説明

菌類感染から穀類を保護する方法

穀類、これらの種子または土壌を、a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-ジフルオロメチル-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、およびb)エポキシコナゾールまたはメトコナゾールを含む相乗的に活性な組み合わせで処理する、有害な菌類による感染から穀類を保護する方法、上記組み合わせを含む殺菌剤および種子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は穀類植物、これらの種子または土壌を、殺菌的に効果的な量の、
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-((ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む、相乗的に活性な組み合わせで処理する、特定の有害な菌類感染から穀類を保護する方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】WO 03/074491
【特許文献2】WO 04/035589
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の化合物は殺菌活性であることが公知であるが、これらの穀類における殺菌能力はまだあらゆる点において完全に満たしている訳ではない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む組み合わせが穀類の有害な菌類に対して非常に優れた活性を有することが新たに発見された。
【発明を実施するための形態】
【0005】
N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)
【化1】

【0006】
はWO 03/074491により公知であり、その中に記載された方法で調製できる。前記の化合物の種々の有害な菌類に対する殺菌活性はWO 2006/015865、WO 2006/015866、WO 2007/090623およびResearcH Disclosure 2006, RD507002により公知である。
【0007】
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)
【化2】

【0008】
はWO 04/035589により公知であり、その中に記載された方法またはWO 2007/068417に記載されている方法で調製できる。
【0009】
化合物(I)および(II)は生物学的活性が異なる種々の結晶変態で存在し得る。これらの利用もまた本発明の主題の一部を形成する。
【0010】
N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドはジアスレテオマー、N-(トランス-2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドおよびN-(シス-2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの混合物である。本発明は、ジアスレテオマー混合物の利用および純粋なジアステレオマーの利用の双方を提供するが、N-(トランス-2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(1a)が好ましい異性体である。
【化3】

【0011】
特に、ジアステレオマー混合物中のN-(トランス-2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドの量はN-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(一般名:sedaxane)の全含有量に基づいて65〜99重量%であり、好ましくは75〜95重量%である。
【0012】
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II;一般名:isopyrazam)は下記二つのシン異性体:
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9RS)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミド
または下記二つのアンチの異性体:
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[(1RS,4SR,9SR)-1,2,3,4-テトラヒドロ-9-イソプロピル-1,4-メタノナフタレン-5-イル]ピラゾール-4-カルボキサミド
の形態で存在し得る。
【0013】
エポキシコナゾールおよびメトコナゾール、ならびにこれらの調製および有害な菌類に対するこれらの働きは一般的に当業者に公知である。いずれの化合物も商業的に入手できる。(例えば、www. alanwood.net/pesticides/index_cn_frame.Html.を参照のこと)
本発明の一つの態様において、N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)およびエポキシコナゾールの組み合わせが好ましい。
【0014】
本発明の別の態様において、N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)およびメトコナゾールの組み合わせが好ましい。
【0015】
本発明のさらに別の態様において、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)およびエポキシコナゾールの組み合わせが好ましい。
【0016】
本発明のさらに別の態様において、3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)およびメトコナゾールの組み合わせが好ましい。
【0017】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む組み合わせは特に穀類の下記の有害な菌類の防除に適する。
【0018】
生理的斑点病菌(Physiological leaf spots)
アスコキタ・トリチシ(Ascochyta tritici)(斑点病)
ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(穀類のうどんこ病菌)
クラドスポリウム ヘルバレム(Cladosporium herbarum)(黒カビ病)
コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(イネ科斑点病菌)
エピコッカム属の種(Epicoccum spp.)
エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)(ムギ類のうどんこ病菌)
フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)
フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)(根腐れ病)
ガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)(黒根病)
レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)(ふ枯病)
ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale)(紅色雪腐病菌)
生理的斑点病 (Physiological leaf spots)
シュードセルコスポラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercospora herpotrichoides)
シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(眼紋病)
プクキニア・ストリホルミンス(Puccinia striiformis)(さび病)
プクキニア・トリチシナ(Puccinia triticina)(赤さび病)
プクキニア・ホルデイ(Puccinia hordei)(オオムギ小さび病)
プクキニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギ赤さび病菌)
ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)
ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(網斑病)
ピレノフォラ・トリチシ・リペンティス(Pyrenophora tritici repentis)
ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo-cygni)(生理的斑点病)
リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(根腐病/茎腐病)
リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)(黄色斑点)
リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)
セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)(コムギのふ枯病菌)
セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)(斑点病)
スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)
チレチア・カリエス(Tilletia caries)
チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)(雪腐病)
ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)
ウスチラゴ・アベナエ(Ustilago avenae)
ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)。
【0019】
本発明の組み合わせは、生理的斑点病(Physiological leaf spots)、ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(穀類のうどんこ病菌)、コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(イネ科斑点病菌)、エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)(ムギ類のうどんこ病菌)、フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum)、フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)(根腐れ病)、ガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)(黒根病)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)(ふ枯病)、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale)(紅色雪腐病菌)、生理的斑点病(Physiological leaf spots)、シュードセルコスポラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercospora herpotrichoides)、シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(眼紋病)、プクキニア・ストリホルミンス(Puccinia striiformis)(さび病)、プクキニア・トリチシナ(Puccinia triticina)(赤さび病)、プクキニア・ホルデイ(Puccinia hordei)(オオムギ小さび病)、プクキニア・レコンジタ(Puccinia recondita)、ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(網斑病)、ピレノフォラ・トリチシ・リペンティス(Pyrenophora