説明

荷受台昇降装置

【課題】荷受台に内装されたトーションバーを簡易に交換することのできる荷受台昇降装置を提供する。
【解決手段】地面と荷台との間を昇降するとともに車両側支持部に対して回動自在に支持された荷受台3と、荷受台3の基端部3aにおいて車両幅方向に内装されるとともに荷受台3の上方回動を付勢するトーションバー41a、41bとを備える荷受台昇降装置であって、荷受台3の基端部3aには、トーションバー41a、41bに沿った開口部32a、32bが設けられた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地面と荷台との間を昇降して回動自在な荷受台を備えた荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回動自在な荷受台としては、例えば図6(a)で示すように、車両後方で左右両側に立設した一対のポスト92の間において起立状態で格納されるものが知られている。荷受台91は、ポスト92から後方に突出して昇降自在なスライダ92aに対して矢印A1方向に回動可能に連結支持され、回動されて水平になった状態でスライダ92aとともに矢印A2方向に昇降可能となっている。
【0003】
荷受台91は、荷受台91の自重等に抗して円滑な上方への回動作動が行われるように、上方回動を付勢する2本のトーションバー93が回動軸側となる基端部91aに内装されている(特許文献1)。それぞれのトーションバー93は、図6(b)に示すとおり、屈折した一端部93aが固定ホルダ94内で固定され、他端部93bが車両幅中央付近の支持ホルダ95内に入れられただけ(非固定状態)で支持されている。このようにトーションバー93が配されることで、荷受台91が起立状態から水平状態に回動されたときに、トーションバー93も連動して回転するが、その一端部93aは固定されたままなのでトーションバー93に捻り力が生じる。この捻り力が生じることで荷受台91を起立状態に付勢する付勢力が生じ、この付勢力を用いて荷受台91の円滑な上方回動が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭57−080937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の捻り力が生じるようにトーションバー93が配された状態では、使用回数が増えていくとトーションバー93の耐久性能が低下してトーションバー93に損傷や破損が生じることがある。特に、固定された一端部93aにおける屈折部分Pが破断することもある。このような場合、トーションバー93の交換作業が必要となる。
【0006】
荷受台91の基端部91aは、一般にトーションバー93を収納する収納部911と、収納部にトーションバー93が配された状態でトーションバー93を覆うカバー部912とを有する。このカバー部912はトーションバー93が収納されている空間を矢印A3のように閉めるようにして収納部911に溶接されている。溶接によって固着されることで荷受台91全体において所望する強度が確保されている。このため、トーションバー93は図6(b)で示すようにほぼ全体が基端部91aに内装されて、露出部分は基端部91aと固定ホルダ94とで挟まれた部分(図中93c部分)に限定されている。
【0007】
そのため、トーションバー93を取り出すには、上記の露出部分93cを把持してトーションバー93を引き抜く作業や、トーションバー93の収納部分を開けるようにカバー部912を収納部911から外す作業等が求められる。
【0008】
引き抜く作業の場合、車両幅方向に延伸しているトーションバー93を狭小な露出部分93cから引き抜くことは困難となる。また、露出する部分93cを溶断しながら少しずつ引き抜くとなると作業が非常に煩雑となってしまう。さらに、カバー部が固着して閉められたままだと、新規のトーションバーを内装する作業も同様に煩雑となる。制限されたスペースから強引に内装すると、荷受台91や新規のトーションバーが損傷してしまい、別途電着作業等が必要となるため好ましくない。
【0009】
一方、トーションバー93を取り出しやすくするためにその収納部分を開ける場合、カバー部912は収納部911に溶接で固着されているため、その溶接部分を切除することが必要となる。さらに、荷受台昇降装置90が車両に架装されたままでこうした切除作業等を行うことは難しく、切除作業を開始する前に車両に架装されている荷受台昇降装置90を取り外し、トーションバーの交換が完了すると再度カバー部912を収納部911に溶接で固着して荷受台昇降装置90を車両に架装する作業が別途必要となって大掛かりになってしまう。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされており、荷受台に内装されたトーションバーを簡易に交換することのできる荷受台昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、地面と荷台との間を昇降するとともに取付け部を介して車両側支持部材に回動自在に支持された荷受台と、当該荷受台の基端部において車両幅方向に内装されるとともに前記荷受台の回動を付勢するトーションバーとを備える荷受台昇降装置において、前記荷受台の基端部のうち前記取付け部の間に、前記トーションバーに沿った開口部が設けられている構成を有している。
