薬液供給装置
【課題】薬液容器から外部へ薬液をスムーズに排出することができる薬液供給装置を提供する。
【解決手段】本発明は、水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、薬液排出機構は、支持部材側に向けて開口し、薬液を排出する流出路を有し、流出路の内壁面の少なくとも一部には、当該流出路の下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有している。
【解決手段】本発明は、水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、薬液排出機構は、支持部材側に向けて開口し、薬液を排出する流出路を有し、流出路の内壁面の少なくとも一部には、当該流出路の下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器のリムに取り付けられ、便器を洗浄する薬液を供給する薬液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器を洗浄したり、芳香効果を得るための薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、タンク上部の手洗い部に配置される薬液供給装置が提案されており、この装置は、手洗い部に供給される水とともに、貯水タンク内に薬液を供給するように構成されている。
【0003】
一方、タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も販売されており、これに対しては、便器のリムに直接取り付ける薬液供給装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けられるように薬液容器を設け、その下方に薬液を受けるプレートを取り付けている。そして、薬液容器から排出孔を介してプレート上に供給される薬液を、流水によってさらうことで、便器の内壁面に薬液を供給している。これによって、便器が洗浄されるとともに、薬液に含まれる芳香剤により、芳香効果も得ることができる。
【特許文献1】特表2003−517124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような薬液供給装置は、便器のリムの内側に取り付けられるため、できるだけ小さいものが好ましい。それに合わせて、薬液容器も小さくなるのであるが、そうすると、薬液が一度に排出されにくくするため、粘度の高いものを用いるのが一般的である。ところが、粘度の高い薬液は、液詰まりが生じたり、排出されがたいという問題がある。特に、寒い時期には、薬液がさらに高粘度化する可能性がある。また、リムの内側に取り付けるタイプの装置は、便器の形状によっては意図した角度で取り付けることができない場合があり、流水によって薬液をさらい難いことがある。そのため、流水がどのような角度で流れても薬液をさらうことができるよう、薬液は薬液容器から外部へできるだけ排出しておくことが好ましい。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液容器から外部へ薬液をスムーズに排出することができる薬液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、前記薬液排出機構は、前記支持部材側に向けて開口し、薬液を排出する流出路を有し、前記流出路の内壁面の少なくとも一部に当該流出路の下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有している。
【0007】
この構成によれば、薬液を支持部材に向けて供給する流出路の内壁面に、下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面が形成されている。つまり、流出路から排出される薬液の流路が広がるため、薬液が受ける抵抗が小さくなり、薬液が排出されやすくなる。また、薬液の流路が徐々に広がるので、表面張力の作用が弱まり、これによっても薬液が排出されやすくなる。そのため、薬液が流出孔の周縁に留まることがなく、支持部材上へ薬液をスムーズに供給することができる。なお、テーパ面は、流出路の内壁面の軸周りの少なくとも一部に形成されていればよい。また、薬液の排出方向の少なくとも一部にテーパ面を形成することもできる。
【0008】
なお、本発明でいう「流出路」とは、薬液が外部に排出されるまでの通路を指し、薬液が排出される流出孔を形成した場合には、この流出孔に通じる通路が流出路であり、後述するように、流出孔の開口周縁に周壁を設けた場合には、この周壁の下流側の端部までが流出路となる。
【0009】
また、上記のように、テーパ面は、流出路の排出方向の一部に形成されていてもよいが、流出路の最下流の端部で抵抗が最も小さくなるように、少なくとも流出路の開口周縁から当該流出路の上流側に向かって形成されていることが好ましい。また、「テーパ面」とは、必ずしも平滑な面でなくてもよく、表面に凹凸があったとしても全体として下方に行くにしたがって内径が大きくなるように裾広がりに形成されていればよい。
【0010】
上記流出路は、種々の構成が可能であるが、例えば、薬液排出機構から薬液を排出する流出孔と、当該流出孔に連続し、その少なくとも一部を囲む周壁とで構成することができる。
【0011】
このとき、周壁は、少なくとも前記リム側とは反対側に設けることができる。この構成によれば、薬液を排出する流出孔の周縁において、リム側とは反対側に周壁を設けているため、装置が傾いて配置された場合であっても、周壁によって、薬液がリム側とは反対側に流れるのを防止することができる。これにより、薬液はリム側に流れやすくなり、支持部材上に薬液を適切に供給することができる。
【0012】
ここで、周壁が、さらにリム側に設けられた場合、この周壁に連続し、流出路から排出された薬液が供給され、支持部材側に突出するとともに、支持部材の面方向に延びる少なくとも一つの突条部をさらに設けることができる。この構成によれば、流出孔から排出された薬液が、周壁を介して支持部材の面方向へ延びる少なくとも一つの突条部に供給されるように構成されているため、薬液は突条部を伝って、支持部材の面方向に広がっていく。したがって、簡易な構造で薬液を確実に広範囲に行き渡らせることができる。また、突条部には複数の溝を形成することができる。突条部に溝を形成すると、薬液が突条部に保持されやすくなり、より多くの薬液を支持部材側へ供給することができる。ここで、溝の向きは、種々の方向にすることができるが、例えば、下方に向かうように形成することができる。ここでいう「下方」とは、例えば、鉛直下向き、またはリム側に向かって斜め下方に延びる向きをいう。これにより、薬液の下向きの流れが加速され、支持部材側へ薬液を多く供給することができる。また、このような溝は、流出路の内壁面の少なくとも一部に設けることができる。例えば、流出孔や周壁の内壁面に設けることができる。このとき、テーパ面にのみ溝を設けるなど、溝を設ける位置は任意である。
【0013】
なお、突条部は、周壁と連続させるのではなく、流出路から排出された薬液が供給されるように、流出路の近傍に直接設けることもできる。
【0014】
また、支持部材において、リム側に向かう薬液の流通経路の一部に、薬液の流通を規制する規制壁を設けることができる。これにより、リム側に向かう薬液の流路が規制されるため、薬液が過剰に流れ出すのを防止することができる。その結果、薬液が早期に使い切られるのを防止することができる。
【0015】
また、薬液排出機構に、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、を設けることができる。
【0016】
