説明

蓄電装置

【課題】簡素な構成でキャパシタを加圧可能とするとともに、キャパシタの放熱性を向上する。
【解決手段】電荷を蓄えることが可能な蓄電装置100であって、電荷を蓄える蓄電部と、蓄電部を収容する内容器2と、蓄電部に接続されて内容器2の外部に露出する一対の電極端子3とを有するキャパシタ1と、キャパシタ1を収容する収容室11が画成され、キャパシタ1の外周面のうち最も大きな面積に形成される平面部2aに臨んで開口部12が形成される外容器10と、外容器10に取り付けられ、開口部12を閉塞するとともに平面部2aに当接するサイドカバー20とを備え、サイドカバー20は、外容器10に取り付けられたときに平面部2aを押圧する押圧部21を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電荷を蓄えることが可能な蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と称する。)を用いた蓄電装置が使用されている。キャパシタは、充放電に伴い発熱するため、内部に熱が溜まらないように外部へ放熱する必要がある。特許文献1には、複数のキャパシタが薄手方向に積層され、その側面に放熱板が取り付けられた蓄電装置が開示されている。
【0003】
また、一般に、キャパシタを用いる際には、その性能を保つために適切な圧力で押圧しておく必要がある。特許文献2には、積層された複数のキャパシタと直列に空気ばねを設け、空気ばね内に空気を圧送してキャパシタを押圧する加圧機構を備える蓄電装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−57007号公報
【特許文献2】特開平3−203311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の蓄電装置では、積層されたキャパシタの側面から放熱するため、キャパシタの表面積に対して放熱に供される面積が小さく、放熱性を高くすることが困難であった。また、特許文献2の蓄電装置では、加圧機構が複雑であるため、小型軽量化が困難であった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成でキャパシタを押圧可能とするとともに、キャパシタの放熱性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電荷を蓄えることが可能な蓄電装置であって、電荷を蓄える蓄電部と、前記蓄電部を収容する内容器と、前記蓄電部に接続されて前記内容器の外部に露出する一対の電極端子と、を有する電気二重層キャパシタと、前記電気二重層キャパシタを収容する収容室が画成され、前記電気二重層キャパシタの外周面のうち最も大きな面積に形成される平面部に臨んで開口部が形成される外容器と、前記外容器に取り付けられ、前記開口部を閉塞するとともに前記平面部に当接するサイドカバーと、を備え、前記サイドカバーは、前記外容器に取り付けられたときに前記平面部を押圧する押圧部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、電気二重層キャパシタの外周面のうち最も大きな面積に形成される平面部に当接するサイドカバーを介して、電気二重層キャパシタの内部から外部へ放熱する。また、サイドカバーには、電気二重層キャパシタの平面部を押圧する押圧部が設けられるため、外容器にサイドカバーを取り付けるだけで電気二重層キャパシタを押圧することができる。したがって、簡素な構成で電気二重層キャパシタを押圧できるとともに、電気二重層キャパシタの放熱性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
【図2】(a)は、図1における断面図であり、(b)は、図1に示す蓄電装置の変形例に係る断面図である。
【図3】本発明の第一の実施の形態に係る蓄電装置のバスバーについて説明する斜視図である。
【図4】本発明の第一の実施の形態に係る蓄電装置の制御基板について説明する斜視図である。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係る蓄電装置の分解斜視図である。
【図6】本発明の第二の実施の形態に係る蓄電装置の斜視図である。
【図7】本発明の第三の実施の形態に係る蓄電装置のサイドカバーを外した状態を示す斜視図である。
【図8】図7における側面図である。
【図9】(a)は、図8におけるA−A断面図であり、(b)は、図8に示す蓄電装置の変形例に係るA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