そして、上記開口部は荷受台基端部における車両幅方向の端部に設けられた構成とすることが望ましい。
【0011】
特に、この荷受台の基端部は、トーションバーを収納する収納部と、収納部に固着されるカバー部とで、車両幅方向に沿ってトーションバーが囲繞される構成を有する。
【0012】
なお、開口部は前記カバー部に設けられている構成とすることができ、さらには荷受台の基端部には、前記開口部を覆う被覆部材がさらに設けられている構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、荷受台の基端部において、車両幅方向の端部に開口部が設けられており、その開口部がトーションバーに沿ったものであるため、荷受台昇降装置を車両に架装したまま、開口部を通してトーションバーが引き出される長さが長くなって引き抜き易くなる。また、開口部から挿入し易くなるので、トーションバーの交換に要するコストを大きく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る荷受台昇降装置を示す斜視図である。
【図2】本実施形態に係るトーションバーの配設を示す展開斜視図である。
【図3】本実施形態に係るトーションバーの配設状態を示す後面図及び上面図である。
【図4】本実施形態に係るトーションバーの取替え状態を示す要部斜視図である。
【図5】別の実施形態に係る荷受台基端部の展開斜視図である。
【図6】従来の構成の荷受台昇降装置の斜視図及び荷受台の要部後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る荷受台昇降装置の実施形態に関して、図面を用いて説明する。
【0016】
図1(a)は、荷受台昇降装置100を示している。この荷受台昇降装置100は、車両後方に立設された左右一対のポスト1と、各ポスト1内に挿入されて昇降自在なスライダ2と、スライダ2下端部に回動自在に支持された荷受台3と、一対のスライダ2で挟まれた部分で荷受台3の上方への回動を付勢する付勢手段4とを備えており、荷受台3は図示された水平な状態で地面と荷台5との間を昇降作動される。
【0017】
荷受台3は、鉄製部材で構成されて車両側支持部となるブラケット2aを介して支持されている。このブラケット2aは、ポスト1の後面に設けられたスリット1aを通して後方側に突出したスライダ2の突出部分であり、荷受台3は支持軸2bを介してブラケット2aに回動自在に連結されている。
【0018】
一対のポスト1の間に架設されたクロスメンバ6の内方には油圧シリンダ(不図示)が配されており、当該油圧シリンダにスライダ2がワイヤ7を介して接続されている。ワイヤ7は、その一端部が左右のスライダ2の上端部に止着されて、スライダ2から上方に導かれ、ポスト1の上部に設けられたシーブ1cで下方に折り返される。折り返されたワイヤ7の他端部は下方に導かれ、ポスト1の下部からシーブ(不図示)を介して前述の油圧シリンダに導かれて適宜止着されている。ワイヤ7は油圧シリンダの伸縮作動によってポスト1に繰り出され、又はポスト1から引き込まれ、ワイヤ7に止着されたスライダ2が上下に昇降作動される。
【0019】
荷受台3は荷台5の高さまで上昇された後に上方に回動されて、図1(b)のように起立した状態で格納される。付勢手段4は荷受台3の回動作動が円滑に行われるようにするために、荷受台3のうちスライダ2に挟まれた部分に設けられている(一点鎖線部分3a)。この挟まれた部分は、具体的にはスライダ2のブラケット2aに支持される左右一対の支持軸2bで挟まれており、荷受台3において回動する際に基端側となる部分(以下、「基端部」と記す。)3aである。
付勢手段4が含まれた基端部3aの構成については次のとおりである。
【0020】
図2の要部展開斜視図に示すように、基端部3aは、車両幅方向(Y方向)を長手方向として車両前方側(X方向)に凸な断面コ字状の収納部31と、収納部31に2本のトーションバー41a、41bが配されて車両後方側に収納部31を閉じるカバー部32と、カバー部32に対して重なるように被覆する被覆部材33とを有している。付勢手段4は、上記の2本のトーションバー41a、41bと、これらのトーションバー41a、41bの一端部411a、411bを固定する固定ホルダ42a、42bと、トーションバー41a、41bの他端部412a、412bを支持する支持ホルダ43a、43bとを有している。
