草刈補助具
【課題】 作業者が草刈機を持ち上げて草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられて、草刈作業を助ける草刈補助具の改良に関し、草刈作業の際の作業者への負荷を軽減する。
【解決手段】 操作桿１０の一端に原動機１１が、上記操作桿１０の他端に回転刈歯１２が取り付けられてなる草刈機１を支える草刈補助具Ａにおいて、フットプレート２と、このフットプレート２に着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖３と、この支持杖３に取り付けられて上記草刈機１を吊持する吊持具４と、上記フットプレート２を作業者の足に固定する固定具５とを備える。
【解決手段】 操作桿１０の一端に原動機１１が、上記操作桿１０の他端に回転刈歯１２が取り付けられてなる草刈機１を支える草刈補助具Ａにおいて、フットプレート２と、このフットプレート２に着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖３と、この支持杖３に取り付けられて上記草刈機１を吊持する吊持具４と、上記フットプレート２を作業者の足に固定する固定具５とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、作業者が草刈機を持ち上げて草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられて、草刈作業を助ける草刈補助具の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
作業者が草刈機を持ち上げて草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられて、草刈作業を助ける草刈補助具は、これまでに各種提案がなされている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、操作桿の一端に原動機が、操作桿の他端に回転刈歯が取り付けられてなる草刈機を作業者が吊りバンドを介して背負い、上記操作桿の略中央に取り付けられるハンドルを左右方向に動かすことにより草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられる草刈補助具が開示されている。
【０００４】
この草刈補助具は、上記操作桿に取り付けられる支柱と、この支柱の先端に取り付けられて左右方向に回転可能な球体とからなり、草刈作業をする際に回転刈歯を支える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−１２１９０７号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記従来の草刈補助具は、回転刈歯を支えるものの、草刈機の重量のほとんどが吊バンドを介して作業者にかかり、作業者への負荷が大きいという不具合がある。
【０００７】
そこで、本発明の目的は、作業者への負荷を従来よりも大幅に低減させることが可能な草刈補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するための手段は、操作桿の一端に原動機が、上記操作桿の他端に回転刈歯が取り付けられてなる草刈機を支える草刈補助具において、フットプレートと、このフットプレートに着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖と、この支持杖に取り付けられて上記草刈機を吊持する吊持具と、上記フットプレートを作業者の足に固定する固定具とを備えることである。
【０００９】
この場合において、上記フットプレートが作業者の足を置く足置き部を備え、この足置き部の外側に上記支持杖の下端部が挿入される挿入筒が取り付けられることが好ましい。
【００１０】
同じく、上記支持杖の下端が球面状に形成されることが好ましい。
【００１１】
同じく、上記フットプレートの裏面に滑り止めが設けられることがこのましい。
【００１２】
同じく、上記吊持具が複数のリングが連なるチェーンからなり、任意のリングを上記支持杖に固定されるフックに引掛けることが好ましい。
【００１３】
同じく、上記支持杖の軸方向長さが調節可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【００１４】
請求項１に記載の発明によれば、吊持具を介して草刈機を支持杖で支えるため、作業者への負荷を従来よりも大幅に低減させることが可能となる。
【００１５】
