荷役車両
【課題】 車台上に脱着可能に搭載されるコンテナを、その車台と地上との間で積み降ろしすることができるようにした荷役車両において、地上に降ろされたコンテナの車台上への積込作業能率を高める。
【解決手段】 車台F上のダンプアーム3に前後に回動可能に設けたリフトアーム4に、コンテナCtの係合部17と係脱可能なフック6を有するフックアーム5を設け、リフトアーム4の回動でコンテナCtを車台F上の積み込むようにした荷役車両Vにおいて、フックアーム5の先部前面5fにガイド部材Gを設け、コンテナCtの高低位置に関係なく、リフトアーム4の後方回動でガイド部材Gのガイド部23によりコンテナCtの係合部17を案内し、その後のリフトアーム4の前方回動でフック6を係合部17に係合させる。
【解決手段】 車台F上のダンプアーム3に前後に回動可能に設けたリフトアーム4に、コンテナCtの係合部17と係脱可能なフック6を有するフックアーム5を設け、リフトアーム4の回動でコンテナCtを車台F上の積み込むようにした荷役車両Vにおいて、フックアーム5の先部前面5fにガイド部材Gを設け、コンテナCtの高低位置に関係なく、リフトアーム4の後方回動でガイド部材Gのガイド部23によりコンテナCtの係合部17を案内し、その後のリフトアーム4の前方回動でフック6を係合部17に係合させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車台上に搭載されるコンテナを、その車台と地上との間で積み降ろしすることができるようにした、脱着式コンテナを備えた荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車台F上の荷役フレーム1の後部に起伏回動可能に軸支されるダンプアーム3に、リフトアーム4を前後に起伏回動可能に軸支し、このリフトアーム4の先部にフックアーム5を前後に回動可能に設け、このフックアーム5の先端にフック6を設け、このフック6をコンテナCtの係合部17に係脱可能に係合させて、リフトアーム4を前後に起伏回動させることにより、コンテナCtを荷役フレーム1上より地上に降ろし、あるいは地上のコンテナCtを荷役フレーム1上に積込むようにした、脱着式コンテナを備えた荷役車両は公知である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−62517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記特許文献1に開示される荷役車両では、地上に降ろされているコンテナを荷役車両の車台上に積み込む際には、フックアーム先部のフックをコンテナの係合部に係合したのち、リフトアームをフックアームと共に前方に回動させることにより、コンテナを車台上の荷役フレームに積込むようにされるが、かかる積込作業において、フックアーム先端のフックを、コンテナの係合部にうまく係合させる操作が面倒であり、特に、フックアームの先端のフックと、コンテナの係合部との間の距離が長くなり過ぎて、フックがコンテナの係合部に届かない場合には、リフトアームの回動操作以外にフックアームを揺動操作させてフックをコンテナの係合部に係合させるようにしているため、フックの、コンテナの係合部への係合操作が煩雑となり、コンテナの積込時の作業能率が低下するという問題があった。
【0004】
そこで、本出願人は、リフトアームの後方回動操作により、フックアームの揺動操作を行うことなく、フックアーム先部のフックを、コンテナの係合部に的確に係合できるようにして、前記特許文献1のものの問題を解消した、荷役車両を既に提案(特願2004−240654号)しているが、この先願のものでは、コンテナの地上への降ろし態様によっては(たとえば、コンテナが荷役車両に対して高い位置に降ろされているとき)、コンテナの係合部をフックアーム先端のフックに係合するのに手間取る場合が考えられる。
【0005】
そこで、本発明はかかる先願の発明に、さらに改良を加え、コンテナの地上への降ろし態様にかかわりなくリフトアームの後方回動位置からの前方回動により、フックアーム先部のフックを、コンテナの係合部に迅速、的確に係合できるようにして、コンテナ積込時に作業能率を大幅に改善できるようにした、新規な荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車台上の荷役フレームの後部に起伏回動可能に軸支されるダンプアームに、リフトアームの後端を回動軸により前後に起伏回動可能に軸支し、このリフトアームの先部に、先端にコンテナの係合部と係脱可能なフックを有するフックアームを設け、前記リフトアームの起伏回動によりコンテナを荷役フレームと地上との間で積み降ろしできるようにした、荷役車両において、
前記フックアームの先部前面にガイド部材を設け、このガイド部材は、相互に連なる第1ガイド面と第2ガイド面とを備え、前記第1ガイド面は、前記リフトアームの回動軸と略同心の円弧面に形成され、また前記第2のガイド面は、リフトアームが後方回動位置にあるとき、前記第1ガイド面の上方位置にあって、前記フックアームの先部前面から第1ガイド面に向かう下り勾配の傾斜面に形成され、前記第1ガイド面は、リフトアームの後方回動位置からの前方回動時に、コンテナの係合部を前記フック側に向けて案内し、また前記第2ガイド面は、リフトアームの前記前方回動時に、前記第1ガイド面よりも上方位置にあるコンテナの係合部を該第1ガイド面に向けて案内するようにしたことを特徴としている。
【0007】
