説明

荷役車両

【課題】トレーラ上のコンテナの積み降ろし可能にする荷役車両を安価に提供する。
【解決手段】 コンテナを搭載する車体と、基端部が前記車体に対してリフトアーム駆動手段により前後方向に回動可能に設けられるリフトアームと、コンテナと係合しうるフックを有し前記リフトアームに対してフックアーム駆動手段により前記フック位置を変更可能に設けられるフックアームとを有するアーム装置を少なくとも備えたキャリア装置と、積降操作手段と補助操作手段とを備えた操作部と、前記操作部の操作に応じて前記キャリア装置を駆動する制御装置とを備えた荷役車両において、前記制御装置は、積込操作手段が操作された際にはコンテナを車体に対して積み降ろしし、前記補助操作手段が操作された際にはフックアーム駆動手段を駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナの積み降ろしや、搭載したコンテナのダンプ動作が可能な荷役車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンテナを搭載する車体と、車体に対して回動可能なダンプアームと、ダンプアームに対して回動可能なリフトアームと、リフトアームにスライド可能に取り付けられたフックアームと、ダンプアーム及びリフトアームを回動動作させるリフトシリンダと、フックアームをスライド動作させるスライドシリンダとからなる荷役装置を備えた荷役車両は特許文献1により公知である。この荷役車両では、フックアームをスライドさせてリフトアームを車両後方へ回動し、この状態で車両を後退させることでフックアーム先端に設けたフックを地面に置いたコンテナの前壁に設けた係合片に係合し、その後リフトアームを前方に回動させることで車体にコンテナを搭載することができるようになっている。
【0003】
ところで、トレーラにコンテナを載せて牽引することで輸送効率を高めるようにしている場合や、プラットホームといった壇上にコンテナを置いている場合がある。いずれの場合であってもコンテナは地面に置かれたコンテナよりも高い位置となり、コンテナの係合片も高い位置にあるため、リフトアームをやや起立させた姿勢で車両を後退したとしても、トレーラやプラットホームに邪魔されて荷役車両を後退できず、フックとコンテナの係合片とを係合することができない。そこで、コンテナの係合片に荷役車両のフックを係合させるため、フックアームを伸長させてフックをコンテナの係合片に近づける必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平7−2306
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フックアームを動かしてフックの位置を変更させる動作は、前述のように地面に置かれたコンテナを車体に積み込む動作では行わない動作であるので、フックアームを動作させるための専用の操作スイッチを設けなければならず、荷役車両が高価になってしまう。
【0006】
そこで本発明は、地面またはトレーラ上に置かれたコンテナを積み込むことができる荷役車両を安価に提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、請求項1記載の荷役車両では、コンテナを搭載する車体と、基端部が前記車体に対してリフトアーム駆動手段により前後方向に回動可能に設けられるリフトアームと、コンテナと係合しうるフックを有し前記リフトアームに対してフックアーム駆動手段により前記フック位置を変更可能に設けられるフックアームとを有するアーム装置を少なくとも備えたキャリア装置と、積降操作手段と補助操作手段とを備えた操作部と、前記操作部の操作に応じて前記キャリア装置を駆動する制御装置とを備えた荷役車両において、前記制御装置は、積降操作手段が操作された際にはコンテナを車体に対して積み降ろしし、前記補助操作手段が操作された際にはフックアーム駆動手段を駆動するようにしたことを特徴としている。
【0008】
これにより、補助操作手段が操作された際にフックアーム駆動手段を駆動するようにしたことにより、フックアームを駆動するための専用の操作手段を設ける必要がないため、荷役車両を安価に提供することができる。
【0009】
上記目的を達成するため、請求項2記載の荷役車両では、前記キャリア装置の後部に設けられ、積荷作業の際の車体の降下を抑制するために当該車体フレームから垂下させた下突出位置と、この下突出位置よりも上方へ退避した収納位置との間をジャッキ駆動手段により回動可能とされたジャッキと、前記補助操作手段は操作されると制御装置がジャッキ駆動手段を駆動させるジャッキ操作手段であることを特徴としている。これにより、ジャッキ操作手段が操作された際にフックアーム駆動手段を駆動するようにしたことにより、フックアームを駆動するための専用の操作手段を設ける必要がないため、荷役車両を安価に提供することができる。
【0010】
上記目的を達成するため、請求項3記載の荷役車両では、前記アーム装置は一端が車体に対して前後方向に回動可能に設けられるとともに他端にリフトアームが前後方向に回動可能に設けられたダンプアームをさらに備え、前記補助操作手段は操作されると制御装置がリフトアーム駆動手段によりリフトアームとダンプアームと一体的に回動させるダンプ操作手段であることを特徴としている。これにより、ダンプ操作手段が操作された際にフックアーム駆動手段を駆動するようにしたことにより、フックアームを駆動するための専用の操作手段を設ける必要がないため、荷役車両を安価に提供することができる。
【0011】
また、請求項4記載の荷役車両では、アーム装置がコンテナを搭載し得る姿勢であることを検知するキャリア姿勢検知手段とを更に備え、前記制御装置は、前記補助操作手段が操作された際に、アーム装置がコンテナを搭載し得る姿勢であることを前記キャリア姿勢検知手段が検知した場合には、フックアーム駆動手段を駆動するようにしたことを特徴としている。これにより、操作者が補助操作手段を操作した際、キャリア姿勢検知手段がコンテナとフックとを係合する作業を行っていることを検知し、フックアームを駆動することができる。
【0012】
また、前記キャリア姿勢検知手段は、前記リフトアームの回動位置を検知するリフトアーム回動位置検知手段であることを特徴としている。これにより、リフトアームの姿勢を検出するためのセンサのみでキャリア装置がコンテナを搭載可能なトレーラに搭載されたコンテナに係脱可能な姿勢であることを検知することができるため、さらに安価に提供することができる。
【発明の効果】
【0013】
補助操作手段が操作された際にフックアーム駆動手段を駆動するようにしたことにより、フックアームを駆動するための専用の操作手段を設ける必要がないため、荷役車両を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る荷役車両において、車体にコンテナが搭載された状態及び積み降ろし動作途中の状態を示す側面図である。
【図2】(d)は、荷役車両がコンテナを地面まで降ろした状態を示す側面図、(e)は、荷役車両がコンテナをダンプ動作させる状態を示す側面図である。
【図3】荷役車両におけるキャリア装置のみを示す平面図及び側面図である。
【図4】(a)は、ダンプアーム及びリフトアームとともにロック装置を示す平面図、(b)は(a)におけるB−B線断面図である。
【図5】リフトアームロック装置が設けられている位置周辺を示す概略の側断面図である。
【図6】図1(a)の荷役車両の後部における側面図である。
【図7】図1(b)の荷役車両の後部における側面図である。
【図8】トレーラがコンテナを搭載していない状態を示す側面図である。
【図9】トレーラがコンテナを所定位置に搭載した状態を示す側面図である。
【図10】(a)は、図9における10A部分拡大図、(b)は図9における10B部分拡大図である。
【図11】荷役車両からトレーラにコンテナを移動動作させる状態を示す側面図である。
【図12】荷役車両の作動油圧回路の要部を示す図である。
【図13】荷役車両の制御ブロックの要部を示す図である。
【図14】制御装置が実行するフロー図である。