(第一の実施の形態)
以下、図1から図4を参照して、本発明の第一の実施の形態に係る蓄電装置100について説明する。
【0012】
まず、図1及び図2を参照して、蓄電装置100の全体構成について説明する。
【0013】
蓄電装置100は、充放電可能に電荷を蓄えることが可能なものである。蓄電装置100は、図1に示すように、複数の電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と称する。)1と、キャパシタ1を収容する複数の収容室11が画成される外容器10と、外容器10の両側面に取り付けられるサイドカバー20と、外容器10の上面に取り付けられて内部に電極室31を画成する電極カバー30とを備える。
【0014】
キャパシタ1は、電荷を蓄える蓄電部(図示省略)と、蓄電部を収容する内容器2と、蓄電部に接続されて内容器2の外部に露出する一対の電極端子3とを有する。
【0015】
蓄電部は、複数の正極集電極と負極集電極とがセパレータを介して交互に積層されて形成される積層体である。正極集電極及び負極集電極は、アルミニウムの薄板である集電箔と、集電箔の表面に設けられる活性炭などの活物質とからなる。
【0016】
蓄電部は、電解液とともに内容器2内に収容される。キャパシタ1は、正極集電極と負極集電極との間に充填された電解液のイオンが電気二重層を構成し、電極端子3を介して充放電可能に電荷を蓄えるものである。
【0017】
内容器2は、金属層と樹脂層とを有するラミネートフィルムによって形成される。内容器2は、対向して一対設けられる矩形のラミネートフィルムの外周縁が互いに熱溶着されて形成される。ラミネートフィルムに代えて、樹脂などの非導電材料によって直方体形状に形成されるハードケースを内容器2として用いてもよい。また、アルミニウムのハードケースを内容器2として用いてもよい。この場合、アルミニウムのハードケースと電極端子3との間の絶縁処理を行う必要がある。
【0018】
電極端子3は、内容器2の同一の辺から引き出される一対の矩形の金属板である。一方の電極端子3は、蓄電部の正極集電極に接続され、他方の電極端子3は、蓄電部の負極集電極に接続される。電極端子3は、外容器10の上面を貫通し、電極カバー30内の電極室31に突出する。
【0019】
外容器10は、樹脂などの非導電材料によって直方体形状に形成される。外容器10は、その側面に開口部12が開口する複数の収容室11を有する。
【0020】
外容器10内には、複数のキャパシタ1が、平面部2aが面一となるように並べて設けられる。外容器10は、隣り合うキャパシタ1の間を仕切り各々のキャパシタ1が収容される収容室11を区画する仕切板15を有する。蓄電装置100では、外容器10は二つの仕切板15を有する。
【0021】
外容器10内には、図2(a)に示すように、複数のキャパシタ1が積層して収容される。外容器10は、キャパシタ1の積層方向における中央に形成されてキャパシタ1が二個ずつ収容される一対の収容室11を区画する仕切板16を更に有する。各々の収容室11には、複数のキャパシタ1が積層して収容される。本実施の形態では、各々の収容室11には、キャパシタ1が二個ずつ積層して収容される。
【0022】
以上のように、外容器10は、仕切板15と仕切板16とによって画成される六個の収容室11を有する。これらの収容室11は、仕切板15と仕切板16とによって区画されているため、万が一、ひとつの収容室11に収容されたキャパシタ1から液漏れが発生しても、漏出した電解液が他の収容室11に流出することを防止できる。
【0023】
なお、一つの収容室11に一個のキャパシタ1が収容されるように構成してもよい。また、一つの収容室11内に積層されるキャパシタ1の数は、二個に限られるものではないが、キャパシタ1の放熱性を考慮すると、最大でも三個までであることが望ましい。
【0024】
収容室11は、キャパシタ1の内容器2の外周面のうち最も大きな面積に形成される平面部2aに臨んで開口する開口部12を有する。キャパシタ1の平面部2aは、内容器2がラミネートフィルムの場合には、対向する一対の平面であり、内容器2がハードケースの場合には、対向する三組の面のうち最も大きな面積に形成される一対の平面である。
【0025】
開口部12は、外容器10における対向する一対の面に各々形成される。本実施の形態では、開口部12は、収容室11に対応して、外容器10の両側面に三個ずつ形成される。
【0026】
