説明

薬剤投与装置

【課題】 薬剤投与装置において、容器の長さの変化に応じて、供給源がその正確な位置に支持されるように寸法形成する。
【解決手段】 供給源(4)の流れ口(6)は、缶体(5)からの服用分の放出のために缶体の方向に移動させられる。流れ口は、接続部材(7)内に収容され、該接続部材は、マウスピースのカバー(9)に連結されたカム機構(8)により移動させられる。カバーの開放により、屈曲バルブ(10)のノズル(11)を介して吸入薬剤が放出されると同時に接続部材が上昇し、息の吸い込みにより、服用分が吸入のために放出される。閉鎖スリーブ(20)が缶体の端部(21)を支持するために配備され、缶体の端部(21)と閉鎖スリーブの端部(22)との間に、供給源がその正確な位置に支持されるように寸法形成された調節可能な隣接支持部材(23)が配備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤投与装置、限定されないが特にエアゾール又は粉末で媒介される薬剤の投与装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人の先行する国際特許出願PCT/GB98/00770において、少なくとも、欧州地域への国内段階への移行に際して補正されたように、ガス状物質、ガス媒介物質又は液滴状物質のための薬剤投与装置が説明され且つクレームされている。
即ち、前記投与装置は、
・端部に吸入/吹込みオリフィスを備えたマウスピースを有する本体と、
・前記物質からなり或いは該物質を含むガス又は蒸発性液体の(本体により保持された)供給源のための本体内にある接続部材と、
・前記ガス又は液体の放出を制御するための呼吸作動可能バルブを含み、該呼吸作動バルブは、
・接続部材に連結されたバルブ入口と、
・バルブ出口と、
・前記ガス又は液体を受容するための可撓性チューブであって、接続部材からバルブ入口とバルブ出口の間に延び、バルブの閉鎖のためにチューブが屈曲状態にある閉鎖位置と、バルブの開放のためにチューブが非屈曲状態にある開放位置との間を移動し得る可動部分を有する可撓性チューブと、
・チューブの可動部分を移動させてチューブの屈曲を制御するためのものであり、吸入作用により、停止位置からオリフィスに向って或いは少なくとも投与装置を通る空気流の方向に運動するために本体内に移動可能に設けられた可動部材からなり、
・チューブは、可動部材が停止位置にある時は閉塞する程度まで屈曲状態にされると共に、可動部材がガス又は液体の放出のために吸入時に移動させられる時には非屈曲状態にされるものである。
【0003】
このような投与装置は、大まかには呼吸作動式屈曲バルブ型投与装置に分類され得るものであり、本文では「私の初期の呼吸作動式屈曲バルブ型投与装置」と称される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際特許出願PCT/GB98/00770
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
「私の初期の呼吸作動式屈曲バルブ型投与装置」の主たる実施態様は、差動式呼吸誘導圧により作動させられるピストンを含んでいる。結果として生じた力は、通常、ピストンを投与装置のマウスピースの方向に引き寄せると共に屈曲バルブを引き延ばして開放することにより投与装置を作動させるのに十分の大きさを有する。
【0006】
それでも、前記投与装置にはなお改良の余地があるものと思われる。特に、2003年5月7日にNo.2,381,461の番号で公開された本出願人の英国特許出願において、本出願人は、供給源に含まれるガス状物質、ガス媒介物質又は液滴状物質のための薬剤投与装置を記述し且つクレームした。
即ち、前記投与装置は、
・マウスピースを有する本体と、
・前記物質の供給源のための本体内にある接続部材と、
・前記物質を含み或いは該物質からなるガス又は液体の放出を制御するための呼吸作動可能バルブを含み、該呼吸作動バルブは、
・前記ガス又は液体を受容するための可撓性チューブであって、接続部材に連結されたバルブ入口から延び、バルブの閉鎖のために屈曲し得ると共にバルブの開放のためにチューブが非屈曲状態にされる開放位置まで移動し得る屈曲可動部分を有する可撓性チューブと、
・吸入により、本体内においてバルブを非屈曲状態にするように運動するために配置された可動部材からなり、
・チューブは、可動部材が準備位置にある時は閉塞する程度まで屈曲状態にされると共に、可動部材がガス又は液体の放出のために吸入時に移動させられる時には非屈曲状態にされるものであり、その場合において、
・可動部材が、吸入時に呼吸作用を及ぼすために本体内に配置された可動フラップであり、若しくは該可動フラップを含み、