また、上記目的を達成するため、請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記第2ガイド面は、第1ガイド面と同心の円弧面に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項各項の発明によれば、地上のコンテナを荷役車両に積込むに当たり、荷役車両に対するコンテナの降ろし態様にかかわりなく、特にコンテナが高い位置に降ろされている場合にも、リフトアームの後方回動位置からの前方回動に伴ってフックアームのフックを、コンテナの係合部に迅速、的確に案内係合させることができ、フックアームの面倒な揺動制御をすることなく、コンテナの車台への積込み能率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0010】
図1〜11は、本発明の第1実施例を示すものであり、図1は、コンテナの積込み完了時(走行時)の状態を示す荷役車両の側面図、図2は、コンテナの積込み開始直前の状態を示す荷役車両の側面図、図3は、コンテナの積込み途中の状態を示す荷役車両の側面図、図4は、コンテナのダンプ時の状態を示す荷役車両の側面図、図5は、図1のコンテナを除いた、5矢視拡大平面図、図6は、図5の6−6線に沿う断面図、図7は、図2の7矢視仮想線囲い部分の拡大図、図8は、コンテナの係合部が第1ガイド面を乗り上げた場合の図7に対応する図、図9は、図7の9−9線に沿う拡大図、図10は、図9の10−10線に沿う断面図、図11は、図10の11−11線に沿う断面図である。
【0011】
図1において、荷役車両Vの車台F上には運転室Caの後方において、荷役フレーム1が一体に搭載されている。この荷役フレーム1は、図5に示すように、左右縦桁と、複数の横桁とより前後に長い方形枠状に形成されており、その荷役フレーム1の後端左右には、左右案内ローラ2,2が回転自在に軸架されており、これらの案内ローラ2,2は、荷役フレーム1上に脱着可能に搭載される後述のコンテナCtを誘導案内する。
【0012】
荷役フレーム1の後部には、ダンプアーム3の後端が後方にダンプ可能に設けられる。このダンプアーム3は、図5,6に示すように、左右縦桁の後端に横桁を一体に形成して前端開放の平面視フオークに形成されており、その後端が、前記左右案内ローラ2,2の回転軸線と同じ軸線まわりに前後方向に起伏回動できるように軸支3aされている。前記ダンプアーム3の前端部寄りの中間部には、単一の角筒体よりなるリフトアーム4の後端、すなわち基端が前後方向に起伏回動自在に回動軸9により軸支されている。このリフトアーム4は、荷役フレーム1の左右中間部を前後方向に延びており、その後部はダンプアーム3と前後方向に重なり合っているが、その大部分はダンプアーム3よりも前方に延長されている。荷役フレーム1の前部と、リフトアーム4の中間部との間には、駆動手段、すなわち復動油圧シリンダよりなる、一対のリフトシリンダ7,7が連結されており、これらのリフトシリンダ7,7は、リフトアーム4の左右両側を前後方向に延びており、それらの同調伸縮作動により、図2,3に示すように、リフトアーム4を回動軸9まわりに前後に起伏回動させることができる。
【0013】
図5,6に示すように、リフトアーム4の先端には、フックアーム5の基端が前後方向に回動自在に連結13されている。このフックアーム5は、側面から見てL字状に形成されており、その先部にフック6が一体に設けられる。このフック6は、コンテナCtの前面上部に設けた係合部17に係脱自在である。
【0014】
フックアーム5の先部前面には、本発明に従うガイド部材Gが固定されている。このガイド部材Gは、図9〜11に最も明瞭に示すように、フックアーム5の先部前面5fへの取付部20と、そこから一体に起立するガイド21とを備えて、横断面T字状に形成されており、前記取付部20は、複数のボルト22により、フックアーム5の先部前面5fに固定され、また、ガイド部21の前面には、ガイド面23がフックアーム5の長手方向に沿って形成されており、このガイド面23は、フックアーム5の先端側の第1ガイド面23と、フックアーム5の基部側の第2ガイド面23bとよりなり、第1ガイド面23aは、リフトアーム4の回動中心と略同心、すなわち回動軸9と略同心の、半径R(図7,8参照)とする円弧面よりなり、フックアーム5に先部前面5fの長手方向に沿い、外方に向かって突出形成されている。一方、前記第2のガイド面23bは、リフトアーム4が後方回動位置(図2,7参照)にあるときに、第1ガイド面23の上方位置に位置しており、フックアーム5の先部前面5fから第1ガイド面23aの一端(リフトアーム4が後方回動位置にあるときの上端)に向かう下り勾配の傾斜面、この実施例では傾斜弧面に形成されている。そして、ガイド部23の第1ガイド面23aの先端は前記フック6の近傍まで延びており、フックアーム5の長手方向に沿う第2ガイド面23bの長さは、第1ガイド面23aのそれよりも短くされ、これによりガイド部材Gの全長を短くなり、その軽量化がなされている。
【0015】
図5,6に示すように、リフトアーム4の前部と、フックアーム5の中間部との間には、フックアーム5の駆動手段、すなわち復動油圧シリンダよりなるフックシリンダ8が連結されており、このフックシリンダ8の伸縮作動によれば、フックアーム5を車台Fの前後方向に起伏回動させることができ、これにより、荷役フレーム1上に搭載されるコンテナCtを、荷役フレーム1上を前後方向に移動させることができる。
【0016】
図5〜7に示すように、リフトアーム4、フックアーム5およびダンプアーム3の左右両側には、それらに跨がってリフトアーム4とダンプアーム3とを前後方向に直線状に一体に固縛し、またその固縛を解除するようにした左右一対の固縛機構Lが設けられる。各固縛機構Lは、リフトアーム4の後部一側に回動自在に軸支される固縛フック10と、ダンプアーム3の前端一側に設けられてその固縛フック10が係脱自在に係合し得る被係止部11と、前記固縛フック10の中間部とフックアーム5の基端とをそれぞれピン連結する長さ調整可能なロッド12とより構成されており、図6に示すように、フックアーム5が起立位置、すなわち格納位置にあるとき、ロッド12が後方に押され、固縛フック10は固縛方向に回動されて被係止部11と係合し、これによりリフトアーム4とダンプアーム3とが前後方向に直線状に一体に固縛される。また、前記フックシリンダ8の伸長作動によりフックアーム5が後方に回動(図3、実線および鎖線位置)されると、ロッド12が前方(図6、左方向)に引かれて固縛フック10は固縛解除方向(図6、時計方向)に回動されて被係止部11より離脱し、これによりリフトアーム4とダンプアーム3との固縛が解除され、それらのアーム4,3はそれぞれ別々の回動が許容される。
