説明

蒸気監視装置及びボイラシステム

【課題】 ボイラシステムからの蒸気の質を連続的に監視するとともに、この蒸気の質の悪化に対応して直ちに対策を取らせることができる蒸気監視装置を提供する。
【解決手段】 複数の小型貫流ボイラを備えたボイラシステムであって、連続的に採取される蒸気S1を冷却して凝縮水Gを作り、この凝縮水の水質を計測する計測手段30と、計測手段にて計測された凝縮水の水質値が、予め定めた基準を充たしているか否かを判定する判定手段43と、凝縮水の水質値が基準を充たさない場合の原因と、この原因を取り除くための対策とを記憶した原因対策記憶手段42と、ボイラシステムからの機器の運転情報を記憶する運転情報記憶手段41と、判定手段が凝縮水の水質値が基準を充たしていないと判定した場合に、運転情報記憶手段中の運転情報に基づき、原因対策記憶手段中の原因と対策とを特定し、この原因と対策とを作業者に提示させる原因対策提示手段42とを有す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の小型貫流ボイラを備えたボイラシステムから発生する蒸気の質を調べて、この蒸気質が悪化しないように監視・制御する蒸気監視装置と、かかる蒸気監視装置を備えたボイラシステムとに関するものである。
【0002】
複数の小型貫流ボイラを備えたボイラシステムから発生する蒸気中の不純物濃度は、ボイラ給水中に含まれる物質の濃度、これらの物質のボイラ缶水中の濃度、これらの物質の熱反応生成物のボイラ缶水中の濃度、各ボイラの運転状態(例えば、発生蒸気量、缶内圧力、燃焼量、缶内水位の高低)、蒸気負荷の変動などにより決定される。このため、かかるボイラシステムから発生する蒸気中の不純物濃度、すなわち、蒸気の質は、このボイラシステムの運転状態にしたがって、刻一刻と変化する。
【0003】
一方、このようなボイラシステムでは、ボイラならびに付帯設備の腐食を防止するとともに、蒸気中の不純物濃度が許容範囲を超えないように、運転上種々の対策がとられている。すなわち、例えば、ボイラ給水並びにボイラ缶水を定期的に採取・分析し、これらの中の不純物濃度を基準値内に収めるべく、所定の対策(例えば、ボイラ給水への薬品注入濃度の変更、濃縮ブロー率の変更)を行ったり、蒸気負荷の変動に対してバーナの燃焼量を充分に追従させるために、ボイラ毎の燃焼制御及びボイラの台数制御の特性を調整するといった対策が取られている。
【0004】
また、ボイラからの蒸気を凝縮させて、この凝縮水の水質を測定する蒸気監視装置(例えば、特許文献1参照)を備え、この蒸気監視装置を用いてオンラインで蒸気質を監視することもなされている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−93128号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ボイラ缶水などの定期的(例えば1日に一回)な分析結果に基づいて、蒸気質等に対する対策を講じるという従来のやり方は、炉筒煙管ボイラなどのように蒸発量に対する保有水量が多く、缶水の水質変動が数時間以上かかるボイラならばよいが、保有水量が少なく数十分で缶水の水質が変動する小型貫流ボイラには必ずしも適しているとは言えない。すなわち、小型貫流ボイラの場合、従来のやり方では、分析と分析の間ではどのような缶水水質であったかは解らず、この間に充分な蒸気質等の対策を取ることができないからである。また、ボイラの台数制御等についても、必要な場合に的確な制御がなされているとは言えない。
【0007】
さらに、蒸気監視装置を備え、ボイラシステムからの蒸気の質を連続的に監視している場合であっても、蒸気中の不純物濃度が許容値を超えたことは解るが、測定値に対して定期的または随時に人手で対策が取られているにすぎず、ボイラシステムからの蒸気の質の悪化に即応して、復旧・改善の策が取られているとは言えない。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑み、ボイラシステムからの蒸気の質を連続的に監視するとともに、この蒸気の質の悪化に対応して直ちに、ボイラシステム側に蒸気の質を改善させるような対策を取らせることができる蒸気監視装置を提供することを目的とする。