説明

薬剤エアロゾルを生成するための吸入装置

薬剤を吸入により配送するための装置を開示する。この装置は、内部流通チャンバを画成する本体を備え、チャンバは上流と下流のチャンバ開口部を有する。この装置は、チャンバ内に収容された薬剤供給ユニットを備え、このユニットは作動時に、加熱薬剤蒸気をチャンバの凝縮領域に生成する。選択されたガス流量でチャンバ領域に引き込まれたガスが、薬剤蒸気から、選択されたMMAD、すなわち0.02〜0.1MMAD又は1〜3.5gmの寸法を有する薬剤凝縮粒子を形成することに有効である。前記ユニットの上流に配置されたガス流制御弁が、凝縮領域を通るガス流量を、選択されたガス流量に制限するように機能する。チャンバを通るガス流量が選択された流量であるときに薬剤供給ユニットが蒸気を生成するように制御されることができるように、装置内の作動スイッチが薬剤供給ユニットを作動させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、吸入用の所望の寸法の薬剤エアロゾルを生成するための吸入装置に関する。
【発明の背景】
【0002】
治療用化合物は様々な経路で投与されることができ、特に、薬剤の性質、所望の薬物動態プロファイル、患者の都合及びコストといった要素に依存する。ドラッグデリバリ(薬剤配送)の最も一般的な経路は、経口投与、経静脈(IV)投与、筋肉内(IM)投与、腹腔内(IP)投与、皮下投与、経皮投与、経粘膜投与、及び、患者の気道への吸入による投与である。
【0003】
薬剤投与の吸入経路は、幾つかの薬剤及び或る状態の処置において幾つかの利点を有する。投与された薬剤は気道から血流へ迅速に流れるため、薬剤は、デリバリ後数分以内に作用し得る。薬剤のこの迅速な作用は、喘息、アナフィラキシー、痛みなどの、症状の即時の緩和が必要な状態に明らかに有利である。
【0004】
さらに、経口薬剤デリバリでは肝臓で初回通過が行われるが、吸入では初回通過なしで薬剤が血流に取り込まれるため、薬剤は、より効率的に患者に利用される。従って、吸入により投与される薬剤の治療用量は、経口用量に必要な量より実質的に少なくてよく、例えば半分であってよい。
【0005】
最後に、吸入デリバリが便利なため、患者の薬剤服用遵守度が高くなることが期待される。
【0006】
周知のように、肺への効率的なエアロゾルデリバリは、粒子が或る程度の浸透特性及び沈殿特性又は拡散特性を有することを必要とする。大型の粒子では、肺深部への堆積が、重力による沈殿により生じ、粒子が1μm〜3.5μmの有効沈殿寸法(空気動力学的中央粒子径(MMAD)として定義される)を有することを必要とする。小型の粒子では、肺深部への堆積が拡散プロセスにより生じ、これは、10nm〜100nmの、典型的には20nm〜100nmの範囲の粒子寸法を有することを必要とする。10nm〜100nmと、1μm〜3.5μmとの間の粒子寸法は、浸透率及び拡散率が低くなる傾向がある。従って、肺深部デリバリのための吸入薬剤デリバリ装置は、これらの2つの寸法範囲の一方の範囲内の粒子を有するエアロゾルを生成するべきである。
【0007】
エアロゾルデリバリ装置の別の重要な特徴は、配送される総投与量の制御である。すなわち、発生されるエアロゾルの量は、1回の服用ごとに予測可能で且つ繰り返し可能であるべきである。
【0008】
吸入装置の他の望ましい特徴は、薬剤の活性を大きく低下させずに製品を良好に保存できることである。
【0009】
従って、これらの特徴を有するエアロゾル吸入装置であって、容易に操作される簡単なエアロゾル吸入装置を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0010】
本発明は、薬剤を、所望の寸法を有する薬剤粒子から成るエアロゾルの形態で、吸入により又は経鼻的投与により配送するための装置を備える。所望の寸法は、一般に、エアロゾル粒子の空気動力学的中央粒子径(MMAD)として示される。この装置は、上流チャンバ開口部及び下流チャンバ開口部を有する内部流通チャンバを画成する本体を備える。前記チャンバ内に収容された薬剤供給ユニットが、作動時に、加熱された薬剤蒸気をチャンバ凝縮領域に生成するように設計されている。凝縮領域は、基板付近の、前記上流チャンバ開口部と前記下流チャンバ開口部の間にあり、従って、前記チャンバ領域に引き込まれて前記選択されたガス流量で流れるガスは、薬剤蒸気を凝縮して、選択されたMMAD粒子寸法を有する薬剤凝縮粒子をするようことに有効である。選択されたMMAD粒子寸法は、例えば、肺深部への配送に用いられる場合、10nm〜100nm、又は1μm〜3.5μmである。このために、装置は、薬剤供給ユニットの上流に配置されたガス流制御弁を備え、前記ガス流制御弁は、前記凝縮領域を通るガス流量を、前記選択されたガス流量に制限する。例えば、空気がユーザの口によりチャンバ内に引き込まれてチャンバ内を通るときに、チャンバ内を流れる空気流を制限する。この装置は、また、薬剤供給ユニットを作動させるための作動スイッチを備える。このスイッチの作動は、前記チャンバ内を通るガス流量が前記選択された流量又は選択された流量の範囲内であるときに前記ユニットを制御して蒸気を生成させることができる。
