説明

草刈装置

【課題】乗用型田植機等の移動農機に装着可能な草刈装置において、刈取機構の地表面(畦畔面等)への追従性を向上させる。
【解決手段】昇降リンク機構90の先端に係脱可能に支持される連結ブラケット93と、一端部が連結ブラケット93に水平方向に回動可能に支持されるとともに、他端部が走行機体10の「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において回動可能な平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)と、該平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「側方位置」に保持するように付勢する付勢部材60と、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の他端部に取り付けられる刈取機構40と、を具備するように草刈装置100を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動農機に装着可能な草刈装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗用型田植機や乗用型管理機等の走行機体に装着可能な草刈装置が公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に開示されている乗用型田植機の走行機体の後部には、苗植付装置を昇降可能に装着するための昇降リンク機構が具備される。当該乗用型田植機は、従前は田植作業にしか使用することがなかった走行機体を多目的化して有効に活用しようとする観点から、苗植付装置を昇降リンク機構の先端から取り外して草刈装置に付け替えることができるように構成されている。草刈装置を装着することにより、走行機体を水田に植えられた苗の条に合わせて走行させながら、畦畔面等(地表面)の雑草等を水田側から刈り取ることが可能である。あるいは、走行機体を圃場の側方の農道に沿って走行させながら、圃場の脇に生えている雑草等を農道側から刈り取ることが可能である。
【0003】
ここで、特許文献1に開示されている草刈装置は、前記昇降リンク機構の先端に係脱可能に支持される連結ブラケット、及び、一端部が該連結ブラケットに上下方向及び左右方向に回動可能に支持されるとともに他端部に刈取機構が取り付けられる平行リンク等により構成される。該平行リンクの一端部が締結具を用いて連結ブラケットに固定されることにより、前記平行リンクの回動位置が所定の位置に固定されて、草刈装置が走行機体の側方に張り出した姿勢で固定される。
【0004】
しかしながら、植付条が曲がっていたり、畦畔が曲がっていたりすると、刈取機構が地表面から離れた状態となったり、あるいは、地表面に強く押し付けられた状態となったりする場合があった。このため、雑草等の刈り残しが生じたり、草刈装置に損傷を与える場合があった。この状態を避けるために、前記平行リンクを手動で左右方向に回動操作しようとすると、作業者は側方の畦畔方向を見なければならず、操向操作に集中することができないため、苗を踏んでしまうおそれがあった。換言すれば、走行機体から畦畔面等の地表面までの距離が一定ではない場合、刈取機構の地表面への追従性が低下するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−75624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、刈取機構の地表面への追従性を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第一の発明に係る草刈装置は、移動農機の走行機体の前部または後部に具備された昇降リンク機構に装着可能な草刈装置であって、前記昇降リンク機構の先端に係脱可能に支持される連結ブラケットと、一端部が該連結ブラケットに軸支されるとともに、「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において水平方向に回動可能な平行リンクと、該平行リンクを「側方位置」に保持するように付勢する付勢部材と、前記平行リンクの他端部に取り付けられる刈取機構と、を具備するものである。
ここで、「前方位置」には、移動農機の走行機体の前方のほか、左斜め前方及び右斜め前方も含まれる。また、「後方位置」には、移動農機の走行機体の後方のほか、左斜め後方及び右斜め後方も含まれる。また、「側方位置」には、移動農機の左側方および右側方の両方が含まれる。
【0008】
第二の発明に係る草刈装置は、移動農機の走行機体の前部または後部に具備された昇降リンク機構に装着可能な草刈装置であって、前記昇降リンク機構の先端に係脱可能に支持される連結ブラケットと、一端部が該連結ブラケットに軸支されるとともに、「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において水平方向に回動可能な平行リンクと、該平行リンクを「前方位置」若しくは「後方位置」または「側方位置」のいずれか一方の位置に選択的に保持する保持機構と、前記平行リンクの他端部に取り付けられる刈取機構と、を具備するものである。
ここで、「前方位置」には、移動農機の走行機体の前方のほか、左斜め前方及び右斜め前方も含まれる。また、「後方位置」には、移動農機の走行機体の後方のほか、左斜め後方及び右斜め後方も含まれる。また、「側方位置」には、移動農機の左側方および右側方の両方が含まれる。
【0009】
第三の発明に係る草刈装置は、前記保持機構は、前記平行リンクに当接することにより、該平行リンクのそれ以上の水平方向への回動を規制する規制部材と、前記平行リンクと前記規制部材との間に介装されるとともに、前記平行リンクを「前方位置」側若しくは「後方位置」側または「側方位置」側のいずれか一側に選択的に付勢する付勢部材と、を備えるものである。
【0010】
第四の発明に係る草刈装置は、前記付勢部材は、前記平行リンクの水平方向への回動位置が、支点越えが生じる位置よりも「前方位置」側または「後方位置」側に到達した場合には、前記平行リンクを「前方位置」側または「後方位置」側に付勢し、前記平行リンクの水平方向への回動位置が、支点越えが生じる位置よりも「側方位置」側に到達した場合には、前記平行リンクを「側方位置」側に付勢するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、刈取機構の地表面への追従性を向上させることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第一実施形態に係る草刈装置が装着された乗用型田植機の構成を示す左側面図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る草刈装置が装着された乗用型田植機の構成を示す平面図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る草刈装置に具備された連結ブラケット及び回動固定板の構成を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る草刈装置に具備された揺動リンク機構の構成を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る草刈装置に具備された草刈機構の構成を模式的に示す図であり、(a)は左側面図、(b)は正面図である。
【図6】本発明の第一実施形態に係る草刈装置を乗用型田植機に装着した状態を示す平面図であり、(a)は平行リンクが「後方位置」にある場合を示す図、(b)は平行リンクが「側方位置」にある場合を示す図である。