この構成によれば、薬液容器から支持部材に至る薬液の経路に、下方へ延びる案内路及び略水平に延びる延長路を設けている。そのため、支持部材上に流れ込んだ流水は、その上方の流出孔に入った後、水平に延びる延長路を通過し、さらに上方に延びる案内路を経なければ、薬液容器には到達しない。したがって、支持部材から薬液容器へ至る上向きの経路の中に、水平に延びる経路を配置しているので、水が進入しにくくなり、その結果、薬液容器内への流水の進入を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る薬液供給装置によれば、薬液容器から外部へ薬液をスムーズに排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る薬液供給装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る薬液供給装置の斜視図、図2は図1の断面図、図3は図2のA−A線における図1の断面図、図4は図1の平面図、図5は図1の分解斜視図である。
【0019】
この薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けて使用されるものであり、図1〜図5に示すように、薬液が収容された薬液容器1と、これを下方から支持する装置本体2と、装置をリムに吊り掛けるための吊掛部材3とを有している。また、装置本体2の内部には、薬液容器1から流れ出た薬液を装置本体2の底面へと供給する薬液排出機構4が配置されている。以下、上述した各部材をさらに詳細に説明する。
【0020】
図5に示すように、薬液容器1は、透明のドーム状に形成され、下面に排出口11を有している。そして、この排出口11には、キャップ13が取り付けられている。このキャップ13は、環状の本体部131と、その中央の穴を塞ぐ薄膜部132とで構成されており、使用に際しては、薄膜部132を破断させて薬液を排出させる。
【0021】
図4及び図5に示すように、装置本体2は、底面を構成する支持プレート(支持部材)21と、その周囲を囲む壁体22とを有している。支持プレート21は、平面視略矩形状の基部211と、その一辺に揺動自在に連結された可動部212とで構成されており、可動部212が設けられている辺以外の3辺に、上述した壁体22がコ字状に設けられている。したがって、装置本体2は、一辺の壁が切り欠かれて開放するカップ状に形成されており、この開放部分23から基部211の一部及び可動部212が突出するように構成されている。そして、後述するように、この開放部分23から装置本体2内に流水が流れ込むようになっている。
【0022】
また、基部211の中央には、上方へ延びる支柱24が取り付けられており、この支柱24と後述するカバー部材411との間の空間に、吊掛部材3が上下動可能に取り付けられている。吊掛部材3は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図1のように折り畳まれている。また、吊掛部材3は、上下動可能に構成されているため、装置とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器1及び装置本体2の高さを調整することができる。
【0023】
次に、支持プレート21についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態の支持プレート21においては、基部211と可動部212とが樹脂などで一体的に形成されており、基部211が可動部212側に向かって約6度で下方に傾斜している。これにより、後述するように、排出された薬液がリム側へ流れやすいようにしている。基部211の傾斜角度αは、これ以外に設定することも可能であり、例えば、0〜45度にすることができ、3〜30度であることが好ましい。
【0024】
そして、支持プレート21の裏面には、基部211と可動部212との境界線に沿って溝213が形成されている。したがって、この溝213によって基部211と可動部212との境界が薄膜状になるため、可動部212が基部211に対して揺動可能となっている。また、溝213は支持プレート21の裏面に形成されているため、可動部212を下方に傾斜させようとすると、溝213において対向する側壁面同士が当接し、これによって下方への傾斜が規制される(図2(a))。一方、上方への傾斜も可能であり、力を付与すれば、可動部212を上方へ揺動させることができる。但し、上方への傾斜も次のように規制されている。図1及び図2に示すように、基部211の両側には、略矩形状の側板214が取り付けられており、この側板214において、可動部212側を向く垂直に延びる端面が、可動部212と当接可能となっている。すなわち、可動部212を、傾斜角βが90度以上に傾斜させようとすると、側板214の端面と可動部212とが接触し、可動部212がそれ以上傾斜しないようになっている(図2(b))。なお、初期状態では、可動部212は基部211に対して、約30°の傾斜角度βで上方に傾斜しており、この状態から境界部分の弾性変形によって、基部211に対し約0〜90°程度の範囲で傾斜が可能となっている。以上のように構成された装置本体2には、基部211の周縁、壁体22に複数の流水孔25が形成されており、開放部分23から流入した流水がこれら流水孔25を介して、装置本体2から排出されるようになっている(図1及び図5参照)。
【0025】
続いて、薬液排出機構4について説明する。図2〜図5に示すように、薬液排出機構4は、薬液容器1と支持プレート21との間に配置されており、上側に配置される上部材41と、下側に配置される下部材42とで構成されている。上部材41は、平面視楕円型の筒状に形成されており、下方が開放している。一方、下部材42は、平面視楕円状の板状部421と、その周囲に上下方向に延びるように形成された低い壁部材423とで構成されており、上部材41の下部開口を塞ぐように配置される。そして、上部材41と下部材42とが組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間43が形成される。以下、上部材41及び下部材42についてさらに詳細に説明する。
【0026】
図2及び図5に示すように、上部材41の側面には、上方に延びるレール状のカバー部材411が取り付けられており、このカバー部材411は、上述した通り、支柱24に当接し、吊掛部材3を収容する空間を形成する。また、上部材41の上面中央部には、先端が斜めに切りかかれて鋭利な円筒状の連通管412が設けられるとともに、上面の端部には合計4つの空気流出孔413が形成されている。連通管412は、上述した薬液容器1のキャップ13に突き刺され、薄膜部132を破断させる役割を果たす。また、連通管412の周縁には、環状の溝417が形成されており、この溝413にキャップ13の本体部131が嵌るようになっている。一方、図2に示すように、連通管412の内部底面には、下部材42側へ延びる円筒状の固定管414と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔415とが形成されている。そして、これら薬液連通孔415と、上述した空気流出孔413とは、緩衝空間43と連通している。
【0027】
