説明

薬液塗布用具

【課題】 容器を押すだけで薬液が薬液塗布材に含浸され、薬液が手に付着することなく、そのまま薬液塗布用具として使用できる薬液塗布用具を提供することを目的とする。
【解決手段】 底板の周囲に上方に立ち上がる第一外壁を連設し、前記第一外壁の周縁に外方に延びる第一フランジ部を介して上方に立ち上がる第二外壁を連設し、前記第二外壁の周縁より外方に延びる第二フランジ部を有する天面が開口された2段形状の容器と、薬液塗布材と、薬液と、剥離材と、を備え、前記底板と前記第一外壁で囲まれ上面が開口部とされた空間からなる薬液収容部に薬液を収容し、前記薬液収容部の開口部を剥離材で覆うと共に前記第一フランジ部に剥離可能に接着して密封し、前記2段形状の容器の開口部を薬液塗布材で覆うと共に前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に接着されていることを特徴とする薬液塗布用具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、消毒液、化粧液等の薬効効果を有する薬液を含浸させて肌に塗布できる塗布用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚等に薬液を塗布する場合、綿球や軸の一端に綿球を取り付けた綿棒が用いられ、特に多忙な外科医療では、使い勝手のよい綿棒が多用される。この綿棒は、綿球にポピドンヨード、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アルキルアミノエチルグリシン、消毒用エタノール、イソプロパノールといった消毒薬などの薬液を含浸させ、十分含浸したら軸をつまんで綿棒を取り上げ、例えば、手術部位や創傷部などの患部に綿球を当てて薬液が塗布される。
【0003】
これらの作業は、多忙な使用者にとっては、面倒なものであり、使用者の便利性、衛生性を考慮した綿棒として、薬液吸収材と、薬液を液密的に封止して収納してなる薬液袋とを分離して容器に収納された薬液吸収材包装体において、容器は、容器本体と、開封時に容器本体から剥離されるように容器本体に接合された剥離材とを有し、剥離材を剥離するに際し薬液袋が破れるように、薬液袋が剥離材及び容器本体に接合されている薬液吸収材包装体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この包装体は、綿棒と薬液とは別々の区画に封入されており、使用直前に薬液の区画を破って綿棒に含浸させる構成であり、簡単な動作で使用でき便利なものとなったが、正確に計量した薬液をノズルから綿球部に含浸させるのと異なり、手作業で綿球部に薬液を含浸させるので、軸の部分にまで薬液を広げてしまうことがあるという問題がある。
【0005】
また、軸の一端に薬液を含浸した綿球部が取り付けられた綿棒を入れる容器本体と、この容器本体の上面開口をシールするフィルム状の蓋体とを備えており、容器本体は一端に綿球部収納凹部、他端に軸尾収納凹部を備え、この容器本体の内面には綿棒の軸を両側から挟んで保持するリブ及び軸を下から支える枕部を形成した綿棒容器が知られている(例えば、特許文献2参照)。この綿棒容器は、綿棒の軸を両側からリブで挟んでいるので、綿球部からしみ出した薬液が万一綿棒の軸の側面を伝わるようなことがあったとしても、それは軸の側面に接触するリブによってせき止められ、軸尾の方まで伝わらないので特許文献1より優れたものとなった。しかし、製品の輸送や保管の条件によっては時たま綿球部からしみ出した薬液が軸尾の方まで伝わることがあり、十分なものではない。
【0006】
特許文献1、特許文献2のような綿棒の綿球部に薬液を含浸させる方式では、上記の問題以外に、消毒する部位を中心に円を描くように且つ薬液がかすれることもなくムラ無く塗布しなければならないという消毒方法を鑑みると、薬液の量が綿球の大きさや塗布面積に対して非効率的であるという問題がある。具体的には、例えば、綿棒の場合、実際に塗布するのに使用される部分は綿球の先端が主であり一回で塗布できる面積が狭く塗布するのに時間がかかる。また、主に綿球の先端が使用されるにも拘らず、綿球の使用されない部分を含めて綿球全体に消毒液が含浸されていなければならないために過剰量の薬液が使用され、無駄が発生する。綿棒を取り出すには、蓋材を剥離しなければならならず手間がかかる。以上、綿棒形態では種々の問題があり、新しい塗布用具の開発が要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−86977号公報
