説明

英語教材

【課題】小学校の児童に対して、英語教育をする為の教材に関するものである。英語教育に適する遊びに使用可能であり、かついろいろな使用方法が可能であって適用範囲が広い道具を考案し、これを一まとめにして配付が容易な英語教材の開発を課題とする。
【解決手段】実施形態の英語教材1は、色鉛筆セット10と、サイコロ11が2個と、複数のおはじき13と、三枚の小袋15,16,17と、丸バツ表示プラカード18が透明な樹脂ケース8に同包されたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小学校の児童に対して英語教育を行う際の教材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
わが国は、輸出を中心とする産業構造を持ち、外国で活動できる人材が求められている。またわが国は、経済大国であり、政治的にも相応の人的負担が求められている。そこでわが国の将来を担う若人は、英語でコミュニケーションができる能力を身につけておかなければならない。
しかしながら、英語の学習は、労多くして実りの少ないのが現実である。特に学習を開始する年齢が高い場合には、思うように学習効果があがらない。
【0003】
そこで小学生の内から英語の学習を始めるべきであるとの意見がある。
文部科学省も非特許文献1に掲げる様な英語教材を作成すると共に、小学校の児童に無料配付し、小学生に対して英語の啓蒙活動を行っている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】発行日:平成21年4月10日、名称:英語ノート1、著作権所有:文部科学省、発行所:教育出版株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら小学生の児童は、学習意欲が低く、教科書を使用した座学中心の英語授業では、授業時間中、じっと黙って座っていることすらできない。
そこで小学生に対する英語講義は、遊びを交えた授業を行うのが有効である。しかしその一方で、小学校の校区は、地域特性が強く、父母の学習意欲の強い地域や弱い地域といった父母の教育意識の相違、住宅地域や商業地域や農業地域や工業地域や漁業地域といった父母の職業層の相違、過疎地や新興住宅地といった周囲の大人の年齢層や子供の数の相違等によって、児童の興味や遊び方が異なり、全国の校区に普遍的に適用でき且つ英語教育に適する遊びは限られる。そのため、英語教育を目指す小学校の教員は、自分が担任する学級の児童の特性に合致し、且つ英語教育に適する遊びを研究し、実践することとなる。またその遊びに適合する器具も考案し、製作する。さらに生徒にも当該器具を配付する必要がある。
【0006】
しかしながら、教員は多忙であり、英語教育に使用する器具を児童の数だけ製作し、各児童に配付することは時間的制約から困難である。
そこで本発明は、英語教育に適する遊びに使用可能であり、かついろいろな使用方法が可能であって適用範囲が広い器具を考案し、これを一まとめにして配付が容易な英語教材の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、次の複数の器具から選ばれる少なくとも5種類の器具が一つの入れ物に同包されたことを特徴とする英語教材である。
a:複数の色を塗ることができる着色用具セット
b:サイコロ
c:おはじき
d:駒
e:複数の袋
f:イエスかノーかの意思表示を行う表示具
【0008】
ここで「複数の色を塗ることができる着色用具セット」は、イエローとかレッドといった色の英単語を教育することができる。また塗り絵や絵画を描き、その情景や絵の内容、表現したかった事項を英語で話す訓練に利用することができる。
ここで「複数の色を塗ることができる着色用具セット」とは、色鉛筆セット、フェルトペンセット、ボールペンセット、カリグラフィペンセット、絵の具セット、クレヨンセット、コンテセット等である。特に、色鉛筆セットまたはクレヨンセットは、溶剤や筆等の他の器具を要さずに絵画を描くことができるので推奨される。
【0009】
「サイコロ」はすごろく遊びや人を指名する際の器具として使用する。例えば、すごろくのますに「英語の歌を歌う」とか、「英語で動物の鳴きまねをする」とかの罰ゲームを書いておく。そしてそのますに駒が止まったら、当該ますに書かれた行動を行う。
また他に、サイコロの目と児童とを対応させ、サイコロをふったときに出た目に対応する人は、英語の挨拶やジェスチャー等を行う。例えば、1の目は藤田君、2の目は平野君、3の目は大南君、4の目は井上さんという様に対応を付けておき、1の目が出ると、藤田君が英語で小話を披露する。