【0011】
作動スイッチは、薬剤供給ユニットを、選択された空気流量が得られたときにユニットが蒸気を生成するように作動させ得る。或いは、作動スイッチは、選択された空気流量がチャンバ内で得られた後に作動され得る。
【0012】
一般的な一実施形態において、ガス流弁は、ユーザがユーザの口で空気をチャンバ内に引き込むときに、チャンバを内を通る空気流量を制限するように設計されている。特定の実施形態において、ガス流弁は、チャンバと連通する入口、及び変形可能なフラップを含み、フラップは、空気流を前記入口から徐々に方向変換させ、弁を横切る圧力降下を増大させるようになっている。別の実施形態において、ガス流弁は作動スイッチを含み、弁が、弁を横切る空気圧力差に応答して移動することにより前記スイッチを閉じる。本発明のさらに別の実施形態において、ガス流弁は、チャンバに流入する空気流量を制限するように設計されたオリフィスを含む。
【0013】
本発明の装置は、また、前記ユニットのチャンバ下流と連通するバイパス弁も含み、バイパス弁は、ユーザが空気を前記チャンバ内に引き込むときに、前記ガス流制御弁によりもたらされる空気流の減少を相殺する。
【0014】
作動スイッチは、チャンバ内を流通するガス流の熱散逸作用に応答するサーミスタを含み得る。本発明の装置は、さらに、ユーザ作動式スイッチを備え得る。ユーザ作動式スイッチの作動は、薬剤供給ユニットをサーミスタにより始動させて薬剤供給ユニットの加熱を開始する前にサーミスタを加熱することに有効である。
【0015】
薬剤供給ユニットは、外面を有する熱伝導基板と、前記基板上に形成された薬剤のフィルムと、基板を、前記薬剤を気化するために有効な温度に加熱するための熱源とを含み得る。熱源は、例えば、基板の抵抗加熱を生じるための電気的熱源、又は、基板の加熱を発熱反応の開始により生じるための化学的熱源であり得る。好ましくは、薬剤デリバリユニットは、薬剤のフィルムを、作動後1秒より短い時間内に、より好ましくは0.5秒以内に気化することに有効である。
【0016】
MMADが1μm〜3.5μmの寸法範囲にある凝縮粒子を生成するために、チャンバは、表面が実質的に滑らかな壁を有することができ、選択されたガス流量は、4L/分〜50L/分の範囲にあり得る。
【0017】
MMADが20nm〜100nmの寸法範囲にある凝縮粒子を生成するために、凝縮チャンバ内に乱流を生じるためのガス流障害物をチャンバに設け得る。これらの障害物は、典型的に、基板面から千分の数インチ以内に配置される。
【0018】
本発明のこれら及び他の目的及び特徴は、本発明の以下の詳細な説明を、添付図面と共に読むことにより、より十分に明らかになるであろう。
【好適な実施形態の説明】
【0019】
図1は、吸入により薬剤を配送するための吸入装置20の概略断面図である。この装置は、内部流通チャンバ24を画成する本体22を含み、チャンバ24は、上流チャンバ開口部26及び下流チャンバ開口部28を有する。チャンバ内に含まれる薬剤供給ユニット30は、作動時に、加熱された薬剤蒸気をチャンバの凝縮領域32に生成するように動作可能である。凝縮領域32は、基板に隣接し、且つ上流チャンバ開口部と下流チャンバ開口部の間にある。以下に詳細に説明するように、ガスが、選択された速度で層流又は乱流を有して薬剤供給ユニットの表面を横切って流れるとき、薬剤蒸気は凝縮して、選択されたMMAD粒子寸法を有する薬剤凝縮粒子を形成する。当業者に理解されるように、チャンバを通過するガス速度は、ガスの体積流量、チャンバ内の断面積、及び/又は、チャンバ内に乱流を生じる構造の有無により調整され得る。吸入のための寸法範囲の2つの例は、約1μm〜3.5μmと、0.02μm〜0.1μm以内とである。
【0020】
この装置は、チャンバの上流開口部に又はその付近に配置されたガス流制御弁34を含み、弁34は、チャンバの凝縮領域を通過するガス流量を、選択されたガス流量に制限するためにある。典型的に、チャンバ内を通って流されるガス流は、ユーザの口によりチャンバに引き込まれる空気であり、すなわち、ユーザが空気を、装置のチャンバの上流端を通して引き込む。本発明に用いるのに適した様々なタイプのガス流弁を、図5A〜図5Fに関して後に記載する。
【0021】
装置には、薬剤供給ユニットを作動させるための作動スイッチ(全体を番号36で示す)も含まれている。このスイッチは、チャンバの凝縮領域を流れる空気流量が選択された流量であるときに薬剤供給ユニットに蒸気を生成させるよう制御することを可能にする。理解されるように、スイッチは、典型的に、チャンバ内を流通する空気流により作動され、従って、ユーザがチャンバに空気を引き込むと、凝縮領域を通る空気流が、所望の寸法の凝縮粒子を生成するための選択された空気流量に達したときに、蒸気の生成が開始される。本発明に用いるのに適した様々なタイプの作動スイッチを、図6A〜図6Cに関して後に記載する。
