説明

荷受台昇降装置

【課題】多様な機能な性能を備えつつ、構成の複雑化を抑制する。
【解決手段】昇降用シリンダ又6は回動用シリンダ5で駆動され、地面と荷台床面高さ位置の間で昇降され、荷台床面高さ位置と起立位置の間で回動される荷受台を有する荷受台昇降装置であって、荷台床面高さ位置と起立位置の間における荷受台回動範囲において、その一部領域又は当該一部領域と異なる領域に荷受台が位置することを検知する回動位置検知手段8と、一部領域に荷受台が位置することを回動位置検知手段が検知して回動用シリンダ5の伸長速度を制御する伸長制御手段と、前記異なる領域に荷受台が位置することを回動位置検知手段が検知して、回動用シリンダ5の収縮速度と昇降用シリンダ6の収縮速度との少なくとも一方の制御を行う収縮制御手段と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷台への荷物の積み降ろし作業を支援し、車両後方で起立可能な荷受台昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両後方に設けられた荷受台昇降装置として、車両走行時には荷受台は起立状態とされており、荷物積み降ろしの時には荷受台を起立状態から水平状態に回動作動させた後に昇降作動が行われ、荷物積み降ろしが終了すると荷受台を水平状態から起立状態に戻すものがある。
【0003】
荷受台の昇降作動及び回動作動は油圧シリンダの伸縮に基づいて行われており、適正な位置でこれらの作動の切り換えを行うために荷受台を所定位置で当接させるストッパ部材を有するものがある。この場合、荷受台がストッパ部材に当接する際の速度を制御して当接時の衝撃力や衝突音を抑制するために、移動する荷受台の位置を検知する検知装置が配置されている。この検知装置の検知信号によって油圧シリンダへの作動油の給排量が適宜制御され、荷受台の移動速度が低減されることで、当接時における荷受台とストッパ部材との衝撃力や衝突音の抑制、安全性の向上が図られている。
【0004】
回動作動及び昇降作動における荷受台の移動速度を抑制させるには、複数箇所での検知が必要となるが、検知装置の増加によって構成が複雑になることや、コストが大きく上昇することを回避するために、検知装置を一つだけ設置し、その検知信号に基づいて速度制御が行われる荷受台昇降装置も提案されている(特許文献1)。
【0005】
また、荷受台の作動に関しては、速度制御だけでなく、誤操作防止の面でも様々な取組がなされている。その一つに、安全性及び荷物落下防止の確保を図るべく、荷受台が水平状態とならなければ、回動操作と昇降操作との作動切り換えを行うことができない規制を施したものもある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−142706号公報
【特許文献2】特許3935888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように安全性の向上や構成の簡易化に関してはそれぞれ個別に取り組まれてはいるが、本発明者らは、荷受台昇降装置が以下のような多様な外部状況下で利用されるために、これらの異なる種類の機能を兼ね備えている必要があることに着目し、鋭意検討を行った。
【0008】
第一に、上記のような荷受台を起立状態として走行する車両に係る荷受台昇降装置の場合、車両が走行中に大きな振動を受けても荷受台にはガタツキが生じないように、起立状態となる際のストッパ部材に対して強固に車両前方に荷受台を押圧して姿勢維持がなされている。作業者は、車両が停止された環境によっては、迅速な荷物の積み降ろし作業が求められることがあり、荷受台の回動操作を行う前に下降作動を行う恐れがある。こうした誤操作が生じた場合、荷受台の姿勢維持の確実性を高める上記押圧によって荷受台等の損傷を招いてしまう。
【0009】
第二に、荷受台が水平状態となることを、回動作動及び昇降作動の操作の切り替え条件とする場合、例えば大きな重量の荷物の積み降ろしを行う場合などでは、設定された水平状態で荷物を載せて荷受台の下降作動を行う際に、荷受台が水平状態とならずに荷物が荷受台から滑り落ちてしまう恐れがある。また、車両の停止場所が傾斜地である場合、荷台床面と略同一の面方向が水平方向として設定されていれば、その設定状態で荷物を載せる際に実際には荷受台は傾斜している恐れがあり、荷物の積み降ろし作業の安全性が不十分となり得る。さらに、作業者が自らの操作で荷受台の姿勢を微妙に調整して荷物積み降ろし作業の安全性を図ろうとしても、上記設定状態を満たさない限り、荷受台の昇降作動を行うことができない制御であれば、荷物積み降ろし作業の安全性は確保できても昇降作業自体ができない事態も生じ得る。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされており、多様な環境や条件に適宜対応できる機能を備えつつ、構成の複雑化を抑制する荷受台昇降装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、以下の構成を有する荷受台昇降装置を用いている。
【0011】
