説明

蓋付容器

【課題】電子レンジで加熱して冷却した後に蓋戻りをしない蓋付容器を提供すること。
【解決手段】蓋付容器1は、容器本体2と蓋体3がつなぎ部4を介して一体的に形成された平面矩形状の容器である。つなぎ部4の両端には、没入時に蓋体3が容器本体2へ戻ろうとする付勢力を阻止する平面略V字状の凸部5がそれぞれ形成されている。凸部5は、つなぎ部4の中央側から端部41に向かって緩い傾斜で下側に突出するように形成され、その頂部がつなぎ部4の端部41となっている。開封時には、指などにより、凸部5を逆側へ窪ませることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋と容器が一体的に形成された蓋付容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパー、コンビニエンスストア等で弁当、焼きそば、たこ焼き、ピラフ等フードパックに入った食品を、電子レンジで加熱して食すような商品展開がなされている。単身者、共働き夫婦の増加などにより簡便性が求められ、食品メーカーもそれをターゲットに食品開発を積極的に展開している。味の改善、種類の豊富さが増し、今後さらにその需要は伸びるものと思われる。
これらの食品を収納するための容器はプラスチック製のものが多く、例えば、蓋と容器がヒンジ部をもって連結し、一体成形された包装容器はすでに公知で多数市場に出回っている。また、この形態の容器において更なる付加価値を与えるための改良も多種行われている。
例えば、収納物の外観を維持でき、ラップ包装が簡易的であるもの(特許文献1)、2重底、2重蓋のための形状提案(特許文献2)、密封性改良のためのヒンジ部、フランジ部の形状提案(特許文献3)および内容物の移動防止のための形状提案(特許文献4)などがある。
【0003】
また、これら食品形態の容器はコンビニエンスストアなどで、電子レンジで再加熱してもらうパターンが多く、加熱時における容器の改良発明も行われており、特許文献5では、加熱により蓋が自動開封する蓋付容器が開発されている。
【0004】
【特許文献1】特開平4−267755号公報
【特許文献2】特開平4−6035号公報
【特許文献3】実公平6−6017号公報
【特許文献4】実公平7−2432号公報
【特許文献5】実公平7−1054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、蓋付容器を電子レンジ等で加熱後、多少冷めた状態になった時に蓋を開けて食べようとすると、蓋戻りを起こし、非常に食べにくいという問題がある。これは、蓋を閉じた状態で加熱冷却をすることにより、蓋付容器が熱硬化されるために起こる。
特許文献1〜5および通常の蓋付容器においては、蓋戻りを解消するという概念がなく、蓋戻りして食べにくい状態が発生する。
本発明の目的は、加熱して冷却した後に開封した蓋体が戻ることがない蓋付容器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の蓋付容器は、容器本体と蓋体とを備え、前記容器本体の開口縁部の一部と前記蓋体の縁部の一部が一方向に延びるつなぎ部を介して一体的に形成された蓋付容器であって、前記つなぎ部は出没自在とされ、かつ没入時に前記蓋体が前記容器本体へ付勢することを阻止する凸部を有することを特徴とする。
この発明によれば、つなぎ部に形成された凸部が出没自在となっているので、つなぎ部の湾曲部分よりも突出した形状である凸部を、開封時には逆側に窪ませる(没入する)ことができる。凸部の没入により、蓋体を開いた状態で固定できる。また、窪ませた凸部を元の突出した形状に戻すと、蓋体を閉じることができる。
【0007】
本発明では、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンシート、非晶ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン若しくはポリ塩化ビニル、またはこれらを発泡させたもののうちいずれか一以上を含むシートからなる構成が好ましい。
ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン樹脂のほか、プロピレン共重合体が挙げられ、これらの一種を単独で使用してもよく、また、これらの二種以上を組み合わせて使用するようにしてもよい。
電子レンジ等で加熱することを考慮すれば、耐熱性の高いポリプロピレン系シートを用いることが好ましく、コンビニ、スーパーなどの展示での視認性を上げるためには透明ポリプロピレンであることが好ましい。