請求項２に記載の発明によれば、足置き部の外側に支持杖の下端部が挿入される挿入筒が取り付けられることにより、作業者の歩行が容易となり、支持杖が歩行の妨げとなることがない。また、挿入筒に支持杖の下端部を挿入することにより、支持杖を着脱自在且つ回転可能にフットプレートに起立させることが容易となる。
【００１６】
請求項３に記載の発明によれば、支持杖の球面状の下端を支点にして支持杖を円滑に回転させることが可能となり、作業性を良好にすることが可能となる。
【００１７】
請求項４に記載の発明によれば、フットプレートの裏面に滑り止めが設けられることにより、フットプレートが滑ることを防止して作業性を良好にすることが可能となる。
【００１８】
請求項５に記載の発明によれば、任意のリングをフックに引掛けることにより、草刈機を吊持する位置を容易に調節することが可能となる。
【００１９】
請求項６に記載の発明によれば、支持杖の軸方向長さが調整可能であることにより、作業者の体型にあった支持杖の長さに調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具を使用した状態を示す斜視図である。
【図２】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具におけるフットプレートを拡大して示す斜視図である。
【図３】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具における支持杖を拡大して示す分解斜視図である。
【図４】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具と草刈機との連結部を拡大して示す斜視図である。
【図５】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具におけるフットプレートを作業者の右足に装着し、支持杖の下端部を挿入筒に挿入した状態を拡大し、その一部を切り欠いて示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下に本発明の一実施の形態を示す草刈補助具について図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたはそれに対応する部品を示す。
【００２２】
図１に示すように、本発明の草刈補助具Ａは、操作桿１０の一端に原動機１１が、上記操作桿１０の他端に回転刈歯１２が取り付けられてなる草刈機１を支えるものである。
【００２３】
そして、上記草刈補助具Ａは、フットプレート２と、このフットプレート２に着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖３と、この支持杖３に取り付けられて上記草刈機１を吊持する吊持具４と、上記フットプレート２を作業者の足に固定する固定具５とを備える。
【００２４】
本実施の形態において、上記草刈機１は、作業者が吊りバンド１３を介して背負い、操作桿１０の略中央に取り付けられるハンドル１４を図１中矢印Ｚ方向に動かすことにより草刈作業をする持ち運び型草刈機であり、以下にこの草刈機１を支える本実施の形態に係る草刈補助具Ａの各構成部品について詳細に説明する。
【００２５】
フットプレート２は、図２に示すように、略矩形の板状母材の各辺を折り曲げて形成されてなり、作業者の足が置かれる足置き部２０と、足置き部２０の踵側端から起立するストッパ部２１と、足置き部２０の両側端から下側に垂設される左右一対の滑り止め片２２ａ，２２ｂと、足置き部２０から外側に向けて水平に延設される延設片２３とからなる。
【００２６】
そして、上記足置き部２０の爪先側及び踵側には左右一対の孔２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄがそれぞれ穿設されてなり、爪先側の孔２０ａ，２０ｂには爪先側固定バンド５０が、踵側の孔２０ｃ，２０ｄには踵側固定バンド５１が取り付けられてなり、これらの固定バンド５０，５１でフットプレート２を作業者の足に固定する固定具５を構成する。
【００２７】
また、上記ストッパ部２１は、その上端の両角が折り曲げられてなる左右一対の曲げ部２１ａ，２１ｂを有し、上記延設片２３には、支持杖３の下端部が挿入される挿入筒６が固定される。
【００２８】
この支持杖３は、図３に示すように、上下一対の筒状部材３０，３１と、下側の筒状部材３１の下端に同軸に連設される支持軸３２とからなり、上側の筒状部材３０は、その下端部に形成されて下側の筒状部材３１内に挿入される小径部３３を有し、この小径部３３には径方向に貫通する孔３３ａが軸方向に複数穿設される。
【００２９】