車両後方に設けられて昇降用シリンダ又は回動用シリンダによって駆動される平行リンク機構と、当該リンク機構に連結されて、地面と荷台床面高さ位置との間で昇降され、前記荷台床面高さ位置と車両後方で起立する位置との間で回動される荷受台とを有する荷受台昇降装置において、前記荷台床面高さ位置と前記起立する位置との間における前記荷受台の回動範囲において、その一部領域又は当該一部領域と異なる領域に前記荷受台が位置することを検知する回動位置検知手段と、前記一部領域に荷受台が位置することを前記回動位置検知手段が検知することに基づいて、前記回動用シリンダの伸長速度を制御する伸長制御手段と、前記異なる領域に荷受台が位置することを前記回動位置検知手段が検知することに基づいて、前記回動用シリンダの収縮速度と、前記昇降用シリンダの収縮速度との少なくともいずれかの制御を行う収縮制御手段と、を備えている。
【0012】
この荷受台昇降装置では、前記伸長制御手段によって、前記一部領域における前記荷台床面高さ位置から前記起立する位置への回動方向に沿った前記荷受台の回動速度が、当該回動方向に沿った前記異なる領域における前記荷受台の回動速度よりも小さく設定される。なお、上記「回動方向に沿った前記荷受台の回動速度」は、回動する際の荷受台の速度を示している。
【0013】
また、この荷受台昇降装置では、上述のとおり回動位置検知手段によって荷受台の位置が検知されたときに前記収縮制御手段によって、前記昇降用シリンダが駆動可能に設定される構成とすることが好ましい。
【0014】
さらに、この荷受台昇降装置では、前記収縮制御手段によって、前記異なる領域における前記起立する位置から前記荷台床面高さ位置への回動方向に沿った荷受台の回動速度が、当該回動方向に沿った前記一部領域における前記荷受台の回動速度よりも小さく設定される構成とすることも好ましい。
【0015】
前記一部領域は、前記荷台床面高さ位置と前記起立する位置との間における所望の位置から前記起立する位置までの領域であり、前記異なる領域は、前記所望の位置から前記荷台床面高さ位置までの領域である。
【0016】
また、前記一部領域は、前記荷台床面高さ位置および前記起立する位置から離間した領域であり、前記異なる領域は、前記荷台床面高さ位置から前記一部領域までの領域としても構わない。
【0017】
上記のような荷受台昇降装置は、前記荷受台の昇降作動及び回動作動の指令を出力するための操作手段を備え、当該操作手段は、回動作動の指令を出力する回動操作部を有しており、前記回動位置検知手段の検知及び前記回動操作部の出力信号によって、前記伸長速度の制御が行われる。また、当該操作手段は、昇降作動の指令を出力する昇降操作部を有しており、前記回動位置検知手段の検知及び前記昇降操作部の出力信号によって、前記収縮制御手段の制御が行われる構成としても構わない。
【発明の効果】
【0018】
本発明の構成によれば、回動用シリンダの伸長、収縮、及び昇降用シリンダの収縮作動が制御するための検知手段として回動位置検知手段が兼用されるため、荷受台昇降装置の構成の複雑化を抑制できる。
【0019】
さらに、荷受台が一部領域に位置することを回動位置検知手段が検知する場合には、回動用シリンダの伸長速度を制御することで起立状態の前に回動速度を抑制することができる。その一方で、前記一部領域とは異なる領域に荷受台が位置することを検知する場合に、回動用シリンダと昇降用シリンダの収縮速度の少なくとも一つを制御できるので、前記異なる領域に荷受台が位置するまでは、荷受台を下降させることができない。これにより、荷受台等の損傷を招く誤操作の発生を防止することができる。また、上記異なる領域に荷受台が位置すれば荷受台の下降作動が行われ得るため、車両が停止した環境等にも適宜対応した安全性の高い荷受台の昇降作動を実現できる。
【0020】
さらに、前記異なる領域に荷受台が位置することを検知する際に、回動用シリンダの収縮速度を制御する場合には、荷受台を水平状態の前に回動速度を抑制することができるため、水平状態となる際の衝撃力や衝突音の抑制だけでなく、回動作動から昇降作動に移るための略水平状態とする所望の傾斜角度が車両停止する場所や荷物の種類によって微妙に異なる場合にも、適宜調整することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】荷受台昇降装置の作動状態を示す側面図である。
【図2】荷受台の回動位置の検知範囲を示す模式図である。
【図3】荷受台昇降装置に接続された制御装置および油圧装置の回路図である。
【図4】起立状態から水平状態に荷受台を作動させる操作のタイミングチャート図である。
【図5】水平状態になる直前に微小な回動角度を有する荷受台を示す側面図である。
【図6】水平状態から起立状態に荷受台を作動させる操作のタイミングチャート図である。
【図7】荷受台の回動位置の検知範囲における境界線の傾斜角度を検討するための模式図である。
【図8】第3の実施形態に係る制御装置のシーケンス回路図である。
【図9】第4の実施形態に係る荷受台の回動位置検知範囲を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る実施形態に関して、図面を用いて説明する。
(第1の実施形態)
1−1.荷受台昇降装置の構成
