説明

蒸気タービン

【課題】 この発明は、外側筐体(2)と、外側筐体(2)内に配置された内側筐体(3)と、複数の案内翼の列(4)とを備えた蒸気タービン(1)、特に、発電所設備用の蒸気タービンに関する。
【解決手段】 内側筐体(3)内での漏れフローを低減するために、ブレードリング(5)が配備されており、このブレードリングは、内側筐体(3)内に配置されており、このブレードリング上には、案内翼の列(4)の中の少なくとも幾つかが配置されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、蒸気タービン、特に、発電所設備用の蒸気タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、蒸気タービンは、外側筐体とその中に配置された内側筐体とを備えている。内側筐体内には、複数の案内翼の列が、軸方向に順番に配置されており、これらの列は、それぞれ円周方向に順番に配置された複数の案内翼から構成されている。
【0003】
蒸気タービンの高い効率のためには、案内翼の翼先端を取り巻く漏れフローを防止することが決定的に重要である。翼の先端領域を効果的に密閉することは、内側筐体が、蒸気タービンの動作時に非対称的に変形することによって、しばしば困難となる。内側筐体の変形は、大きな圧力と大きな熱的な負荷が原因とされている。内側筐体の非対称的な変形は、特に、内側筐体が、外側に有る側方フランジによって、中心平面に沿って固定された二つの内側筐体半分体から構成される場合に起こる。内側筐体は、フランジの領域において、必然的に、フランジ間のものとは異なる曲げ挙動を持つこととなる。この内側筐体の一般的な円形の横断面は、動作の際に生じる圧力負荷によって、例えば、楕円形又は長円形、或いはフランジ領域がくびれる形に変形する可能性が有り、そのことは、局所的に、翼先端における半径方向の遊びを拡大させる可能性が有る。それに対応して、そこに望ましくない漏れが起こる可能性が有る。蒸気タービンの組立及び解体を容易にするために、二つの部分から成る内側筐体を使用している。
【0004】
内側筐体の非対称的な変形を低減するためには、基本的に、内側筐体半分体の両方を、互いにボルト締めされる側方に突き出たフランジによってではなく、重ね合わせた内側筐体半分体を外側から引っ張って止めるテンションリング(Spannringe)によって、互いに合わせた形で固定することが可能である。しかし、それに必要な負担は、比較的大きい。特に、後でテンションリングを取り除くように構成することは、場合によっては困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、この発明は、その解決策を提供する。この発明の課題は、請求項に特徴を記載している通り、最初に述べた種類の蒸気タービンに関して、特に、漏れを低減することを特徴とする改善された実施構成を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、この発明にもとづき、独立請求項の対象によって解決される。有利な実施構成は、従属請求項の対象である。
【0007】
この発明は、案内翼の列の中の少なくとも幾つかを、それ自身が内側筐体内に配置されているブレードリング内に配置するとの基本的な考えにもとづく。このようなブレードリングにより、内側筐体に対して、比較的簡単に効率的に密閉することができる。更に、このブレードリングが、案内翼の列の全部ではなく、幾つかだけを収容する場合、ブレードリングは、蒸気タービンの圧力負荷全体に曝されることはない。それに対応して、ブレードリングに生じる力は、比較的小さくなる。この生じる力が小さくなるのに応じて、より簡単にブレードリングの対称的な変形を達成することができる。しかし、対称的な変形により、漏れフローが無くなるか、或いはほんの僅かとなる。この発明による蒸気タービンでは、内側筐体は、ブレードリング内に配置された案内翼の列の領域に発生する変形力から解放される。その点において、内側筐体の変形は、既に低減されている。ブレードリングの領域において、内側筐体は、主にブレードリングの案内翼の列に加わる軸方向の力を軸方向に対して支える役割を果たす。ブレードリング上に円周方向に加わる回転モーメントも、内側筐体によって吸収することができる。
【0008】
有利には、ブレードリングは、軸方向固定部においいて、内側筐体上で軸方向に対して固定されるとともに、その以外では、内側筐体に対して相対的に軸方向に自由に動ける。このようにして、ブレードリングは、内側筐体から運動力学的に解放されるが、ブレードリング内に配置された案内翼を介してブレードリングに加わる軸方向の力を受け止めることができる。
【0009】