また、この発明は、発生した蒸気の質を連続的に監視するとともに、この蒸気の質の悪化に対応して直ちに、この蒸気の質を改善させるような対策を取ることができるボイラシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明の請求項1記載の発明は、複数の小型貫流ボイラを備えたボイラシステムから発生する蒸気の質を調べて監視する蒸気監視装置であって、連続的に採取される前記蒸気を冷却して凝縮水を作り、この凝縮水の水質を計測する計測手段と、前記計測手段にて計測された前記凝縮水の水質値が、予め定めた基準を充たしているか否かを判定する判定手段と、前記凝縮水の水質が前記基準を充たしていない場合の原因と、この原因を取り除くための、前記ボイラシステムで取り得る対策とを記憶した原因対策記憶手段と、前記ボイラシステムから伝えられる機器の運転情報を記憶する運転情報記憶手段と、前記判定手段が、前記凝縮水の水質値が前記基準を充たしていないと判定した場合に、前記運転情報記憶手段の運転情報に基づいて、前記原因対策記憶手段に記載されたものから原因と対策を特定し、この原因と対策とを作業者に提示する原因対策提示手段とを有することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、ボイラシステムから発生された蒸気は、計測手段によって、その凝縮水の水質が連続的に計測され、この計測値に基づいて、判定手段が、その水質が所定の基準を充たしているか否かを判定する。そして、判定手段が凝縮水の水質値が基準を充たしていない(蒸気の質が悪化している)と判定した場合には、原因対策提示手段が、運転情報記憶手段中の運転情報に基づいて、原因対策記憶手段に記憶されたものから原因と対策とを特定し、この原因と対策とを作業者に提示させる。
【0011】
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、前記原因対策提示手段が特定した前記対策を、前記ボイラシステムの制御手段に伝達し、このボイラシステム内の機器の運転状態を変更させる情報伝達手段を有することを特徴とする。
【0012】
この発明の請求項3記載の発明は、複数の小型貫流ボイラを備えたボイラ装置と、このボイラ装置にボイラ給水用の処理水を供給する水処理装置と、前記ボイラ装置から発生する蒸気の質を調べて、この蒸気の質が大きく悪化しないように監視する蒸気監視装置とを有するボイラシステムであって、前記ボイラ装置と前記水処理装置とが、これらの装置内の機器の運転情報を前記蒸気監視装置に伝えるとともに、前記蒸気監視装置からの対策指令信号に従って、これらの装置内の機器の運転設定を変更する制御手段を有しており、前記蒸気監視装置が、連続的に採取される前記蒸気を冷却して凝縮水を作り、この凝縮水の水質を計測する計測手段と、前記計測手段にて計測された前記凝縮水の水質値が、予め定めた基準を充たしているか否かを判定する判定手段と、前記凝縮水の水質が前記基準を充たしていない場合の原因と、この原因を取り除くための、前記ボイラ装置及び水処理装置側で取り得る対策とを記憶した原因対策記憶手段と、前記ボイラ装置及び水処理装置から伝えられる機器の運転情報を記憶する運転情報記憶手段と、前記判定手段が、前記凝縮水の水質値が前記基準を充たしていないと判断した場合に、前記運転情報記憶手段中の運転情報に基づいて、前記原因対策記憶手段に記憶されたものから原因と対策を特定し、この原因と対策とを作業者に提示する原因対策提示手段と、前記原因対策提示手段が特定した対策を、前記対策指令信号として、前記ボイラ装置及び水処理装置の前記制御手段に伝達する情報伝達手段とを有していることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、蒸気の質が悪化している場合には、蒸気監視装置の原因対策記憶手段等を介して、蒸気の質を改善させる対策が、ボイラ装置や水処理装置の制御手段に伝達され、この制御手段によって、自動的に、ボイラ装置や水処理装置側において前記対策が実行される。
【発明の効果】
【0014】
この発明の請求項1記載の発明では、作業者は、刻一刻と移り変わるボイラシステムの運転状態に対応して、蒸気の質が基準より悪化すれば、原因対策提示手段が提示する蒸気の質を改善する対策を、直ちに行うことができるとともに、対策を行った後には、蒸気の質が改善していくことを容易に確認することができる。
【0015】
この発明の請求項2記載の発明によれば、原因対策提示手段が特定した対策が、情報伝達手段を介して、ボイラシステムの制御手段に伝達されるので、ボイラシステムの制御手段が、この対策を実施すれば、自動的に蒸気の質は改善される。従って、この場合には、蒸気の質の監視が連続的になされるだけではなく、必要な時には直ちに、蒸気の質の改善が図られることになり、蒸気の質の悪化を確実にかつ初期段階で抑えることができる。
【0016】
