、100%でも使える。また、5mg/dlでも使えた。オリーブの場合、丸のまま2年以上も漬けれるため、より低い濃度でも使用可能である。飽和水溶液と5-15%懸濁液が使いやすかった。尚、[%]は、特に記載がない限り、[重量/液体積のW/V%]を意味する。酸化カルシウムは、水を加えるとすぐに水酸化カルシウムになるので、両者は同じように使える。
【0025】
保存には、酸、糖、及び/又はアルコールが適当であった。特に、酢、澱粉シロップ(果糖ブドウ糖液糖)及び/又はエタノールが適当であった。
【実施例】
【0026】
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。主に、食品用水酸化カルシウムの飽和水溶液と5%懸濁液の1mlに、対象物200mgを入れ、乳鉢ですり潰して、顕微鏡で見た。以下に記す味覚官能試験の%は、凝集剤を加える直前と直後の苦味を、それぞれ舌の上に載せた感覚ニュウロンインパルス頻度frequencies of sensory neuron impulsesの感覚変化を%であらわした。
Yamada,Y.: Brain Research
142(1978)187-190.172(1979)165-168. Neuroendocrinology18(1975)263-271. Nature 247(1974)284-286, Jpn J Alcohol
21(1986)128-134.Analytical Biochemistry 164(1987)170-174. J Biochem Biophys
Methods 7(1983)175-185.8(1983)175-181.8(1983)183-188. Advanced Methoods.Biochemical & Clinical
Apparatuses(1983)De Gruiter.
【0027】
[実施例1]
漢方生薬の大黄末を用いた。水に混ぜると直径5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径50μmの凝集粒となり、苦味は30%となった。空中で乾燥させた粉末に、十分に炭酸ガスを吸着させ炭酸カルシウムにしたら、苦味は10%となった。このような凝集作用により、可食物の経時的軟化を防ぐことができた。よって、非常に有用である。この凝集物は、指で押すと簡単に潰れる程度で、口触りが悪くなることはなかった。この出来上がった乾燥粉末を服用すると、もとの大黄末と同じ下剤の作用を示した。胃酸により、簡単に、炭酸カルシウムや水酸化カルシウムは溶解し、離れ去り、胃腸でもとの漢方生薬に戻り、体に働く。
【0028】
[実施例2]
鷹の爪を用いた。水に混ぜると直径5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径50μmの凝集粒となり、苦味は30%となった。
【0029】
[実施例3]
ウコンの葉を用いた。水に混ぜると直径3μmと20μmの2種類の細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径100μmの凝集粒となり、苦味は10%となった。
【0030】
[実施例4]
ウコンの緑色のガク(蕚calyx)を用いた。水に混ぜると直径3μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径100μmの凝集粒となり、苦味は10%となった。
【0031】
[実施例5]
からし菜を用いた。水に混ぜると直径3μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径10〜50μmの凝集粒となり、苦味は10%となった。
【0032】
[実施例6]
鮎の内臓を用いた。水に混ぜると直径10μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径50μmの凝集粒となり、苦味は50%となった。
【0033】
[実施例7]
緑色のオリーブを用いた。水に混ぜると直径5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径100μmの凝集粒となり、苦味は10%となった。茶色のオリーブでも同じであったが、直径10〜50μmの油の滴が多く見られた。
【0034】
[実施例8]
