説明

菓子

【課題】 ダイズイソフラボンを更年期障害の緩和に充分な量含有しながら、風味、味香がよろしく、日常的に摂取しうる食品を提供する。
【解決手段】 ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%含有する菓子であって、香煎を賦形剤として含有する菓子を提供する。前記ダイズイソフラボンは、大豆胚芽黄粉として含有することが好ましく、菓子1個の質量が、5〜10gの形態であることが好ましい。この様な菓子としては、香煎、水飴類、糖類黄粉類をあわせて、水を加え、加熱して練り、半固体の飴とし、適当な大きさに成形後、砂糖をまぶした形態のげんこつ飴(ゲンコツ)の形態を取ることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、菓子に関し、更に詳細にはダイズイソフラボンを含有する菓子に関する。又、本発明は、菓子の於けるダイズイソフラボンの矯味、矯臭方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活環境の著しい改善に伴い、人生設計に於けるQOL(quality of life;人生の質重視)の重要性が増すようになってきている。この様な観点で、近代医学の進歩も為され、QOLに関する医学的知見も重ねられている。特に、更年期障害は、以前においては、女性であれば避けて通ることの出来ない、我慢するしかない事象として捉えられていたが、現代においては、医学的に対策の可能な、QOLの面での重要課題の一つと捉えられるようになってきている。かかる更年期障害の代表的な症状としては、頻発するホット・フラッシュ(ほてり)或いは骨粗鬆症を誘起する骨重量の減少などが挙げられる。この様な、更年期障害の対応としては、女性ホルモン乃至は女性ホルモン様作用を有する物質を投与する、所謂ホルモン補充療法が主たるものであり、該女性ホルモンとしては、エストラジオール、エストリオールなどのエストロジェンが挙げられ、女性ホルモン様作用を有する物質としては、ダイズイソフラボン、ヒオウギのイソフラボンなどのイソフラボン類が例示できる。(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)しかしながら、エストロジェンの投与は乳ガンを誘起する可能性が存することが指摘されているし、イソフラボン類の摂取はその持っているえぐみなどの摂取しがたい風味や、含有する食品の種類が限られており、その含有量も少ないことから、更年期障害に対応する程度に充分なイソフラボン量を摂取することは容易ならざることと言わざるを得ない。かかるイソフラボンを比較的高濃度に含有する食品材料としては、大豆胚芽が例示できるが(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5或いは特許文献6を参照)、このものは、前記の風味の点では、大豆そのもの以上にえぐみ等の強いものであり、かかる風味、味香を改善することが製品化の上で避けては通れない問題であった。即ち、ダイズイソフラボンを充分な量含有しながら、風味、味香がよろしく、日常的に摂取しうる食品の開発が望まれていたが、実現していないのが現状であった。
【0003】
一方、げんこつ飴は、香煎(別名はったい粉;オオムギを煎って粉末としたもの)に水分を加えて、練って、加熱して作成する半固形状の菓子であるが(例えば、特許文献7を参照)、この様な製剤に前記大豆胚芽を含有させることにより、風味、味香を向上せしめ、日常的な摂取が可能になることは全く知られていなかった。
【0004】
【特許文献1】 特表2004−532829号公報
【特許文献2】 特表2001−523258号公報
【特許文献3】 特開2002−112723号公報
【特許文献4】 特開平11−018721号公報
【特許文献5】 特開平11−263786号公報
【特許文献6】 特開平11−196803号公報
【特許文献7】 特開平11−221020号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、この様な状況下為されたものであり、ダイズイソフラボンを更年期障害の緩和に充分な量含有しながら、風味、味香がよろしく、日常的に摂取しうる食品を提供することを課題とする。
【課題の解決手段】
【0006】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、ダイズイソフラボンを充分な量含有しながら、風味、味香がよろしく、日常的に摂取しうる食品を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、ダイズイソフラボンに、香煎を賦形剤として含有させることにより、かかる香煎がダイズイソフラボンのえぐみをカバーし、おいしく日常的に食競るようになることを見出し、発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示すとおりである。