【0023】
図1は本実施形態に係る荷受台昇降装置100の側面図である。荷受台昇降装置100は、車両のメインフレーム等からなる車体枠の後部に対し支持部材1を介して取り付けられており、荷受台2と、それぞれ左右一対のチルトリンク3、リフトアーム4、チルトシリンダ5、リフトシリンダ6と、荷受台の回動角度を検知するセンサ8とを備えている。
【0024】
支持部材1は、車体枠の後端部下方を車幅方向に延びるフレーム材11と、車体枠の後端部に対してフレーム材11を固設する左右一対の固定ブラケット12と、フレーム材11の左右両端部に設けられた支持ブラケット13とを有する。なお、車体枠には荷台が搭載されている。
【0025】
チルトリンク3は、車両後方に開口する断面略コ字状に形成されて上下方向に延びており、その上部が支持ブラケット13の上部にピン31を介して回動自在に連結され、下部が車両前後方に揺動するように形成されている。
【0026】
リフトアーム4は、基端がチルトリンク3の上部にピン41を介して回動自在に連結されている。リフトアーム4の先端は、荷受台2の上端部にピン42を介して回動自在に連結されている。
【0027】
チルトシリンダ5は、荷受台2の回動用の油圧シリンダとしての機能を有し、リフトアーム4の下方に配置されている。チルトシリンダ5の基端は、支持ブラケット13と、この支持ブラケット13に対して外側から対向するブラケット14との間にピン51を介して回動自在に連結されている。チルトシリンダ5の先端は、荷受台2の下端部にピン52を介して回動自在に連結されている。
【0028】
リフトシリンダ6は、荷受台2の昇降用の油圧シリンダとしての機能を有し、チルトシリンダ5の下方に配置されている。リフトシリンダ6の基端は、チルトリンク3の下部に61を介して回動自在に連結されている。リフトシリンダ6の先端は、リフトアーム4の中間部にピン62を介して回動自在に連結されている。
【0029】
荷受台2の回動角度を検知するセンサ8には、既知の近接センサが用いられており、リフトアーム4の先端及び荷受台7の連結に用いられているピン42に設けられた検知片81と、検知片81を検知して荷受台2に設けられた検知部82とで構成されている。検知片81は、荷受台2の回動中心となるピン42に回動自在に設けられ、荷受台2の回動作動に連動して回動するように図示しない連結部材などにより荷受台に連結されている。
【0030】
上記の構成を有する荷受台昇降装置100は、車両走行時には荷受台2が図1(a)のように起立させた状態とされる。このとき、チルトシリンダ5及びリフトシリンダ6は伸長した状態となっており、起立状態のときに、図示していないが荷台後方に突設した部材に対して荷受台2が当接され、当該突設した部材に対して車両前方に荷受台2が押圧されている。
【0031】
車両停止後に荷物の積み降ろし作業を行うために、起立状態の荷受台2は、図1(b)の実線部のように荷台床面7の高さ位置と略同等の高さ位置で、略水平状態とされる。このとき、リフトシリンダ6は変わらず伸長状態であるが、チルトシリンダ5は収縮した状態であり、チルトシリンダ5の収縮作動によって図示のとおり、荷受台2は回動作動されている。
【0032】
地面と荷台床面7との間で荷物の積み降ろしを行う際、水平状態の荷受台2は、図1(b)の一点鎖線部のような接地状態となるまで下降される。このとき、チルトシリンダ5は変わらず収縮した状態であり、リフトシリンダ6も収縮した状態となっている。この状態でチルトシリンダ5を伸長作動させると、荷受台2の先端部が接地するまで傾斜させることができる。
【0033】
なお、チルトシリンダ5及びリフトシリンダ6の伸縮操作を行うための操作装置(不図示)は、車両後方の側方部に設けられており、作業者が荷受台2の作動状況を目視確認できる。
1−2.センサの検知範囲
次に、センサ8による荷受台2の回動角度の検知について図2を用いて説明する。
【0034】
水平状態と起立状態との間で行われる荷受台2の回動作動の範囲は、車両後方に向かって斜め上方に傾斜した仮想線Lを境としてセンサ8によって荷受台2の位置が検知される回動範囲Aと、検知されない回動範囲Bとに区分けされる。
【0035】
荷受台2が図2(a)で示す回動範囲A内に位置する場合、センサ8によって荷受台2を検知している信号が出力され、荷受台2が回動範囲B内に位置する場合には、センサ8による信号出力は行われない。
【0036】
荷受台2は、図2(b)の要部模式図で示すように、荷受台2が起立状態(実線部分)から角度a、角度bと順に回動すると検知片81も荷受台2の回動に連動して回動する。荷受台2が角度aだけ回動した状態(一点鎖線部分)では、検知片81は検知部82と重畳する領域(図2(b)の斜線部分)を有する。このとき、センサ8によって荷受台2は回動範囲Aと回動範囲Bとの境界線Lを跨いだ状態であり回動範囲Aに位置した状態と検知される。そして、荷受台2がさらに角度bだけ回動した状態(二点鎖線部分)では、検知片81は検知部82に対して重畳部を有していない状態となり、回動範囲Aを荷受台2が脱した状態として検知される。このとき、荷受台2は回動範囲Bに位置するものとしてセンサ8による検知信号は出力されない。
【0037】