【0022】
一般的な一実施形態において、スイッチは、チャンバ内のガス流量が選択された流量に達する前に、薬剤供給ユニットを作動させるように構成されている。この実施形態において、作動のタイミングは、薬剤供給ユニットが薬剤蒸気の生成を、チャンバを通るガス流が選択されたガス流流量に達したほぼそのとき又はその後に開始するタイミングである。別の実施形態において、薬剤供給ユニットは、チャンバを通るガス流量が選択された流量に達したときに作動される。さらに別の実施形態において、薬剤供給ユニットは、選択された流量に達してから、或る選択された時間の経過後に作動される。
【0023】
加熱された薬剤蒸気が凝縮されて所望の寸法のエアロゾル粒子を形成する、装置における凝縮領域は、チャンバの薬剤供給ユニットとチャンバの内壁の間の部分を含み、また、チャンバの薬剤供給ユニットの下流端とチャンバの下流開口部の間の或る部分を含み得る。ガス流が所望の流量に制御され、従ってエアロゾル形成中の速度に制御されるのは、この領域においてである。
【0024】
図1に概略的に示されているように、装置における薬剤供給ユニット30は、概して、外面40を有する熱伝導基板38、基板の外面上に形成された、投与される薬剤のフィルム42、及び、薬剤を気化させるのに有効な温度に基板を加熱する熱源44を含む。例示された実施形態において、基板は、基板の上流端が閉じられた先細状の円筒状キャニスタである。基板のための好ましい材料は、薬剤の安定性に適した範囲にあることが分かっているステンレス鋼である。
【0025】
薬剤フィルムは、純粋な形態で、又は適切な添加剤と混合されて投与される薬剤を含む。使用に適した例示的な薬剤は、一般に250℃〜560℃の間の温度で気化されることができる任意の薬剤を含む。薬剤は、好ましくは、薬剤分解生成物をほとんど又は全く生じずに気化されることができる薬剤である。幾つかの共有出願にて述べたように、多くの種類の薬剤を、ほとんど又は全く分解させずに好都合に気化でき、特に、薬剤コーティングが、選択されたフィルム厚さ、すなわち約0.01μm〜10μmの厚さを有する場合にこのように気化できる。存在する薬剤の量が1回の治療用量を提供するのに十分であることが好ましいが、複数回投与により治療用量を滴定するように装置を用いてもよい。エアロゾル生成に利用され得る薬剤の総量が治療用量に相当するように、フィルムを付与する基板の総面積を調節することができる。典型的に0.5秒より短い時間における気化が、薬剤コーティングの薄さにより可能にされる。本質的に、薬剤コーティングの薄い性質により、加熱された化合物の大部分が、流入する空気に露出され、これにより、化合物のほぼ全体が熱劣化前に空気中に気化し、冷却される。この装置に用いられるフィルム厚さで、5%未満の分解生成物を有するエアロゾル粒子が基板の広範囲のピーク温度にわたって生成される。
【0026】
薬剤を気化するための熱源は、抵抗性加熱要素であってよく、例えば基板自体であり、又は、基板の内面に接して配置された抵抗性ワイヤである。或いは、図1に示されているように、熱源44は、例えばスパーク又は加熱要素による作動時に発熱反応を生じる化学反応性材料である。示されている特定の実施形態において、作動が、化学材料の上流端に与えられるスパークにより行われ、発熱反応を開始させ、この反応が、薬剤供給ユニット内の上流に対して下流方向に、すなわち、エアロゾル生成中のチャンバ内でのガス流と反対の方向に広がる。化学材料の例は、ジルコニウムと三酸化モリブデンを約75%:25%の重量比で含む。この混合物は、結合剤、例えばポリビニルアルコール又はニトロセルロースと開始剤とを含み得る。開始剤は、反応を制御するための添加剤、例えばホウ素及び塩素酸カリウムを含む。いずれの場合においても、先に述べたように、この材料は、基板面全体の完全な加熱を2秒以下の時間で、好ましくは10ミリ秒〜500ミリ秒の範囲で生じるように配合されるべきである。
【0027】
薬剤供給ユニットの表面のピーク温度の例は375℃である。この温度は、燃料の配合を変えることにより変更できる。高い薬剤純度は、完全な気化に必要な温度よりも高い温度で得られるため、大きいウィンドウを設けて、このウィンドウ内に放出される服用量とエアロゾル純度との両方を、高くし且つ両立させ得る。
【0028】
先に記載したように、装置における作動スイッチ36は、薬剤供給ユニットを、装置チャンバ内を流れる空気流に関連して作動させるように設計されており、従って、薬剤供給ユニットは、チャンバを流れる空気流量が所望の寸法のエアロゾル粒子を生成するのに十分であるときに薬剤蒸気を生成する。図6A〜図6Cに関して以下に記載する一般的な一実施形態において、スイッチはチャンバ内を通る空気流により、薬剤供給ユニットが、装置内の空気流量が所望の流量に達したとき(又はその直前又は直後)に作動されるように制御される。或いは、スイッチはユーザにより作動されてもよく、空気が装置内に引き込まれているときにユーザが薬剤蒸気の形成を開始することを可能にする。ユーザ作動式の実施形態において、装置は、信号、例えば可聴音を、ユーザに、装置内を通る所望の空気流量が得られたときに送信し得る。