【図15】図14のステップS102に相当するコンテナ積降動作サブルーチンの一部であり、図16とともに一つのサブルーチンを構成している。
【図16】図14のステップS102に相当するコンテナ積降動作サブルーチンの他部であり、図15とともに一つのサブルーチンを構成している。
【図17】図14のステップS104に相当するダンプ動作サブルーチンである。
【図18】図14のステップS106に相当するジャッキ動作サブルーチンである。
【図19】本発明の他の実施形態を示すダンプ動作サブルーチンである。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0015】
図1(a)は、本発明の実施形態に係る荷役車両において、車体1上にコンテナ3が搭載された状態を示す側面図である。この図において、車体1は、その後部のシャシフレーム1aよりなり、該シャシフレーム1aにはキャリア装置2が取り付けられ、このキャリア装置2にコンテナ3が搭載される。この荷役車両は、車体1に対してコンテナ3を積み降ろしする動作、及び、車体1に搭載されたコンテナ3をダンプさせる動作が、選択的に実行できるように構成されている。コンテナ3は、その後方下部に着地時の車輪としてのローラ3rを備えている。
【0016】
図3(a)(b)は、それぞれ上記キャリア装置2を示す平面図及び側面図である。この図の左側が車体前方側、右側が車体後方側である。キャリア装置2は、シャシフレーム1a上に取り付けられたサブフレーム2aと、基端部(後端部)がサブフレーム2aに回動可能に軸着されたダンプアーム5と、基端部(後端部)がダンプアーム5に回動可能に軸着されたリフトアーム6と、基部7h(水平な部分)の一部がリフトアーム6に挿入され、かつ、リフトアーム6に対して前後方向にスライド可能なL字状のフックアーム7と、油圧により動作する一対のリフトシリンダ8と、1本のスライドシリンダ9とを備えている。
【0017】
ダンプアーム5,リフトアーム6、及びフックアーム7は、本発明のアーム装置を構成しており、したがって、このアーム装置は、ダンプアーム5によって構成される基端部が車体1に回動可能に連結され、中途部がダンプアーム5とリフトアーム6との相対回動によって屈折し、先端部を構成するフックアーム7が前後方向に移動可能となっている。
【0018】
上記リフトシリンダ8の一端(前端)はサブフレーム2aに、他端(後端)はリフトアーム6にそれぞれ接続されている。また、スライドシリンダ9の一端(後端)はリフトアーム6に、他端(前端)はフックアーム7にそれぞれ接続されている。サブフレーム2aは、シャシフレーム1a(図1)に固定され、共に車体1を構成する。なお、上記サブフレーム2aを省略して、キャリア装置2をシャシフレーム1aに直接取り付けることも可能である。
【0019】
上記ダンプアーム5は、左右方向に配置されたピン10により後端側でサブフレーム2aに軸着され、車体後方側へ回動可能である。また、ダンプアーム5の後端側には、左右方向の軸芯回りに回転自在なローラ51が設けられている。上記リフトアーム6は、ダンプアーム5の前部側に、左右方向に配置されたピン11により軸着され、フックアーム7と共に、当該ピン11又はピン10を中心に回動可能である。フックアーム7は、側面視でL字形状に形成され、回動端側(前端側)の上端部にコンテナ3の係合片(リフトバー)3a(図3参照)を引っかけるフック7aを有する。リフトアーム6とフックアーム7とは、コンテナ積み降ろし動作の際にはダンプアーム5に対してピン11を中心に回動し、ダンプ動作の際にはダンプアーム5と一体的にピン10を中心として回動する。
【0020】
上記スライドシリンダ9は、その伸縮動作により、フックアーム7を、図3(b)に実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで又はその逆に、スライドさせることができる。また、上記リフトシリンダ8は、その伸縮動作により、リフトアーム6に回動動作のための駆動力を付与する。
【0021】
キャリア装置2は、アーム装置(ダンプアーム5、リフトアーム6及びフックアーム7)の回動を規制(ロック)するロック装置13,52を備えている。図4(a)は、ダンプアーム5及びリフトアーム6とともにロック装置13,52を示す平面図、図3(b)は、(a)のB−B矢視断面図である。このロック装置は、ダンプアーム5に対するリフトアーム6の回動を規制するリフトアームロック装置13と、サブフレーム2a(車体1)に対するダンプアーム5の回動を規制するダンプアームロック装置52とを備えている。
【0022】
図5は、リフトアームロック装置が設けられている位置周辺を示す概略の側断面図である。リフトアームロック装置13はリフトアーム6に設けられた一対のブラケット15,16を介して前後移動可能に支持されたロックピン19を備えている。一方、ダンプアーム5の先端側には孔5bを形成した被係合部5aが設けられており、ロックピン19が孔5bに挿入され、被係合部5aに係合する。この状態がリフトアームロック装置13のロック状態である。ロック状態では、リフトアーム6はダンプアーム5と一体でピン10回りに回動可能となる。
【0023】
ロックピン19の前方(ロック方向)への移動は、付勢部材20によって行われるが、後方(ロック解除方向)への移動は、フックアーム7に設けられた操作装置12によって行われる。この操作装置12は、フックアーム7の後端部に左右方向に水平に取り付けられた当接部(丸棒)によって構成されている。フックアーム7がスライド動作によって車両の後方側へ後退すると(図1(b)参照)、当接部12がローラ14に当接してロックピン19を後方へ押し、被係合部5aの孔5bからロックピン19を離脱させる。
【0024】
次に、ダンプアームロック装置52について説明する。図4(a)に示すように、ダンプアームロック装置52は、回動軸53と、係合部54と、被当接部56とを備えており、回動軸53は、右舷側のダンプアーム5から車幅方向の略中央部に渡る範囲で車幅方向に延び、ダンプアーム5に回動自在に取り付けられている。回動軸53の一端(右端)には係合部54が固定され、他端(左端)には被当接部56が固定されている。係合部54とダンプアーム5との間にはバネ55が介装されている。
【0025】
車体側のサブフレーム2aには、ピン41が設けられており、係合部54は、回動軸53を中心とした回動によってピン41に係脱可能である。図4(b)の状態では、係合部54はピン41から離脱しており、従って、ダンプアーム5は車体から開放されている。
【0026】
係合部54の反時計回り方向(ロック解除方向)への回動は、バネ55によって行われるが、時計回り(ロック方向)への移動は、フックアーム7に設けられた前記操作装置12によって行われる。フックアーム7がスライド動作によって車両の後方側へ後退すると(図1(b)参照)、当接部12が被当接部56に当接して係合部54を時計回り方向へ回動させ、ピン41と係合させる。
【0027】
さらに、キャリア装置2の後部にはリアバンパ61が設けられている。リアバンパ61は車幅方向の略全長にわたる長さを有した型鋼等からなる本体部61aと、この本体部61aに固定され車体1と連結させている左右二本のアーム部61bとを有している。アーム部61bは型鋼などからなり、長手方向が本体部61aに直交し、アーム部61bの一端部が本体部61aと固定され、他端部に板状の固定部材61cが固定されている。リアバンパ61はこの固定部材61cによって車体1の上下部材1cの下端部寄りの位置に回動自在に取り付けられている。
【0028】
これによりリアバンパ61は、図1(a)と図6に示した車体1の後端部から後方へ突出した後突出位置と、図1(b)と図7に示した車体1側に格納された格納位置との間を回動可能となる。つまり、リアバンパ61は前記後突出位置から上方へ約90°回動して格納位置となり、格納位置にあるリアバンパ61の本体部61aは、後突出位置にあった状態よりも車両前方に位置することになる。また、この格納位置では、リアバンパ61のアーム部61bが車体1の上下部材1cと略平行となり、上下部材1cに接近した状態となる。この格納位置では、リアバンパ61は、ダンプ状態のコンテナ3の後部下端や積降途中のコンテナ3の前部下端と接触しない位置となる。