続いて、下部材42について図6及び図7も合わせて説明する。図6は下部材の下面からの見た斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)、及び底面図(d)、図7は下部材の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。まず、図5に示すように、下部材42の中央には、上部材41の固定管414に嵌合する円筒状の案内管424と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁425とが設けられている。そして、案内管424と固定壁425との間の隙間には、上述した固定管414が嵌るようになっている。案内管424の上部開口は、斜めに切り取られた形状となっており、その開口の低い側から案内管424の外周面に沿って上下方向に延びる案内溝426が形成されている。ここで、図6及び図7に示すように、案内管424は固定管414の内部に嵌っているため、固定管414の内壁面と、案内溝426とで薬液の通路(案内路)が形成される。また、案内管424と固定壁425との隙間の底面と、固定管414の下端部との隙間にも薬液が通過する空間、つまり延長路427が形成される。より詳細に説明すると、上記隙間の底面においては、案内溝426の両側の各約90度が薬液の延長路427を構成するとともに、案内溝426とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔428が形成されている。そして、延長路427を通過した薬液が流出孔428から支持プレート21側へ流れ出るようになっている。なお、各延長路427の容積は、0.05〜0.3mm3であることが好ましく、0.07〜0.15mm3であることがさらに好ましい。また、延長路427の断面積は、0.02〜0.1mm2であることが好ましく、0.03〜0.05mm2であることがさらに好ましい。
【0028】
図6に示すように、下部材42における壁部材423の下端の両端には、一対の脚部429が取り付けられており、この脚部429によって下部材42の下面と、支持プレート21との間に空間が形成される。この空間が後述するように、薬液及び流水の通路となる。また、下部材42の下面には、上述した流出孔428の両端を結ぶ第1周壁431と、この第1周壁431の両端から延びる一対の突条部432とが形成されている。そして、各突条部432は、互いに離間するように、可動部212側へ斜め方向に延びるとともに、図6(c)に示すように、先端にいくにしたがって、下部材42下面からの突出高さが大きくなっている。すなわち、図2に示すように、各突条部432は、先端にいくにしたがって、支持プレート21との隙間が小さくなっていき、最も先端では、支持プレート21と接触している。そして、この突条部432には、図6(a)に示すように、下向きに延びる複数の溝が形成されている。また、流出孔428を挟んで第1周壁431とは反対側には円弧状の第2周壁435が設けられている。そして、図2に示すように、流出孔428の前後を挟む第1周壁431及び第2周壁435の内壁面は、裾広がりのテーパ状に形成されている。
【0029】
次に、上記のように構成された薬液供給装置の使用方法について図8も参照しつつ説明する。図8は薬液供給装置の取り付け状態を示す側面図である。まず、薬液容器1を上部材41上に配置する。これにより、薬液容器1のキャップ13に連通管412が突き刺さり、薬液容器1が固定される。続いて、この装置を便器のリムに取り付ける際には、吊掛部材3を、支柱24から引き出して高さを調整しつつ、図1の状態からコ字状に押し広げる。そして、図8(a)に示すように、リムRを挟むように配置する。このとき、可動部212は、便器の内壁面に当接するのであるが、基部211に対して揺動可能となっているため、基部211と便器内壁面Sとの距離に応じて、傾斜する。すなわち、図8(a)に示すように基部211と便器内壁面Sとの距離が小さい場合、可動部212は、便器内壁面Sに押しつけられながら、大きく傾斜し、便器内壁面Sとの隙間を埋める。一方、距離が大きい場合には、図8(b)に示すように、傾斜角βは小さくなるが、いずれの場合でも、基部211と便器内壁面Sとの隙間は埋められる。その結果、基部211に流れ出た薬液を効率よくさらって、便器へ流すことができるため、便器の形状にかかわらず、優れた洗浄効果を得ることができる。
【0030】
続いて、薬液の流れについて説明する。連通管412によりキャップ13の薄膜部132が破断されると、薬液は、薬液容器1から薬液排出機構4へと流れ出て、一部は連通管412及び薬液連通孔415を介して緩衝空間43内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図6及び図7に示すように、案内溝426を通過して下方へ流れた後、延長路427及び流出孔428を介して下部材42の下面側に流れ出る。そして、この薬液は、第1周壁431及び突条部432を伝って、可動部212側へ移動し、支持プレート21と突条部432との接触部分において、支持プレート21上へ移る。支持プレート21の基部211は、やや下方に傾斜しているので、薬液は下方へ流れ、可動部212との境界部分に蓄積される。このとき、薬液に含まれる芳香剤が揮散し、芳香効果が得られる。
【0031】
ここで、上述した緩衝空間43の機能について説明する。この緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合の緩衝作用をなす。例えば、温度が上昇して薬液容器1が暖められた場合には、容器1内の空気が膨張し容器1内部は正圧になる。この場合、薬液容器1内の薬液は押し出されて排出されるが、この薬液は案内溝426のほか、薬液連通孔415を介して緩衝空間43内にも流れ込むため、薬液が案内溝426から過剰に流出されるのが防止される。一方、流水によって冷やされるなどして薬液容器1の温度が低下し、薬液容器1内の空気が収縮して負圧になると、薬液は、空気流出孔413を介して空気の圧力が作用している緩衝空間43から薬液連通孔415を介して薬液容器1内に吸い込まれる。その結果、装置本体側に流入してきた水の薬液容器への吸い上げや薬液の排出が制限されるのを防止することができる。このように、緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合であっても、ほとんどの薬液が薬液容器1と緩衝空間43との間で流通するため、容器1内の薬液が過剰に流出したり、或いは流出が制限されるのを防止することができる。
【0032】
上記のように装置が設置された後、便器内に水が流されると、流された水は、図8に示すように、リムRの内側から便器内壁面Sを伝い、可動部212によって基部211側へ案内される(矢印X)。そして、基部211と可動部212との境界部分に貯まった薬液をさらいつつ、流水孔25から外部へ流れ出したり、或いは、装置内で壁体22などにぶつかりながら跳ね返り、開放部分23から装置の外部へ流れ出す。こうして、薬液は流水とともに、便器内壁面Sに供給され、便器の清浄が行われる。
【0033】
以上のように、本実施形態によれば、流出孔428を囲むように第1及び第2周壁431,435を設けており、これら周壁の内壁面が下方にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ状に形成されている。そのため、流出孔428から排出される薬液の流路が広がるため、薬液が受ける抵抗が小さくなり、薬液が排出されやすくなる。また、薬液の流路が徐々に広がるので、表面張力の作用が弱まり、これによっても薬液が排出されやすくなる。したがって、薬液が流出孔428の周縁に留まり液詰まりが発生するのを防止することができ、支持プレート21上へ薬液をスムーズに供給することができる。また、突条部432には複数の溝が形成されているため、薬液を保持しやすく、これによってより多くの薬液を支持プレート21に供給することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、装置内に流入した流水が、薬液容器1内に流入するのを以下のように防止している。すなわち、本実施形態に係る装置では、薬液は、案内溝426及び延長路427を介して支持プレート21上に流れ出る。特に、延長路427は水平に延びているため、第1周壁431及び突条部432を介して上方に流れた水は、一旦水平に延びる延長路427を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝426を通過しなければ、薬液容器1には到達しない。したがって、この装置では、支持プレート21から薬液容器1に至る垂直方向の経路の中に水平に延びる経路を配置しているので、水の進入を防止することができる。