カンパチの胆汁を用いた。水に混ぜると直径10μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径100μmの凝集粒となり、苦味は30%となった。
【0035】
[実施例9]
青汁のケールを用いた。水に混ぜると直径5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径20μm以上の凝集粒となり、苦味は10%となった。
【0036】
[実施例10]
苦瓜のゴーヤを用いた。水に混ぜると直径5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径50μmの凝集粒となり、苦味は30%となった。ゴーヤを潰さずに2mmの厚さで飽和水酸化カルシウム液に3日間漬けておくと、苦味は0%となった。5mmの厚さでは、苦味は20%となった。
【0037】
[実施例11]
人参の葉を用いた。水に混ぜると直径2〜3μmと10μmの2種類の細粒が混在していた。5%の水酸化カルシウム懸濁液に混ぜると、直径50〜100μmの凝集粒となり、苦味は10%となった。潰さないで、自然の形のままの葉を、5%の水酸化カルシウム懸濁液に漬けておくと、5時間後に、苦味は10%となった。3日後でも同じく苦味は10%であったが、弾性が減少し、もろく小さく割れやすくなった。
【0038】
[実施例12]
オリーブの葉を用いた。水に混ぜると直径5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径50μmの凝集粒となり、苦味は30%となった。
【0039】
[実施例13]
オリーブの枝を用いた。乳鉢では潰れず、まずスリーロールミル(three−roll mill)で潰してから、乳鉢で水と混ぜた。直径は10〜100μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径10〜300μmの凝集粒となり、苦味は30%となった。12時間自然乾燥させ、十分に炭酸化させた粉末の苦味は10%となった。
【0040】
[実施例14]
渋柿を用いた。水に混ぜると直径10μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、すぐに肉眼的にも明らかに凝集し、直径100μm〜1mmの凝集塊となり、苦味は10%となった。
【0041】
[実施例15]
渋柿のガク(蕚calyx)を用いた。乳鉢では潰れず、まずスリーロールミルで潰してから、乳鉢で水と混ぜた。直径は5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、すぐに肉眼的にも明らかに凝集し、直径100μm〜200μmの凝集塊となり、苦味は10%となった。
【0042】
[実施例16]
渋柿の葉を用いた。乳鉢では潰れず、まずスリーロールミルで潰してから、乳鉢で水と混ぜた。直径は5μmの細粒であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、すぐに肉眼的にも明らかに凝集し、直径100μmの凝集塊となり、苦味は10%となった。潰さないで、自然の形のままの葉を、5%の水酸化カルシウム懸濁液に漬けておくと、24時間後に、苦味は10%となった。
【0043】
[実施例17]
渋柿の枝を用いた。乳鉢では潰れず、まずスリーロールミルで潰してから、乳鉢で水と混ぜた。直径は10〜100μmの細粒と繊維であった。飽和水酸化カルシウム液に混ぜると、直径30〜200μmの凝集塊となり、苦味は10%となった。潰さないで、自然の形のままの小枝を、5%の水酸化カルシウム懸濁液に漬けておくと、24時間後に、苦味は10%となった。
【0044】
[実施例18]
乳酸カルシウム、クエン酸カルシウム、塩化カルシウムの、それぞれの5%水溶液や懸濁液に、大黄末とオリーブを漬けてみた。軽度の苦味マスキング作用はあったが、防菌防変性作用は無く、保存により腐敗した。
【0045】
上記のように、苦味マスキング処理後の、可食物の長期保存について、考えなくてはならない。可食物の長期保存には、次のような問題がある。(1)腐敗、特にボツリヌス菌の強毒。(2)変性、特にポリフェノール等の栄養素の消失。(3)まずくなる。高濃度の塩を使ってもでも、好塩ビブリオ等で腐敗する。無酸素でも、嫌気性菌等で腐敗する。高濃度の塩では、辛くて食べられないだけでなく、高血圧や動脈硬化など健康に良くない。水に漬けて塩を流し去ると、うまみも栄養も流れ去り、かつ、すぐに腐敗してしまう。