・接続部材、可撓性チューブ及び可動フラップがプラスチック材料の一体射出成形物であり、
・可動フラップが接続部材に枢着されているものである。
【0007】
この薬剤投与装置は、本文では「私の第一製品の呼吸作動式屈曲バルブ型投与装置」と称される。それは、特に、2004年11月10日にNo.2,401,321の番号で公開された本出願人の英国特許出願において記述され且つクレームされた薬剤投与装置の「一体化の特徴」を組み合わせることで成功している。即ち、前記英国特許出願に係る、供給源に含まれるガス状物質、ガス媒介物質又は液滴状物質のための投与装置は、
・供給源を長さ方向に位置決めするために意図された如何なる特徴も有しない外部表面と、供給源から物質服用分を分配するために供給源の内部に分配位置まで変位可能な流れ口を有する物質供給源と、
・物質服用分が吸入され得る経路となるマウスピースと、供給源を、その外部表面を介して横方向に位置決めするための寸法に形成され、その長さ方向に位置決めするために意図された如何なる特徴も有しないソケットを有する本体と、
・流れ口をその分配位置まで変位させるために準備位置まで滑動し得るように本体内に配置された流れ口のための接続部材と、
・接続部材を準備位置まで滑動させるための動作手段と、
・接続部材がその準備位置にある時に供給源を流れ口と共に長さ方向にその分配位置に位置決めするために供給源又は供給源位置決め器を本体と一体化し、そこに配備された位置決め器が、供給源のための長さ方向位置を与えて、可動接続部材が流れ口を供給源内部に陥没させるように作動する時に供給源を位置決めするために、本体から供給源の外側に、少なくとも部分的に供給源の端部を横切って延びるようにした供給源又は供給源位置決め器と本体との一体化手段からなるものである。
【0008】
前記一体化は、供給源における許容差、特に流れ口の端部からその容器の反対側端部までの全長における許容差が考慮されることを可能にしている。
【0009】
そこで、本発明の課題は、容器の長さにおける変化を考慮する代替手段を提供することにあり、容器の反対側端部の位置を測定し、投与装置におけるその隣接支持部材、又は各投与装置のために個々にそのような隣接支持部材を与える部材、或いは実際には供給源の容器のためのキャリア内にある部材の位置を調節するという創造的構想に依存している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る第一の局面によれば、エアゾール供給源と囲繞容器体との組合せ結合からなる囲繞エアゾール供給源結合体が提供される。即ち、
・前記エアゾール供給源は、
・缶体と、
・缶体の一端に設けられ、物質の放出のために缶体の内側方向に移動可能とされた流れ口と、
・流れ口を、内側方向への放出運動には負かされるように要請された力で缶体の外側方向に付勢するスプリングと、
・スプリングに抗する流れ口の長さ方向の運動時に缶体から物質を放出させるためのバルブとを有し、
・前記囲繞容器体は、
・所定位置における少なくとも一つの分配機構位置決め形体と、
・缶体のための調節可能な区域部材であって、エアゾール缶体が囲繞容器体内に組み込まれた時に分配機構位置決め形体に対して流れ口の所定位置を与えるように調節される区域部材を有し、
流れ口を、分配機構位置決め形体に対する所定ストロークにわたってスプリングに抗して運動させる時に、物質が放出されることが予測可能であるように構成されている。
【0011】
エアゾール缶体に封入されたエアゾールは、通常、薬剤の吸入又は吹込みに使用される。
【0012】
好ましくは、分配機構位置決め形体が、分配機構の本体に対する囲繞容器体の接合形体であり、該本体が、
・物質の吸入/吹込みのためのマウスピースと、
・流れ口を受けるための可動接続部材と、
・接続部材を移動させて物質服用分を受容するように準備され、物質服用分を放出する吸入により起動させられ得る服用分放出機構と、
・囲繞容器体の接合形体に隣接する接合形体とからなり、
・二つの接合形体は互いに連結されている。
【0013】
それに代替するものとして、囲繞容器体が缶体を接続部材の方向に移動させる機構を含み、該機構と缶体の間、又は該機構と囲繞容器体との間に区域部材が配置されてもよく、その場合、
・分配機構位置決め形体は分配機構の本体に対する囲繞容器体の接合形体であり、該本体は、
・物質の吸入/吹込みのためのマウスピースと、
・流れ口を受けるための可動接続部材と、
・囲繞容器体の接合形体に隣接する接合形体とを含み、
・二つの接合形体は互いに連結されている。
【0014】
両態様の場合に、二つの接合形体は、
・相補的形体の噛合、
・溶接接合又は