(1)ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%含有する菓子であって、香煎を賦形剤として含有することを特徴とする、菓子。
(2)前記ダイズイソフラボンを、大豆胚芽黄粉として含有することを特徴とする、(1)に記載の菓子。
(3)菓子1個の質量が、5〜10gの形態であることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の菓子。
(4)更年期障害の緩和作用を有する旨、表示されていることを特徴とする、(1)〜(3)何れか1項に記載の菓子。
(5)前記更年期障害が、骨重量の低下であることを特徴とする、(4)に記載の菓子。
(6)前記更年期障害が、ホット・フラッシュであることを特徴とする、(4)に記載の菓子。
(7)一日あたりの摂取量が菓子に換算して1個乃至は2個であることを特徴とする、(1)〜(6)何れか1項に記載の菓子。
(8)げんこつ飴であることを特徴とする、(1)〜(7)何れか1項に記載の菓子。
(9)経口投与に於ける、ダイズイソフラボンの矯味及び/又は矯臭方法であって、香煎によりマスキングすることを特徴とする、矯味及び/又は矯臭方法。
(10)げんこつ飴の剤形を取ることを特徴とする、(9)に記載の方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ダイズイソフラボンを更年期障害の緩和に充分な量含有しながら、風味、味香がよろしく、日常的に摂取しうる食品を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
(1)本発明の菓子の必須成分であるダイズイソフラボン
本発明の菓子は、ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%、より好ましくは、0.2〜0.4質量%含有することを特徴とする。ここで、ダイズイソフラボンとは、大豆に含まれているイソフラボン乃至はそのアグリコンの総称を意味し、具体的にはダイズイン、ゲニスチン、グリスチン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリステイン等が例示でき、これらの天然存在形態の混合物も包含する。この様なダイズイソフラボンは、大豆の胚芽或いは種皮などの部分から抽出し、精製してダイズイソフラボンの含有量を向上せしめた食品原料を使用することも出来るし、或いは、ダイズイソフラボンが高濃度に含まれる大豆胚芽などの部位を脱脂、乾燥、粉砕など加工し、使用することも出来る。この様な大豆胚芽加工品には既に市販されているものが存し、かかる市販品を購入して利用することも出来る。この様な市販品のうち好ましいものとしては、K.I.テック・インターナショナル株式会社が製造、販売している「ソヤ・ハイDF・粉末」が例示できる。このものは、大豆胚芽を圧偏、脱脂し、しかる後に、乾燥、焙煎、粉砕して粉末化した黄粉形状の粉末であり、ダイズイソフラボンを2質量%(ダイズイン1質量、ゲニスチン0.2質量%、グリスチン0.8質量%)含有する。勿論、精製単離或いは抽出濃縮したダイズイン、ゲニスチン、グリスチン、ダイゼイン、ゲニステイン、グリステイン等の化合物を含有せしめることも出来る。前記大豆の胚芽或いは種皮などの部分から抽出し、精製してダイズイソフラボンの含有量を向上せしめた食品原料としては、例えば、フジッコ株式会社より市販されている、フジフラボンP10が好ましく例示できる。また、必要に応じて黄粉等のダイズイソフラボン含有食材を加えて調味することも出来る。特に好ましい形態は、ダイズイソフラボンを1〜5質量%含有する、大豆胚芽加工品、特に大豆胚芽加工黄粉様粉末と、ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%含有する黄粉を併用して用いることである。この場合、前記大豆胚芽加工粉末と前記黄粉の混合質量比は、7:30〜15:20が好ましい。この様な大豆胚芽加工粉末と黄粉の混合物を30〜40質量%菓子に含有させて、必要なダイズイソフラボン量を摂取せしめることが好ましい。該必要なダイズイソフラボンの摂取量については、本発明の菓子においては、かかるダイズイソフラボンを1日量にして20〜100mg、より好ましくは30〜50mg摂取できるように製剤設計しておくことが好ましく、ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%、より好ましくは、0.2〜0.4質量%含有する菓子を、菓子1個の質量が、5〜10g、より好ましくは6〜9gの形態、言い換えれば、一口で摂取できる形態に加工し、一日1個乃至3個を摂取することが好ましい。この用量を摂取することにより、更年期障害の症状を緩和することが出来る。かかる更年期障害の症状としては、骨重量の著しい減少や、一日数回から十数回に及ぶホット・フラッシュなどが例示できる。本発明の菓子には、この様な更年期障害の症状を緩和できる旨、1日の摂取量としては、ダイズイソフラボンを1日量にして20〜100mg、より好ましくは30〜50mg摂取することが好ましい旨を表示しておくことが適切な使用態様を促せるので好ましい。
【0009】
(2)本発明の菓子の必須成分である香煎
本発明の菓子は香煎を必須成分として含有することを特徴とする。香煎は別名はったい粉或いは麦こがしと称し、オオムギを煎って、引いて粉末としたものである。かかる成分は和菓子の原料として古来より使用されており、本発明の菓子では、この様に歴史的に、使用されてきたものを使用することが出来る。かかる成分は、煎って香ばしく炭化せしめているため、かかる風味が大豆胚芽、特に大豆胚芽中のダイズイソフラボンのえぐみと独特の異臭をマスクすることが出来る。この様な香ばしさのために、大豆胚芽或いはダイズイソフラボンとともに製剤化することにより、かかるえぐみは「こく」に感じられる。この様な効果を奏するためには、香煎は、ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%、より好ましくは、0.2〜0.4質量%含有する菓子全量に対して、5〜30質量%、より好ましくは7〜20質量%含有させることが好ましい。この量よりも少ないと、前記マスキング効果を奏しない場合が存し、多すぎると菓子としての成形が困難になる場合が存するためである。この様な含有形態に於いて、香煎はフレーバーとしての機能も果たすが、歯触りなどの食感に大きな影響も与える。即ち、香煎の量が少なすぎると、飴としての性格が強く現れ、歯に粘り着くなどの現象が起こる。本発明においては、この様に菓子の食感に影響を与える成分を「賦形剤」と定義する。
【0010】
(3)本発明の菓子
本発明の菓子は、前記必須成分を含有し、1個あたり5〜10g、より好ましくは6〜9gの固体乃至は半固体の形態を取ることを特徴とする。本発明の菓子にはかかる成分以外に通常菓子に使用される任意成分を含有することが出来る、この様な任意成分としては、矯味成分と賦形剤の役目をする、甜菜糖、キビ砂糖、黒砂糖、和三盆、洗双糖、グラニュー糖などの糖類、麦芽糖、マルトースなどの水飴類、デンプン、上新粉、片栗粉、栗粉、くず粉、蕨粉、小麦粉、全粒粉、ライ麦粉、香煎(はったい)などのデンプン類、水分、酒精、フレーバー類、餡や蜜などの矯味成分、餅や米などの賦形剤などが例示できる。菓子としては、餅菓子、飴、干菓子何れの形態も取ることが出来るが、香煎、水飴類、糖類黄粉類(大豆胚芽加工黄粉様粉末を含む)をあわせて、水を加え、加熱して練り、半固体の飴とし、適当な大きさに成形後、砂糖をまぶした形態の所謂げんこつ飴(ゲンコツ)の形態を取ることが、前記ダイズイソフラボンのえぐみをマスクできるのでより好ましい。この様な菓子は、通常知られている方法に従って加工すれば良く、例えば、餅菓子であれば、原料を臼と杵でつきあげて、適当な大きさに成形加工すれば良く、飴であれば、原料を120℃程度の加温で一様にして煮立てて、形を整えて冷却固化させて、成形加工すれば良い。好ましい形態のげんこつ飴であれば、香煎、黄粉以外の水飴や糖類などの成分を120℃程度の加温下一様に混合し、これに香煎、黄粉類を加え、良く混合し、適度な大きさと形に加工し、分量の砂糖をまぶせばよい。かくして得られた、本発明の菓子は、風味、味香に優れるため、必要量のダイズイソフラボンを摂取できる量食しても、おいしくいただけ、飽きることが無く、連日欠かすことなく摂取することが出来る特性を有する。加えて、保存性、携帯性にも優れるため、いつでも、どこでも食せるので、日常的に連日摂取しなければならない食品に好適である。この様においしく食する、言い換えれば食品としての嗜好性を刺激する目的を含んだ形で摂取する、食品であって、食事などの主食に分類されない食品群を「菓子」と定義する。本発明の菓子の摂取の目的には、前記嗜好性の刺激以外に、健康増進、疾病予防などの機能的な目的を包含することも出来る。即ち、本発明では、通常健康食品に分類される食品群であっても、嗜好性を刺激する要素を有すれば、主食に分類されなければ、「菓子」とみなす。
【0011】
以下に、実施例を挙げて本発明について詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例1】
【0012】
次に示す処方に従って、本発明の菓子を製造した。即ち、イの成分を良く混合し、120℃に加熱し、一様になり、一度煮立てたところで、ロの成分を加え、良く混合し、これを7.28g秤取り、これに0.72gのハの成分をまぶし、本発明の菓子であるげんこつ飴1(8g)を得た。このものを専門のテイスター5名を用いて、非常に美味、美味、可もなく不可もなく、やや不味い、不味いの5段階のスケールで評価したところ、非常に美味が1例、美味が3例、可もなく不可もなくが1例、やや不味い0例、不味い0例の評価で、うまくマスキングが為されていることが判った。このもののダイズイソフラボンの含有量は1個あたり21.6mg(0.27質量%)である。
【0013】

水飴 33 質量%
黒砂糖 10 質量%

香煎 12 質量%
黄粉* 25 質量%
「ソヤ・ハイDF・粉末」 11 質量%

砂糖 9 質量%

(黄粉は、ダイズイソフラボン0.2質量%を含有、ダイズイソフラボンの内訳は、ダイズイン0.1質量%、ゲニスチン0.02質量%、グリスチン0.08質量%)
【実施例2】
【0013】
次に示す処方に従って、本発明の菓子を製造した。即ち、イの成分を杵と臼で良くついて混合し、これを3.52gとり、ロの成分1.6gをまぶして、これに2.88gのハの成分をまぶし、本発明の菓子である黄粉餅1を得た。このものを専門のテイスター5名を用いて、非常に美味、美味、可もなく不可もなく、やや不味い、不味いの5段階のスケールで評価したところ、非常に美味が0例、美味が3例、可もなく不可もなくが2例、やや不味い0例、不味い0例の評価で、うまくマスキングが為されていることが判った。このもののダイズイソフラボンの含有量は1個あたり21.6mg(0.27質量%)である。
【0014】

水飴 4 質量%
餅米 20 質量%
香煎 20 質量%

こし餡 20 質量%

黄粉* 25 質量%
「ソヤ・ハイDF・粉末」 11 質量%

(黄粉は、ダイズイソフラボン0.2質量%を含有、ダイズイソフラボンの内訳は、ダイズイン0.1質量%、ゲニスチン0.02質量%、グリスチン0.08質量%)
【実施例3】
【0015】
上記実施例1のげんこつ飴1、黄粉餅1、及び下記に示す比較例1のげんこつ飴(このものを専門のテイスター5名を用いて、非常に美味、美味、可もなく不可もなく、やや不味い、不味いの5段階のスケールで評価したところ、非常に美味が0例、美味が0例、可もなく不可もなくが2例、やや不味い3例、不味い0例の評価であった。)、比較例2の黄粉餅(このものを専門のテイスター5名を用いて、非常に美味、美味、可もなく不可もなく、やや不味い、不味いの5段階のスケールで評価したところ、非常に美味が0例、美味が0例、可もなく不可もなくが1例、やや不味い2例、不味い2例の評価であった。)、比較例3の錠剤を用いて、1日朝晩2回20日連続摂取する試験を1群20名、合計100名のパネラーを用いて行い、摂取ミスで残ったサンプルの量を計数した。結果を表1に示す。本発明の菓子は摂取ミスが少ないこと、特にげんこつ飴は摂取ミスが少ないことが判る。
【0016】
比較例1