この発明の請求項3記載の発明によれば、蒸気の質の監視が連続的になされるだけでなく、必要な場合には直ちに、蒸気の質の改善を図る対策が自動的になされることとなり、蒸気の質の悪化を、確実にかつ初期段階で抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態の一例を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係るボイラシステムを示している。
【0018】
ボイラシステムAは、図1で示されるように、ボイラ装置1と、水処理装置2と、蒸気監視装置3から構成されている。
【0019】
ボイラ装置1は、たとえば3缶の小型貫流ボイラからなるボイラ10…と、蒸気圧力計11aを備えた蒸気ヘッダ11と、給水温度計12aを備えた給水タンク12と、給水タンク12から各ボイラ10にボイラ給水W1を供給する、給水ポンプ13a、給水流量計13b、配管13cからなるボイラ給水設備13と、各ボイラ10から蒸気ヘッダ11までの主蒸気配管15と、ボイラ給水W1に薬液を注入する薬注装置16と、ボイラ給水W1の水質(電気伝導率、TOC、溶存酸素濃度)を測定する水質測定装置17と、ボイラ10毎に設けられた、制御弁18a、配管18bからなる濃縮ブロー装置18と、給水タンク12内のボイラ給水W1を加熱する、制御弁19a、サイレンサ19b、配管19cからなる給水加熱設備19と、蒸気監視装置3にサンプリング蒸気S1を供給するサンプリング配管20と、蒸気の負荷に応じてボイラ10の燃焼台数を決定し、燃焼するボイラ10を指示する、制御手段としての集中制御盤21とを有している。
【0020】
ここで、薬注装置16は、清缶剤注入装置16aと、脱酸素剤注入装置16bと、中和性アミン注入装置16cとを有し、これらの装置16a…の運転/停止や、これらの装置16a…からの薬注量の増減が、制御手段である制御盤16dによってコントロールされている。濃縮ブロー装置18は、制御弁18aを開閉してボイラ缶水を間欠的にブローし、ボイラ缶水中の不純物を排出するものである。給水加熱設備19は、給水タンク12中に蒸気Sを吹き込んで、ボイラ給水W1の温度を上げるためのものである。
【0021】
水処理装置2は、ボイラ装置12に補給水を供給したり、ボイラ給水W1の脱酸素処理を行うものであり、図1で示されるように、軟水装置26と、純水装置27と、脱酸素装置28とから構成されている。軟水装置26は、2台の軟水器26a,26bを切り換えつつ、原水を軟化処理した軟水W3を給水タンク12に供給するものであり、硬度リーク検知器26c、制御弁26d、制御盤26eを有している。制御盤26eは、軟水器26a,26bの切り換え等の軟水装置26全体のコントロールを行う制御手段である。純水装置27は、原水を純水処理した純水W4を給水タンク12に供給するものであり、制御弁27aを有している。脱酸素装置28は、窒素ガスを用いて、給水タンク12中のボイラ給水W1の溶存酸素を除去する窒素置換式の脱酸素装置である。
【0022】
給水タンク12には、軟水装置26を用いて軟化した軟水W3と、純水装置27を用いて生成した純水W4と、プロセスから戻ってくる回収復水W2とが供給される。これらの通水制御は、制御弁26d,27aを用いて、軟水装置26の制御盤26eが行う。回収復水W2は成り行きで戻ってくるので、給水タンク12の水位が低くなると、軟水W3と純水W4が、蒸気監視装置3により与えられた混合比率で補給される。なお、蒸気監視装置3は、信号線26gを用いて、給水タンク12の水位制御や軟水装置26の運転制御に関する情報を制御盤26eに伝達する。
【0023】
給水タンク12内のボイラ給水W1は、温度の異なる、回収復水W2と、軟水W3と、純水W4とが集められたものであり、その温度は、成り行きで大きく変動する。そこで、このボイラ給水W1は、温度計12aにて、その温度が測定され、予め設定された温度になるように、蒸気ヘッダ11の蒸気Sを用いて給水加温設備19にて加温される。
【0024】
それぞれの機器は、図1で示されるように、動作状態を出力する機構(制御手段)を有している。濃縮ブロー装置18を含めた各ボイラ10の動作状態と、薬注装置16の動作状態と、水質制御装置17の出力と、蒸気圧力計11aで計測した蒸気ヘッダ11の圧力と、温度計12aで計測したボイラ給水W1の温度は、信号線22にて集中制御盤21に集められ、信号線24にて蒸気管理装置3へ伝達される。また、給水タンク12の水位制御の動作状態及び軟水装置26の動作状態は、信号線26fにて蒸気監視装置3へ伝達され、脱酸素装置28の動作状態は、信号線28aにて蒸気監視装置3へ伝達される。
【0025】