【図7】本発明の第一実施形態に係る草刈装置において、平行リンクの水平方向への回動が所定の範囲内に制限されることを示す平面図であり、(a)は平行リンクが「側方位置」にある状態を示す図、(b)は平行リンクが「側方位置」よりも前方側に最大限回動した状態を示す図である。
【図8】本発明の第二実施形態に係る草刈装置を乗用型田植機に装着した状態を示す平面図であり、(a)は平行リンクが「後方位置」にある場合を示す図、(b)は平行リンクが「側方位置」にある場合を示す図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る草刈装置を乗用型田植機に装着した状態を示す平面図であり、(a)は平行リンクが「後方位置」にある場合を示す図、(b)は平行リンクが「側方位置」にある場合を示す図である。
【図10】変形例に係る刈取機構の構成を模式的に示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下では、草刈装置100が装着された田植機1の全体的な構成について、図1及び図2を参照して説明する。
【0014】
田植機1は、オペレータが走行機体10に搭乗した状態で、水田への苗の植付作業を行うことのできる移動農機である。田植機1は、本発明に係る「移動農機」の実施の一形態である。なお、以下の説明においては、田植機1の前進方向を「前方」として、前後左右上下方向を規定する。
【0015】
田植機1は、走行機体10等により構成される。田植機1の走行機体10の後部には、昇降リンク機構90が具備される。該昇降リンク機構90の先端(後端部)には、苗植付装置(不図示)を装着することができるように構成される。
【0016】
走行機体10は、骨格を成す機体フレーム2に、その他の部材が取り付けられて構成される。機体フレーム2は、前後方向に長い左右一対の前後フレーム2a・2a(図2参照)、該前後フレーム2a・2aに対して直交するように配置されるとともに左右の前後フレーム2a・2aの間を繋ぐ複数の連結フレーム、及び、前後フレーム2a・2aの後端部から上方に向かって延出(立設)される後フレーム2c(図1参照)等を有する。
【0017】
機体フレーム2の前部には、田植機1の駆動源を成すエンジン3が搭載される。エンジン3からの動力は、ミッションケース4内の変速機構により変速された後、フロントアクスルケース5内の伝動機構を介して前輪15・15に伝達されるとともに、左右一対のリアアクスルケース6・6内の伝動機構を介して後輪16・16に伝達される。
なお、本実施形態の左右の後輪16・16は、同じ形状及び大きさのタイヤにより構成されている。しかし、この構成に代えて、草刈装置が配置される側(左右一側)のタイヤの幅を、反対側(左右他側)のタイヤの幅よりも太く構成してもよい。このような構成とした場合、草刈装置の重量により走行機体の左右一側が走行面の下側に沈み込むことを防止できる。
【0018】
平面視における機体フレーム2の中央部には、オペレータが着座するための座席7が支持される。座席7の前方には、田植機1を操向操作するためのハンドル8、及び、昇降リンク機構90を操作するための作業レバー9等の操作具が具備される。
【0019】
機体フレーム2の後部には、昇降リンク機構90が具備される。図1に示すように、昇降リンク機構90は、左右一対の上リンク91・91、左右一対の下リンク92・92、回動アーム94、及び油圧シリンダ95等を備える。
【0020】
一対の上リンク91・91は、左右方向に間隔を空けて相互に平行に設けられる。上リンク91・91の一端部(前端部)は、軸部材96を支点として上下方向に回動可能に後フレーム2cの上部に支持される。
一対の下リンク92・92は、左右方向に間隔を空けて相互に平行に設けられる。下リンク92・92の一端部(前端部)は、軸部材98を支点として上下方向に回動可能に後フレーム2cの下部に支持される。
後述するように、上リンク91・91及び下リンク92・92の他端部(後端部)には、連結ブラケット93を取り付けることが可能である。
【0021】
図1に示すように、回動アーム94は棒状の部材であり、その一端部(下端部)は下リンク92・92の間に固定される。
油圧シリンダ95は、昇降リンク機構90に装着される作業機(草刈装置100または苗植付装置)を昇降させるためのアクチュエータである。油圧シリンダ95の一端部は、回動アーム94の他端部(上端部)に連結される。油圧シリンダ95の他端部は、機体フレーム2に連結される。
【0022】
このような構成の昇降リンク機構90において、油圧シリンダ95が伸長されると、下リンク92・92が下方に回動されて、上リンク91・91も該下リンク92・92と平行な状態を保って下方に回動される。一方、油圧シリンダ95が縮小されると、下リンク92・92が上方に回動されて、上リンク91・91も該下リンク92・92と平行な状態を保って上方に回動される。このように、昇降リンク機構90はいわゆる平行リンク機構を構成している。したがって、連結ブラケット93の上プレート93b及び中間プレート93cの板面は、常に略水平な状態に保持される。なお、昇降リンク機構の構成は、上記の構成に代えて、例えば3点リンク式や2点リンク式等のものとしてもよい。
【0023】
<第一実施形態>
以下では、本発明の第一実施形態に係る草刈装置100の構成について、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
草刈装置100は、昇降リンク機構90の後端部(先端)に装着することのできる装置であり、苗植付装置に代えて取り付けることができる。田植機1に草刈装置100を装着することにより、オペレータが走行機体10を走行させながら、畦畔や土手や農道の脇等に生えている雑草等を草刈装置100によって刈り取ることができる。
草刈装置100は、機台11、刈取用エンジン12、油圧ポンプ13、作動油タンク14、連結ブラケット93、平行リンク機構20、揺動リンク機構30、刈取機構40、規制部材50(図2参照)、及び付勢部材60(図2参照)等を具備する。
【0024】
機台11は、機体フレーム2の後部に取り付けられる。機台11は、左右一対の取付ステー18・18等を介して、後フレーム2cの上部に着脱可能に固定される。なお、右側の取付ステー18には、操作具取付ブラケットが固定され、該操作具取付ブラケットには、草刈装置100を操作するための操作具である刈取レバー17等が取り付けられる。
刈取用エンジン12は、草刈装置100の駆動源であり、機台11の右側に載置される。詳述すると、刈取用エンジン12は、その出力軸が左側方に突出するように配置され、該出力軸と油圧ポンプ13(後述)の駆動軸とが連結されている。
【0025】
油圧ポンプ13は、刈取用エンジン12により駆動されるポンプであり、機台11の左側に載置される。作動油タンク14は、作動油を貯留するタンクであり、機台11の左側であって油圧ポンプ13の上方となる位置に、取付枠19を介して設けられる。油圧ポンプ13の吸入ポートは、配管を介して作動油タンク14と連通される。油圧ポンプ13の吐出ポートは、配管を介して切換バルブ170と連通される。刈取レバー17を操作することにより、切換バルブ170を開閉して油圧ポンプ13からの作動油の送油方向を切り替えることができる。具体的には、刈取レバー17を「入」にすると、油圧ポンプ13からの作動油が刈取機構40の油圧モータ43に送油される状態となり、刈取レバー17を「切」にすると、油圧ポンプ13からの作動油が作動油タンク14に送油される状態となる。
【0026】
図3に示すように、連結ブラケット93は、昇降リンク機構90の先端(後端部)に支持される。上連結ピン97及び下連結ピン99の着脱により、連結ブラケット93を上リンク91・91及び下リンク92・92に対して係脱可能である。連結ブラケット93は、左側面視略F字形状の部材であり、前縦フレーム93a、上プレート93b、及び中間プレート93c等を有する。