【0008】
さらに、平均球晶半径が0.1μm以上4μm以下、シート断面の平均球晶数が600個/mm2以下、個体密度が0.895g/cm3以下、示差走査熱分析(DSC)曲線の最大吸熱ピークの融解エンタルピーΔHが90J/g未満、少なくとも片面の光沢が90%以上、かつ、前記最大吸熱ピークの低温側に1J/g以上の発熱ピークを有し、厚さ50μm以上である低結晶性ポリプロピレンシートからなる構成が好ましい。
ここで、平均球晶半径が4μmより大きいと、内部ヘイズが高くなり(透明性が低下して)好ましくない。より好ましくは、平均球晶半径3μm以下である。また、シート断面の平均球晶数が600個/mm2より多いと、シートの軟化点温度が高くなり好ましくない。より好ましくは、平均球晶数400個/mm2以下である。さらに、固体密度が0.895g/cm3より大きいと、密度が大きすぎる、すなわち、結晶化度が高すぎて好ましくない。そして、シートの厚さが50μm未満であると、熱成形した後に剛性を有する成形品(容器等)を造ることが困難になり好ましくない。
なお、本発明における低結晶性ポリプロピレンシートは、低結晶性ポリプロピレンの単層シート、低結晶性ポリプロピレンシートを含む多層シートのどちらでも構わない。
【0009】
この構成では、平均球晶半径が0.1μm以上4μm以下、平均球晶数600個/mm2以下、固体密度が0.895g/cm3以下という特性を有する造核剤非添加のポリプロピレンシートを使用する。したがって、加熱軟化点温度が低く、低温熱成形可能、かつ、内部ヘイズ(透明性)の良好なシートを得ることができる。また、特殊な成形装置を使用する必要もないから、製造コストの低減も図ることができる。さらに、このような低結晶性ポリプロピレンシートを熱成形することで、透明性および光沢の高い熱成形品を得ることができる。
【0010】
また、融解エンタルピーΔHが90J/g未満と比較的小さく、かつ、低温側で1J/g以上の発熱が見られるから、シートを軟化させるのに外部から供給しなければならない熱量が少なく、かつ、軟化時の加熱温度が比較的低いので、低温熱成形が一層容易になる。さらに、90%以上の光沢を有する低結晶性ポリプロピレンシートであるから、シートの光沢が高く、これを熱成形して得られる蓋付容器の光沢度も高くなるので、蓋付容器の商品価値が高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。各実施形態の説明において同一符号を付した部材は説明を省略もしくは簡略にする。
まず、本発明の第1実施形態を図1から図7に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は本実施形態にかかる蓋付容器において蓋が閉じた状態を示す斜視図、図2は第1実施形態の蓋付容器において蓋が開いた状態を示す斜視図である。
図1および図2の外嵌合容器において、蓋付容器1は、平面が矩形状とされた容器本体2と、平面が略矩形状とされた蓋体3が略線状に形成されたつなぎ部4を介して一体的に形成された容器である。
容器本体2は、焼きそばなどの内容物を収納するための皿状部2Aと、この皿状部2Aの開口部21の周縁に沿って形成された突起部22とを有する。突起部22の外周に沿って開口縁部23が形成されている。
蓋体3は縁部31を有し、縁部31の内周側には、蓋体3を閉じる際に容器本体2の突起部22と嵌合するような嵌合部32が形成されている。蓋体3を閉じると、開口縁部23と縁部31が密着し、かつ、突起部22の外周面と上面が嵌合部32と密着して、蓋付容器1は完全に閉じられる。
つなぎ部4とは開口部21を挟んで反対側に位置した縁部31の両角部には、それぞれ網目状のつまみ部24,33がそれぞれ形成されている。これらのつまみ部24,33は平面略三角形に形成されており、その正面が網目状になっている。これらのつまみ部24,33を上下に開いて、蓋付容器1を開けることができる。
【0012】
蓋付容器1は合成樹脂製シートから形成される。本実施形態に使用できる合成樹脂は、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン等のポリプロピレン(PP)のほか、ポリスチレン(PS)、ポリスチレンシート(OPS)、非晶ポリエチレンテレフタレート(A−PET)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)などを1種又は2種以上組み合わせて用いることができ、また、これらの合成樹脂を発泡させたものも有用である。これらの合成樹脂には、タルク、炭酸カルシウム等の無機フィラーを混入したものが使用できる。このようにして得られた樹脂シートは単層で使用してもよく、また、複数を組み合わせて多層構成として使用することもできる。