【0046】
[実施例19]
腐敗変性しやすいオリーブとして、種抜きしたり、表面に剣山で無数に刺し傷を作った。長期保存に役に立つ可食物として、酸、糖、及び/又はアルコールが適当である。特に、酢、澱粉シロップ(果糖ブドウ糖液糖)及び/又はエタノールが適当であった。それぞれ%を変えた液に、上記の傷つきオリーブを、苦味マスキング処理後に、漬けて、2日後と7カ月後に試食した。結果を次の表に示す。
【0047】
(表1)
No 酢 シロップ エタノール 2日後 7月後

0 100 0 良 カビ有

1 98 1 良 良

45 45 10 優 優

98 1 1 可 可

100 0 0 可 苦味有

0 0 100 もろく かたく
パサパサ ボロボロ
【0048】
No.3は、2年後でも、優で、おいしく食べれた。No.5は、酢に漬けておくと、マスキングのカルシウムが除去されて、元の苦味が出てきたようにみえる。[0025]の大黄が、胃の中では、胃酸によって、マスキングのカルシウムが離れて行き、元の大黄が再現するのと、同じことと思われる。
【0049】
[実施例20]
オリーブを、5%の水酸化カルシウム懸濁液に漬けると10日間で、苦味が10%になった。半分に切ったり、または種を除去したものは、5日間で、苦味が10%になった。剣山で表面に無数の小さな刺し傷を作り、摂氏100度で3分間加熱し、5%の水酸化カルシウム懸濁液に24時間漬けると、苦味が10%になった。
【0050】
[実施例21]
[0044]と [0045]のように、傷を付けたオリーブは、100%シロップに漬けて7カ月後にカビが生じた。しかし、傷のない丸のままのオリーブでは、10カ月後にもカビや変性の発生は見られなかった。味は、シロップの薄まった味で、苦味も僅かしかなかった。食感は、やや柔らかめであった。
【0051】
[実施例22]
傷のない丸のままのオリーブを、オリーブオイルに漬けた。10カ月後にカビが発生した。
【0052】
[実施例23]
更に、他の食用凝集剤として、エタノール(エチルアルコール)を使った。緑色のオリーブ200mgに、1mlの無水エタノールを加え、乳鉢ですり潰した。直径100〜200μmに凝集したが、苦味は、全く減少しなかった。次に、丸のままの黒色のオリーブを、無水エタノールに5日間漬けたところ、苦味は10%に減少した。そのまま9カ月間漬け続けたところ、強いアルコールの食感覚はあったが、苦味は10%のままで、全体としての食感覚は悪くはなかった。[0045]のNo.6のように傷を付けると、後に食感覚が悪くなるため、アルコールを使う場合には、傷を付けないなどの注意が必要である。
【0053】
[実施例24]
次に、エタノールを含みかつエタノールを発生する酒粕を使った。丸のままの茶色のオリーブを、酒粕に漬けた。苦味は、16日後に30%に,22日後に20%に,25日後に10%に減少した。味と食感覚は共に優であった。9カ月後には、苦味はほとんどなく、味と食感覚は共に優であった。漬けたオリーブの周りの酒粕には、オリーブの苦味は全く移っていなかった。
【0054】
[実施例25]
次に、酒粕に良く似た組成の、麹菌と酵母菌と乳酸菌の混合物に漬けた。22日後までは、上記と同様の変化を示したが、9カ月後には、カビが発生し、腐敗した。
【0055】
このように、オリーブに対する有効成分はエタノールであるが、エタノールそのものでなく、酒粕のようなエタノール含有物質が、より高い有用性を示した。
【0056】
[実施例26]
[0050] [実施例23]のように、熟した黒のオリーブと違い、未熟な緑のオリーブでは、苦味が身の中心部まで強固に存在する。よって、緑のオリーブを無水アルコールに漬けて5日後でも、まだ80%の苦味が残った。この時点で、アルコールに、水酸化カルシウムを5(w/v)%になるように加えた。2日後に苦味は、20%に減少した。水酸化カルシウムを加えなかった方は、2日後でも苦味は殆ど変化しなかった。水酸化カルシウムの濃度は、10%及び20%でも使えた。20%では粘性が高くなった。含有水分を減らすためもあり、酸化カルシウムも、5%、10%、及び20%で使えた。軽度の発熱があった。20%では粘性が高くなった。
【0057】
[実施例27]
何ら処置をしていない丸のままの緑のオリーブを、45%酢、45%シロップ、10%エタノールの液に漬けた。苦味は、2日後に80%、4日後に60%に減少した。
