説明

菓子容器

【課題】不正開封防止可能で、かつコストの上昇を招くことがない菓子容器を提供する。
【解決手段】 容器体の左右両側面間に内容物の充填口2を設けて、該取出し口の一端から蓋板20を延設して、該蓋板で充填口2を開閉可能に設け、容器体の前面を左右方向に横切って容器体の左右両側面へ嵌合させた不正開蓋防止用の帯状体10の下端を容器体前面に、かつ帯状体の左右いずれか一片11を容器体側面に、それぞれ破断部12を介して連結すると共に、帯状体他片13を摘み片とし、かつ該帯状体と容器体前面との間隙を嵌合ポケット部14に形成して、該嵌合ポケット部へ前記蓋板20の先端部を嵌合させ、摘み片13を引くことで前記破断部12を破断させることにより前記帯状体10を前記容器体から除去させて前記蓋板20を開蓋操作可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清涼菓子等の菓子類を収納する菓子容器に関する。
【背景技術】
【0002】
容器体をピロー包装等で密封した菓子容器が従来技術として知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−314194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、外包装を開封して異物を混入させ、開封の事実が認識されないように再封することを防止することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、不正開封防止可能で、かつコストの上昇を招くことがない菓子容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、容器体の左右両側面間に内容物の充填口2を設けて、該充填口の一端から蓋板20を延設して、該蓋板で充填口2を開閉可能に設け、
容器体の前面を左右方向に横切って容器体の左右両側面へ嵌合させた不正開蓋防止用の帯状体10の下端を容器体前面に、かつ帯状体の左右いずれか一片11を容器体側面に、それぞれ破断部12を介して連結すると共に、帯状体他片13を摘み片とし、かつ該帯状体と容器体前面との間隙を嵌合ポケット部14に形成して、該嵌合ポケット部へ前記蓋板20の先端部を嵌合させ、
前記摘み片13を引くことで前記破断部12を破断させることにより前記帯状体10を前記容器体から除去させて前記蓋板20を開蓋操作可能に設けたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記帯状体10から形成される嵌合ポケット部14を前記容器体の充填口2の他端部に設けたことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明は、前記帯状体10を上面視コ字状に形成したことを特徴とする。
【0009】
さらに、本発明は、前記帯状体10を前記破断部12を介して容器体と一体に成形したことを特徴とする。
【0010】
さらに、本発明は、前記蓋板20の先端部を肉厚の操作部21に形成すると共に、該操作部下端から係合板22を垂下して、該係合板を容器体内の前面へ係合させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、不正開蓋防止用の帯状体は破断部を破断させることなくしては除去できず、破断後は元の形状に復元することができないため、不正開封防止が図れる。
【0012】
また、本発明は、帯状体を破断部を介して容器体と一体に成形したので、不正防止機能の追加があってもコストが上昇することがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る菓子容器の斜視図である。
【図2】要部断面図である。
【図3】成形時の状態を示す側面図である。
【図4】蓋板を除いた成形時の要部を示す斜視図である。
【図5】蓋板を帯状体内へ嵌合させた状態を示す側面図である。
【図6】作用説明図である。
【図7】帯状体除去後の状態を示す斜視図である。
【図8】内容物の取り出し状態を示す側方から見た説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
1は容器体で、後方上部の角部を外方へ凸に弯曲させた矩形状で、容器体1の上面には容器体内容物を取り出すための充填口2が形成されていて、該充填口の前後両端は容器の前後両面に達している。
【0016】
10は帯状体で、充填口2の前方に位置し、容器体の前面の前方を左右方向に横切って容器体の左右両側面へ嵌合された上面視コ字状に形成されていて、帯状体の前面下端を容器体前面に、かつ帯状体の左右の少なくとも一片11を容器体側面に、それぞれ破断部12を介して連結すると共に、該帯状体10と容器体前面との間隙を嵌合ポケット部14に形成して、該嵌合ポケット部へ後述の蓋板の先端部を嵌合させている。なお、帯状体の一片を破断部12を介して容器体へ連結することなく、自由端とする場合には、図面に示すように当該一片を帯状体除去用の摘み片13とする。
【0017】
20は蓋板で、充填口2の後端から前方へ延設して充填口2を開閉可能に設けている。蓋板の先端部は肉厚の操作部21(本実施形態では側面視三角形状)に形成され、かつ該操作部の表面には凹凸の滑り止めが設けられている。さらに、該操作部21下端から逆下向きL字状の係合板22を垂下して、該係合板を容器体の前端内面へ係合させると共に、該係合板の下向き段部22aを充填口2の前端へ係合させている。
【0018】
上記のように帯状体10は破断部12を介して、また蓋板20は薄肉ヒンジ23を介して、それぞれ容器体に連結されているため、一体成形することが可能であり、成形時においては図3に示すように蓋板20は帯状体10から離脱した状態にある。
【0019】
組立は、容器体内に充填口2を介して菓子等の内容物を収納した後、係合板22を容器体内へ差し込んで蓋板20の操作部21を帯状体の嵌合ポケット部14へ嵌合させることにより行う。この状態を示すのが図1、図2、図5である。
【0020】
開蓋するには、図6に示すように、まず摘み片13を横方向へ引くことで破断部を破断させることにより、図7に示すように帯状体10を容器体から除去させる。このようにして操作部21を露出させた後、操作部21を介して蓋板20を後方へ回動させればよい。
【0021】
蓋板20を後方へ回動させると、図示しない係合部に係合して図8に示すように蓋板20は傾倒状態となる。内容物を取り出すには容器体を傾倒させればよく、すると内容物は取出口30を介して容器体外に流出する。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、菓子等を収納する菓子容器の分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0023】
2 充填口
10 帯状体
11 一片
12 破断部
13 他片(摘み片)
14 嵌合ポケット
20 蓋板
21 操作部
22 係合板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器体の左右両側面間に内容物の充填口2を設けて、該充填口の一端から蓋板20を延設して、該蓋板で充填口2を開閉可能に設け、
容器体の前面を左右方向に横切って容器体の左右両側面へ嵌合させた不正開蓋防止用の帯状体10の下端を容器体前面に、かつ帯状体の左右いずれか一片11を容器体側面に、それぞれ破断部12を介して連結すると共に、帯状体他片13を摘み片とし、かつ該帯状体と容器体前面との間隙を嵌合ポケット部14に形成して、該嵌合ポケット部へ前記蓋板20の先端部を嵌合させ、
前記摘み片13を引くことで前記破断部12を破断させることにより前記帯状体10を前記容器体から除去させて前記蓋板20を開蓋操作可能に設けたことを特徴とする菓子容器。
【請求項2】
前記帯状体10から形成される嵌合ポケット部14を前記容器体の充填口2の他端部に設けたことを特徴とする請求項1記載の菓子容器。
【請求項3】
前記充填口2を容器体の上面と前面との角部に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の菓子容器。
【請求項4】
前記帯状体10を上面視コ字状に形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の菓子容器。
【請求項5】
前記帯状体10を前記破断部12を介して容器体と一体に成形したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の菓子容器。
【請求項6】
前記蓋板20の先端部を肉厚の操作部21に形成すると共に、該操作部下端から係合板22を垂下して、該係合板を容器体内の前面へ係合させたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の菓子容器。









【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−157105(P2011−157105A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−19797(P2010−19797)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】