一方、下側の筒状部材３１の上端部には径方向に貫通する孔３１ａが穿設されてなり、小径部３３を下側の筒状部材３１に挿入し、小径部３３の何れかの孔３３ａと孔３１ａとを対向させ、ボルトＢを挿通することにより、上下の筒状部材３０，３１を連結する。
【００３０】
上記構成を備えることにより、小径部３３の孔３３ａを任意に選択して支持杖３の軸方向長さを調整することが可能となり、本実施の形態においては、その長さを３段階に調整することが可能である。
【００３１】
また、上記上側の筒状部材３０の略中央部にはフック７が固定されており、このフック７に引掛けられる吊持具４は、複数のリングが連なるチェーンからなり、その一方の端部に草刈機１に連結する連結部４０を備える。具体的に、連結部４０は、図４に示すように、草刈機１の操作桿１０の基部に取り付けられる取付部１５に連結し、この取付部１５には吊りバンド１３の連結具１３ａも連結している。
【００３２】
また、上記下側の筒状部材３１の下端に連設される支持軸３２は、筒状部材３０，３１よりも小径に形成されると共にその下端が球面状に形成されてなり、図５に示すように、挿入筒６に挿入されて下端を延設片２３上に当接させる。
【００３３】
つまり、本実施の形態に係る草刈補助具Ａは、固定バンド５０，５１からなる固定具５でフットプレート２を作業者の足に固定し、このフットプレート２に起立する支持杖３に吊持具４を介して草刈機１を吊持させるため、草刈機１の重量のほとんどを支持杖３及びフットプレート２を介して地面にかけることが可能となり、作業者は、図１に示すように、支持杖３が倒れないよう支持杖３の上側を背中で支えるのみである。したがって、作業者への負荷を従来よりも大幅に低減させることが可能となる。
【００３４】
また、足置き部２０の外側、即ち、各図中に示す右足用のフットプレート２の場合には、フットプレート２を装着した状態で作業者から見て足置き部２０の右側、図示しないが左足用のフットプレート２の場合には、フットプレート２を装着した状態で作業者から見て足置き部２０の左側に挿入筒６が取り付けられることにより、作業者の歩行が容易となり、支持杖３が歩行の妨げとなることがない。
【００３５】
また、挿入筒６から支持杖３を引き抜くことにより、容易に支持杖３をフットプレート２から離すことが可能となり、作業者は草刈機１から容易に体を離すことが可能となる。
【００３６】
また、支持杖３の下端が球面状に形成されることにより、支持杖３を容易に図１中矢印Ｘ方向に回転させ、且つ、支持杖３を容易に図１中矢印Ｙ方向に揺動させて支持杖３の傾きを変えることが可能となり、支持杖３をフットプレート２に着脱自在且つ回転可能に起立させるための構成が簡易である。尚、この図１中矢印Ｙ方向への揺動量は、挿入筒６の軸方向長さを調整することにより任意に設定することが可能である。
【００３７】
また、フットプレート２が滑り止め片２２ａ，２２ｂを備えることにより、これらの滑り止め片２２ａ，２２ｂが滑り止めとして機能し、作業者がフットプレート２を装着した状態で歩行するときフットプレート２が滑ることを防止して作業性を良好にすることが可能となる。
【００３８】
また、吊持具４が複数のリングが連なるチェーンからなり、任意のリングをフック７に引掛けることにより、草刈機１を吊持する位置を容易に調節することが可能となる。
【００３９】
また、支持杖３の軸方向長さが調整可能であるため、作業者の体型にあった支持杖３の長さに調節することが可能となる。
【００４０】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【００４１】
例えば、本実施の形態において、フットプレート２が足置き部２０の踵側に起立するストッパ部２１を有しているが、足置き部２０の爪先側にストッパ部（図示せず）を設けても良い。また、ストッパ部２１が曲げ部２１ａ，２１ｂを有することにより、当該曲げ部２１ａ，２１ｂを踵に引掛けることが可能となるが、必ずしも曲げ部２１ａ，２１ｂを設ける必要がなく、フットプレート２の構成及び形状は、適宜選択することが可能である。
【００４２】
また、本実施の形態において、滑り止め片２２ａ，２２ｂで滑り止めとして機能させるとしたがこの限りではなく、図示しないが、フットプレート２の裏面にリブを設けたり滑り止めゴムを設けたりするなど、滑り止めとして適宜構成を選択することが可能である。
【００４３】
また、本実施の形態において、固定具５を一対の固定バンド５０，５１で構成するとしたがこの限りではなく、フットプレート２を作業者の足に固定することが可能な限りにおいて適宜構成を選択することが可能であり、フットプレート２と固定具５とを一体的に形成するとしても良い。
【００４４】