【0058】
[実施例28]
1本の苦瓜を3個に切断して、5%の可食凝集剤水酸化カルシウム液に漬けた。苦味は、2日後に30%、4日後に20%になった。
【0059】
[実施例29]
1本の苦瓜を3個に切断して、可食凝集剤無水エタノールに漬けた。苦味は、2日後に30%、4日後に10%になった。
【0060】
[実施例30]
1本の苦瓜を3個に切断して可食凝集剤10%エタノール、可食凝集剤45%酢、及び45%シロップの混合液に漬けた。苦味は、2日後に10%、4日後には殆ど0%になった。
【0061】
[実施例31]
1本の苦瓜を3個に切断して、可食凝集剤50%酢、及び50%シロップの混合液に漬けた。苦味は、2日後に10%、4日後には殆ど0%になった。
【0062】
[実施例32]
1本の苦瓜を3個に切断して、酒粕に漬けた。苦味は、2日後に30%に減少した。2ヵ月後にはほとんど苦味は無くおいしく、食感も色も良好であった。
【0063】
[実施例33]
果物は一般的に、熟した物ほどおいしい。しかるにオリーブでは、現在の苦味を取り除くための唯一の方法である、熟したものを苛性ソーダに漬けたり、塩に漬けたりすると、身が崩れてしまう。しかるに、今回の発明の方法では、身が崩れずしっかりしたままである。
【0064】
[実施例34]
今回の方法は、粉末でも、破砕物でも、丸のままの果実でも、使えた。一般には食べられないオリーブの種子(ナッツ)もおいしくなった。まず、オリーブの種子を破砕し、酢45%、シロップ45%、エタノール10%の混合液に混ぜる。種皮は沈み、胚と胚乳は表面に浮く。破砕した果肉も、石灰処理後に、上記の混合液に混ぜると、おいしくなり、液はワイン状になった。
【0065】
[実施例35]
種抜きオリーブを、石灰水処理後に、酢45%、シロップ45%、エタノール10%の混合液に漬けると赤いワインのようになった。種抜きオリーブを、石灰エタノール処理後に、酢45%、シロップ45%、エタノール10%の混合液に漬けると緑のワインのようになった。いずれもおいしかった。ここに述べた以外の処理方法では、すべて茶色のワインのようになった。苛性ソーダ処理の後では、ポリフェノールや栄養物が破壊消滅させられており、まったく色は出なかった。ここに述べた緑色は、緑のオリーブから無水エタノール抽出した緑色よりもはるかに濃い緑色であった。
【0066】
[実施例36]
オリーブ製品などは現在、消費期限が非常に短い。かつ、ボツリヌス菌などの食中毒が、世界中で起こっている。しかし、今回の発明による方法では、長期に、ほぼ無限に安定である。現在使われている苛性ソーダの方法では、熟したオリーブが無残に脱色され、グルコン酸鉄などの合成着色料が必要である。しかし、今回の発明による方法では、オリーブ本来の色の、紫、茶、赤、緑、黒が残る。
【0067】
[実施例37]
以上のように、苦味マスキングされたオリーブなどは、苛性ソーダ塩漬けなどと違って、甘くかつ消費期限がほぼ無限の為、各種のお菓子などに使えた。チョコレートに入れて、チョコレートボンボン。アイスクリームに入れて、ワインオリーブアイス。漬けてある液は、着色料を使っていないオリーブ本来の色々な美しい色のおいしいオリーブワイン。
【0068】
[実施例38]
次の条件で、苦味が半分になる必要時間を計った。丸のままの緑オリーブを、4.2%醸造酢に漬けて、4日間。丸のままの緑オリーブを、無水エタノールに漬けて、5日間。種抜き緑オリーブを、45%酢、45%シロップ、10%エタノール混合液に漬けて、24時間。
【0069】
[実施例39]
使用済みのエタノールは、酸化カルシウムで、汚れや水を除去して、ろ過すれば、再度使えた。
【0070】
[実施例40]
石灰懸濁水液や石灰懸濁エタノール液を、全体に拡散させるためには、軽い振動や動きを加えるのが有効であった。超音波では、1.7MHzで、200mlから5Lに、4VAから75VAが使い良かった。
【0071】
石灰及び酢と石灰の安全性について、最近次のように、我々米国医師免許所有者に必読の、米国一流誌に医学報告された。Calcium carbonate and acetate are the most
commonly used binders for patients with kidney failure in contemporary practice
worldwide. New Engl J Med 362:1312-1324,2010.