【0027】
前縦フレーム93aは、上連結ピン97及び下連結ピン99を介して上リンク91・91の後端部及び下リンク92・92の後端部に連結(軸支)される。上プレート93bは、板面が略水平な状態で、前縦フレーム93aの上端部に固定される。中間プレート93cは、板面が略水平な状態で、前縦フレーム93aの上部に固定される。上プレート93bの下面と、中間プレート93cの上面と、の間には、後述する第一アーム21の一端部、及び、回動固定板24の一部が収容(嵌装)される。
【0028】
平行リンク機構20は、刈取機構40の向きを一定の向き(前後方向)に保持した状態で、当該刈取機構40を水平面内において移動可能に支持するものである。図2及び図3に示すように、平行リンク機構20は、第一アーム21、第二アーム22、回動軸23、回動軸26、及び回動固定板24等を備える。ここで、第一アーム21と第二アーム22とを合わせたものは、本発明に係る「平行リンク」の実施の一形態である。
【0029】
第一アーム21は、長い棒状の部材である。第一アーム21の一端部は、回動軸23を介して、連結ブラケット93の右前端部に回動可能に支持(軸支)される。ここで、回動軸23は、その軸線方向を上下方向に向けた状態で、連結ブラケット93の右前端部に形成された貫通孔と、第一アーム21の一端部に形成された貫通孔と、に嵌挿されている。
【0030】
第二アーム22は、第一アーム21と概ね同じ形状の長い棒状の部材である。第二アーム22の一端部には、回動固定板24が固定される。第二アーム22は、回動固定板24及び回動軸26を介して、連結ブラケット93の右後端部に支持(軸支)される。第一アーム21と第二アーム22とは相互に平行に設けられる。ここで、回動軸26は、その軸線方向を上下方向に向けた状態で、連結ブラケット93の右後端部に形成された貫通孔と、回動固定板24の扇型の中心部に形成された貫通孔と、に嵌挿されている。
【0031】
図6(a)に示す軸部材27は、回動固定板24(第二アーム22)の回動軸26を支点とする水平方向への回動位置を、所定の位置に固定するための締結具である。本実施形態の軸部材27は、外周面にネジが形成された概ね円柱形状の部材であり、その軸線が上下方向に向けられている。
【0032】
図3に示す回動固定板24は、概ね扇形状の板材である。回動固定板24の周縁部(扇の円弧の部分)には、所定間隔毎に貫通孔24h・24h・・・が形成される。
連結ブラケット93に形成されたネジ孔93h、及び、回動固定板24に形成された貫通孔24h・24h・・・のいずれか一つの位置を重ねて合わせて、これらのネジ孔93h及び貫通孔24hに軸部材27が貫装(螺挿)される。このような構成により、回動固定板24の連結ブラケット93に対する回動位置が固定される。
【0033】
なお、軸部材27を連結ブラケット93及び回動固定板24から取り外した場合、回動固定板24(第二アーム22)が連結ブラケット93に対して水平方向に回動自在な状態となる。すなわち、軸部材27を着脱することにより、第二アーム22の連結ブラケット93に対する回動位置を所定の位置に固定することもできるし、第二アーム22を連結ブラケット93に対して回動自在とすることもできる。
【0034】
揺動リンク機構30は、刈取機構40を平行リンク機構20の先端部(連結ブラケット93とは反対側の端部)に揺動可能に支持するものである。揺動リンク機構30は、第一アーム21及び第二アーム22の先端部と、刈取機構40と、の間に介装される。図4に示すように、揺動リンク機構30は、ブラケット31、下端ブラケット32、第三アーム33、第四アーム34、ステー35・36、及び回動軸37等を備える。
【0035】
図4に示すブラケット31は、板材を折り曲げて形成された部材であり、上面31a、下面31b、側面31c、及び縦面31d等を有する。
上面31a及び下面31bの板面は、略水平である。側面31cは、上面31aの一部を下方に垂直に折り曲げて形成された部分である。縦面31dは、下面31bの一部を上方に垂直に折り曲げて形成された部分である。側面31cの板面と、縦面31dの板面と、は相互に平行である。
【0036】
ブラケット31の前右端部は、軸部材311を介して、第一アーム21の他端部に回動可能に支持(軸支)される。ブラケット31の左端部は、軸部材312を介して、第二アーム22の他端部に回動可能に支持(軸支)される。連結ブラケット93、第一アーム21、第二アーム22、及びブラケット31等を合わせたものは、いわゆる平行リンク機構を構成している。したがって、第一アーム21と第二アーム22とは、常に相互に平行な状態に保持されている。同様に、ブラケット31の側面31c及び縦面31dは、常に左右方向に対して略垂直な状態に保持されている。
【0037】
下端ブラケット32は、第三アーム33及び第四アーム34の下端部と、ステー35・36と、を連結するものである。本実施形態の下端ブラケット32は、長方形状の板材を正面視コ字状に折り曲げて形成された部材である。
【0038】
第三アーム33は、長い棒状の部材である。第三アーム33の一端部(上端部)は、ブラケット31の側面31cと縦面31dとの間に嵌装される。第三アーム33は、軸部材330を介して、前後方向に回動可能にブラケット31の前端部に支持(軸支)される。第三アーム33の他端部(下端部)は、下端ブラケット32の前端部に嵌装される。第三アーム33は、軸部材331を介して、前後方向に回動可能に下端ブラケット32の前端部に支持(軸支)される。軸部材330及び軸部材331は、相互に平行である。
【0039】
第四アーム34は、第三アーム33と同じ形状の長い棒状の部材である。第四アーム34の一端部(上端部)は、ブラケット31の側面31cと縦面31dとの間に嵌装される。第四アーム34は、軸部材340を介して、前後方向に回動可能にブラケット31の後端部に支持(軸支)される。第四アーム34の他端部(下端部)は、下端ブラケット32の後端部に嵌装される。第四アーム34は、軸部材341を介して、前後方向に回動可能に下端ブラケット32の後端部に支持(軸支)される。軸部材340及び軸部材341は、相互に平行である。
【0040】
ステー35・36は、刈取機構40を下端ブラケット32に連結する部材である。ステー35・36は、下端ブラケット32の下部に固定されるとともに、右下方に突出している。ステー35・36は、軸線が前後方向に延びている回動軸37を介して、支持体49に支持されている。この支持体49は、右の刈取カバー41Rの上に固定されている。
【0041】
図5に示す刈取機構40は、畦畔や農道等(地表面)に生えている雑草等を刈り取る作業(草刈)を行うための装置である。刈取機構40は、左右の刈取カバー41L・41R、該刈取カバー41L・41Rの内側に収容される左右の刈刃、左右の該刈刃を回転駆動する油圧モータ43、カバー回動軸44、前ゲージ輪45、ローラ46、ゲージ輪47、及びゴム垂れ48L・48C・48R等を備える。
【0042】
本実施形態の刈取カバーは、左右に二分割して構成される。左の刈取カバー41Lは、右の刈取カバー41Rに対して、カバー回動軸44を支点として上下方向に回動可能であり、適宜の回動位置に固定することができる。
このような構成により、左右の前記刈刃を法面等の傾斜面に追随させることができる。例えば、刈取機構40の左半部と右半部とを一つの平面状(面一)に配置した状態で、畦畔の法面の草刈を行う、という使用態様が可能である。あるいは、刈取機構40の右半部で畦畔の上面の草刈を行うと同時に、刈取機構40の左半部で畦畔の法面の草刈を行う、という使用態様も可能である。
【0043】