【0017】
図1〜4に示すように、車台Fの後部にはアウトリガー15が設けられ、このアウトリガー15は、コンテナCtを積み降ろし、あるいはダンプさせるとき、作動されて荷役車両Vを安定させる。
【0018】
一方、荷役車両Vの車台F上に搭載されるコンテナCtは箱状に形成されており、その前面両側は、補強桁14により補強され、その開放後面はリヤゲート16により閉じられ、またその前壁上部には、前記フックアーム5のフック6と係脱可能な係合部17が設けられ、またその底部の前後にはキャスタよりなる複数の走行輪18が軸支されている。
【0019】
つぎに、この第1実施例の作用について説明する。
【0020】
図1に示すように、荷役車両Vの車台F上にコンテナCtが積込まれている状態(車両の走行状態)からフックシリンダ8の伸長作動によりフックアーム5を後方に傾動すると、コンテナCtは、図3二点鎖線に示すように、フックアーム5により左右案内ローラ2,2上を後方に押されて後方に移動し、引き続くフックアーム5の後方回動に伴い前述したように固縛機構Lか解除されてリフトアーム4とダンプアーム3との固定が解除されるので、リフトアーム4はダンプアーム3に対して回動軸9まわりに自由に回動できるようになる。つぎに、リフトシリンダ7を伸長作動させると、リフトアーム4はフックアーム5と共に後方に回動する。これにより、コンテナCtは左右案内ローラ2,2に案内されて車台F上を後方に移動し、コンテナCtは左右案内レール2,2の回転中心を支点として後方に傾動し、その後部下縁は地上GRに着地する(図3参照)。
【0021】
リフトシリンダ7が伸長を継続して最伸長し、後方回動位置(図2,7実線位置)に至れば、フックアーム5は下向きとなって、コンテナCtは地上GRに降ろされる。ここでフックアーム5先端のフック6を係合部17より外せば、コンテナCtは荷役車両Vから分離される。
【0022】
また、荷役フレーム1上にコンテナCtが搭載されている状態、すなわちフックアーム5が格納位置にある状態(図1の状態)のままリフトシリンダ7を伸長すれば、前記固縛機構Lは固縛状態を維持してダンプアーム3とリフトアーム4とを一体に固縛されているので、図4に示すように、それら両アーム3,4は一体となって後方に傾動しコンテナCtをダンプ上げさせることができ、コンテナCt内の収容物を外部に排出することができる。またリフトシリンダ7を収縮作動させれば、コンテナCtをダンプ下げして荷役フレーム1上に降ろすことができる。
【0023】
なお、前述のコンテナCtの降ろし作業およびダンプ作業は、従来の荷役車両と同じである。
【0024】
つぎに、地上GRに降ろされたコンテナCtを車台F上に積込む過程について説明する。
【0025】
a.地上に降ろされているコンテナCtの前方に、適宜の間隔をあけて荷役車両Vを縦列停車させたのち、リフトアーム4をフックアーム5と共に回動軸9まわりに後方回動位置までフルに回動させる(図2,7参照)。この回動操作は、前述のコンテナCtの降ろし操作の場合と同じである。
【0026】
b.つぎに、荷役車両Vを後退させると、フックアーム5の先部前面5fに設けたガイド部材Gの第1ガイド面23aがコンテナCtの係合部17に当接される。このとき、フックアーム5先端のフック6は、コンテナCtの前壁に当たることはなく、またリフトアーム4が後方回動位置に回動されたときの第1ガイド面23aの上端は、コンテナCtの係合部17よりも上方位置にあることにより、フックアーム5を揺動調整する必要はない。
【0027】
c.ついで、リフトシリンダ7の収縮作動により、後方回動位置にあるリフトアーム4をフックアーム5と共に回動軸9まわりに前方に回動させる。このとき、ガイド部材Gの第1ガイド面23aは、リフトアーム4の回動軸9と略同心の円弧面に形成されているので、リフトアーム4の前方回動に伴い、フックアーム5は、ガイド部材Gの第1ガイド面23aとコンテナCtの係合部17との当接により案内されながら第1ガイド面23aに沿ってスムーズに上方に移動し、フック6を、コンテナCtの係合部17に的確に係合させることができる(図2,7二点鎖線参照)。
【0028】
ところで、コンテナCtの地上への降ろし態様(たとえば、コンテナCtが荷役車両Vに対して高い位置に降ろされている)によっては、前述のように、リフトアーム4を後方回動位置から前方に回動させて、ガイド部23をコンテナCtの係合部17に当接させるときに、この係合部17が、ガイド部23によって持ち上げられて第1ガイド面23aを乗り越える(図8参照)ことがあり、このときに、該係合部17は、第1ガイド面23aから第2ガイド面23bに移動するに至るが、この第2ガイド面23bは、図10に明瞭に示すように、フックアーム5の先部前面5fから第1ガイド面23aの一端に向かって下り勾配に傾斜する傾斜面、この実施例では傾斜弧面に形成されているので、この第2ガイド面23bにより、コンテナCtの係合部17はリフトアーム4の前方回動に伴って後方下向きに強制的に案内されて第1ガイド面23aに当接するようになる。したがって、前記係合部17は、第1ガイド面23aを乗り越えることがあっても、第2ガイド面23bにより円滑、迅速に第1ガイド面23aに戻るように後方に案内されされるので、フックアーム5は、ガイド部材Gの第1ガイド面23aとコンテナCtの係合部17との当接により案内されながら、引き続くリフトアーム4の前方回動に伴って上方に移動し、そのフック6を、コンテナCtの係合部17に的確に係合させることができる。