更に、軸方向固定部が、ブレードリングの迂回フローを防止する、或いは少なくとも困難にする密閉部として構成される改善構成は、特に有利である。そのために、ブレードリングと内側筐体の間の固定部は、リング状に完全に周囲を取り巻く接触ゾーンを有し、このゾーンは、特に、ブレードリングと内側筐体間の半径方向の動きを許容するものである。このようにして、内側筐体とブレードリング間の特に効果的な密閉を、構造的に簡単で、そのため安価な手法で実現することができる。
【0010】
この発明による蒸気タービンの更なる重要な特徴及び利点は、従属請求項、図面及び図面にもとづく図に対応した記述から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の有利な実施例を、図面に図示するとともに、以下における記述において、詳しく説明し、その場合、同じ符号は、同一の、同様の又は機能的に同じ構成部分を表すものとする。
【0012】
図1に対応して、有利には、発電所設備において、有利には、中圧タービン又は高圧タービンとして使用される、この発明の蒸気タービン1は、外側筐体2を有し、その中に、内側筐体3が配置されている。更に、このような蒸気タービン1は、多くの案内翼の列を備えているが、ここでは、図示されていない。それに対して、案内翼収容部4を図示しており、その中に、案内翼又は案内翼支持体を、個々に又は一群として嵌め込むことができる。そのため、ここでは、図示されていない案内翼の列は、この案内翼収容部によって表すものとし、以下において、符号4でも表示する。個々の案内翼の列4は、蒸気タービン1の軸方向に順番に配置されている。個々の案内翼は、各案内翼の列4内において、円周方向に順番に配置されている。
【0013】
更に、蒸気タービン1は、通常ここでは図示されていないローターを備えており、このローターは、相応の数の案内翼の列を支持している。
【0014】
この発明による蒸気タービン1は、案内翼の列4の中の幾つかを支持する少なくとも一つのブレードリング5を備えていることを特徴とする。この場合、ブレードリング5は、内側筐体3内に配置されており、ブレードリング5に割り当てられた案内翼の列4は、ブレードリング5内に配置されている。
【0015】
図1と2に対応して、前述したブレードリング5は、ちょうど一つの軸方向固定部6により、内側筐体3で軸方向に対して固定されている。それ以外では、即ち、固定部6以外では、ブレードリング5は、内側筐体3に対して相対的に軸方向に緩んでいる、或いは自由に動くことができる。この場合、固定部6は、ブレードリング5の上流側の端部近傍に配置されている。ここに図示した有利な実施構成では、固定部6は、ブレードリング5から半径方向に対して外側に突き出るとともに、ブレードリングの周囲をリング状に取り巻くカラー部7で構成されている。更に、カラー部7は、内側筐体3上に形成された支持面8で軸方向に対して支持されている。この支持面8は、ここでは、内側筐体3内に形成されたリング状スロット9により構成されており、カラー部7は、半径方向に対して、このスロット内に嵌め込まれている。カラー部7及び支持面8は、目的に適うこととして、固定部6が、更に密閉部として作用するように構成される。その場合、支持面8は、以下において、符号8でも表示する密閉面となる。このことは、例えば、円周方向に閉じた形で周りを取り巻く、カラー部7と支持又は密閉面8との間の接触ゾーンによって実現され、このゾーンは、更に目的に適うこととして、蒸気タービン1の縦軸に対して垂直な平面内に延びる。固定部6によって形成された、或いは固定部6に形成された軸方向の密閉部は、ブレードリング5を迂回するフローを防止する、或いは困難とする。
【0016】
ここに図示した実施例では、蒸気タービン1は、複流式蒸気タービン1として構成されており、その場合、各フロー10は、共通のローターによって互いに連結されたタービンである。両方のタービン又はフロー10は、ここでは、非対称的に構成されている。特に、両方のタービン又はフロー10の中の一つだけが、ブレードリング5を備えている。基本的に、別の実施構成では、各フロー又はタービン10は、そのようなブレードリング5を備えることができる。別の実施構成では、蒸気タービン1を、単流式蒸気タービン1として構成することもできる。
【0017】
ここで図示した実施構成では、各フロー又はタービン10内では、案内翼の列4の中の幾つか、特に多くがブレードリング5上に配置される一方、その他の全ての案内翼の列4が、内側筐体3上に配置されている。この場合、このフロー10内において、第一の案内翼の列4がブレードリング5上に配置される一方、最後の案内翼の列4が内側筐体3上に配置されていることが重要である。この場合、第一の案内翼の列4が、両方のフロー10の間の中央に配置された流入空間11に隣接して配置される一方、最後の案内翼の列は、ほぼ内側筐体3と外側筐体2の間に有る流出空間12に隣接して配置されている。この場合、流入空間11は、各フロー10のタービンへの蒸気の入口を構成する一方、流出空間12は、このタービンからの蒸気の出口を構成する。