左右の前記刈刃(不図示)は、ブレード式の回転刃である。左の刈刃は、左の刈取カバー41L内に回転自在に設けられた左回転軸の下端に固定される。右の刈刃は、右の刈取カバー41R内に回転自在に設けられた右回転軸の下端に固定される。そして、前記左回転軸と、前記右回転軸と、がベベルギヤ及び伸縮可能な駆動軸42を介して接続される。なお、前記刈刃はブレード式のものに限定するものではなく、例えばバリカン式やリール式のものであってもよい。
【0044】
図5(a)に示す油圧モータ43は、前記刈刃を回転駆動するためのモータである。油圧モータ43は右の刈取カバー41Rの上に搭載される。油圧モータ43の出力軸は、左側方に突出するように配置され、該出力軸と前記刈刃の駆動軸とが連結されている。このような構成により、刈取レバー17を「入」にしたとき、油圧ポンプ13からの作動油が送油されることにより油圧モータ43が駆動され、前記刈刃が回転駆動される。
但し、前記刈刃を駆動する態様は上述のものに限定するものではなく、例えば、油圧モータ43を機台11上に載置し、油圧モータ43の出力軸と刈刃の駆動軸をフレキシブルワイヤで連結して刈刃を駆動してもよい。あるいは、油圧モータを具備しない構成とし、刈取用エンジンの出力軸にクラッチや変速機構等を連結し、当該変速機構の出力軸と前記刈刃の駆動軸をフレキシブルワイヤで連結して刈刃を駆動する構成としてもよい。
【0045】
前ゲージ輪45、ローラ46(図5(a)参照)、及びゲージ輪47(図5(b)参照)は、前記刈刃の地表面に対する高さを適宜に調節するものである。前ゲージ輪45は、右の刈取カバー41Rに設けられた取付部に、高さ調節可能に取り付けられる。ローラ46は、取付ステーを介して、右の刈取カバー41Rの後端部に取り付けられる。ゲージ輪47は、左の刈取カバー41Lの前部に設けられた取付部に、高さ調節可能に取り付けられる。前ゲージ輪45、ローラ46、及びゲージ輪47が地表面上を転動することにより、刈取機構40が地表面に沿って円滑に移動される。
【0046】
なお、左の刈取カバー41Lにウエイト(錘)の取付部を形成する等して、当該ウエイトを刈取機構40に装着可能な構成とすることもできる。斯かる構成とした場合、畦畔の法面が急斜面である場合等に、当該ウエイトを取り付けることによって左のゲージ輪47を法面に押し付けて、刈取機構40の地表面への追従性の向上を図ることが可能である。
あるいは、左右の刈取カバー41L・41Rがカバー回動軸44を支点として相互に離れる方向(広がる方向)に回動するように付勢する付勢部材を追加することによって、刈取機構40の地表面への貼付性を向上させることも可能である。
【0047】
図5(b)に示すゴム垂れ48L・48C・48Rは、前記刈刃の回転により跳ね上げられた小石等が刈取機構40の周囲に飛散することを防止するものである。左のゴム垂れ48Lは、左の刈取カバー41Lの前左端部から垂れ下げられて、左の刈刃及びゲージ輪47Lを前方から覆っている。右のゴム垂れ48Rは、右の刈取カバー41Rの前右端部から垂れ下げられて、右の刈刃及びゲージ輪47Rを前方から覆っている。ゴム垂れ48Cは左右のゴム垂れ48L・48Rの間に配置されるとともに、前ゲージ輪45とゲージ輪47との間に垂れ下げられる。
【0048】
なお、図5(a)に示すように、本実施形態の刈取カバー(刈取機構40)の前端部は、前方に向かうに従って地表面から離れる(高くなる)ように形成される。換言すれば、刈取カバーの前端部は、大きく開口した形状を有する。このように構成することにより、雑草等を刈取機構40内に誘導しやすくしている。
しかし、刈取カバーの形状は、上述のものに限定するものではなく、例えば、刈取カバーの後端部も、前記前端部と同様に、大きく開口した形状としてもよい。このように構成した場合、刈り取った雑草等が刈取機構の内部に留まることを防止できる。
【0049】
以上の如く構成される草刈装置100において、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)は、「後方位置」(図6(a)参照)から「側方位置」(図6(b)参照)まで(厳密には、刈取機構40が走行機体10の真横に来る位置まで)の範囲内において回動可能である。
【0050】
ここで「後方位置」は、田植機1を別の圃場に移動させるときや道路上を走行させるときに、前記平行リンクが配置される位置である。本実施形態の「後方位置」においては、第一アーム21及び第二アーム22が走行機体10の後方に延出される。
本実施形態の草刈装置100においては、貫通孔24h・24h・・・のうちの図6(a)における左から4番目の貫通孔24hに軸部材27を貫装するとともに、該軸部材27をネジ孔93hに螺合することにより、前記平行リンクの位置を「後方位置」に強固に固定できる。
【0051】
一方「側方位置」は、畦畔等の地表面に生えている雑草等を刈り取る作業を行うときに、前記平行リンクが配置される位置である。より具体的には、本実施形態の「側方位置」においては、第一アーム21及び第二アーム22が走行機体10の右側方に延出される。詳細には、「側方位置」においては、第一アーム21の他端部(連結ブラケット93とは反対側の端部)、及び、第二アーム22の他端部(連結ブラケット93とは反対側の端部)が、走行機体10の右側方に配置されて、草刈装置100(刈取機構40)が走行機体10の右側方に張り出した姿勢で保持される。
軸部材27を回動固定板24及び連結ブラケット93から取り外した状態のとき、後述する付勢部材60から受ける付勢力により、第一アーム21及び第二アーム22の回動位置が「側方位置」に保持される。
【0052】
以下では、付勢部材60・60、規制部材50、及びこれらの部材周辺の構成について、図3、図6及び図7を参照して詳細に説明する。
【0053】
図3に示す付勢部材60・60は、前記平行リンクを「側方位置」に保持するように付勢するものである。本実施形態の付勢部材60・60は引張コイルバネであり、連結ブラケット93から規制部材50を介して延設されたバネ座51と、第二アーム22から延設されたバネ座52と、の間に介装(介在)される。
なお、本実施形態の草刈装置100においては、付勢部材60・60が二つ具備されていて、一方は前記平行リンクの上方に配置され、他方は前記平行リンクの下方に配置されている。しかし、本発明における付勢部材の個数は二つに限定するものではなく、一つとしてもよいし、三つ以上具備する構成としてもよい。以下の説明においては二つの付勢部材のうちの一つについて主として説明をする。
【0054】
図3に示すバネ座51は、付勢部材60・60の一端部(前端部)を支持する構造体であり、板材を折り曲げて形成される。本実施形態のバネ座51は、連結ブラケット93に固定された規制部材50(後述)の右端部に固定されて、規制部材50の上方及び下方に延出(突出)される。
図3に示すバネ座52は、付勢部材60・60の他端部(後端部)を支持する構造体であり、板材を折り曲げて形成される。本実施形態のバネ座52は、第二アーム22の中途部に固定されて、第二アーム22の上方及び下方に延出(突出)される。
【0055】
「側方位置」(図6(b)参照)において、付勢部材60・60は、回動軸26を支点として平面視反時計回りに回動する方向に、第二アーム22を付勢している。換言すれば、「側方位置」で草刈作業を行う場合、第二アーム22には、付勢部材60・60から受ける付勢力により、回動軸26に関する平面視反時計回りのモーメントが付与されている。
なお、本実施形態では、付勢部材60はバネ座51・52の上部と下部(前記平行リンクの上下)に二本取り付けられるが、付勢部材60の取り付け本数及び位置はこれ限定するものではない。したがって、付勢部材60の付勢力を調整するために、付勢部材の取り付け本数を変更可能に構成することも可能である。また、付勢力を調整できるように連結位置(バネ座51・52の位置)を変更可能に構成することもできる。