【特許文献2】特開2006−36227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明者らは、上記問題を解決すべく、鋭意、研究の結果、全く新しい方式の薬液塗布用具を発明した。すなわち、本発明は、容器を手指で加圧するだけで薬液が薬液塗布材に含浸され、薬液が手に付着することなく、そのまま使用できる薬液塗布用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を達成するために、請求項1記載の本発明は、底板の周囲に上方に立ち上がる第一外壁を連設し、前記第一外壁の周縁に外方に延びる第一フランジ部を介して上方に立ち上がる第二外壁を連設し、前記第二外壁の周縁より外方に延びる第二フランジ部を有する天面が開口された2段形状の容器と、薬液塗布材と、薬液と、剥離材と、を備え、前記底板と前記第一外壁で囲まれ上面が開口部とされた空間からなる薬液収容部に前記薬液を収容し、前記薬液収容部の開口部を前記剥離材で覆うと共に前記第一フランジ部に剥離可能に接着して密封し、前記2段形状の容器の開口部を前記薬液塗布材で覆うと共に前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に接着されていることを特徴とする薬液塗布用具である。
【0010】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の薬液塗布用具において、前記薬液塗布材上にトップシール材が重ねられ、前記トップシール材が前記第二フランジ部に位置する前記薬液塗布材と剥離可能に接着されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載の薬液塗布用具において、前記第二フランジ部の周縁が下方に垂下するカール部を有することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4記載の本発明は、請求項1記載の薬液塗布用具において、前記第二フランジ部の周縁が下方に垂下するカール部を有し、さらに前記カール部の外縁より外方に第三フランジ部が延設されてなり、前記薬液塗布材上にトップシール材が重ねられ、前記トップシール材が前記第三フランジ部と剥離可能に接着されていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の薬液塗布用具において、前記薬液塗布材が複数の不織布が重ねられた構成であり、少なくとも前記2段形状の容器側の不織布が熱接着性を有し、前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に熱接着されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項6記載の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の薬液塗布用具において、前記剥離材が前記第一フランジ部に剥離可能に接着された接着部にその内縁が内側に突出した突出部が形成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項7記載の本発明は、請求項6記載の薬液塗布用具において、前記突出部が2つ以上形成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項8記載の本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の薬液塗布用具において、前記底板および前記第一外壁が、内方に窪む窪み部を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の薬液塗布用具は、底板の周囲に上方に立ち上がる第一外壁を連設し、前記第一外壁の周縁に外方に延びる第一フランジ部を介して上方に立ち上がる第二外壁を連設し、前記第二外壁の周縁より外方に延びる第二フランジ部を有する2段形状の容器と、薬液塗布材と、薬液と、剥離材と、を備え、前記底板と前記第一外壁で囲まれ天面が開口部とされた空間からなる薬液収容部に薬液を収容し、前記薬液収容部の開口部を剥離材で覆うと共に前記第一フランジ部に剥離可能に接着して密封し、前記2段形状の容器の開口部を薬液塗布材で覆うと共に前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に接着されている構成とすることにより、薬液塗布用具の薬液塗布材部分を下方にして第一外壁部分を加圧するだけで剥離材が剥離し、薬液が薬液収容部より流出し薬液塗布材に含浸するのでそのまま薬液塗布用具として使用できる。従来の綿棒容器等のように包装材を剥離して取り除く必要がないので手間がかからずワンタッチで薬液塗布用具として使用できる。
また、薬液塗布材は綿球に比べ塗布面は平面であるので、塗布ムラなく、しかも塗布部分の面積が広くできるので一度に塗布できる面積が広くなり、短時間で塗布できる。また、第一外壁を把持することにより塗布動作ができるので手に薬液が付着することがないので衛生的である。
【0018】
また、請求項2記載の本発明は、上記効果に加え、前記薬液塗布材上にトップシール材が重ねられ、前記トップシール材が前記第二フランジ部に位置する前記薬液塗布材と剥離可能に接着されている構成とすることにより、薬液塗布材表面を保護することができるので薬液塗布材の表面の清潔さが保持され衛生的なものとなる。