【0029】
装置内を通るガス流の制御の以下の論議において、装置内に引き込まれるガスがユーザの呼吸により引き込まれる空気であることが理解されるであろう。しかし、ガス又はその一部を、別のガスカートリッジ又はガス源、例えば、二酸化炭素若しくは窒素ガス源により供給してもよいことが理解されるであろう。不活性ガス又は非酸化ガスが望ましい場合もあり、例えば、高温にて、すなわち気化中に酸化崩壊し易い薬剤を気化する場合である。この場合、ユーザにより吸い込まれる「ガス」は、凝縮領域を通って供給される純粋なガスと、ユーザにより凝縮領域の下流に引き込まれる空気との組合せであってよく、又は、純粋なガスのみであってもよい。
【0030】
図1に示した実施形態において、装置の上流端と下流端の間の空気流は、装置の上流開口への、従ってチャンバの凝縮領域を通る空気流を制御するガス流弁34と、装置の下流端付近に配置されたバイパス弁46との両方により制御される。バイパス弁は、ガス制御弁と協働して、チャンバの凝縮領域を通る流れ、及び、装置を通って引き出される空気の総量を制御する。
【0031】
詳細には、図2Aの空気流プロットに見られるように、符号Iで示されている、装置内を流れる空気の全体積流量は、弁34を通る空気の体積流量Pと、バイパス弁を通る空気の体積流量Bとの合計である。弁34は、装置に引き込まれる空気を、予め選択されたレベルP、例えば、15L/分に制限するように働き、レベルPは、選択された寸法のエアロゾル粒子を生成するための選択された空気流量に対応している。この選択された空気流レベルに達したならば、装置に引き込まれるさらなる空気は、弁46を横切る圧力降下をもたらし、これが、ユーザの口付近の装置下流端に弁を通って流れ込む空気流を調整する。こうして、ユーザは、十分な息が吸い込まれていることを感じ、前記2つの弁が空気流の全体を、所望の空気流量Pとバイパス空気流量Bとに分配する。
【0032】
図2Aは、また、薬剤供給ユニットのための加熱のタイミングを示す。加熱時間は、薬剤の迅速な気化を生じさせるように十分な熱が薬剤物質に加えられる時間として定義される。図2Aに見られるように、斜交線で示された加熱時間は、空気流Pが所望の空気流量である期間内に、例えば、図中の時点aと時点bで示された時間内に生じることを意図されている。ユーザが、より多く、又はより少なく息を吸い込んでも、空気流量の差はBの変化により調整され、IがPよりも大きければPが変わらずに保たれることが理解されよう。
【0033】
図2Bは、同じガス分布作用を示すが、装置の動作中の5つの異なる時間における一連の流れプロファイルがプロットで示されている。この図に見られるように、図に符号Pで示されている、装置の凝縮領域を通るガス流量は比較的一定であるが、符号Iで示されている、総ガス流量は、最初の4回の時間間隔にわたって増大し、その後減少する。
【0034】
気化している薬剤の上を流れる空気流の線速度が、蒸気凝縮により生成されるエアロゾル粒子の粒子寸法に影響を与え、空気流がより速いと蒸気を希薄化し、従って、蒸気はより小さい粒子に凝縮する。すなわち、エアロゾルの粒子寸法分布は、凝縮中の化合物蒸気の濃度により決定される。そして、この蒸気濃度は、加熱基板の面上を流れる空気流が発生蒸気を希薄化する程度により決定される。以下の図4Aに示されているように、粒子寸法(MMAD)は、薬剤製品を通過する7L/分〜28L/分の空気流量において、十分な許容範囲(1〜3.5ミクロン)内に維持される。より小さい、又はより大きい粒子を得るためには、チャンバの凝縮領域を通過するガス速度は、(i)Pを増大又は減少するようにガス流体制御弁を変えることにより、及び/又は、(ii)所与の体積流量に関してガスの線速度を増大又は減少するようにチャンバの凝縮領域の断面を変えることにより変更され得る。
【0035】
図4Bは,粒子寸法の関数としての、エアロゾル粒子の肺胞への堆積の割合を示す。図に見られるように、肺への最大堆積は、2つの寸法範囲、1μm〜3.5μm又は20nm〜100nmのいずれにても生じる。従って、装置が吸入による薬剤配送のために用いられる場合、所与の幾何学的形状を有する装置における選択されたガス流量は、これらの2つの寸法範囲の一方のエアロゾル粒子寸法を得るための流量である。当業者は、所望の粒子寸法をもたらすためのガス流速度の変化が、ガスの体積流量、弁設計及び弁特性、装置の凝縮領域の断面積を操作することにより、どのように達成されるかを理解するであろう。また、特に、小さい粒子が必要である場合には、障害物をチャンバ内に配置すると、加熱された薬剤蒸気を通って流れるガスの希釈作用を増大する乱流を生じることができることを理解するであろう。
【0036】
図3は、図1に示した装置20の分解図である。この図において、符号22で示されている装置の本体は、2つの成形プラスチック部材48と部材50から形成されており、これらの部材は慣用の方法でシール結合されている。バイパス弁46は、前記2つの本体部材がシール結合されたときに装置の下流端領域52の両側に配置されるように設計されている。部材48は空気入口56を含み、この入口56を通って、空気が装置の上流端54付近の装置チャンバに引き込まれる。