【0029】
また、キャリア装置2の後部にはジャッキ4を更に備えている。ジャッキ4は、前記上下部材1cの下端部寄りの位置に回動自在に取り付けられた左右一対のアーム部4cと、このアーム部4cの先端部に回動自在に取り付けられたローラ4bとを有している。ジャッキ4は、車体1から垂下してローラ4bが地面に近づく下突出位置(図7)と、車両前方へ略90°回動して下突出位置よりも上方へローラ4bが地面から退避した収納位置(図6)との間を回動可能としている。
【0030】
さらに、ジャッキ4とリアバンパ61との間には、ジャッキ4の回動とリアバンパ61の回動とを連動させる連動機構62が介在しており、この連動機構62は、リアバンパ61が格納位置でジャッキ4を下突出位置とし(図7の状態)、リアバンパ61が後突出位置でジャッキ4を収納位置とさせる(図6の状態)。図示している連動機構62は直線状のアーム部材62aを有し、このアーム部材62aの一端部が、リアバンパ61の端部に固定された固定部材61cに回動自在に取り付けられ、アーム部材62aの他端部が、ジャッキ4のアーム部4cに回動自在に取り付けられている。
【0031】
上下部材1cから車両前方へ向かって取付部材1dが延設されており、この取付部材1dの先端部に油圧シリンダからなるジャッキシリンダ4a(ジャッキ駆動手段)の本体端部が回動自在に取り付けられている。そして、このジャッキシリンダ4aの伸縮動作によって前記ジャッキ4を下突出位置と収納位置とに回動駆動でき、連動機構62により前記リアバンパ61を後突出位置と格納位置とに回動駆動できる。
【0032】
そして、ジャッキ4のアーム部4cの途中部に前記ジャッキシリンダ4aのロッド先端部が回動自在に取り付けられている。このジャッキシリンダ4aの伸縮動作によってリアバンパ61とジャッキ4とを連動させて回動駆動させることができ、ジャッキシリンダ4aが伸長した状態で、リアバンパ61が格納位置で保持されジャッキ4が下突出位置で保持され、ジャッキシリンダ4aが短縮した状態で、リアバンパ61が後突出位置で保持されジャッキ4が収納位置で保持される。
【0033】
下突出位置で保持された状態にあるジャッキ4は、積荷作業の際の車体の降下を抑制することができる。具体的には、コンテナ3に積載物を積み降ろしする積荷作業の際に、ジャッキ4を下突出位置とすることで、このジャッキ4は車体の降下を抑制することができ、積載物の積み降ろし作業が安全となる。または、コンテナ3を車体1上と地上との間を積み降ろしする積荷作業の際に、ジャッキ4を下突出位置とすることで、車体の降下を抑制することができ、コンテナ3の積み降ろし作業が安全となる。
なお、前記連動機構62は他の形態であってもよく、例えば、リアバンパ61側の固定部材61c及びジャッキ4のアーム部4c自体で連動機構62を構成してもよく、この場合、固定部材61cとアーム部4cを一体とし(図示せず)、これを車体1に回動自在に取り付け、前記ジャッキシリンダ4aによって駆動してもよい。
【0034】
図3に示すように、本実施形態では、リフトアームロック装置13の作動状態(ロック状態にあるか否か)を検出するリフトアームロック検出センサLS1と、ダンプアームロック装置52の作動状態(ロック状態にあるか否か)を検出するダンプアームロック検出センサLS2とを備えている。これらのロック検出センサLS1,31は、いずれも近接センサにより構成されている。リフトアームロック検出センサLS1は、ブラケット等を介してリフトアーム6に固定され、ロックピン19の後方に配置されている。ダンプアームロック検出センサLS2は、ブラケット等を介してダンプアーム5に固定され、係合部54の前方に配置されている。
【0035】
リフトアームロック検出センサLS1は、図5に示すように、ロックピン19が後方へ移動し、ダンプアーム5の被係合部5aから離脱したとき(リフトアームロック装置13がロック解除状態となったとき)に、ロックピン19の後端を非接触で感知し、リフトアームロック装置13がロック解除状態になったことを検出する。逆に、ロックピン19が前方へ移動してダンプアーム5の被係合部5aに係合すると、リフトアームロック検出センサLS1はロックピン19を感知しなくなり、これをもってリフトアームロック装置13がロック状態になったことを検出する。
【0036】
また、本実施形態のキャリア装置2には、リフトアームロック検出センサLS1及びダンプアームロック検出センサLS2の他に、近接センサよりなる着床検知センサLS3(図5)と、走行位置検知センサ(図示略)と、リフトアーム起立検出センサLS4(図4(a))とが設けられている。着床検知センサLS3は、図5に示すようにサブフレーム2aに設けられており、リフトアーム6が上方に回動せずにサブフレーム2aに沿った状態に配置されたときにリフトアーム6を感知する。走行位置検知センサは、図1(a)に示す如く、荷役車両が走行可能な状態にあるときに、コンテナ3又はキャリア装置2を感知する。リフトアーム起立検出センサLS4は、図4(a)に示すようにダンプアーム5に設けられており、トレーラT上のコンテナに対して係合し得る姿勢まで車両後方へ回動した状態にあることを検知する。なお、本実施形態においてトレーラT上のコンテナに対して係合し得る姿勢は、リフトアーム6がサブフレーム2aに沿った状態から車両後方へ100度から130度回動した姿勢である(図11のαで示した範囲)。
【0037】
上記のようなリフトアームロック検出センサLS1やダンプアームロック検出センサLS2の検出結果は、制御装置33(図13)に入力され、リフトシリンダ8の動作制御に用いられる。特に本実施形態では、コンテナ降ろし動作を行う際に、リフトアームロック検出センサLS1及びダンプアームロック検出センサLS2の検出結果に基づいてリフトシリンダ8を制御し、適切な動作を行うことができるようにしている。
【0038】
図12は、リフトシリンダ8、スライドシリンダ9及びジャッキシリンダ4aの作動油圧回路である。リフトシリンダ8、スライドシリンダ9及びジャッキシリンダ4aには、可変容量ピストンポンプからなる油圧ポンプPによって発生した作動油が油路44,46,47,48及びコントロールバルブ39等を介して供給される。コントロールバルブ39内には、スライドシリンダ9への作動油の供給・停止を切り換える第1切換バルブ39aと、リフトシリンダ8への作動油の供給・停止を切り換える第2切換バルブ39bと、ジャッキシリンダ4aへの作動油の供給・停止を切り換える第3切換バルブ39cが設けられている。また、第1切換バルブ39aとスライドシリンダ9との間の油路46には、第一パイロットチェックバルブ37aが設けられ、第2切換バルブ39bとリフトシリンダ8との間の油路47にはカウンタバランスバルブ38が設けられ、第3切換バルブ39cとジャッキシリンダ4aとの間の油路48には第二パイロットチェックバルブ37bが設けられている。
【0039】
図12において、第1切換バルブ39a、第2切換バルブ39b及び第3切換バルブ39cは中立位置にあり、油圧ポンプPから吐出された作動油は吐出油路44から排出油路45を介してタンクTに戻される。そして、第1切換バルブ39aを切り換えると、油路46を介してスライドシリンダ9の伸長側又は収縮側に油圧が供給され、第2切換バルブ39bを切り換えると、油路47を介してリフトシリンダ8の伸長側又は収縮側に油圧が供給され、第3切換バルブ39cを切り換えると、油路48を介してジャッキシリンダ4aの伸長側又は収縮側に油圧が供給される。コントロールバルブ39には、第2切換バルブ39bよりも上流側で吐出油路44から分岐するリリーフ油路40が設けられ、このリリーフ油路40にリリーフ弁36が設けられている。
【0040】
図13は、リフトシリンダ8及びスライドシリンダ9の制御ブロック図である。リフトアームロック検出センサLS1、ダンプアームロック検出センサLS2、着床センサLS3、リフトアーム起立検出センサLS4及び走行位置検出センサ(図示せず)の検出結果は制御装置33に入力される。そして、第1切換バルブ39aと第2切換バルブ39bと第3切換バルブ39cとは、操作部50からの操作信号及び各センサの検出結果に基づいた制御装置33の指令により切り換えられ、スライドシリンダ9とリフトシリンダ8とジャッキシリンダ4aとがそれぞれ制御されるようになっている。