なお、センサ8に関しては、図示するように荷受台2に設けたが、リフトアーム4の基端部やそれ以外の場所に設ける構成としても構わない。また、センサ8による検知の種類に関しては、誘導型、静電容量型、超音波型、光電型、磁気型などの非接触型検知装置、または接触型検知装置のいずれであっても構わない。
1−3.荷受台2の作動に関する制御装置及び油圧回路
【0038】
荷受台昇降装置100には、センサ8の検知信号を基にしてチルトシリンダ5、リフトシリンダ6の伸長及び収縮の制御を行う制御装置を備えている。この制御装置について図3を用いて説明すると、図3(a)に示すように、センサ8は、コントローラ9に接続されており、センサ8による検知信号(ON信号)がコントローラ9に入力される。コントローラ9には、操作手段Cに設けられて、荷受台2を起立状態から水平状態に姿勢変更(開作動)又は水平状態から起立状態に姿勢変更(閉作動)させるための開閉スイッチSW2と、荷受台2を水平状態で上昇させるための上げスイッチSW3と、荷受台2を水平状態で下降させるための下げスイッチSW4も接続されている。また、コントローラ9には、開閉スイッチSW2及び下げスイッチSW4のON操作によって励磁されてチルトシリンダ5を収縮させる開ソレノイドSOL4と、開閉スイッチSW2及び上げスイッチSW3のON操作によって励磁されてチルトシリンダ5を伸長させる閉ソレノイドSOL3と、下げスイッチSW4のみのON操作によって励磁されてリフトシリンダ6を収縮させる下げSOL2とが接続されている。さらに、コントローラ9には、開閉スイッチSW2のON操作によって閉じられるリレーCTが接続されており、当該リレーCTによってバッテリに接続されるモータMへの接続回路の開閉が制御されている。なお、当該モータMによってチルトシリンダ5及びリフトシリンダ6の収縮作動を行う作動油が給排する油圧ポンプが駆動される。
【0039】
上記の各ソレノイドSOL4、SOL3、SOL2は車両側部の所定の位置に配設されるパワーユニット90内で、図3(b)のように配置されている。パワーユニット90は、モータM、油圧ポンプPが作動油の供給路等を介してチルトシリンダ5又はリフトシリンダ6に接続されてなる構成を有している。
【0040】
油圧ポンプPは、その吸込側がオイルタンクTに連通され、吐出側が第一供給路91により各リフトシリンダ6のボトム側に連通されている。第一供給路91には、閉ソレノイドSOL3を備えた第二供給路92の一端が接続されており、その他端はチルトシリンダ5のボトム側に連通されている。第一供給路91において、第二供給路92との接続部よりもリフトシリンダ6側には下げソレノイドSOL2を備えた第一排出路93が接続されている。また、第二供給路92において、閉ソレノイドSOL3よりもチルトシリンダ5側には、開ソレノイドSOL4を備えた第二排出路94が接続されている。第一及び第二排出路93、94はいずれもオイルタンクTに連通されている。なお、第一排出路93において下げソレノイドSOL2の下流側には第一排出路を流れる作動油の最大流量を制限する絞り弁103が配置されており、油圧ポンプの吐出圧の最大値を規定するためのリリーフ弁101を備えている。
1−4.起立状態から水平状態への荷受台2の姿勢変更
【0041】
上記の制御装置及び油圧回路に対して回動指令や昇降指令を出力することによって次のように、荷受台の作動、つまり、チルトシリンダ5及びリフトシリンダ6の伸長及び収縮作動が行われている。
【0042】
先ず、荷受台2が起立状態から水平状態に回動する際の各操作スイッチSW2〜SW4と、各ソレノイドSOL2〜SOL4の切り替え位置との関係について、図4のタイミングチャートを参照しながら説明すると、センサ8が荷受台2を検知しているか否か(時間T3)によって下げソレノイドSOL2の応答が異なる。なお、図4のとき、メインスイッチSW1(図3(a)参照)はON操作されている。
【0043】
起立状態の荷受台2に対して水平状態に回動させる開作動を行うために、開閉スイッチSW2をONした(時間T1)直後に下げスイッチSW4もONにする(時間T2)。なお、下げスイッチSW4は開閉スイッチSW2と同時にONにしても構わない。荷受台2の回動作動を指令する回動操作として、回動開閉スイッチSW2と、上げスイッチSW3又は下げスイッチSW4との信号出力が行われており、開作動時には、開閉スイッチSW2と下げスイッチSW4の両方のON信号を受けて、開ソレノイドSOL4がON状態とされて、遮断状態の下げソレノイドSOL2、閉ソレノイドSOL3、開ソレノイドSOL4のうち、開ソレノイドSOL4が連通位置に切り換えられる。このとき、モータMは駆動されておらず、荷受台2等の自重によってチルトシリンダ5のボトム側から作動油が押し退けられてチルトシリンダ5が収縮されて荷受台2が開作動される。このとき、センサ8は荷受台2が回動範囲A(図2参照)内に位置していることを検知しており、コントローラ9はこのセンサ8のON信号を受けている間に、開閉スイッチSW2と下げスイッチSW4の両方のON信号を受けることが荷受台2を作動させる条件として設定されている。
【0044】