また、本実施の形態において、支持杖３が上下一対の筒状部材３０，３１を備えることにより、支持杖３の軸方向長さを調整することが可能となるが、これら筒状部材３０，３１を一体的に形成するとしても良く、また、支持杖３の軸方向長さの調整方法も適宜方法を選択することが可能である。
【００４５】
また、本実施の形態において、支持杖３の下端部に位置する支持軸３２を挿入筒６に挿入することにより支持杖３をフットプレート２に起立させているがこの限りではなく、支持杖３を着脱自在且つ回転可能にフットプレートに起立させ得る限りにおいて、適宜構成を選択することが可能である。
【００４６】
また、本実施の形態において、挿入筒６を延設片２３に固定するとしたがこの限りではなく、図示しないが、足置き部２０の外側に挿入筒６を溶接固定するとしても良い。
【００４７】
また、本実施の形態において、吊持具４がチェーンからなるとしたがこの限りではなく、図示しないが、吊持具がベルトからなるとしても良く、吊持具として適宜構成を選択することが可能である。
【符号の説明】
【００４８】
Ａ 草刈補助具
１ 草刈機
２ フットプレート
３ 支持杖
４ 吊持具
５ 固定具
６ 挿入筒
７ フック
１０ 操作桿
１１ 原動機
１２ 回転刈歯
２０ 足置き部
２１ ストッパ部
２２ａ，２２ｂ 滑り止め片
３０，３１ 筒状部材
３２ 支持軸
３３ 小径部
４０ 連結部
５０，５１ 固定バンド
【技術分野】
【０００１】
この発明は、作業者が草刈機を持ち上げて草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられて、草刈作業を助ける草刈補助具の改良に関する。
【背景技術】
【０００２】
作業者が草刈機を持ち上げて草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられて、草刈作業を助ける草刈補助具は、これまでに各種提案がなされている。
【０００３】
例えば、特許文献１には、操作桿の一端に原動機が、操作桿の他端に回転刈歯が取り付けられてなる草刈機を作業者が吊りバンドを介して背負い、上記操作桿の略中央に取り付けられるハンドルを左右方向に動かすことにより草刈作業をする持ち運び型草刈機に取り付けられる草刈補助具が開示されている。
【０００４】
この草刈補助具は、上記操作桿に取り付けられる支柱と、この支柱の先端に取り付けられて左右方向に回転可能な球体とからなり、草刈作業をする際に回転刈歯を支える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−１２１９０７号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
しかしながら、上記従来の草刈補助具は、回転刈歯を支えるものの、草刈機の重量のほとんどが吊バンドを介して作業者にかかり、作業者への負荷が大きいという不具合がある。
【０００７】
そこで、本発明の目的は、作業者への負荷を従来よりも大幅に低減させることが可能な草刈補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００８】
上記課題を解決するための手段は、操作桿の一端に原動機が、上記操作桿の他端に回転刈歯が取り付けられてなる草刈機を支える草刈補助具において、フットプレートと、このフットプレートに着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖と、この支持杖に取り付けられて上記草刈機を吊持する吊持具と、上記フットプレートを作業者の足に固定する固定具とを備えることである。
【０００９】
この場合において、上記フットプレートが作業者の足を置く足置き部を備え、この足置き部の外側に上記支持杖の下端部が挿入される挿入筒が取り付けられることが好ましい。
【００１０】
同じく、上記支持杖の下端が球面状に形成されることが好ましい。
【００１１】
同じく、上記フットプレートの裏面に滑り止めが設けられることがこのましい。
【００１２】
同じく、上記吊持具が複数のリングが連なるチェーンからなり、任意のリングを上記支持杖に固定されるフックに引掛けることが好ましい。
【００１３】
同じく、上記支持杖の軸方向長さが調節可能であることが好ましい。
【発明の効果】
【００１４】
請求項１に記載の発明によれば、吊持具を介して草刈機を支持杖で支えるため、作業者への負荷を従来よりも大幅に低減させることが可能となる。
【００１５】
請求項２に記載の発明によれば、足置き部の外側に支持杖の下端部が挿入される挿入筒が取り付けられることにより、作業者の歩行が容易となり、支持杖が歩行の妨げとなることがない。また、挿入筒に支持杖の下端部を挿入することにより、支持杖を着脱自在且つ回転可能にフットプレートに起立させることが容易となる。
