説明

荷役車両

【課題】コンテナ降ろし動作を行う際に、車体に対するダンプアームのロック及びダンプアームに対するリフトアームのロックが適切に切り換えられている場合のみに、リフトシリンダの動作を許容する。
【解決手段】コンテナ降ろし動作のため、フックアーム7を後方にスライドしたときに、リフトアームロック装置13がロック解除状態になったことをリフトアームロック検出センサ30により検出し、ダンプアームロック装置52がロック状態になったことをダンプアームロック検出センサ31により検出した場合にのみ、リフトシリンダ8の作動を許容するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの積み降ろしや、搭載したコンテナのダンプ動作が可能な荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、コンテナが搭載される車体と、車体に対して回動可能なダンプアームと、ダンプアームに対して回動可能なリフトアームと、リフトアームにスライド可能に取り付けられたフックアームと、ダンプアーム及びリフトアームを回動動作させるリフトシリンダと、フックアームをスライド動作させるスライドシリンダとを備えた荷役車両が開示されている。この荷役車両では、車体に搭載したコンテナの中味を後端から排出させるダンプ動作や、車体に対してコンテナを積み降ろしする動作を自動的に行うことができるようになっている。
【0003】
上記ダンプ動作は、コンテナ搭載状態からダンプアームとリフトアームとをリフトシリンダによって一体的に上方に回動させることにより、コンテナを後下がり状に傾斜させ、コンテナの中味をその重力によって排出する。また、コンテナ降ろし動作は、車体に対するダンプアームの回動を規制した状態で、フックアームを後方にスライドさせてコンテナを車体後方へ少し押し出し、その後リフトシリンダによってリフトアームを回動させることにより、コンテナを車体後方に着地させる。
【0004】
したがって、上記ダンプ動作においては、ダンプアームに対するリフトアームの回動を規制する(ロックする)ロック装置(リフトアームロック装置)が必要であり、上記コンテナ降ろし動作においては、車体に対するダンプアームの回動を規制するロック装置(ダンプアームロック装置)が必要である。特許文献1には、これらのロック装置を設けると共に、フックアームのスライドに連動して、これらのロック装置をロック状態とロック解除状態との間で切り換える連結部材を設けることが開示されている。
【0005】
特許文献1では、車体にコンテナを搭載した状態で、リフトアームロック装置はロック状態にし、ダンプアームロック装置はロック解除状態にしておく。そして、ダンプ動作を行う場合は、各ロック装置の作動状態を維持したままリフトシリンダを作動させ、リフトアームとダンプアームとを一体的に回動させる。コンテナ降ろし動作を行う場合は、フックアームを後方にスライドさせたときに、連結部材によってリフトアームロック装置をロック状態からロック解除状態に切り換えるとともに、ダンプアームロック装置をロック解除状態からロック状態に切り換える。そして、フックアームのスライドが終了したのちリフトシリンダを伸長させ、車体に対してダンプアームを固定したままリフトアームのみを回動させるようになっている。
【特許文献1】特許第2918786号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし特許文献1の技術では、前記連結部材が何らかの原因で損傷し、リフトアームロック装置やダンプアームロック装置が適切に作動していない状態でもリフトシリンダが作動してしまう可能性がある。この場合、次のような問題が生じる。
例えば、コンテナ降ろし動作の際に、フックアームが後方にスライドし、ダンプアームロック装置が切り換えられたにも関わらずリフトアームロック装置が切り換えられず、車体に対するダンプアームのロックが解除された状態でダンプアームに対してリフトアームがロックされたままになると、リフトシリンダによってリフトアームとダンプアームとが一体的に上方へ回動してしまう。そのため、コンテナの重心が車体に対して後方へ移動したままダンプ動作が行われ、荷役車両の前後方向の重量バランスが崩れてしまう。
同様に、コンテナ降ろし動作の際に、フックアームが後方にスライドし、リフトアームロック装置が切り換えられたにも関わらずダンプアームロック装置が切り換えられず、ダンプアームに対するリフトアームのロックが解除された状態で車体に対するダンプアームのロックが解除されたままになると、リフトシリンダによってリフトアームを回動させたときに、ダンプアームも共回りしてしまい、適切なコンテナ降ろし動作を行うことができない。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、アーム装置の先端部(フックアーム)の前後移動に連動してロック装置を切り換え可能とし、かつ、その切り換え状態を検知して、適切な切り換えがなされたときのみ駆動装置(リフトシリンダ)の作動を許容することによって、適切にコンテナ降ろし動作を行うことができる荷役車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コンテナを搭載する車体と、
基端部が前記車体に回動可能に連結されるとともに、中途部が回動によって屈折可能であり、且つ、先端部が前後移動可能に構成されたアーム装置と、前記アーム装置に回動動作のための駆動力を付与する駆動装置と、を備え、前記車体に対して前記コンテナを積み降ろしする際に、前記アーム装置の先端部の前後移動を伴う荷役車両であって、