【0018】
蒸気タービン1又は各フロー10のタービンは、対応する蒸気入口又は流入空間11と対応する蒸気出口又は流出空間12との間に、圧力タップ空間13を有する。この圧力タップ空間13は、少なくとも一つの抽気パイプ14と繋がっており、そのパイプにより、蒸気タービン1又は各フロー10のタービンは、抽気を排出することができる。圧力タップ空間13がどのタービン段に繋がっているかに応じて、抽気は、対応する圧力レベルと対応する温度レベルの両方又は一方を有する。図1,2及び6に図示した左側のフロー10では、圧力タップ空間13は、タービン段の最後のほぼ3分の1に配置されている、即ち、圧力タップ空間13は、最後の3分の1に配置されたタービン段と繋がっている。それと異なり、それぞれ右側に図示したフロー10では、圧力タップ空間13は、タービン段のほぼ真中に配置されている、即ち、圧力タップ空間13は、タービン段のほぼ真中に有るタービン段と繋がっている。この場合、各圧力タップ空間13は、二つの案内翼の列4の間に配置された抽気ギャップ15を介して、それぞれ対応するタービン段と繋がっている。
【0019】
ブレードリング5を備えたタービン又はフロー10では、抽気ギャップ15の上流に隣接する案内翼の列4は、ブレードリング5の最後の案内翼の列4によって構成される。それと異なり、抽気ギャップ15の下流に隣接する案内翼の列4は、最早内側筐体3上に配置されている。特に、それは、内側筐体3の第一の案内翼の列4である。
【0020】
この場合、このようにして、ブレードリング5内において、このタービン又はフロー10の流入空間11と流出空間12の間に生じる圧力差の全部ではないが、大部分が解消されるので、この実施形態は、特に重要である。従って、ブレードリング5が受け止める圧力は、発生する圧力全体よりも小さく、その結果ブレードリング5は、それに対応して小さいサイズにすることができる。このため、ブレードリング5に関して、特に、ほぼ対称的な変形挙動を示す構造を選択することができる。
【0021】
特に、図1から分かる通り、ブレードリング5に関して、二つの部分から成る構造が有利であり、その結果ブレードリング5は、二つのブレードリング半分体16,17から構成される。この場合、ブレードリング半分体16,17は、軸方向の中心平面に沿って重なった形で固定されている。この中心平面は、図2における図面の平面に対応する。両方のブレードリング半分体16,17を重なった形で固定することができるように、ブレードリング半分体16,17には、各側面の外側に有る側方フランジ18,19が形成されており、これらのフランジは、ボルト20を用いて、互いに固定されている。ブレードリング5の見込まれる圧力負荷は、比較的小さいので、フランジ18,19は、比較的コンパクトに構成することができ、その結果これらのフランジは、半径方向に対して、ブレードリング半分体16,17から僅かに突き出るだけである。特に、フランジ18,19は、ブレードリング5に対して、周囲において、ほぼ対称的な変形挙動が生じるように構成することができる。対称的な変形は、翼先端の隙間を小さくすることに関して有利である。
【0022】
有利には、内側筐体3も、軸方向の中心平面に沿って重なった形で固定された二つの内側筐体半分体21から構成される。有利には、又もやこれに対応して、ここでは図示されていない外側に有る側方フランジを配備し、これらのフランジにより、両方の内側筐体半分体21をボルト締めすることができる。目的に適うこととして、外側筐体2も、相応の手法で外側に有る側方フランジにより互いにボルト締めされる二つの外側筐体半分体22から構成され、その場合これらの外側筐体半分体22も、軸方向の中心平面に重ねて置かれる。内側筐体半分体21又は外側筐体半分体22の中心平面も、図2の図面の平面内に有り、そのため、ブレードリング半分体16,17の中心平面と一致する。このような筐体半分体21,22及びブレードリング半分体16,17の二つの部分から成る構造は、蒸気タービン1の組立及び解体を容易にするものである。
【0023】
例えば、図3,5及び7の拡大図から特に明らかに分かる通り、ブレードリング5を、内側筐体3内において、半径方向の遊び23を持つ形で配置するのが目的に適っている。このようにすることによって、半径方向の力の伝達に関して、ブレードリング5と内側筐体3との間の分離が実現される。そのため、特に、ブレードリング5の変形が、自動的に内側筐体3の変形に結び付かない。
【0024】