【0041】
また、図13に示すように荷役車両1は操作部50を備えており、該操作部50はトグルスイッチ50aと、上げスイッチ50bと、下げスイッチ50cとを有している。前記操作部50は、トグルスイッチ50a、上げ下げスイッチ51b,51cに与えられた操作に応じた指令を制御装置33に送るようになっている。前記トグルスイッチ50aは、積降操作位置50a1と、ダンプ操作位置50a2と、ジャッキ操作位置50a3との間を切り替え可能に設けられている。前記トグルスイッチ50aの積降操作位置50a1への切り替えと上げ下げスイッチ51b,51cのオン操作の組み合わせは積降操作手段を、前記トグルスイッチ50aのダンプ操作位置50a2への切り替えと上げ下げスイッチ51b,51cのオン操作の組み合わせはダンプ操作手段を、前記トグルスイッチ50aのジャッキ操作位置50a3への切り替えと上げ下げスイッチ51b,51cのオン操作はジャッキ操作手段の組み合わせをそれぞれ構成している。ダンプ操作手段及びジャッキ操作手段は、コンテナを積み降ろすための動作以外の動作を荷役車両に対して指示する操作手段であり、補助操作手段に相当する。
【0042】
図8〜図10を参照してトレーラTの構造について説明する。図8はコンテナ3を搭載していない状態のトレーラTを示しており、図8(a)はトレーラTの平面図、図8(b)は側面図である。図9はコンテナ3を所定位置に搭載した状態のトレーラTと、荷役車両とを連結した状態を示す側面図であり、図10(a)は図9の10A部を、図10(b)は図9の10B部をそれぞれ拡大した図である。
【0043】
図8(a)及び図8(b)に示すように、トレーラTは、1個のコンテナ3を積載できるように前後方向に長いトレーラフレーム101を備える。このトレーラフレーム101の上面には荷台102が一体に設けられ、荷台102上には、1個のコンテナ3が積載される。トレーラフレーム101の前部下面には、ドーリー103が鉛直方向の回転軸103a周りに回動可能に設けられている。前記ドーリー103の下部には前輪104fがリーフスプリングを介して懸架されており、ドーリー103の前部には荷役車両の連結器200に対して着脱可能に連結される被連結部105が設けられる。なお、被連結部105はヒンジ105aによりその端部が上下方向に揺動できるようになっている。さらにトレーラフレーム101の後部101Rには、後輪104rがリーフスプリングを介して懸架されている。
【0044】
前輪104fは、ドーリー103の側面に固定されるフロントフェンダ106fにより覆われ、後輪は、トレーラフレーム101の側面に固定されるリアフェンダ106rにより覆われる。そして、トレーラフレーム101は前後輪104f,104rに対してリーフスプリングの弾発力に抗して上下方向の変位が可能である。
【0045】
トレーラフレーム101の後部左右には、トレーラジャッキJが伸縮可能に設けられる。トレーラジャッキJの伸長作動により、トレーラフレーム101の後部101Rを地上に支持し、また該後部101Rを持ち上げることもできる。
【0046】
図8(a)に示すように、前記トレーラフレーム101は、断面I字状の左右一対の縦フレーム111と、それらの縦フレーム111を一体に結合する複数のクロスメンバ112...とより、前後に長い梯子状に構成されている。トレーラフレーム101の後部101Rは、後下がりに傾斜する傾斜面114が形成されている。
【0047】
前記前輪104fと後輪104rとの間において、トレーラフレーム101の両側には、サイドガード115が設けられ、またトレーラフレーム101の後側にはリヤバンパー116が設けられる。
【0048】
図8および図10(a)に示すように、荷台102の前部に設けられたクロスメンバ112には、一対の跳上防止片120が一体に設けられ、これらの跳上防止片120には、係合爪120aが荷台102の後方に向けて一体に延長され、これらの係合爪120aは、コンテナ3の係止孔3hに抜差自在に係合して、所定位置にあるコンテナ3の後部の跳ね上がりを防止するようになっている。
【0049】
図8に示すように、荷台の一対の縦フレーム111上には、それらの全長にわたり一対の案内レール117がそれぞれ固定されている。これらの案内レール117は、それらの後端部117rを除いて互いに平行であり、それらの後端部117rにおいて互いに接近する方向に屈曲されている。各案内レール117は、その外側面にコンテナ3のローラ3rと接触して該コンテナ3の左右位置を誘導する案内面117aが形成されている。
【0050】
図8及び図10(b)に示すように、荷台102の後端部の左右両側には、対をなす突起部125が上向きに固定されており、これらの突起部125は、コンテナ3前部下面の両側に設けた対をなす差込部3Lに抜差自在に差し込むことができ、これにより、所定位置にあるコンテナ3の荷台102に対する前後方向の位置が規制される。そして、突起部125と、差込部3Lとにはそれぞれ挿入孔が設けられており、該挿入孔にピン126を挿入することにより所定位置にあるコンテナ3の前部の跳ね上がりを防止するようになっている。
【0051】
次に、上記のように構成された荷役車両の動作について図14〜18のフロー図等を参照して具体的に説明する。なお、図15及び図16に丸で囲んだ文字A,Bはそれぞれ同じ記号同士で繋がっている。
【0052】
まず、地面に対してのコンテナ降ろし動作について、フロー図等を参照して説明する。コンテナ降ろし動作を行う前には、図1(a)の如くコンテナ3が車体1に搭載された状態(走行可能な状態)にある。この状態では、図示しない既知の固縛装置がサブフレーム2a(図3)にコンテナ3を固縛した状態にあり、図示しない走行位置検知センサがコンテナの搭載状態を検出し、リフトアーム起立検出センサLS4はオフである。
【0053】
キャリア装置2の操作部50に設けられたトグルスイッチ50aをジャッキ操作位置50a3に合わせると(ステップS105)、ジャッキ動作サブルーチンに移行する(ステップS106)。図18のジャッキ動作サブルーチンにて、下げスイッチ50cをオンにすると(S409)、リフトアーム起立検出センサLS4は起立姿勢を検知していないため(ステップS410のNO)、第3切換バルブ39cを切り換え、ジャッキシリンダ4aが伸長を開始する(ステップS414)。これによってジャッキ4は収納位置から下突出位置に、リアバンパ61は後突出位置から格納位置に、それぞれ移動する。
【0054】
次に操作部50に設けられたトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に合わせると(図14に戻りステップS101)、コンテナ積降動作サブルーチンに移行する(ステップS102)。図15のコンテナ積降動作サブルーチンにて、下げスイッチ50cをオンにすると(ステップS201)、リフトアーム6が起立姿勢にあるか否かをリフトアーム起立検出センサLS4の検出結果より判断する(ステップS202)。リフトアーム6が起立姿勢に無い場合は(ステップ202のNO)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が収縮を開始する(ステップS203)。これによって、フックアーム7が後方にスライドし、図1(b)に示す位置まで後退する。また、これにより、コンテナ3も後方へ移動する。なお、ステップS202においてリフトアーム6が起立姿勢にある場合は(ステップS202のYES)、ステップS207に移行するのだが詳細は後述する。
【0055】