サイドカバー20は、外容器10の側面と略同一の大きさの板状に形状される矩形の金属板である。サイドカバー20は、複数のビス25が締結されることによって外容器10に固定される。複数のビス25に代えて、サイドカバー20を接着剤によって外容器10に固定してもよい。サイドカバー20と外容器10の側面との間は、シール剤などによってシールされる。
【0027】
サイドカバー20は、外容器10に取り付けられたときにキャパシタ1の平面部2aを押圧する押圧部21を有する。サイドカバー20には、例えば、プレス加工によって押圧部21が形成される。
【0028】
サイドカバー20は、外容器10に取り付けられ、開口部12を閉塞する。サイドカバー20は、外容器10の対向する一対の面に各々取り付けられる。サイドカバー20が取り付けられると、収容室11が閉塞される。これにより、収容室11に外部からの異物が侵入してキャパシタ1の電極端子3などに付着することが防止される。したがって、蓄電装置100の信頼性及び安全性を向上できる。
【0029】
また、万が一、収容室11に収容されたキャパシタ1から液漏れが発生しても、漏出した電解液が外容器10の外部に流出することを防止できる。
【0030】
サイドカバー20は、熱伝導率の高い金属で形成される。サイドカバー20は、キャパシタ1の外周面のうち最も面積の大きな平面部2aと当接するため、キャパシタ1の外周面のうち放熱に供される面積を大きくできる。したがって、キャパシタ1の放熱性を向上することができる。
【0031】
押圧部21は、各々の開口部12に臨むキャパシタ1の平面部2aに当接する。押圧部21は、サイドカバー20の一部が突出して形成される突出部である。押圧部21は、図2に示すように、キャパシタ1の平面部2aに向けて突出して形成される。
【0032】
これにより、外容器10にサイドカバー20を取り付けるだけで、キャパシタ1を押圧することができる。したがって、簡素な構成でキャパシタ1を加圧して、キャパシタ1の性能を保つことができる。
【0033】
また、サイドカバー20は金属板であるため、押圧部21は、突出方向に弾性を有する。よって、キャパシタ1が充放電に伴って膨縮しても、膨縮に伴う寸法の変化を吸収することができる。
【0034】
なお、図2(b)に示すように、収容室11を、開口部12が外容器10の単一の面にのみ開口するように形成してもよい。収容室11は、開口部12が開口する凹状に形成される。収容室11には、複数の電気二重層キャパシタ1が積層して収容される。この場合、サイドカバー20は、外容器10の単一の面に取り付けられ、開口部12に臨む電気二重層キャパシタ1の平面部2aに当接することとなる。
【0035】
次に、図3及び図4を参照して、バスバー32及び制御基板33について説明する。
【0036】
蓄電装置100は、電極端子3を連結して複数のキャパシタ1を直列又は並列に接続するバスバー32と、複数のキャパシタ1間の電圧が一定となるように制御する制御基板33とを備える。
【0037】
バスバー32は、図3に示すように、同じ収容室11に収容される一対のキャパシタ1の電極端子3どうしを並列に接続し、隣り合うキャパシタ1の電極端子3どうしを直列に接続する金属材である。バスバー32は、電極端子3と溶接されて連結される。溶接に代えて、バスバー32と電極端子3とを、ボルトとナットとによって締結してもよい。
【0038】
蓄電装置100は、十二個のキャパシタ1がバスバー32によって二並列六直列に接続されてなるものである。この他にも、バスバー32の形状を変更して連結される電極端子3の組み合わせを変更することで、所望の並列数及び直列数とすることが可能である。
【0039】
バスバー32の一対の端部32aは、外部電極端子40に各々連結される。具体的には、バスバー32の一方の端部32aが外部正極端子40aに連結され、他方の端部32bが外部負極端子40bに連結される。これにより、蓄電装置100の外部には、外部電極端子40のみが露出することとなる。
【0040】
制御基板33は、図4に示すように、バスバー32の上部に取り付けられる矩形の電子基板である。制御基板33は、キャパシタ1の過充電を防止し、それぞれのキャパシタ1間の電圧を均等化するための電子回路を有する。
【0041】
バスバー32と制御基板33とは、図1に示すように、電極カバー30によって覆われて電極室31に収容される。電極カバー30と外容器10の上面との間は、シール剤などによってシールされる。これにより、外部からの異物が侵入してバスバー32や制御基板33に付着することが防止される。したがって、蓄電装置100の信頼性及び安全性を向上できる。
【0042】