【0019】
また、前記第二フランジ部の周縁が下方に垂下するカール部を有する構成とすることにより、薬液の塗布動作時に第二フランジ部が被塗布者の肌に直接触れることが防止できるので被塗布者へ不快感を与えることがなく安心して塗布できる。
【0020】
また、請求項5記載の本発明は、前記薬液塗布材が複数の不織布が重ねられた構成であり、少なくとも前記2段形状の容器側の不織布が熱接着性を有し、前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に熱接着されている構成とすることにより、薬液塗布材を2段形状の容器に容易に熱接着できる。さらに薬液塗布材を複数の不織布が重ねられた多層構成であるので、綿球に比べて厚みが薄いので薬液の浸透が早い。また、少量の薬液であっても薬液塗布材全体へ薬液が拡散しやすい。さらに、例えば、塗布面側に肌触りのよい不織布を用い、中間に保水力のよい不織布を配置した構成とすることにより、優れた塗布適性と塗布時の心地よさを付与できる。
【0021】
また、前記剥離材が前記第一フランジ部に剥離可能に接着された接着部にその内縁が内側に突出した突出部が形成されている構成とすることにより、薬液塗布用具の薬液塗布材部分を下方にして第一外壁部分を加圧すると剥離材を容易に剥離できる。さらに突出部を2つ以上複数個形成することにより、第一外壁部分の任意の部分を加圧して剥離材を容易に剥離できるので使用者に便利なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る薬液塗布用具の第一実施形態を示し、(イ)は平面透視図、(ロ)はX−X線断面図である。
【図2】本発明に係る薬液塗布用具の第一実施形態を示す分解斜視図である。
【図3】本発明に係る剥離材を第一フランジに接着する接着部において突出部を複数個形成した例を示す平面図である。
【図4】本発明に係る薬液塗布用具の薬液塗布材の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る薬液塗布用具において剥離材が剥離して薬液が薬液塗布材に含浸した状態を説明する断面図である。
【図6】本発明に係る薬液塗布用具の第二実施形態を示す図1のX−X線に相当する断面図である。
【図7】本発明に係る薬液塗布用具において容器のその他の実施形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明に係る薬液塗布用具の第一実施形態を示し、(イ)は平面透視図、(ロ)はX−X線断面図、図2は本発明に係る薬液塗布用具の第一実施形態を示す分解斜視図、図3は本発明に係る剥離材を第一フランジに接着する接着部において突出部を複数個形成した例を示す平面図、図4は本発明に係る薬液塗布用具の薬液塗布材の構成例を示す断面図、図5は本発明に係る薬液塗布用具において剥離材が剥離して薬液が薬液塗布材に含浸した状態を説明する断面図、図6は本発明に係る薬液塗布用具の第二実施形態を示す図1のX−X線に相当する断面図、図7は本発明に係る薬液塗布用具において容器のその他の実施形態を示し、(イ)は斜視図、(ロ)は窪み部から見た正面図、(ハ)は側面図であり、図中の1、1’は薬液塗布用具、2は接着部、2aは突出部、3は開封口、10、10’、10’は容器、11は底板、11aは底板の窪み部、11bは底板の窪み部先端、12は第一外壁、12aは第一外壁の窪み部、13は第一フランジ部、14は第二外壁、15は第二フランジ部、15aはカール部、16は薬液収容部、17は薬液拡散部、18は第三フランジ部、20は薬液塗布材、20’は薬液が含浸した薬液塗布材、21は表層、22は中間層、23は裏層、30は薬液、40は剥離材、50はトップシール材、hは第一フランジ部から第二フランジ部の内縁で形成される面に至る垂線の長さをそれぞれ示す。
【0024】
図1は本発明に係る薬液塗布用具の第一実施形態を示し、(イ)は平面透視図、(ロ)はX−X線断面図であり、図2は本発明に係る薬液塗布用具の第一実施形態を示す分解斜視図である。図1(イ)、図2における太い実線は、剥離材40と容器10の第一フランジ部13に接着された接着部2を示す。図1、図2に示すように本発明に係る薬液塗布用具1は、天面が開口された2段形状の容器10と、薬液塗布材20と、薬液30と、剥離材40と、を備えた構成である。
【0025】
図1(ロ)に示すように容器10の縦断面形状は上方に拡開する略逆円錐台状の2段形状であり、底板11の周囲に上方に立ち上がる第一外壁12を連設し、第一外壁12の周縁に外方に向かって水平に延びる第一フランジ部13を介して上方に立ち上がる第二外壁14を連設し、第二外壁14の周縁より外方に向かって水平に延びる第二フランジ部15を有する天面が開口された2段形状である。さらに第二フランジ部15の周縁は下方に垂下するカール部15aを有している。図1(ロ)ではカール部15aの端部にはフラット部を設けた例を示したが任意である。
【0026】