図5に示すように、フックアーム7の後退によって当接部12がローラ14に当接し、さらにフックアーム7が後退端まで後退すると、当接部12がローラ14及びロックピン19を後方へ押し込み、リフトアームロック装置13によるリフトアーム7のロックが解除される。このロック解除により、リフトアーム6はダンプアーム5に拘束されることなく、単独で回動可能な状態となる。また、ロックピン19が後方に移動すると、ロックピン19の後端がリフトアームロック検出センサLS1によって感知され、リフトアームロック検出センサLS1がオンになる。これによりリフトアームロック装置13がロック解除状態になったことが検出される(図15のステップS204)。また、図4(b)に示すように当接部12は被当接部56及び係合部54を時計回り方向に回動させ、ピン41と係合することにより、ダンプアーム5をサブフレーム2aに対して回動不可の状態となる。また、係合部54の先端がダンプアームロック検出センサLS2によって感知され、ダンプアームロック検出センサLS2がオンになる。これによりダンプアームロック装置52が係合状態になったことが検出される(ステップS205)。
【0056】
このステップS204,S205において、リフトアームロック装置13がロック解除状態になり、且つ、ダンプアームロック装置52がロック状態になったことが検出されると、各ロック装置13,52が正常に当接部12によって操作されていることになるので、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わってスライドシリンダ9が収縮を停止し(ステップS206)、更に第2切換バルブ39bが切り換わることでリフトシリンダ8が伸長を開始し、ピン11を中心としてリフトアーム6が後方に回動する(ステップS207)。
【0057】
リフトアーム6が後方へ回動すると、図1(c)に示すように、フックアーム7によって前側がつり上げられたコンテナ3は、ローラ51(図3)に接しながら傾動し、後端側を下げていく。こうしてコンテナ3は後方に徐々にずり落ち、後方下部のローラ3rが接地し、さらに図2(d)に示すように、コンテナ3全体が着地する。
【0058】
コンテナ3が、図2(d)に示す状態(完全に着地した状態)に達すると、通常、操作者は操作部の下げスイッチ50cをオフすることによってリフトシリンダ8の伸長動作を停止させる。図17に示すように、脱着下げスイッチ50cがオフされると(ステップS208)、制御装置33の指令により第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8が伸長を停止する(ステップS209)。これによって、リフトアーム6の後方への回動が終了する。
【0059】
次に、コンテナ積み込み動作について説明する。コンテナ積み込み動作を行う前は、コンテナ3の係合片3aにフックアーム7の先端に設けられたフック7aを係合し、キャリア装置2を図2(d)に示す状態にしておく。この場合、リフトアームロック検出センサLS1はオン(ロック解除検出状態)となり、ダンプアームロック検出センサLS2がオン(係合状態検出状態)となり、リフトアーム起立検出センサLS4はオフとなる。この状態で操作部50のトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に合わせ(ステップS101)、上げスイッチ50b(図13)がオンされると(ステップS210)、リフトアーム6が起立姿勢にあるか否かをリフトアーム起立検出センサLS4の検出結果より判断する(ステップS211)。このとき、リフトアーム6が起立姿勢に無いため(ステップ202のNO)、ステップS218に移行し、制御装置33の指令により第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8が収縮を開始する。これにより、リフトアーム6が前方に回動を開始する。また、リフトアーム6の回動とともにリフトアーム起立検出センサLS4はオフからオンになり、概ね起立した状態になると、リフトアーム起立検出センサLS4がオンからオフとなる。なお、リフトアーム起立検出センサLS4がリフトアーム6が起立姿勢にあることを感知した場合の動作(ステップS211のYESからステップS217)の説明については後述する。
【0060】
リフトアーム6が前方に回動し、リフトアーム6が着床検知センサLS3(図5)によって検出されると(ステップS219)、制御装置33の指令により第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8が収縮を停止する(ステップS220)。これによりリフトアーム6の前方への回動が終了する。次に、第1切換バルブ39a(図12)が切り換わり、スライドシリンダ9(図3)が伸長を開始し、フックアーム7が前方にスライドする(ステップS221)。フックアーム7のスライドによって、リフトアームロック装置13のローラ14(図5)と、ダンプアームロック装置52の被当接部56(図4)とが当接部12から離れ、ロックピン19がダンプアーム5に係合してロック状態になり(リフトアームロック検出センサLS1がオフになり)、係合部54がピン41から離脱してロック解除状態になる(ダンプアームロック検出センサLS2がオフになる)。
【0061】
その後、上げスイッチ50bがオフされると(ステップS222)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を停止する(ステップS224)。あるいは上げスイッチ50bがオフされなくても、走行位置検知センサがオンされると(ステップS223)、同様に、第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を停止する。これによりフックアーム7の前方へのスライド動作が終了する。
【0062】
そして、操作部50に設けられたトグルスイッチ50aをジャッキ操作位置50a3に合わせて(ステップS105)、ジャッキ動作サブルーチンに移行させる(ステップS106)。図18のジャッキ動作サブルーチンにて、上げスイッチ50bをオンにすると(S401)、リフトアーム起立検出センサLS4は起立姿勢を検知していないため(ステップS402のNO)、第3切換バルブ39cが切り換わり、ジャッキシリンダ4aが収縮を開始する(ステップS406)。これによってジャッキ4は下突出位置から収納位置に、リアバンパ61は格納位置から後突出位置に、それぞれ移動する(図1(a)参照)。以上の動作により荷役車両はコンテナ3を搭載した状態で走行することができる。
【0063】
以上のように、コンテナの積降動作は、各センサLS1〜LS4の検出結果を基にして制御装置33が順次、各切換バルブ39a〜39cに指令をおこなうようにしている。従って、操作者はトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に合わせ、コンテナ降ろしの際は下げスイッチ50cを、コンテナ積込の際は上げスイッチ50bを操作するだけでリフトシリンダ8及びスライドシリンダ9を伸縮させ、アーム装置を動作させることができる。
【0064】
次に、搭載したコンテナ3をダンプ動作させる場合について説明する。図1(a)に示すように、車体にコンテナ3を搭載した状態(走行可能な状態)から、操作部50のトグルスイッチ50aをダンプ操作位置50a2に合わせることで(ステップS103)、ダンプ動作サブルーチンに移行する(ステップS104)。図17のダンプ動作サブルーチンにて、上げスイッチ50bをオンにすると(ステップS301)、第2切換バルブ39bが切り換わりスライドシリンダ9を動作させることなく、リフトシリンダ8を伸長動作させる(ステップS302)。この際、図4に示すようにロックピン19がダンプアーム5の被係合部5aに係合し、ダンプアーム5に対するリフトアーム6の相対回動が規制されるので、図2(e)に示すように、ダンプアーム5とリフトアーム6及びフックアーム7とは互いに一体的に後方へ回動する。これにより、コンテナ3はダンプし、コンテナ3の中味が排出される。操作者が上げスイッチ50bをオフにするか(ステップS303)、図示しないダンプ限界姿勢検知センサが図2(e)に示すダンプ限界姿勢に至ったことを検知すると(ステップS304)、第2切換バルブ39bを切り換え、リフトシリンダ8の伸長を停止する(ステップS305)。
【0065】