【0056】
規制部材50は、前記平行リンク(第一アーム21または第二アーム22)に当接することにより、該平行リンクのそれ以上の水平方向への回動を規制するものである。
【0057】
本実施形態の規制部材50は、板材を折り曲げて形成された長い棒状の部材であり、上面部50a及び後面部50bを有する。上面部50aの板面は略水平であり、その後端部が下方に垂直に折り曲げられて後面部50bが形成される。後面部50bは、前後方向に対して垂直な平面を成している。規制部材50は、その右端部が連結ブラケット93の右側方に延出(突出)した状態で、連結ブラケット93の上端部に固定される。規制部材50の後面部50bは、第一アーム21の前端面と当接する面(当接面)を成す。
【0058】
本実施形態の草刈装置100は以上の如く構成されるので、以下の動作が実現される。
【0059】
図6(a)に示すように、連結ブラケット93に形成されたネジ孔93h(図3参照)と、回動固定板24に形成された貫通孔24hと、を重ね合わせて、これらのネジ孔93h及び貫通孔24hに軸部材27を貫装(螺装)した場合、第二アーム22の水平方向への回動位置が固定される。なお、この状態において、付勢部材60・60は草刈装置100(バネ座51・52)から取り外されている。
このとき、第二アーム22は走行機体10の後方に延出されており、第一アーム21も前記第二アーム22と平行な状態を保って走行機体10の後方に延出されている。したがって、刈取機構40は走行機体10の後方に配置(退避)され、走行機体10と草刈装置100とを合わせたものの横幅(左右方向の寸法)がコンパクトになる。よって、道幅の狭い道路等においても、草刈装置100が邪魔になることなく、田植機1(移動農機)を容易に走行させることができる。
【0060】
一方、図6(a)に示した状態の草刈装置100から軸部材27を取り外した場合、第二アーム22が回動軸26を支点として水平方向に回動自在となる。この状態において、草刈装置100を「後方位置」と「側方位置」との間の所望の回動位置で連結ブラケット93に形成されたネジ孔93hと、回動固定板24に形成された貫通孔24hと、を重ね合わせて軸部材27を貫装(螺装)することで、草刈装置100を所望の位置に固定して草刈作業を行うことが可能となる。なお、このように前記平行リンクの回動位置を固定している場合、付勢部材60により「側方位置」側へ付勢する必要がない上に、付勢部材60に負荷がかかるのを防止することが望ましいため、付勢部材60はバネ座51またはバネ座52から外している。
【0061】
そして、図6(b)に示す「側方位置」で作業をする場合には、バネ座51とバネ座52に付勢部材部材60を連結した状態にする。この連結した状態では、付勢部材60の付勢力により前記平行リンクは前方(「側方位置」側)へ回動するように付勢される。このとき、第一アーム21及び第二アーム22は、走行機体10の真横(右側方)よりも若干後方に延出されている。したがって、刈取機構40は走行機体10の右側方(厳密には右側方よりも若干後方)に配置される。つまり、草刈装置100が走行機体10の右側方に張り出した姿勢となり、走行機体10(田植機1)から延出された前記平行リンクの先端部(他端部)が地表面上に到達する状態となる。
【0062】
このように、前記平行リンクは、刈取機構40が走行機体10の後方に退避される「後方位置」から、刈取機構40が走行機体10の右側方に張り出される「側方位置」までの範囲内において、姿勢変更可能である。
【0063】
また、前記平行リンクが「側方位置」(図7(a)参照)よりもさらに前方側へ若干量だけ回動したところで、規制部材50の後面部50bと、第一アーム21の前端面と、が当接する(図7(b)参照)。これにより、それ以上の第一アーム21の平面視で反時計回り(前方側)への回動が規制される。本実施形態においては、第一アーム21及び第二アーム22の長手方向が左右方向に一致したときに、第一アーム21が規制部材50に当接するように構成されている。このような構成により、規制部材50は、前記平行リンクが走行機体10の右側方(真横)よりも前方側に回動することを規制している。
【0064】
以下では、このような構成の草刈装置100を使用して草刈を実施する場合に奏される効果について説明する。
【0065】
草刈装置100を使用して草刈を行うために、軸部材27を取り外すとともに、付勢部材60を装着した場合には、前記平行リンク(第二アーム22)の回動位置は、付勢部材60から受ける付勢力により、「側方位置」に保持されている(図6(b)参照)。
そして、草刈を行っているときには、田植機1が水田内の苗の植付条に沿って走行するために、植付条が曲がっていたり、畦畔が曲がっていたりすると、走行方向が曲がる場合がある。つまり、走行機体10から畦畔等の地表面までの距離が変動する(一定ではない)。
斯かる場合、走行機体10が畦畔に近づくと、刈取機構40は畦畔の法面に押し付けられることになるが、前記平行リンク(平行リンク機構20)は付勢部材60の付勢力に抗して後方(「後方位置」側)へ回動されるので、大きな負荷がかることを回避できる。
逆に、走行機体10が畦畔から離れようとすると、前記平行リンク(平行リンク機構20)は付勢部材60の付勢力により前方(「側方位置」側)へ回動されるので、刈取機構40は畦畔の法面側に押し付けられる。つまり、刈取機構40が畦畔から離間しそうになると、前記平行リンクの位置が「側方位置」に自動的に復帰される。
【0066】
このように、走行機体10から畦畔(地表面)までの距離の変動に合わせて前記平行リンクを水平方向に回動させることにより、刈取機構40が地表面から離間することを防止することができ、刈取機構40の地表面への追従性を良好にすることができる。よって、オペレータは、刈取機構40の位置(姿勢)を調整することに特段の注意を払う必要がないので、田植機1の操向操作に集中することができる。
また、付勢部材60が伸縮することにより、平行リンク機構20や揺動リンク機構30を構成する部材に大きな衝撃荷重がかかることを回避できる。したがって、地表面から受ける外力等により第一アーム21や第二アーム22が変形したり損傷したりすることを回避できる。
【0067】
さらに、草刈が終了して、刈取機構40を上昇させた場合等では、急に前記平行リンクに外力が加わらなくなる。この場合、第二アーム22が付勢部材60に引っ張られて前方へ勢いよく回動することになるが、第一アーム21の前面が規制部材50に当接し(図6(b))、それ以上前方へ回動することはない。よって、刈取機構40が走行機体10側に急に回動して走行機体10に損傷を与えることがなく、大きく重量バランスを崩すこともなくなるのである。
【0068】
以上の如く、本発明の第一実施形態に係る草刈装置100は、田植機1の走行機体10の後部に具備された昇降リンク機構90に装着可能な草刈装置であって、昇降リンク機構90の先端に係脱可能に支持される連結ブラケット93と、一端部が連結ブラケット93に軸支されるとともに、「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において水平方向に回動可能な平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)と、該平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「側方位置」に保持するように付勢する付勢部材60と、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の他端部に取り付けられる刈取機構40と、を具備するものである。