図2〜5に対応して、ブレードリング5は、固定部5の近傍において、少なくとも一つの軸方向の垂直支持部24により、内側筐体3上で支持されている。有利には、このような二つの垂直支持部24を、互いに反対側において、対称的な遊びを持つ形に配置するものと規定する。この場合、両方の垂直支持部24は、ブレードリング5と内側筐体3との間に軸方向の相対的な動きが可能である形に構成される。そのために、垂直支持部24は、ブレードリング5と特に両方の筐体2,3の分離面を同時に形成する中心平面に対して平行に延びるスライド支持面内に有る。図2と4及び特に図3と5から分かる通り、各垂直支持部24は、ブレードリング5から半径方向に突き出た支持体25を有する。この場合、各支持体25は、内側筐体3上に形成された支持ステップ26と直接的又は間接的に共同して作用する。この場合、支持体25が、スライド板27を介して、対応する支持ステップ26上に置かれるのが目的に適っている。組み立てられた状態において、この支持は、重心方向に対して行われる。目的に適うこととして、各支持体25は、組み立てられた状態で下に有るブレードリング半分体17上に、即ち、有利には、そのフランジ19上に形成される。それに対応して、支持ステップ26も、組み立てられた状態で下に有る内側筐体21上に配備される。支持ステップ26を形成するために、内側筐体3には、下方を支持ステップ26で、並びに上方をガイドステップ28で区切られた空洞を設ける。そのため、ガイドステップ28は、支持ステップ26に対して平行に延びる。支持体25も、ガイドステップ28上で、即ち、有利には、又もやスライド板29を介して支持される。この場合、ガイドステップ28は、組み立てられた状態で上に有る内側筐体半分体21上に形成される。目的に適うこととして、垂直支持部24の個々の構成部分間の接触ゾーンは、軸方向に直線的に、そして有利には、ブレードリング半分体16,17又は内側筐体半分体21の分離面又は中心平面に対して平行に展開する軸方向平面内に延びる。
【0025】
スライド板27,29は、特に小さい摩擦値が生じるように構成される。スライド板27,28を介して、ブレードリング5は、支持ステップ26及びガイドステップ28上で、軸方向及びそれと交差する、即ち、重力方向に対して垂直な方向に対して動ける形で支持される。更に、垂直支持部24は、ブレードリング5の重力の大部分を受け止める。更に、垂直支持部24は、ブレードリング5の周囲を固定することによって、蒸気タービン1の動作時に案内翼によりブレードリング5に加えられる回転モーメントを内側筐体3に伝えることができる。
【0026】
図6から8に対応して、ブレードリング5は、固定部6から離れているとともに、垂直支持部24から間隔を開けた軸方向の部分領域において、内側筐体3上で、少なくとも一つの軸方向ガイド30によって、即ち、円周方向に対して支持されている。この場合、この軸方向ガイド30は、ブレードリング5を、内側筐体3上で、円周方向に対して固定する一方、同時に、軸方向と有利には半径方向に対しても、ブレードリング5と内側筐体3間の相対的な動きを許容する形に構成される。ここでは、このことは、一方では内側筐体3上で固定される形で配置されており、他方ではブレードガイド5上に形成された軸方向スロット32内に半径方向に嵌め込まれるガイド物体31を用いて実現されている。軸方向スロット32は、対向して配置された、軸方向に延びる二つの壁面を有し、その上で、ガイド物体31が、円周方向に対して支持されている。ブレードリング5は、この軸方向スロット32とガイド物体31によって、内側筐体3上に回転しない形で固定されているが、それ以外では、内側筐体3に対して相対的に軸方向及び半径方向に自由に動ける形で固定されている。特に、ブレードリング5は、軸方向ガイド30の領域内において、如何なる個所も、軸方向又は半径方向に対して内部筐体3上で支持されていない。
【0027】
ガイド物体31は、内側筐体3に関して、別個の構成部分である。ガイド物体31は、内側筐体3上に形成されたガイド物体保持部33内に嵌め込まれている。基本的には、ガイド物体31は、ガイド物体保持部33内に固定的に係止することができ、同様に、回転可能な保持形態も可能である。内側筐体3は、軸方向ガイド30の領域において、内側筐体3の隣接する領域からブレードリング5の方に突き出た突起34を有する。ここに図示したガイド物体31は、組み立てた状態で下に有る内側筐体半分体21上に配置されている。それに対応して、軸方向スリット32も、組み立てた状態で下に有るブレードリング半分体17上に形成されている。この場合、ここで詳しく説明した軸方向ガイド30は、フランジ18,19の間の中央か、垂直支持部24の間の中央に有る。ここでは、単一の軸方向ガイドだけを図示しているが、基本的に、そのような軸方向ガイド30を、円周方向に分散した形で複数配置することができる。