・接着接合の何れかにより互いに連結されてもよい。
【0015】
別の代替案においては、囲繞容器体が、
・エアゾール作動の計数に係る計数作動形体を有する外側スリーブと、
・外側スリーブの内側で缶体の外側にある内側スリーブと、
・外側スリーブの計数作動形体と相補的な内側スリーブ上の内側計数作動形体であって、それらの計数作動形体が両スリーブをエアゾール作動と連動させるように適合された内側計数作動形体と、
・エアゾール作動の計数器として指標化を表示する手段とを含み、前記外側スリーブの計数作動形体が分配機構位置決め形体として使用される。
【0016】
調節可能な区域部材は種々の異なる形態を採ることができ、それは、例えば、
・囲繞容器体内における缶体のための圧縮可能な端部区域部材、又は
・囲繞容器体に付加された部品、典型的にはアルミニウム製のハニカム材料からなるワッシャー、又は
・囲繞容器体の変形可能な部分、又は
・一体成形されたハニカム状体又は半径方向リブの組合せ、又は
・囲繞容器体の変形可能な部分に剛性ディスク又はワッシャーが押し込まれてなるもの、又は
・缶体を囲むスリーブであり、その場合、スリーブが囲繞容器体の一部であって、それに缶体が締り嵌めで嵌合されてもよく、或いはスリーブが、囲繞容器体から缶体へと内側方向に放射状に延びる一連のリブであってもよく、又は
・缶体と缶体を囲む囲繞容器体のスリーブとの間に介在する接着剤である。
【0017】
囲繞容器体は、骨格構造であってもよいが、通常、缶体における流れ口と反対側の端部において及び缶体側部に沿っては穴が開いていない。
【0018】
本発明に係る別の局面によれば、本発明に係る第一の局面におけるエアゾール供給源と囲繞容器体との組合せ結合における調節方法が提供される。即ち、前記調節方法は、
・供給源における流れ口末端から他端に至る全長を測定するステップと、
・調節可能な区域部材を、エアゾール缶体が囲繞容器体内に組み込まれた時に、分配機構位置決め形体に対して流れ口の所定位置を与えるように調節するステップとから構成される。
【0019】
調節可能な区域部材が囲繞容器体内における缶体のための圧縮可能な端部区域部材である場合には、
・測定ステップが、供給源の長さの測定からなり、
・調節ステップが、圧縮可能な端部区域部材を、基準寸法から供給源の長さを差し引いた寸法に調節することからなり、該基準寸法が、圧縮可能な端部区域部材の支持体と分配機構位置決め形体との距離及び分配機構位置決め形体から流れ口端部までの固定された使用寸法である。
【0020】
供給源の全長が測定され得るとしても、測定ステップは、供給源の端部位置を分配機構の本体における基準点に対して測定することにより、供給源の長さを間接的に測定することからなっていてもよく、その場合、供給源及び流れ口を接続部材の方向に端部の浮きなしに保持した状態で、区域部材が、分配機構位置決め形体に対する供給源の決められた端部位置を与えるように調節される。
【0021】
調節可能な区域部材は種々の手段により、例えば、
・機械加工により、又は
・供給源の服用分放出力より高い所定値に制御された力、この場合、好ましくは実質的に服用分放出力の2倍の圧潰力で押し潰すことにより、又は
・調節可能な区域部材の一部分を調節位置に付勢すると共にその他の部分を締り嵌めで嵌合させることにより、又は
・調節可能な区域部材の塑性変形により調節されることができる。
【0022】
調節可能な区域部材は、缶体側部との囲繞容器体におけるスリーブの締り嵌めによる嵌合であってもよく、その場合、
・測定ステップが、供給源の長さの測定からなり、
・調節ステップが、囲繞容器体内における缶体の長さ方向の位置を、分配機構位置決め形体から流れ口端部までの固定された使用寸法に調節することからなり、その場合に缶体はスリーブと缶体との間の干渉により所定位置に保留される。
【0023】
それに代替するものとして、調節可能な区域部材は、缶体とそれを囲む囲繞容器体のスリーブとの間に介在する接着剤を含んでいてもよく、その場合に、
・測定ステップが、供給源の長さの測定からなり、
・調節ステップが、囲繞容器体内における缶体の長さ方向の位置を、分配機構位置決め形体から流れ口端部までの固定された使用寸法に調節し、接着剤を硬化させるように設定/許容することからなり、その場合に缶体はスリーブと缶体との間の接着剤により所定位置に保留される。
【0024】
さらに、測定ステップは、服用分放出機構を供給源からの服用分の放出のために流れ口を移動させると共に、供給源をそのような放出のために接続部材の方向に付勢した状態で実施されてもよく、その場合に調節ステップにおいて接続部材及び流れ口のストロークが相殺される。
【0025】