このような合成樹脂製シートの製造方法としては、通常の押出機にて溶融、Tダイにて平板化したメルトウェブをエアナイフ法やタッチロール法で冷却して得ることができる。
【0013】
合成樹脂製シートとして低結晶性ポリプロピレンシートを用いた場合には、平均球晶半径が0.1μm以上4μm以下、好ましくは、3μm以下である。平均球晶半径が4μmより大きいと、内部ヘイズが高くなり好ましくない。
シート断面の平均球晶数は600個/mm2以下、より好ましくは、400個/mm2以下である。シート断面の平均球晶数が600個/mm2より多いと、シートの軟化点温度が高くなり好ましくない。
シートの個体密度は0.895g/cm3以下である。固体密度が0.895g/cm3より大きいと、密度が大きすぎる、すなわち、結晶化度が高すぎて好ましくない。
【0014】
合成樹脂製シートの示差走査熱分析(DSC)曲線の最大吸熱ピークの融解エンタルピーΔHは90J/g未満であり、少なくとも片面の光沢が90%以上、かつ、前記最大吸熱ピークの低温側に1J/g以上の発熱ピークを有する。
融解エンタルピーΔHが90J/g未満と比較的小さく、かつ、低温側で1J/g以上の発熱が見られるから、シートを軟化させるのに外部から供給しなければならない熱量が少なく、かつ、軟化時の加熱温度が比較的低いので、低温熱成形が一層容易になる。低結晶性ポリプロピレンシートの光沢が90%未満であると、シートを熱成形して得られる蓋付容器の光沢度が低いものとなり、蓋付容器自体の商品価値が低くなる。
低結晶ポリプロピレンシートの厚さは50μm以上である。シートの厚さが50μm未満であると、熱成形した後の蓋付容器の剛性が不十分となる。
このような合成樹脂製シートの製造方法としては、押出機にて溶融、Tダイにて平板化したPPのメルトウェブをベルト急冷法にて得る方法(例えば、特開2001-213976参照)を用いると、視認性が向上するので特によい。
【0015】
つなぎ部4の両端部にはそれぞれ凸部5が設けられている。この凸部5の具体的な構造が図3から図5に示されている。
図3は第1実施形態にかかる蓋付容器1を示すもので蓋が開いた状態を示す平面図である。図4は、図3のIV−IV断面図、図5は図3のV−V断面図である。
これらの図において、つなぎ部4の両端部に形成された凸部5は、つなぎ部4の中央側から端部41に向かうに従って幅寸法が大きくなる平面略V字状に形成されており、かつ、つなぎ部4の中央側から端部41に向かって緩い傾斜で図7中下側に突出するように形成されている。凸部5の頂部はつなぎ部4の端部41となっている(図5)。
【0016】
第1実施形態の蓋付容器1は、合成樹脂製シートから通常の真空成形、真空圧空成形、熱板圧空成形等を用いることにより製造する。
この製造工程において、容器本体2、蓋部3およびつなぎ部4を成形すると同時に凸部5を形成し、その後、容器の外周を打ち抜き形成する。
【0017】
このようにして得られた蓋付容器1では、容器本体2に焼きそばなどの内容物を収納して蓋をした状態で、蓋をし(図6参照)、その状態で、電子レンジで加熱する。
その後、蓋付容器1が冷却された後、蓋体3を容器本体2に対して開くと、容器自体の熱硬化によって蓋体3がつなぎ部4を回動中心として閉じる方向へ付勢されるが、第1実施形態では、凸部5を指などにより押し込んで没入させることで蓋体3の付勢力が阻止される(図7参照)。つまり、つなぎ部4の両側に設けられた凸部5の一方または双方を没入させることで、蓋体3が容器本体2に対して戻ろうとする力が働いても、没入された凸部5に突出した元の状態に戻ろうとする力(復元力)が働くことで、蓋体3が開いた状態が維持される。
【0018】
従って、第1実施形態によれば、次の作用効果を奏することができる。
(1)容器本体2と蓋体3とをつなぎ部4を介して一体的に形成し、つなぎ部4は、出没自在とされるとともに、没入時に蓋体3が容器本体2へ戻ろうとする付勢力を阻止する凸部5を有する構成としたから、蓋体3を開いた時に凸部5を逆側に窪ませることで、蓋体3を開いた状態で維持することができ、電子レンジ等で加熱、冷却した蓋付容器1の蓋戻りをなくすことができる。
【0019】
(2)凸部5は、つなぎ部4の両端部にそれぞれ1カ所ずつ、合計2カ所形成されているので、両方の凸部5を逆側に窪ませることで確実に蓋体3を開いた状態で容器本体2に維持できる。
