説明

蓄電池搭載装置付き船舶

【課題】推進手段の電力供給源となる蓄電池が船内の搭載空間を占有しないようにする船舶構造を提供する。
【解決手段】船体20と、前記船体に取り付けられているモーター付き推進手段40と、前記推進手段の電力供給源となる蓄電池32を搭載するものであって、前記船体の外側に取り付けられている蓄電池搭載装置30と、を備えている蓄電池搭載装置付き船舶を提供する。前記蓄電池搭載装置は、1基のみでも、2基またはそれ以上を有しても良く、その取付け位置が船体のバランスを維持できれば良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池を動力源とする船舶に関し、特に、小型で、蓄電池を船外の搭載装置に搭載する蓄電池搭載装置付き船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
図1に示すように、蓄電池を動力源とする従来のモーターボート100は、複数の蓄電池11を船内に搭載している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなモーターボートは、船内に搭載されている複数の蓄電池の膨大な体積によって、積載容積が大きく減少され、積載効率の面からみればあまり理想的ではない。
前記問題点に鑑みて、本発明は、蓄電池により、船内の搭載空間が占有されない船舶構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記目的を達成するため、本発明は、船体と、前記船体に取り付けられているモーター付き推進手段と、前記推進手段の電力供給源となる蓄電池を搭載するものであって、前記船体の外側に取り付けられている蓄電池搭載装置と、を備えている蓄電池搭載装置付き船舶を提供する。
【0005】
前記蓄電池搭載装置は、1基のみでも、2基またはそれ以上を有しても良く、その取付け位置が船体のバランスを維持できれば良い。
【0006】
そして、本発明の蓄電池搭載装置付き船舶の実施形態として、前記蓄電池搭載装置は、前記蓄電池を少なくとも一つ搭載することができるものが挙げられる。
【0007】
また、前記船体は、前記蓄電池搭載装置をその左右両側にそれぞれ少なくとも1基取り付けられるように構成されているものも挙げられる。
【0008】
前記船体の左右両側には、それぞれ複数の第一取付部が形成されており、前記蓄電池搭載装置は、前記船体における前記いずれかの第一取付部に取り付けられる第二取付部を有する上、該第二取付部の前記第一取付部に対する取付けによって前記船体の左右両側にそれぞれ複数取り付けられているものも挙げられる。
【0009】
前記蓄電池搭載装置は、前記船体の左右両側にそれぞれ複数取り付けられており、該左右両側に取り付けられている複数の蓄電池搭載装置が、左右両側で前後一列に並んでいる上、各装置間においての凹凸係止構造により互いに繋がっているものも挙げられる。
【0010】
なお、本発明の蓄電池搭載装置付き船舶は、通用の蓄電池を使用できるので、蓄電池をつけて出荷しても良く、つけずに出荷しても良い。
【発明の効果】
【0011】
前記構成による本発明の蓄電池搭載装置付き船舶は、使用中、蓄電池が船外に搭載されているので、船内の搭載空間が蓄電池に占有されることなく、容積を従来の蓄電池搭載装置付き船舶より効率的に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】従来の蓄電池付き船舶の例であるモーターボートの斜視図である。
【図2】本発明の蓄電池搭載装置付き船舶の実施例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図2を参照しながら、蓄電池を動力源とするモーターボートを本発明の蓄電池搭載装置付き船舶の実施例として挙げて説明する。
[実施例]
図2に示すように、本実施例のモーターボートは、船体20と、蓄電池搭載装置30と、モーター付き推進手段40とからなっている。
【0014】
図示のように、船体20の外側に複数の蓄電池搭載装置30が取り付けられている。
この実施例における複数の蓄電池搭載装置30は、いずれも、モーター付き推進手段40の電力供給源となる通用の蓄電池32を一つ内蔵することができる密閉空間31を有するケース体であって、船体20の左右両側の一側に、他の蓄電池搭載装置30と連なって並んでいる。
また、図示のように、船体20の左右両側には、それぞれ複数の第一取付部が形成されている。蓄電池搭載装置30は、船体20におけるいずれかの第一取付部21に取り付けられる第二取付部33を有する。
【0015】