前記の代替案として、測定ステップは、流れ口を供給源に対して静止位置に保持した状態で実施されてもよく、その場合に接続部材及び服用分放出機構は服用分の放出のために移動させられる起点である通常の静止位置にある。
【0026】
好ましくは、区域部材は、缶体が無視し得る端部の浮きをもって支持されるような状態に調節される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】「私の第一製品の呼吸作動式屈曲バルブ型投与装置」に類似するが、本発明によって改良された投与装置の側部断面図であり、該投与装置は静止状態で示されている。
【図2】図1の投与装置の前記に類似する断面図であり、該投与装置は服用分をまさに放出した状態にある。
【図3】図1に対応する投与装置における供給源の長さ測定を示す平坦側面図であり、該投与装置の本体に閉鎖スリーブは付設されていない。
【図4】調節可能な隣接区域部材の側面図であり、該隣接区域部材は長さ方向への圧縮前の状態にある。
【図5】閉鎖スリーブの側部断面図であり、該閉鎖スリーブの区域部材は供給源の長さに合わせるように厚さ方向に圧縮されている。
【図6】閉鎖スリーブの端面図であり、圧縮された区域部材を示している。
【図7】投与装置の図3に類似する側面図であり、該投与装置の本体に閉鎖スリーブが溶接されている。
【図8】図7における周囲VIII部分の部分断面図である。
【図9】代替する区域部材の図5に類似する側部断面図である。
【図10】本発明に係る、供給源のスリーブ内に収容された放出機構と調節された区域部材の略図である。
【図11】本発明に係る、別の類似放出機構と調節された区域部材の図10に類似する略図である。
【図12】本発明を用いた他の投与装置の側部断面図である。
【図13】本発明に係る他の調節された区域部材の部分断面図である。
【図14】本発明に係る調節された区域部材の更なる部分断面図である。
【図15】図14におけるXV−XV線で示されるスリーブ及び供給源を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の理解に資するために、その実施態様を、実施例により、添付図面に照らして以下に説明する。
【0029】
図1〜8を先ず参照すると、吸入薬剤投与装置1は、マウスピース3を備えたプラスチック材料製の本体2を有している。圧縮され、計量された服用分が入った吸入供給源4は、アルミニウム製の缶体5及び流れ口6を有し、該流れ口は、缶体からの小分け分又は服用分の放出のために缶体の方向に移動させられる。流れ口は、接続部材7内に収容され、該接続部材は、マウスピースの枢着されたカバー9に連結されたカム機構8により移動させられる。カバーの開放により、呼吸作動可能な屈曲バルブ10及び呼吸作動フラップ12の動作が使用に向けて準備させられ、前記屈曲バルブに設けられたノズル11を介して吸入薬剤が放出される。また、カバーの開放により、服用分を屈曲バルブ内に分配するために接続部材が上昇し、続く息の吸い込み動作により、服用分が吸入のために放出させられる。
【0030】
この作用は、No.2,381,461の番号で公開された、「私の第一製品の呼吸作動式屈曲バルブ型投与装置」に関する本出願人の英国特許出願においてより詳細に記載されている。
【0031】
前記投与装置においては、供給源は、折り目部13において本体内にピン固定されている。しかしながら、この供給源の缶は、許容差の蓄積において信頼性の問題を引き起こすことがある。一体化の特徴は、これらの問題の解決に向けられている。
【0032】
本発明に係る投与装置においては、接続部材が缶体の方向に移動させられる時に缶体の端部21を支持するために閉鎖スリーブ20が配備されている。缶体の端部21と閉鎖スリーブの端部22との間には、調節可能な隣接支持部材23が配備されている。閉鎖スリーブは、その開口部における分配機構の位置決め段差24を、分配機構の本体2における供給源差込口26の端面25と接触させることにより、本体上に配置されている。閉鎖スリーブは、そのスカート27において、供給源差込口26、即ち本体2に、該供給源差込口26の端部28の位置でレーザー溶接Lされている。この配置により、閉鎖スリーブは本体に良好な許容寸法で位置決めされることになる。従って、接続部材7における穴29の底部と、閉鎖スリーブの端部22の支持表面30との間隔Dは、接続部材が図1に示される静止位置にある場合でも、それ以後の図2に示される服用量分配位置にある場合でも厳密に予測可能である。
【0033】
しかしながら、供給源の圧縮されたエラストマー部材(図示されない)及び圧締め折り目部13のために、流れ口の遠端からそれと反対側の缶体の端部21に至る供給源の全長は、同程度の確度での予測は不可能である。従って、信頼に足る操作が、十分な確度で予測されることはできない。