容器10の底板11と第一外壁12で囲まれ上面が開口部とされた空間が薬液収容部16とされ、薬液収容部16には、例えば、消毒液や化粧液等の薬液30が所定量収容され、薬液収容部16の開口部を剥離材40で覆うと共に第一フランジ部13に剥離可能に熱接着され接着部2で密封されている。接着部2は剥離材40が第一フランジ部13に剥離可能に接着されたリング状の形状であり、接着部2の内縁が内側に突出した突出部2aが形成されている。突出部2aを設けることにより第一外壁12部分を加圧すると突出部2aより剥離材40が容易に剥離するので好ましい。さらに2段形状の容器10の開口された天面は薬液塗布材20で覆われると共に薬液塗布材20の周縁ないし周縁近傍が第二フランジ部15に熱接着され固定されている。
【0027】
図1、図2には接着部2に形成する突出部2aが1つ形成された例を示したが、2つ以上複数個形成することもできる。図3に突出部2aを複数個形成した例を示す。図3は図1(イ)に相当する平面図であって、大きな直径の破線で示した円が剥離材40および第一フランジ13の外縁、小さい直径の破線で示した円が第一フランジ13の内縁、太い実線で示した部分が接着部2をそれぞれ示す透視平面図である。図3(イ)は突出部2aを対向させて2個対称形に形成した例であり、図3(ロ)は接着部2を略4等分する位置に相互に対向させて対称形に形成した例であり、図3(ハ)は接着部2を略5等分する位置に形成した例を示す。突出部2aを複数個形成することにより、第一外壁12の任意の部分を指で加圧することにより剥離材を容易に剥離できるので使用者にとって便利なものとなる。
【0028】
また、図1に示すように薬液塗布材20と剥離材40と第二外壁14で囲まれた空間は、後述するが第一外壁12部分を加圧するだけで剥離材40が剥離し、薬液塗布用具1の薬液塗布材20を下方にして倒立させると薬液30が薬液収容部16より漏洩し薬液塗布材20に含浸する際、薬液30が拡散し、薬液塗布材20にムラなく含浸するために有効な空間となる。
【0029】
図2は本発明に係る薬液塗布用具1の第一実施形態を示す分解斜視図である。図2に示すように薬液塗布用具1は天面が開口された2段形状の容器10の薬液収容部16に所定量の薬液を収容し、その後、円形状に打抜かれた剥離材40を薬液収容部16の開口部を覆うように載置し、剥離材40の周縁ないし周縁近傍を第一フランジ部13で剥離可能にリング状に熱接着し、さらに容器10の開口された天面を薬液塗布材20で覆うと共に2段形状の容器10の第二フランジ部15に熱接着した構成である。
【0030】
容器10は熱可塑性樹脂からなるプラスチックシートを真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の熱成形をして使用される。あるいは、熱可塑性樹脂を射出成形した容器が使用される。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ乳酸、ポリアクリロニトリル、ポリアミドもしくはポリスチレン等の合成樹脂が挙げられる。また、プラスチックシートの場合には、前記熱可塑性樹脂を一種以上組合せて共押出した共押出シートや、あるいは単体のプラスチックシートを二種以上接着剤等で積層した積層シートとしてもよい。
【0031】
また、容器10に用いるプラスチックシートの厚さとしては、通常、0.2〜2.0mm、好ましくは、0.5〜1.2mmである。0.2mm未満の場合には容器10の保形性が損なわれることがあり、2mmを超えると厚くなりすぎ、第一外壁12を加圧して剥離材40を第一フランジ部より剥離させる場合に第一外壁12が加圧しても変形しにくくなるので十分な加圧を加えることができず剥離しないことがある。
【0032】
また、薬液塗布材20に使用される材料としては薬液浸透性を有するクロス、綿、不織布、ポーラスな構造にした合成樹脂製品、紙等が使用できるが、薬液の含浸、容器との熱接着性、取扱いの利便性等を考慮すると不織布が好ましい。図4に薬液塗布材の構成例を示し、図4(イ)は単層、(ロ)は2層、(ハ)は3層の場合をそれぞれ示している。
単層ないし多層の不織布に使用される熱可塑性合成繊維としては、ポリアミド、共重合ポリアミド、ポリエステル、共重合ポリエステル、ポリアクリロニトリル、共重合ポリアクリロニトリル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン等の熱可塑性重合体を単独、混合若しくは複合紡糸して得られる繊維が挙げられる。さらには、前記繊維を芯とし、その外周に容器10と熱接着性を有する熱可塑性樹脂を鞘とした芯鞘型不織布が使用できる。例えば、容器10の熱接着される表面樹脂がポリオレフィン系樹脂の場合、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等の繊維を芯とし、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂を鞘とした不織布等が好ましい。また、不織布を構成する天然繊維としては、木綿繊維や麻繊維等のセルロース系繊維、あるいは動物繊維、あるいはパルプ、レーヨンに代表される再生繊維が挙げられる。不織布の坪量は、10g/m2 〜300g/m2 である。上記熱可塑性合成繊維、天然繊維およびこれらを混抄したものを単層ないしは2層以上の多層構成にした不織布が使用できる。