【0037】
装置内の薬剤供給ユニット、空気吸入弁、及び作動スイッチは全て、単一の組立体58に組み込まれている。この組立体の目に見える部品は、コーティングされた基板38、ガス制御弁34、バッテリハウジング36、及びプルタブ(ユーザ作動スイッチ)60であり、スイッチ60は、組み立てられた装置の装置本体の上流端の開口部を通って延在する。組立体の外側フランジ62が、各部材の内壁に形成された溝64に嵌り込んで、チャンバを上流チャンバセクション66と下流チャンバセクション68に分割するように設計されている。フランジは開口部を有し、これは、例えば、図示されているようにフランジの両側に形成された開口部70である。各開口部は、ガス流弁、例えば弁34により、弁を横切る空気流量を制御するために開閉される。こうして、ユーザがユーザの口を装置の上流端にあてて空気を装置内に引き込むときに、空気が吸気口56を通って装置に引き込まれ、セクション66に入る。弁34は、図5A〜図5Fに関して以下に記載するように、2つのチャンバセクション間の空気流を調整して、薬剤供給装置を横切る空気流を所望の空気流量Pに制限する。
【0038】
本発明に適した様々なガス流弁の実施形態を参照すると、図5Aは、傘状弁70を示す。この弁は低ジュロメータのゴム部材71であり、部材71は、空気路の内側と外側(上流チャンバセクションと下流チャンバセクションの間)に圧力の差があるときに空気が入ることを可能にするように湾曲する。こうして、この弁は、弁を横切る空気圧力差に応答して「開く」ように機能し、弁は、装置内の空気流を所望の空気流量に制限するように構成されている。
【0039】
図5Bは、付勢部材76(例えばばね)により連結された2つの低ジュロメータのゴムピース74を含むリード弁72を示す。2つのチャンバセクションを横切る空気圧が選択された差に達すると、2つのゴムピースが引き離されて、空気が空気路に流入するための開口を形成する。こうしてこの弁は、弁70と同様に、弁を横切る空気圧差に応答して「開く」ように機能し、弁は、装置内の空気流を所望の空気流量に制限するように構成されている。
【0040】
図5C及び図5Dは、チャンバセクションを横切る圧力差に応答して曲がり、空気を空気路に入れさせる弁80を示す。詳細には、図5Cは、この弁が、空気を空気路に全く入れさせない延在状態の閉鎖位置にある様子を示す。弁の一端は弁開口部の側部84にしっかりと取り付けられており、弁の反対側は、吸気開口部の側部85に接して終端となっている。空気路の内側と外側との圧力差が閾値レベルを超えると、図5Dに示されているように弁80の中央が曲がり、空気路にしっかりと取り付けられている部分を中心として空気路へと回転し、空気路を形成して、空気が弁開口部を通って流入するためのオリフィスを形成する。
【0041】
構造において、符号86で示されている下側の屈曲層は柔軟なポリマープレート材料から形成され、符号88で示されている上側の短い層は不撓性ポリマー材料から形成されている。また図に見られるように、弁は、弁が移動されて開いた変形状態になったときに閉じた回路構造をもたらす電気接触部、例えば接触部90を含み得る。上記の2つの弁と同様に、弁80は、弁を横切る空気圧差に応答して「開く」ように機能し、弁は、装置内の空気流を所望の空気流量に制限するように構成されている。
【0042】
弁における電気スイッチは、作動スイッチのスイッチ部材として働くことができ、従って、弁の開放は薬剤供給ユニットを作動させる働きもする。本発明は、選択された所望の流量の空気流を許容する状態に弁が移動するときに開放状態から閉鎖状態に移動される電気スイッチを含むガス制御弁を想定している。
【0043】
図5E〜図5Fは、空気が装置に引き込まれるときに開放状態から部分的に閉じた状態に移動する弁92を示す。弁は、ほぼ円弧状の断面を有する湾曲したスクリーン付き開口部94を含む。図示されているように弁の上部に取り付けられた変形可能な弁フラップ96が、弁を横切る圧力差が増大すると開口部94に向かって移動し、空気圧差が増大するときに弁開口部の一部を有効に閉鎖するように設計されている。弁を横切る空気圧差に応答するフラップの変形可能性は、弁を通る所望の空気流量Pを、弁を横切る圧力差と実質的に独立に維持するような変形可能性である。この弁は、最初に開放状態にあり、弁を横切る圧力差が増大すると閉鎖状態に向かって徐々に移動することにおいて、先に記載した弁と異なる。
【0044】
装置におけるバイパス弁が、上記の弁、すなわち、圧力差が弁を横切って加えられるときに開くように設計された特定の弁の1つと同じ一般的な構造を有し得ることが理解されるであろう。ガス制御弁及びバイパス弁は、ユーザが装置への空気の引き込みを開始するときに弁を横切る初期圧力差が、装置の凝縮領域を通る所望の流量Pを最初に確立するのに有効であるように設計される。この流量が確立されたならば、ユーザにより加えられるさらなる流量Bは、空気流を迂回させて装置に引き込むようにバイパス弁を「開く」ように作用する。空気が両方の空気流路に沿って装置内に引き込まれているため、ユーザは、生じる空気流の分岐に気づかない。