サイコロの形状は、正6面体に限定されるものではなく、正8面体、正12面体の様な他の正多面体であってもよい。さらには正多面体以外の多面体であってもよい。例えば、児童数に合わせて40面体等の極めて面数の多い多面体であってもよい。
【0010】
「おはじき」は、おはじき遊びをしてその中で英語学習をする用途に利用する。例えば、地面に数個のますを描き、その中に英語で行う行為を書いておく。例えば「英語で豚のまねをする」とか、「英国人のまねをする」とか、「映画俳優のまねをしながら牛乳を飲む」といったばかばかしい罰ゲームを描いておく。そして競技者は、他の競技者を指名して、おはじきを弾く、おはじきがいずれかのますに入ったら指名された人がその罰ゲームを行う。ますに入らなかった場合は、競技者自身がその罰ゲームを行う。
また「おはじき」をすごろくの駒として使用してもよい。
【0011】
「駒」は、すごろくに使用する他、おはじきの代わりとして使用してもよい。
【0012】
英語学習では、単語カードや、絵のカードを使用する場合が多い。またカードはなくしてしまうことが多いので、「複数の袋」に入れておくと便利である。
【0013】
「イエスかノーかの意思表示を行う表示具」は、クイズを通して英語学習を行う場合に使用する。例えば、大勢の児童の前で、教師が「ライト」と発音し、この発音が、「右」を表すのか、「光」を表すのかを問う。児童は、表示具を示して正誤を答える。
【0014】
請求項2に記載の発明は、入れ物は開閉可能であり、かつ透明な袋物であることを特徴とする請求項1に記載の英語教材である。
【0015】
開閉可能にする構成としては、例えばファスナーや面ファスナー、フックやホック等の採用が考えられる。
本発明によると、中の器具の出し入れが可能であり、且つ中の器具落とすことが防がれる。また入れ物が透明であるから、収納物を外から確認することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、イエスかノーかの意思表示を行う表示具は、一方の面にイエスを連想させる文字又は記号が付され、他方の面にノーを連想させる文字又は記号が付されたプラカードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の英語教材である。
【0017】
本発明では、イエスかノーかの意思表示を行う表示具がプラカードであるから、児童が提示した内容を教師が確認しやすい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、児童生徒に対して効率的に英語教育を行うことができる。また本発明を利用して英語教育を受けると、英語の習熟速度が早く、短期のうちに英語が上達する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態の英語教材の正面図である。
【図2】(a)は本発明の実施形態の英語教材に内蔵される色鉛筆セットの斜視図であり、(b)はその箱を閉じた状態における正面図である。
【図3】(a)は本発明の実施形態の英語教材に内蔵されるサイコロの斜視図であり、(b)は当該サイコロを袋に入れた状態における正面図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態の英語教材に内蔵されるおはじきの斜視図であり、(b)は当該おはじきを袋に入れた状態における正面図である。
【図5】本発明の実施形態の英語教材に内蔵される複数の袋の正面図である。
【図6】本発明の実施形態の英語教材に内蔵されるプラカードの正面図(a)及び裏面図(b)である。
【図7】(a)は駒の斜視図であり、(b)は当該駒を袋に入れた状態における正面図である。
【図8】「イエスかノーかの意思表示を行う表示具」の変形例を示すプラカードの正面図(a)及び裏面図(b)である。
【図9】「イエスかノーかの意思表示を行う表示具」の変形例を示す表示板の正面図(a)及び裏面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本発明の実施形態の英語教材1は、色鉛筆セット10と、サイコロ11が2個と、複数のおはじき13と、三枚の小袋15,16,17と、丸バツ表示プラカード18が透明な樹脂ケース8に同包されたものである。
【0021】
ここで樹脂ケース8は、ビニール等の軟質かつ透明な樹脂板を二枚重ね、その3辺2,3,4を熱融着し、残る一辺にファスナー5を装着したものである。樹脂ケース8はファスナー5が取り付けられた辺を開閉可能である。