【0020】
(3)蓋が開いた状態で最も触りやすいつなぎ部4の端縁に凸部5の頂部を位置させたから、凸部5を没入操作しやすくなり、
(4)凸部5は、蓋付容器1を成形する際に一体的に形成できるので、従来の製造工程をそのまま利用でき、特殊な成形装置を使用する必要もないから、製造コストの低減も図ることができる。
【0021】
(5)蓋付容器1が、容器本体2の突起部22と蓋体3の嵌合部32とを有するので、蓋体3を閉じたときに突起部22と嵌合部32が嵌合するため、外部の力なしには開かない。これは、電子レンジ加熱前の蓋体3が付勢されていない状態で蓋体3を閉じる際に有用である。
【0022】
(6)平均球晶半径が0.1μm以上4μm以下、シート断面の平均球晶数が600個/mm2以下、個体密度が0.895g/cm3以下のポリプロピレンシートを使用しているため、結晶化度が低く、加熱軟化点温度が低く、低温熱成形可能、かつ、内部ヘイズ(透明性)の良好な蓋付容器1を得ることができる。
【0023】
(7)融解エンタルピーΔHが90J/g未満と比較的小さく、かつ、低温側で1J/g以上の発熱が見られるから、ポリプロピレンシートを軟化させるのに外部から供給しなければならない熱量が少なく、かつ、軟化時の加熱温度が比較的低いので、低温熱成形が一層容易になる。
(8)90%以上の光沢度を有するポリプロピレンシートを使用しているので、これを熱成形して得られた蓋付容器1の光沢度も高くなり、外観が良好な蓋付容器1を提供することができる。
【0024】
(9)ポリプロピレンのメルトウェブをベルト急冷法にて得たシートを使用しているので、視認性が向上する。
【0025】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図8から図11に基づいて説明する。
第2実施形態ではつなぎ部4に形成された凸部51の形状が第1実施形態の凸部5の形状と異なるもので、他の構成は第1実施形態と同様である。
第2実施形態における凸部51は、平面が略円形に形成されており、その断面形状は有底円筒状、半球状、その他の形状である。第2実施形態の凸部51も第1実施形態の凸部5と同様に、つなぎ部4に出没自在とされるとともに、没入時に蓋体3が容器本体2へ戻ろうとする付勢力を阻止する構成である。
【0026】
図8から図11には、それぞれ異なる第2実施形態の平面図が示されている。
図8は、凸部51がつなぎ部4の一端部側に位置して1カ所形成された例であり、図9は、凸部51がつなぎ部4の中央部に位置して1カ所形成された例であり、図10は、凸部51がつなぎ部4の両端部側にそれぞれ位置して合計2カ所形成された例であり、図10は、凸部51がつなぎ部4の両端部側および中央部にそれぞれ位置して合計3カ所形成された例である。なお、第2実施形態では凸部51の数が3個以下に限定されるものではなく、4個以上であってもよく、つなぎ部4の長さ、凸部51の半径に応じて適宜凸部51の数が設定される。
【0027】
このように構成された第2実施形態では、第1実施形態と蓋付容器の製造方法は同じである。
第2実施形態では、第1実施形態の(1)(2)(4)〜(9)と同様の作用効果を奏することができる他、次の作用効果を奏することができる。
(10)凸部51の平面形状が略円形とした。平面円形形状を金型に簡単に形成することができるから、この金型を用いて凸部51がつなぎ部4に形成された蓋付容器1を簡単に製造することができる。
(11)凸部51の数を増やすことで、蓋部3の開放状態をより確実に維持することができる。
【0028】
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、蓋付容器1として突起部22と嵌合部32を有する外嵌合容器の構成としたが、容器本体2と蓋体3の嵌合状態を逆転させた内嵌合容器でもよく、また、突起部22と嵌合部32は必ずしも設けることを要しない。この場合、蓋体3を閉じる際には、開口縁部23と縁部31を密着させて、ホッチキスまたはテープなどでとめて蓋体3が開かないようにする。
また、前記第2実施形態では、凸部51の形状を平面円形状としていたが、円形状に限られず、つなぎ部4に対して出没自在であれば、正方形やその他の形状であってもよい。
【実施例】
【0029】
次に、本発明の効果を確認するために実施例について説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限りこれらの実施例に限定されるものではない。