具体的には、荷受台2が回動範囲A内に位置している間に(例えば、時間T2〜T3)、作業者が誤って開閉スイッチSW2のみをOFFにしてしまった場合、図4の点線S1で示すように、開ソレノイドSOL4も遮蔽状態となる。そのため、荷受台2は作動せずに停止した状態とされる。つまり、荷受台2が回動範囲A内に位置しているとき、下げスイッチSW4のみがONとなっていても下降作動は行われない。
【0045】
その一方で、荷受台2が回動範囲B(図2参照)に位置するまで回動作動されたときには、開閉スイッチSW2のON信号を受けていなくても荷受台2を作動させることができるように設定されている。荷受台2が回動範囲Bに位置している間に(例えば、時間T3〜T4)、作業者が誤って開閉スイッチSW2のみをOFFにしてしまった場合、図4の点線S2で示すように、リレーCT及び開ソレノイドSOL4も遮断状態になるが、ON状態を維持している下げスイッチSW3の信号を受けて下げソレノイドSOL3だけは連通位置に切り換えられ、荷受台2等の自重によりリフトシリンダ6のボトム側から作動油が押し退けられる。これにより、リフトシリンダ6が収縮作動されて荷受台2に下げ作動が行われる。また、下げスイッチSW4をOFFにし(T4)、開閉スイッチSW2もOFFにすると、荷受台2の作動は停止される。なお、開閉スイッチSW4のOFF操作に関しては、開閉スイッチSW2のOFF操作と同時に行っても構わない。
【0046】
上述のように回動範囲Bに位置する場合に受台2の下降作動を行うことができるので、車両の停止位置や周囲の環境にも対応して、荷物の積み降ろしに適切な傾斜角度を選択することが可能となる。例えば、荷物の積み降ろしを行う際の荷受台2を、図5(a)で示すように、水平状態(点線部分)よりも若干上方に傾斜した状態(実線部分)とした上で荷受台2の下降作動を行うことができる。大きな重量の荷物を積み降ろしする場合、荷物が載置された荷受台2が水平状態よりも下方に傾斜した姿勢とならないように、荷物の積み込み直前に荷受台2を上記上方に傾斜した状態とする。これにより、荷物が積み込まれた状態で荷受台2を水平状態とすることができ、荷物の落下等を防止できる。
【0047】
また、車両が停止した場所が傾斜地である場合や、車両後輪が段差部分の低地側に位置する状態で車両が停止する場合など、図5(b)で示すような車両後端が傾斜する状態においては、起立状態の荷受台2が鉛直方向から若干外れた姿勢となることがある。本実施形態によれば、このような場合であっても、水平状態もしくは水平状態よりも若干上方に傾斜した状態(点線部分)として荷受台2の下降作動を行うことができるので、荷受台2に積み込まれた荷物の落下等を防止できる。
1−5.水平状態の荷受台2の昇降作動
【0048】
水平状態に姿勢変更された荷受台2に対しては、下げスイッチSW4のみがON操作されることで、下げソレノイドSOL2が連通位置に切り替えられて、下げソレノイドSOL2のみが連通状態となり、リフトシリンダ6のボトム側から作動油が押し退けられてリフトシリンダ6が収縮作動される。その結果、荷受台2が下降作動されて接地する。
【0049】
接地された荷受台2に荷物が載せられて荷台床面の高さまで上昇作動が行われる際、上げスイッチSW3のみがON操作される。これにより、モータMが駆動されて油圧ポンプPが駆動し、作動油が第一供給路91を経由してリフトシリンダ6のボトム側に供給される。リフトシリンダ6は伸長作動されて荷受台2が上昇作動される。
1−6.水平状態から起立状態への荷受台2の姿勢変更
【0050】
水平状態の荷受台2が荷台床面の高さ位置まで上昇した後、荷物を荷台に積み込み、荷受台2を起立状態として格納する際の操作について、図6のタイミングチャートを用いて説明する。
【0051】
荷受台2が水平状態のときには、回動範囲B内に位置するためセンサ8による検知が行われておらず、センサ8はOFF状態となっている。開閉スイッチSW2を押し(時間T11)、その直後に上げスイッチSW3を押す(時間T12)と、リレーCTがON状態となり、閉ソレノイドSOL3が連通位置に切り換えられる。上げスイッチSW2が押されることでモータMが駆動され油圧ポンプPが駆動して、作動油が第二供給路92を経由してチルトシリンダ5のボトム側に供給される。これにより、回動操作部となる開閉スイッチSW2と上げスイッチSW3とをONにすると、チルトシリンダ5が伸長作動されて荷受台2が起立状態となる方向に回動される。なお、開閉スイッチSW2と上げスイッチSW3とを同時にONにしても構わない。
【0052】
荷受台2が回動範囲Bから回動範囲Aに回動(図2参照)されると、荷受台2の位置がセンサ8によって検知されて、センサ8の出力信号がON状態となる(時間T13)。センサ8の出力信号を受けて、コントローラ9を介して下げソレノイドSOL2は連通位置に切り換えられる。これにより、油圧ポンプPからの作動油の一部が第一供給路91から第一排出路93を経由してオイルタンクTに戻されるため、チルトシリンダ5への作動油の供給量が低減し、チルトシリンダ5の伸長速度が抑制される。つまり、図2(a)の矢印で記したような軌跡で回動範囲B内と回動する際の回動速度と比較して、回動範囲A内の矢印で記した軌跡における回動速度が小さくなる。このように、荷受台2の回動操作を行っているだけで、センサが回動範囲Aに荷受台2が位置することを検知すると自動的に荷受台2の回動速度が低減されるので、荷受台2が起立状態となる際における荷受台2と当接部材との衝突力及び衝突音を抑制できる。