【0045】
本発明に用いるのに適した作動スイッチ及び関連する回路の例が、図6A〜図6Cに示されている。図6Aは、電圧源99とマイクロコントローラ102の間に接続されたトリガースイッチ98を有する回路100を示す。トリガースイッチは、先に記載したような弁作動スイッチ、又は、空気を取り込む間に作動されるユーザ作動スイッチであり得る。トリガースイッチが開くと、マイクロコントローラは電圧源からもはや電圧を受けない。こうして、マイクロコントローラはトリガーイベントを検知し、トリガーイベントが続いている時間の測定を開始(タイマーを開始)する。このトリガーイベントが少なくとも閾値時間tth続くと、マイクロコントローラは、第2のスイッチ104をパルス時間tにわたり閉じる。この閉鎖により、電圧源からレジスタ106までの電流が生じ、この電流は、符号108で示されている、薬剤−基板を抵抗加熱により加熱すること、又は薬剤供給ユニットの発熱反応の加熱開始に有効である。
【0046】
図6Bは、本発明に従う、薬剤供給ユニットを作動させるために用いることができる別の回路110を示す。この回路は回路100と類似であるが、電荷をコンデンサ112から基板108に送るように動作することが異なる。コンデンサは、典型的に電圧源99により蓄電される。マイクロコントローラ102は、スイッチ98が閾値時間開いたままであることを検知すると、通常は開いているスイッチ113を閉じる。スイッチ113が閉じられると、コンデンサ112からの電荷が基板を通って接地に移動する。移動された電荷は、先に述べたように、基板を抵抗加熱するために、又は薬剤供給ユニットにおける発熱反応を開始させるために用いられる。
【0047】
別の作動スイッチの例が図6Cに符号114で示されている。このスイッチは、使用直前にスイッチの使用準備を整えるユーザ作動式部品、例えば、所望の空気流量が得られたときに薬剤供給ユニットを作動させる空気流応答部品を有する。ユーザ作動式部品は、ユーザがタブ(図3に示された装置ではタブ60)を引くときに作動されるプルタブ型スイッチ116である。スイッチ116が閉じられると、電圧源118がサーミスタ122に接続され、サーミスタ112は周囲温度より高い温度に加熱される。サーミスタは、電圧比較器(コンパレータ)120、例えば、セイコー(Seiko)社から入手可能なセイコーS−8143コンパレータに接続されている。コンパレータは、サーミスタの電圧出力を、ユーザスイッチが作動された直後に測定するように機能する。次いで、ユーザが空気を、サーミスタを横切って引き込み始めると、空気流がサーミスタを冷却し、異なる電圧出力を発生させる(サーミスタにより)。これらの電圧の差が予め決められた閾値に達すると、コンパレータは、ソリッドステートスイッチ124を閉じさせる信号を送り、電圧源118から薬剤供給ユニット108への電流を生じてユニットを作動させる。サーミスタの加熱及びコンパレータの閾値は、装置を通る空気流量が所望の空気流量に達したときにスイッチ124が閉じられるように調節される。
【0048】
図7A〜図7Dにおける一連の写真複写は、本発明の装置の動作中の薬剤凝縮物の生成の時間系列を示す。薬剤供給ユニットが最初に作動される0秒時(図7A)において、空気流は基板の表面を通過するように確立されているが、蒸気はまだ形成されていない。50ミリ秒(図7B)において、基板の下流に幾らかの凝縮物形成が観察される。形成される凝縮物の量は約200ミリ秒まで増大し、凝縮物の大部分が最初の500ミリ秒までに形成されるが、500ミリ秒においてもまだ形成されている。
【0049】
図8A〜図8Cは、動作中に装置内に流通する空気流を分配するための、装置の別の実施形態を示す。図8Aにおいて、装置126は上流開口部130を含み、開口部130は、開口部を通って流れる空気流に応答する空気流センサ132、例えば、先に述べたサーミスタを含む。ユーザにより開口部130を通って中央チャンバ134に引き込まれる空気流は、選択された流量をもたらすようにガス流制御弁138により制御される。過剰な空気流は、バイパスチャネル(迂回溝)136を通して迂回され、チャンバの下流端領域に送られる。バイパスチャネル136は装置の上流端と下流端の間に延在し、弁127を介して中央チャンバ134と連通している。オリフィスは、中央チャンバを通る空気流が所望の空気流量に達するように、装置に引き込まれる空気が弁138を横切る初期圧力差を形成する寸法につくられ、過剰な空気はバイパスオリフィスを通して迂回される。
【0050】
図8Bに示されている装置142は、装置126と類似の空気流を構成するが、弁が単一の弁143だけであることが装置126と異なる。弁143は、所望の空気流量が得られるまで空気が中央チャンバ144に入ることを許容し、過剰な空気を、図示されているようにオリフィスを通して、中央チャンバの下流端と連通するバイパスチャネル145に迂回させるように機能する。