したがって、付勢部材60から受ける付勢力により、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「側方位置」に保持することができる。ここで、「側方位置」にある前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)は、付勢部材60が伸縮することにより、「側方位置」の近傍において水平方向に回動可能である。その結果、刈取機構40の地表面への追従性を向上させることができる。
【0069】
また、本発明の第一実施形態に係る草刈装置100は、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)が「側方位置」に対して「後方位置」とは反対側(前方)に大きく回動することを規制する規制部材50をさらに具備している。
したがって、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の位置を「側方位置」の近傍に保持することができる。本実施形態では、前記平行リンクが走行機体10の右側方(真横)よりも前方側に回動することを規制しているので、前記平行リンクが途中でつっかえたりすることなく滑らかに回動される。
【0070】
<第二実施形態>
以下では、本発明の第二実施形態に係る草刈装置200について、図8を参照して詳細に説明する。
草刈装置200は、(1)付勢部材60に代えて付勢部材75を具備し、(2)バネ座51・52に代えてバネ座71・72を具備し、(3)規制部材73をさらに具備する点等において、第一実施形態に係る草刈装置100とは相違する。
【0071】
以下では、草刈装置200を構成する部材のうち、草刈装置100に備えられていた部材と形状、材質、及び機能の点において略同様の部材については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、規制部材50・73と付勢部材75とを合わせたものは、本発明に係る「保持機構」の実施の一形態である保持機構70を構成している。
【0072】
付勢部材75は、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「後方位置」(図8(a)参照)または「側方位置」(図8(b)参照)のいずれか一方の位置に選択的に保持するように付勢するものである。より具体的には、本実施形態の付勢部材75は、引張コイルバネであり、規制部材50から延設されたバネ座71と、第一アーム21から延設されたバネ座72と、の間に介装(介在)される。
なお、本実施形態の草刈装置200においても、第一実施形態に係る草刈装置100と同様に、付勢部材75・75が上下に二つ具備されているが、以下の説明においてはそのうちの一つについて主として説明をする。
【0073】
バネ座71は、付勢部材75の一端部(前端部)を支持する構造体であり、板材を折り曲げて形成される。本実施形態のバネ座71は、連結ブラケット93に固定された規制部材50の左右略中央部に固定されて、規制部材50の上方及び下方に延出(突出)される。
バネ座71と、付勢部材75の一端部と、は連結点Aにて連結される。詳述すると、付勢部材75の一端部は、バネ座71に形成された貫通孔に引っ掛けられている。
【0074】
バネ座72は、付勢部材75の他端部を支持する構造体であり、板材に円柱形状の軸を固定したような形状を有する。本実施形態のバネ座72は、第一アーム21の中途部に固定されて、前記軸が第一アーム21の上方及び下方に延出(突出)される。
バネ座72と、付勢部材75の他端部と、は連結点Bにて連結される。詳述すると、付勢部材75の他端部は、バネ座72に設けられた前記軸に引っ掛けられている。
【0075】
図8(a)に平面視にて示すように、連結点Aと回動軸23の中心とを結ぶ直線Lの後方に連結点Bが配置されているとき、付勢部材75は、バネ座72を介して第一アーム21を、回動軸23を支点として平面視時計回りに回動する方向(「後方位置」側)に付勢する。一方、図8(b)に平面視にて示すように、連結点Aと回動軸23の中心とを結ぶ直線Lの前方に連結点Bが配置されているとき、付勢部材75は、バネ座72を介して第一アーム21を、回動軸23を支点として平面視反時計回りに回動する方向(「側方位置」側)に付勢する。すなわち、連結点Aと、連結点Bと、回動軸23の中心と、が一直線となる地点を境界(デッドポイント)にして、付勢部材75が第一アーム21を付勢する方向が相互に反対方向となるように構成されている。連結点Bが直線L上に配置されるときの前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の位置が、本発明に係る「支点越えが生じる位置」に相当する。
【0076】
本実施形態の草刈装置200は以上の如く構成される保持機構70を具備するので、以下の動作が実現される。
【0077】
図8(a)に示すように、連結点Bを直線Lの後方に配置した場合、第一アーム21の水平方向への回動位置が、付勢部材75から受ける付勢力により「後方位置」に保持される。このとき、第一アーム21は走行機体10の後方に延出されており、第二アーム22も前記第一アーム21と平行な状態を保って走行機体10の後方(厳密には真後ろよりも若干右寄り)に延出されている。したがって、刈取機構40は走行機体10の後方に配置され、走行機体10と草刈装置200とを合わせたものの横幅がコンパクトになる。
【0078】
一方、図8(a)に示した状態の前記平行リンクを手動で回動して、連結点Bを直線Lの前方となる位置まで移動させた場合、第一アーム21が付勢部材75から受ける付勢力に従って平面視反時計回りに回動し、第二アーム22も前記第一アーム21と平行な状態を保って平面視反時計回りに回動する。
そして、図8(b)に示す「側方位置」に到達した地点で、前記平行リンクの回動が停止される。このとき、第一アーム21及び第二アーム22は、走行機体10の真横(右側方)よりも若干後方に延出されている。したがって、刈取機構40は走行機体10の右側方(厳密には右側方よりも若干後方)に配置される。つまり、草刈装置200が走行機体10の右側方に張り出した姿勢となる。
【0079】
このように、本実施形態の草刈装置200においては、軸部材27等の締結具を用いることなく、前記平行リンクの位置を「後方位置」または「側方位置」に安定的に保持することができる。よって、草刈装置200の姿勢変更を容易に行うことができる。
【0080】
また、本実施形態においては、前記平行リンク(第一アーム21)に当接することにより、該平行リンクのそれ以上の前方側への回動を規制する規制部材50が具備される。具体的には、規制部材50の後面部50bと、第一アーム21の前端面と、が当接可能に構成される。このような構成により、前記平行リンクが走行機体10の右側方(真横)よりも前方側に回動することを規制している。
【0081】
さらに、本実施形態においては、前記平行リンク(第二アーム22)に当接することにより、該平行リンクのそれ以上の後方側への回動を規制する規制部材73が具備される。規制部材73は、連結ブラケット93の中間プレート93cの上から前方に突出するように設けられ、第二アーム22の後面と当接可能である。
第二アーム22が「後方位置」よりもさらに後方側へ若干量だけ回動したところで、規制部材73の右側面部と、第二アーム22と、が当接するように構成される。これにより、それ以上の第二アーム22の平面視時計回り(後方側)への回動が規制される。本実施形態においては、第一アーム21及び第二アーム22の長手方向が前後方向に一致したときに、第二アーム22が規制部材73に当接するように構成されている。
【0082】