一方、コンテナ3をダンプさせた状態(図2(e))から走行可能な状態(図1(a))に戻すためには、操作部50のトグルスイッチ50aをダンプ操作位置50a2に合わせたまま(ステップS103からステップS104のダンプ動作サブルーチンに移行させる)、下げスイッチ50cをオンにすると(ステップS306)、第2切換バルブ39bを切り換えてリフトシリンダ8を収縮動作させる(ステップS307)。操作者が下げスイッチ50bをオフにするか(ステップS308)、着床検知センサLS3が図1(a)に示す走行可能な状態に至ったことを検知すると(ステップS309)、第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8の伸長を停止する(ステップS310)。
【0066】
コンテナ3のトレーラTへの載せ替え作業を、図11等を参照して説明する。まず、図1(a)の状態の荷役車両を荷役車両の後端がトレーラTの後方に位置するように縦列駐車させる。この状態の荷役車両は、図示しない走行位置検知センサがコンテナの搭載状態を検出し、リフトアーム起立検出センサLS4はオフである。そして、トレーラTのトレーラジャッキJを伸長することにより接地させ、トレーラTの後部は連結部品130により荷役車両の連結部200と連結される(図11(a))。
【0067】
地面に対してコンテナ3を降ろす動作と同様に、キャリア装置2の操作部に設けられたトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に合わせると(ステップS101)、コンテナ積降動作サブルーチンに移行する(ステップ102及び図15参照)。この状態で下げスイッチ50cをオンにすると(ステップS201)、リフトアーム6が起立姿勢にあるか否かをリフトアーム起立検出センサLS4の検出結果より判断する(ステップS202)。リフトアーム6が起立姿勢に無い場合は(ステップ202のNO)、スライドシリンダ9が収縮を開始する(ステップS203)。これによって、フックアーム7が後方にスライドし、図1(b)に示す位置まで後退する。また、これによりコンテナ3も後方へ移動する。
【0068】
地面に対してのコンテナ降ろし動作と同様に、フックアーム7の後退により、後退端まで後退するとリフトアーム装置13は解除され、リフトアームロック検出センサLS1はオンになる。また、同時にダンプアームロック装置は係合され、ダンプアームロック装置がロック状態になったことを検出すると(ステップS204,S205)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わってスライドシリンダ9が収縮を停止し(ステップS206)、更に第2切換バルブ39bが切り換わりリフトシリンダ8が伸長を開始し、ピン11を中心としてリフトアーム6が後方に回動する(ステップS207)。
【0069】
リフトアーム6が後方へ回動すると、図1(c)に示すように、フックアーム7によって前側がつり上げられたコンテナ3は、ローラ51(図3)に接しながら傾動し、後端側を下げていく。コンテナ3は後方に徐々にずり落ちると、コンテナ後方下部のローラ3rはトレーラTの後部に設けられた傾斜面114に当接する。この状態からさらにリフトアーム6を後方回動すると、コンテナはローラ3rがトレーラTの案内レール117の案内面117aによりその左右方向の位置をガイドされながら傾斜面114及び縦フレーム111上を転動し、トレーラTの前方側に向かって移動する。
【0070】
リフトアーム6が概ね図11(a)の姿勢まで回動すると、リフトアーム起立検出センサLS4がオンになり、リフトアーム6がトレーラT上のコンテナに対して係合し得る姿勢に至ったことを示すランプ(図示せず)が点灯する。操作者は下げスイッチ50cをオフにして(ステップS208)、一端、リフトアーム6の回動を停止する(ステップS209)。この状態ではコンテナ3はトレーラT上の所定位置よりもトレーラTの後部104R側(荷役車両側)に位置しており、このままではトレーラTによりコンテナ3を輸送することができないため、フックアーム7をリフトアーム6に対して伸長させることにより、コンテナ3をトレーラTの前方側に移動させる必要がある。
【0071】
そこで、操作者は操作部50のトグルスイッチ50aをジャッキ操作位置50a3に切り替え(図14のステップS105からステップS106)、上げスイッチ50bをオンにする(図18のステップS401)。このとき、リフトアーム起立検出センサLS4が、リフトアーム8が起立姿勢であることを感知しているため(ステップS402のYES)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を開始する(ステップS403)。図11(b)の状態までフックアーム7を伸長させると、操作者は上げスイッチ50bをオフにし(ステップS404のYES)、第1切換バルブ39aを切り換えてスライドシリンダ9を停止する(ステップS405)。これにより、本発明の荷役車両ではフックアーム7を伸張することができるため、トレーラTに接触してしまい荷役車両を後退できない場合であっても、コンテナの係合片3aに対してフック7aを近づけることができ、フック7aとコンテナの係合片3aとを係合することができる。また、フックアーム7を伸張する際にアーム装置の姿勢がコンテナ3と係合可能な姿勢であることを検知する検知手段(センサ)を、リフトアーム8が起立した姿勢すなわちダンプアーム5に対する姿勢を検知することにより知るようにしている。これにより、アーム装置がコンテナ3と係合可能な姿勢であることを検知する検知手段としてのセンサが一つでよく、安価に検知することができる。
【0072】
再び操作者は操作部50のトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に切り替え(図14のステップS101からステップS102)、下げスイッチ50cをオンにする(図15のステップS201)。すると、リフトアーム起立検出センサLS4がリフトアーム6が起立姿勢であることを感知しているため(ステップS202のYES)、ステップS207に直ちに移行し、第2切換バルブ39aを切り換えてリフトシリンダ8を伸長させることにより、リフトアーム6が後方に回動する。これにより、コンテナ3は図11(b)に示す状態から図11(c)に示すトレーラT上の所定位置に降ろされる。
【0073】
図11(b)に示す状態から図11(c)に示す状態に至る際、跳上防止片120の係合爪120aは、コンテナ3の係止孔3hに挿入され、コンテナ後端の跳ね上がりを防止できる状態になっており、トレーラTの突起部125がコンテナ3の差込部3Lに差し込まれることによりコンテナ3の荷台102に対する前後方向の位置が規制される。また、突起部125と、差込部3Lとにそれぞれ設けられた挿入孔にピン126を挿入することで、コンテナ3の前部の跳ね上がりを防止する。そして、荷役車両を図11(c)に示す状態のトレーラTの前方に縦列駐車してトレーラTの被連結部を荷役車両の連結部200と連結することで(図9参照)、1台の荷役車両で2個のコンテナを輸送することができる。
【0074】
コンテナ3のトレーラTから荷役車両への載せ替え作業を、図11等を参照して説明する。後方までリフトアーム6を回動させた状態の荷役車両をその後部がトレーラTの後方に位置するように縦列駐車させる(図11(c))。そして、トレーラTのトレーラジャッキJを伸長することにより接地させ、トレーラTの後部は連結部品130により荷役車両の連結部200と連結される(図11(a))。
【0075】
このとき、フックアーム7は一点鎖線で示す位置にあり、この状態ではフック7aとコンテナ3の係合片3aとは係合することができないため、フックアーム7をリフトアーム6に対して伸長させる必要がある。そこで、操作者は操作部50のトグルスイッチ50aをジャッキ操作位置50a3に切り替え(図14のステップS105からステップS106)、上げスイッチ50bをオンにする(図18のステップS401)。このとき、リフトアーム起立検出センサLS4が、リフトアーム8が起立姿勢であることを感知しているため(ステップS402のYES)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を開始する(ステップS403)。図11(c)の実線で示す状態までフックアーム7を伸長し、フック7aと係合片3aとを係合させると、操作者は上げスイッチ50bをオフにし(ステップS404のYES)、第1切換バルブ39aを切り換えてスライドシリンダ9を停止する(ステップS405)。