以上の第一の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0043】
キャパシタ1の外周面のうち最も大きな面積に形成される平面部2aに当接するサイドカバー20を介して、キャパシタ1の内部から外部へ放熱する。また、サイドカバー20には、キャパシタ1の平面部2aを押圧する押圧部21が設けられるため、外容器10にサイドカバー20を取り付けるだけでキャパシタ1を押圧することができる。したがって、簡素な構成でキャパシタ1を加圧できるとともに、キャパシタ1の放熱性を向上することができる。
【0044】
また、キャパシタ1を収容する収容室11は、外容器10とサイドカバー20とによって閉塞され、バスバー32と制御基板33とが収容される電極室31は、電極カバー30によって閉塞される。このように、蓄電装置100の内部は、外容器10とサイドカバー20と電極カバー30とによって密閉される。したがって、蓄電装置100内に外部からの異物が侵入することを防止できるため、蓄電装置100の信頼性を向上できる。
【0045】
(第二の実施の形態)
以下、図5及び図6を参照して、本発明の第二の実施の形態に係る蓄電装置200について説明する。なお、以下に示す各実施の形態では、前述した実施の形態と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0046】
蓄電装置200は、サイドカバー220が、別体に形成される平板部221と伝熱シート222とを有する点で、前述した実施の形態とは相違する。
【0047】
サイドカバー220は、図5に示すように、平板状に形成される平板部221と、平板部221とキャパシタ1の平面部2aとの間に設けられる伝熱シート222と、平板部221と外容器10との間をシールするシール材223とを有する。
【0048】
平板部221は、外容器10の側面と略同一の大きさに形成される矩形の板材である。平板部221は、熱伝導率の高い材料であればよいため、樹脂でも金属でもよい。平板部221は、外容器10の対向する一対の面に各々取り付けられる。平板部221が取り付けられると、収容室11の開口部12が閉塞される。れにより、収容室11に外部からの異物が侵入してキャパシタ1の電極端子3などに付着することが防止される。したがって、蓄電装置200の信頼性を向上できる。
【0049】
伝熱シート222は、弾性を有するシート材である。伝熱シート222は、熱伝導率の高い材料によって形成される。伝熱シート222は、キャパシタ1の平面部2aと略同一の大きさに形成され、平面部2aに当接する。伝熱シート222は、一つの収容室11に一枚ずつ設けられる。
【0050】
伝熱シート222の厚さは、収容室11の奥行きが、積層されるキャパシタ1の厚さとの合計の厚さと比較して小さくなるように形成される。収容室11は、仕切板16を挟んで両側に形成されるため、外容器10の全体の厚さは、積層されるキャパシタ1と伝熱シート222と仕切板16とを合わせた厚さと比較して小さく形成される。
【0051】
これにより、伝熱シート222は、平板部221が外容器10に取り付けられるときに、キャパシタ1の積層方向に圧縮される。即ち、蓄電装置200では、伝熱シート222が押圧部を構成することとなる。
【0052】
これにより、外容器10にサイドカバー220を取り付けるだけで、キャパシタ1を押圧することができる。したがって、簡素な構成でキャパシタ1を加圧して、キャパシタ1の性能を保つことができる。また、伝熱シート222は弾性を有するため、キャパシタ1が充放電に伴って膨縮しても、膨縮に伴う寸法の変化を吸収することができる。
【0053】
シール材223は、平板部221の外周縁に沿って形成される。また、シール材223は、外容器10の収容室11の外側の外周縁に沿って形成される。シール材223は、図6に示すように、平板部221が外容器10に取り付けられると、外容器10の側面と平板部221との間に圧縮されて固定される。
【0054】
このように、外容器10の側面と平板部221との間にシール材223が設けられることで、外容器10の収容室11が閉塞される。これにより、収容室11に外部からの異物が侵入してキャパシタ1の電極端子3などに付着することが防止される。したがって、蓄電装置100の信頼性及び安全性を向上できる。
【0055】
また、万が一、収容室11に収容されたキャパシタ1から液漏れが発生しても、漏出した電解液が外容器10の外部に流出することを防止できる。
【0056】