【0028】
そのため、ブレードリング5は、両方の垂直支持部24が、重力及び回転モーメント全部を受け止めて、それにより水平平面内における相対的な動きを許容する形態と、固定部6が、軸方向の力全部を受け止める形態と、軸方向ガイド30が、回転モーメントを受け止めて、それにより軸方向の垂直平面内での相対的な動きを許容する形態と、固定部6、垂直支持部24及び軸方向ガイド30を除いて、ブレードリング5を、内側筐体3内に接触させないで配置する形態の中の一つ以上の形態で、内側筐体3内に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明による蒸気タービンの部分的な斜視図
【図2】図1の蒸気タービンの平面図
【図3】図2のIII の部分の拡大図
【図4】図2と図3の断面線IV-IV での横断面図
【図5】図4のVの部分の拡大図
【図6】図2の断面線VI-VI での縦断面図
【図7】図6のVII の部分の拡大図
【図8】図7の断面線VIII-VIII での横断面図
【符号の説明】
【0030】
1 蒸気タービン
2 外側筐体
3 内側筐体
4 案内翼収容部/案内翼の列
5 ブレードリング
6 軸方向固定部
7 カラー部
8 支持面/密閉面
9 リング状スロット
10 フロー/タービン
11 流入空間
12 流出空間
13 圧力タップ空間
14 抽気パイプ
15 抽気ギャップ
16,17 ブレードリング半分体
18,19 フランジ
20 ボルト
21 内側筐体半分体
22 外側筐体半分体
23 半径方向の遊び
24 垂直支持部
25 支持体
26 支持ステップ
27 スライド板
28 ガイドステップ
29 スライド板
30 軸方向ガイド
31 ガイド物体
32 軸方向スロット
33 ガイド物体保持部
34 突起
III 部分
IV-IV 断面線
V 部分
VI-VI 断面線
VII 部分
VIII−VIII 断面線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側筐体(2)と、
外側筐体(2)内に配置された内側筐体(3)と、
複数の案内翼の列(4)と、
を備えており、その場合に、少なくとも一つのブレードリング(5)が配備されており、このブレードリングは、内側筐体(3)内に配置されており、このブレードリング上には、案内翼の列(4)の中の少なくとも幾つかが配置されている、
蒸気タービン、特に、発電所設備用の蒸気タービン。
【請求項2】
ブレードリング(5)が、軸方向固定部(6)において、内側筐体(3)上で軸方向に対して固定されており、それ以外の部分では、内側筐体(3)に対して相対的に軸方向に自由に動けることと、
ブレードリング(5)が、半径方向の遊び(23)を持つ形で内側筐体(3)内に配置されていることと、
軸方向固定部(6)が、半径方向に突き出た、リング状に周囲を取り巻くカラー部(7)の形で形成されており、このカラー部が、支持面(8)上で軸方向に対して支持されていることと、
カラー部(7)が、ブレードリング(5)から突き出ていることと、
支持面(8)が、内側筐体(3)上に形成されていることと、
支持面(8)が、リング状ステップ又はリング状スリット(9)の形で形成されていることと、
軸方向固定部(6)が、更に、ブレードリング(5)の迂回フローを防止する、或いは困難にする密閉部として構成されていること、
の中の一つ以上を特徴とする請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項3】
ブレードリング(5)上には、案内翼の列(4)の中の幾つかが配置される一方、それ以外の案内翼の列(4)が、内側筐体(3)上に配置されていることと、
蒸気タービン(1)の第一の案内翼の列(4)が、ブレードリング(5)上に配置されていることと、
蒸気タービン(1)の最後の案内翼の列(5)が、内側筐体(3)上に配置されていること、
の中の一つ以上を特徴とする請求項1又は2に記載の蒸気タービン。
【請求項4】
蒸気タービン(1)が、蒸気の入口と蒸気の出口の間に、圧力タップ空間(13)を有し、この空間が、蒸気タービン(1)の抽気を排出可能な少なくとも一つの抽気パイプ(14)と接続していることと、
圧力タップ空間(13)が、二つの案内翼の列(4)の間に配置された抽気ギャップ(15)と繋がっていることと、
抽気ギャップ(15)の上流に隣接する案内翼の列(4)が、ブレードリング(5)の最後の案内翼の列(4)であることと、
抽気ギャップ(15)の下流に隣接する案内翼の列(4)が、内側筐体(3)上に配置されていること、
の中の一つ以上を特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の蒸気タービン。
【請求項5】