【0035】
また、下部材42の下方に延びる壁部材423は、流出孔428の周囲を囲むような空間を形成しており、この空間によって流出孔428を覆う空気の壁が形成される。したがって、この空間によっても、流出孔428へ流水が進入するのを防止することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、流出孔428の前後を囲むように、周壁431,435を設けているが、周壁は流出孔428の周縁全体を囲まなくてもよく、流出孔428の周縁の一部に周壁を設けることもできる。そして、周壁の内壁面がテーパ状に下方にいくにしたがって広がるように形成されていればよい。特に、周壁を流出孔428の後側、つまり、リム側とは反対側に設けると、薬液がリム側とは反対側に流出するのを防止できるため、有利である。
【0038】
また、テーパ面は、上記実施形態のように周壁431,435の上端部から下端部までの周壁全体に設ける必要はなく、例えば、図9に示すように、周壁431,435における軸方向の一部であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、流出孔428の周囲に周壁を設けているが、周壁を設けず、図10に示すように、流出孔428の内壁面にテーパ面を設けることもできる。この場合、突条部432は、流出孔の近傍から延びるようにすればよい。流出孔428の内壁面のテーパは、図10に示すように、軸方向の一部でもよいし、軸方向の全体に渡って形成することもできる。但し、テーパ面は、流路の最下端で抵抗が最も小さくなるように、流出孔428または周壁431,435の下端から上方に向かって形成されることが好ましい。
【0040】
また、上記実施形態では、突条部432には下向きの溝を形成しているが、支持プレート21に向かう溝であれば、その方向は特には限定されない。また、上述した周壁のうち、リム側に配置された第1周壁431の内壁面や、流出孔428の内壁面にも突条部432と同様の溝を形成することもできる。こうすることで、薬液の排出が加速され、支持プレート21または突条部432によりスムーズに薬液を供給することができる。
【0041】
なお、上述した第2周壁435は、例えば、鉛直方向への1〜10mmの高さにすることが好ましい。これは、1mmより小さいと、装置が傾いて取り付けられた場合、その傾きが大きすぎると、薬液の流出を防止できないからである。一方、10mmより大きいと、容器が大きくなるおそれがあることによる。また、第2周壁435は種々の形状にすることができるが、例えば、鋭利な角を有する断面多角形状にすると、薬液を保持しやすくなる。また、第1周壁431の形状も特には限定されないが、突条部432に対して薬液を供給できるように、鉛直下向きの部位が設けられていればよい。
【0042】
また、案内溝426の位置は特には限定されず、連通管424の外周面のいずれの位置に形成されていてもよい。また、延長路427は、上記実施形態のように、円弧を描くように形成されているが、下方に向かう案内溝426から略水平方向に延びていればその形状と特には限定されず、直線状であってもよい。また、その数も1つまたは3つ以上設けることもできる。さらに、上記実施形態では、2つの延長路427が1つの流出孔428で合流するように形成されているが、複数の流出孔を設けてもよい。また、案内溝426についても、複数設けることもでき、また上記各実施形態では、溝を利用して案内路を形成しているが、管部材を用いてもよい。
【0043】
また、上記支持プレートは、図11に示すように、構成することもできる。図11は、支持プレート21の平面図である。同図に示すように、この例では、支持プレート21上に形成された支柱24の両側に、支持プレート21の幅方向に延びる規制壁29が設けられている。この規制壁29は、支柱24の両側から支持プレート21の基部211の両端部に向かい、その両端部からわずかな隙間28を形成するように延びている。これにより、流出孔428から突条部432を介して支持プレート21上に供給された薬液は、規制壁29によって流路が規制されるため、上述した隙間28を通過して支持プレート21の可動部212側へ流れる。このように、リム側に向かう薬液の流路が規制されるため、薬液が過剰に流れ出すのを防止することができる。その結果、薬液が早期に使い切られるのを防止することができる。なお、規制壁29の数、位置は特には限定されず、薬液の流路の一部を規制できるように配置されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る薬液供給装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図2のA−A線における図1の断面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の分解斜視図である。
【図6】下部材の斜視図、平面図、正面図及び底面図である。
【図7】下部材の一部斜視図、及びそのB−B線断面図である。
【図8】図1の薬液供給装置の使用状態を示す側面図である。
【図9】流出孔付近の他の例を示す断面図である。
【図10】流出孔付近の他の例を示す断面図である。
【図11】支持プレートの他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1、100 薬液容器
21 支持プレート
29 規制壁
3 吊掛部材
4 薬液排出機構
426 案内溝(案内路)
427 延長路
428 流出孔
431 第1周壁
435 第2周壁
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器のリムに取り付けられ、便器を洗浄する薬液を供給する薬液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
便器を洗浄したり、芳香効果を得るための薬液供給装置は、取付対象となる便器のタイプによって種々のものが提案されている。例えば、貯水タンクを有するタイプに対しては、タンク上部の手洗い部に配置される薬液供給装置が提案されており、この装置は、手洗い部に供給される水とともに、貯水タンク内に薬液を供給するように構成されている。
【0003】
一方、タンク上部に手洗い部がないものや、貯水タンク自体を設けないタイプの便器も販売されており、これに対しては、便器のリムに直接取り付ける薬液供給装置が提案されている。例えば、特許文献1に記載の薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けられるように薬液容器を設け、その下方に薬液を受けるプレートを取り付けている。そして、薬液容器から排出孔を介してプレート上に供給される薬液を、流水によってさらうことで、便器の内壁面に薬液を供給している。これによって、便器が洗浄されるとともに、薬液に含まれる芳香剤により、芳香効果も得ることができる。
【特許文献1】特表2003−517124号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような薬液供給装置は、便器のリムの内側に取り付けられるため、できるだけ小さいものが好ましい。それに合わせて、薬液容器も小さくなるのであるが、そうすると、薬液が一度に排出されにくくするため、粘度の高いものを用いるのが一般的である。ところが、粘度の高い薬液は、液詰まりが生じたり、排出されがたいという問題がある。特に、寒い時期には、薬液がさらに高粘度化する可能性がある。また、リムの内側に取り付けるタイプの装置は、便器の形状によっては意図した角度で取り付けることができない場合があり、流水によって薬液をさらい難いことがある。そのため、流水がどのような角度で流れても薬液をさらうことができるよう、薬液は薬液容器から外部へできるだけ排出しておくことが好ましい。