【0051】
図8Cに示されている、符号146で示された実施形態において、空気は、上流オリフィス149を通して中央チャンバ148の上流端に引き込まれ、また、バイパスオリフィス150を通してチャンバの下流端に引き込まれる。2つのオリフィスは、ユーザにより装置に引き込まれる空気が予め決められた比率で分配される寸法につくられており、この比率は、通常の呼吸による吸気に関するP/Bの所望の比率(図2A参照)にほぼ対応している。
【0052】
上記の説明から、装置におけるガス制御弁、及び/又はバイパス弁が、能動的なガス制御要素を有する弁を含むことができ、又は、選択されたガス圧差の状態で所望のガス流量のガスを許容する寸法のオリフィスであり得ることが理解されよう。
【0053】
上記の説明から、本発明の様々な目的及び特徴がどのように満たされるかが理解できよう。薬剤吸入に用いるために、装置は、1μm〜3.5μmの範囲、又は、10nm〜100nmの範囲の選択されたMMAD寸法を有する粒子を再生可能に生成する。これらの粒子は、装置内を通る空気流量と、蒸気生成に対する空気流のタイミングとを制御することにより得られる。迅速な蒸気生成により、また、必要であれば薬剤フィルムの厚さにより、凝縮粒子は実質的に純粋であり、すなわち、分解生成物を有さない。装置は、ユーザが所望のエアロゾル配送を得るための練習をほとんど又は全く必要とせずに簡単に操作でき、また、構造及び動作が比較的簡単である。
【0054】
本発明を特定の実施形態に関して記載してきたが、様々な変更及び修正が本発明から逸脱せずに行われ得ることが理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施形態に従って構成された吸入装置の断面の簡略図である。
【図2A】本発明の装置内を通る空気流量のプロットであり、第1の流れ領域及び第2の流れ領域を通る空気流、及び、空気流レベルと薬剤の気化との所望のタイミング関係を示す。
【図2B】本発明の装置内を通る空気流量のプロットであり、第1の流れ領域及び第2の流れ領域を通る空気流、及び、空気流レベルと薬剤の気化との所望のタイミング関係を示す。
【図3】図1に示した装置を一部分解した斜視図である。
【図4A】1平方センチメートルの断面積を有する空気流チャンバの、内部乱流がない状態で空気流量が5リットル/分〜30リットル/分の場合の、空気流量の関数としてのエアロゾル凝縮粒子寸法(MMAD)のプロットである。
【図4B】エアロゾル粒子の肺胞堆積の比率を粒子寸法の関数として示す。
【図5A】本発明の装置に用いるのに適したタイプのガス流弁の例を示す。
【図5B】本発明の装置に用いるのに適したタイプのガス流弁の例を示す。
【図5C】本発明の装置に用いるのに適したタイプのガス流弁の例を示す。
【図5D】本発明の装置に用いるのに適したタイプのガス流弁の例を示す。
【図5E】本発明の装置に用いるのに適したタイプのガス流弁の例を示す。
【図5F】本発明の装置に用いるのに適したタイプのガス流弁の例を示す。
【図6A】本発明の装置に用いるのに適したタイプの作動回路の例を示す。
【図6B】本発明の装置に用いるのに適したタイプの作動回路の例を示す。
【図6C】本発明の装置に用いるのに適したタイプの作動回路の例を示す。
【図7A】装置内でエアロゾル粒子が約500ミリ秒の時間にわたり展開する様子の一部を示す写真複写である。
【図7B】装置内でエアロゾル粒子が約500ミリ秒の時間にわたり展開する様子の一部を示す写真複写である。
【図7C】装置内でエアロゾル粒子が約500ミリ秒の時間にわたり展開する様子の一部を示す写真複写である。
【図7D】装置内でエアロゾル粒子が約500ミリ秒の時間にわたり展開する様子の一部を示す写真複写である。
【図7E】装置内でエアロゾル粒子が約500ミリ秒の時間にわたり展開する様子の一部を示す写真複写である。
【図8A】本発明の装置の別の空気流制御構造を示す。
【図8B】本発明の装置の別の空気流制御構造を示す。
【図8C】本発明の装置の別の空気流制御構造を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤を吸入により、又は経鼻的に配送するための装置であって、
a)上流チャンバ開口部及び下流チャンバ開口部を有する内部流通チャンバを画成する本体を備え、
b)前記チャンバ内に収容された薬剤供給ユニットを備え、前記ユニットが、作動時に、加熱された薬剤蒸気をチャンバの凝縮領域に生成するためにあり、前記凝縮領域が、基板付近の、前記上流チャンバ開口部と前記下流チャンバ開口部の間にあり、
前記チャンバ領域を、選択されたガス流量で流通するガスが、前記ユニットにより生成された薬剤蒸気を凝縮して、選択されたMMAD粒子寸法を有する薬剤凝縮粒子を形成することに有効であり、
c)前記ユニットの上流に配置されたガス流制御弁を備え、前記ガス流体制御弁が、ガスが前記チャンバ内に流されるときに、前記凝縮領域を通るガス流量を前記選択されたガス流量に制限するためにあり、