前記アーム装置の回動を規制するロック装置と、
前記アーム装置の先端部の前後移動に連動して前記ロック装置の作動状態を切り換える操作装置と、
前記ロック装置の作動状態を検出するロック検出センサと、
前記ロック検出センサの検出結果に基づき、前記駆動装置の作動可否を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
これによれば、コンテナ降ろし動作を行う場合に、アーム装置の先端部を後方に移動すると、これに連動して、ロック装置が操作装置によってロック状態とロック解除状態との間で切り換えられる。この際、ロック装置が適切に切り換えられたかどうかはロック検出センサによって検出され、その検出結果に応じて駆動装置を作動させるか否かが制御装置によって制御される。したがって、ロック装置が適切に切り換えられた場合は、駆動装置の作動を許容し、アーム装置を回動してコンテナ降ろし動作を継続することができ、ロック装置が適切に切り換えられない場合は、駆動装置の作動を禁止してコンテナ降ろし動作を中断し、荷役車両のバランスが悪化するのを防止することができる。
【0010】
前記アーム装置は、基端部が前記車体に回動可能に連結されたダンプアームと、基端部が前記ダンプアームに回動可能に連結されたリフトアームと、前記アーム装置の先端部を構成し且つ前記リフトアームに前後移動可能に連結されたフックアームとを有し、
前記ロック装置は、前記ダンプアームに対する前記リフトアームの回動をロックするリフトアームロック装置を含み、
前記ロック検出センサは、前記リフトアームロック装置の作動状態を検出するリフトアームロック検出センサを含み、
前記操作装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動したときに前記リフトアームロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り換える機能を備え、
前記制御装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動し、且つ、前記リフトアームロック検出センサが前記リフトアームロック装置のロック解除状態を検出したときに、前記駆動装置の作動を許可する機能を備えていることが好ましい。
【0011】
これによれば、コンテナ降ろし動作を行う場合に、リフトアームとダンプアームとが一体的に回動してしまうことを防止することができる。
【0012】
また、前記アーム装置は、基端部が前記車体に回動可能に連結されたダンプアームと、基端部が前記ダンプアームに回動可能に連結されたリフトアームと、前記アーム装置の先端部を構成し且つ前記リフトアームに前後移動可能に連結されたフックアームとを有し、
前記ロック装置は、前記車体に対する前記ダンプアームの回動をロックするダンプアームロック装置を含み、
前記ロック検出センサは、前記ダンプアームロック装置の作動状態を検出するダンプアームロック検出センサを含み、
前記操作装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動したときに前記ダンプアームロック装置をロック解除状態からロック状態へ切り換える機能を備え、
前記制御装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動し、且つ、前記ダンプアームロック検出センサが前記ダンプアームロック装置のロック状態を検出したときに、前記駆動装置の作動を許可する機能を備えていることが好ましい。
【0013】
これによれば、コンテナ降ろし動作を行う場合に、ダンプアームに対するリフトアームの回動に伴って、ダンプアームが車体に対して回動し、浮き上がってしまうことを防止することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アーム装置の先端部(フックアーム)の前後移動に連動するロック装置の切り換え状態を検知して、適切な切り換えがなされたときのみ駆動装置(リフトシリンダ)の作動を許容するので、適切にコンテナ降ろし動作を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1(a)は、本発明の実施形態に係る荷役車両において、車体1にコンテナ3が搭載された状態を示す側面図である。この図において、車体1は、その後部のシャシフレーム1aと、このシャシフレーム1a上に取り付けられたサブフレーム1bとを備えている。サブフレーム1bにはキャリア装置2が取り付けられており、このキャリア装置2にコンテナ3が搭載される。この荷役車両は、車体1に対してコンテナ3を積み降ろしする動作、及び、車体1に搭載されたコンテナ3をダンプさせる動作が、選択的に実行できるように構成されている。コンテナ3は、その後方下部に着地時の車輪としてのローラ3rを備えている。
【0016】
図2(a)(b)は、それぞれ上記キャリア装置2のみを示す平面図及び側面図である。この図の左側が車体前側、右側が車体後側である。サブフレーム1bに取り付けられたキャリア装置2は、基端部(後端部)がサブフレーム1bに回動可能に軸着されたダンプアーム5と、基端部(後端部)がダンプアーム5に回動可能に軸着されたリフトアーム6と、基部7h(水平な部分)の一部がリフトアーム6に挿入され、かつ、リフトアーム6に対して前後方向にスライド可能なL字状のフックアーム7と、油圧により動作する一対のリフトシリンダ8と、1個のスライドシリンダ9とを備えている。
【0017】