【0034】
本発明によれば、隣接支持部材又は端部区域部材23が、カム機構8の作動時にバルブを開放するために、供給源がその正確な位置に支持されることを規定するように寸法形成される。
【0035】
この寸法形成は、以下の二段階の操作から構成される。即ち、
1.缶体の端部21から供給源差込口26の端面25までの寸法が測定される。この測定は、図3において矢印I及びIIで示され、これらは基準点からの二つの実際の測定を示し、所要の測定値は実際の測定値の差となる。この測定操作は、当業者に知られた従来公知の手段で行われることができ、またそれは生産ラインで光学的に行われることも可能である。
2.缶体の有効長さに関して、実際の長さは、有効長さに、流れ口の端部が配置される端面25以下の距離を加えた値として予測され得るものであるが、区域部材23の所要長さは、閉鎖スリーブの長さを考慮することで計算されることができる。図5に示されるように、区域部材が所要長さに圧縮される。区域部材自体は、所要寸法に容易に圧縮され得るが、分配機構の操作において缶体が該区域部材に対して付勢されるときに該区域部材に及ぼされる力には抵抗し得る壁厚さのアルミニウム製ハニカムからなるディスクである。注意すべきは、前記圧縮が可塑的であり、永久的であることである。圧縮は、ディスク32を閉鎖スリーブ内の本来の位置において端面30に対向させた状態で、プランジャー33により行われる。プランジャーがスカート27の段差の深さと同じ厚さであることが至便であり、それによって、ディスクの表面圧縮された区域部材の表面34から段差24までの閉鎖スリーブの有効深さが、スカートの端部35までのプランジャーの頂部36の寸法と同じになる。
【0036】
隣接支持部材の寸法形成の後、閉鎖スリーブは、段差を本体の端面に接合させて、本体に供給源の上から組み込まれる。その後、スカートが本体にレーザー溶接される。その結果として、供給源は、カバーの開放によるカム機構の作動時に流れ口を内部方向に変位させるために厳密に堅固に支持されることになる。
【0037】
供給源が永続的に僅かな圧縮を受ける可能性を回避するために、隣接支持部材は、カム機構の初期の運動時に小さいが限定されたロストモーションを許容するように、少し余分に圧縮されてもよい。
【0038】
ここで図9を参照すると、スリーブ20に類似するスリーブ120内に、前記に代替する隣接支持部材が示されている。それは、プラスチック材料の射出成形品から形成されている。前記スリーブの端部122の内側において、それは、多数の薄い放射状リブ151を端部122の内側における半径方向外側部分の周囲に配置させている。それらのリブは、可塑的に変形可能である。それらは圧縮されることができ、供給源のためにそれら自体で直接調節された区域部材を形成する。それに替わって、金属又プラスチック材料製の固体ディスク152が、供給源の端部に対して実際の隣接支持部材又は区域部材表面を与えるように使用されてもよい。
【0039】
図10及び11の各々は、カム作動式の供給源運動機構251、351を略図的に示し、各々、ハニカム式圧縮性隣接支持部材223、323の上方及び下方に補強ディスク252、352を備えている。図10においては、スリーブ220に運動機構251が結合され、該運動機構は、ディスク252上において供給源を投与装置の接続部材(図示されない)の方向に駆動するように作用し、この例の場合、前記接続部材はスリーブ及び投与装置の本体に対して固定されている。隣接支持部材223は、区域部材23に対する前記のような方法と同様の方法で寸法形成される。図11においては、隣接支持部材323が囲繞容器体の端部322の内側に対して直接作用し、運動機構351の固定部360が補強ディスク352に作用する。可動部361、即ち図示されたようなカムは、供給源に直接作用する。
【0040】
図12に転じると、投与装置401が示されているが、これは呼吸作動するものではない。前記投与装置は、接続部材407を本体402内に固定させている。その供給源404は、缶体405及び一対の同心スリーブ475、476を有し、それらは、ラチェット機構477によって配列され、表示器478を外側スリーブ内のスロット479に沿って駆動すると共に分配された服用分及び分配されるべき残りの服用分の回数を表示する。ラチェット機構は複雑な装置であり、その信頼に足る動作は、供給源が厳密でない許容差で組み立てられることにより不都合な影響を受ける。区域部材423は、前記実施態様における方法に類似する方法で寸法形成され、缶体405と、外側スリーブ475の端部422の間に配備されている。前記区域部材の寸法形成により、ラチェット機構の相補的部分は信頼に足る動作を求めて正確に相互に噛合する。