【0005】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、薬液容器から外部へ薬液をスムーズに排出することができる薬液供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、前記薬液排出機構は、前記支持部材側に向けて開口し、薬液を排出する流出路を有し、前記流出路の内壁面の少なくとも一部に当該流出路の下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有している。
【0007】
この構成によれば、薬液を支持部材に向けて供給する流出路の内壁面に、下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面が形成されている。つまり、流出路から排出される薬液の流路が広がるため、薬液が受ける抵抗が小さくなり、薬液が排出されやすくなる。また、薬液の流路が徐々に広がるので、表面張力の作用が弱まり、これによっても薬液が排出されやすくなる。そのため、薬液が流出孔の周縁に留まることがなく、支持部材上へ薬液をスムーズに供給することができる。なお、テーパ面は、流出路の内壁面の軸周りの少なくとも一部に形成されていればよい。また、薬液の排出方向の少なくとも一部にテーパ面を形成することもできる。
【0008】
なお、本発明でいう「流出路」とは、薬液が外部に排出されるまでの通路を指し、薬液が排出される流出孔を形成した場合には、この流出孔に通じる通路が流出路であり、後述するように、流出孔の開口周縁に周壁を設けた場合には、この周壁の下流側の端部までが流出路となる。
【0009】
また、上記のように、テーパ面は、流出路の排出方向の一部に形成されていてもよいが、流出路の最下流の端部で抵抗が最も小さくなるように、少なくとも流出路の開口周縁から当該流出路の上流側に向かって形成されていることが好ましい。また、「テーパ面」とは、必ずしも平滑な面でなくてもよく、表面に凹凸があったとしても全体として下方に行くにしたがって内径が大きくなるように裾広がりに形成されていればよい。
【0010】
上記流出路は、種々の構成が可能であるが、例えば、薬液排出機構から薬液を排出する流出孔と、当該流出孔に連続し、その少なくとも一部を囲む周壁とで構成することができる。
【0011】
このとき、周壁は、少なくとも前記リム側とは反対側に設けることができる。この構成によれば、薬液を排出する流出孔の周縁において、リム側とは反対側に周壁を設けているため、装置が傾いて配置された場合であっても、周壁によって、薬液がリム側とは反対側に流れるのを防止することができる。これにより、薬液はリム側に流れやすくなり、支持部材上に薬液を適切に供給することができる。
【0012】
ここで、周壁が、さらにリム側に設けられた場合、この周壁に連続し、流出路から排出された薬液が供給され、支持部材側に突出するとともに、支持部材の面方向に延びる少なくとも一つの突条部をさらに設けることができる。この構成によれば、流出孔から排出された薬液が、周壁を介して支持部材の面方向へ延びる少なくとも一つの突条部に供給されるように構成されているため、薬液は突条部を伝って、支持部材の面方向に広がっていく。したがって、簡易な構造で薬液を確実に広範囲に行き渡らせることができる。また、突条部には複数の溝を形成することができる。突条部に溝を形成すると、薬液が突条部に保持されやすくなり、より多くの薬液を支持部材側へ供給することができる。ここで、溝の向きは、種々の方向にすることができるが、例えば、下方に向かうように形成することができる。ここでいう「下方」とは、例えば、鉛直下向き、またはリム側に向かって斜め下方に延びる向きをいう。これにより、薬液の下向きの流れが加速され、支持部材側へ薬液を多く供給することができる。また、このような溝は、流出路の内壁面の少なくとも一部に設けることができる。例えば、流出孔や周壁の内壁面に設けることができる。このとき、テーパ面にのみ溝を設けるなど、溝を設ける位置は任意である。
【0013】
なお、突条部は、周壁と連続させるのではなく、流出路から排出された薬液が供給されるように、流出路の近傍に直接設けることもできる。
【0014】
また、支持部材において、リム側に向かう薬液の流通経路の一部に、薬液の流通を規制する規制壁を設けることができる。これにより、リム側に向かう薬液の流路が規制されるため、薬液が過剰に流れ出すのを防止することができる。その結果、薬液が早期に使い切られるのを防止することができる。
【0015】
また、薬液排出機構に、薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、を設けることができる。
【0016】
この構成によれば、薬液容器から支持部材に至る薬液の経路に、下方へ延びる案内路及び略水平に延びる延長路を設けている。そのため、支持部材上に流れ込んだ流水は、その上方の流出孔に入った後、水平に延びる延長路を通過し、さらに上方に延びる案内路を経なければ、薬液容器には到達しない。したがって、支持部材から薬液容器へ至る上向きの経路の中に、水平に延びる経路を配置しているので、水が進入しにくくなり、その結果、薬液容器内への流水の進入を確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る薬液供給装置によれば、薬液容器から外部へ薬液をスムーズに排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係る薬液供給装置の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係る薬液供給装置の斜視図、図2は図1の断面図、図3は図2のA−A線における図1の断面図、図4は図1の平面図、図5は図1の分解斜視図である。
【0019】
この薬液供給装置は、便器のリムに吊り掛けて使用されるものであり、図1〜図5に示すように、薬液が収容された薬液容器1と、これを下方から支持する装置本体2と、装置をリムに吊り掛けるための吊掛部材3とを有している。また、装置本体2の内部には、薬液容器1から流れ出た薬液を装置本体2の底面へと供給する薬液排出機構4が配置されている。以下、上述した各部材をさらに詳細に説明する。
【0020】
図5に示すように、薬液容器1は、透明のドーム状に形成され、下面に排出口11を有している。そして、この排出口11には、キャップ13が取り付けられている。このキャップ13は、環状の本体部131と、その中央の穴を塞ぐ薄膜部132とで構成されており、使用に際しては、薄膜部132を破断させて薬液を排出させる。
【0021】
図4及び図5に示すように、装置本体2は、底面を構成する支持プレート(支持部材)21と、その周囲を囲む壁体22とを有している。支持プレート21は、平面視略矩形状の基部211と、その一辺に揺動自在に連結された可動部212とで構成されており、可動部212が設けられている辺以外の3辺に、上述した壁体22がコ字状に設けられている。したがって、装置本体2は、一辺の壁が切り欠かれて開放するカップ状に形成されており、この開放部分23から基部211の一部及び可動部212が突出するように構成されている。そして、後述するように、この開放部分23から装置本体2内に流水が流れ込むようになっている。
【0022】
また、基部211の中央には、上方へ延びる支柱24が取り付けられており、この支柱24と後述するカバー部材411との間の空間に、吊掛部材3が上下動可能に取り付けられている。吊掛部材3は、弾性変形可能に2箇所で折り曲げられた帯状に形成されており、初期状態では、図1のように折り畳まれている。また、吊掛部材3は、上下動可能に構成されているため、装置とリムとが干渉しないように、リムに対する薬液容器1及び装置本体2の高さを調整することができる。