そして、この実施例における各蓄電池搭載装置30の、船体20に対する取付けは、船体20の両側にそれぞれ形成されている一列の、第一取付部21としての係止槽の一つと、蓄電池搭載装置30自体のケース体側面に係止槽21と対応するように形成されている、第二取付部33としてのフックとの間を係止することによって行われる。
【0016】
また、この実施例における蓄電池搭載装置30の取付け位置は、いずれも船体20の最高喫水線(図示せず)より低くなっているので、航行の際に蓄電池搭載装置30にかかる浮力を利用するとこで、蓄電池32の全部または少なくとも一部の重量を相殺することができる。
【0017】
さらに、図示のように、複数の蓄電池搭載装置30は、いずれも船体20の左右両側に前後一列に並んでいる上、各装置間において凹凸係止構造34により互いに繋がっている。
更に詳細に説明すると、この凹凸係止構造34における凸係止構造は、蓄電池搭載装置30のケース体の先端面35に突起した係止ピン341であり、凹係止構造は、蓄電池搭載装置30のケース体の後端面36に窪んだ係止穴342である。この係止ピン341と係止穴342は、それらを繋ぐことにより、各凹凸係止構造34の前後二基の蓄電池搭載装置30にそれぞれ連結された蓄電池32も電気的に繋ぐことができるように構成されている。
【0018】
上記構成により、本実施例の蓄電池搭載装置(30)付きモーターボートは、その蓄電池搭載装置30及び蓄電池32を自由に追加することができるので、航行距離によって調整することができ、また、蓄電池搭載装置30に通用の蓄電池を入れて使用することができるので、蓄電池をつけずに出荷しても、つけて出荷しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0019】
上述したように、本発明の蓄電池搭載装置付き船舶は、容積を効率的に使用できるので、産業上の利用性が大きく高まる。
また、本発明の蓄電池搭載装置付き船舶は、蓄電池が、浮力をもたらすことができる蓄電池搭載装置に搭載されているので、その自重が蓄電池搭載装置にかかる浮力と相殺され、船舶の重量負担が小さくなる。
【符号の説明】
【0020】
20…船体、21…第一取付部(係止槽)、30…蓄電池搭載装置、31…密閉空間、32…蓄電池、33…第二取付部(フック)、34…凹凸係止構造、341…係止ピン、342…係止穴、35…先端面、36…後端面、40…モーター付き推進手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船体と、
前記船体に取り付けられているモーター付き推進手段と、
前記推進手段の電力供給源となる蓄電池を搭載するものであって、前記船体の外側に取り付けられている蓄電池搭載装置と、
を備えていることを特徴とする蓄電池搭載装置付き船舶。
【請求項2】
前記蓄電池搭載装置は、蓄電池を少なくとも一つ搭載することができ、
また、前記船体は、前記蓄電池搭載装置をその左右両側にそれぞれ少なくとも1基取り付けられるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の蓄電池搭載装置付き船舶。
【請求項3】
前記船体の左右両側には、それぞれ複数の第一取付部が形成されており、
前記蓄電池搭載装置は、前記船体における前記いずれかの第一取付部に取り付けられる第二取付部を有する上、該第二取付部の前記第一取付部に対する取付けによって前記船体の左右両側にそれぞれ複数取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の蓄電池搭載装置付き船舶。
【請求項4】
前記船体における前記第一取付部は、係止槽であり、
前記各蓄電池搭載装置における前記第二取付部は、前記いずれの係止槽にも係止されることができるフックであることを特徴とする、請求項3に記載の蓄電池搭載装置付き船舶。
【請求項5】
前記蓄電池搭載装置は、前記船体の左右両側にそれぞれ複数取り付けられており、
該左右両側に取り付けられている複数の蓄電池搭載装置は、左右両側で前後一列に並んでいる上、各装置間において凹凸係止構造により互いに繋がっていることを特徴とする、請求項2に記載の電池搭載装置付き船舶。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−247821(P2010−247821A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−61769(P2010−61769)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(507123604)六逸科技股▲ふん▼有限公司 (7)
【出願人】(507123615)