tritici repentis)、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo-cygni)(生理的斑点病)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)(黄色斑点)、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)、セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)(コムギのふ枯病菌)、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici)(斑点病)、スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)、チレチア・カリエス(Tilletia caries)およびウスチラゴ・アベナエ(Ustilago avenae)
の防除に特に適する。
【0020】
ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(穀類のうどんこ病菌)、レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)(ふ枯病)、ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale)(紅色雪腐病菌)、生理的斑点病(Physiological leaf spots)、シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(眼紋病)、プクキニア・ストリホルミンス(Puccinia striiformis)(さび病)、プクキニア・トリチシナ(Puccinia triticina)(赤さび病)、プクキニア・ホルデイ(Puccinia hordei)(オオムギ小さび病)、プクキニア・レコンジタ(Puccinia recondita)、ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)、ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(網斑病)、ピレノフォラ・トリチシ・リペンティス(Pyrenophora tritici repentis)、ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo-cygni)(生理的斑点病)、リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)(黄色斑点)、リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)およびセプトリア・トリチシ(Septoria tritici)(斑点病)の防除は非常に、特に好ましい。
【0021】
a)N-(2-ビシクロプロプ2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
の組み合わせにより処理される穀類植物または種子は、野生生物タイプ、品種改良、突然変異生成または遺伝子工学により得られる植物または種子、および遺伝子改変植物ならびにこれらの種子を含むことができる。
【0022】
N-(2-ビシクロプロプ2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)およびエポキシコナゾールまたはメトコナゾールは同時に、すなわち一緒にもしくは別々に、または逐次施用することができ、別々の施用の場合その順序は一般的に防除程度の結果にいかなる影響も及ぼさない。
【0023】
3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)およびエポキシコナゾールまたはメタコナゾールは、一緒にもしくは別々に同時に、または逐次施用することができ、別々の施用の場合その順序は一般的に防除程度の結果にいかなる影響も及ぼさない。
【0024】
有害な菌類は、
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む組み合わせの施用により、種子を処理することにより、植物の播種の前もしくは後、または植物の発芽の前もしくは後に、植物または土壌に噴霧または散粉することにより防除される。
【0025】
穀類の菌病は、
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む製剤または一つの成分を含む製剤の水性調合液を植物の地上部分、特に葉に施用することにより、または高い全身性の効果による予防薬として種子または土壌を処理することにより有利に防除される。
【0026】
化合物(I)およびエポキシコナゾールまたはメトコナゾール、化合物(II)およびエポキシコナゾールまたはメトコナゾールは通常、重量比100:1〜1:100、好ましくは20:1〜1:20、特に好ましくは10:1〜1:10で施用される。
【0027】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
の組み合わせが一般的には使用されるが、有害な菌類または昆虫、クモ形類動物もしくは線虫などの他の有害生物に対して活性な更なる化合物、その他の除草活性化合物、成長調整活性化合物または肥料も加えることができる。
【0028】
従って、本発明はまた、混合物が活性成分として、
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール、ならびに
c)少なくとも一つの上記に示された様な更なる活性化合物(III)