以上の如く、本発明の第二実施形態に係る草刈装置200は、田植機1の走行機体10の後部に具備された昇降リンク機構90に装着可能な草刈装置であって、昇降リンク機構90の先端に係脱可能に支持される連結ブラケット93と、一端部が連結ブラケット93に軸支されるとともに、「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において水平方向に回動可能な平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)と、該平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「後方位置」または「側方位置」のいずれか一方の位置に選択的に保持する保持機構70と、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の他端部に取り付けられる刈取機構40と、を具備するものである。
したがって、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「側方位置」または「後方位置」のいずれか一方の位置に安定的に保持することができる。
【0083】
また、本発明の第二実施形態に係る草刈装置200に具備される保持機構70は、前記平行リンク(第一アーム21または第二アーム22)に当接することにより、該平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)のそれ以上の水平方向への回動を規制する規制部材50・73と、前記平行リンク(第一アーム21または第二アーム22)と規制部材50との間に介装されるとともに、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「後方位置」側または「側方位置」側のいずれか一側に選択的に付勢する付勢部材75と、を備えるものである。
したがって、簡単な構成で保持機構70を実現することができる。
【0084】
さらに、本発明の第二実施形態に係る草刈装置200に備えられる付勢部材75は、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の水平方向への回動位置が、支点越えが生じる位置よりも「後方位置」側に到達した場合には、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「後方位置」側に付勢し、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の水平方向への回動位置が、支点越えが生じる位置よりも「側方位置」側に到達した場合には、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「側方位置」側に付勢するものである。
したがって、付勢部材75の支点越えを利用した簡単な構成により、保持機構70を実現することができる。ここで、「側方位置」にある前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)は、付勢部材75が伸縮することにより、「側方位置」の近傍において水平方向に回動可能である。その結果、走行機体10から畦畔(地表面)までの距離の変動に合わせて前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を水平方向に回動させることができ、刈取機構40の地表面への追従性を向上させることができる。
【0085】
<第三実施形態>
以下では、本発明の第三実施形態に係る草刈装置300について、図9を参照して説明する。
草刈装置300は、(1)付勢部材75に代えて付勢部材85を具備し、(2)バネ座71に代えてバネ座81を具備し、(3)摺動軸部材84をさらに具備する点等において、第二実施形態に係る草刈装置200とは相違する。
【0086】
以下では、草刈装置300を構成する部材のうち、草刈装置200に備えられていた部材と形状、材質、及び機能の点において略同様の部材については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。なお、規制部材50・73と付勢部材85とを合わせたものは、本発明に係る「保持機構」の実施の一形態である保持機構80を構成している。
【0087】
付勢部材85は、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)を「後方位置」(図9(a)参照)または「側方位置」(図9(b)参照)のいずれか一方の位置に選択的に保持するように付勢するものである。より具体的には、本実施形態の付勢部材85は、引張コイルバネであり、規制部材50から延設されたバネ座81と、第一アーム21から延設されたバネ座72と、の間に介装(介在)される。
【0088】
バネ座81は、付勢部材85の一端部(前端部)を支持する構造体であり、板材を折り曲げて形成される。本実施形態のバネ座81は、連結ブラケット93に固定された規制部材50に固定されて、規制部材50の上方に延出(突出)される。バネ座81の上端部には略水平な板面が形成される。当該板面上には、左右方向に対して概ね30度傾斜する方向に延びたガイド溝81hが形成される。
【0089】
摺動軸部材84は、円柱形状の部材である。摺動軸部材84は、バネ座81のガイド溝81hに脱落不能に嵌装される。摺動軸部材84の上下両端部はバネ座81から突出していて、付勢部材85の一端部(前端部)が連結されている。すなわち、摺動軸部材84(の中心)が、バネ座81と付勢部材85との連結点Cを成している。
なお、付勢部材85の他端部(後端部)は、第二実施形態に係る草刈装置200と同様に、バネ座72に連結されている。すなわち、バネ座72の前記軸(の中心)が、バネ座72と付勢部材85との連結点Dを成している。
【0090】
図9(a)に平面視にて示すように、連結点Cと回動軸23の中心とを結ぶ直線Mの後方に連結点Dが配置されているとき、付勢部材85は、バネ座72を介して第一アーム21を、回動軸23を支点として平面視時計回りに回動する方向(「後方位置」側)に付勢する。一方、図9(b)に平面視にて示すように、連結点Cと回動軸23の中心とを結ぶ直線Mの前方に連結点Dが配置されているとき、付勢部材85は、バネ座72を介して第一アーム21を、回動軸23を支点として平面視反時計回りに回動する方向(「側方位置」側)に付勢する。すなわち、連結点Cと、連結点Dと、回動軸23の中心と、が一直線となる地点を境界(デッドポイント)にして、付勢部材85が第一アーム21を付勢する方向が相互に反対方向となるように構成されている。連結点C及び連結点Dが直線L上に配置されるときの前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)の位置が、本発明に係る「支点越えが生じる位置」に相当する。
【0091】
本実施形態の草刈装置300は以上の如く構成されるので、以下の動作が実現される。
【0092】
図9(a)に示すように、連結点Dを直線Mの後方に配置した場合、第一アーム21の水平方向への回動位置が、付勢部材85から受ける付勢力により「後方位置」に保持される。このとき、第一アーム21及び第二アーム22は、走行機体10の後方に延出されている。したがって、刈取機構40は走行機体10の後方に配置(退避)される。
【0093】
一方、図9(a)に示した状態の前記平行リンクを手動で回動して、連結点Dを直線Mの前方となる位置まで移動させた場合、第一アーム21及び第二アーム22が付勢部材85から受ける付勢力に従って平面視反時計回りに回動する。
そして、図9(b)に示す「側方位置」に到達した地点で、第一アーム21及び第二アーム22の回動が停止される。このとき、第一アーム21及び第二アーム22は、走行機体10の真横(右側方)よりも若干後方に延出されている。したがって、草刈装置300が走行機体10の右側方に張り出した姿勢となる。