【0033】
多層構成にする場合、例えば図4(ハ)に示すように薬液塗布材20は複数の不織布が重ねられた多層構成であり、例えば、容器10側から裏層23、中間層22、表層21が順次重ねられて構成され、裏層23は容器10と熱接着性を有する不織布である。中間層22は保水性を有する不織布であり、表層21は肌触りの優れた不織布である。
裏層23に使用される不織布としては、容器10の材質と熱接着性を有する熱可塑性合成繊維不織布が用いられる。表層21に用いる不織布としては、直接肌に接触するので柔軟性等の風合いが優れた肌触りのよい不織布を用いるのが好ましく、裏層23と同様の熱可塑性合成繊維不織布が用いられる。坪量は10g/m2 〜300g/m2 である。
【0034】
中間層22に用いる不織布としては、表層で用いた樹脂からなる熱可塑性合成繊維不織布、木綿繊維や麻繊維等のセルロース繊維または天然パルプやレーヨンに代表される再生繊維等の天然繊維不織布、あるいは、熱可塑性合成繊維と天然繊維とを混抄した不織布が用いられるが保水性の優れた天然繊維不織布が好ましい。
中間層22に用いられる不織布の厚さは薬液の収容量や塗布面積を勘案して決められるものであるが、通常、坪量は10g/m2 〜300g/m2 である。なお、中間層22は複層にすることもできる。
【0035】
また、薬液塗布材20に用いる不織布は、容器に超音波シール、高周波シール、ヒートシールバー等のヒートシールにより熱溶融した容器の樹脂が不織布の繊維間に食い込むことにより接着するので不織布には必ずしも熱接着性を必須とするものではないが、熱接着性を有している方が熱接着条件(温度、時間、圧力等)の選択範囲が広くなるので好ましい。さらに不織布は、多層構成にする方が各層に上記役割を分担させることができるので不織布の選定範囲が広がり、薬液塗布材の設計自由度が広くなるので好ましい態様である。
【0036】
また、本願発明において、薬液塗布材に使用する不織布の性質として保水性を有することが重要である。本願発明でいう保水性とは、試験方法を後述するが薬液を一定の速度で薬液塗布材上に滴下し、薬液が薬液塗布材に含浸され、さらに薬液が過飽和となって薬液塗布材より滴り始めるまでに要した薬液の滴下量を不織布の薬液保持量として表したものであり、薬液保持量が大きいほど保水性が高く、薬液保持量が小さいほど保水性が低いという。
したがって、保水性が低いと薬液が不織布に含浸し短時間で透過してしまうために不織布に保持される薬液保持量が少なくなるので薬液塗布適性が不十分なものとなる。保水性の適正な範囲としては、薬液保持量で1ml以上が好ましい。
【0037】
剥離材40は、容器10の第一フランジ部13に剥離可能に熱接着シールされる。シール方式としてはヒートシールバーによるヒートシール、超音波シール、高周波シール等である。
【0038】
剥離材40は、容器10に剥離可能に熱接着される材料であれば使用可能であり、単体もしくは2層以上の積層体が使用できる。通常、基材と熱接着性樹脂層とが積層された積層体(図示しない)が使用される。基材としてはナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等の二軸延伸されたプラスチックフィルム並びにこれらのフィルムにポリビニルアルコール、塩化ビニリデン等のバリア材がコートされたフィルム及び酸化珪素、酸化アルミ等の無機物が蒸着されたフィルムが使用される。熱接着性樹脂層には、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンないしは易剥離性熱接着性樹脂(EPR)等をフィルム又はエクストルージョンラミネーションして使用される。なお、EPRの易剥離性を付与する方法として表面に接着力の弱い薄層を設けた多層構成とする方法や、相溶性の少ない樹脂をブレンドするなどの構成により易剥離性を発現させる方法などの公知のものが適宜採用される。上記の各層はドライラミネーション法やエクストルージョンラミネーション法等の公知の技法により積層され積層体とされる。
また、基材と熱接着性樹脂層の間に中間層を積層することもできる。中間層としては上記基材層に使用されるフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体、アルミニウム箔、アルミニウム等の金属蒸着されたフィルム、合成紙、不織布及び紙等が使用される。中間層は2層以上の複層としてもよい。
【0039】
薬液収容部16に充填収容される薬液30としては消毒液や化粧液等の薬効成分の溶液や、エマルジョンまたはサスペンジョンのような分散液であってもよい。例えば、消毒液としては、消毒薬、キズ薬、かゆみ止め薬、水虫薬等を挙げることができ、化粧液としては、化粧水や日焼け止め液等を挙げることができる。また、消毒薬の一例としては、ポビドンヨード、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、エタノール等のアルコール類を挙げることができる。