【0023】
次に、支持プレート21についてさらに詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態の支持プレート21においては、基部211と可動部212とが樹脂などで一体的に形成されており、基部211が可動部212側に向かって約6度で下方に傾斜している。これにより、後述するように、排出された薬液がリム側へ流れやすいようにしている。基部211の傾斜角度αは、これ以外に設定することも可能であり、例えば、0〜45度にすることができ、3〜30度であることが好ましい。
【0024】
そして、支持プレート21の裏面には、基部211と可動部212との境界線に沿って溝213が形成されている。したがって、この溝213によって基部211と可動部212との境界が薄膜状になるため、可動部212が基部211に対して揺動可能となっている。また、溝213は支持プレート21の裏面に形成されているため、可動部212を下方に傾斜させようとすると、溝213において対向する側壁面同士が当接し、これによって下方への傾斜が規制される(図2(a))。一方、上方への傾斜も可能であり、力を付与すれば、可動部212を上方へ揺動させることができる。但し、上方への傾斜も次のように規制されている。図1及び図2に示すように、基部211の両側には、略矩形状の側板214が取り付けられており、この側板214において、可動部212側を向く垂直に延びる端面が、可動部212と当接可能となっている。すなわち、可動部212を、傾斜角βが90度以上に傾斜させようとすると、側板214の端面と可動部212とが接触し、可動部212がそれ以上傾斜しないようになっている(図2(b))。なお、初期状態では、可動部212は基部211に対して、約30°の傾斜角度βで上方に傾斜しており、この状態から境界部分の弾性変形によって、基部211に対し約0〜90°程度の範囲で傾斜が可能となっている。以上のように構成された装置本体2には、基部211の周縁、壁体22に複数の流水孔25が形成されており、開放部分23から流入した流水がこれら流水孔25を介して、装置本体2から排出されるようになっている(図1及び図5参照)。
【0025】
続いて、薬液排出機構4について説明する。図2〜図5に示すように、薬液排出機構4は、薬液容器1と支持プレート21との間に配置されており、上側に配置される上部材41と、下側に配置される下部材42とで構成されている。上部材41は、平面視楕円型の筒状に形成されており、下方が開放している。一方、下部材42は、平面視楕円状の板状部421と、その周囲に上下方向に延びるように形成された低い壁部材423とで構成されており、上部材41の下部開口を塞ぐように配置される。そして、上部材41と下部材42とが組み合わされることで、両者の間には、薬液を保持する緩衝空間43が形成される。以下、上部材41及び下部材42についてさらに詳細に説明する。
【0026】
図2及び図5に示すように、上部材41の側面には、上方に延びるレール状のカバー部材411が取り付けられており、このカバー部材411は、上述した通り、支柱24に当接し、吊掛部材3を収容する空間を形成する。また、上部材41の上面中央部には、先端が斜めに切りかかれて鋭利な円筒状の連通管412が設けられるとともに、上面の端部には合計4つの空気流出孔413が形成されている。連通管412は、上述した薬液容器1のキャップ13に突き刺され、薄膜部132を破断させる役割を果たす。また、連通管412の周縁には、環状の溝417が形成されており、この溝413にキャップ13の本体部131が嵌るようになっている。一方、図2に示すように、連通管412の内部底面には、下部材42側へ延びる円筒状の固定管414と、その近傍に配置された複数の薬液連通孔415とが形成されている。そして、これら薬液連通孔415と、上述した空気流出孔413とは、緩衝空間43と連通している。
【0027】
続いて、下部材42について図6及び図7も合わせて説明する。図6は下部材の下面からの見た斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)、及び底面図(d)、図7は下部材の一部斜視図(a)及びそのB−B線断面図(b)ある。まず、図5に示すように、下部材42の中央には、上部材41の固定管414に嵌合する円筒状の案内管424と、その周囲を囲むように設けられた円形の固定壁425とが設けられている。そして、案内管424と固定壁425との間の隙間には、上述した固定管414が嵌るようになっている。案内管424の上部開口は、斜めに切り取られた形状となっており、その開口の低い側から案内管424の外周面に沿って上下方向に延びる案内溝426が形成されている。ここで、図6及び図7に示すように、案内管424は固定管414の内部に嵌っているため、固定管414の内壁面と、案内溝426とで薬液の通路(案内路)が形成される。また、案内管424と固定壁425との隙間の底面と、固定管414の下端部との隙間にも薬液が通過する空間、つまり延長路427が形成される。より詳細に説明すると、上記隙間の底面においては、案内溝426の両側の各約90度が薬液の延長路427を構成するとともに、案内溝426とは反対側には、約180度に亘る半円形の流出孔428が形成されている。そして、延長路427を通過した薬液が流出孔428から支持プレート21側へ流れ出るようになっている。なお、各延長路427の容積は、0.05〜0.3mm3であることが好ましく、0.07〜0.15mm3であることがさらに好ましい。また、延長路427の断面積は、0.02〜0.1mm2であることが好ましく、0.03〜0.05mm2であることがさらに好ましい。
【0028】
図6に示すように、下部材42における壁部材423の下端の両端には、一対の脚部429が取り付けられており、この脚部429によって下部材42の下面と、支持プレート21との間に空間が形成される。この空間が後述するように、薬液及び流水の通路となる。また、下部材42の下面には、上述した流出孔428の両端を結ぶ第1周壁431と、この第1周壁431の両端から延びる一対の突条部432とが形成されている。そして、各突条部432は、互いに離間するように、可動部212側へ斜め方向に延びるとともに、図6(c)に示すように、先端にいくにしたがって、下部材42下面からの突出高さが大きくなっている。すなわち、図2に示すように、各突条部432は、先端にいくにしたがって、支持プレート21との隙間が小さくなっていき、最も先端では、支持プレート21と接触している。そして、この突条部432には、図6(a)に示すように、下向きに延びる複数の溝が形成されている。また、流出孔428を挟んで第1周壁431とは反対側には円弧状の第2周壁435が設けられている。そして、図2に示すように、流出孔428の前後を挟む第1周壁431及び第2周壁435の内壁面は、裾広がりのテーパ状に形成されている。
【0029】
次に、上記のように構成された薬液供給装置の使用方法について図8も参照しつつ説明する。図8は薬液供給装置の取り付け状態を示す側面図である。まず、薬液容器1を上部材41上に配置する。これにより、薬液容器1のキャップ13に連通管412が突き刺さり、薬液容器1が固定される。続いて、この装置を便器のリムに取り付ける際には、吊掛部材3を、支柱24から引き出して高さを調整しつつ、図1の状態からコ字状に押し広げる。そして、図8(a)に示すように、リムRを挟むように配置する。このとき、可動部212は、便器の内壁面に当接するのであるが、基部211に対して揺動可能となっているため、基部211と便器内壁面Sとの距離に応じて、傾斜する。すなわち、図8(a)に示すように基部211と便器内壁面Sとの距離が小さい場合、可動部212は、便器内壁面Sに押しつけられながら、大きく傾斜し、便器内壁面Sとの隙間を埋める。一方、距離が大きい場合には、図8(b)に示すように、傾斜角βは小さくなるが、いずれの場合でも、基部211と便器内壁面Sとの隙間は埋められる。その結果、基部211に流れ出た薬液を効率よくさらって、便器へ流すことができるため、便器の形状にかかわらず、優れた洗浄効果を得ることができる。