ダンプアーム5,リフトアーム6、及びフックアーム7は、本発明のアーム装置を構成しており、したがって、このアーム装置は、ダンプアーム5によって構成される基端部が車体1に回動可能に連結され、中途部がダンプアーム5とリフトアーム6との相対回動によって屈折し、先端部を構成するフックアーム7が前後方向に移動可能となっている。
【0018】
上記リフトシリンダ8の一端(前端)はサブフレーム1bに、他端(後端)はリフトアーム6にそれぞれ接続されている。また、スライドシリンダ9の一端(後端)はリフトアーム6に、他端(前端)はフックアーム7にそれぞれ接続されている。サブフレーム1bは、シャシフレーム1a(図1)に固定され、共に車体1を構成する。
なお、上記サブフレーム1bを省略して、キャリア装置2をシャシフレーム1aに直接取り付けることも可能である。
【0019】
上記ダンプアーム5は、左右方向に配置されたピン10により後端側でサブフレーム1bに軸着され、車体後方側へ回動可能である。また、ダンプアーム5の後端側には、左右方向の軸芯回りに回転自在なローラ51が設けられている。上記リフトアーム6は、ダンプアーム5の前部側に、左右方向に配置されたピン11により軸着され、フックアーム7と共に、当該ピン11又はピン10を中心に回動可能である。フックアーム7は、側面視でL字形状に形成され、回動端側(前端側)の上端部にコンテナ3の係合片(リフトバー)3a(図12参照)を引っかけるフック7aを有する。リフトアーム6とフックアーム7とは、コンテナ積み降ろし動作の際にはダンプアーム5に対してピン11を中心に回動し、ダンプ動作の際にはダンプアーム5と一体的にピン10を中心として回動する。
【0020】
上記スライドシリンダ9は、その伸縮動作により、フックアーム7を、図2(b)に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで又はその逆に、スライドさせることができる。また、上記リフトシリンダ8は、その伸縮動作により、リフトアーム6に回動動作のための駆動力を付与する。
【0021】
本実施形態のキャリア装置2は、アーム装置(ダンプアーム5、リフトアーム6及びフックアーム7)の回動を規制(ロック)するロック装置13,52を備えている。図3(a)は、ダンプアーム5及びリフトアーム6とともにロック装置13,52を示す平面図、図3(b)は、(a)のB−B矢視断面図である。図4(a)は、ロック装置13,52を拡大して示す平面図、図4(b)は、ロック装置52の概略側面図である。このロック装置は、ダンプアーム5に対するリフトアーム6の回動を規制するリフトアームロック装置13と、サブフレーム1b(車体1)に対するダンプアーム5の回動を規制するダンプアームロック装置52とを備えている。
【0022】
図3(a)に示すように、リフトアームロック装置13は、リフトアーム6の左右方向略中央部に配置されている。図5は、リフトアームロック装置13が設けられている位置周辺を示す概略の側断面図である。リフトアームロック装置13は、車体前後方向の軸心を有するロックピン(係合部)19を備え、このロックピン19は、リフトアーム6に設けられた一対のブラケット15,16を介して前後移動可能に支持されている。より詳しく説明すると、各ブラケット15,16にはそれぞれ前後方向に貫通する孔が形成され、この孔にブッシュ17,18が取り付けられ、このブッシュ17,18にロックピン19が摺動可能に挿通されている。このブッシュ17,18によって、ロックピン19の前後移動による摩擦抵抗が低減され、ロックピン19の円滑な前後移動が確保されている。
【0023】
ロックピン19は、中間より前寄り(図5の左方向寄り)に筒状の大径部19aを備えている。大径部19aとロックピン19とは、上下方向に連結ピン21を挿通させることにより一体的に連結されている。また、連結ピン21の上端部は、大径部19aよりも上方に突出し、円筒状のローラ14が回転可能に取り付けられている。
ロックピン19の大径部19aと後側のブッシュ18との間には、圧縮コイルばねよりなる付勢部材20が装着されており、これにより、ロックピン19は、前方向(図5の左方向;ロック方向)に付勢されている。
【0024】
ダンプアーム5の先端側には、孔5bを形成した被係合部5aが設けられており、ロックピン19は、大径部19aが前側のブッシュ17に当たるまで前方向に移動することによって孔5bに挿入され、被係合部5aに係合する。この状態がリフトアームロック装置13のロック状態である。ロック状態では、リフトアーム6はダンプアーム5と一体でピン10(図2)回りに回動可能となる。
【0025】
また、図5は、ロックピン19が後方に移動することによって被係合部5aの孔5bから離脱した状態を示している。これがリフトアームロック装置13のロック解除状態(非ロック状態)である。ロック解除状態では、リフトアーム6はダンプアーム5から解放され、単独でピン11回りに回動可能となる。
【0026】
ロックピン19の前方(ロック方向)への移動は、付勢部材20によって行われるが、後方(ロック解除方向)への移動は、フックアーム7に設けられた操作装置12によって行われる。この操作装置12は、フックアーム7の後端部に左右方向に水平に取り付けられた当接部(丸棒)によって構成されている。フックアーム7がスライド動作によって車両の後方側へ後退すると(図1(b)参照)、当接部12がローラ14に当接してロックピン19を後方へ押し、被係合部5aの孔5bからロックピン19を離脱させる。
【0027】
図4(a)及び図5に示すように、ローラ14は、リフトアーム6の一部に形成されたガイド孔6a内に収められている。このガイド孔6aは、当接部12の移動する方向へ延びている。図5に示す状態からリフトアーム6が上方へ回動すると、リフトアームロック装置13も一緒に回動する。