蒸気タービン(1)が、単流式蒸気タービン(1)として構成されているか、
蒸気タービン(1)が、複流式蒸気タービン(1)として構成されており、少なくとも一方のフロー(10)が、当該のブレードリング(5)を備えているか
を特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の蒸気タービン。
【請求項6】
ブレードリング(5)が、軸方向の中心平面に沿って重ね合う形で固定された二つのブレードリング半分体(16,17)から構成されていることと、
ブレードリング半分体(16,17)が、外側に有る側方フランジ(18,19)によって、互いにボルト締めされていることと、
内側筐体(3)が、軸方向の中心平面に沿って重ね合う形で固定された二つの内側筐体半分体(21)から構成されていることと、
内側筐体半分体(21)が、外側に有る側方フランジによって、互いにボルト締めされていること、
の中の一つ以上を特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の蒸気タービン。
【請求項7】
ブレードリング(5)が、少なくとも一つの垂直支持部(24)により、内側筐体(3)上で支持されていることと、
垂直支持部(24)が、ブレードリング(5)から半径方向に突き出た支持体(25)を有し、この支持体が、内側筐体(3)の支持ステップ(26)上で支持されていることと、
支持体(25)が、ブレードリング(5)の外側に有る側方フランジ(19)上に形成されていることと、
支持体(25)が、スライド板(27)を介して、支持ステップ(26)上に置かれていることと、
支持体(25)が、組み立てられた状態で下に有るブレードリング半分体(17)上に形成されていることと、
支持ステップ(26)が、組み立てられた状態で下に有る内側筐体半分体(21)上に形成されていることと、
支持体(25)が、支持ステップ(26)と対向して、内側筐体(3)のガイドステップ(28)上で支持されていることと、
支持体(25)が、スライド板(29)を介して、ガイドステップ(28)上に置かれていることと、
ガイドステップ(28)が、組み立てられた状態で上に有る内側筐体半分体(21)上に形成されていることと、
支持体(25)と支持ステップ(26)の間か、支持体(25)とスライド板(27)の間か、スライド板(27)と支持ステップ(26)の間か、支持体(25)とガイドステップ(28)の間か、支持体(25)とスライド板(29)の間か、ガイドステップ(28)とスライド板(29)の間に形成される接触ゾーンが、軸方向に直線的に延びること、
の中の一つ以上を特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の蒸気タービン。
【請求項8】
ブレードリング(5)が、少なくとも一つの軸方向ガイド(30)により、内側筐体(3)上で円周方向に対して支持されていることと、
軸方向ガイド(30)が、ブレードリング(5)を、内側筐体(3)上で円周方向に対して固定していることと、
軸方向ガイド(30)が、ブレードリング(5)と内側筐体(3)の間において、軸方向と半径方向の両方又は一方に対する相対的な動きを許容されていることと、
軸方向ガイド(30)が、ガイド物体(31)を有し、このガイド物体は、内側筐体(3)上に配置されており、ブレードリング(5)上に形成された軸方向スロット(32)に嵌合していることと、
ガイド物体(31)は、内側筐体(3)に関して、別個の構成部分であり、内側筐体(3)上に形成されたガイド物体保持部(33)に嵌め込まれていることと、
ガイド物体(31)が、組み立てられた状態で下に有る内側筐体半分体(3)上に配置されていることと、
軸方向スロット(32)が、組み立てられた状態で下に有るブレードリング半分体(17)上の中央に形成されていること、
の中の一つ以上を特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の蒸気タービン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−348941(P2006−348941A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164933(P2006−164933)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(503416353)アルストム テクノロジー リミテッド (394)
【氏名又は名称原語表記】ALSTOM Technology Ltd
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 7, CH−5401 Baden, Switzerland