【0053】
なお、下げソレノイドSOL2が連通状態とされる条件としては、少なくとも上げスイッチSW3及びセンサ8の両方がON状態となっていることとする。そのため、点線S4で示すように上げスイッチSW3をOFF状態にすると、モータ駆動が停止して閉ソレノイドSOL3が遮断状態となるとともに下げソレノイドSOL2も遮断状態となるので、第二供給路92及び第一排出路93の挿通状態が遮断されて、荷受台2は回動されずに停止状態となる。
1−7.センサ8による荷受台2の回動角度の検知範囲
【0054】
上述のとおり、荷受台2の位置をセンサ8で検知し、その検知信号を基にして荷受台2の下げ作動が制御されている。検知信号が出力される回動範囲A(図2参照)の回動角度(荷受台2の起立位置からの回動角度)に関しては、水平状態から起立状態への回動作動において、荷受台2が当接するストッパ部材との所定の衝突力及び回動速度の低減率が適宜考慮された上で設定される。つまり、上記回動範囲Aの回動角度が大きすぎると荷受台2を起立状態とするのに時間がかかりすぎ、回動角度が小さすぎると回動速度の抑制が不十分になるため、これらを適宜考慮して設定される。
【0055】
ただし、起立状態の荷受台2を少しだけ開作動(水平状態側への回動作動)させただけでは、荷受台2をそのまま下降作動させると荷受台昇降装置100に係る部材同士が緩衝する場合がある。例えば、図7(a)の荷受台昇降装置100の模式側面図に示すように、荷受台2には昇降時に積載された荷物が側方から落下しないようにするためにサイドガード21が設けられ、荷台床面には荷台床面と荷受台との隙間を埋める張出部が、荷台床面から車両後方に延出して設けられる場合がある。この場合、起立状態の荷受台2の回動位置が検知される回動範囲Aの領域が、起立状態の位置から一点鎖線で示す仮想線L1までの範囲として設定されると、誤操作等によって、回動角度がL1の位置で荷受台2が下降作動される際、図7(b)のように、サイドガード21と張出部71とが干渉し、これらの部材の損傷又は破壊を招いてしまう。そのため、回動範囲Aと回動範囲Bとの境界線Lの回動角度に関しては、サイドガード21や張出部71の干渉が生じない程度の大きさとすることが好ましい。
(第2の実施形態)
【0056】
本実施形態は、第1の実施形態と比べて、荷受台2が起立状態から水平状態に姿勢変更する際の制御手段が異なるが、他の構成等は同じであるため、当該制御手段を中心に説明する。
【0057】
本実施形態では、第1の実施形態の説明で用いた図3(b)で示された開ソレノイドSOL4を流量比例弁に置き換えた構成の油圧回路を備えていることで、荷受台2を起立状態にする直前だけでなく、水平状態にする直前にも回動速度を抑制することができる。
【0058】
荷受台2の起立状態から水平状態に開作動する際、流量比例弁は連通位置に切り替えられているので、チルトシリンダ5のボトム側の作動油が荷受台5等の自重によって押し退けられる。チルトシリンダ5が収縮作動される途中に、荷受台2の回動位置がセンサ8によって検知される回動範囲Aから検知されない回動範囲Bに移動するので、センサ8からの検知信号が入力されなくなることを条件として流量比例弁を連通して第二排出路94に送出される作動油の油圧を制限する。つまり、センサ8の検知信号が入力されなくなる(図3(a)参照)と、チルトシリンダ5の収縮速度が抑制され、荷受台2が水平状態になるまでの回動速度が低減する。
(第3の実施形態)
【0059】
本実施形態は、第1及び第2の実施形態と制御手段が異なり、シーケンス制御を用いているが、他の構成等は同じであるため、異なる部分を中心に図7を用いて説明する。
本実施形態では、図7に示すシーケンス制御による次のように動作する。
【0060】
作業者がキャブ内に設置されたメインスイッチSWを接続(ON操作)すると、車両搭載のバッテリ電源からセンサ8に電力供給されてセンサ8が動作可能の状態となる。
【0061】
起立状態の荷受台2に対して水平状態に姿勢変更を行う開作動を開始するために、開閉ボタンB1と下げボタンB3とが押されてONされると、リレーコイルR22が励磁され常開リレー接点R22aがONとなる。これにより、開ソレノイドSOL4が連通位置に切り換えられてチルトシリンダ5が収縮して荷受台2が水平状態となる開方向に回動される。一方で、常閉リレー接点R22bはOFFとなるので下げソレノイドSOL2が連通位置に切り換えられることはない。
【0062】
この状態において、荷受台2は回動範囲A内に位置しているのでセンサ8によって検知されて、リレーコイルR11が励磁されて常開リレー接点R11aがONとなっているので、開閉ボタンB1を押さずに下げボタンB3のみを押した場合、又は開閉ボタンB1と下げボタンB3の両方を押している途中で開閉ボタンB1のみを離してOFFにしてしまった場合には、リレーコイルR22が非励磁となって下げソレノイドSOL2が挿通位置に切り換えられることはない。つまり、荷受台2は回動作動及び下降作動のいずれも行われない。