ボイラ10は、例えば、換算蒸発量2.5t/hの小型貫流ボイラであり、高燃焼(100%燃焼)、低燃焼(50%燃焼)、燃焼停止の段階的燃焼をおこなう3位置制御を持っている。集中制御盤21は、蒸気ヘッダ11に設けられた蒸気圧力計11aの値と、目標として設定された蒸気圧力の値の偏差に応じて、燃焼を行うボイラ10と停止させるボイラ10の台数を算出し、予め定められた燃焼の優先順に従い、各ボイラ10それぞれに、信号線23を用いて、燃焼の開始(バーナ着火)又は停止、あるいは高燃焼又は低燃焼の運転状態を指示する。また、集中制御盤21は、信号線23を用いて、薬注装置16や濃縮ブロー装置18をコントロールするとともに、給水タンク12の温度をコントロールする。
【0026】
つぎに、蒸気質制御に関する蒸気監視装置3の一実施の形態を説明する。
蒸気監視装置3は、ボイラ装置1から発生する蒸気Sの質をオンラインで計測し、蒸気Sの質が予め定めた基準から逸脱した場合に、改善するための対策を実施させるものである。蒸気監視装置3は、図2で示されるように、計測手段である蒸気質計測部30と、蒸気質制御部40と、表示手段であるディスプレイ51と、警報手段である警報器52とから構成されている。なお、ディスプレイ51と警報器52とは、蒸気質制御部40の近傍だけではなく、常時作業者のいる場所に設置してもよく、この場合、蒸気質制御部40から通信回線を介して情報が送られる。
【0027】
蒸気質計測部30は、冷却水を用いた熱交換器31により、サンプリング蒸気S1を冷却して連続的に凝縮水Gを作り、この凝縮水Gの水質を、計測器32により連続的に計測するものである。計測器32の計測項目には、これらは蒸気Sの基準により異なるが、pH、電気伝導度(mS/m)、溶存酸素濃度(mg/L)、TOC(mg/L)等がある。
【0028】
蒸気質制御部40は、CPU(中央演算処理ユニット)や各種のメモリーを有し、データをプログラムに従って演算処理するコンピュータからなるものである。蒸気質制御部40は、ボイラ装置1や水処理装置2からの運転情報を記憶させた運転情報記憶手段41と、凝縮水Gの水質基準ならびに基準を逸脱した場合の、原因と対策等を記憶させた原因対策記憶手段42を有している。
【0029】
運転情報記憶手段41には、ボイラ装置1側の制御部(集中制御盤21)及び水処理装置2側の制御部(軟水装置26の制御盤26e、及び脱酸素装置28の制御部)から刻々と送られる運転情報信号Mに基づいて、ボイラ装置1と水処理装置2の最新の運転情報が記憶されている。
【0030】
原因対策記憶手段42は、図3で示されるように、凝縮水Gの水質値が基準を逸脱している場合に、生じている現象と、装置の運転状況に対応させて、この現象を生じさせる原因と、この原因をなくす対策とを記憶している。なお、図3で示されるものは、多数の小型貫流ボイラの運転実績から得られた代表的なものであり、すべてを網羅したものではない。また、原因対策記憶手段42に記憶された対策は、緊急の処置方法であり、根本的な対策ではないものもあるので、最終的な対策については、それぞれ充分に検討する必要がある。
【0031】
原因対策記憶手段42は、凝縮水GのpH値が基準より高いか、又は、凝縮水Gの電気伝導率値が基準より高い場合には、蒸気Sへの「缶水混入」の現象が生じていることを記憶するとともに、6つの装置の運転状況に対応させて、原因と対策(緊急処置方法)とを記憶している。
【0032】
第1原因A1は、省エネルギー運転を優先した場合等に生じる「蒸気負荷変動と台数制御パラメータのミスマッチ」であり、蒸気負荷に対してボイラ10の運転缶数が少なく(高燃焼運転しているボイラが多く)、かつ、バーナの着火回数(ボイラ10の運転回数)が設定値より多い場合である。これは、例えば、通常は、3缶のボイラ10…のうち1缶しか運転(高燃焼運転)されていないが、蒸気負荷の上昇によって、2缶目や3缶目のボイラ10が運転される(ボイラの運転当初は制御遅れによって蒸気圧力の変動が大きいため、2缶目だけでなく3缶目のボイラの運転も開始されやすい)ときに、ボイラ10のバーナ着火時(運転当初)に蒸気Sにボイラ缶水が混入しやすいことに起因して、発生した蒸気S中にボイラ缶水が混入する場合である。この場合の緊急処置方法としては、低燃焼缶数増加へ台数制御設定の変更を行えばよい。
【0033】
第2原因A2は、「圧力低下によるキャリオーバ」であり、蒸気負荷が小さい故にボイラ10の運転缶数割合が少なく、かつ、蒸気圧力が低下した場合である。例えば、通常は、3缶のボイラ10…のうち1缶しか運転(高燃焼運転)されていないが、蒸気負荷の上昇によって、2缶目のボイラ10が運転されるときに、2缶目のボイラ10のバーナ着火までの間に蒸気圧力が低下する。このため、この場合には、蒸気圧力の低下によって、ボイラ10の気水分離器に多量のボイラ缶水が同伴した蒸気Sが流入し、キャリオーバを生じさせる。この場合の緊急処置方法としては、全缶の予熱運転を開始させればよい。すなわち、停止ボイラ10を予熱運転(送気している蒸気圧力より僅かに低い圧力まで缶内圧力を上昇させる)させ、ボイラ10…全体の保有熱量を大きくして、一定時間(バーナを着火して、蒸気Sを発生させるまでの時間)、蒸気圧力の低下を防止すればよい。