【0076】
この状態で操作部50のトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に合わせ(ステップS101)、上げスイッチ50b(図13)がオンされると(ステップS210)、リフトアーム6が起立姿勢にあるか否かをリフトアーム起立検出センサLS4の検出結果より判断し(ステップS202)、リフトアーム6が起立姿勢にあるため(ステップ202のYES)、ステップS212に移行する。これにより、制御装置33の指令により第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8が収縮を開始し(ステップS212)、リフトアーム6が前方に回動を開始する。これにより、コンテナ3は前部を吊り上げられながら荷役車両側に移動する。このとき、コンテナ3の前部は持上げられるため、トレーラTの荷台102に設けられた突起部125からコンテナ3前部下面の両側に設けた差込部3Lが抜け、トレーラTに対して前後方向の移動が可能になる。そして、リフトアーム6が前方に回動し、概ね起立した状態になり、リフトアーム起立検出センサLS4がオンからオフとなると(ステップS213のYES)、一旦制御装置33の指令により第2切換バルブ39bを切り換えてリフトシリンダ8を停止し(ステップS214)、リフトアーム6の回動を停止させる。
【0077】
続いて、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が収縮を開始し(ステップS215)、フックアーム7がリフトアーム6に対して収縮する方向に移動する。フックアーム7の移動によって当接部12がローラ14に当接し、さらにフックアーム7がスライド限界端まで移動すると、ロックピン19も併せて移動し、ロックピン19の後端がリフトアームロック検出センサLS1によって感知され、リフトアームロック検出センサLS1がオンになる。これによりリフトアームロック装置13がロック解除状態になったことが検出される(ステップS217)。また、リフトアーム6を回動させた際にフックアーム7の先端に設けられたフック7aの回動半径が小さくなるためコンテナ積込の際の作業スペースが小さくなる。
【0078】
制御装置33の指令により第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8が収縮を開始し(ステップS218)、リフトアーム6の前方への回動を再開する。リフトアーム6が前方に回動し、リフトアーム6が着床検知センサLS3(図5)によって検出されると(ステップS219)、制御装置33の指令により第2切換バルブ39bが切り換わり、リフトシリンダ8が収縮を停止する(ステップS220)。これによりリフトアーム6の前方への回動が終了する。次に、第1切換バルブ39a(図12)が切り換わり、スライドシリンダ9(図3)が伸長を開始し、フックアーム7が前方にスライドする(ステップS221)。フックアーム7のスライドによって、リフトアームロック装置13のローラ14(図5)と、ダンプアームロック装置52の被当接部56(図7)とが当接部12から離れ、ロックピン19がダンプアーム5に係合してロック状態になり(リフトアームロック検出センサLS1がオフになり)、係合部54がピン41から離脱してロック解除状態になる(ダンプアームロック検出センサLS2がオフになる)。
【0079】
その後、上げスイッチ50bがオフされると(ステップS222)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を停止する(ステップS224)。あるいは上げスイッチ50bがオフされなくても、走行位置検知センサがオンされると(ステップS223)、同様に、第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を停止する。これによりフックアーム7の前方へのスライド動作が終了する。
【0080】
そして、操作部50に設けられたトグルスイッチ50aをジャッキ操作位置50a3に合わせて(ステップS105)、ジャッキ動作サブルーチンに移行させる(ステップS106)。図18のジャッキ動作サブルーチンにて、上げスイッチ50bをオンにすると(S401)、リフトアーム起立検出センサLS4は起立姿勢を検知していないため(ステップS402のNO)、第3切換バルブ39cを切り換え、ジャッキシリンダ4aが収縮を開始する(ステップS406)。これによってジャッキ4は下突出位置から収納位置に、リアバンパ61は格納位置から後突出位置に、それぞれ移動する。
【0081】
以上のように、補助操作手段のジャッキ操作手段、すなわちジャッキを操作するための操作であるトグルスイッチ50aをジャッキ操作位置50a3に切り替えて上げ下げスイッチ51b,51cをオンにする操作によりフックアーム7を伸縮させてフック7aの位置を変更するようにしたため、フック7aの位置を変更させるための専用の操作スイッチを設ける必要が無い。従って、荷役車両を安価に提供することができる。また、ジャッキ操作手段を操作した際、リフトアーム8の姿勢がトレーラT上のコンテナ3を積み降ろす姿勢まで回動しているか否かによりジャッキの動作(ジャッキシリンダ4aの伸縮動作)とフックアーム7の伸縮とを選択的に動作させるようにしたので、コンテナ積降作業中に確実にフックアーム7を動作させることができる。さらに、既存の荷役車両に対しても制御装置33を変更するだけでフックアーム7を伸縮させるようにでき、トレーラTに積降することができる。そして、リフトアーム起立検出センサLS4が故障しているときにフック7aを移動させるためジャッキ操作手段を操作した場合であっても、ジャッキ4が動作するのみであるため、他のアーム(例えばリフトアーム8)が駆動してしまい、コンテナ3が予期せぬ動きをすることがなく安全に作業を行うことができる。
【0082】
なお、本実施形態ではフック7aとコンテナ3の係合片3aとを係合させた状態(図11(c))からリフトアーム8を回動することにより、トレーラTの荷台102に設けられた突起部125からコンテナ3前部下面の両側に設けた差込部3Lを抜きながら荷役車両側に移動させていたが、フック7aとコンテナ3の係合片3aとを係合させた状態(図11(c))から更にフックアーム9を伸長させることによりコンテナ3の前部を持上げ、確実にトレーラTの突起部125からコンテナ3の差込部3Lを抜いてからリフトアーム8を回動させて荷役車両に積み込むようにしてもよい。これにより、トレーラTの突起部125やコンテナ3の差込部3Lの破損を防止することができる。
【0083】
本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態ではジャッキを動作させるための操作ではなくダンプ動作させるための操作を兼用するようにしている。なお、他の実施形態は図17に示したダンプ動作サブルーチンが図19に示すように変更されているのみであり、構造及びその他の動作については同一につき詳細な説明を省略する。
【0084】
コンテナ3を荷役車両からトレーラTに移し替えを行う場合には、まず、図11(a)に示す状態まで降ろし動作を行わせる。そして操作者は操作部50のトグルスイッチ50aをダンプ操作位置50a2に切り替え(図14のステップS103からステップS104)、上げスイッチ50bをオンにする(図19のステップS501)。このとき、リフトアーム起立検出センサLS4が、リフトアーム8が起立姿勢であることを感知しているため(ステップS502のYES)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を開始する(ステップS507)。図11(b)の状態までフックアーム7を伸長させると、操作者は上げスイッチ50bをオフにし(ステップS508のYES)、第1切換バルブ39aを切り換えてスライドシリンダ9を停止する(ステップS509)。その後、操作者が操作部50のトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に切り替えて下げスイッチ50cをオンにするとリフトアーム6が後方へ回動するため、引き続きコンテナ3を降ろすことができる。コンテナ3の係合片3aからフック7aを外すためには、再度トグルスイッチをダンプ操作位置50a2に切り替え、下げスイッチ50cをオンにすると(図19のステップS510)、リフトアーム起立検出センサLS4は、リフトアーム8が起立姿勢であることを感知しているため(ステップS511のYES)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が収縮を開始する(ステップS516)。これにより、フック7aはコンテナ3の係合片3aより離れる方向に移動するため係合状態から外れる。