【0041】
注意すべきは、本発明の目的のために、服用分の回数を計数するこの計数器は、用語「分配機構」、即ち服用分の分配時に作動させられる投与装置における機構に包含される。
【0042】
ここで図13に示される投与装置に転じると、それは、図1の投与装置との実質的な類似性を有し、その供給源の端部のみが断面図で図示されている。その調節可能な区域部材523は、供給源504の位置決めにおいて、スリーブ520と缶体との間に与えられた接着剤551により補強されている。接着剤の使用により、供給源内のバルブのスプリングが仮に許容範囲外にあるとしても、区域部材の強度に蓄え分があり、圧潰可能な区域部材は故意でなければそれ以上圧潰しないことになる。接着剤551は、供給源をスリーブ520内に位置決め形体524、525において固定することに加えて、スリーブを本体502に固定するような手段で適用されてもよい。
【0043】
さらに図14及び15に転じると、スリーブ620はその長さに沿って内部リブ6201を有し、それらは供給源604と締り嵌めで嵌合するものである。スカート627及び本体602の端部628は、個々の相補的な構成体6271、6281を有し、それらは、スリーブが本体に適合されるときに互いに噛合する。供給源が、スリーブの端部と流れ口の端部との間に所要寸法を与えるように、スリーブ内に押圧される。前記締り嵌め嵌合は、供給源を使用位置に保持する程度とされる。この実施態様は、供給源の完全に機械的な区域部材と、本体へのスリーブの結合を使用する利点がある。
【0044】
概して、射出成形部材である本体、囲繞スリーブ、服用分分配機構の接続部材とその他の部分の寸法における許容差が供給源のそれよりも著しく厳密であり、該供給源のバルブは金属製の折り目部で一体に保持されたエラスチック部材を含んでいることに注意すべきである。従って、供給源の長さを測定し、区域部材を射出成形部材のこの長さ及び呼び寸法に調節することは、信頼に足る操作のために供給源に支持を与えることができる。供給源の長さは、供給源及び流れ口を接続部材の方向に緩みなしに保持させた状態で、本体における基準点に対する供給源の端部の位置を測定することにより間接的に測定される。その後、スリーブ上の他の基準点と比較して、支持された時の供給源の所定位置を与えるように、区域部材が調節されることができる。
【0045】
前記実施態様において、流れ口を供給源からの服用分の放出のために移動させるための状態に服用分分配機構を保持し、供給源をこのような放出のために接続部材の方向に付勢して測定が行われることは可能であり、その場合に調節ステップにおいて接続部材と流れ口のストロークが相殺されるが、他方、流れ口を供給源に対して静止位置に保持して測定が行われ、接続部材及び服用分放出機構は服用分の放出のために移動させられる起点である通常の静止位置にある。
【0046】
隣接支持部材は機械加工により調節されてもよいと考えられるが、しかしながら、圧潰可能な区域部材を有する好ましい実施態様では、圧潰は供給源の服用分放出力より高い所定値に制御された力、即ちエアゾールバルブのスプリングに打ち勝つに要する力で行われる。典型的には、放出力が40Nである場合に、圧潰力は約80N又はそれ以上となる。
【符号の説明】
【0047】
1 薬剤投与装置
2 本体
3 マウスピース
4 供給源
5 缶体
6 流れ口
7 接続部材
8 カム機構
10 屈曲バルブ
11 ノズル
12 フラップ
20 スリーブ
21 缶体の端部
22 スリーブの端部
23 隣接支持部材



【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアゾール供給源と囲繞容器体との組合せ結合からなる囲繞エアゾール供給源結合体であって、
・前記エアゾール供給源が、
・缶体と、
・缶体の一端に設けられ、物質の放出のために缶体の内側方向に移動可能とされた流れ口と、
・流れ口を、内側方向への放出運動には負かされるように要請された力で缶体の外側方向に付勢するスプリングと、
・スプリングに抗する流れ口の長さ方向の運動時に缶体から物質を放出させるためのバルブとを有し、
・前記囲繞容器体が、
・所定位置における少なくとも一つの分配機構位置決め形体と、
・缶体のための調節可能な区域部材であって、エアゾール缶体が囲繞容器体内に組み込まれた時に分配機構位置決め形体に対して囲繞容器体内における供給源の調節位置と流れ口の所定位置を与えるように永久的に調節された区域部材を有し、
流れ口を、分配機構位置決め形体に対する所定ストロークにわたってスプリングに抗して運動させる時に、物質が放出されることが予測可能であるように構成されたことを特徴とする囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項2】