【0040】
薬液収容部16に充填収容される薬液30の量は、用途、薬液塗布材の特性(薬液塗布材への薬液含浸量、容積)および塗布面積を勘案して適宜決定すればよい。薬液30は無色でも着色されていてもよい。
【0041】
なお、図示はしないが、薬液塗布材20の上にトップシール材を重ね、トップシール材を第二フランジ部に位置する薬液塗布材20に剥離可能に接着する構成も好ましい態様である。
【0042】
次に、図1、図5を参照しながら使用方法について説明する。図5に示すように本発明の薬液塗布用具1の使用方法は、まず、容器10の第一外壁12を指で挟み容器10の中心に向かって押圧する。するとその内圧の上昇に伴い剥離材40の接着部2に形成された突出部2a(図1参照)から剥離が開始され剥離材40が容器10の第一フランジ部13から剥離し開封口3が形成される。薬液塗布用具1の薬液塗布材20を下方にして容器10の底板11を上方にすると開封口3より薬液30が漏洩し薬液拡散部17を経由して薬液塗布材20に薬液30が含浸される。なお、第一外壁12を指で挟み押圧する場合、一方の指が突出部2aの位置する部分にすると開封口3の形成が一層容易となるので好ましい。
【0043】
図5に示すように薬液塗布材20と剥離材40と第二外壁14で囲まれた空間すなわち薬液拡散部17は、薬液収容部16より漏洩した薬液30が拡散するための役割を果たし、拡散した薬液30が薬液塗布材20にムラなく含浸するものとなる。その後、第一外壁12の部分を把持部として薬液30が含浸した薬液塗布材20’を肌に接触させて薬液を塗布する。
薬液30が拡散するための空間である薬液拡散部17は第一フランジ部13形成面から第二フランジ部15の内縁で形成される面に至る垂線の長さhは3〜10mmが好ましく、5〜8mmがより好ましい。
【0044】
図6は本発明に係る薬液塗布用具の第二実施形態を示す図1のX−X線に相当する断面図である。第二実施形態は、第一実施形態とは薬液塗布材20上にトップシール材50が重ねられた構成である点と、容器10が第三フランジ部18を有する点、トップシール材50が第三フランジ部18で接着されている点で相違し、その他は第一実施形態と同じであり、同符号を付して説明を省略する。図6に示すように第二実施形態の薬液塗布用具1’は、容器10’の形状が第二フランジ部15の周縁が下方に垂下するカール部15aを有し、さらにカール部15aの外縁より外方に略水平に少し延設された第三フランジ部18を有するものである。そして、容器10’の第三フランジ部18の外縁よりも少し大きいトップシール材50が薬液塗布材20上に薬液塗布材20を覆うように重ねられ、トップシール材50が第三フランジ部18に剥離可能に接着されている構成である。なお、トップシール材50は第二フランジ部15に位置する薬液塗布材20に剥離可能に接着することもできるが、第三フランジ部18で接着した方が薬液塗布材20の表面を傷めることがないので好ましい。使用に際しては、まず、第三フランジ部18より外方に食み出したトップシール材50を摘み、第三フランジ部18より剥離して取り除き、その後は、第一実施形態で示した手順で使用される。また、別の態様として、トップシール材50を設けずに薬液塗布材の上にプラスチック製のオーバーキャップ又は薬液塗布用具をシュリンク包装等でオーバーラップする方法が挙げられる。
【0045】
トップシール材50は、容器又は薬液塗布材に剥離可能に熱接着される材料であれば使用可能であり、単体もしくは2層以上の積層体が使用でき、剥離材40の基材層、中間層、熱接着性樹脂層に使用される材料が使用される。積層体とする場合には、基材層と熱接着性樹脂層またはその層間に中間層を介した積層体とされる。
【0046】
図7は本発明に係る薬液塗布用具において容器の他の実施形態を示し、(イ)は斜視図、(ロ)は窪み部から見た正面図、(ハ)は側面図である。その他の実施形態の容器10’’は、底部11および第一外壁12に内方に窪む断面略V字状の窪み部11a、12aを有している。V字状の窪み部12aは第一外壁12の上端から下端に向かって、真直ぐに延びるV字溝であり、下端に達すると底板11の一方の端から他方の端に向かって、底板11の中央部に至るまでV字状の窪み部11aが窪み部12aと連続して形成されている。図5の(ハ)において破線で示した部分は窪み部11a、12aのV字溝の尖端部分を示し、底板11の窪み部11aは底板11の一方の端から他方の端に向かって、V字溝は浅くなっていき、窪み部先端11bで窪み部は終結している。このように窪み部11a、12aを設けることにより、容器10’’の第一外壁12の窪み部12aの両側を指で挟み押圧した際、窪み部12a、11aで容器10が容易に折り畳まれるので一層内圧を高めることができ、剥離材40の剥離が容易となる。その他は第一実施形態と同じである。