以上の第二の実施の形態によれば、第一の実施の形態と同様に、簡素な構成でキャパシタ1を加圧できるとともに、キャパシタ1の放熱性を向上することができる。また、蓄電装置200内に外部からの異物が侵入することを防止できるため、蓄電装置200の信頼性を向上できる。
【0057】
(第三の実施の形態)
以下、図7から図9を参照して、本発明の第三の実施の形態に係る蓄電装置300について説明する。
【0058】
蓄電装置300は、キャパシタ301をバスバー332に向けて押し付けてキャパシタ301の電極端子303とバスバー332とを接続する点で、前述した実施の形態とは相違する。
【0059】
キャパシタ301は、電荷を蓄える蓄電部(図示省略)と、蓄電部を収容する内容器302と、蓄電部に接続されて内容器302の外部に露出する一対の電極端子303とを有する。
【0060】
内容器302は、樹脂などの非導電材料によって直方体形状に形成されるハードケースである。
【0061】
電極端子303は、内容器302の同一の辺から引き出される一対の円柱状の金属部材である。一方の電極端子303は、蓄電部の正極集電極に接続され、他方の電極端子303は、蓄電部の負極集電極に接続される。電極端子303は、第一及び第二の実施の形態における電極端子3とは異なり、図8に示すように、外容器10の上面を貫通せずに収容室11内に収容される。
【0062】
バスバー332は、電極端子303を連結して複数のキャパシタ301を直列又は並列に接続するものである。バスバー332は、図7に示すように、同じ収容室11に収容される一対のキャパシタ301の電極端子303どうしを並列に接続し、隣り合うキャパシタ301の電極端子303どうしを直列に接続する金属材である。
【0063】
バスバー332は、制御基板33とともに、電極カバー30によって覆われて電極室31に収容される。これにより、外部からの異物が侵入してバスバー332や制御基板33に付着することが防止される。したがって、蓄電装置100の信頼性及び安全性を向上できる。
【0064】
バスバー332は、図8に示すように、外容器10の上面を貫通して収容室11内に突出する突出端子部332aを有する。突出端子部332aは、キャパシタ301の電極端子303と当接可能なように、円柱状に形成される。バスバー332は、外容器10の上面に突出端子部332aが貫通するように取り付けられるが、これに限らず、外容器10にバスバー332をインサート成形してもよい。
【0065】
蓄電装置300は、外容器10の内部とキャパシタ301との間に設けられてキャパシタ301を突出端子部332aに向けて付勢する付勢部材としての板ばね315を備える。
【0066】
板ばね315は、収容室11内に設けられ、キャパシタ301の内容器302の下面との間に設けられる。板ばね315は、キャパシタ301を上方に向けて付勢し、電極端子303を突出端子部332aに押し付ける。これにより、キャパシタ301を板ばね315とともに収容室11内に収容するだけで、電極端子303とバスバー332とを接続することができる。よって、収容室11内に電極端子303とバスバー332とを溶接したりボルトとナットとによって締結する必要はない。したがって、電極端子303とバスバー332との接続構造を簡素化することができる。
【0067】
なお、図9(b)に示すように、板ばね315に代えて、コイルばね316を付勢部材として用いてもよい。このように、付勢部材は、キャパシタ301をバスバー332の突出端子部332aに向けて付勢可能であれば、どのような部材であってもよい。
【0068】
また、蓄電装置300では、外容器10の両側面には、第一の実施の形態におけるサイドカバー20と第二の実施の形態におけるサイドカバー220とのいずれかが取り付けられる。これにより、第一及び第二の実施の形態と同様に、簡素な構成でキャパシタ301を加圧できるとともに、キャパシタ301の放熱性を向上することができる。また、蓄電装置300内に外部からの異物が侵入することを防止できるため、蓄電装置300の信頼性及び安全性を向上できる。
【0069】
以上の第三の実施の形態によれば、キャパシタ301を板ばね315とともに収容室11内に収容するだけで、電極端子303とバスバー332とを接続することができる。よって、収容室11内にバスバー332と電極端子303とを溶接したりボルトとナットとによって締結する必要はない。したがって、電極端子303とバスバー332との接続構造を簡素化することができる。
【0070】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【符号の説明】
【0071】
100 蓄電装置
1 キャパシタ