各実施例において、それぞれ容器本体2の縦幅寸法(長辺方向寸法)を185cmとし、蓋付容器1の蓋体3を開いた状態(例えば、図3参照)において、容器本体2および蓋体3横幅寸法とつなぎ部4の幅寸法との合計寸法を238cmとした。蓋付容器1のつなぎ部4に凸部5,51を形成し、蓋戻り状況を確認した。
【0030】
[実施例1]
つなぎ部4の片側の1箇所に平面円形の凸部51を有する蓋付容器(図8参照)。
[実施例2]
つなぎ部4の中央部の1箇所に平面円形の凸部51を有する蓋付容器(図9参照)。
[実施例3]
つなぎ部4の両側の2箇所に平面円形の凸部51を有する蓋付容器(図10参照)。
[実施例4]
つなぎ部4の両側および中央の3箇所に平面円形の凸部51を有する蓋付容器(図11参照)。
[比較例1]
つなぎ部に凸部を有していない従来の蓋付容器。
【0031】
上記形状を有する蓋付容器に100mlの水を容器に入れ、蓋を閉じた状態で1分半加熱(100℃)後、蓋を開ける際に凸部を逆側に押し上げて、蓋戻りの評価を行った。
【0032】
<結果>
実施例1から実施例4では、蓋は開いた状態で固定され、閉じることはなかった。
比較例1では、蓋は閉じて容器本体に接触した。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、焼きそば、弁当等の食品を収納する蓋付容器に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる蓋付容器を示すもので蓋を閉じた状態の斜視図。
【図2】第1実施形態にかかる蓋付容器を示すもので蓋を開いた状態の斜視図。
【図3】第1実施形態にかかる蓋付容器を示すもので蓋を開いた状態の平面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】図3のV−V線断面図。
【図6】第1実施形態にかかる蓋付容器を示すもので蓋を閉じた状態の断面図。
【図7】第1実施形態にかかる蓋付容器を示すもので凸部を窪ませて蓋を開いた状態を示す断面図。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる蓋付容器の平面図。
【図9】第2実施形態にかかるものであって図8とは異なる凸部を有する蓋付容器の平面図。
【図10】第2実施形態にかかるものであって図8とは異なる凸部を有する蓋付容器の平面図。
【図11】第2実施形態にかかるものであって図8とは異なる凸部を有する蓋付容器の平面図。
【符号の説明】
【0035】
1 …蓋付容器
2 …容器本体
3 …蓋体
32…嵌合部
4 …つなぎ部
41…端部
5,51…凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と蓋体とを備え、前記容器本体の開口縁部の一部と前記蓋体の縁部の一部が一方向に延びるつなぎ部を介して一体的に形成された蓋付容器であって、
前記つなぎ部は、出没自在とされ、かつ没入時に前記蓋体が前記容器本体へ戻ろうとする付勢力を阻止する凸部を有することを特徴とする蓋付容器。
【請求項2】
請求項1に記載の蓋付容器において、
ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスチレンシート、非晶ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン若しくはポリ塩化ビニル、またはこれらを発泡させたもののうちいずれか一以上を含むシートからなることを特徴とする蓋付容器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の蓋付容器において、
平均球晶半径が0.1μm以上4μm以下、シート断面の平均球晶数が600個/mm2以下、個体密度が0.895g/cm3以下、示差走査熱分析(DSC)曲線の最大吸熱ピークの融解エンタルピーΔHが90J/g未満、少なくとも片面の光沢が90%以上、かつ、
前記最大吸熱ピークの低温側に1J/g以上の発熱ピークを有し、厚さ50μm以上である低結晶性ポリプロピレンシートからなることを特徴とする蓋付容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−302286(P2007−302286A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131985(P2006−131985)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(500163366)出光ユニテック株式会社 (128)
【Fターム(参考)】