【0022】
色鉛筆セット10は、「クーピーペンシル」(株式会社サクラクレパスの登録商標)と称されるものであり、色鉛筆の芯材だけで作られたものであり、通常の鉛筆の木の部分はない。本実施形態で採用する色鉛筆セットは、パス又はコンテに近いものであり、通常の色鉛筆の様に削る必要がない。
【0023】
サイコロ11は、通常のサイコロと同一のものであり、正六面体の各面に、1個から6個までの点を付したものである
本実施形態では、2個のサイコロ11は、小袋20に入れられている。小袋20はビニールで作られた袋であり、一辺にファスナー21が取り付けられている。従って小袋20はファスナー21を利用して開閉することができる。
【0024】
おはじき13は、公知のおはじきであり、ガラスまたは樹脂で作られており、図4の様に小円板の様な形状をしている。
おはじき13は、小袋22に入れられている。小袋22はビニールで作られた袋であり、一辺にファスナー23が取り付けられている。従って小袋22はファスナー23を利用して開閉することができる。
【0025】
小袋15,16,17は、いずれもビニールで作られた袋であり、一辺にファスナー30,31.32が取り付けられている。従って小袋15,16,17はファスナー30,31.32を利用して開閉することができる。
小袋15,16,17の内、小袋15,16は、前記したサイコロ11を入れた小袋20及びおはじき13を入れた小袋23と同じ大きさである。これに対して小袋17は、他の小袋よりも大きい。
【0026】
丸バツ表示プラカード18は、「イエスかノーかの意思表示を行う表示具」として選定されたものである。丸バツ表示プラカード18は、ボール紙で作られており、表示部33と、手持ち部35を有している。
表示部33は、手持ち部35の先端側にあって、手持ち部35よりも面積が大きく、本実施形態では、手を模した形をしている。
そして表示部33の表面には、「イエス」を印象させる形状としてのマルが描かれ、裏面には、「ノー」を印象させる形状としてのバツが描かれている。
【0027】
本実施形態の英語教材は、教育を受ける全ての児童に配付されることが望ましい。
【0028】
以上説明した実施形態では、おはじき13をケース8に同包したが、おはじき13に代わって図7の様な駒40を同包してもよい。駒40には、個々を区別する記号が付されている。記号には、例えばA,B,Cといったアルファベットの他、い、ろ、はという様な日本文字、さらに、王、金、銀といった将棋にちなんだもの、大将、中将や、部長、課長といった階級にちなんだもの、野球選手や芸能人等の人名にちなんだもの等が考えられる。
【0029】
また本実施形態では、「イエスかノーかの意思表示を行う表示具」の例として丸バツ表示プラカード18をケース8に同包したが、図8に示すプラカード41の様に「イエス」「ノー」を直接表示するものであってもよい。またプラカードの形態を有することは必須ではなく、図9の表示器具43の様な単なる表示板であってもよい。
図9に示す表示器具43では、「イエス」を印象させる形状としての亀が歩く姿を表示し、「ノー」を印象させる形状として亀が裏返った姿を表示している。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、英語教材を製造するという点で産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0031】
1 英語教材
5 ファスナー
8 樹脂ケース
10 色鉛筆セット
11 サイコロ
13 おはじき
15,16,17 小袋
18 丸バツ表示プラカード
40 駒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の複数の器具から選ばれる少なくとも5種類の器具が一つの入れ物に同包されたことを特徴とする英語教材。
a:複数の色を塗ることができる着色用具セット
b:サイコロ
c:おはじき
d:駒
e:複数の袋
f:イエスかノーかの意思表示を行う表示具
【請求項2】
入れ物は開閉可能であり、かつ透明な袋物であることを特徴とする請求項1に記載の英語教材。
【請求項3】
イエスかノーかの意思表示を行う表示具は、一方の面にイエスを連想させる文字又は記号が付され、他方の面にノーを連想させる文字又は記号が付されたプラカードであることを特徴とする請求項1又は2に記載の英語教材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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