の組み合わせを含む、穀類の有害な菌類を防除する殺菌性混合物に関する。
【0029】
本発明の方法において、殺菌的な組成物は例えば除草剤、殺虫剤、成長調整剤、更なる殺菌剤などのその他の活性化合物(III)または肥料と一緒に有利に施用することができる。この種の適切な更なる混合パートナーは特に、
・グリホサート、スルホサート、グルホシネート、テフルトリン、テルブホス、クロルピリホス、クロルエトキシホス、テブピリムホス、フェノキシカルブ、ジオフェノラン、ピメトロジン、イマゼタピル、イマザモックス、イマザピル、イマザピック、イマザキンまたはジメテナミド-P、
・フィプロニル、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、ジノテフラン、チアクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、テフルベンズロン、アルファシペルメトリンおよびメタフルミゾン
である。
【0030】
上述の、その他の活性化合物(III)は通常、化合物(I)または(II)の量に基づいて、重量比100:1〜1:100、好ましくは20:1〜1:20、特に好ましくは10:1〜1:10で施用される。
【0031】
最も好ましくは、更なる活性化合物(III)は化合物(I)または化合物(II)およびエポキシコナゾールまたはメトコナゾールと一緒に相乗効果的な量で施用される。
【0032】
上記に記載の
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
と除草剤の混合物は、上記除草剤、特にグリホサートおよび上述のイミダゾリノン化合物に対する植物の感受性が低下した作物に特に使用される。
【0033】
a)化合物(I)または(II)、およびb)エポキシコナゾールまたはメトコナゾールを含む組み合わせを穀類に施用すると、収穫高は大幅に増加する。従って、化合物(I)およびエポキシコナゾールまたはメトコナゾール、化合物(II)およびエポキシコナゾールまたはメトコナゾールを含む組み合わせのそれぞれがまた、収穫高を増加させるために使用可能である。穀類における有害な菌類に対する優れた作用と収穫高の増加の長所により、本発明による方法は特に農業従事者にとって有用である。
【0034】
a)化合物(I)または(II)、およびb)エポキシコナゾールまたはメトコナゾールと殺菌的、殺虫的および/または除草的に活性な化合物(III)を含む組み合わせは、菌類、または菌類の攻撃から保護すべき植物、材料もしくは種子、または土壌を、殺菌効果を有する量の活性化合物で処理することにより施用する。施用は材料または種子が菌類に感染する前および感染した後のどちらでも実施することができる。
【0035】
化合物(I)または(II)はそれ自体で使用される際には、本発明による方法においての施用量は、所望の効果のタイプに依存して活性化合物0.01〜1.5kg/haである。
【0036】
種子の処理において、必要とされる活性化合物の量は一般にN-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド1〜1500g/種子100kgであり、好ましくは10〜500g/種子100kgである。
【0037】
所望の効果に依存して、本発明による混合物の施用量は10g/ha〜2500g/ha、好ましくは50〜2000g/ha、特に100〜1500g/haである。
【0038】
化合物(I)または(II)の施用量は一般に、1〜1000g/ha、好ましくは10〜750g/ha、特に20〜500g/haである。
【0039】
エポキシコナゾール、メトコナゾールおよび所望の場合には更なる殺菌的、殺虫的および/または除草的に活性な化合物(III)の施用量は、一般に、1〜1500g/ha、好ましくは10〜1250g/ha、特に20〜1000g/haである。
【0040】
種子の処理において、本発明による組み合わせの施用量は一般に1〜2000g/種子100kg、好ましくは1〜1500g/種子100kg、特に5〜1000g/種子100kgである。
【0041】
本発明による方法における使用について、化合物は通常の製剤、例えば溶液、エマルション、懸濁液、ダスト、粉末剤、ペーストおよび顆粒に変換することができる。使用形態は想定される特定の目的に依存するが、いずれの場合にも、本発明による化合物の微細かつ均一な分布を保証しなければならない。
【0042】
製剤は公知の方法により (例えば、US3060084、EPA707 445(液体濃縮物), Browning, ”Agglomeration”, Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48, Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th edition, McGraw-Hill, New York, 1963, pages 8-57, WO 91/13546, US 4,172,714, US 4,144,050, US 3,920,442, US 5,180,587, US 5,232,701, US 5,208,030, GB 2,095,558, US 3,299,566, Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961, Hance et al., Weed Control Handbook, 8th edition, Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989 and Mollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001, 2. D. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7514-0443-8))、例えば、活性化合物を溶媒および/または担体を用いて希釈することにより、所望の場合には乳化剤、界面活性剤、分散剤、安定剤、消泡剤および凍結防止剤などを使用して調製する。種子を処理する製剤について、着色顔料(例えばローダミンB)、バインダーおよび/または膨潤剤もまた考えられる。