【0029】
d.引き続くリフトアーム4の前方回動によれば、図3実線位置より二点鎖線位置に示すように、コンテナCtは荷役フレーム1上に積込まれてその上を前方に移動し、最後にフックシリンダ8の収縮作動により、フックアーム5は格納位置に回動して、図1に示すように、荷役車両VへのコンテナCtの積込みを完了する。
【0030】
以上のように、地上のコンテナCtを荷役車両Vに積込むに当たり、コンテナCtの地上への降ろし態様によって、たとえば、コンテナCtが荷役車両Vに対して高い位置に降ろされている場合に、コンテナCtの係合部17がガイド部材23によって持ち上げられて第1ガイド面23aを越えて第2ガイド面23bに乗り上げることがあっても、引き続くリフトアーム4の前方回動により、該係合部17は第2ガイド面23bにより後方下向きに案内されて再び第1ガイド面23aに当接するので、その係合部17がガイド部材Gにより持ち上げられたままになるのを阻止することができる。よって、コンテナCtの地上GRへの降ろし態様にかかわらず、リフトアーム4の後方回動位置からの前方回動操作で、コンテナCtの係合部17をガイド部21により案内してフックアーム5のフック6を、コンテナCtの係合部17に迅速、的確に係合させることができ、コンテナCtの荷役フレーム1への積込み能率が大幅に改善される。
【0031】
つぎに、本発明の第2実施例について説明する。
【0032】
図12〜14は、本発明の第2実施例を示すものであり、図12は、第1実施例の図7に対応する図、図13は、図12の13−13線に沿う拡大部分図、図14は、図13の14−14線に沿う断面図であり、前記第1実施例と同じものには同じ符号が付される。
【0033】
この第2実施例は、本発明に従うガイド部23の構造が前記第1実施例と異なっている。
【0034】
フックアーム5の前面に、複数のボルトにより固定される案内部材Gは、前記第1実施例のものよりもフックアーム5の長手方向に沿って長く形成されている。ガイド部21の前面の第1ガイド面23aは、前記第1実施例のものと同じ構造に形成されており、すなわちリフトアーム4の回動軸9と略同心の半径Rの円弧面に形成されるのに対してガイド部21の前面の第2ガイド面23bも第1ガイド面23aと同じくは、リフトアーム4の回動軸9と略同心の半径Rの円弧面に形成される。そして、第2のガイド面23bは、前記第1実施例と同じくフックアーム5の前面から第1ガイド面23aに向かって下り勾配の傾斜面に形成されていて第1ガイド面23aに滑らかに連続している。
【0035】
しかして、この第2実施例のガイド部23も前記第1実施例と同じ作用を奏する。
【0036】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0037】
たとえば、前記実施例では、ガイド部23の第2ガイド面23bを傾斜弧面に形成しているが、これを平坦傾斜面に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンテナの積込み完了時(走行時)の状態を示す荷役車両の側面図(第1実施例)
【図2】コンテナの積込み開始直前の状態を示す荷役車両の側面図
【図3】コンテナの積込み途中の状態を示す荷役車両の側面図
【図4】コンテナのダンプ時の状態を示す荷役車両の側面図
【図5】図1の5矢視拡大平面図
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】図2の7矢視仮想線囲い部分の拡大図
【図8】コンテナの係合部が第1ガイド面を乗り上げた場合の図7と同じ図
【図9】図7の9−9線に沿う拡大図
【図10】図9の10−10線に沿う断面図
【図11】図10の11−11線に沿う断面図
【図12】第1実施例の図7に対応する図(第2実施例)
【図13】図12の13−13線に沿う拡大部分図
【図14】図13の14−14線に沿う断面図
【符号の説明】
【0039】
1・・・・・・・・・荷役フレーム
3・・・・・・・・・ダンプアーム
4・・・・・・・・・リフトアーム
5・・・・・・・・・フックアーム
5f・・・・・・・・先部前面
6・・・・・・・・・フック
9・・・・・・・・・回動軸
17・・・・・・・・・係合部
23a・・・・・・・・第1ガイド面
23b・・・・・・・・第2ガイド面
F・・・・・・・・・車台
Ca・・・・・・・・・運転室
Ct・・・・・・・・・コンテナ
G・・・・・・・・・ガイド部材
GR・・・・・・・・・地上
【技術分野】
【0001】
本発明は、車台上に搭載されるコンテナを、その車台と地上との間で積み降ろしすることができるようにした、脱着式コンテナを備えた荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車台F上の荷役フレーム1の後部に起伏回動可能に軸支されるダンプアーム3に、リフトアーム4を前後に起伏回動可能に軸支し、このリフトアーム4の先部にフックアーム5を前後に回動可能に設け、このフックアーム5の先端にフック6を設け、このフック6をコンテナCtの係合部17に係脱可能に係合させて、リフトアーム4を前後に起伏回動させることにより、コンテナCtを荷役フレーム1上より地上に降ろし、あるいは地上のコンテナCtを荷役フレーム1上に積込むようにした、脱着式コンテナを備えた荷役車両は公知である(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−62517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、前記特許文献1に開示される荷役車両では、地上に降ろされているコンテナを荷役車両の車台上に積み込む際には、フックアーム先部のフックをコンテナの係合部に係合したのち、リフトアームをフックアームと共に前方に回動させることにより、コンテナを車台上の荷役フレームに積込むようにされるが、かかる積込作業において、フックアーム先端のフックを、コンテナの係合部にうまく係合させる操作が面倒であり、特に、フックアームの先端のフックと、コンテナの係合部との間の距離が長くなり過ぎて、フックがコンテナの係合部に届かない場合には、リフトアームの回動操作以外にフックアームを揺動操作させてフックをコンテナの係合部に係合させるようにしているため、フックの、コンテナの係合部への係合操作が煩雑となり、コンテナの積込時の作業能率が低下するという問題があった。