【0085】
一方、コンテナ3をトレーラTから荷役車両に移し替えを行う場合には、図11(c)の一点鎖線に示す姿勢までアーム装置を動作させる。そして操作者は操作部50のトグルスイッチ50aをダンプ操作位置50a2に切り替え(図14のステップS103からステップS104)、上げスイッチ50bをオンにする(図19のステップS501)。このとき、リフトアーム起立検出センサLS4が、リフトアーム8が起立姿勢であることを感知しているため(ステップS502のYES)、制御装置33の指令により第1切換バルブ39aが切り換わり、スライドシリンダ9が伸長を開始する(ステップS507)。図11(b)の状態までフックアーム7を伸長させると、操作者は上げスイッチ50bをオフにし(ステップS508のYES)、第1切換バルブ39aを切り換えてスライドシリンダ9を停止する(ステップS509)。続いて操作者は操作部50のトグルスイッチ50aを積降操作位置50a1に切り替えて上げスイッチ50bをオンにすることで、リフトアーム8を前方回動及び、フックアーム7を前方スライドさせ、図1(a)に示す状態に至り移し替え作業が終了する。
【0086】
以上のように、補助操作手段のダンプ操作手段、すなわちジャッキを操作するための操作であるトグルスイッチ50aをダンプ操作位置50a2に切り替えて上げ下げスイッチ51b,51cをオンにする操作によりフックアーム7を伸縮させてフック7aの位置を変更するようにしたため、フック7aの位置を変更させるための専用の操作スイッチを設ける必要が無い。従って、荷役車両を安価に提供することができる。また、ダンプ操作手段を操作した際、リフトアーム8の姿勢がトレーラT上のコンテナ3を積み降ろす姿勢まで回動しているか否かによりダンプ動作(リフトシリンダ8の伸縮動作)とフックアーム7の伸縮とを選択的に動作させるようにしたので、コンテナ積降作業中に確実にフックアーム7を動作させることができる。さらに、既存の荷役車両に対しても制御装置33を変更するだけでフックアーム7を伸縮させるようにでき、トレーラTに積降することができる。また、フックアーム7の操作手段として、補助操作手段のダンプ操作手段を兼用することにより、ジャッキ4を手動で動かすようにして補助操作手段のジャッキ操作手段を有さない既存の荷役車両に対しても適用することができる。
【0087】
なお、上記各実施例における説明ではトレーラTに搭載されたコンテナ3の積み込みについて説明したが、プラットホームのような荷役車両よりも高い位置にコンテナ3を載置した際に、荷役車両が後退が制限されることよるフック7aとコンテナ3の係合片3aとの係合ができない場合であっても、同様の動作をおこなうことによりフック7aとコンテナ3の係合片3aとを係合させることができる。
【0088】
また、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。キャリア姿勢検知手段としてリフトアーム起立検出センサLS4を用いたが、着床検知センサLS3がオフであること(リフトアーム5がサブフレーム2aに沿った姿勢(図1(a)参照)から起立した姿勢であることを検知すること)用いてスライドシリンダ9を駆動するようにしてもよい。また、フック7aの位置を変更するためにフックアーム7をリフトアーム6に対してスライド移動するように設けたが、フックアーム7をリフトアーム8に軸を介して揺動可能に設け、フックアーム7の揺動によりフック7aの位置を変更するようにしてもよい。
また、フックアーム7の動作させるための操作手段を兼用する補助操作手段については実施例に挙げたもの以外の操作手段を利用してもよい。例えば、コンテナ3をアーム装置や車体1に固縛するロック装置をアクチュエータにより駆動しかつ、該アクチュエータをロック駆動用スイッチを操作することにより動作を開始するように構成した荷役車両において(図示せず)、ロック駆動用スイッチを用いてフックアーム7を伸縮するようにしてもよく、コンテナ3の扉(図示せず)をアクチュエータにより開閉しかつ、該アクチュエータを扉開閉用スイッチを操作することにより開閉するようにした荷役車両において、扉開閉用スイッチを用いてフックアーム7を伸縮するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 車体
2 キャリア装置
6 リフトアーム
8 リフトシリンダ(リフトアーム駆動手段)
7 フックアーム
9 スライドシリンダ(フックアーム駆動手段)
32 リフトアーム起立検出センサLS4(キャリア姿勢検知手段,リフトアーム回動位置検知手段)
33 制御装置
50 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナを搭載する車体と、
基端部が前記車体に対してリフトアーム駆動手段により前後方向に回動可能に設けられるリフトアームと、コンテナと係合しうるフックを有し前記リフトアームに対してフックアーム駆動手段により前記フック位置を変更可能に設けられるフックアームとを有するアーム装置を少なくとも備えたキャリア装置と、
積降操作手段と補助操作手段とを備えた操作部と、
前記操作部の操作に応じて前記キャリア装置を駆動する制御装置とを備えた荷役車両において、
前記制御装置は、積込操作手段が操作された際にはコンテナを車体に対して積み降ろしし、前記補助操作手段が操作された際にはフックアーム駆動手段を駆動するようにしたことを特徴とする荷役車両。
【請求項2】
前記キャリア装置の後部に設けられ、積荷作業の際の車体の降下を抑制するために当該車体フレームから垂下させた下突出位置と、この下突出位置よりも上方へ退避した収納位置との間をジャッキ駆動手段により回動可能とされたジャッキと、
前記補助操作手段は操作されると制御装置がジャッキ駆動手段を駆動させるジャッキ操作手段であることを特徴とする請求項1に記載の荷役車両。
【請求項3】
前記アーム装置は一端が車体に対して前後方向に回動可能に設けられるとともに他端にリフトアームが前後方向に回動可能に設けられたダンプアームをさらに備え、
前記補助操作手段は操作されると制御装置がリフトアーム駆動手段によりリフトアームとダンプアームと一体的に回動させるダンプ操作手段であることを特徴とする請求項1に記載の荷役車両。
【請求項4】
アーム装置がコンテナを搭載し得る姿勢であることを検知するキャリア姿勢検知手段とを更に備え、
前記制御装置は、前記補助操作手段が操作された際に、アーム装置がコンテナを搭載し得る姿勢であることを前記キャリア姿勢検知手段が検知した場合には、フックアーム駆動手段を駆動するようにしたことを特徴とする請求項1乃至3記載の荷役車両。
【請求項5】
前記キャリア姿勢検知手段は、前記リフトアームの回動位置を検知するリフトアーム回動位置検知手段であることを特徴とする請求項4記載の荷役車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2011−5967(P2011−5967A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151872(P2009−151872)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000163095)極東開発工業株式会社 (215)