【0043】
本目的に適する溶媒/添加剤は基本的に次の通りである。
【0044】
- 水、芳香族溶媒(例えば、Solvesso(登録商標)製品、キシレン)、パラフィン(例えば、鉱油留分)、アルコール(例えば、メタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン(例えば、シクロヘキサノン、ガンマブチロラクトン)、ピロリドン(N-メチルピロリドン(NMP)、N-オクチルピロリドン(NOP))、酢酸エステル(グリコールジアセテート)、グリコール、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸および脂肪酸エステル。原則として、溶媒の混合物もまた、使用できる。
【0045】
- 粉砕した天然鉱物(例えば、カオリン、粘土、タルク、白亜)および粉砕した合成鉱物(例えば、高分散シリカ、ケイ酸塩)などの担体;非イオンおよびアニオン乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)などの乳化剤およびリグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロースなどの分散剤。
【0046】
好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルフォナート、アルキルスルファート、アルキルスルホナート、脂肪族アルコールスルファート、脂肪酸および硫酸化脂肪族アルコールグリコールエーテル、さらにスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレンもしくはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコールおよび脂肪族アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノ亜硫酸廃液およびメチルセルロースである。
【0047】
直接噴霧可能な溶液、エマルション、ペーストまたは油分散物の調製に好適な物質は、灯油またはジーゼル油などの中程度から高い沸点を有する鉱油留分、並びにコールタール油および植物または動物由来の油、脂肪族、環式および芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶媒、例えばジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよび水である。
【0048】
好適な凍結防止剤は、例えばグリセロール、エチレングリコールおよびプロピレングレコールが挙げられる。
【0049】
好適な消泡剤は、例えばシリコンステアレートまたはマグネシウムステアレートが挙げられる。
【0050】
好適な膨潤剤は、例えばcarrageen(Satiagel(登録商標))が挙げられる。
【0051】
結合剤は、種子上の、活性化合物または複数の活性化合物の付着性を改良する働きをする。好適なバインダーは、例えば、ポリエチレンオキサイド/ポリプロピレンオキサイドコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、ポリエチレンイミン(Lupasol[登録商標]、Polymin[登録商標])、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルアセテートならびに上記のポリマーのコポリマーが挙げられる。
【0052】
散布用物質および散粉可能な生成物である粉末剤は、活性物質を固体担体と混合または一緒に粉砕することによって調製することができる。
【0053】
顆粒剤(例えば被覆顆粒剤、含浸顆粒剤および均質顆粒剤)は活性化合物を固体担体と結合させることによって調製できる。固体担体の例としてはシリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、陶土、黄土、クレイ、ドロマイト、けいそう土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質、などの土壌鉱物、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの肥料および穀物ミール、樹皮ミール、材木ミールおよび堅果殻ミールなどの植物起源の製品またはセルロース粉末およびその他の固体担体が挙げられる。
【0054】
一般に製剤は活性化合物を0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%含む。活性化合物は純度90%〜100%、好ましくは純度95%〜100%(NMRスペクトルによる)で使用される。
【0055】
種子の処理のために、製剤は、2〜10倍に希釈することができ、0.01〜60重量%の活性化合物、好ましくは0.1〜40重量%の活性化合物を含むそのまま使用可能な製剤を与える。
【0056】
下に製剤の例を記載する。
【0057】
1. 水により希釈する製品
A)水溶性濃縮物(SL、LS)
10重量部の活性化合物または複数の活性化合物を90重量部の水または水溶性溶媒に溶解する。あるいは、湿潤剤または他の添加剤を加える。活性化合物は水により希釈すると溶解する。この方法により、10重量%の活性化合物含有量を有する製剤が得られる。