d)前記チャンバ内を流れるガス流量が前記選択された流量に制御されているときに前記ユニットが蒸気を生成するように、前記ユニットを作動させるための作動スイッチを備える装置。
【請求項2】
吸入による薬剤配送に用いるための装置であって、前記チャンバが、前記チャンバ内に実質的に層状の空気流をもたらすように設計されており、前記選択された空気流量が4L/分〜50L/分の範囲にあり、薬剤蒸気の凝縮により生成される凝縮粒子が1μm〜3.5μmの範囲のMMADを有する請求項1に記載の装置。
【請求項3】
吸入による薬剤配送に用いるための装置であって、前記ガス流制御弁が、20nm〜100nmの寸法範囲のエアロゾル粒子を生成することに有効な、選択されたガス流量をもたらすように設計されている請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ガス流弁が、ユーザがユーザの口で空気をチャンバ内に引き込むときに、前記チャンバ内を流通する空気流量を制限するように設計されている請求項1に記載の装置。
【請求項5】
ガス流弁が、前記チャンバと連通する入口、及び変形可能なフラップを含み、前記フラップが、空気流を前記入口から遠ざけるように徐々に方向変換させ、弁を横切る圧力降下を増大させるようになっている請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記ガス流弁が前記作動スイッチを含み、弁の、弁を横切る空気圧力に応答した移動が、前記スイッチを閉じる働きをする請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記ガス流弁が、前記チャンバに流入する空気流量を制限するように設計されたオリフィスを含む請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記ユニットのチャンバ下流と連通するバイパス弁をさらに備え、前記バイパス弁が、ユーザが空気を前記チャンバ内に引き込むときに、前記ガス流制御弁によりもたらされる空気流の減少を相殺する請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記作動スイッチが、チャンバ内を流通する空気流の熱散逸作用に応答して前記薬剤供給ユニットを作動させるサーミスタを含む請求項1に記載の装置。
【請求項10】
さらに、ユーザ作動式スイッチを備え、ユーザ作動式スイッチの作動が、前記サーミスタを、サーミスタによる前記薬剤供給ユニットの作動前に加熱することに有効である請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記作動スイッチが、選択されたガス流量が得られる前に前記薬剤供給ユニットを作動させることに有効であり、これにより、前記選択されたガス流量が得られたときに蒸気が前記チャンバ内の前記ユニットにより生成される請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記作動スイッチが、前記選択されたガス流量が得られたときに前記薬剤供給ユニットを作動させることに有効である請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記薬剤供給ユニットが、
i.外面を有する熱伝導基板と、
ii.前記基板上に形成された薬剤のフィルムと、
iii.基板を、前記薬剤を気化するために有効な温度に加熱するための熱源とを含む請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記薬剤配送ユニットが、作動後1秒より短い時間内に前記薬剤フィルムを気化することに有効である請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記薬剤供給ユニットが、作動後0.5秒より短い時間内に前記薬剤フィルムを気化することに有効である請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図6C】
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【公表番号】特表2006−507909(P2006−507909A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−570754(P2004−570754)
【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2003/032803
【国際公開番号】WO2004/050139
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(503412296)アレックザ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (15)