【００１６】
請求項３に記載の発明によれば、支持杖の球面状の下端を支点にして支持杖を円滑に回転させることが可能となり、作業性を良好にすることが可能となる。
【００１７】
請求項４に記載の発明によれば、フットプレートの裏面に滑り止めが設けられることにより、フットプレートが滑ることを防止して作業性を良好にすることが可能となる。
【００１８】
請求項５に記載の発明によれば、任意のリングをフックに引掛けることにより、草刈機を吊持する位置を容易に調節することが可能となる。
【００１９】
請求項６に記載の発明によれば、支持杖の軸方向長さが調整可能であることにより、作業者の体型にあった支持杖の長さに調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具を使用した状態を示す斜視図である。
【図２】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具におけるフットプレートを拡大して示す斜視図である。
【図３】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具における支持杖を拡大して示す分解斜視図である。
【図４】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具と草刈機との連結部を拡大して示す斜視図である。
【図５】本発明の一実施の形態に係る草刈補助具におけるフットプレートを作業者の右足に装着し、支持杖の下端部を挿入筒に挿入した状態を拡大し、その一部を切り欠いて示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
以下に本発明の一実施の形態を示す草刈補助具について図面を参照しながら説明する。いくつかの図面を通して付された同じ符号は、同じ部品かまたはそれに対応する部品を示す。
【００２２】
図１に示すように、本発明の草刈補助具Ａは、操作桿１０の一端に原動機１１が、上記操作桿１０の他端に回転刈歯１２が取り付けられてなる草刈機１を支えるものである。
【００２３】
そして、上記草刈補助具Ａは、フットプレート２と、このフットプレート２に着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖３と、この支持杖３に取り付けられて上記草刈機１を吊持する吊持具４と、上記フットプレート２を作業者の足に固定する固定具５とを備える。
【００２４】
本実施の形態において、上記草刈機１は、作業者が吊りバンド１３を介して背負い、操作桿１０の略中央に取り付けられるハンドル１４を図１中矢印Ｚ方向に動かすことにより草刈作業をする持ち運び型草刈機であり、以下にこの草刈機１を支える本実施の形態に係る草刈補助具Ａの各構成部品について詳細に説明する。
【００２５】
フットプレート２は、図２に示すように、略矩形の板状母材の各辺を折り曲げて形成されてなり、作業者の足が置かれる足置き部２０と、足置き部２０の踵側端から起立するストッパ部２１と、足置き部２０の両側端から下側に垂設される左右一対の滑り止め片２２ａ，２２ｂと、足置き部２０から外側に向けて水平に延設される延設片２３とからなる。
【００２６】
そして、上記足置き部２０の爪先側及び踵側には左右一対の孔２０ａ，２０ｂ，２０ｃ，２０ｄがそれぞれ穿設されてなり、爪先側の孔２０ａ，２０ｂには爪先側固定バンド５０が、踵側の孔２０ｃ，２０ｄには踵側固定バンド５１が取り付けられてなり、これらの固定バンド５０，５１でフットプレート２を作業者の足に固定する固定具５を構成する。
【００２７】
また、上記ストッパ部２１は、その上端の両角が折り曲げられてなる左右一対の曲げ部２１ａ，２１ｂを有し、上記延設片２３には、支持杖３の下端部が挿入される挿入筒６が固定される。
【００２８】
この支持杖３は、図３に示すように、上下一対の筒状部材３０，３１と、下側の筒状部材３１の下端に同軸に連設される支持軸３２とからなり、上側の筒状部材３０は、その下端部に形成されて下側の筒状部材３１内に挿入される小径部３３を有し、この小径部３３には径方向に貫通する孔３３ａが軸方向に複数穿設される。
【００２９】
一方、下側の筒状部材３１の上端部には径方向に貫通する孔３１ａが穿設されてなり、小径部３３を下側の筒状部材３１に挿入し、小径部３３の何れかの孔３３ａと孔３１ａとを対向させ、ボルトＢを挿通することにより、上下の筒状部材３０，３１を連結する。
【００３０】
上記構成を備えることにより、小径部３３の孔３３ａを任意に選択して支持杖３の軸方向長さを調整することが可能となり、本実施の形態においては、その長さを３段階に調整することが可能である。