【0063】
また、荷受台2が回動範囲B内に位置するときはセンサ8によって検知されないので、リレーコイルRAは非励磁となっており、上述のように下げボタンB3のみが押されている場合又は開閉ボタンB1と下げボタンB3の両方を押している途中で開閉ボタンB1のみを離してしまった場合には下げソレノイドSOL2のみが連通位置に切り換えられる。
【0064】
次に、水平状態の荷受台2に対して下降作動を行うために下げボタンB3のみが押されると、常閉リレー接点R22b、R11aがON状態なので下げソレノイドSOL2のみが連通位置に切り換えられる。また、上昇作動を行うために上げボタンB2のみが押されると、常閉リレー接点R12がON状態なのでコンタクタリレーコイルRCTが励磁され、コンタクタがONされてモータMが駆動される。
【0065】
水平状態の荷受台2に対して起立状態に姿勢変更を行う閉作動を開始するために、開閉ボタンB1と上げボタンB2が押されてONになると、リレーコイルR21が励磁されて常開リレー接点R21aがONとなり、閉ソレノイドSOL3が挿通位置に切り換えられる。一方で、常閉リレー接点RA1はOFFとなるので下げソレノイドSOL2が連通位置に切り換えられることはない。
【0066】
この状態において、荷受台2が回動範囲B内に位置しているとき、荷受台2はセンサ8によって検知されず、リレーコイルRAは非励磁となっているが、荷受台2が回動範囲A内に位置するとセンサ8によって検知され、リレーコイルRAは励磁される。これにより、常開リレー接点RA1がONとなり、下げソレノイドSOL2が連通位置に切り換えられる。つまり、油圧ポンプから供給される作動油の一部が第一排出路93にも給油されることとなり、チルトシリンダ5の伸長作動が抑制される。
(第4の実施形態)
【0067】
本実施形態は、第1から第3の実施形態と異なり、荷受台2の回動位置の検知範囲が異なるが、荷受台2の回動位置を検知するセンサからの検知信号に基づいて、荷受台2が作動される他の構成等は同じであるため、当該検知範囲を中心に図9を用いて説明する。
【0068】
本実施形態では、荷受台2の起立状態から水平状態に姿勢変更する回動範囲が、図9(a)のとおり、回動範囲C、D、Eと区分けされている。図示のとおり、荷受台2の起立位置(実線部分)及び水平位置(一点鎖線部分)とから離間した位置となる中央部に回動範囲Dが形成されており、回動範囲Dに荷受台2が位置する場合に検知信号を出力するようにセンサ(不図示)を設置する。当該センサは、第1の実施形態に係るセンサ8と同様、検知片と検知部とを有する構成であるが、回動範囲Dを形成する境界線(二点鎖線)位置を検知するために、検知部を2つの検知部(第1検知部及び第2検知部)で構成されるものとする。荷受台2への回動方向(開作動方向又は閉作動方向)の出力とこれら2つの検知部のいずれか一方による検知信号とによって、荷受台2が回動範囲C、D、Eのいずれに位置するか検知される。
荷受台2が回動範囲Dに位置する場合、図9(b)に示す手順の制御を行う。
【0069】
先ず、開作動又は閉作動中の荷受台2に対して、回動範囲D内に位置する状態(C1)のときに回動指令が出力されて(C2)、その指令が閉方向への指令のとき(C3)、具体的には開閉ボタンが押された状態で上げボタンが押されている状態のときには、起立状態となるように荷受台2の姿勢変更が行われる(C4)。そして、荷受台2が回動範囲C内に位置すると、本実施形態のセンサは検知信号の出力を停止し、上記の閉作動の指令及び検知信号の停止を受けて、荷受台2の閉作動の減速制御が行われる。つまり、回動範囲Dに位置することの示す検知信号が出力されること基づいて、さらに荷受台2の閉作動指令が出力されることで、閉ソレノイドSOL3だけでなく、下げソレノイドSOL2も連通位置に切り換えられた状態となり、チルトシリンダ5の伸長速度が抑制される。
【0070】
次に、回動範囲D内に位置する検知信号が出力されることに基づいて、荷受台2に対して閉方向への回動指令が出力されている場合(C13)、具体的には開閉ボタンが押された状態で下げボタンが押されているときには、水平状態となるように荷受台2の姿勢変更が行われる(C14)。そして、荷受台2が回動範囲E内に位置すると、センサは信号出力を停止し、荷受台2の下げ作動を開始することができる制御、又は開作動の減速制御が行われる。
(その他の事項)
【0071】
回動範囲B内に荷受台2が位置する場合においては、第1の実施形態と第2の実施形態とに係る制御手段(荷受台2の下降作動及び荷受台2の減速作動)がそれぞれ設けられているが、これらの両方の制御手段を備えた構成も可能である。特に、荷受台2の下降作動を行う際に、水平状態とせずに上方に傾斜した状態とする場合に、その傾斜角度が微小であれば、荷受台2の減速機能を備えていることで、その微小角度の調整が容易となるため好ましい。
【0072】
また、各実施形態において、開閉スイッチSW2と、上げスイッチSW3又は下げスイッチSW4との両方を操作することを荷受台2の開閉作動(回動作動)の条件としたが、作業者が荷受台2の位置を確認して、接地状態から荷台床面高さ位置まで荷受台2を上昇作動させた後に引き続いて上げスイッチSW3をONすることで閉作動も行うような、上げスイッチSW3又は下げスイッチSW4のみで回動作動を行うように設定しても構わない。