【0034】
第3原因A3は、「軟水器の故障」であり、運転している一方の軟水器26aからの硬度リークが検知された場合である。この場合には、硬度リーク(軟水器の故障)によって、原水中の硬度成分がボイラ缶水中に導入され、ボイラ缶水の粘度の上昇等が生じるので、気水分離器に多量のボイラ缶水が同伴した蒸気Sが流入することとなり、蒸気S中にボイラ缶水が混入する。この場合の緊急処置方法としては、他方の軟水器26bが再生中でない場合、この軟水器26bへの切り換えを行えばよい。
【0035】
第4原因A4は、「過濃縮によるキャリオーバ」であり、ボイラ給水W1の電気伝導度が設定値より高い場合である。通常のブロー処理では対処できなくなるほど、ボイラ給水W1の電気伝導度が高くなると、ボイラ缶水の不純物濃度が上昇し(不純物が過濃縮され)、ボイラ缶水の粘度が上昇する。このため、この場合には、ボイラ缶水の粘度上昇によって、気水分離器に多量の缶水が同伴した蒸気Sが流入し、キャリオーバを生じさせる。この場合の緊急処置方法としては、ボイラ缶水の緊急ブローを行い、かつ、給水タンク12への補給水を純水W4に切り換えて、ボイラ給水W1注の不純物濃度を下げればよい。
【0036】
第5原因A5は、「入熱過大によるキャリオーバ」であり、ボイラ給水W1の温度が設計値より高く、かつ、高燃焼運転されているボイラ10の割合が多い場合である。すなわち、回収復水W2の増加や温度上昇等により、ボイラ給水W1の温度が設定値より高くなった状態で、ボイラ10が高燃焼運転されると、定格蒸発量を超えた(気水分離器の能力を超えた)量の蒸気が発生する。このため、この場合には、気水分離器での蒸気Sの分離が充分になされず、キャリオーバを生じさせる。この場合の緊急処置方法としては、給水タンク12に補給水を注入し、給水タンク12内のボイラ給水W1を設定温度以下に冷却してやればよい。なお、この場合、前提として、給水タンク12のオーバーフロー対策等が必要になる。
【0037】
第6原因A6は、「その他の原因による缶水混入」であり、第1から第5原因A1…以外の原因による場合である。缶水伝導度センサーや水位制御装置の異常、ボイラ給水W1中への有機物の混入など、想定されない状況によって、ボイラ缶水中の不純物濃度が上昇し、蒸気S中に缶水混入が生じる場合があるからである。この場合の緊急処置方法としては、ボイラ缶水の緊急ブローを行なえばよい。
【0038】
また、原因対策記憶手段42は、凝縮水GのpH値が基準より低い場合には、「炭酸による酸性化」や「給水不純物による酸性化」の現象が生じていることを記憶するとともに、これらの原因及び対策(緊急処置方法)として、以下の3つを記憶している。
【0039】
第1原因B1は、「Mアルカリ分解による二酸化炭素による酸性化」であり、ボイラ給水W1の電気伝導率が設定値より高い場合に生じる。軟化処理されたボイラ給水W1中のアニオン成分は大部分がCO32-であり、これがボイラ10中で二酸化炭素(CO2)となる。このため、この場合には、原水硬度の変動や回収復水W4の回収量の減少といった不測の事態により、ボイラ給水W1の電気伝導率が高くなった場合には、ボイラ10中で、多量の二酸化炭素が蒸気中に移動し、これが凝縮水G中で炭酸(H2CO3)となって酸性を示す。この場合の緊急処置方法としては、ボイラ給水W1中の硬度成分を減少させるために、給水タンク12への補給水を純水W4に切り換えるか、又は、薬注装置16を用いてボイラ給水W1中に中和性アミンを注入し、これによって凝縮水Gを中和させればよい。
【0040】
第2原因B2は、「給水中の有機物の熱分解生成物による酸性化」であり、ボイラ給水W1のTOC(全溶解炭素)値が設定値より高い場合に生じる。何らかの理由によりボイラ給水W1中のTOC値(有機物濃度)が上昇すると、この有機物が、ボイラ缶内で有機酸に変えられ、これが蒸気S側に移動して、凝縮水Gを酸性にするからである。ここで、ボイラ薬品もボイラ缶内で有機酸等の形をとる酸性物質に変えられ、これが蒸気S中に移動して凝縮水Gを酸性にする。したがって、この場合の緊急処置方法としては、とりあえず、ボイラ給水W1への薬品注入を停止すればよい。なお、ボイラ給水W1への薬品注入は必要であるので、直ちに、TOC値の上昇原因を調べ、根本的な対策を取る必要がある。
【0041】
第3原因B3は、「TOC以外の給水不純物による酸性化」であり、TOC以外の給水不純物によって、凝縮水Gの酸性化が生じている場合である。例えば、ボイラ給水W1中にイオン性の酸性物質が混入することにより、凝縮水Gが酸性を示す場合がある。この場合、緊急処置方法として、薬注装置16を用いてボイラ給水W1中に中和性アミンを注入し、凝縮水GのpHを上昇させる。
【0042】
さらに、原因対策記憶手段42は、凝縮水GのDO(溶存酸素)濃度が基準より高い場合には、「脱酸素不良」の現象を記憶し、その原因及び対策(緊急処置方法)として、以下の2つを記憶している。
【0043】
第1原因C1は、「給水中の溶存酸素濃度上昇による脱酸素能力低下」であり、ボイラ給水W1の温度が設定値より低い場合である。脱酸素装置28では、ボイラ給水W1の温度が設定値より低く、ボイラ給水W1中の溶存酸素濃度が高い場合には、脱酸素が充分にできないからである。この場合の緊急処置方法としては、ボイラ装置1の蒸気発生量に余裕がある場合には、給水加熱設備19を使用して、給水タンク12中のボイラ給水W1の温度を設定値以上に上げてやればよい。第2原因C2は、「脱酸素装置の停止」であり、脱酸素装置28が誤操作や故障によって停止している場合である。この場合の緊急処置方法としては、ボイラ給水W1中に薬注装置16から脱酸素剤を注入して、ボイラ給水W1中の溶存酸素を減少させればよい。
【0044】
また、蒸気質制御部40は、図2で示されるように、CPUの演算処理機能の一部をなす、判定手段43と、対策提示手段44と、情報伝達手段46とを有している。
【0045】
判定手段43は、蒸気質計測部30の計測器32から伝えられる、凝縮水Gの水質値が、基準を充たしているか否かを、予め記憶した基準(例えば、6.0≧pH≧4.0、5.0(mS/m)≧電気伝導度、0.5(mg/L)≧溶存酸素濃度)に従って判断する機能を有している。判定手段43は、凝縮水Gの水質値の内一つでも、基準を逸脱しているものがあれば、その旨を、対策提示手段44に伝達する。
【0046】
対策提示手段44は、凝縮水Gの水質が基準を逸脱しておれば、原因対策記憶手段42を参照して、それがどのような現象に基づいているかを特定する機能を有している。また、対策提示手段44は、運転情報記憶手段41に記憶された、ボイラ装置1や水処理装置2の運転状態と、原因対策記憶手段42に記憶された前記の現象に対する機器の運転状況とを比較して、その原因を特定する機能を有している。さらに、対策提示手段44は、原因対策記憶手段42を参照して、原因に対する対策を特定する機能を有している。そして、原因対策記憶手段42は、凝縮水Gの水質値、生じている現象、原因、及び対策を、情報伝達手段46に伝達する。
【0047】
情報伝達手段46は、対策提示手段44からの情報をディスプレイ51に表示させるとともに、対策提示手段44から伝えられる対策を、対策指令信号Nとして、ボイラ制御盤21や軟水装置26の制御盤26eに伝達する機能を有している。また、情報伝達手段46は、凝縮水Gの水質が基準を逸脱している場合に、警報信号を警報器52に伝達し、警報を発報させる機能を有している。なお、凝縮水Gの水質が基準を満たしている場合には、判定手段43から対策提示手段44にその旨が伝えられ、情報伝達手段46を介して、凝縮水Gの水質値のみがディスプレイ51に表示される。
【0048】
例えば、蒸気質制御部40の判定手段43が、蒸気質計測部30の計測器32で計測された凝縮水Gの水質のうち、電気電導度値とpH値とが基準値を超えていると判定した場合には、判定手段43は、その旨を、対策提示手段44に伝達する。このことにより、対策提示手段44は、原因対策記憶手段41を参照して、凝縮水Gの水質異常が、ボイラ缶水の蒸気Sへの混入現象、すなわち、「缶水混入」と判断する。また、対策提示手段44は、原因を推定するため、運転情報記憶手段41を参照して、異常が発生した前後のボイラ装置1や水処理装置2の運転状況を入手する。そして、対策提示手段44は、この運転状況を基に、原因対策記憶手段41を参照して、ボイラ缶水の蒸気Sへの混入現象がいかなる原因によるものかを特定するとともに、この原因を除去する対策を決定する。
【0049】
すなわち、単位時間当りのバーナの着火回数が基準の回数を越えており、かつ、負荷に対して運転しているボイラ10の数が少ないことが、運転情報記憶手段41を参照することで判明した場合は、原因は、「蒸気負荷変動と台数制御パラメータのミスマッチ」による「缶水混入」と判断され、「低燃焼缶数増加へ台数制御設定変更」という対策が決定される。そして、この対策が、情報伝達手段46を介して、ボイラ装置1の集中制御盤21に伝えられ、この集中制御盤21により、この対策に基づくボイラ装置1の運転変更が直ちに実施される。また、ディスプレイ51に、凝縮水Gの水質値、生じている現象、原因、及び対策が表示され、警報器52が、凝縮水Gの水質値が異常である旨の警報を発する。このため、作業者は、ボイラシステムAに生じている状態を直ちに把握できるとともに、その後のディスプレイ51の観察によって、凝縮水Gの異常に基づく現象(缶水混入現象)が解消されていくのを容易に認識できる。
【0050】
なお、対策によっては、効果が現れるまでの時間は異なる。対策の解除については、作業者が状況を判断して適時行ってもよいし、予め定めた経過時間後に、自動的に行ってもよい。
【0051】
図4は、10缶の小型貫流ボイラを有するボイラシステムで計測された、蒸気の凝縮水の電気伝導度とpHと溶存酸素濃度とに関する、ある時刻における運転データを示している。また、図5はこのボイラシステムにおけるボイラ給水W1とボイラ缶水の水質を示している。
【0052】
図4で示されるように、15時13分10秒に、蒸気の凝縮水につき、電気伝導度値とpH値とが基準(電気伝導度:5mS/m以下、pH:6以下)を逸脱しているので、蒸気に「缶水混入」があると判断される。また、これまで3台のボイラが高燃焼で運転されていたが、12分40秒から、新たに5台のボイラの着火が確認されたことから、負荷変動に追従できずに、多くのボイラに着火が発生したと考えられる。このような運転状態での、電気伝導度値及びpH値の上昇は、「缶水混入」の第1原因A1、すなわち、「蒸気負荷変動と台数制御パラメータのミスマッチ」に該当するので、緊急対策として、「低燃焼缶数増加へ台数制御設定変更」の指示を、集中制御盤21に行った。このことにより、5台のボイラが順次着火、送気を行ない、一時的には電気伝導度値とpH値とが上昇したが、不要なボイラの運転が停止され、低燃焼ボイラ4台と高燃焼ボイラ2台が燃焼を継続して、約1分経過後の15時14分5秒に、電気伝導度値とpH値は基準内に戻った。対策を取らなければ、電気伝導度の高い状態が維持されてしまうが、対策の結果、短時間でこのような状態から回復したことが確認された。
【0053】
以上のように、この蒸気監視装置3では、ボイラシステムAからの蒸気Sの質を、蒸気質計測部30により連続的に計測するとともに、この計測結果に基づいて、蒸気質制御部40により、蒸気Sの質の悪化を生じさせる現象と、原因と、対策とを調査し、これらをディスプレイ51に表示させているので、作業者は、刻一刻と移り変わるボイラシステムAの運転状況に対応して、蒸気Sの質が基準を満たさず悪化すれば、直ちに蒸気Sの質を改善させるような対策をとることができるとともに、対策を取った場合には、蒸気Sの質が向上していくのを容易に確認することができる。この場合、蒸気監視装置3は、蒸気Sの質が悪化した場合の対策を、ボイラ装置1や水処理装置2に伝えているので、ボイラ装置1や水処理装置2側においても、蒸気Sの質の改善を図る対策を容易に実行することができる。
【0054】
また、このボイラシステムAでは、蒸気Sの質が悪化した場合に、蒸気監視装置3から伝えられる対策に基づいて、ボイラ制御盤21や軟水装置26の制御盤26eを介して、ボイラ装置1や水処理装置2に蒸気Sの質の改善を図る対策を実行させているので、蒸気Sの質の悪化の更なる進行が、自動的かつ直ちに停止され、作業者が常時監視していなくても、蒸気Sの質の向上を図ることができる。
【0055】
ここで、蒸気監視装置3の蒸気質計測部30は、「缶水混入」、「炭酸による酸性化」、「給水有機物による酸性化」、「脱酸素不良」といった、蒸気Sの質を悪化させている4つの現象うち、少なくとも1つの現象が捉えられるように、凝縮水Gの水質を計測するものであってもよい。この場合、蒸気監視装置3の蒸気質制御部40やボイラ装置1や水処理装置2は、この現象に対処できるような機能を備えておればよい。また、蒸気監視装置3の蒸気質制御部40やボイラ装置1や水処理装置2は、各現象に対して複数設けられた原因及び対策のうち、少なくとも1つの原因及び対策に対処できるものであればよい。
【0056】
なお、このボイラシステムAでは、水処理装置2に、軟水装置26と純水装置27とを備えたが、両者とも備える必要はなく、一方だけあればよい。また、水処理装置2の脱酸素装置28は、なくてもよい。これらの場合、原因対策記憶手段42中に記憶される原因や対策も異なってくる。また、軟水装置26に制御盤26eを設けたが、これを設けず、信号のやりとりを、軟水装置26の各機器の制御手段と蒸気監視装置3とで行うようにしてもよい。この場合、制御弁26d,27aの開閉は、蒸気監視装置3からの信号を、制御弁26d,27aの制御手段に伝達することによって直接行われることとなる。さらに、給水加熱設備19の制御弁19aの開閉も、同様に、集中制御盤21からでなく、蒸気監視装置3から直接行うようにしてもよい。この場合、温度計12aからの温度信号は、蒸気監視装置3に伝達される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】この発明の一実施の形態に係るボイラシステムの流れ図である。