【００３１】
また、上記上側の筒状部材３０の略中央部にはフック７が固定されており、このフック７に引掛けられる吊持具４は、複数のリングが連なるチェーンからなり、その一方の端部に草刈機１に連結する連結部４０を備える。具体的に、連結部４０は、図４に示すように、草刈機１の操作桿１０の基部に取り付けられる取付部１５に連結し、この取付部１５には吊りバンド１３の連結具１３ａも連結している。
【００３２】
また、上記下側の筒状部材３１の下端に連設される支持軸３２は、筒状部材３０，３１よりも小径に形成されると共にその下端が球面状に形成されてなり、図５に示すように、挿入筒６に挿入されて下端を延設片２３上に当接させる。
【００３３】
つまり、本実施の形態に係る草刈補助具Ａは、固定バンド５０，５１からなる固定具５でフットプレート２を作業者の足に固定し、このフットプレート２に起立する支持杖３に吊持具４を介して草刈機１を吊持させるため、草刈機１の重量のほとんどを支持杖３及びフットプレート２を介して地面にかけることが可能となり、作業者は、図１に示すように、支持杖３が倒れないよう支持杖３の上側を背中で支えるのみである。したがって、作業者への負荷を従来よりも大幅に低減させることが可能となる。
【００３４】
また、足置き部２０の外側、即ち、各図中に示す右足用のフットプレート２の場合には、フットプレート２を装着した状態で作業者から見て足置き部２０の右側、図示しないが左足用のフットプレート２の場合には、フットプレート２を装着した状態で作業者から見て足置き部２０の左側に挿入筒６が取り付けられることにより、作業者の歩行が容易となり、支持杖３が歩行の妨げとなることがない。
【００３５】
また、挿入筒６から支持杖３を引き抜くことにより、容易に支持杖３をフットプレート２から離すことが可能となり、作業者は草刈機１から容易に体を離すことが可能となる。
【００３６】
また、支持杖３の下端が球面状に形成されることにより、支持杖３を容易に図１中矢印Ｘ方向に回転させ、且つ、支持杖３を容易に図１中矢印Ｙ方向に揺動させて支持杖３の傾きを変えることが可能となり、支持杖３をフットプレート２に着脱自在且つ回転可能に起立させるための構成が簡易である。尚、この図１中矢印Ｙ方向への揺動量は、挿入筒６の軸方向長さを調整することにより任意に設定することが可能である。
【００３７】
また、フットプレート２が滑り止め片２２ａ，２２ｂを備えることにより、これらの滑り止め片２２ａ，２２ｂが滑り止めとして機能し、作業者がフットプレート２を装着した状態で歩行するときフットプレート２が滑ることを防止して作業性を良好にすることが可能となる。
【００３８】
また、吊持具４が複数のリングが連なるチェーンからなり、任意のリングをフック７に引掛けることにより、草刈機１を吊持する位置を容易に調節することが可能となる。
【００３９】
また、支持杖３の軸方向長さが調整可能であるため、作業者の体型にあった支持杖３の長さに調節することが可能となる。
【００４０】
以上、本発明の好ましい実施の形態を説明したが、特許請求の範囲から逸脱することなく改造、変形及び変更を行うことができることは理解すべきである。
【００４１】
例えば、本実施の形態において、フットプレート２が足置き部２０の踵側に起立するストッパ部２１を有しているが、足置き部２０の爪先側にストッパ部（図示せず）を設けても良い。また、ストッパ部２１が曲げ部２１ａ，２１ｂを有することにより、当該曲げ部２１ａ，２１ｂを踵に引掛けることが可能となるが、必ずしも曲げ部２１ａ，２１ｂを設ける必要がなく、フットプレート２の構成及び形状は、適宜選択することが可能である。
【００４２】
また、本実施の形態において、滑り止め片２２ａ，２２ｂで滑り止めとして機能させるとしたがこの限りではなく、図示しないが、フットプレート２の裏面にリブを設けたり滑り止めゴムを設けたりするなど、滑り止めとして適宜構成を選択することが可能である。
【００４３】
また、本実施の形態において、固定具５を一対の固定バンド５０，５１で構成するとしたがこの限りではなく、フットプレート２を作業者の足に固定することが可能な限りにおいて適宜構成を選択することが可能であり、フットプレート２と固定具５とを一体的に形成するとしても良い。
【００４４】
また、本実施の形態において、支持杖３が上下一対の筒状部材３０，３１を備えることにより、支持杖３の軸方向長さを調整することが可能となるが、これら筒状部材３０，３１を一体的に形成するとしても良く、また、支持杖３の軸方向長さの調整方法も適宜方法を選択することが可能である。
【００４５】