【0021】
トーションバー41a、41bはY方向に延伸した形状を有しており、各端部が延伸方向と略垂直方向(図中ではZ方向)に折り曲げ加工されている。トーションバー41a、41bは図示のとおり、収納部31に配され、一端部411a、411bが断面ロ字状の固定ホルダ42a、42bにそれぞれ挿入される。荷受台3は基端部3aの両側部が凹部形状を有しており、当該凹部は荷受台3が車両に架装される際の取付け部20A、20Bとして機能し、固定ホルダ42a、42bはこの凹部内に固設されている。凹部形状を構成している最外縁部には、下方に延出してスライダ2(ブラケット2a)と連結される係合ブラケット301、302が設けられている。スライダ2のブラケット2aには対向する2枚の係合片21a、22aが設けられており、荷受台3の係合ブラケット301、302がこれら2枚の係合片21a、22aの間に配される。なお、スライダ2及びその係合片21a、22aに関しては、便宜上、荷受台3の一方の係合ブラケット302と連結されるものだけを図示しているが、他方の係合ブラケット301も同様に配される。
【0022】
荷受台3の係合ブラケット302と、その外側に位置する係合片(外側係合片)21aとが、Y方向に挿通される支持軸(不図示)によって連結支持され、荷受台3はスライダ2(係合片21a)に対して回動自在に支持されている。また、トーションバー41bの一端411bを固定する固定ホルダ42bが荷受台3の内側方に位置する係合片(内側係合片)22aに溶接によって固着される。これにより、荷受台3が回動しても固定ホルダ42bは回動せず、一定姿勢を維持する。この固定ホルダ42bにトーションバー41bの一端部411bが挿入されて、他端部412bが荷受台3の収納部31に設けられた支持ホルダ43b内に挿入される。この状態で、固定ホルダ42bに設けられたボルト孔421bにボルト(不図示)が螺合されて上記の一端部411bが固定支持される。したがって、荷受台3が下方に回動作動しても、トーションバー41bの一端部411bは上方を向いた姿勢で固定されたままとなる。一方で、他端部412bは固定されていないので荷受台3の回動に伴って他端部412bも回動される。その結果、トーションバー41bに捻り力が発生し、この捻り力が荷受台3の上方への回動付勢力として機能する。残りの一本のトーションバー41aも同様にして配され、同様に付勢力が生じる構成となっている。
【0023】
トーションバー41a、41bが配された収納部31に対してカバー部32が溶接されて固着される。溶接されることで、荷受台3全体が所望の強度を確保する。カバー部32はY方向を長手方向とした断面L字状の金属製部材である。こうした構成とすることで、基端部3aにおいて車両に対する取付け部20A、20Bで挟まれた部分で、トーションバー41a、41bはY方向に沿って、収納部31とカバー部32とによって囲まれた状態となり、外方に露出した部分が大きく制限されて良好な外観品質を得ることができる。また、カバー部32のうち車両後面側には、両端部にY方向を長手方向とする開口部32a、32bが設けられている。左右一対の開口部32a、32bの間には、同じく左右一対の孔部321a、321bが設けられている。
【0024】
被覆部材33は、下方側端部33aがX方向に折り曲げ加工され、上方側に設けられた舌部33bもX方向に折り曲げ加工されている。被覆部材33は、収納部31に対して舌部33bや下方側端部33aにおいてボルト等を用いて係止され、下方側端部33aと舌部33bを除く主面部33cがカバー部32の後方側に配されて、開口部32a、32b及び孔部321a、321bが塞がれる。被覆部材33は、樹脂製部材で形成されており、車両重量の増加が抑制されているが、金属製部材を用いて荷受台3の高い強度を有する構成としても構わない。
【0025】
トーションバー41a、41bは、図3で示す状態で配されている。図3(a)には被覆部材33を除いた後面図、図3(b)には図3(a)のA−A断面図が示されている。
【0026】
図3(a)に示すように、トーションバー41a、41bのそれぞれは、開口部32a、32bと孔部321a、321bから外方に臨むように配されている。開口部32a、32bは、カバー部32の端から車両幅方向にそれぞれ略4分の1程度の長さを有しているが、最外端部には、開口部32a、32bに隣接する縁部310a、310bが設けられている。カバー部32の両端部が車両幅方向に向かって開口しないようにすることで、カバー部32が所定の強度を維持できるようにしている。孔部321a、321bは、支持ホルダ43a、43bの配設位置の近傍に設けられている。開口部32a、32b及び孔部321a、321bはカバー部32が荷受台3の一部として機能するための所望の強度を有するような大きさ及び位置で設けられている。なお、開口部32a、32b及び孔部321a、321bはいずれも左右一対の構成で設けられているが、少なくとも一方だけ設けられている構成でも構わない。また、孔部321a、321bは支持ホルダ43a、43bと開口部32a、32bとの間に設けられているが、一対の支持ホルダ43a、43bの間に設けられているも構わない。