【0072】
[実施例41]
黒オリーブを加熱した場合の苦味の変化を見た。

煮沸時間 全果 半切果
10sec 100% 90%
30sec 90% 80%
1min 90% 70%
3min 90% 70%
10min 90% 70%

【0073】
[実施例42]
黒オリーブをより高温で加熱した場合の、24時間後の苦味と食感の変化を見た。
250℃ X 20sec 90% 柔
593℃ X 10sec 90% 固

【0074】
[実施例43]
黒オリーブを―20℃で24時間及び1年間凍結したところ、苦味の変化はなかった。
【0075】
[実施例44]
[0070]から[0072]のように、温度変化での苦味への影響は大きくなかった。しかし、種を抜いたり、剣山で表面に傷を付けたりしたオリーブを、10秒間煮沸して、水酸化カルシウム10%水に漬けると、24時間後には、苦味が全く無くなった。
【0076】
[実施例45]
可食凝集剤酸の、生体刺激つまり味蕾刺激の閾値を計った。酸度10%の醸造酢で、0.1%、つまり、酸度0.01%が閾値であった。この値が、酸の最低濃度となる。酸度とは、色々な酸を酢酸に換算した値である。ここに記した酸も、酢酸を一例として挙げたもので、酢酸に限るものではなく、いろいろな酸を包含している。糖についても同様で、ここに記した糖も、いろいろな糖を包含している。コーンシロップの、果糖ぶどう糖液の閾値は、1%であった。
【0077】
[実施例46]
可食凝集剤エタノールの閾値は、[0074]の[実施例45]のように計ったところ、4%であった。しかし、生体神経細胞Purkinje cellでは、0.04%つまり8.7mMが閾値となる。これは[0008]に記したように、今回の発明者が学会誌に報告している。The Effects of Different Concentrations of Directly-applied Ethanol
on the Purkinje cell in vitro. Jpn J Alcohol 21(1986)128-134.
【0078】
石灰岩中の水は、水源として安全で有用である。ユカタン半島などで大昔から証明されている。
【0079】
水酸化カルシウム処理後に、炭酸ガスを加えると、残存水酸化カルシウムが炭酸カルシウムとなる。炭酸カルシウムは、貝や卵の殻として安定した安全なものである。加える炭酸ガスは、この形にかかわらず、炭酸や重曹や炭酸ナトリウムなどあらゆる炭酸化合物も有効である。よって、これらすべてを炭酸類として、ここでは、包含する。たとえば、請求項3のように。
【0080】
[実施例47]
前記炭酸類の重曹を、水酸化カルシウムに混ぜた。当量比の84.0対74.1で、それぞれ4.2%と3.7%の懸濁液にした。これにオリーブを漬けると14時間後に完全に脱渋できた。混合比を変化させると、pHを変化させたり、脱渋の速度を変化させたりできた。
【0081】
[実施例48]
今まで記述してきたいろいろな処理の方法によったり、又は、MgやCuや塩やにがりなどを加えたりすることによって、色や固さを変化させることができた。オリーブの色では、緑、黒、茶、赤、黄、白など。故に、オリーブでは、グルコン酸鉄などの着色料は不必要であった。マスキング後のオリーブポリフェノールの濃度は、40mg/dlであった。香川県発酵食品研究所計測。オリーブポリフェノールは、酸性下では、赤ワインと同じく、濃い赤紫色である。舌では、酸性と感じにくいPh6〜5でもこの色であった。よって、酸味のないオリーブ赤ワインが作れる。
【0082】
[実施例49]
西洋文化のオリーブに、日本文化の酒粕を加えると、信じられないほど美味となることを発見した。こうすると、永久に変性や腐敗はしない。酒粕は、スタッフドオリーブのように中に詰めても美味であった。ここでは、請求項も含めて、酒粕とはすべての酒類やアルコール飲料類の粕を包含し、みりん粕や焼酎粕なども含む。
【0083】
今迄に上げたいずれの可食凝集剤においても、医薬品飲食品を包含する可食物が、丸のままの果実でも、安全に安価に簡単に、常温含水状態でも、その含有成分を破壊変性させずに、長期に防菌的防変性的に、保存できた。よって、今までの、賞味期限の短いオリーブではできなかった、チョコレートボンボンを作ることができた。同様に、ゼリー・飴・キャラメル・大福餅で包んでも良好な菓子、つまりオリーブなどの内包菓子となった。包まれる可食物は、オリーブや苦瓜に限られるものではない。包む可食物も、列挙したこれらに限られるものではない。これらすべても当然に、請求項にある可食物に含まれる。