分配機構位置決め形体が結合体に含まれる分配機構の本体に対する囲繞容器体の接合形体であり、該本体が、
・物質の吸入/吹込みのためのマウスピースと、
・流れ口を受けるための可動接続部材と、
・接続部材を移動させて物質服用分を受容するように準備され、物質服用分を放出する吸入により起動させられ得る服用分放出機構と、
・囲繞容器体の接合形体に隣接する接合形体とからなり、
二つの接合形体が互いに連結された、請求項1に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項3】
・囲繞容器体が缶体を接続部材の方向に移動させる機構を含み、該機構と缶体の間、又は該機構と囲繞容器体との間に調節可能な区域部材が配置され、そして、
・分配機構位置決め形体が分配機構の本体に対する囲繞容器体の接合形体であり、該本体が、
・物質の吸入/吹込みのためのマウスピースと、
・流れ口を受けるための可動接続部材と、
・囲繞容器体の接合形体に隣接する接合形体とを含み、
二つの接合形体が互いに連結された、請求項1に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項4】
二つの接合形体が、
・相補的形体の噛合、
・溶接接合又は
・接着接合
の何れかにより互いに連結された、請求項2又は3に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項5】
分配機構位置決め形体がエアゾール作動の計数に係る計数作動形体であり、囲繞容器体が、
・計数作動形体を有する外側スリーブと、
・外側スリーブの内側で缶体の外側にある内側スリーブと、
・外側スリーブの計数作動形体と相補的な内側スリーブ上の内側計数作動形体であって、それらの計数作動形体が両スリーブをエアゾール作動と連動させるように適合された内側計数作動形体と、
・エアゾール作動の計数器として指標化を表示する手段を含む、請求項1に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項6】
調節可能な区域部材が囲繞容器体内における缶体のための圧縮可能な端部区域部材である、先行する何れかの請求項に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項7】
調節可能な区域部材が囲繞容器体に付加された部品である、請求項6に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項8】
付加された部品がアルミニウム製のハニカム材料からなるワッシャーである、請求項7に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項9】
調節可能な区域部材が囲繞容器体の変形可能な部分である、請求項6に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項10】
変形可能な部分が一体成形されたハニカム状体又は半径方向リブの組合せである、請求項9に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項11】
調節可能な区域部材が囲繞容器体の変形可能な部分に押し込まれた剛性ディスク又はワッシャーを含む、請求項9又は10に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項12】
調節可能な区域部材が缶体を囲むスリーブである、請求項1〜5の何れかに記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項13】
スリーブが囲繞容器体の一部であって、それに缶体が締り嵌めで嵌合された、請求項12に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項14】
スリーブが囲繞容器体から缶体へと内側方向に放射状に延びる一連のリブである、請求項12に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項15】
調節可能な区域部材が缶体と缶体を囲む囲繞容器体のスリーブとの間に介在する接着剤を含む、請求項12に記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項16】
囲繞容器体が、缶体における流れ口と反対側の端部において及び缶体側部に沿っては穴が開いていないようにした、請求項1〜15の何れかに記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項17】