【0027】
また、トーションバー41a、41bはそれぞれ固定ホルダ42a、42b内で一端部が固定され、略同等の高さに位置している。上方からみると、図3(b)のとおり、一方のトーションバー41aの他端部は、カバー部32に設けられた支持ホルダ43a内に収納されている。他方のトーションバー41bは、その他端部が収納部31に設けられた支持ホルダ43bに収納されるため、略中央部で一方のトーションバー43bと車両前後方向に重畳するように配されている。
【0028】
トーションバー41a、41bを交換する際には、図4(a)の要部斜視図で示すようにトーションバー41aを開口部32aから引き抜くことで行う。図4(a)は、便宜上、荷受台3のみが示されているが、この引き抜き作業は荷受台3が車両に架装された状態で行われる。この引き抜きを行う際、前もって被覆部材33をカバー部32から外す。このとき、被覆部材33は収納部31にボルトを介して取付けられているだけなので、ボルトを外すだけで被覆部材33を容易に取り外すことができる。被覆部材33を取り外した後、支持ホルダ43a(図3(a)参照)からトーションバー43aの他端部412a(図3(a)参照)と、固定ホルダ42aから一端部411aとを外す。このとき、カバー部32に設けられた開口部32a又は孔部321aからトーションバー41a、41bを目視できるので、これらの少なくとも一方から作業者が指を入れてトーションバー41aを掴んで外すことができる。特に、孔部321aは支持ホルダ43aの近傍に設けられているので、他端部412aを支持ホルダ43aから外す作業を簡易に行うことができる。次に、トーションバー41aの一端部411aを開口部32aから引き出し、図示する矢印方向にトーションバー41aを引き抜く。開口部32aが車両幅方向を長手方向としているため、トーションバー41aを引き抜きやすい。本実施形態では、開口部32aに関しては、図4(b)で示すようにカバー部32の主面方向に対して垂直な方向に切り欠かれた形状となっているが、図4(c)で示すように、車両幅方向の少なくとも中央側端部320aではカバー部32の主面方向に対して傾斜した方向に切り抜かれた形状、具体的には、中央側端部320aはトーションバー41aが収納されている内方側に進むにつれて開口領域が拡大するようなテーパ面320tを有する形状としても良い。テーパ面320tを設けることで、トーションバー41aを開口部32aからの引き抜き作業時にトーションバー41aがカバー部32に引っ掛かりにくくなる。また、引っ掛かった場合でも、カバー部32に生じる摩擦力が小さくなり、トーションバー41aの引き抜き作業が簡易になる。上述したが、トーションバー41a、41bは荷受台3が車両に架装された状態での引き抜き及び挿入作業ができるので、作業コストを大きく抑制することができる。仮に、車両に架装された荷受台3を車両から取外す場合には、取外し作業が可能な場所まで移動することが必須となるが、本実施形態のように簡易にトーションバー41a、41bを交換することができれば、交換作業場所の制限が抑制されるため好ましい。
【0029】
ところで、収納部31に対しては、車両後面側となる部分に開口部32a、32bが設けられたカバー部32が固着されているが、図5で示すような収納部310にカバー部82を固着させる構成とすることもできる。このとき、収納部310とカバー部82はいずれも断面L字状の形状を有しており、荷受台3が起立した状態のときに車両下方側となる部分(下方部分)821の車両幅方向両端部に開口部82a、82bが設けられている。この開口部82a、82bも上記のカバー部32aの開口部32a、32bと同様に車両幅方向を長手方向としているので、荷受台3の基端部3aのうちの車両下方側から簡易にトーションバー41a、41bを引き抜くことができる。また、下方部分821に開口部82a、82bが設けられており、荷受台3が起立した状態で開口部82a、82bを後方から視認することはできないため、被覆部材33を配さない構成としても構わない。この場合、被覆部材33を配さない分だけ車両重量の軽量化や部材コストの抑制を果たすことができる。開口部82a、82bが下方部分に設けられていると、荷受台3が水平状態で荷物等が荷受台3に積み込まれる際に開口部82a、82bは車両前方を臨む状態となる。よって、開口部82a、82bが直接接地することもないので開口部82a、82bから埃等が入り込みにくい構成にもなる。なお、下方部分821には開口部82a、82bのみが設けられた構成としているが、上述したカバー部32と同様に支持ホルダ43a、43bの近傍に少なくとも一つの孔部を設けても構わない。また、孔部の形成位置に関しては、下方部分に限定されず、車両後面部分822に設けても構わない。