【0094】
このように、本実施形態の草刈装置300は保持機構80を具備しているので、前記平行リンクの位置を「後方位置」または「側方位置」に安定的に保持することができる。よって、草刈装置300の姿勢変更を容易に行うことができる。
また、本実施形態の草刈装置300では、連結点C及び連結点Dの双方が水平面内において変位するため、確実に支点越えが生じるようにすることができ、第一アーム21及び第二アーム22の回動位置や、回動軸23の位置等のレイアウトの自由度が大きくなる。
なお、本実施形態の草刈装置300にも、草刈装置200と同様に、前記平行リンク(第一アーム21及び第二アーム22)に当接することにより、該平行リンクのそれ以上の水平方向への回動を規制する規制部材50・73が具備されている。
【0095】
<その他の実施形態>
以上に本発明の好適な実施形態を示したが、上記の実施形態に代えて以下の構成とすることも可能である。
【0096】
上記の実施形態の草刈装置100は、田植機1に装着されるものとした。しかしながら、この構成に代えて、乗用型管理機やトラクタ等の他種の移動農機に本発明に係る草刈装置を装着するものとしてもよい。このような場合、草刈装置をアッセンブリーとして昇降リンク機構の先端から取り外し、他の移動農機の昇降リンク機構の先端に装着することが可能である。なお、取付ステーの形状(長さ、曲げ)を設計変更すること等により、草刈装置を種々の移動農機に搭載可能な共用のものとすることができる。また、アッセンブリーとして構成されているので、組立ても容易に行える。
【0097】
上記の実施形態の草刈装置100は、田植機1の走行機体10の後部に装着されるものとした。しかしながら、この構成に代えて、移動農機の走行機体の前部に本発明に係る草刈装置を装着するものとしてもよい。係る場合、昇降リンク機構は走行機体の前部に具備され、平行リンクは走行機体の「前方位置」から「側方位置」までの範囲内において回動可能に設けられる。
【0098】
上記の実施形態の草刈装置100に具備される付勢部材60は、引張コイルバネであるものとした。しかしながら、この構成に代えて、ゼンマイバネ等により構成することも可能である。
【0099】
走行機体10の刈取機構40が配置される側とは反対側(上記の実施形態では左側)に、ウエイト(錘)を具備する構成としてもよい。具体的には、例えば、規制部材50の左端部が走行機体10の左側方に延出される構成とし、当該規制部材50の左端部にウエイトを着脱可能に構成することができる。このような構成とした場合、田植機1と草刈装置100とを合わせたものの左右のバランスを改善することができ、草刈装置100の重量により走行機体10の左右一側が走行面の下側に沈み込むことを防止できる。
【0100】
上記の実施形態の草刈装置100においては、田植機1(移動農機)のエンジン3とは別個に草刈装置用の刈取用エンジン12を具備するものとした。しかしながら、この構成に代えて、移動農機用のエンジンから草刈装置の駆動力を得る構成としてもよい。具体的には、例えば、移動農機用のエンジンの動力の一部をギヤボックス等を介してPTO軸から取り出して、該PTO軸から取り出した動力を油圧ポンプ13に伝達する構成とする。そして、該油圧ポンプ13からの圧油により刈取機構40の油圧モータ43を作動させる。このような構成とした場合、草刈装置用の専用のエンジンが不要となるので、製造コストの低減を図ることができる。
また、刈取用エンジン12の代わりに電動モータを用いて油圧ポンプ13を駆動する構成とすることも可能である。
【0101】
上記の実施形態の草刈装置100の刈取機構40には、左右二枚の刈刃が備えられるものとした。しかしながら、この構成に代えて、例えば三枚以上の刈刃が左右方向に並列して備えられる構成としてもよい。このような構成とした場合、幅の広い畦畔の草刈を行うような場合においても、効率良く刈取作業を行うことができる。
【0102】
上記の実施形態の草刈装置200においては、付勢部材75は、連結ブラケット93から規制部材50を介して延設されたバネ座71と、第一アーム21から延設されたバネ座72と、の間に介装(介在)されるものとした。より簡潔には、付勢部材75は、規制部材50と第二アーム22との間に介装されていた。しかしながら、この構成に代えて、規制部材と第一アームとの間に付勢部材を介装する構成としてもよい。具体的には、例えば、連結ブラケットから上方に延設されたバネ座と、第二アームから上方に延設されたバネ座と、の間に付勢部材を介装することができる。
【0103】
上記の実施形態の草刈装置100においては、刈取機構40の後部に一つのローラ46が具備されていた。しかしながら、この構成に代えて、刈取機構の後部に左右に並設されたローラを具備する構成としてもよい。
図10に示す刈取機構400は、このようなローラ460・460を備える刈取機構の具体例である。このように構成することにより、刈取機構400の地表面への追従性及び貼付性のさらなる向上を図ることができる。また、刈取機構400の刈取カバーの下端部からは、ゴム垂れ480が垂れ下げられている。このような構成により、前記刈刃の回転により跳ね上げられた小石等が刈取機構400の後方から周囲に飛散することを防止し、安全性の向上を図っている。
【符号の説明】
【0104】
1 田植機(移動農機)
10 走行機体
21 第一アーム(平行リンク)
22 第二アーム(平行リンク)
40 刈取機構
50 規制部材
60 付勢部材
90 昇降リンク機構
93 連結ブラケット
100 草刈装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動農機の走行機体の前部または後部に具備された昇降リンク機構に装着可能な草刈装置であって、
前記昇降リンク機構の先端に係脱可能に支持される連結ブラケットと、
一端部が該連結ブラケットに軸支されるとともに、「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において水平方向に回動可能な平行リンクと、
該平行リンクを「側方位置」に保持するように付勢する付勢部材と、
前記平行リンクの他端部に取り付けられる刈取機構と、を具備する草刈装置。
【請求項2】
移動農機の走行機体の前部または後部に具備された昇降リンク機構に装着可能な草刈装置であって、
前記昇降リンク機構の先端に係脱可能に支持される連結ブラケットと、
一端部が該連結ブラケットに軸支されるとともに、「前方位置」または「後方位置」から「側方位置」までの範囲内において水平方向に回動可能な平行リンクと、
該平行リンクを「前方位置」若しくは「後方位置」または「側方位置」のいずれか一方の位置に選択的に保持する保持機構と、
前記平行リンクの他端部に取り付けられる刈取機構と、を具備する草刈装置。
【請求項3】
請求項2に記載の草刈装置であって、
前記保持機構は、
前記平行リンクに当接することにより、該平行リンクのそれ以上の水平方向への回動を規制する規制部材と、
前記平行リンクと前記規制部材との間に介装されるとともに、前記平行リンクを「前方位置」側若しくは「後方位置」側または「側方位置」側のいずれか一側に選択的に付勢する付勢部材と、を備える草刈装置。
【請求項4】
請求項3に記載の草刈装置であって、
前記付勢部材は、
前記平行リンクの水平方向への回動位置が、支点越えが生じる位置よりも「前方位置」側または「後方位置」側に到達した場合には、前記平行リンクを「前方位置」側または「後方位置」側に付勢し、
前記平行リンクの水平方向への回動位置が、支点越えが生じる位置よりも「側方位置」側に到達した場合には、前記平行リンクを「側方位置」側に付勢する、草刈装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate