説明

蒸気セル原子時計物理パッケージ

【課題】チップスケール原子時計物理パッケージを提供すること。
【解決手段】このチップスケール原子時計物理パッケージは、空洞部を画定する本体と、空洞部内に実装される第1の台座とを含む。レーザーは、第1の台座の第1の表面上に実装される。第2の台座も、空洞部内に実装される。第2の台座は、その第1の表面が第1の台座に対向するように配置される。第1の光検出器は、第2の台座の第1の表面上に実装される。蒸気セルは、第2の台座の第1の表面上に実装される。波長板も含まれ、レーザーからの光線が、波長板および蒸気セルを通って伝播し、第1の光検出器により検出することができるように、レーザー、波長板、第1の光検出器、および蒸気セルが配置される。蓋部も空洞部を覆うのに含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府支援の研究または開発に関する記述
[0001]本発明は、米国陸軍により裁定された、W15P7T−10−C−B025の下の政府支援により成された。米国政府は、本発明に関して一定の権利を有する。
関連出願の相互参照
[0002]本出願は、ここに、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれている、2011年6月13日に出願した米国仮出願第61/496,517号の優先権の利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
[0003]チップスケール原子時計の物理パッケージは、レーザー、波長板、蒸気セル、および光検出器を他の関連の電子要素と共に含むことができる。これらの構成要素は、内部を真空にするのに気密封止することができる本体内に収容することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国仮出願第61/496,517号
【発明の概要】
【0004】
[0004]一例では、チップスケール原子時計(CSAC)物理パッケージが提供される。CSAC物理パッケージは、空洞部を画定する本体と、空洞部内に実装される第1の台座とを含む。レーザーは、第1の台座の第1の表面上に実装される。第2の台座も、空洞部内に実装される。第2の台座は、その第1の表面が第1の台座に対向するように配置される。第1の光検出器は、第2の台座の第1の表面上に実装される。蒸気セルは、第2の台座の第1の表面上に実装される。波長板も含まれ、レーザーからの光線が、波長板および蒸気セルを通って伝播し、第1の光検出器により検出することができるように、レーザー、波長板、第1の光検出器、および蒸気セルが配置される。蓋部も空洞部を覆うのに含まれる。
【0005】
[0005]図面は、例示的な実施形態のみを示し、したがって、範囲を限定しないものとみなされる点を理解した上で、例示的な実施形態が、添付の図面の使用により、より具体的かつ詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】[0006]蒸気セル原子時計物理パッケージの一例の断面図である。
【図2】[0007]蒸気セル原子時計物理パッケージの別の例の断面図である。
【図3】[0008]図2の蒸気セル原子時計物理パッケージの例示的な下部台座の底面図である。
【図4】[0009]図2の蒸気セル原子時計物理パッケージの例示的な上部台座の上面図である。
【図5】[0010]図2の蒸気セル原子時計物理パッケージの例示的な中間部台座の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0011]慣例に従い、説明される様々な特徴部は、正確な縮尺で描かれず、例示的な実施形態に関する特定の特徴部を強調するように描かれる。
[0012]以下の詳細な説明では、本明細書の一部分を形成する添付の図面が参照され、この参照は、特定の例示的な実施形態の例示により示される。しかし、他の実施形態を利用し、論理的、機械的、および電気的な変更を行うことができる点が理解されるべきである。さらに、図面の図および本明細書に示される方法は、個々のステップを実施することができる順序を限定するものと解釈すべきではない。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味に解釈すべきでない。
【0008】
[0013]図1は、チップスケール原子時計(CSAC)物理パッケージ100の例示的な物理パッケージの断面図である。CSAC物理パッケージ100は、その構成要素を収容する空洞部103を画定するセラミック本体102を含むことができる。空洞部103内に構成要素を含むセラミック本体102は、セラミックリード無しチップキャリア(CLCC)パッケージを含むことができる。CSAC物理パッケージ100は、その中に空洞部103および構成要素を収容する密閉パッケージを形成するのに、セラミック本体102の空洞部103上に適合するように構成される非磁性(例えばセラミック)蓋部104を含むこともできる。一例では、セラミック蓋部104は、全体的に平面的な形状を有する。半田封止体106は、蓋部104を本体102に封止するのに使用することができる。一例では、蓋部104は、真空で本体102に封止することができる。一例では、CSAC物理パッケージ100用のダイアタッチおよび封止操作(例えば、蓋部104を本体102に封止する)は、溶剤を使用することなく達成され、封止パッケージ内に低圧を実現し、より低い電力操作を実現することができる。この物理パッケージは、蓋部104の本体102への一括真空封止を実現することができる。CSAC物理パッケージ100は、セラミック蓋部104の内部表面の大部分を覆う吸着体フィルム101を含むこともできる。
【0009】
[0014]一例では、セラミック本体102は、本体102が空洞部103を画定するように片側(例えば上部)開口部を有する。蓋部104は、空洞部103を密閉するのに本体102の開口側を覆うことができる。一例では、空洞部103は、開口側(例えば上)から見たとき、全体的に五角形の断面形状を有する。別の例では、空洞部103は、開口側(例えば上)から見たとき、全体的に円形の断面を有する。どんな場合でも、空洞部103は、基底面105および1つまたは複数の内側面107を含むことができる。1つまたは複数の側面107は、例えば本体102の空洞部内の構造体を支持するのに、1つまたは複数の階段部109をその中に画定することができる。
【0010】
[0015]CSAC物理パッケージ100は、レーザー110、波長板111、蒸気セル114、および光検出器116などの構成要素を支持する、1つまたは複数の台座108、112を含むことができる。一例では、台座108、112は、枠内に懸吊される薄膜を含むことができる。台座108、112は、薄膜用の付加的な構造体を設けるのに薄膜に取り付けられる補強部材を含むこともできる。CSAC物理パッケージ100に使用することができる、あるサイズの台座108、112を形成するのに、半導体製造プロセスを使用して台座108、112を形成することができる。したがって、枠および補強部材は、シリコンから構成することができ、薄膜は、ポリイミドから構成することができる。ポリイミドは、台座108、112上の補強部材および構成要素を、枠および本体102から熱的に隔離することができる。
【0011】
[0016]CSAC物理パッケージ100は、空洞部103内に実装される下部台座108および上部台座112を含む。一例では、下部台座108および上部台座112は、互いに平行、かつ空洞部103の基底面105に平行に配置することができる。この例では、下部台座108は、無溶剤ダイアタッチを介して空洞部103の基底面105に取り付けられる。一例では、無溶剤ダイアタッチは、複数の金(Au)スタッドバンプとすることができる。下部台座108は、加熱器、レーザー110、および波長板111用の支持構造体として機能することができる。下部台座108およびその上の構成要素(例えば、レーザー110、波長板111)は、セラミック本体102の空洞部103の内側面107の下部階段部109上のパッドへのワイヤ結合部を介して本体102上のピンに電気的に結合することができる。
【0012】
[0017]下部台座108は、基底面105に対向する第1の側面113と、第1の側面113の反対側にあり、蓋部104および上部台座112に対向する第2の側面115とを含むことができる。一例では、枠119および補強部材123は、第1の側面113上にある。補強部材123は、その質量を低減するのに複数の開口部を画定することができる。一例では、レーザー110および波長板111は、第2の側面115に実装される。さらに、レーザー110の光線が波長板111を通して伝播するように、波長板111は、レーザー110の頂部上に配置することができる。一例では、レーザー110は、例えばフリップチップ実装を使用して、第2の側面115に半田結合することができる。それに加えて、複数の半田球117を第2の側面115に付着させることができる。複数の半田球117は、波長板111を複数の半田球117に半田付けし、レーザー110の頂部上に配置することができるように、レーザー110の周りに配置され、レーザー110よりも高い、第2の側面115の上方の高さに突き出すことができる。一例では、複数の半田球117は、所望のサイズの半田球を形成するように調整されるジェット法を使用して形成することができる。一例では、半田球117は、それが台座108上に形成されると、CSAC物理パッケージ100のさらなる製造中に半田球117の構造を全体的に維持するように、高温度融点を有する半田から形成することができる。
【0013】
[0018]一例では、第2の側面115上の半田球117の第1の部分は、半田球117の第2の部分よりも、第2の側面115上に低い高さを有する。さらに、半田球117の第1の部分は、波長板111の第1の端部の周りに付着するように配置することができ、半田球117の第2の部分は、波長板111の第2の端部の周りに付着するように配置することができる。半田球117の第1の部分および第2の部分の高さの差により、波長板111は、第2の側面115に対してある角度で配置される。波長板111をある角度に方向付けることにより、波長板111からのレーザー反射をレーザー110から遠ざけることができる。一例では、レーザー110は、垂直キャビティ面発光レーザー(VCSEL)とすることができる。一例では、波長板111は、1/4波長板とすることができる。
【0014】
[0019]一例では、上部台座112は、アルカリ蒸気セル114および光検出器116用の支持構造体として機能することができる。上部台座112は、セラミック本体102の空洞部103の内側面107の上部階段部109(例えば上棚部)上に支持することができる。さらに、空洞部103の側面107内に階段部109を形成することにより、本体102は、上部台座112を下部台座108から少なくとも部分的に離間させるのに使用することができる。一例では、上部台座112は、空洞部103の上部階段部109から延びる、1つまたは複数のスペーサ118(例えば、脚構造体、座金)に取り付けられ、上部台座112を下部台座108からさらに離間させることができる。一例では、スペーサ118は、セラミックから構成することができる。一例では、スペーサ118は、その中に開口部を画定する環形状(例えば五角形環形状)を有することができる。スペーサ118は、蒸気セル114がスペーサ118に画定される開口部内にくるように、蒸気セル114の周りに配置することができる。
【0015】
[0020]一例では、スペーサ118は、上部台座112を上部階段部109に結合する(1つまたは複数の)結合部の疲労を低減するように機能することができる。スペーサ118は、本体102の熱膨張係数と上部台座112の熱膨張係数との間にある熱膨張係数を有する材料から構成することにより、疲労を低減することができる。したがって、本体102および上部台座112が、温度変化により膨張および収縮するとき、スペーサ118は、多少の変化を吸収することができる。例えば、本体102は、摂氏1度当り7ppmの熱膨張係数を有するセラミックから構成することができ、スペーサ118は、摂氏1度当り5ppmの熱膨張係数を有することができ、上部台座112は、摂氏1度当り3ppmの熱膨張係数を有することができる。別の例では、スペーサ118は、本体102および蓋部104と同じ材料から形成することができる。スペーサ118は、上部台座112に機械的支持および電気的接触をもたらすことができる。いくつかの例では、スペーサ118は、表面実装技術(SMT)電子要素120などの付加的な電子要素に機械的支持および電気的接触をもたらすこともできる。
【0016】
[0021]上部台座112およびセラミックスペーサ118の組合せは、本体102の空洞部103を横断し、上部階段部109に取り付けることができる。一例では、上部台座112は、無溶剤ダイアタッチを介してスペーサ118に取り付けることができる。スペーサ118は、無溶剤ダイアタッチを介して、例えば本体102の上部階段部109で本体102に取り付けることができる。一例では、無溶剤ダイアタッチは、複数の金(Au)スタッドバンプとすることができる。
【0017】
[0022]上部台座112は、蓋部104に対向する第1の側面121と、第1の側面121の反対側にあり、下部台座108に対向する第2の側面124とを含むことができる。一例では、枠125および補強部材127は、第1の側面121上にある。補強部材127は、その質量を低減するのに複数の開口部を画定することができる。一例では、光検出器116および蒸気セル114は、第2の側面124に実装される。さらに、レーザー110からの光線が、波長板111を通り、次いで蒸気セル114を通って伝播し、光検出器116により検出することができるように、蒸気セル114は、光検出器116の頂部上に配置され、レーザー110および波長板111と一直線に並べることができる。一例では、光検出器116は、例えばフリップチップ実装を使用して、第2の側面124に半田結合することができる。複数の半田球126を第2の側面124に付着させることができる。複数の半田球126は、蒸気セル114を複数の半田球126に半田付けし、光検出器116の頂部上に配置することができるように、光検出器116の周りに配置され、光検出器116よりも高い、第2の側面124の上の高さに突き出すことができる。一例では、蒸気セル114は、光検出器116から少なくとも200マイクロメートル離間して配置することができる。この間隙により、蒸気セル114と光検出器116との間から溶剤を流すことができる。一例では、複数の半田球126は、所望のサイズの半田球を形成するように調整されるジェット法を使用して形成することができる。一例では、半田球126は、それが台座112上に形成されると、CSAC物理パッケージ100のさらなる製造中に半田球126の構造を全体的に維持するように、高温度融点を有する半田から形成することができる。一例では、蒸気セル114は、ルビジウム原子を含むアルカリ蒸気セルとすることができる。
【0018】
[0023]一例では、上部台座112は、下部台座108に対する反転位置にある。すなわち、下部台座108の枠119は、上部台座112の枠125とは反対方向に突き出す。それに加えて、構成要素(例えば、レーザー110、波長板111、光検出器116、および蒸気セル114)は、枠119、125を有する側面の反対側にある、それらそれぞれの台座108、112の側面上にある。したがって、台座108、112間の空間内で、構成要素すべてを台座108、112に実装するために、台座は、互いに反転位置に配置される。それに加えて、構成要素(例えば、レーザー110、波長板111、光検出器116、および蒸気セル114)は、台座108、112のポリイミド層間に配置することができる。
【0019】
[0024]CSAC物理パッケージ100は、本体102の底部上に入力/出力(I/O)半田パッド122を含むことができる。したがって、ワイヤは、その底部上でCSAC物理パッケージ100に取り付けることができる。一例では、I/O半田パッド122と内部構成要素(例えば、レーザー110、波長板111、光検出器116、および蒸気セル114)との間の相互接続は、本体102を通して設定することができる。いくつかの例では、上部台座112上の構成要素(例えば光検出器116)の相互接続は、スペーサ118を通して設定することができる。したがって、スペーサ118は、その内側または外側部分上の電気配線を含むことができる。
【0020】
[0025]一例では、磁気コイルは、それが蒸気セル114の周りに延びるように、スペーサ118の周り(例えば、その範囲内)に配置することができる。磁気コイルは、蒸気セル114にバイアス磁界をもたらすように構成することができる。一例では、磁気コイルは、スペーサ118(例えば、その内部)に内蔵することができる。
【0021】
[0026]図2は、CSAC物理パッケージ200の別の例示的な物理パッケージの断面図である。CSAC物理パッケージ200は、その構成要素を収容するのに空洞部203を画定するセラミック本体202を含むことができる。空洞部203内に構成要素を含むセラミック本体202は、セラミックリード無しチップキャリア(CLCC)パッケージを含むことができる。CSAC物理パッケージ200は、その中に空洞部203および構成要素を収容する密閉パッケージを形成するのに、セラミック本体202の空洞部203上に適合するように構成される非磁性(例えばセラミック)蓋部204を含むこともできる。一例では、セラミック蓋部204は、全体的に平面的な形状を有する。半田封止体206は、蓋部204を本体202に封止するのに使用することができる。一例では、より低い電力動作を実現することができる、CSAC物理パッケージ200用のダイアタッチおよび封止操作(例えば、蓋部204を本体202に封止する)は、溶剤を使用することなく達成され、封止パッケージ内に低圧を実現する。一例では、蓋部204は、真空で本体202に封止することができる。この物理パッケージは、蓋部204の本体202への一括真空封止を実現することができる。CSAC物理パッケージ200は、セラミック蓋部204の内部表面の大部分を覆う吸着体フィルムを含むこともできる。
【0022】
[0027]一例では、セラミック本体202は、本体202が空洞部203を画定するように片側(例えば上部)開口部を有する。蓋部204は、空洞部203を密閉するのに本体202の開口側を覆うことができる。一例では、空洞部203は、開口側(例えば上)から見たとき、全体的に五角形の断面形状を有する。別の例では、空洞部203は、開口側(例えば上)から見たとき、全体的に円形の断面を有する。どんな場合でも、空洞部203は、基底面205および1つまたは複数の内側面207を含むことができる。1つまたは複数の側面207は、例えば本体202の空洞部内の構造体を支持するのに、1つまたは複数の階段部209をその中に画定することができる。
【0023】
[0028]CSAC物理パッケージ200は、レーザー210、波長板211、蒸気セル214、および光検出器216などの構成要素を支持する、1つまたは複数の台座208、212、220を含むことができる。一例では、台座208、212、220は、枠間に懸吊される薄膜を含むことができる。台座208、212、220は、薄膜用の付加的な構造体を設けるのに薄膜に取り付けられる補強部材を含むこともできる。CSAC物理パッケージ200に使用することができる、あるサイズの台座208、212、220を形成するのに、半導体製造プロセスを使用して台座208、212、220を形成することができる。したがって、枠および補強部材は、シリコンから構成することができ、薄膜は、ポリイミドから構成することができる。ポリイミドは、台座208、212、220上の補強部材および構成要素を、枠および本体202から熱的に隔離することができる。
【0024】
[0029]CSAC物理パッケージ200は、空洞部203内に実装される下部台座208、上部台座212、および中間部台座220を含む。一例では、下部台座208、上部台座212、および中間部台座220は、互いに平行、かつ空洞部203の基底面205に平行に配置することができる。この例では、下部台座208は、無溶剤ダイアタッチを介して空洞部203の基底面205に取り付けられる。一例では、無溶剤ダイアタッチは、複数の金(Au)スタッドバンプとすることができる。下部台座208は、加熱器およびレーザー210用の支持構造体として機能することができる。下部台座208およびその上の構成要素(例えばレーザー210)は、セラミック本体202の空洞部203の内側面207の下部階段部209上のパッドへのワイヤ結合部を介して本体202上のピンに電気的に結合することができる。一例では、レーザー210は、垂直キャビティ面発光レーザー(VCSEL)とすることができる。
【0025】
[0030]下部台座208は、基底面205に対向する第1の側面213と、第1の側面213の反対側にあり、蓋部204、中間部台座220、および上部台座212に対向する第2の側面215とを含むことができる。一例では、枠219および補強部材223は、第1の側面213上にある。補強部材223は、その質量を低減するのに複数の開口部を画定することができる。一例では、レーザー210は、第2の側面215に実装される。一例では、レーザー210は、例えばフリップチップ実装を使用して、第2の側面215に半田結合することができる。
【0026】
[0031]図3は、例示的な下部台座208の底面図である。上述のように、下部台座208は、枠219および補強部材223がそれに取り付けられる薄膜を含むことができる。枠219および補強部材223は、薄膜上で互いに分離することができ、薄膜の複数の係留部302は、枠219と補強部材223との間に延びる。複数のスタッドバンプ304は、枠219を本体202に取り付けるのに枠219上にくることができる。構成要素(例えばレーザー210)は、補強部材223の領域内の薄膜上に実装することができる。配線は、補強部材上の構成要素をスタッドバンプ304に電気的に結合するように、係留部302を横断して延びることができる。
【0027】
[0032]上部台座212および中間部台座220は、1つまたは複数のスペーサ218(例えば、脚構造体、座金)の両側面に実装することができる。上部台座212は、光検出器216用の支持構造体として機能することができ、中間部台座220は、波長板211用の支持構造体として機能することができる。それに加えて、上部台座212および中間部台座220は、アルカリ蒸気セル214用の支持構造体として機能することができる。具体的には、蒸気セル214は、上部台座212と中間部台座220との間に支持することができる。したがって、蒸気セル214は、一端が上部台座212に取り付けられ、他端が中間部台座220に取り付けられる。さらに、蒸気セル214は、スペーサ218の開口部内に配置することができる。したがって、上部台座212、中間部台座220、およびスペーサ218は、蒸気セル214用の支持構造体を形成することができる。一例では、蒸気セル214の上部表面用の加熱器は、上部台座212上に実装することができ、蒸気セル214の下部表面用の加熱器は、中間部台座220上に実装することができる。別の例では、1つまたは複数の加熱器は、蒸気セル214の1つまたは複数の表面上に形成することができる。一例では、スペーサ218は、その中に開口部を画定する環形状(例えば五角形環形状)を有することができる。スペーサ218は、蒸気セル214がスペーサ218に画定される開口部内にくるように、蒸気セル214の周りに配置することができる。
【0028】
[0033]一例では、スペーサ218は、上部台座212および中間部台座220を上部階段部209に結合する(1つまたは複数の)結合部の疲労を低減するように機能することもできる。スペーサ218は、本体202の熱膨張係数と上部台座212および中間部台座220の熱膨張係数との間にある熱膨張係数を有する材料から構成することにより、疲労を低減することができる。したがって、本体202、上部台座212、および中間部台座220が、温度変化により膨張および収縮するとき、スペーサ218は、多少の変化を吸収することができる。例えば、本体202は、摂氏1度当り7ppmの熱膨張係数を有するセラミックから構成することができ、スペーサ218は、摂氏1度当り5ppmの熱膨張係数を有することができ、上部台座212および中間部台座220は、摂氏1度当り3ppmの熱膨張係数を有することができる。別の例では、スペーサ218は、本体202および蓋部204と同じ材料から形成することができる。スペーサ218は、上部台座212および中間部台座220に機械的支持および電気的接触をもたらすことができる。いくつかの例では、スペーサ218は、表面実装技術(SMT)電子要素などの付加的な電子要素に機械的支持および電気的接触をもたらすこともできる。
【0029】
[0034]上述のように、その上に実装される上部台座212および中間部台座220を有するスペーサ218は、本体202内の階段部209に実装することができる。具体的には、スペーサ218は、上部階段部209に実装することができる。空洞部203の側面207内の階段部209は、上部台座212および中間部台座220を下部台座208から少なくとも部分的に離間させるのに使用することができる。スペーサ218は、上部台座212を下部台座208および中間部台座220からさらに離間させ、中間部台座220と上部台座212との間に蒸気セル214用の空間をもたらすように、空洞部203の上部階段部209から上に延びることができる。一例では、スペーサ218は、セラミックから構成することができる。
【0030】
[0035]上部台座212およびセラミックスペーサ218の組合せは、スペーサ218の頂部上で本体202の空洞部203を横断することができる。同様に、中間部台座220およびセラミックスペーサ218は、スペーサ218の底部上で本体202の空洞部203を横断することができる。一例では、上部台座212および中間部台座220は、無溶剤ダイアタッチを介してスペーサ218に取り付けることができる。スペーサ218は、無溶剤ダイアタッチを介して本体202の上部階段部209に取り付けることができる。一例では、無溶剤ダイアタッチは、複数の金(Au)スタッドバンプとすることができる。
【0031】
[0036]上部台座212は、蓋部204に対向する第1の側面221と、第1の側面221の反対側にあり、中間部台座220および下部台座208に対向する第2の側面224とを含むことができる。一例では、枠225および補強部材227は、第1の側面221上にある。補強部材227は、その質量を低減するのに複数の開口部を画定することができる。一例では、光検出器216および蒸気セル214は、第2の側面224に実装される。さらに、レーザー210からの光線が、波長板211を通り、次いで蒸気セル214を通って伝播し、光検出器216により検出することができるように、蒸気セル214は、光検出器216の頂部上に配置され、レーザー210および波長板211と一直線に並べることができる。一例では、光検出器216は、例えばフリップチップ実装を使用して、第2の側面224に半田結合することができる。複数の半田球226を第2の側面224に付着させることができる。複数の半田球226は、蒸気セル214を複数の半田球226に半田付けし、光検出器216の頂部上に配置することができるように、光検出器216の周りに配置され、光検出器216よりも高い、第2の側面224の上の高さに突き出すことができる。一例では、蒸気セル214は、光検出器216から少なくとも200マイクロメートル離間して配置することができる。この間隙により、蒸気セル214と光検出器216との間から溶剤を流すことができる。一例では、複数の半田球226は、所望のサイズの半田球を形成するように調整されるジェット法を使用して形成することができる。一例では、半田球226は、それが台座212上に形成されると、CSAC物理パッケージ200のさらなる製造中に半田球226の構造を全体的に維持するように、高温度融点を有する半田から形成することができる。一例では、蒸気セル214は、ルビジウム原子を含むアルカリ蒸気セルとすることができる。
【0032】
[0037]一例では、上部台座212は、下部台座208および中間部台座220に対する反転位置にある。すなわち、下部台座208および中間部台座220上の枠219は、上部台座212の枠225とは反対方向に突き出す。それに加えて、蒸気セル214は、上部台座212および中間部台座220のポリイミド層間に配置することができる。
【0033】
[0038]図4は、例示的な上部台座212の上面図である。上述のように、上部台座212は、枠225および補強部材227がそれに取り付けられる薄膜を含むことができる。枠225および補強部材227は、薄膜上で互いに分離することができ、薄膜の複数の係留部402は、枠225と補強部材227との間に延びる。複数のスタッドバンプ404は、枠225を本体202に取り付けるのに枠225上にくることができる。構成要素(例えば蒸気セル214)は、補強部材227の領域内の薄膜上に実装することができる。配線は、補強部材上の構成要素をスタッドバンプ404に電気的に結合するように、係留部402を横断して延びることができる。
【0034】
[0039]中間部台座220は、蓋部204に対向し、上部台座212に対向する第1の側面228と、基底面205に対向し、下部台座208に対向する第2の側面230とを含むことができる。中間部台座220は、その第1の側面228上でスペーサ218に実装することができる。
【0035】
[0040]一例では、枠229および補強部材231は、第2の側面230上にある。補強部材231は、その質量を低減するのに複数の開口部を画定することができる。蒸気セル214は、中間部台座220の第1の側面228上に実装することもできる。波長板211は、中間部台座220の第2の側面230上に実装することができる。一例では、複数の傾斜機構部232は、中間部台座220の第2の側面230内に形成することができる。波長板211は、波長板211を中間部台座220に対してある角度に向けるように構成することができる、これらの傾斜機構部232に実装することができる。例えば、第1の機構部は、第2の機構部よりも低い高さを有することができ、波長板211の第1の端部は、第1の機構部に取り付けることができ、波長板211の第2の端部は、第2の機構部に取り付けることができる。波長板211をある角度に向けることにより、波長板211からのレーザー反射をレーザー210から遠ざけることができる。一例では、波長板211は、1/4波長板とすることができる。
【0036】
[0041]図5は、例示的な中間部台座220の底面図である。上述のように、中間部台座220は、枠229および補強部材231がそれに取り付けられる薄膜を含むことができる。枠229および補強部材231は、薄膜上で互いに分離することができ、薄膜の複数の係留部502は、枠229と補強部材231との間に延びる。複数のスタッドバンプ504は、枠229を本体202に取り付けるのに枠229上にくることができる。構成要素(例えば蒸気セル214)は、補強部材223の領域内の薄膜上に実装することができる。それに加えて、他の構成要素(例えば波長板211)は、補強部材231上に実装することができる。
【0037】
[0042]一例では、磁気コイル234は、それが蒸気セル214の周りに延びるように、スペーサ218の周り(例えば、その範囲内)に配置することができる。磁気コイルは、蒸気セル214にバイアス磁界をもたらすように構成することができる。一例では、磁気コイル234は、スペーサ218(例えば、その内部)に内蔵することができる。
【0038】
[0043]一例では、第2の光検出器236は、波長板211からのレーザー210の反射を検出するように構成することができる。第2の光検出器236は、レーザー210の光電力出力を制御するのに使用することができる。具体的には、波長板211から反射される光の強度に基づき、レーザー210の電力出力は、それに応じて決定および制御することができる。第2の光検出器236は、下部台座208に実装することができる。具体的には、第2の光検出器236は、レーザー210に隣接して下部台座208の第2の側面215に実装することができる。
【0039】
[0044]CSAC物理パッケージ200は、本体202の底部上に入力/出力(I/O)半田パッド222を含むことができる。したがって、CSAC物理パッケージ200の底部は、回路基板に取り付けることができる。一例では、I/O半田パッドと内部構成要素(例えば、レーザー210、波長板211、光検出器216、および蒸気セル214)との間の相互接続は、本体202を通して設定することができる。いくつかの例では、上部台座212上の構成要素(例えば光検出器216)および中間部台座220上の構成要素(例えば加熱器)の相互接続は、スペーサ218を通して設定することができる。したがって、スペーサ218は、その内側または外側部分上の電気配線を含むことができる。
【0040】
[0045]一例では、CSAC物理パッケージ100またはCSAC物理パッケージ200を作成するのに、台座、スペーサ、本体、および蓋部を互いに形成し、組み合わせることができる。台座をウエハレベルで作製し、組み立てることができる。例えば、台座は、その第1の側面上にポリイミド薄膜を有するシリコンウエハを含むことができる。ポリイミド部材を有する台座の側面は、台座の「前面」と呼ぶことができる。その際、台座の前面は、その中に穴を有する枠および補強部材を形成するようにエッチングすることができる。上述のように、ポリイミド薄膜を加え、台座をエッチングすることは、その上に複数のダイス状でない台座ダイを有するウエハ上で行うことができる。
【0041】
[0046]構成要素は、エッチングされると、台座に取り付けることができる。CSAC物理パッケージ100の下部台座108では、エッチングされたウエハは、加熱器、レーザー110、および波長板111をそれに取り付けることができる。レーザー110および加熱器は、例えば、下部台座108に実装されるフリップチップとすることができる。複数の半田球117は、上述のジェット法を使用して取り付けることができる。その際、波長板111は、半田、エポキシ樹脂、または他のダイアタッチ化合物を使用して半田球117に取り付けることができる。上部台座112では、エッチングされたウエハは、半田球126と共に、光検出器116、次いで蒸気セル114をそれに取り付けることができる。光検出器116は、フリップチップ実装することができ、蒸気セル114は、半田、エポキシ樹脂、または他のダイアタッチ化合物を使用して取り付けることができる。一例では、光検出器116は、ワイヤ結合部により上部台座112に電気的に結合することができる。
【0042】
[0047]CSAC物理パッケージ200の下部台座208では、エッチングされたウエハは、レーザー210および第2の光検出器236をそれに取り付けることができる。レーザー210および第2の光検出器236は、例えば、下部台座208に実装されるフリップチップとすることができる。中間部台座220では、複数の機構部232は、標準的な半導体プロセスを使用して、その中に形成することができる。次いで、波長板211は、例えばエポキシ樹脂を使用して、台座220(例えば、複数の機構部232)に取り付けることができる。上部台座212では、エッチングされたウエハは、半田球226と共に、光検出器216、次いで蒸気セル214をそれに取り付けることができる。光検出器216は、フリップチップ実装することができ、蒸気セル214は、半田、エポキシ樹脂、または他のダイアタッチ化合物を使用して取り付けることができる。一例では、光検出器216は、ワイヤ結合部により上部台座212に電気的に結合することができる。
【0043】
[0048]ウエハの分割前に、これらの構成要素を取り付けることができる。次いで、個々の台座を形成するのに、ウエハを分割することができる。一例では、ウエハは、乾式ダイシング処理を使用して分割することができる。次いで、台座は、その電気的および機械的結合用に半田球を付着させることができる。一例では、台座が形成された後に、台座を試験し、動作機能試験を行うことができる。
【0044】
[0049]CSAC物理パッケージ100の下部台座108は、無溶剤ダイアタッチ(例えば金(Au)スタッドバンプ)を使用して本体102の基底面105(例えば、底部、床)に取り付けることができる。下部台座108のワイヤ結合部は、例えば下部階段部109で、本体102上の適当なパッドに取り付けることができる。上部台座112は、半田、金(Au)スタッドバンプ、または他の無溶剤ダイアタッチ化合物を使用して、スペーサ118または直接本体102に取り付けることができる。
【0045】
[0050]SMT電子要素120は、スペーサ118に取り付けることができる。スペーサ118は、一括ダイ/構成要素アタッチの適したアレイ形態で作成され、分離するように分割することができる。スペーサ118は分割され、上部台座112は取り付けられ、この組合せは、無溶剤ダイアタッチ(例えば金(Au)スタッドバンプ)を使用して、本体102内の上部階段部109に取り付けることができる。一例では、このダイアタッチは、機械的貫通および電気的な貫通のどちらももたらすことができる。別の例では、このダイアタッチは、電気的貫通のない機械的ダイアタッチをもたらすことができ、電気的アタッチは、ワイヤ結合により行うことができる。
【0046】
[0051]CSAC物理パッケージ200の下部台座208は、無溶剤ダイアタッチ(例えば金(Au)スタッドバンプ)を使用して本体202の基底面205(例えば、底部、床)に取り付けることができる。下部台座208のワイヤ結合部は、例えば下部階段部209で、本体202上の適当なパッドに取り付けることができる。
【0047】
[0052]スペーサ218は、一括ダイ/構成要素アタッチの適したアレイ形態で作成され、分離するように分割することができる。上部台座212および中間部台座220は、分割されると、スペーサ218の両端に取り付けることができる。蒸気セル214は、上部台座212と中間部台座220との間のスペーサ218により形成される開口部内に配置することができる。蒸気セル214は、まだ取り付けられていない場合、中間部台座220および/または上部台座212に取り付けることができる。上部台座212および中間部台座220は、半田、金(Au)スタッドバンプ、または他の無溶剤ダイアタッチ化合物を使用して、スペーサ218に取り付けることができる。その際、スペーサ218、上部台座212、中間部台座220、および蒸気セル214の組合構造体は、本体202の階段部209(例えば上部階段部)に実装することができる。スペーサ218は、半田、金(Au)スタッドバンプ、または他の無溶剤ダイアタッチ化合物を使用して、階段部209に取り付けることができる。一例では、このダイアタッチは、機械的貫通および電気的貫通のどちらももたらすことができる。別の例では、このダイアタッチは、電気的貫通のない機械的ダイアタッチをもたらすことができ、電気的アタッチは、ワイヤ結合により行うことができる。
【0048】
[0053]蓋部204は、吸着体用に適当な材料(例えばチタンなど)でコーティングすることができる。一例では、蓋部204は、吸着体用の材料をスパッタ蒸着させることにより、コーティングすることができる。吸着体を真空中で活性化させた後、蓋部204は、半田で本体202に封止することができる。
【0049】
[0054]実施例1は、空洞部を画定する本体と、空洞部内に実装され、第1の表面および第2の表面を有する第1の台座と、第1の台座の第1の表面上に実装されるレーザーと、空洞部内に実装され、第1の表面および第2の表面を有する第2の台座であって、第2の台座の第1の表面が第1の台座の第1の表面に対向するように配置される第2の台座と、第2の台座の第1の表面上に実装される第1の光検出器と、第2の台座の第1の表面上に実装される蒸気セルと、レーザーからの光線が、波長板および蒸気セルを通って伝播し、第1の光検出器により検出することができるように、レーザー、波長板、第1の光検出器、および蒸気セルが配置される、波長板と、空洞部を覆う蓋部とを備える、チップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0050】
[0055]実施例2は、第1の台座が空洞部の基底面に取り付けられる、実施例1に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0056]実施例3は、波長板がレーザーの頂部上に配置され、かつ第1の台座の第1の表面上に実装され、レーザーが半田結合により第1の表面に取り付けられ、波長板が複数の高温半田球を使用して第1の表面に取り付けられ、波長板が第1の表面に対してある角度にくるように、複数の高温半田球がレーザーの周りに配置され、構成される、実施例1または2に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0051】
[0057]実施例4は、蒸気セルが第2の台座の第1の表面上の第1の光検出器の頂部上に配置される、実施例1〜3のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0052】
[0058]実施例5は、第1の光検出器が第2の台座の第1の表面に取り付けられ、蒸気セルが複数の高温半田球を使用して第1の表面に取り付けられ、複数の高温半田球が、第1の光検出器の周りに配置され、かつ第1の光検出器よりも高い高さを有する、実施例4に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0053】
[0059]実施例6は、空洞部が階段面を含み、物理パッケージが階段面に取り付けられる1つまたは複数のスペーサを備え、1つまたは複数のスペーサが空洞部の両側面に取り付けられ、第2の台座が1つまたは複数のスペーサに取り付けられ、かつ空洞部にわたって広がる、実施例1〜5のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0054】
[0060]実施例7は、1つまたは複数のスペーサが全体的に環形状を有する、実施例6に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0061]実施例8は、1つまたは複数のスペーサが、本体の熱膨張係数と第2の台座の熱膨張係数との間にある熱膨張係数を有する、実施例6または7に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0055】
[0062]実施例9は、本体および蓋部が、第1のセラミックから構成され、1つまたは複数のスペーサが、第2のセラミックから構成される、実施例8に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0056】
[0063]実施例10は、1つまたは複数のスペーサの周りに磁気コイルを備える、実施例6〜9のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0064]実施例11は、1つまたは複数のスペーサが、蓋部に対向する第1の表面および空洞部の基底面に対向する第2の表面を含み、第2の台座が、1つまたは複数のスペーサの第1の表面に実装され、第1の表面が、空洞部の階段面に実装され、第3の台座が、1つまたは複数のスペーサの第2の表面に実装され、蒸気セルが、第3の台座に取り付けられる、実施例6〜10のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0057】
[0065]実施例12は、波長板が第3の台座に実装される、実施例11に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0066]実施例13は、第3の台座が、第2の台座に対向する第1の表面および第1の台座に対向する第2の表面を含み、蒸気セルが、第3の台座の第1の表面に実装され、波長板が、第3の台座の第2の表面に実装される、実施例12に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0058】
[0067]実施例14は、複数の機構部が、第3の台座の第2の表面に対してある角度で波長板を支持するように構成される、実施例13に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0059】
[0068]実施例15は、レーザーに隣接して第1の台座の第1の表面上に実装される第2の光検出器を備え、第2の光検出器が、波長板からのレーザー反射を検知するように構成される、実施例14に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0060】
[0069]実施例16は、蓋部の内部表面上に吸着体フィルムを含む、実施例1〜15のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0070]実施例17は、チップスケール原子時計物理パッケージを形成する方法を含み、方法は、少なくとも1つの階段部を画定する空洞部を、画定する本体を形成するステップと、第1の台座を形成するステップと、第1の台座の第1の表面にレーザーを取り付けるステップと、空洞部内で本体に第1の台座を取り付けるステップと、第1の実装面および第2の実装面を有する支持構造体を形成するステップと、第2の台座を形成するステップと、第2の台座の第1の表面に光検出器を取り付けるステップと、第2の台座の第1の表面に蒸気セルを取り付けるステップと、支持構造体の第1の実装面に第2の台座を取り付けるステップと、第3の台座を形成するステップと、第3の台座の第1の表面に波長板を取り付けるステップと、支持構造体の第2の実装面に第3の台座を取り付け、蒸気セルに第3の台座を取り付けるステップと、空洞部の少なくとも1つの階段部に支持構造体を取り付けるステップと、蓋部に吸着体をコーティングするステップと、吸着体が空洞部内にくるように本体に蓋部を封止するステップとを含む。
【0061】
[0071]実施例18は、本体に第1の台座を取り付けるステップが、本体の基底面に第1の台座を取り付けるステップを含む、実施例17に記載の方法を含む。
[0072]実施例19は、第1の台座の第1の表面にレーザーを取り付けるステップが、第1の台座の第1の表面にレーザーを半田結合するステップを含み、第2の台座の第1の表面に光検出器を取り付けるステップが、第2の台座の第1の表面に光検出器を半田結合するステップを含み、方法が、第2の台座の第1の表面に、光検出器の周りに配置される第2の複数の高温半田球を付着させるステップを含み、第2の台座の第1の表面に蒸気セルを取り付けるステップが、第2の複数の高温半田球に蒸気セルを半田付けするステップを含み、支持構造体を形成するステップが、支持構造体の周りに磁気コイルを形成するステップを含む、実施例17または18に記載の方法を含む。
【0062】
[0073]実施例20は、空洞部を画定し、空洞部の側面内に第1の階段部を画定するセラミック本体と、セラミック本体に取り付けられ、空洞部を気密封止するセラミック蓋部と、空洞部の基底面に取り付けられる第1の台座と、第1の台座に実装されるレーザーと、第1の階段部に取り付けられ、蓋部に対向する第1の表面および基底面に対向する第2の表面を有するセラミック支持構造体と、支持構造体の第1の表面に取り付けられる第2の台座と、第2の台座の第1の表面に実装される光検出器と、第2の台座の第1の表面に実装され、光検出器の頂部上に配置される蒸気セルと、蒸気セルが、第2の台座と第3の台座との間およびセラミック支持構造体により形成される開口部内に配置されるように第3の台座に実装される、支持構造体の第2の表面に取り付けられる第3の台座と、レーザーからの光線が、波長板および蒸気セルを通って伝播し、光検出器により検出することができるように、レーザー、波長板、光検出器、および蒸気セルが配置される、第3の台座に実装される波長板とを備える、チップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0063】
[0074]実施例21は、蒸気セルが、第2の台座の第1の表面上の第1の光検出器の頂部上に配置される、実施例20に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0075]実施例22は、第1の光検出器が、第2の台座の第1の表面に取り付けられ、第1の光検出器の周りに配置され、第1の光検出器よりも高い高さを有する複数の高温半田球を使用して、蒸気セルが、第1の表面に取り付けられる、実施例21に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0064】
[0076]実施例23は、セラミック支持構造体が、全体的に環形状を有する、実施例20〜22のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0077]実施例24は、セラミック支持構造体が、本体の熱膨張係数と第2の台座の熱膨張係数との間にある熱膨張係数を有する、実施例20〜23のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0065】
[0078]実施例25は、本体および蓋部が、第1のセラミックから構成され、セラミック支持構造体が、第2のセラミックから構成される、実施例20〜24のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0066】
[0079]実施例26は、セラミック支持構造体の周りに磁気コイルを備える、実施例20〜25のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0080]実施例27は、第3の台座が、第2の台座に対向する第1の表面および第1の台座に対向する第2の表面を含み、蒸気セルが、第3の台座の第1の表面に実装され、波長板が、第3の台座の第2の表面に実装される、実施例20〜26のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0067】
[0081]実施例28は、複数の機構部が、第3の台座の第2の表面に対してある角度で波長板を支持するように構成される、実施例27に記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0068】
[0082]実施例29は、レーザーに隣接して第1の台座の第1の表面上に実装され、波長板からのレーザー反射を検知するように構成される第2の光検出器を備える、実施例20〜28のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
【0069】
[0083]実施例30は、蓋部の内部表面上に吸着体フィルムを備える、実施例20〜29のいずれか1つに記載のチップスケール原子時計物理パッケージを含む。
[0084]本明細書に特定の実施形態を例示し、説明してきたが、同じ目的を達成するのに計算されるどんな構成でも、示される特定の実施形態と置き換えることができることが、当業者には理解されよう。したがって、本発明が、特許請求の範囲およびその均等のものによってのみ限定されることを明白に表す。
【符号の説明】
【0070】
100 チップスケール原子時計物理パッケージ
101 吸着体フィルム
102 セラミック本体
103 空洞部
104 蓋部
105 基底面
106 半田封止体
107 内側面
108 下部台座
109 階段部
110 レーザー
111 波長板
112 上部台座
113 下部台座の第1の側面
114 蒸気セル
115 下部台座の第2の側面
116 光検出器
117 半田球
118 スペーサ
119 枠
120 電子要素
121 上部台座の第1の側面
122 入力/出力半田パッド
123 補強部材
124 上部台座の第2の側面
125 枠
126 半田球
127 補強部材
200 チップスケール原子時計物理パッケージ
202 セラミック本体
203 空洞部
204 蓋部
205 基底面
206 半田封止体
207 内側面
208 下部台座
209 階段部
210 レーザー
211 波長板
212 上部台座
213 下部台座の第1の側面
214 蒸気セル
215 下部台座の第2の側面
216 光検出器
218 スペーサ
219 枠
220 中間部台座
221 上部台座の第1の側面
222 入力/出力半田パッド
223 補強部材
224 上部台座の第2の側面
225 枠
226 半田球
227 補強部材
228 中間部台座の第1の側面
229 枠
230 中間部台座の第2の側面
231 補強部材
232 傾斜機構部
234 磁気コイル
236 第2の光検出器
302 係留部
304 スタッドバンプ
402 係留部
404 スタッドバンプ
502 係留部
504 スタッドバンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞部を画定する本体と、
前記空洞部内に実装され、第1の表面および第2の表面を有する第1の台座と、
前記第1の台座の前記第1の表面上に実装されるレーザーと、
前記空洞部内に実装され、第1の表面および第2の表面を有する第2の台座であって、前記第2の台座の前記第1の表面が前記第1の台座の前記第1の表面に対向するように配置される第2の台座と、
前記第2の台座の前記第1の表面上に実装される第1の光検出器と、
前記第2の台座の前記第1の表面上に実装される蒸気セルと、
前記レーザーからの光線が、波長板および前記蒸気セルを通って伝播し、前記第1の光検出器により検出することができるように、前記レーザー、波長板、第1の光検出器、および蒸気セルが配置される、波長板と、
前記空洞部を覆う蓋部と
を備える、チップスケール原子時計物理パッケージ。
【請求項2】
チップスケール原子時計物理パッケージを形成する方法であって、
少なくとも1つの階段部を画定する空洞部を、画定する本体を形成するステップと、
第1の台座を形成するステップと、
前記第1の台座の第1の表面にレーザーを取り付けるステップと、
前記空洞部内で前記本体に前記第1の台座を取り付けるステップと、
第1の実装面および第2の実装面を有する支持構造体を形成するステップと、
第2の台座を形成するステップと、
前記第2の台座の第1の表面に光検出器を取り付けるステップと、
前記第2の台座の前記第1の表面に蒸気セルを取り付けるステップと、
前記支持構造体の第1の実装面に前記第2の台座を取り付けるステップと、
第3の台座を形成するステップと、
前記第3の台座の第1の表面に波長板を取り付けるステップと、
前記支持構造体の前記第2の実装面に前記第3の台座を取り付け、前記蒸気セルに前記第3の台座を取り付けるステップと、
前記空洞部の前記少なくとも1つの階段部に前記支持構造体を取り付けるステップと、
蓋部に吸着体をコーティングするステップと、
前記吸着体が前記空洞部内にくるように前記本体に前記蓋部を封止するステップと
を含む、方法。
【請求項3】
空洞部を画定し、前記空洞部の側面内に第1の階段部を画定するセラミック本体と、
前記セラミック本体に取り付けられ、前記空洞部を気密封止するセラミック蓋部と、
前記空洞部の基底面に取り付けられる第1の台座と、
前記第1の台座に実装されるレーザーと、
前記第1の階段部に取り付けられ、前記蓋部に対向する第1の表面および前記基底面に対向する第2の表面を有するセラミック支持構造体と、
前記支持構造体の前記第1の表面に取り付けられる第2の台座と、
前記第2の台座の第1の表面に実装される光検出器と、
前記第2の台座の前記第1の表面に実装され、前記光検出器の頂部上に配置される蒸気セルと、
前記蒸気セルが、前記第2の台座と第3の台座との間および前記セラミック支持構造体により形成される開口部内に配置されるように第3の台座に実装される、前記支持構造体の前記第2の表面に取り付けられる第3の台座と、
前記レーザーからの光線が、波長板および前記蒸気セルを通って伝播し、前記光検出器により検出することができるように、前記レーザー、波長板、光検出器、および蒸気セルが配置される、前記第3の台座に実装される波長板と
を備える、チップスケール原子時計物理パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−3139(P2013−3139A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−90974(P2012−90974)
【出願日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)