【実施例】
【0047】
<実施例1>
ポリプロピレン(PP)とエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)とポリプロピレン(PP)を共押出した<PP/EVOH/PP>なる積層構成の厚さ1mm多層シートを真空成形し、図1、図2に示す2段形状の容器10を作製した。薬液収容部16に10%ポビドンヨード液を2.5ml充填し、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)と厚さ35μmのアルミニウム箔(AL)と厚さ12μmのPETと厚さ30μmの未延伸ポリプロピレン(CPP)を順に2液硬化型ウレタン系接着剤(DL)を用いてドライラミネーション法で積層し接着剤を硬化させた<PET12μm/AL35μm/PET12μm/CPP30μm>なる構成の積層体を直径27.0mmの円形に打抜いて剥離材40を作製し、CPP面側が容器側になるように第一フランジ部に載置し、所定の熱板で剥離材をリング状に熱接着し、突出部2aを有する接着部2を形成して密封した。その後、表層21に坪量50g/m2、中間層22に坪量100g/m2、裏層23に坪量50g/m2 の不織布を用いて3層重ねて積層し直径41.0mmの円形に打抜いて薬液塗布材を作製し、裏層21側を第二フランジ部15に当接させて熱接着し薬液塗布用具1を作製した。

容器寸法:底面の内径 12.0mm
第二フランジ部内径 30.0mm
第二フランジ部外径 39.0mm
第一フランジ部内径 20.0mm
第一フランジ部外径 28.0mm
底面から第一フランジ部までの高さ 13.5mm
底面から第二フランジ部までの高さ 20.0mm
第一フランジ部から第二フランジ部までの高さh 6.5mm
【0048】
<実施例2>
容器10の寸法を下記のように変更し、剥離材の寸法を直径22.0mm、薬液塗布材の寸法を直径37.0mmに変更し、薬液の充填量を1.3ml充填した以外は実施例1と同様とした。

容器寸法:底面の内径 10.0mm
第二フランジ部内径 26.0mm
第二フランジ部外径 35.0mm
第一フランジ部内径 15.0mm
第一フランジ部外径 23.0mm
底面から第一フランジ部までの高さ 11.5mm
底面から第二フランジ部までの高さ 18.0mm
第一フランジ部から第二フランジ部までの高さh 6.5mm
【0049】
<実施例3>
容器の形状を図5に示した窪み部を有する容器10’とした以外は実施例1と同様とした。

容器寸法:第一外壁の窪み部の幅 7.0mm
第一外壁の窪み部の深さ 2.0mm
底面の窪み部の一方の端から先端までの長さ 10.0mm
【0050】
<実施例4>
薬液塗布材として、ポリエステル繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする坪量50g/m2 の不織布を表層とし、ポリプロピレン繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維/ポリエステル繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維を混合した坪量50g/m2 の不織布を裏層とした二層構成の不織布を用いた以外は実施例1と同じとした。
【0051】
<実施例5>
薬液塗布材として、ポリプロピレン繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維の坪量25g/m2 の不織布を表層とし、ポリプロピレン繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維/ポリエステル繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維を混合した坪量50g/m2 の不織布を裏層とした二層構成の不織布を用いた以外は実施例1と同じとした。
【0052】
<実施例6>
薬液塗布材として、ポリエステル繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維/パルプを50/50の比率で混合した坪量160g/m2 の単層構成の不織布を用いた以外は実施例1と同じとした。
【0053】
<実施例7>
薬液塗布材として、ポリプロピレン繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維/ポリエステル繊維を芯とし、ポリエチレン系樹脂を鞘とする芯鞘型繊維を混合した坪量50g/m2 の単層構成の不織布を用いた以外は実施例1と同じとした。
【0054】
上記で作製した実施例1〜7について、第一外壁12を指で加圧すると容易に剥離材が突出部より剥離し、開封口を形成することができた。さらに実施例1〜6は薬液収容部を下方に底板を上方にすると開封口から薬液が漏洩し薬液がムラなく薬液塗布材に含浸した。そして綿棒での塗布動作に比べ、肌に広い面積に亘ってしかも短時間で塗布することができた。また、薬液塗布材の肌触りもよく、さらに塗布動作において手指に薬液が付着することもなかった。実施例7は開封口を形成することができたが、薬液塗布材の保水性がやや低く、薬液が薬液塗布材に保持される薬液保持量が少なくなり、実施例1〜6に比べ薬液塗布適性が少し劣るものであった。
【0055】
また、実施例4〜7について保水性を評価した結果を表1に示す。なお、保水性評価試験方法は以下の通り。
<評価方法>
薬液塗布材に用いる不織布を直径36mmφの円形状に切り取り、切り取った不織布の中心部を挟み具で挟み不織布を水平に保持する。その後、注射器に10%ポビドンヨード液を5ml正確に秤量し、円形状の不織布の外縁から中心に向かって5mm内側よりの位置に注射器の注射針先端を接近させて所定の速度(目安:5mlを1分間で滴下する速度)でポビドンヨード液を滴下し、不織布上に滴下された薬液が不織布に含浸され飽和状態に達すると過飽和となった薬液が薬液塗布材の滴下した反対面から薬液が滴り始める時点で注射器に残った薬液残量を測定し、滴下した薬液量を算出し、これを薬液保持量として求めた。
<評価基準>
○:薬液保持量が1ml以上
△:薬液保持量が1ml未満
【0056】
【表1】

【0057】
表1に示すとおり、実施例4〜6は薬液保持量が1ml以上であり、保水性は良好であった。実施例7は薬液保持量が1ml以下で実施例4〜6に比較し保水性はやや劣った。
【符号の説明】
【0058】
1、1’ 薬液塗布用具
2 接着部
2a 突出部
3 開封口
10、10’、10’’ 容器
11 底板
11a 底板の窪み部
11b 窪み部先端
12 第一外壁
12a 第一外壁の窪み部
13 第一フランジ部
14 第二外壁
15 第二フランジ部
15a カール部
16 薬液収容部
17 薬液拡散部
18 第三フランジ部
20 薬液塗布材
20’ 薬液が含浸した薬液塗布材
21 表層
22 中間層
23 裏層
30 薬液
40 剥離材
50 トップシール材
h 第一フランジ部から第二フランジ部の内縁で形成される面に至る垂線の長さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板の周囲に上方に立ち上がる第一外壁を連設し、前記第一外壁の周縁に外方に延びる第一フランジ部を介して上方に立ち上がる第二外壁を連設し、前記第二外壁の周縁より外方に延びる第二フランジ部を有する天面が開口された2段形状の容器と、薬液塗布材と、薬液と、剥離材と、を備え、前記底板と前記第一外壁で囲まれ上面が開口部とされた空間からなる薬液収容部に前記薬液を収容し、前記薬液収容部の開口部を前記剥離材で覆うと共に前記第一フランジ部に剥離可能に接着して密封し、前記2段形状の容器の開口部を前記薬液塗布材で覆うと共に前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に接着されていることを特徴とする薬液塗布用具。
【請求項2】
前記薬液塗布材上にトップシール材が重ねられ、前記トップシール材が前記第二フランジ部に位置する前記薬液塗布材と剥離可能に接着されていることを特徴とする請求項1記載の薬液塗布用具。
【請求項3】
前記第二フランジ部の周縁が下方に垂下するカール部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の薬液塗布用具。
【請求項4】
前記第二フランジ部の周縁が下方に垂下するカール部を有し、さらに前記カール部の外縁より外方に第三フランジ部が延設されてなり、前記薬液塗布材上にトップシール材が重ねられ、前記トップシール材が前記第三フランジ部と剥離可能に接着されていることを特徴とする請求項1記載の薬液塗布用具。
【請求項5】
前記薬液塗布材が複数の不織布が重ねられた構成であり、少なくとも前記2段形状の容器側の不織布が熱接着性を有し、前記2段形状の容器の前記第二フランジ部に熱接着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬液塗布用具。
【請求項6】
前記剥離材が前記第一フランジ部に剥離可能に接着された接着部にその内縁が内側に突出した突出部が形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の薬液塗布用具。
【請求項7】
前記突出部が2つ以上形成されていることを特徴とする請求項6記載の薬液塗布用具。
【請求項8】
前記底板および前記第一外壁が、内方に窪む窪み部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の薬液塗布用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−32181(P2013−32181A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246107(P2011−246107)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】