【図2】蒸気監視装置を説明するためのブロック図である。
【図3】蒸気の質が悪化した場合に、生じている現象と、装置の運転状況に対応させて、この現象を生じさせる原因と、この原因をなくす対策とをブロック状にして示す説明図である。
【図4】特定のボイラシステムで記録された、蒸気の質に関する具体的な運転データを示す図である。
【図5】図4のボイラシステムにおける、ボイラ給水やボイラ水の水質を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ボイラ装置
2 水処理装置
3 蒸気質監視装置
10 ボイラ(小型貫流ボイラ)
21 集中制御盤(制御手段)
26a 制御盤(制御手段)
30 蒸気質計測部(計測手段)
41 運転情報記憶手段
42 原因対策記憶手段
43 判定手段
44 対策提示手段
46 情報伝達手段
A ボイラシステム
G 凝縮水
S 蒸気
N 対策指令信号
W1 ボイラ給水
W3 軟水(処理水)
W4 純水(処理水)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の小型貫流ボイラを備えたボイラシステムから発生する蒸気の質を調べて、この蒸気の質を監視する蒸気監視装置であって、
連続的に採取される前記蒸気を冷却して凝縮水を作り、この凝縮水の水質を計測する計測手段と、
前記計測手段にて計測された前記凝縮水の水質が、予め定めた基準を充たしているか否かを判定する判定手段と、
前記凝縮水の水質が前記基準を充たさない場合の原因と、この原因を取り除くための、前記ボイラシステム側で取り得る対策とを記憶した原因対策記憶手段と、
前記ボイラシステムから伝えられる機器の運転状態を記憶する運転情報記憶手段と、
前記判定手段が、前記凝縮水の水質が前記基準を充たしていないと判定した場合に、前記運転情報記憶手段中の運転情報に基づいて、前記原因対策記憶手段に記憶されたものから原因と対策を特定し、この原因と対策を作業者に提示させる原因対策提示手段とを有することを特徴とする蒸気監視装置。
【請求項2】
前記原因対策提示手段が特定した前記対策を、前記ボイラシステムの制御手段に伝達し、このボイラシステム内の機器の運転状態を変更させる情報伝達手段を有することを特徴とする請求項1記載の蒸気監視装置。
【請求項3】
複数の小型貫流ボイラを備えたボイラ装置と、このボイラ装置にボイラ給水用の処理水を供給する水処理装置と、前記ボイラ装置から発生する蒸気の質を調べて、この蒸気の質を監視する蒸気監視装置とを有するボイラシステムであって、
前記ボイラ装置と前記水処理装置とが、これらの装置内の機器の運転情報を前記蒸気監視装置に伝えるとともに、前記蒸気監視装置からの対策司令信号に従って、これらの装置内の機器の運転操作を行う制御手段を有しており、
前記蒸気監視装置が、連続的に採取される前記蒸気を冷却して凝縮水を作り、この凝縮水の水質を計測する計測手段と、前記計測手段にて計測された前記凝縮水の水質が、予め定めた基準を充たしているか否かを判定する判定手段と、前記凝縮水の水質が前記基準を充たさない場合の原因と、この原因を取り除くための、前記ボイラ装置および水処理装置側で取り得る対策とを記憶した原因対策記憶手段と、前記ボイラ装置および水処理装置から伝えられる機器の運転情報を記憶する運転情報記憶手段と、前記判定手段が、前記凝縮水の水質が前記基準を充たしていないと判定した場合に、前記運転情報記憶手段中の運転情報に基づいて、前記原因対策記憶手段に記載されたものから原因と対策を特定し、この原因と対策を作業者に提示させる原因対策提示手段と、前記原因対策手段が特定した前記対策を、前記対策指令信号として、前記ボイラ装置および水処理装置の前記制御手段に伝達する情報伝達手段とを有していることを特徴とするボイラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−198032(P2009−198032A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−37850(P2008−37850)
【出願日】平成20年2月19日(2008.2.19)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)