【0084】
[0070]から [0073]に述べたように、高温低温の温度変化に対しても、果実は安定している。特に、可食凝集剤は分子構造を強固にするため、非常に安定となる。過熱は、可食物分子特に蛋白質分子を凝集させる。凍結は、一般的に、可食物分子を凝集させる。特にこれらの凝集作用は、運搬中の、防菌的防変性的作用として有用である。
【0085】
[実施例50]
急速冷凍法でなく、普通の冷凍法では、後に解凍すると、オリーブなどの食品は柔らかくなり、苛性ソーダに漬けると、さらに柔らかくなり、原形をとどめにくくなる。しかし、ここで報告した方法では、普通の冷凍解凍後の柔らかな果実が、新鮮時と同じく、しっかりと充実した果実になる。オリーブに、凍結と解凍処置を繰り返すと、赤色色素が表面から出てくる。しかし、上記の可食凝集剤水酸化カルシウムに漬けると、防げた。
【0086】
世界中で大問題となっている口蹄疫の消毒には、もっぱら水酸化カルシウムが使われている。鳥インフルエンザに対しても同様である。
【0087】
故に、以上に上げた可食凝集剤は、高温低温処置と同様に、生鮮外国食品を防疫的に輸出入させる際に、有用であることを発見した。可食物の腐敗変性を防ぐだけでなく、軟化したものを、硬化させる。特に石灰は、簡単に安全に除去できる。ごく低濃度の酸で洗っても良い。このことは、可食物を、離れた場所へ移動させる際にも当てはまる。つまり、生鮮外国可食物を、大量にでも、安全に安価に簡単に、防疫的に輸出入させることができる。
【0088】
ここで述べるカルシウムとは、狭くカルシウムだけに限るものではなく、広くあらゆるカルシウムを含有する物を包含する。ここで述べる酸とは、狭く酢やリンゴ酸などの酸性物の単体及び/又は混合物などに限るものではなく、広くレモン(クエン酸量2%)や梅(梅肉クエン酸量30%)などのあらゆる酸性物及び/又は酸性物になりうる物を包含する。ここでいう糖とは、砂糖やシロップなどの糖類の単体及び/又は混合物などに限るものではなく、広くあらゆる甘い物及び/又は甘い物になりうる物を包含する。
【0089】
ここで述べる物質の投与方法は、収穫後に限るものではなく、収穫前の投与方法を包含する。例えば、部分的なスプレー(pre-harvest spray)や塗布や浸漬などに限らず、生体全体の体表や消化器や根周辺への投与方法も包含する。
【0090】
[実施例51]
苦味マスキング方法及び/又は保存方法は、可食物の表面からの方法に限られるものではない。例えば、苦瓜内にマスキング剤や保存剤を注射して、表面からは自然のままの新鮮苦瓜と同じに見える方法もある。自然のままの外観で、長期に保存できる。摘果前後を問わない。摘果前の生きているままで注射すると、注射跡は2日で消失し、表面は、摘果後の注射と比べて速やかに変色し、アポトーシス様の変化が見られた。
【0091】
[実施例52]
苦瓜重量g数の40-50%容積ml数のマスキング保存剤を、苦瓜内に注射した。すし酢35-70%、蜂蜜10-50%、エタノール5-10%が有効であった。特にそれぞれ、45%、45%、10%が有効であった。その後、丸のままで真空乾燥したものは、長期に安定であった。
【0092】
[実施例53]
マスキングされたオリーブからは、美しくおいしい赤ワイン色のポリフェノールが出てきた。アルコール中ではオリーブワインとなり、ミキサーに入れればオリーブジュースとなった。苦瓜も、苦瓜ワインや、苦瓜ジュースになった。味は、加える含水物によって、自由に調節できる。オリーブ果実酢は、きれいな赤ワイン色になった。このように、いろいろな種類のポリフェノール液を作ることができる。
【0093】
[実施例54]
オリーブを、15%の水酸化カルシウム懸濁液に常温で1ヶ月間漬けた。腐敗変性は無かった。オリーブは固くなった。
【0094】