囲繞容器体が骨格構造である、請求項1〜15の何れかに記載の囲繞エアゾール供給源結合体。
【請求項18】
請求項1に記載の結合囲繞エアゾール供給源結合体を形成するエアゾール供給源と囲繞容器体との組合せ結合における調節方法であって、
・供給源における流れ口末端から他端に至る全長を測定するステップと、
・調節可能な区域部材を、エアゾール缶体が囲繞容器体内に組み込まれた時に、分配機構位置決め形体に対して流れ口の所定位置を与えるように調節するステップとからなる調節方法。
【請求項19】
調節可能な区域部材が囲繞容器体内における缶体のための圧縮可能な端部区域部材であり、その場合に、
・測定ステップが、供給源の長さの測定からなり、
・調節ステップが、圧縮可能な端部区域部材を、基準寸法から供給源の長さを差し引いた寸法に調節することからなり、該基準寸法が、圧縮可能な端部区域部材の支持体と分配機構位置決め形体との距離及び分配機構位置決め形体から流れ口端部までの固定された使用寸法である、請求項18に記載の調節方法。
【請求項20】
測定ステップが、供給源の端部位置を本体における基準点に対して測定することにより、供給源の長さを間接的に測定することからなり、その場合、供給源及び流れ口を接続部材の方向に端部の浮きなしに保持した状態で、区域部材が、分配機構位置決め形体に対する供給源の決められた端部位置を与えるように調節されるようにした、請求項2に従属する請求項18に記載の調節方法。
【請求項21】
調節可能な区域部材が機械加工により調節される、請求項18〜20の何れかに記載の調節方法。
【請求項22】
調節可能な区域部材が、供給源の服用分放出力より高い所定値に制御された圧潰力で押し潰すことにより調節される、請求項18〜20の何れかに記載の調節方法。
【請求項23】
圧潰力が実質的に服用分放出力の2倍である、請求項22に記載の調節方法。
【請求項24】
調節可能な区域部材が、該調節可能な区域部材の一部分を調節位置に付勢すると共にその他の部分を締り嵌めで嵌合させることにより、請求項10〜14の何れかに記載の調節方法。
【請求項25】
調節可能な区域部材が、該調節可能な区域部材の塑性変形により調節される、請求項10〜14の何れかに記載の調節方法。
【請求項26】
調節可能な区域部材が缶体側部との囲繞容器体におけるスリーブの締り嵌めによる嵌合であり、その場合に、
・測定ステップが、供給源の長さの測定からなり、
・調節ステップが、囲繞容器体内における缶体の長さ方向の位置を、分配機構位置決め形体から流れ口端部までの固定された使用寸法に調節することからなり、缶体がスリーブと缶体との間の干渉により所定位置に保留されるようにした、請求項18に記載の調節方法。
【請求項27】
調節可能な区域部材が、缶体とそれを囲む囲繞容器体のスリーブとの間に介在する接着剤を含み、その場合に、
・測定ステップが、供給源の長さの測定からなり、
・調節ステップが、囲繞容器体内における缶体の長さ方向の位置を、分配機構位置決め形体から流れ口端部までの固定された使用寸法に調節し、接着剤を硬化させるように設定/許容することからなり、缶体がスリーブと缶体との間の接着剤により所定位置に保留されるようにした、請求項18に記載の調節方法。
【請求項28】
測定ステップが、服用分放出機構を供給源からの服用分の放出のために流れ口を移動させると共に、供給源をそのような放出のために接続部材の方向に付勢するように準備され、その場合に調節ステップにおいて接続部材及び流れ口のストロークが相殺される、請求項2に従属する請求項17〜27の何れかに記載の調節方法。
【請求項29】
測定ステップが、流れ口を供給源に対して静止位置に保持した状態で実施され、接続部材及び服用分放出機構が服用分の放出のために移動させられる起点である通常の静止位置にあるようにした、請求項2に従属する請求項17〜27の何れかに記載の調節方法。
【請求項30】
調節可能な区域部材が、缶体が無視し得る端部の浮きをもって支持されるような状態にある、請求項17〜29の何れかに記載の調節方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−52255(P2013−52255A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−253719(P2012−253719)
【出願日】平成24年11月19日(2012.11.19)
【分割の表示】特願2008−529694(P2008−529694)の分割
【原出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(504356513)クリニカル・デザインズ・リミテッド (5)