【0028】
次に、ダンプアームロック装置52について説明する。図3(a)に示すように、ダンプアームロック装置52は、回動軸53と、係合部54と、被当接部56とを備えており、回動軸53は、右舷側のダンプアーム5から車幅方向の略中央部に渡る範囲で車幅方向に延び、ダンプアーム5に回動自在に取り付けられている。回動軸53の一端(右端)には係合部54が固定され、他端(左端)には被当接部56が固定されている。係合部54とダンプアーム5との間にはばね55が介装されている。
【0029】
図4(b)において、係合部54と被当接部56とは互いに回動軸53を介して一体に回動可能である。また、係合部54及び被当接部56は、ばね55によって回動軸53を中心として図4(b)における反時計回り方向に付勢されている。なお、被当接部56は、図4(b)に示す位置が反時計回り方向への回動終端となるように取り付けられており、これ以上は反時計回りに回動しない。
車体側のサブフレーム1b(図2)には、ピン41が設けられており、係合部54は、回動軸53を中心とした回動によってピン41に係脱可能である。図4(b)の状態では、係合部54はピン41から離脱しており、従って、ダンプアーム5は車体から解放されている。
【0030】
上記被当接部56は、当接部12と当接する当接面56cを前側に備えており、この当接面56cは、直線状の基部56aと、後方側へ反るように湾曲した先部56bとにより構成されている。また、被当接部56は、図3(b)に示すように、その基部56aの一部と先部56bとを、ガイド孔6aから上に突出させるように配置されている。図4(a)に示すように、被当接部56には仕切り板26が隣接して設けられており、この仕切り板26を挟んで車幅方向の反対側にはローラ14が存在している。ローラ14も、その上部をガイド孔6aから上に突出させている(図5参照)。仕切り板26はガイド孔6aの下方にあり、リフトアーム6に固定されている。
【0031】
図6は、ガイド孔6aの平面図である。フックアーム7(図5)が車体後方側へ移動すると、当接部12がリフトアームロック装置13のローラ14及びダンプアームロック装置52の被当接部56と当接し、これらを車体後方側へ押す。すなわち、1つの当接部12で、ローラ14及び被当接部56の双方を駆動することができる。また、被当接部56とローラ14とは、ガイド孔6aを共有しながら、仕切り板26により、相互の干渉が防止される構造となっている。すなわち、1つのガイド孔6aが、2つの用途に兼用される。
【0032】
図7〜11は、ダンプアームロック装置52の動作を説明する概略の側面図である。フックアーム7が後退して図7の位置に達すると、当接部12が被当接部56に当接する。ここからさらにフックアーム7及び当接部12が後退端まで移動すると、被当接部56及び係合部54は、ばね55に抗して回動軸53を中心に時計回り方向に回動し、図8の状態となる。このとき、係合部54はピン41と係合し、ダンプアーム5は車体に固定される。一方、このときリフトアームロック装置13は図5に示すロック解除状態にあり、ダンプアーム5に対するリフトアーム6の回動規制は解除されている。
【0033】
図8に示す状態からリフトアーム6がピン11を中心に上方へ回動し始めると、被当接部56に対する当接部12の当接点の回動軌跡Pは、ピン11を中心とする円弧となるが、被当接部56の基部56aは直線状であり、ピン11から見て回動軌跡Pより内側にある。従って、リフトアーム6の回動に伴って、図9に示すように、ばね55により付勢されている被当接部56は反時計回り方向に戻るように動作する。但し、動作量は少ない。また、これに伴って、係合部54はピン41から外れ始めるが、この時点ではまだ係合解除されてはいない。
【0034】
さらにリフトアーム6の回動が進むと、当接部12と当接するのは被当接部56の先部56bとなり、この先部56bは後方へ反るように湾曲した形状であるため、図10に示すように、被当接部56が反時計回り方向に戻る動作の量が大きくなる。また、係合部54はピン41から外れそうになるが、かろうじて、まだ係合解除(ロック解除)されていない状態である。
【0035】
ここからさらにリフトアーム6の回動が進むと、被当接部56は回動終端まで反時計回りに回動し、図11に示すように、係合部54とピン41との係合は解除される。従って、ダンプアーム5は、車体に拘束されることなく回動可能な状態となる。リフトアーム6がさらに回動しても、被当接部56の位置は変わらない。
【0036】
リフトアーム6が後方へ回動した状態から前方へ戻るときは、最初に図11に示すように当接部12が被当接部56の先部56bに当接する。さらにリフトアーム6が反時計回り方向に回動すると、当接部12が先部56bを押し、その湾曲形状から被当接部56には時計回り方向のトルクが発生する。従って被当接部56は係合部54と共にばね55の付勢に抗して時計回り方向に回動し始める。なお、当接部12は丸棒であり角がないため、被当接部56と摺動接触しても、被当接部56の摩耗が抑制される。
【0037】
以後、図10、図9、図8の順に示すように被当接部56及び係合部54が回動し、係合部54がピン41と係合した状態(ダンプアーム5が車体に拘束された状態)となる。そして、フックアーム7の前進により再び、図7に示すように、係合が解除された状態となる。
【0038】
図3に示すように、本実施形態では、リフトアームロック装置13の作動状態(ロック状態にあるか否か)を検出するリフトアームロック検出センサ30と、ダンプアームロック装置52の作動状態(ロック状態にあるか否か)を検出するダンプアームロック検出センサ31とを備えている。これらのロック検出センサ30,31は、いずれも近接センサにより構成されている。リフトアームロック検出センサ30は、ブラケット等を介してリフトアーム6に固定され、ロックピン19の後方に配置されている。ダンプアームロック検出センサ31は、ブラケット等を介してダンプアーム5に固定され、係合部54の前方に配置されている。
【0039】
リフトアームロック検出センサ30は、図5に示すように、ロックピン19が後方へ移動し、ダンプアーム5の被係合部5aから離脱したとき(リフトアームロック装置13がロック解除状態となったとき)に、ロックピン19の後端を非接触で感知し、リフトアームロック装置13がロック解除状態になったことを検出する。逆に、ロックピン19が前方へ移動してダンプアーム5の被係合部5aに係合すると、リフトアームロック検出センサ30はロックピン19を感知しなくなり、これをもってリフトアームロック装置13がロック状態になったことを検出する。
【0040】
ダンプアームロック検出センサ31は、図8に示すように、係合部54が回動軸53回りに時計方向に回動しピン41に係合したときに、係合部54の前端を非接触で感知し、ダンプアームロック装置52がロック状態になったことを検出する。逆に、図7に示すように、係合部54が反時計方向に回動し、ピン41から離脱したとき、ダンプアームロック検出センサ31は係合部54を感知しなくなり、これをもってダンプアームロック装置52がロック解除状態になったことを検出するようになっている。
【0041】
また、本実施形態のキャリア装置2には、リフトアームロック検出センサ30及びダンプアームロック検出センサ31の他に、近接センサよりなる着床検知センサ29(図5)及び走行位置検知センサ(図示略)が設けられている。着床検知センサ29は、図5に示すようにサブフレーム1bに設けられており、リフトアーム6が上方に回動せずにサブフレーム1bに沿った状態に配置されたときにリフトアーム6を感知する。走行位置検知センサは、図1(a)に示す如く、荷役車両が走行可能な状態にあるときに、コンテナ3又はキャリア装置2を感知する。
【0042】
上記のようなリフトアームロック検出センサ30やダンプアームロック検出センサ31の検出結果は、制御装置33(図15)に入力され、リフトシリンダ8の動作制御に用いられる。特に本実施形態では、コンテナ降ろし動作を行う際に、リフトアームロック検出センサ30及びダンプアームロック検出センサ31の検出結果に基づいてリフトシリンダ8を制御し、適切な動作を行うことができるようにしている。
【0043】
図14は、リフトシリンダ8及びスライドシリンダ9の作動油圧回路である。リフトシリンダ8及びスライドシリンダ9には、可変容量ピストンポンプからなる油圧ポンプPによって発生した作動油が油路44,46,47及びコントロールバルブ39等を介して供給される。コントロールバルブ39内には、スライドシリンダ9への作動油の供給・停止を切り換える第1切換バルブ34と、リフトシリンダ8への作動油の供給・停止を切り換える第2切換バルブ35とが設けられている。また、第1切換バルブ34とスライドシリンダ9との間の油路46には、パイロットチェックバルブ37が設けられ、第2切換バルブ35と8との間の油路47にはカウンタバランスバルブ38が設けられている。
【0044】
図14において、第1切換バルブ34及び第2切換バルブ35は中立位置にあり、油圧ポンプPから吐出された作動油は吐出油路44から排出油路45を介してタンクTに戻される。そして、第1切換バルブ34を切り換えると、油路46を介してスライドシリンダ9の伸長側又は収縮側に油圧が供給され、第2切換バルブ35を切り換えると、油路47を介してリフトシリンダ8の伸長側又は収縮側に油圧が供給される。コントロールバルブ39には、第2切換バルブ35よりも上流側で吐出油路44から分岐するリリーフ油路40が設けられ、このリリーフ油路40にリリーフ弁36が設けられている。
【0045】
図15は、リフトシリンダ8及びスライドシリンダ9の制御ブロック図である。リフトアームロック検出センサ30、ダンプアームロック検出センサ31、着床センサ29、及び走行位置検出センサ32の検出結果は制御装置33に入力される。そして、第1切換バルブ34及び第2切換バルブ35は、各センサの検出結果に基づいた制御装置33の指令により切り換えられ、スライドシリンダ9及びリフトシリンダ8が制御されるようになっている。
【0046】
次に、上記のように構成された荷役車両のコンテナ積み降ろし動作及びダンプ動作について具体的に説明する。
まず、コンテナ降ろし動作について、図16のフロー図等を参照して説明する。コンテナ降ろし動作を行う前には、図1(a)の如くコンテナ3が車体1に搭載された状態(走行可能な状態)にある。この状態では、図示しない既知の固縛装置がサブフレーム1b(図2)にコンテナ3を固縛した状態にあり、図示しない走行位置検知センサがコンテナの搭載状態を検出している。
【0047】
キャリア装置2の操作盤に設けられた脱着下げボタン(いずれも図示略)をオンにすると(ステップS1)、図5に示す着床検知センサ29がオンであるか否か、すなわち、リフトアーム6がサブフレーム1bから上方に回動していないかどうかが判断され(ステップS2)、着床検知センサ29がオンであれば、制御装置33の指令により第1切換バルブ34が開き、スライドシリンダ9が収縮を開始する(ステップS3)。これによって、フックアーム7が後方にスライドし、図1(b)に示す位置まで後退する。また、これにより、コンテナ3も後方へ移動する。
【0048】
図5に示すように、フックアーム7の後退によって当接部12がローラ14に当接し、さらにフックアーム7が後退端まで後退すると、当接部12がローラ14及びロックピン19を後方へ押し込み、リフトアームロック装置13によるリフトアーム7のロックが解除される。このロック解除により、リフトアーム6はダンプアーム5に拘束されることなく、単独で回動可能な状態となる。また、ロックピン19が後方に移動すると、ロックピン19の後端がリフトアームロック検出センサ30によって感知され、リフトアームロック検出センサ30がオンになる。これによりリフトアームロック装置13がロック解除状態になったことが検出される(図16のステップS4)。
【0049】
一方、図8に示すように、フックアーム7の後退により、当接部12が被当接部56に当接し、さらにフックアーム7が後退端まで後退すると、当接部12が被当接部56を押して、ダンプアームロック装置52の係合部54がサブフレーム1bのピン41に係合し、ダンプアーム5は車体に対して回動規制(ロック)された状態となる。この際、係合部54の先端部がダンプアームロック検出センサ31によって感知され、ダンプアームロック検出センサ31がオンになる。これによりダンプアームロック装置52がロック状態になったことが検出される(図16のステップS5)。
【0050】
このステップS4,S5において、リフトアームロック装置13がロック解除状態になり、且つ、ダンプアームロック装置52がロック状態になったことが検出されると、各ロック装置13,52が正常に当接部12によって操作されていることになるので、制御装置33の指令により第1切換バルブ34が閉じてスライドシリンダ9が収縮を停止し(ステップS6)、更に第2切換バルブ35が開いてリフトシリンダ8が伸長を開始し、ピン11を中心としてリフトアーム6が後方に回動する(ステップS7)。
【0051】
リフトアーム6の回動初期には、ダンプアームロック装置52によって車体に対するダンプアーム5の回動が規制されているため、ダンプアーム5がリフトアーム6と共回りすることはない。しかし、リフトアーム6が図11に示す所定の回動角度に達すると、車体に対するダンプアーム5の回動規制は解除される。回動規制が解除されても、既にある程度リフトアーム6が回動しているため、ダンプアーム5の共回りは抑止される。
【0052】
リフトアーム6が後方へ回動すると、図1(c)に示すように、フックアーム7によって前側がつり上げられたコンテナ3は、ローラ51(図2)に接しながら傾動し、後端側を下げていく。こうしてコンテナ3は後方に徐々にずり落ち、後方下部のローラ3rが接地し、さらに図12に示すように、コンテナ3全体が着地する。
【0053】
コンテナ3が、図12に示す状態(完全に着地した状態)に達すると、通常、操作者は操作盤の脱着下げボタンをオフすることによってリフトシリンダ8の伸長動作を停止させる。図16に示すように、脱着下げボタンがオフされると(ステップS8)、制御装置33の指令により第2切換バルブ35が閉じ、リフトシリンダ8が伸長を停止する(ステップS9)。これによって、リフトアーム6の後方への回動が終了する。
【0054】
上記ステップS4,S5において、リフトアームロック装置13がロック状態(リフトアームロック検出センサ30がオフの状態)にあり、又は、ダンプアームロック装置52がロック解除状態(ダンプアームロック検出センサ31がオフの状態)にあった場合、ステップS6に進まずに、ステップS10に進む。ステップS10では、スライドシリンダ9の内圧がリリーフバルブ36(図14)のリリーフ圧よりも大きいかどうかが判別され、リリーフ圧よりも小さければフックアーム7が最後端にまでスライドしていないので、ステップS4に戻る。
【0055】
スライドシリンダ9の内圧がリリーフ圧よりも大きければ、ステップS11においてリリーフバルブ36が開放される。この場合は、フックアーム7が最後端にスライドしているにも関わらずロック装置13,52が正常に操作されていないので、脱着下げボタンのオフ操作(ステップS12)をもって制御装置33の指令により第1切換バルブ34が閉じ、スライドシリンダ9が収縮を停止する(ステップS13)。すなわち、当接部12やロック装置13,52に何らかの異常があり、リフトアームロック装置13及びダンプアームロック装置52が正常に操作されなかった場合は、リフトシリンダ8を作動させずに操作を終了する。このため、車体に対してダンプアーム5がロックされず且つダンプアーム5に対してリフトアーム6がロックされた状態でリフトシリンダ8が作動し、図1(b)に示す状態からダンプアーム5とリフトアーム6とが一体的に後方(上方)に回動し、これによって荷役車両の前後重量バランスを崩してしまう、というような不都合は生じない。
【0056】
次に、図17のフロー図等を参照してコンテナ積み込み動作について説明する。コンテナ積み込み動作を行う前は、キャリア装置2を図12に示す状態にしておく。この場合、リフトアームロック検出センサ30はオン(ロック解除検出状態)となり、ダンプアームロック検出センサ31がオフ(ロック解除検出状態)となる。この状態で脱着上げボタン(図示略)がオンされると(ステップS21)、制御装置33の指令により第2切換バルブ35が開き、リフトシリンダ8が収縮を開始する(ステップS22)。これにより、リフトアーム6が前方に回動を開始する。また、リフトアーム6が前方に回動し、概ね図9から図8に示す状態になると、車体に対するダンプアーム5の回動が規制され、係合部54の先端がダンプアームロック検出センサ31に感知される。
【0057】
リフトアーム6が完全に前方に回動し、リフトアーム6が着床検知センサ29(図5)によって検出されると(ステップS23)、制御装置33の指令により第2切換バルブ35が閉じ、リフトシリンダ8が収縮を停止する(ステップS24)。これによりリフトアーム6の前方への回動が終了する。次に、第1切換バルブ34(図14)が開き、スライドシリンダ9(図2)が伸長を開始し、フックアーム7が前方にスライドする(ステップS25)。フックアーム7のスライドによって、リフトアームロック装置13のローラ14(図5)と、ダンプアームロック装置52の被当接部56(図7)とが当接部12から離れ、ロックピン19がダンプアーム5に係合してロック状態になり(リフトアームロック検出センサ30がオフになり)、係合部54がピン41から離脱してロック解除状態になる(ダンプアームロック検出センサ31がオフになる)。
【0058】
その後、脱着上げボタンがオフされると(ステップS26)、制御装置33の指令により第1切換バルブ34が閉じ、スライドシリンダ9が伸長を停止する(ステップS28)。あるいは脱着上げボタンがオフされなくても、走行位置検知センサがオンされると(ステップS27)、同様に、第1切換バルブ34が閉じ、スライドシリンダ9が伸長を停止する。これによりフックアーム7の前方へのスライド動作が終了する。
【0059】
次に、搭載したコンテナ3をダンプ動作させる場合について説明する。図1(a)に示すように、車体にコンテナ3を搭載した状態(走行可能な状態)から、スライドシリンダ9を動作させることなく、リフトシリンダ8を伸長動作させる。この際、図4に示すようにロックピン19がダンプアーム5の被係合部5aに係合し、ダンプアーム5に対するリフトアーム6の相対回動が規制されるので、図13に示すように、ダンプアーム5とリフトアーム6及びフックアーム7とは互いに一体的に後方へ回動する。これにより、コンテナ3はダンプし、コンテナ3の中味が排出される。
【0060】
以上のように、荷役車両においては、搭載したコンテナ3をダンプ動作させるときはフックアーム7をスライド動作させることなく、ダンプアーム5とリフトアーム6とを一体的に回動させる。また、コンテナ降ろし動作時には、フックアーム7をスライド動作させた後、リフトアーム6を回動させる。すなわち、コンテナ3を搭載した状態からフックアーム7がスライド動作するのはコンテナ降ろし動作時であり、ダンプ動作時にはフックアーム7のスライド動作は起こり得ない。そこで、コンテナ降ろし動作であることを示すフックアーム7のスライド動作に基づいて当接部12を被当接部56に当接させ、これにより、ダンプアーム5を回動規制するとともに、その後、リフトアーム6及びフックアーム7の回動に伴う当接部12の回動と、被当接部56の所定の当接面形状とにより、回動規制を適時に解除することができる。このようにして、一対の要素(当接部12・被当接部56)の相互当接にのみ基づいて、所望のダンプアーム5の回動規制及びその解除を実現することができる。そのため、ダンプアーム5の回動規制及びその解除のための構成を簡素なものとすることができる。かかる簡素な構成は、部品点数が少なく、製造コストの低減に寄与する。
【0061】
また、フックアーム7のスライド動作に伴い、当接部12によってリフトアームロック装置13及びダンプアームロック装置52をロック状態とロック解除状態との間で切り換え、更に、その切り換えが適切になされたか否かをリフトアームロック検出センサ30及びダンプアームロック検出センサ31により検出しているので、当該検出結果を利用して制御装置33によりリフトシリンダ8を適切に動作制御することが可能となる。
【0062】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。例えば、上記実施形態では、リフトアームロック検出センサ30とダンプアームロック検出センサ31との両方を設けているが、本発明の荷役車両は、いずれか一方のみを備えたものであってもよい。また、本発明の荷役車両は、リフトアームロック装置13及びダンプアームロック装置52のいずれか一方のみを備えたものであってもよい。
操作装置を構成する当接部12はフックアーム7の後端部に設けたが、設ける場所は必ずしも端部でなくても良い。また、当接部12は、フックアーム7の一部をもって、代用することもできる。この場合は、フックアーム7の当該一部が「当接部」となる。
【0063】
また、上記実施形態では、1個の当接部12をローラ14と被当接部56との双方に作用させているが、2個の当接部12をそれぞれローラ14及び被当接部56に作用させるようにしてもよい。
また、ダンプアームロック装置52における係合部54及び被当接部56は、回動軸53を介して車幅方向に離隔させ、別体としているが、車体に対するダンプアーム5のロック及び、当接部12との当接の双方の機能を両立させることができる取付位置が確保できれば、一体化させてもよい。
【0064】
リフトアームロック検出センサ30やダンプアームロック検出センサ31には、非接触型の近接センサが用いられているが、マイクロスイッチ等の接触型センサを用いてもよい。
フックアーム7は、リフトアーム6に対してスライドすることによって前後移動可能であるが、リフトアーム6に回動自在に連結されるとともに、当該回動によって前後移動可能に構成してもよい。
【0065】
上記実施形態において、当接部・被当接部、及び、係合部・被係合部は、それぞれ相対的な概念で用いた用語であり、必ずしも能動・受動と対応するものではない。各部の名称は、逆の概念で捉えることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の実施形態に係る荷役車両において、車体にコンテナが搭載された状態及び積み降ろし動作途中の状態を示す側面図である。
【図2】荷役車両におけるキャリア装置のみを示す平面図及び側面図である。
【図3】(a)は、ダンプアーム及びリフトアームとともにロック装置を示す平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図4】(a)はロック装置を拡大して示す平面図、(b)は、特に、ダンプアームロック装置を拡大して示す概略側面図である。
【図5】リフトアームロック装置が設けられている位置周辺を示す概略の側断面図である。
【図6】リフトアームのガイド孔の平面図である。
【図7】ダンプアームロック装置の動作を説明する概略の側面図であり、当接部が被当接部に当接した状態を示している。
【図8】図7の状態から、当接部が被当接部を後方へ押して後退端に達した状態を示している。
【図9】図8の状態からリフトアームが回動開始した状態を示している。
【図10】図9の状態からリフトアームがさらに回動した状態を示している。
【図11】図10の状態からリフトアームがさらに回動してダンプアームの回動規制が解除された状態を示している。
【図12】荷役車両がコンテナを降ろした状態を示す側面図である。
【図13】荷役車両がコンテナをダンプ動作させる状態を示す側面図である。
【図14】リフトシリンダ及びスライドシリンダの作動油圧回路図である。
【図15】リフトシリンダ及びスライドシリンダの制御ブロック図である。
【図16】コンテナ降ろし動作のフロー図である。
【図17】コンテナ積み込み動作のフロー図である。
【符号の説明】
【0067】
1 車体
3 コンテナ
5 ダンプアーム
6 リフトアーム
7 フックアーム
8 リフトシリンダ(駆動装置)
12 当接部(操作装置)
13 リフトアームロック装置
30 リフトアームロック検出センサ(リフトアームロック検出センサ)
31 ダンプアームロック検出センサ(ダンプアームロック検出センサ)
33 制御装置
34 第1切換バルブ
35 第2切換バルブ
52 ダンプアームロック装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを搭載する車体と、
基端部が前記車体に回動可能に連結されるとともに、中途部が回動によって屈折可能であり、且つ、先端部が前後移動可能に構成されたアーム装置と、前記アーム装置に回動動作のための駆動力を付与する駆動装置と、を備え、前記車体から前記コンテナを降ろす際に、前記アーム装置の先端部の前後移動を伴う荷役車両であって、
前記アーム装置の回動を規制するロック装置と、
前記アーム装置の先端部の前後移動に連動して前記ロック装置の作動状態を切り換える操作装置と、
前記ロック装置の作動状態を検出するロック検出センサと、
前記ロック検出センサの検出結果に基づき、前記駆動装置の作動可否を制御する制御装置と、を備えていることを特徴とする荷役車両。
【請求項2】
前記アーム装置は、基端部が前記車体に回動可能に連結されたダンプアームと、基端部が前記ダンプアームに回動可能に連結されたリフトアームと、前記アーム装置の先端部を構成し且つ前記リフトアームに前後移動可能に連結されたフックアームとを有し、
前記ロック装置は、前記ダンプアームに対する前記リフトアームの回動をロックするリフトアームロック装置を含み、
前記ロック検出センサは、前記リフトアームロック装置の作動状態を検出するリフトアームロック検出センサを含み、
前記操作装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動したときに前記リフトアームロック装置をロック状態からロック解除状態へ切り換える機能を備え、
前記制御装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動し、且つ、前記リフトアームロック検出センサが前記リフトアームロック装置のロック解除状態を検出したときに、前記駆動装置の作動を許可する機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の荷役車両。
【請求項3】
前記アーム装置は、基端部が前記車体に回動可能に連結されたダンプアームと、基端部が前記ダンプアームに回動可能に連結されたリフトアームと、前記アーム装置の先端部を構成し且つ前記リフトアームに前後移動可能に連結されたフックアームとを有し、
前記ロック装置は、前記車体に対する前記ダンプアームの回動をロックするダンプアームロック装置を含み、
前記ロック検出センサは、前記ダンプアームロック装置の作動状態を検出するダンプアームロック検出センサを含み、
前記操作装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動したときに前記ダンプアームロック装置をロック解除状態からロック状態へ切り換える機能を備え、
前記制御装置は、前記フックアームが前記リフトアームに対して後方に移動し、且つ、前記ダンプアームロック検出センサが前記ダンプアームロック装置のロック状態を検出したときに、前記駆動装置の作動を許可する機能を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の荷役車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−247310(P2008−247310A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−93883(P2007−93883)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)