2a 平面部
3 電極端子
10 外容器
11 収容室
12 開口部
15 仕切板
20 サイドカバー
21 押圧部
32 バスバー
33 制御基板
220 サイドカバー
221 平板部
222 伝熱シート
315 板ばね(付勢部材)
332 バスバー
332a 突出端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷を蓄えることが可能な蓄電装置であって、
電荷を蓄える蓄電部と、前記蓄電部を収容する内容器と、前記蓄電部に接続されて前記内容器の外部に露出する一対の電極端子と、を有する電気二重層キャパシタと、
前記電気二重層キャパシタを収容する収容室が画成され、前記電気二重層キャパシタの外周面のうち最も大きな面積に形成される平面部に臨んで開口部が形成される外容器と、
前記外容器に取り付けられ、前記開口部を閉塞するとともに前記平面部に当接するサイドカバーと、を備え、
前記サイドカバーは、前記外容器に取り付けられたときに前記平面部を押圧する押圧部を有することを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記電気二重層キャパシタは、前記平面部が面一となるように複数並べて設けられ、
前記外容器は、隣り合う前記電気二重層キャパシタの間を仕切り各々の前記電気二重層キャパシタが収容される前記収容室を区画する仕切板を有することを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記外容器の対向する一対の面に各々形成され、
前記収容室には、複数の前記電気二重層キャパシタが積層して収容され、
前記サイドカバーは、前記外容器の対向する一対の面に各々取り付けられて各々の前記開口部に臨む前記平面部に当接することを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記開口部は、前記外容器の単一の面にのみ形成され、
前記収容室には、複数の前記電気二重層キャパシタが積層して収容され、
前記サイドカバーは、前記外容器の単一の面に取り付けられて前記開口部に臨む前記平面部に当接することを特徴とする請求項2に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記サイドカバーは、板状に形成され、
前記押圧部は、前記サイドカバーの一部が突出して形成される突出部であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記サイドカバーは、
平板状に形成される平板部と、
前記平板部と前記電気二重層キャパシタの前記平面部との間に設けられる伝熱シートと、を有し、
前記収容部の奥行きは、前記電気二重層キャパシタと前記伝熱シートとを合わせた厚さと比較して小さく形成され、前記伝熱シートが前記押圧部を構成することを特徴とする請求項2から4のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記電気二重層キャパシタの前記電極端子は、前記外容器を貫通して外部に突出し、
前記外容器の外部に設けられ、前記電極端子を連結して複数の前記電気二重層キャパシタを直列又は並列に接続するバスバーと、
前記外容器に取り付けられ、前記バスバーを覆って前記外容器との間に電極室を画成する電極カバーと、を備えることを特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記外容器の外部に設けられ、前記外容器を貫通して前記収容室内に突出する突出端子部を有し、前記電極端子を連結して複数の前記電気二重層キャパシタを直列又は並列に接続するバスバーと、
前記外容器に取り付けられ、前記バスバーを覆って前記外容器との間に電極室を画成する電極カバーと、
前記外容器の内部と前記電気二重層キャパシタとの間に設けられ、前記電気二重層キャパシタを前記突出端子部に向けて付勢し、前記電極端子を前記突出端子部に押し付ける付勢部材と、を備えることを特徴とする請求項2から6のいずれか一つに記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記電極室には、複数の前記電気二重層キャパシタ間の電圧が一定となるように制御する制御基板が収容されることを特徴とする請求項7又は8に記載の蓄電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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