【0004】
そこで、本出願人は、リフトアームの後方回動操作により、フックアームの揺動操作を行うことなく、フックアーム先部のフックを、コンテナの係合部に的確に係合できるようにして、前記特許文献1のものの問題を解消した、荷役車両を既に提案(特願2004−240654号)しているが、この先願のものでは、コンテナの地上への降ろし態様によっては(たとえば、コンテナが荷役車両に対して高い位置に降ろされているとき)、コンテナの係合部をフックアーム先端のフックに係合するのに手間取る場合が考えられる。
【0005】
そこで、本発明はかかる先願の発明に、さらに改良を加え、コンテナの地上への降ろし態様にかかわりなくリフトアームの後方回動位置からの前方回動により、フックアーム先部のフックを、コンテナの係合部に迅速、的確に係合できるようにして、コンテナ積込時に作業能率を大幅に改善できるようにした、新規な荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、車台上の荷役フレームの後部に起伏回動可能に軸支されるダンプアームに、リフトアームの後端を回動軸により前後に起伏回動可能に軸支し、このリフトアームの先部に、先端にコンテナの係合部と係脱可能なフックを有するフックアームを設け、前記リフトアームの起伏回動によりコンテナを荷役フレームと地上との間で積み降ろしできるようにした、荷役車両において、
前記フックアームの先部前面にガイド部材を設け、このガイド部材は、相互に連なる第1ガイド面と第2ガイド面とを備え、前記第1ガイド面は、前記リフトアームの回動軸と略同心の円弧面に形成され、また前記第2のガイド面は、リフトアームが後方回動位置にあるとき、前記第1ガイド面の上方位置にあって、前記フックアームの先部前面から第1ガイド面に向かう下り勾配の傾斜面に形成され、前記第1ガイド面は、リフトアームの後方回動位置からの前方回動時に、コンテナの係合部を前記フック側に向けて案内し、また前記第2ガイド面は、リフトアームの前記前方回動時に、前記第1ガイド面よりも上方位置にあるコンテナの係合部を該第1ガイド面に向けて案内するようにしたことを特徴としている。
【0007】
また、上記目的を達成するため、請求項2の発明は、前記請求項1の発明において、前記第2ガイド面は、第1ガイド面と同心の円弧面に形成されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
請求項各項の発明によれば、地上のコンテナを荷役車両に積込むに当たり、荷役車両に対するコンテナの降ろし態様にかかわりなく、特にコンテナが高い位置に降ろされている場合にも、リフトアームの後方回動位置からの前方回動に伴ってフックアームのフックを、コンテナの係合部に迅速、的確に案内係合させることができ、フックアームの面倒な揺動制御をすることなく、コンテナの車台への積込み能率を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0010】
図1〜11は、本発明の第1実施例を示すものであり、図1は、コンテナの積込み完了時(走行時)の状態を示す荷役車両の側面図、図2は、コンテナの積込み開始直前の状態を示す荷役車両の側面図、図3は、コンテナの積込み途中の状態を示す荷役車両の側面図、図4は、コンテナのダンプ時の状態を示す荷役車両の側面図、図5は、図1のコンテナを除いた、5矢視拡大平面図、図6は、図5の6−6線に沿う断面図、図7は、図2の7矢視仮想線囲い部分の拡大図、図8は、コンテナの係合部が第1ガイド面を乗り上げた場合の図7に対応する図、図9は、図7の9−9線に沿う拡大図、図10は、図9の10−10線に沿う断面図、図11は、図10の11−11線に沿う断面図である。
【0011】
図1において、荷役車両Vの車台F上には運転室Caの後方において、荷役フレーム1が一体に搭載されている。この荷役フレーム1は、図5に示すように、左右縦桁と、複数の横桁とより前後に長い方形枠状に形成されており、その荷役フレーム1の後端左右には、左右案内ローラ2,2が回転自在に軸架されており、これらの案内ローラ2,2は、荷役フレーム1上に脱着可能に搭載される後述のコンテナCtを誘導案内する。
【0012】
荷役フレーム1の後部には、ダンプアーム3の後端が後方にダンプ可能に設けられる。このダンプアーム3は、図5,6に示すように、左右縦桁の後端に横桁を一体に形成して前端開放の平面視フオークに形成されており、その後端が、前記左右案内ローラ2,2の回転軸線と同じ軸線まわりに前後方向に起伏回動できるように軸支3aされている。前記ダンプアーム3の前端部寄りの中間部には、単一の角筒体よりなるリフトアーム4の後端、すなわち基端が前後方向に起伏回動自在に回動軸9により軸支されている。このリフトアーム4は、荷役フレーム1の左右中間部を前後方向に延びており、その後部はダンプアーム3と前後方向に重なり合っているが、その大部分はダンプアーム3よりも前方に延長されている。荷役フレーム1の前部と、リフトアーム4の中間部との間には、駆動手段、すなわち復動油圧シリンダよりなる、一対のリフトシリンダ7,7が連結されており、これらのリフトシリンダ7,7は、リフトアーム4の左右両側を前後方向に延びており、それらの同調伸縮作動により、図2,3に示すように、リフトアーム4を回動軸9まわりに前後に起伏回動させることができる。