【0058】
B)分散性濃縮物(DC)
20重量部の活性化合物または複数の活性化合物を、10重量部の分散剤、例えばポリビニルピロリドンを加えて70重量部のシクロヘキサノンに溶解する。水により希釈すると分散物が得られる。活性化合物含有量は20重量%である。
【0059】
C)乳化性濃縮物(EC)
15重量部の活性化合物または複数の活性化合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシ化ひまし油(それぞれ5重量部)を加えて75重量部のキシレンに溶解する。水により希釈するとエマルションが得られる。製剤は15重量%の活性化合物含有量を有する。
【0060】
D)エマルション(EW、EO、ES)
25重量部の活性化合物または複数の活性化合物を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシ化ひまし油(それぞれ5重量部)を加えて35重量部のキシレンに溶解する。この混合物を、乳化機(例えば、Ultraturrax)を用いて30重量部の水に導入し、均一なエマルションを作る。水により希釈するとエマルションが得られる。製剤は25重量%の活性化合物含有量を有する。
【0061】
E)懸濁液(SC、OD、FS)
撹拌したボールミル中で、20重量部の活性化合物または複数の活性化合物を、10重量部の分散剤および湿潤剤ならびに70重量部の水または有機溶媒を加えて粉砕して、微細な活性化合物の懸濁液を得る。水により希釈すると、活性化合物の安定な懸濁液が得られる。製剤中の活性化合物含有量は20重量%である。
【0062】
F)水分散性顆粒および水溶性顆粒(WG、SG)
50重量部の活性化合物または複数の活性化合物を、50重量部の分散剤および湿潤剤を加えて微細に粉砕し、技術機器(例えば、押出機、噴霧塔、流動床)を用いて水分散性または水溶性顆粒を調製する。水により希釈すると活性化合物の安定な分散物または溶液が得られる。製剤は50重量%の活性化合物含有量を有する。
【0063】
G)水分散性粉末および水溶性粉末(WP、SP、SS、WS)
75重量部の活性化合物または複数の活性化合物を、25重量部の分散剤、湿潤剤およびシリカゲルを加えてローターステーターミル(rotor-stator mill)中で粉砕する。水により希釈すると活性化合物の安定な分散物または溶液が得られる。製剤の活性化合物含有量は75重量%である。
【0064】
H)ゲル製剤(GF)
ビーズミル中で、20重量部の活性化合物または複数の活性化合物、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化剤および70重量部の水または有機溶媒を粉砕して微細な活性化合物の懸濁液を得る。水により希釈すると、活性化合物の安定な懸濁液が得られる。製剤は20重量%の活性化合物含有量を有する。
【0065】
2. 希釈せずに施用する製品
J)散粉用粉末剤(DP、DS)
5重量部の活性化合物または複数の活性化合物を微細に粉砕し、95重量部の微細に粉砕したカオリンと緊密に混合する。これにより、5重量%の活性化合物含有量を有する散粉用製品が得られる。
【0066】
K)顆粒(GR、FG、GG、MG)
0.5重量部の活性化合物または複数の活性化合物を微細に粉砕し、99.5重量部の担体と結合させる。現在おこなわれている方法は押出、噴霧乾燥または流動床である。これにより、0.5重量%の活性化合物含有量を有する希釈せずに施用する顆粒が得られる。
【0067】
L)ULV溶液(UL)
10重量部の活性化合物または複数の活性化合物を90重量部の有機溶媒、例えばキシレンに溶解する。これにより、10重量%の活性化合物含有量を有する希釈せずに施用する製品が得られる。
【0068】
適切な種子の処理のためには、特にFS製剤を使用する。典型的には、その様なFS製剤は1〜800g/lの活性化合物または複数の活性化合物、1〜200g/lの界面活性剤、0〜200g/lの凍結防止剤、0〜400g/lの結合剤、0〜200g/lの着色顔料および好ましくは水である1lの溶媒を含む。
【0069】
活性化合物は、そのままで、それらの製剤の形で、または製剤から調製された使用形態で、例えば、直接噴霧できる溶液、粉末剤、懸濁液もしくは分散物、エマルション、油分散物、ペースト、散粉用生成物、散布用物質、または顆粒の形で、スプレー、噴霧、散粉、散布または注入により使用することができる。使用形態は意図される目的に完全に依存するが、いずれの場合にも、それらは本発明による活性化合物の可能な限り微細な分布を保証することを目的とする。
【0070】
水性の使用形態は、濃縮エマルション、ペーストまたは湿潤性粉末(噴霧用粉末、油分散物)に水を加えることにより調製することができる。エマルション、ペーストまたは油分散物を調製するために、物質を、そのままで、または油もしくは溶媒に溶解して、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤を用いて水中にホモジナイズさせることができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤または乳化剤、および適切な場合には溶媒または油からなる濃縮物を調製することも可能であり、このような濃縮物は水による希釈に適している。
【0071】
そのまま使用することができる調合液における活性化合物濃度は、比較的広い範囲で変化し得る。一般に、それらは、0.0001〜10%、好ましくは0.01〜1%である。
【0072】
活性化合物はまた、微量散布法(ULV)にも効果的に使用することができ、それにより、95重量%以上の活性化合物を含む製剤を施用することが可能であり、または添加剤を含まない活性化合物を施用することさえも可能である。