凝集とは、広辞苑にあるように、こりかたまってあつまること、である。粒や繊維どうしが集まるという意味だけでなく、粒と繊維が集まったり、繊維の周りに粒がこりかたまってあつまることも含む。丁度、鉄筋とセメントで、鉄筋コンクリートになるように。このように、凝集すると、丈夫になり保存性が良くなることが多い。つまり、凝集剤は、保存剤としても使える。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明の、苦味マスキング剤及び方法は、昔からの食材の可食凝集剤を用いることにより、医薬品飲食品を包含する可食物が、微粉末でも、丸のままの果実でも、安全に安価に簡単に、常温含水状態でも長期に防菌的防変性的に、その含有成分を破壊変性させずに、胃腸吸収させて、かつ産業廃棄物を生じないでできるため、苦味成分を有する医薬品や飲食品等の産業で利用が可能である。また、生鮮外国可食物を、大量にでも、安全に安価に簡単に、防疫的に輸出入させることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可食物の苦味をマスキングする作用を有する可食凝集剤を有効成分とすることを特徴とする苦味マスキング剤。
【請求項2】
前記可食凝集剤は、カルシウム及び/又はカルシウム含有物を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の苦味マスキング剤。
【請求項3】
前記可食凝集剤は、石灰を有効成分とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の苦味マスキング剤。
【請求項4】
前記可食凝集剤は、エタノール含有酒粕を有効成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤。
【請求項5】
前記可食凝集剤は、可食凝集剤エタノール、可食凝集剤酸、及び糖を有効成分とすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤。
【請求項6】
オリーブの苦味をマスキングするものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤。
【請求項7】
苦瓜の苦味をマスキングするものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤。
【請求項8】
可食物の保存作用を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤を使うことを特徴とする苦味マスキング方法。
【請求項10】
苦味マスキング剤を、可食物の中に注射することを特徴とする請求項9に記載の苦味マスキング方法。
【請求項11】
請求項2又は請求項3に記載の苦味マスキング剤を使う工程に、さらに炭酸類処理工程を加えることを特徴とする苦味マスキング方法。
【請求項12】
可食物の苦味をマスキングするとともに、該可食物の保存性を向上させることを特徴とする請求項9乃至請求項11のいずれか1項に記載の苦味マスキング方法。
【請求項13】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤を用い、及び/又は請求項9乃至請求項12のいずれか1項の苦味マスキング方法を用いて製造することを特徴とする可食物の製造方法。
【請求項14】
前記可食物は、ワイン・ジュース・酢・ポリフェノール液及び内包菓子のいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の可食物の製造方法。
【請求項15】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤を含有する、及び/又は請求項9乃至請求項14のいずれか1項の方法を用いて製造されたことを特徴とする可食物。
【請求項16】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の苦味マスキング剤を用い、及び/又は請求項9乃至請求項12のいずれか1項の苦味マスキング方法を用いて可食物を輸出入する方法。


【公開番号】特開2013−13390(P2013−13390A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185374(P2011−185374)
【出願日】平成23年8月27日(2011.8.27)
【出願人】(592203122)
【Fターム(参考)】