水飴 33 質量%
黒砂糖 10 質量%

上新粉 12 質量%
黄粉* 25 質量%
「ソヤ・ハイDF・粉末」 11 質量%

砂糖 9 質量%

(黄粉は、ダイズイソフラボン0.2質量%を含有、ダイズイソフラボンの内訳は、ダイズイン0.1質量%、ゲニスチン0.02質量%、グリスチン0.08質量%)
【0017】
比較例2

水飴 4 質量%
餅米 20 質量%
上新粉 20 質量%

こし餡 20 質量%

黄粉* 25 質量%
「ソヤ・ハイDF・粉末」 11 質量%

(黄粉は、ダイズイソフラボン0.2質量%を含有、ダイズイソフラボンの内訳は、ダイズイン0.1質量%、ゲニスチン0.02質量%、グリスチン0.08質量%)
【0018】
比較例3
(1錠)
結晶セルロース 100 mg
乳糖 50 mg
アラビアゴム 25 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
ダイズイン 10 mg
ゲニスチン 2 mg
グリスチン 8 mg
【0019】
【表1】

【実施例4】
【0020】
実施例1と同様に下記の処方に従って、本発明のげんこつ飴2を作成した。このものを専門のテイスター5名を用いて、非常に美味、美味、可もなく不可もなく、やや不味い、不味いの5段階のスケールで評価したところ、非常に美味が0例、美味が4例、可もなく不可もなくが1例、やや不味い0例、不味い0例の評価で、うまくマスキングが為されていることが判った。このもののダイズイソフラボンの含有量は1個あたり21.6mg(0.27質量%)である。
【0021】

水飴 33 質量%
黒砂糖 20.78質量%

香煎 12 質量%
黄粉* 25 質量%
ダイズイン 0.11質量%
ゲニスチン 0.022質量%
グリスチン 0.088質量%

砂糖 9 質量%

(黄粉は、ダイズイソフラボン0.2質量%を含有、ダイズイソフラボンの内訳は、ダイズイン0.1質量%、ゲニスチン0.02質量%、グリスチン0.08質量%)
【実施例5】
【0022】
実施例1のげんこつ飴1を用いて、更年期障害に対する作用を調べた。即ち、更年期障害に悩むパネラー14名に、げんこつ飴1を1日朝晩2回、2ヶ月間連日食してもらい、試験終了後にアンケートによって、更年期障害の改善度合いを調べた。更年期障害の改善度合いは、スコア1:改善せず、スコア2:極僅かに改善、スコア3:僅かに改善、スコア4:明確に改善の4段階でスコア付けして行った。結果を出現例数として表2に示す。これより、本発明の菓子は更年期障害の改善に有用であることがわかる。
【0023】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、更年期障害を緩和する菓子に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイズイソフラボンを0.1〜0.5質量%含有する菓子であって、香煎を賦形剤として含有することを特徴とする、菓子。
【請求項2】
前記ダイズイソフラボンを、大豆胚芽黄粉として含有することを特徴とする、請求項1に記載の菓子。
【請求項3】
菓子1個の質量が、5〜10gの形態であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の菓子。
【請求項4】
更年期障害の緩和作用を有する旨、表示されていることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の菓子。
【請求項5】
前記更年期障害が、骨重量の低下であることを特徴とする、請求項4に記載の菓子。
【請求項6】
前記更年期障害が、ホット・フラッシュであることを特徴とする、請求項4に記載の菓子。
【請求項7】
一日あたりの摂取量が菓子に換算して1個乃至は2個であることを特徴とする、請求項1〜6何れか1項に記載の菓子。
【請求項8】
げんこつ飴であることを特徴とする、請求項1〜7何れか1項に記載の菓子。
【請求項9】
経口投与に於ける、ダイズイソフラボンの矯味及び/又は矯臭方法であって、香煎によりマスキングすることを特徴とする、矯味及び/又は矯臭方法。
【請求項10】
げんこつ飴の剤形を取ることを特徴とする、請求項9に記載の方法。

【公開番号】特開2006−230385(P2006−230385A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−87040(P2005−87040)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(504114555)株式会社匠味創房 (3)
【Fターム(参考)】