また、本実施の形態において、支持杖３の下端部に位置する支持軸３２を挿入筒６に挿入することにより支持杖３をフットプレート２に起立させているがこの限りではなく、支持杖３を着脱自在且つ回転可能にフットプレートに起立させ得る限りにおいて、適宜構成を選択することが可能である。
【００４６】
また、本実施の形態において、挿入筒６を延設片２３に固定するとしたがこの限りではなく、図示しないが、足置き部２０の外側に挿入筒６を溶接固定するとしても良い。
【００４７】
また、本実施の形態において、吊持具４がチェーンからなるとしたがこの限りではなく、図示しないが、吊持具がベルトからなるとしても良く、吊持具として適宜構成を選択することが可能である。
【符号の説明】
【００４８】
Ａ 草刈補助具
１ 草刈機
２ フットプレート
３ 支持杖
４ 吊持具
５ 固定具
６ 挿入筒
７ フック
１０ 操作桿
１１ 原動機
１２ 回転刈歯
２０ 足置き部
２１ ストッパ部
２２ａ，２２ｂ 滑り止め片
３０，３１ 筒状部材
３２ 支持軸
３３ 小径部
４０ 連結部
５０，５１ 固定バンド
【特許請求の範囲】
【請求項１】
操作桿の一端に原動機が、上記操作桿の他端に回転刈歯が取り付けられてなる草刈機を支える草刈補助具において、
フットプレートと、このフットプレートに着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖と、この支持杖に取り付けられて上記草刈機を吊持する吊持具と、上記フットプレートを作業者の足に固定する固定具とを備えることを特徴とする草刈補助具。
【請求項２】
上記フットプレートが作業者の足を置く足置き部を備え、この足置き部の外側に上記支持杖の下端部が挿入される挿入筒が取り付けられることを特徴とする請求項１に記載の草刈補助具。
【請求項３】
上記支持杖の下端が球面状に形成されることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の草刈補助具。
【請求項４】
上記フットプレートの裏面に滑り止めが設けられることを特徴とする請求項１から請求項３の何れかに記載の草刈補助具。
【請求項５】
上記吊持具が複数のリングが連なるチェーンからなり、任意のリングを上記支持杖に固定されるフックに引掛けることを特徴とする請求項１から請求項４の何れかに記載の草刈補助具。
【請求項６】
上記支持杖の軸方向長さが調節可能であることを特徴とする請求項１から請求項５の何れかに記載の草刈補助具。
【請求項１】
操作桿の一端に原動機が、上記操作桿の他端に回転刈歯が取り付けられてなる草刈機を支える草刈補助具において、
フットプレートと、このフットプレートに着脱自在且つ回転可能に起立する棒状の支持杖と、この支持杖に取り付けられて上記草刈機を吊持する吊持具と、上記フットプレートを作業者の足に固定する固定具とを備えることを特徴とする草刈補助具。
【請求項２】
上記フットプレートが作業者の足を置く足置き部を備え、この足置き部の外側に上記支持杖の下端部が挿入される挿入筒が取り付けられることを特徴とする請求項１に記載の草刈補助具。
【請求項３】
上記支持杖の下端が球面状に形成されることを特徴とする請求項１または請求項２に記載の草刈補助具。
【請求項４】
上記フットプレートの裏面に滑り止めが設けられることを特徴とする請求項１から請求項３の何れかに記載の草刈補助具。
【請求項５】
上記吊持具が複数のリングが連なるチェーンからなり、任意のリングを上記支持杖に固定されるフックに引掛けることを特徴とする請求項１から請求項４の何れかに記載の草刈補助具。
【請求項６】
上記支持杖の軸方向長さが調節可能であることを特徴とする請求項１から請求項５の何れかに記載の草刈補助具。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１４７７５８（Ｐ２０１２−１４７７５８Ａ）
【公開日】平成２４年８月９日（２０１２．８．９）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１０９４６（Ｐ２０１１−１０９４６）
【出願日】平成２３年１月２１日（２０１１．１．２１）
【出願人】（０００２２１５６８）東都興業株式会社 (57)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年８月９日（２０１２．８．９）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１月２１日（２０１１．１．２１）
【出願人】（０００２２１５６８）東都興業株式会社 (57)
【Ｆターム（参考）】
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