【0073】
種々のタイプの油、湿潤剤、補助剤、除草剤、殺菌剤(fungicide)、他の農薬、または殺菌剤(bactericides)を、適切な場合には使用の直前に活性化合物に加えることができる(タンクミックス)。これらの薬剤は、典型的には、本発明による組成物に、1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の重量比で混合される。
【実施例】
【0074】
使用例
活性化合物は、25 mgの活性化合物N-(トランス-2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(1a)を含む保存溶液として調製し、99:1の溶媒/乳化剤の体積比のアセトンおよび/またはジメチルスルホキシド(DMSO)と乳化剤Wettol(登録商標)EM31(エトキシ化アルキルフェノールをベースとする乳化および分散作用を有する湿潤剤)との混合物を用いて10 mlとした。次に、混合物を水を用いて100 mlとした。この保存溶液を下記の溶媒/乳化剤/水混合物により、下に記載する活性化合物濃度に希釈した。エポキシコナゾールおよびメトコナゾールは商業的な完成製剤として使用し、水で活性化合物の定められた濃度に希釈した。
【0075】
視覚的に測定した感染した葉の面積の%を、未処理の対照に対する%で表される有効性に変換した。
【0076】
有効性(E)はAbbotの式を用いて下記のとおり計算した:E=(1−α/β)・100
αは処理した植物の菌類感染を%で示し、βは、未処理(対照)植物の菌類感染を%で示す。
【0077】
有効性0は、処理した植物の感染レベルが未処理対照植物の感染レベルに一致していることを意味し;有効性100は、処理した植物が感染しなかったことを意味する。
【0078】
活性化合物の組み合わせの予想される有効性はColbyの式(Colby, S.R. ”Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide Combinations” ,Weeds, 15, pp.20-22, 1967)を用いて決定し、観察された有効性と比較した。
【0079】
Colbyの式:E=x+y−x・y/100
Eは、濃度aおよびbの活性化合物AおよびBの混合物を用いた場合の未処理対照に対しての%で表現される予想される有効性であり、xは、活性化合物Aを濃度aで用いた場合の未処理対照に対しての%で表現される有効性であり、yは、活性化合物Bを濃度bで用いた場合の未処理対照に対しての%で表現される有効性である。
【0080】
実施例1-コムギにおけるプクキニア・レコンジタ(コムギの赤さび病)に起因する赤さびの治療的防除
鉢植えで栽培したコムギの苗の最初の2枚の葉に、コムギの赤さび病菌(Puccinia recondita)の胞子を噴霧した。人口接種の成功を確保するために、植物を相対湿度95〜99%、20〜22℃の暗い加湿室(humid chamber)に移動させ、24時間置いた。翌日、試験植物に下記に記載の活性成分濃度を有する水性懸濁液を流れ出すまでスプレー噴霧した。植物を空気乾燥させた後、試験植物を22〜26℃、相対湿度65〜70%の温室中で8日間栽培した。葉における菌類の攻撃の程度を病気の葉の面積の%で視覚的に評価した。活性化合物の混合物の予想される効果はColbyの式および観測された有効性との比較により決定した。
【表1】

【0081】
試験結果は、強い相乗作用により、本発明による混合物がColbyの式により予測したよりも大幅に活性であることを示している。
【0082】
実施例2-コムギにおけるプクキニア・レコンジタ(コムギの赤さび病)に起因する赤さびの予防的防除
鉢植えで栽培したコムギの苗の最初の2枚の葉に、下記に記載の活性成分濃度を有する水性懸濁液を流れ出すまでスプレー噴霧した。翌日、植物にコムギの赤さび病菌(Puccinia recondita)の胞子を接種した。人口接種の成功を確保するために、植物を相対湿度95〜99%、20〜22℃の暗い加湿室に移動させ、24時間置いた。次に試験植物を22〜26℃、相対湿度65〜70%の温室中で6日間栽培した。葉における菌類の攻撃の程度を病気の葉の面積の%で視覚的に評価した。
【0083】
活性化合物の混合物の予想される効果はColbyの式および観測された有効性との比較により決定した。
【表2】

【0084】
試験結果は、強い相乗作用により、本発明による混合物が全ての混合比においてColbyの式により予測したよりも大幅に活性であることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀類、これらの種子または土壌を、殺菌に効果的な量の
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む相乗的に活性な組み合わせで処理する、有害な菌類による感染から穀類を保護する方法。
【請求項2】
65〜99重量%のトランス異性体を含有する化合物(I)のジアステレオマー混合物を使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
下記の菌類病原菌を防除する請求項1に記載の方法。
生理的斑点病菌(Physiological leaf spots)
アスコキタ・トリチシ(Ascochyta tritici)(コムギすそ葉枯病菌)
ブルメリア・グラミニス(Blumeria graminis)(穀類のうどんこ病菌)
クラドスポリウム ヘルバレム(Cladosporium herbarum)(黒カビ病菌)
コクリオボルス・サチブス(Cochliobolus sativus)(イネ科斑点病菌)
エピコッカム属の種(Epicoccum spp.)
エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)(ムギ類のうどんこ病菌)
フサリウム・グラミネアルム(Fusarium graminearum) (ムギ類赤カビ病菌)
フサリウム・クルモルム(Fusarium culmorum)(根腐れ病菌)
ガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)(黒根病菌)
レプトスファエリア・ノドルム(Leptosphaeria nodorum)(ふ枯病菌)
ミクロドキウム・ニバレ(Microdochium nivale)(紅色雪腐病菌)
生理的斑点病菌(Physiological leaf spots)
シュードセルコスポラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercospora herpotrichoides)
シュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(眼紋病菌)
プクキニア・ストリホルミンス(Puccinia striiformis)(さび病菌)
プクキニア・トリチシナ(Puccinia triticina)(赤さび病菌)
プクキニア・ホルデイ(Puccinia hordei)(オオムギ小さび病菌)
プクキニア・レコンジタ(Puccinia recondita)(コムギ赤さび病菌)
ピレノフォラ・グラミネア(Pyrenophora graminea)(斑葉病菌)
ピレノフォラ・テレス(Pyrenophora teres)(網斑病菌)
ピレノフォラ・トリチシ・リペンティス(Pyrenophora tritici repentis)(コムギ黄斑病菌)
ラムラリア・コロ−シグニ(Ramularia collo-cygni)(生理的斑点病菌)
リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)(根腐病/茎腐病菌)
リゾクトニア・セレアリス(Rhizoctonia cerealis)(黄色斑点菌)
リンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)(雲形病菌)
セプトリア・ノドルム(Septoria nodorum)(コムギのふ枯病菌)
セプトリア・トリトシ(Septoria tritici)(斑点病菌)
スタゴノスポラ・ノドルム(Stagonospora nodorum)(小房子嚢菌類)
チレチア・カリエス(Tilletia caries)(なまぐさ黒穂病菌)
チフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)(雪腐病菌)
ウロミセス・アペンジクラツス(Uromyces appendiculatus)(アズキさび病菌)
ウスチラゴ・アベナエ(Ustilago avenae)(エンバク裸黒穂病菌)
ウスチラゴ・ヌダ(Ustilago nuda)(コムギ裸黒穂病菌)
【請求項4】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む製剤の水性調合液を植物の地上部に施用する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
種子処理または土壌処理により有害な菌類を防除する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
および少なくとも一つの市販殺菌剤の組み合わせを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
および少なくとも一つの市販の、穀類が耐性のある除草剤の組み合わせを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
および少なくとも一つの市販殺虫剤の組み合わせを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
および下記の群から選択される少なくとも一つの活性化合物(III)の組み合わせを用いる請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
・グリホサート、スルホサート、グルホシネート、テフルトリン、テルブホス、クロルピリホス、クロルエトキシホス、テブピリムホス、フェノキシカルブ、ジオフェノラン、ピメトロジン、イマゼタピル、イマザモックス、イマザピル、イマザピック、イマザキンまたはジメテナミド-P、
・フィプロニル、イミダクロプリド、アセタミプリド、ニテンピラム、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、ジノテフラン、チアクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロン、テフルベンズロン、アルファ-シペルメトリンおよびメタフルミゾン。
【請求項10】
活性成分を同時に、すなわち一緒にもしくは別々に、または逐次施用する請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記組み合わせを5g/ha〜2500g/haの量で施用する、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、および
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール
を含む組成物を、1〜2000g/種子100kgの量で施用する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
a)N-(2-ビシクロプロプ-2-イルフェニル)-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(I)または3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-N-[1,2,3,4-テトラヒドロ-9-(1-メチルエチル)-1,4-メタノナフタレン-5-イル]-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド(II)、
b)エポキシコナゾールまたはメトコナゾール、および
c)少なくとも一つの市販の更なる活性化合物(III)
を含む組成物を全体で1〜2000g/種子100kgの量で施用する請求項9に記載の方法。
【請求項14】
請求項6〜9のいずれかに記載の殺菌組成物を1〜2000g/種子100kgの量で含む種子。

【公表番号】特表2011−502970(P2011−502970A)
【公表日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531530(P2010−531530)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064777
【国際公開番号】WO2009/056620
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】