【0013】
図5,6に示すように、リフトアーム4の先端には、フックアーム5の基端が前後方向に回動自在に連結13されている。このフックアーム5は、側面から見てL字状に形成されており、その先部にフック6が一体に設けられる。このフック6は、コンテナCtの前面上部に設けた係合部17に係脱自在である。
【0014】
フックアーム5の先部前面には、本発明に従うガイド部材Gが固定されている。このガイド部材Gは、図9〜11に最も明瞭に示すように、フックアーム5の先部前面5fへの取付部20と、そこから一体に起立するガイド21とを備えて、横断面T字状に形成されており、前記取付部20は、複数のボルト22により、フックアーム5の先部前面5fに固定され、また、ガイド部21の前面には、ガイド面23がフックアーム5の長手方向に沿って形成されており、このガイド面23は、フックアーム5の先端側の第1ガイド面23と、フックアーム5の基部側の第2ガイド面23bとよりなり、第1ガイド面23aは、リフトアーム4の回動中心と略同心、すなわち回動軸9と略同心の、半径R(図7,8参照)とする円弧面よりなり、フックアーム5に先部前面5fの長手方向に沿い、外方に向かって突出形成されている。一方、前記第2のガイド面23bは、リフトアーム4が後方回動位置(図2,7参照)にあるときに、第1ガイド面23の上方位置に位置しており、フックアーム5の先部前面5fから第1ガイド面23aの一端(リフトアーム4が後方回動位置にあるときの上端)に向かう下り勾配の傾斜面、この実施例では傾斜弧面に形成されている。そして、ガイド部23の第1ガイド面23aの先端は前記フック6の近傍まで延びており、フックアーム5の長手方向に沿う第2ガイド面23bの長さは、第1ガイド面23aのそれよりも短くされ、これによりガイド部材Gの全長を短くなり、その軽量化がなされている。
【0015】
図5,6に示すように、リフトアーム4の前部と、フックアーム5の中間部との間には、フックアーム5の駆動手段、すなわち復動油圧シリンダよりなるフックシリンダ8が連結されており、このフックシリンダ8の伸縮作動によれば、フックアーム5を車台Fの前後方向に起伏回動させることができ、これにより、荷役フレーム1上に搭載されるコンテナCtを、荷役フレーム1上を前後方向に移動させることができる。
【0016】
図5〜7に示すように、リフトアーム4、フックアーム5およびダンプアーム3の左右両側には、それらに跨がってリフトアーム4とダンプアーム3とを前後方向に直線状に一体に固縛し、またその固縛を解除するようにした左右一対の固縛機構Lが設けられる。各固縛機構Lは、リフトアーム4の後部一側に回動自在に軸支される固縛フック10と、ダンプアーム3の前端一側に設けられてその固縛フック10が係脱自在に係合し得る被係止部11と、前記固縛フック10の中間部とフックアーム5の基端とをそれぞれピン連結する長さ調整可能なロッド12とより構成されており、図6に示すように、フックアーム5が起立位置、すなわち格納位置にあるとき、ロッド12が後方に押され、固縛フック10は固縛方向に回動されて被係止部11と係合し、これによりリフトアーム4とダンプアーム3とが前後方向に直線状に一体に固縛される。また、前記フックシリンダ8の伸長作動によりフックアーム5が後方に回動(図3、実線および鎖線位置)されると、ロッド12が前方(図6、左方向)に引かれて固縛フック10は固縛解除方向(図6、時計方向)に回動されて被係止部11より離脱し、これによりリフトアーム4とダンプアーム3との固縛が解除され、それらのアーム4,3はそれぞれ別々の回動が許容される。
【0017】
図1〜4に示すように、車台Fの後部にはアウトリガー15が設けられ、このアウトリガー15は、コンテナCtを積み降ろし、あるいはダンプさせるとき、作動されて荷役車両Vを安定させる。
【0018】
一方、荷役車両Vの車台F上に搭載されるコンテナCtは箱状に形成されており、その前面両側は、補強桁14により補強され、その開放後面はリヤゲート16により閉じられ、またその前壁上部には、前記フックアーム5のフック6と係脱可能な係合部17が設けられ、またその底部の前後にはキャスタよりなる複数の走行輪18が軸支されている。
【0019】
つぎに、この第1実施例の作用について説明する。
【0020】
図1に示すように、荷役車両Vの車台F上にコンテナCtが積込まれている状態(車両の走行状態)からフックシリンダ8の伸長作動によりフックアーム5を後方に傾動すると、コンテナCtは、図3二点鎖線に示すように、フックアーム5により左右案内ローラ2,2上を後方に押されて後方に移動し、引き続くフックアーム5の後方回動に伴い前述したように固縛機構Lか解除されてリフトアーム4とダンプアーム3との固定が解除されるので、リフトアーム4はダンプアーム3に対して回動軸9まわりに自由に回動できるようになる。つぎに、リフトシリンダ7を伸長作動させると、リフトアーム4はフックアーム5と共に後方に回動する。これにより、コンテナCtは左右案内ローラ2,2に案内されて車台F上を後方に移動し、コンテナCtは左右案内レール2,2の回転中心を支点として後方に傾動し、その後部下縁は地上GRに着地する(図3参照)。
【0021】
リフトシリンダ7が伸長を継続して最伸長し、後方回動位置(図2,7実線位置)に至れば、フックアーム5は下向きとなって、コンテナCtは地上GRに降ろされる。ここでフックアーム5先端のフック6を係合部17より外せば、コンテナCtは荷役車両Vから分離される。
【0022】
また、荷役フレーム1上にコンテナCtが搭載されている状態、すなわちフックアーム5が格納位置にある状態(図1の状態)のままリフトシリンダ7を伸長すれば、前記固縛機構Lは固縛状態を維持してダンプアーム3とリフトアーム4とを一体に固縛されているので、図4に示すように、それら両アーム3,4は一体となって後方に傾動しコンテナCtをダンプ上げさせることができ、コンテナCt内の収容物を外部に排出することができる。またリフトシリンダ7を収縮作動させれば、コンテナCtをダンプ下げして荷役フレーム1上に降ろすことができる。