【0073】
また、各作動指令の出力(各スイッチのON操作)を行うと即時にチルトシリンダ5又はリフトシリンダ6の伸縮制御が行われる設定とされているが、タイマー等を設置して、作動指令の出力後の所望する時間経過後に上記制御が行われる設定としても構わない。
【0074】
さらに、センサ8によって荷受台2が検知されるとセンサ8からのON信号として出力しているが、例えば、回動範囲A内に荷受台2が位置していないことをON信号として出力し、荷受台2の下降作動を行うことが可能となるように、センサ8が検知していない状態を中心に各シリンダ5、6の伸縮制御を行う設定としても構わない。
その他、モータ制御や、チルトシリンダ5又はリフトシリンダ6内の構成等の既知の技術によって、作動油の給排を調整する構成も適宜適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明によれば、様々な場所や環境に対応して、適切な姿勢で荷受台作業を行うことができる荷受台昇降装置を簡易な構成で実現できるため、複数の異なる種類の作動形態を有する荷受台昇降装置に有用である。
【符号の説明】
【0076】
1 支持部材
2 荷受台
3 チルトリンク
4 リフトアーム
5 チルトシリンダ
6 リフトシリンダ
7 荷台床面
8 センサ
9 コントローラ
81 検知部
82 検知片
90 パワーユニット
100 荷受台昇降装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両後方に設けられて昇降用シリンダ又は回動用シリンダによって駆動される平行リンク機構と、当該リンク機構に連結されて、地面と荷台床面高さ位置との間で昇降され、前記荷台床面高さ位置と車両後方で起立する位置との間で回動される荷受台とを有する荷受台昇降装置であって、
前記荷台床面高さ位置と前記起立する位置との間における前記荷受台の回動範囲において、その一部領域又は当該一部領域と異なる領域に前記荷受台が位置することを検知する回動位置検知手段と、
前記一部領域に荷受台が位置することを前記回動位置検知手段が検知することに基づいて、前記回動用シリンダの伸長速度を制御する伸長制御手段と、
前記異なる領域に荷受台が位置することを前記回動位置検知手段が検知することに基づいて、前記回動用シリンダの収縮速度と、前記昇降用シリンダの収縮速度との少なくともいずれかの制御を行う収縮制御手段と、
を備えている
ことを特徴とする荷受台昇降装置。
【請求項2】
前記伸長制御手段によって、前記一部領域における前記荷台床面高さ位置から前記起立する位置への回動方向に沿った前記荷受台の回動速度が、当該回動方向に沿った前記異なる領域における前記荷受台の回動速度よりも小さく設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項3】
前記収縮制御手段によって、前記昇降用シリンダが駆動可能に設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項4】
前記収縮制御手段によって、前記異なる領域における前記起立する位置から前記荷台床面高さ位置への回動方向に沿った荷受台の回動速度が、当該回動方向に沿った前記一部領域における前記荷受台の回動速度よりも小さく設定される
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項5】
前記一部領域は、前記荷台床面高さ位置と前記起立する位置との間における所望の位置から前記起立する位置までの領域であり、
前記異なる領域は、前記所望の位置から前記荷台床面高さ位置までの領域である
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項6】
前記一部領域は、前記荷台床面高さ位置および前記起立する位置から離間した領域であり、
前記異なる領域は、前記荷台床面高さ位置から前記一部領域までの領域である
ことを特徴とする請求項1に記載の荷受台昇降装置。
【請求項7】
前記荷受台の昇降作動及び回動作動の指令を出力するための操作手段を備え、
当該操作手段は、回動作動の指令を出力する回動操作部を有しており、
前記回動位置検知手段の検知及び前記回動操作部の出力信号によって、前記伸長速度の制御が行われる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の荷受台昇降装置。
【請求項8】
前記荷受台の昇降作動及び回動作動の指令を出力するための操作手段を備え、
当該操作手段は、昇降作動の指令を出力する昇降操作部を有しており、
前記回動位置検知手段の検知及び前記昇降操作部の出力信号によって、前記収縮制御手段の制御が行われる
ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の荷受台昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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