【0030】
カバー部32、82には上述のとおり、端部に開口部32a、32b、82a、82bを設けているが、設ける位置及び大きさはこれに限定するものではない。例えば、トーションバー41aに関しては、一端部411aを開口部32aから引き出すことができるように固定ホルダ42aに近い端部に設けられている(図3(a)参照)が、開口部を中央部近傍に設けて、他端部412aをその開口部から引き出す構成とすることもできる。このとき、もう一方のトーションバー41bの他端部412bを引き出すための開口部も設けて荷受台3の基端部3aに2つの開口部を設けることができるが、支持ホルダ43a、43bの間に開口部を一つだけ設ける構成としても構わない。一つの開口部であっても、基端部3aの略中央部に設けることで2本のトーションバー41a、41bのいずれも引き出すことができる。
【0031】
また、開口部82a、82bに関しては、カバー部82に設けられた構成としているが、荷受台3が起立状態で収納部310の下方側部分に下方部材を有する構成とし、その下方部材に直接開口部を設ける構成としてもよい。つまり、収納部310に開口部を設ける構成としても、内装されるトーションバー41a、41bを引き出しやすい構成を有する荷受台3であればよい。
【0032】
トーションバー41a、41bに関しては、2本のうち1本だけが内装される構成でも構わない。このとき、両端が取付け部20A、20Bに配されて両端が固定された状態とすればトーションバーに捻り力が生じ、荷受台3の回動を付勢することができる。
【0033】
上述の実施形態では、車両後端に左右一対のポスト1内のスライダ2とともに昇降する荷受台昇降装置100を用いて説明しているが、荷受台3が両端部を支持する支持部に対して回動自在な構成であり、支持部の間にトーションバーが内装された構成であれば、他の構成、例えば平行リンクアームによって荷受台が昇降作動される荷受台昇降装置でも適用可能である。また、トーションバーが付勢する回動方向に関しても、上方回動だけでなく、下方回動でも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、トーションバーを有して水平姿勢と起立姿勢との間で回動されて姿勢変更する荷受台を有する荷受台昇降装置に対して有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 ポスト
2 スライダ
3 荷受台
4 付勢手段
5 荷台
6 クロスメンバ
21a、22a 係合ブラケット
31 収納部
32 カバー部
32a、32b 開口部
33 被覆部材
41a、41b トーションバー
42a、42b 固定ホルダ
43a、43b 支持ホルダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面と荷台との間を昇降するとともに取付け部を介して車両側支持部材に回動自在に支持された荷受台と、当該荷受台の基端部において車両幅方向に内装されるとともに前記荷受台の回動を付勢するトーションバーとを備える荷受台昇降装置であって、
前記荷受台の基端部のうち前記取付け部の間には、前記トーションバーに沿った開口部が設けられている
ことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記開口部は前記基端部における車両幅方向の端部に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記荷受台の基端部は、前記トーションバーを収納する収納部と、前記収納部に固着されるカバー部とで、車両幅方向に沿って前記トーションバーが囲繞される構成を有する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の荷受台昇降装置。
【請求項4】
前記開口部は前記カバー部に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の荷受台昇降装置。
【請求項5】
前記荷受台の基端部には、前記開口部を覆う被覆部材がさらに設けられている
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の荷受台昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−230719(P2011−230719A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104679(P2010−104679)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)