【0023】
なお、前述のコンテナCtの降ろし作業およびダンプ作業は、従来の荷役車両と同じである。
【0024】
つぎに、地上GRに降ろされたコンテナCtを車台F上に積込む過程について説明する。
【0025】
a.地上に降ろされているコンテナCtの前方に、適宜の間隔をあけて荷役車両Vを縦列停車させたのち、リフトアーム4をフックアーム5と共に回動軸9まわりに後方回動位置までフルに回動させる(図2,7参照)。この回動操作は、前述のコンテナCtの降ろし操作の場合と同じである。
【0026】
b.つぎに、荷役車両Vを後退させると、フックアーム5の先部前面5fに設けたガイド部材Gの第1ガイド面23aがコンテナCtの係合部17に当接される。このとき、フックアーム5先端のフック6は、コンテナCtの前壁に当たることはなく、またリフトアーム4が後方回動位置に回動されたときの第1ガイド面23aの上端は、コンテナCtの係合部17よりも上方位置にあることにより、フックアーム5を揺動調整する必要はない。
【0027】
c.ついで、リフトシリンダ7の収縮作動により、後方回動位置にあるリフトアーム4をフックアーム5と共に回動軸9まわりに前方に回動させる。このとき、ガイド部材Gの第1ガイド面23aは、リフトアーム4の回動軸9と略同心の円弧面に形成されているので、リフトアーム4の前方回動に伴い、フックアーム5は、ガイド部材Gの第1ガイド面23aとコンテナCtの係合部17との当接により案内されながら第1ガイド面23aに沿ってスムーズに上方に移動し、フック6を、コンテナCtの係合部17に的確に係合させることができる(図2,7二点鎖線参照)。
【0028】
ところで、コンテナCtの地上への降ろし態様(たとえば、コンテナCtが荷役車両Vに対して高い位置に降ろされている)によっては、前述のように、リフトアーム4を後方回動位置から前方に回動させて、ガイド部23をコンテナCtの係合部17に当接させるときに、この係合部17が、ガイド部23によって持ち上げられて第1ガイド面23aを乗り越える(図8参照)ことがあり、このときに、該係合部17は、第1ガイド面23aから第2ガイド面23bに移動するに至るが、この第2ガイド面23bは、図10に明瞭に示すように、フックアーム5の先部前面5fから第1ガイド面23aの一端に向かって下り勾配に傾斜する傾斜面、この実施例では傾斜弧面に形成されているので、この第2ガイド面23bにより、コンテナCtの係合部17はリフトアーム4の前方回動に伴って後方下向きに強制的に案内されて第1ガイド面23aに当接するようになる。したがって、前記係合部17は、第1ガイド面23aを乗り越えることがあっても、第2ガイド面23bにより円滑、迅速に第1ガイド面23aに戻るように後方に案内されされるので、フックアーム5は、ガイド部材Gの第1ガイド面23aとコンテナCtの係合部17との当接により案内されながら、引き続くリフトアーム4の前方回動に伴って上方に移動し、そのフック6を、コンテナCtの係合部17に的確に係合させることができる。
【0029】
d.引き続くリフトアーム4の前方回動によれば、図3実線位置より二点鎖線位置に示すように、コンテナCtは荷役フレーム1上に積込まれてその上を前方に移動し、最後にフックシリンダ8の収縮作動により、フックアーム5は格納位置に回動して、図1に示すように、荷役車両VへのコンテナCtの積込みを完了する。
【0030】
以上のように、地上のコンテナCtを荷役車両Vに積込むに当たり、コンテナCtの地上への降ろし態様によって、たとえば、コンテナCtが荷役車両Vに対して高い位置に降ろされている場合に、コンテナCtの係合部17がガイド部材23によって持ち上げられて第1ガイド面23aを越えて第2ガイド面23bに乗り上げることがあっても、引き続くリフトアーム4の前方回動により、該係合部17は第2ガイド面23bにより後方下向きに案内されて再び第1ガイド面23aに当接するので、その係合部17がガイド部材Gにより持ち上げられたままになるのを阻止することができる。よって、コンテナCtの地上GRへの降ろし態様にかかわらず、リフトアーム4の後方回動位置からの前方回動操作で、コンテナCtの係合部17をガイド部21により案内してフックアーム5のフック6を、コンテナCtの係合部17に迅速、的確に係合させることができ、コンテナCtの荷役フレーム1への積込み能率が大幅に改善される。
【0031】
つぎに、本発明の第2実施例について説明する。
【0032】
図12〜14は、本発明の第2実施例を示すものであり、図12は、第1実施例の図7に対応する図、図13は、図12の13−13線に沿う拡大部分図、図14は、図13の14−14線に沿う断面図であり、前記第1実施例と同じものには同じ符号が付される。
【0033】
この第2実施例は、本発明に従うガイド部23の構造が前記第1実施例と異なっている。
【0034】
フックアーム5の前面に、複数のボルトにより固定される案内部材Gは、前記第1実施例のものよりもフックアーム5の長手方向に沿って長く形成されている。ガイド部21の前面の第1ガイド面23aは、前記第1実施例のものと同じ構造に形成されており、すなわちリフトアーム4の回動軸9と略同心の半径Rの円弧面に形成されるのに対してガイド部21の前面の第2ガイド面23bも第1ガイド面23aと同じくは、リフトアーム4の回動軸9と略同心の半径Rの円弧面に形成される。そして、第2のガイド面23bは、前記第1実施例と同じくフックアーム5の前面から第1ガイド面23aに向かって下り勾配の傾斜面に形成されていて第1ガイド面23aに滑らかに連続している。
【0035】
しかして、この第2実施例のガイド部23も前記第1実施例と同じ作用を奏する。