【0030】
続いて、薬液の流れについて説明する。連通管412によりキャップ13の薄膜部132が破断されると、薬液は、薬液容器1から薬液排出機構4へと流れ出て、一部は連通管412及び薬液連通孔415を介して緩衝空間43内に流れ込む。一方、残りの薬液は、図6及び図7に示すように、案内溝426を通過して下方へ流れた後、延長路427及び流出孔428を介して下部材42の下面側に流れ出る。そして、この薬液は、第1周壁431及び突条部432を伝って、可動部212側へ移動し、支持プレート21と突条部432との接触部分において、支持プレート21上へ移る。支持プレート21の基部211は、やや下方に傾斜しているので、薬液は下方へ流れ、可動部212との境界部分に蓄積される。このとき、薬液に含まれる芳香剤が揮散し、芳香効果が得られる。
【0031】
ここで、上述した緩衝空間43の機能について説明する。この緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合の緩衝作用をなす。例えば、温度が上昇して薬液容器1が暖められた場合には、容器1内の空気が膨張し容器1内部は正圧になる。この場合、薬液容器1内の薬液は押し出されて排出されるが、この薬液は案内溝426のほか、薬液連通孔415を介して緩衝空間43内にも流れ込むため、薬液が案内溝426から過剰に流出されるのが防止される。一方、流水によって冷やされるなどして薬液容器1の温度が低下し、薬液容器1内の空気が収縮して負圧になると、薬液は、空気流出孔413を介して空気の圧力が作用している緩衝空間43から薬液連通孔415を介して薬液容器1内に吸い込まれる。その結果、装置本体側に流入してきた水の薬液容器への吸い上げや薬液の排出が制限されるのを防止することができる。このように、緩衝空間43は、温度変化によって薬液容器1内に圧力変化が生じた場合であっても、ほとんどの薬液が薬液容器1と緩衝空間43との間で流通するため、容器1内の薬液が過剰に流出したり、或いは流出が制限されるのを防止することができる。
【0032】
上記のように装置が設置された後、便器内に水が流されると、流された水は、図8に示すように、リムRの内側から便器内壁面Sを伝い、可動部212によって基部211側へ案内される(矢印X)。そして、基部211と可動部212との境界部分に貯まった薬液をさらいつつ、流水孔25から外部へ流れ出したり、或いは、装置内で壁体22などにぶつかりながら跳ね返り、開放部分23から装置の外部へ流れ出す。こうして、薬液は流水とともに、便器内壁面Sに供給され、便器の清浄が行われる。
【0033】
以上のように、本実施形態によれば、流出孔428を囲むように第1及び第2周壁431,435を設けており、これら周壁の内壁面が下方にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ状に形成されている。そのため、流出孔428から排出される薬液の流路が広がるため、薬液が受ける抵抗が小さくなり、薬液が排出されやすくなる。また、薬液の流路が徐々に広がるので、表面張力の作用が弱まり、これによっても薬液が排出されやすくなる。したがって、薬液が流出孔428の周縁に留まり液詰まりが発生するのを防止することができ、支持プレート21上へ薬液をスムーズに供給することができる。また、突条部432には複数の溝が形成されているため、薬液を保持しやすく、これによってより多くの薬液を支持プレート21に供給することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、装置内に流入した流水が、薬液容器1内に流入するのを以下のように防止している。すなわち、本実施形態に係る装置では、薬液は、案内溝426及び延長路427を介して支持プレート21上に流れ出る。特に、延長路427は水平に延びているため、第1周壁431及び突条部432を介して上方に流れた水は、一旦水平に延びる延長路427を通過した後、さらに垂直に延びる案内溝426を通過しなければ、薬液容器1には到達しない。したがって、この装置では、支持プレート21から薬液容器1に至る垂直方向の経路の中に水平に延びる経路を配置しているので、水の進入を防止することができる。
【0035】
また、下部材42の下方に延びる壁部材423は、流出孔428の周囲を囲むような空間を形成しており、この空間によって流出孔428を覆う空気の壁が形成される。したがって、この空間によっても、流出孔428へ流水が進入するのを防止することができる。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、上記実施形態では、流出孔428の前後を囲むように、周壁431,435を設けているが、周壁は流出孔428の周縁全体を囲まなくてもよく、流出孔428の周縁の一部に周壁を設けることもできる。そして、周壁の内壁面がテーパ状に下方にいくにしたがって広がるように形成されていればよい。特に、周壁を流出孔428の後側、つまり、リム側とは反対側に設けると、薬液がリム側とは反対側に流出するのを防止できるため、有利である。
【0038】
また、テーパ面は、上記実施形態のように周壁431,435の上端部から下端部までの周壁全体に設ける必要はなく、例えば、図9に示すように、周壁431,435における軸方向の一部であってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、流出孔428の周囲に周壁を設けているが、周壁を設けず、図10に示すように、流出孔428の内壁面にテーパ面を設けることもできる。この場合、突条部432は、流出孔の近傍から延びるようにすればよい。流出孔428の内壁面のテーパは、図10に示すように、軸方向の一部でもよいし、軸方向の全体に渡って形成することもできる。但し、テーパ面は、流路の最下端で抵抗が最も小さくなるように、流出孔428または周壁431,435の下端から上方に向かって形成されることが好ましい。
【0040】
また、上記実施形態では、突条部432には下向きの溝を形成しているが、支持プレート21に向かう溝であれば、その方向は特には限定されない。また、上述した周壁のうち、リム側に配置された第1周壁431の内壁面や、流出孔428の内壁面にも突条部432と同様の溝を形成することもできる。こうすることで、薬液の排出が加速され、支持プレート21または突条部432によりスムーズに薬液を供給することができる。
【0041】
なお、上述した第2周壁435は、例えば、鉛直方向への1〜10mmの高さにすることが好ましい。これは、1mmより小さいと、装置が傾いて取り付けられた場合、その傾きが大きすぎると、薬液の流出を防止できないからである。一方、10mmより大きいと、容器が大きくなるおそれがあることによる。また、第2周壁435は種々の形状にすることができるが、例えば、鋭利な角を有する断面多角形状にすると、薬液を保持しやすくなる。また、第1周壁431の形状も特には限定されないが、突条部432に対して薬液を供給できるように、鉛直下向きの部位が設けられていればよい。
【0042】
また、案内溝426の位置は特には限定されず、連通管424の外周面のいずれの位置に形成されていてもよい。また、延長路427は、上記実施形態のように、円弧を描くように形成されているが、下方に向かう案内溝426から略水平方向に延びていればその形状と特には限定されず、直線状であってもよい。また、その数も1つまたは3つ以上設けることもできる。さらに、上記実施形態では、2つの延長路427が1つの流出孔428で合流するように形成されているが、複数の流出孔を設けてもよい。また、案内溝426についても、複数設けることもでき、また上記各実施形態では、溝を利用して案内路を形成しているが、管部材を用いてもよい。
【0043】
また、上記支持プレートは、図11に示すように、構成することもできる。図11は、支持プレート21の平面図である。同図に示すように、この例では、支持プレート21上に形成された支柱24の両側に、支持プレート21の幅方向に延びる規制壁29が設けられている。この規制壁29は、支柱24の両側から支持プレート21の基部211の両端部に向かい、その両端部からわずかな隙間28を形成するように延びている。これにより、流出孔428から突条部432を介して支持プレート21上に供給された薬液は、規制壁29によって流路が規制されるため、上述した隙間28を通過して支持プレート21の可動部212側へ流れる。このように、リム側に向かう薬液の流路が規制されるため、薬液が過剰に流れ出すのを防止することができる。その結果、薬液が早期に使い切られるのを防止することができる。なお、規制壁29の数、位置は特には限定されず、薬液の流路の一部を規制できるように配置されていればよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る薬液供給装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】図2のA−A線における図1の断面図である。
【図4】図1の平面図である。
【図5】図1の分解斜視図である。
【図6】下部材の斜視図、平面図、正面図及び底面図である。
【図7】下部材の一部斜視図、及びそのB−B線断面図である。
【図8】図1の薬液供給装置の使用状態を示す側面図である。
【図9】流出孔付近の他の例を示す断面図である。
【図10】流出孔付近の他の例を示す断面図である。
【図11】支持プレートの他の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0045】
1、100 薬液容器
21 支持プレート
29 規制壁
3 吊掛部材
4 薬液排出機構
426 案内溝(案内路)
427 延長路
428 流出孔
431 第1周壁
435 第2周壁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、
前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
前記支持部材側に向けて開口し、薬液を排出する流出路を有し、
前記流出路の内壁面の少なくとも一部には、当該流出路の下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有している、薬液供給装置。
【請求項2】
前記テーパ面は、前記流出路の開口周縁から当該流出路の上流側に向かって形成されている、請求項1に記載の薬液供給装置。
【請求項3】
前記流出路は、前記薬液排出機構から薬液を排出する流出孔と、当該流出孔に連続し、その少なくとも一部を囲む周壁とを有している、請求項1または2に記載の薬液供給装置。
【請求項4】
前記周壁は、少なくとも前記リム側とは反対側に設けられている、請求項3に記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記周壁は、少なくとも前記リム側に設けられ、
当該周壁と連続し、前記支持部材側に突出するとともに、前記支持部材の面方向に延びる少なくとも一つの突条部をさらに備えている請求項3または4に記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記流出路から排出された薬液が供給され、前記支持部材側に突出するとともに、前記支持部材の面方向に延びる少なくとも一つの突条部をさらに備えている請求項1から5のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項7】
前記流出路の内壁面には、当該流出路の下流側に向かう溝が形成されている、請求項1から6のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項8】
前記支持部材には、前記リム側に向かう薬液の流通経路の一部に、薬液の流通を規制する規制壁が設けられている、請求項1から7のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項9】
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
さらに備えている、請求項1から8のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項1】
水洗トイレにおける便器のリムに取り付けられる薬液供給装置であって、
薬液を収容し、当該薬液の排出口を有する薬液容器と、
前記排出口に接続され、前記薬液容器内の薬液を外部へと導く薬液排出機構と、
前記薬液排出機構から排出された薬液を、便器内を流れる流水と接触可能に支持する支持部材と、
前記薬液容器、薬剤排出機構、及び前記支持部材を便器のリムに吊り掛けるための吊掛部材と、を備え、
前記薬液排出機構は、
前記支持部材側に向けて開口し、薬液を排出する流出路を有し、
前記流出路の内壁面の少なくとも一部には、当該流出路の下流側にいくにしたがって内径が大きくなるテーパ面を有している、薬液供給装置。
【請求項2】
前記テーパ面は、前記流出路の開口周縁から当該流出路の上流側に向かって形成されている、請求項1に記載の薬液供給装置。
【請求項3】
前記流出路は、前記薬液排出機構から薬液を排出する流出孔と、当該流出孔に連続し、その少なくとも一部を囲む周壁とを有している、請求項1または2に記載の薬液供給装置。
【請求項4】
前記周壁は、少なくとも前記リム側とは反対側に設けられている、請求項3に記載の薬液供給装置。
【請求項5】
前記周壁は、少なくとも前記リム側に設けられ、
当該周壁と連続し、前記支持部材側に突出するとともに、前記支持部材の面方向に延びる少なくとも一つの突条部をさらに備えている請求項3または4に記載の薬液供給装置。
【請求項6】
前記流出路から排出された薬液が供給され、前記支持部材側に突出するとともに、前記支持部材の面方向に延びる少なくとも一つの突条部をさらに備えている請求項1から5のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項7】
前記流出路の内壁面には、当該流出路の下流側に向かう溝が形成されている、請求項1から6のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項8】
前記支持部材には、前記リム側に向かう薬液の流通経路の一部に、薬液の流通を規制する規制壁が設けられている、請求項1から7のいずれかに記載の薬液供給装置。
【請求項9】
前記薬液排出機構は、
薬液を前記薬液容器側から下方へ案内する案内路と、
前記案内路に連通し、当該案内路から略水平方向に延びる少なくとも一つの延長路と、
さらに備えている、請求項1から8のいずれかに記載の薬液供給装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−84450(P2010−84450A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255738(P2008−255738)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000186588)小林製薬株式会社 (518)
【Fターム(参考)】
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