【0036】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
【0037】
たとえば、前記実施例では、ガイド部23の第2ガイド面23bを傾斜弧面に形成しているが、これを平坦傾斜面に形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンテナの積込み完了時(走行時)の状態を示す荷役車両の側面図(第1実施例)
【図2】コンテナの積込み開始直前の状態を示す荷役車両の側面図
【図3】コンテナの積込み途中の状態を示す荷役車両の側面図
【図4】コンテナのダンプ時の状態を示す荷役車両の側面図
【図5】図1の5矢視拡大平面図
【図6】図5の6−6線に沿う断面図
【図7】図2の7矢視仮想線囲い部分の拡大図
【図8】コンテナの係合部が第1ガイド面を乗り上げた場合の図7と同じ図
【図9】図7の9−9線に沿う拡大図
【図10】図9の10−10線に沿う断面図
【図11】図10の11−11線に沿う断面図
【図12】第1実施例の図7に対応する図(第2実施例)
【図13】図12の13−13線に沿う拡大部分図
【図14】図13の14−14線に沿う断面図
【符号の説明】
【0039】
1・・・・・・・・・荷役フレーム
3・・・・・・・・・ダンプアーム
4・・・・・・・・・リフトアーム
5・・・・・・・・・フックアーム
5f・・・・・・・・先部前面
6・・・・・・・・・フック
9・・・・・・・・・回動軸
17・・・・・・・・・係合部
23a・・・・・・・・第1ガイド面
23b・・・・・・・・第2ガイド面
F・・・・・・・・・車台
Ca・・・・・・・・・運転室
Ct・・・・・・・・・コンテナ
G・・・・・・・・・ガイド部材
GR・・・・・・・・・地上
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台(F)上の荷役フレーム(1)の後部に起伏回動可能に軸支されるダンプアーム(3)に、リフトアーム(4)の後端を回動軸(9)により前後に起伏回動可能に軸支し、このリフトアーム(4)の先部に、先端にコンテナ(Ct)の係合部(17)と係脱可能なフック(6)を有するフックアーム(5)を設け、前記リフトアーム(4)の起伏回動によりコンテナ(Ct)を荷役フレーム(1)と地上(GR)との間で積み降ろしできるようにした、荷役車両において、
前記フックアーム(5)の先部前面(5f)にガイド部材(G)を設け、このガイド部材(G)は、相互に連なる第1ガイド面(23a)と第2ガイド面(23b)とを備え、 前記第1ガイド面(23a)は、前記リフトアーム(4)の回動軸(9)と略同心の円弧面に形成され、また前記第2のガイド面(23b)は、リフトアーム(4)が後方回動位置にあるとき、前記第1ガイド面(23a)の上方位置にあって、前記フックアーム(5)の先部前面(5f)から第1ガイド面(23a)に向かう下り勾配の傾斜面に形成され、
前記第1ガイド面(23a)は、リフトアーム(4)の後方回動位置からの前方回動時に、コンテナ(Ct)の係合部(17)を前記フック(6)側に向けて案内し、また前記第2ガイド面(23b)は、リフトアーム(4)の前記前方回動時に、前記第1ガイド面(23a)よりも上方位置にあるコンテナ(Ct)の係合部(17)を該第1ガイド面(23a)に向けて案内するようにしたことを特徴とする、荷役車両。
【請求項2】
前記第2ガイド面(23b)は、第1ガイド面(23a)と同心の円弧面に形成されていることを特徴とする、前記請求項1記載の荷役車両。
【請求項1】
車台(F)上の荷役フレーム(1)の後部に起伏回動可能に軸支されるダンプアーム(3)に、リフトアーム(4)の後端を回動軸(9)により前後に起伏回動可能に軸支し、このリフトアーム(4)の先部に、先端にコンテナ(Ct)の係合部(17)と係脱可能なフック(6)を有するフックアーム(5)を設け、前記リフトアーム(4)の起伏回動によりコンテナ(Ct)を荷役フレーム(1)と地上(GR)との間で積み降ろしできるようにした、荷役車両において、
前記フックアーム(5)の先部前面(5f)にガイド部材(G)を設け、このガイド部材(G)は、相互に連なる第1ガイド面(23a)と第2ガイド面(23b)とを備え、 前記第1ガイド面(23a)は、前記リフトアーム(4)の回動軸(9)と略同心の円弧面に形成され、また前記第2のガイド面(23b)は、リフトアーム(4)が後方回動位置にあるとき、前記第1ガイド面(23a)の上方位置にあって、前記フックアーム(5)の先部前面(5f)から第1ガイド面(23a)に向かう下り勾配の傾斜面に形成され、
前記第1ガイド面(23a)は、リフトアーム(4)の後方回動位置からの前方回動時に、コンテナ(Ct)の係合部(17)を前記フック(6)側に向けて案内し、また前記第2ガイド面(23b)は、リフトアーム(4)の前記前方回動時に、前記第1ガイド面(23a)よりも上方位置にあるコンテナ(Ct)の係合部(17)を該第1ガイド面(23a)に向けて案内するようにしたことを特徴とする、荷役車両。
【請求項2】
前記第2ガイド面(23b)は、第1ガイド面(23a)と同心の円弧面に形成されていることを特徴とする、前記請求項1記載の荷役車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2007−99233(P2007−99233A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−295396(P2005−295396)
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月7日(2005.10.7)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)
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