説明

薬物の制御された放出のためのセラミック構造体

本発明では、薬物の制御された供給ための組成物、薬剤形態、およびその薬剤形態を生成する処理プロセスが提供される。本発明の組成物についての態様では、薬物およびセラミック構造体を有する組成物が提供される。セラミック構造体は、薬物が収容される中空部分、または微細な粒子が相互に結合された集合体を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般に、治療薬の制御された放出に関する。特に、本発明は、経口投与する際に制御された薬物供給を可能にする、薬物/セラミック構造体の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
薬物の制御された供給を可能にする組成物の経口投与に関する多くの方法が知られている。例えば、日本特許第2518882号には、薬物を含む層がコーティングされた不活性材料のペレットを用いた持続的な放出法が示されている。薬物含有層の上には、脂肪親和性化合物を含む第2のコーティング層が設置される。第2の層は、薬物が移動しなければならないバリアとして機能し、これにより、経口投与の際に、持続的な放出プロファイルが形成される。そのような組成物は、製作することが難しく、第2の層は、タブレットの圧縮によって容易に壊すことができるため、容易に転用されてしまう。
【0003】
別の方法は、高分子系のミエロ粒子(mieroparticle)マトリクスに、薬物を取り込むステップを含む。そのような高分子マトリクスに関しては、多くの特許が成立しており、例えば、米国特許第5,213,812号、5,417,986号、5,360,610号および5,384,133号がある。収容されている薬物は、マトリクスから拡散して、患者の消化管に到達する必要があり、投与の際に、薬物の継続的供給が可能となる。しかしながら、微細粒子のマトリクスは、装填効率が悪く、僅かの割合しか薬物を組み込むことができない。さらに、微細粒子マトリクスの供給システムは、容易に壊すことができる。
【0004】
米国特許第5,536,507号には、別の方策が示されている。この方策は、患者の高いpHを示す領域で肥大化するpH感受性高分子に、薬物を取り込むことを含む、3つの成分を調合するステップを有する。この方策は、さらに遅延放出コーティング層および腸溶性のコーティング層を有し、これにより、大部分の腸内で、大部分の薬物を放出するような投与形態が可能となる。しかしながら、この薬剤形態では、大部分の腸に到達するには、数時間が必要となり、大きく変動する時間放出プロファイルが観測される。さらに、3成分の供給システムは、容易に破壊することができる。
【特許文献1】特許第2518882号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、継続的な薬物の供給が可能な新しい方法および組成物についてのニーズがある。本発明は、これらを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、薬物供給制御のための組成物、薬剤形態、およびその薬剤形態を形成するための処理プロセスが提供される。
【0007】
本発明の組成物についての態様では、薬物とセラミック構造体を含む組成物が提供される。セラミック構造体は、金属酸化物を含み、これは、通常、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、スカンジウム酸化物、セリウム酸化物およびイットリウム酸化物からなる群から選択される。通常、セラミック構造体は、平均粒子直径が10nmから100μmの範囲にあり、しばしば、以下の範囲のものが得られる:10nmから100nm、101nmから200nm、201nmから300nm、301nmから400nm、401nmから500nm、501nmから600nm、601nmから700nm、701nmから8100nm、801nmから900nm、901nmから1μm、1μmから10μm、11μmから25μm、25μmから100μm。
【0008】
本発明の薬剤形態についての態様では、薬物およびセラミック構造体の組み合わせと、高分子コーティングとを含む、継続的に薬物を放出する経口の薬剤形態が提供される。高分子コーティングは、通常、疎水性であり、しばしば、有機シラン、クロロ有機シラン、有機アルコキシシラン、有機高分子およびアルキレート化剤から選定された化学物質を有するセラミック構造体の処理によって製作される。
【0009】
本発明の組成物についての態様では、薬物と、セラミック構造体とを有する組成物が提供される。セラミック構造は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、スカンジウム酸化物、セリウム酸化物およびイットリウム酸化物からなる群から選定された金属酸化物を含む。
【0010】
本発明の薬剤形態についての態様では、薬物、セラミック構造体および高分子コーティングの組み合わせを有する、持続的に薬物を放出する経口の薬剤形態が提供される。
【0011】
本発明の方法についての態様では、薬剤形態を調製する方法が提供される。この方法は、少なくとも以下のステップを有する:薬物を溶媒中に溶解して、溶液を得るステップ、溶液をセラミック構造体に接触させるステップ、および溶媒を気化させるステップ。
【0012】
本発明の別の方法の態様では、薬剤形態を調製する方法が提供される。この方法は、少なくとも以下のステップを有する:溶融薬物をセラミック構造体に接触させて、混合体を得るステップ、および混合体を冷却して、粉末を得るステップ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、経口投与の際に薬物の供給を制御することが可能な、薬物/セラミック構造体の組み合わせに関する。
【0014】
いかなる適当な薬物を本発明の組み合わせに取り込んでも良い。そのような薬物の例には、これに限られるものではないが、以下のものが含まれる:解熱剤、鎮痛剤および消炎剤(例えば、インドメタシン、アスピリン、ジクロフェナックナトリウム、ケトプロフェン、イブプロフェン、メフェナム酸、アズレン、フェナセチン、イソプロピルアンチピリン、アセトアミノフェン、ベンザダエ(bennzadae)、フェニルブタゾン、イルフェナミック(ilfenamic)酸、サリチル酸ナトリウム、サリチルアミド、サザピリン(sazapyrine)およびエトドラク);ステロイド性抗炎症性薬(例えば、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロンおよびトリアムシロノン);抗潰瘍薬(例えば、エカベト(ecabet)ナトリウム、エンプロスチル(enprostil)、スルピリド、塩酸セトラキサート、ゲフェルナート、マレイン酸イルソグラジン(irsogladine)、シメチジン、塩酸ラニチジン、ファモチジン、ニザチジンおよび塩酸酢酸ロキサチジン(roxatidine));冠拡張薬(例えば、ニフェジピン、硝酸イソソルビド、塩酸ジルチアゼム、トラピジル、ジピリダモール、塩酸ジラゼプ、ベラパミル、ニカルジピン、塩酸ニカルジピンおよび塩酸ベラパミル);末梢血管拡張剤(例えば、酒石酸イフェンプロジル、マレイン酸シネパジド、シクランデレート(ciclandelate)、シンナリジン(cynnaridine)およびペントキシフィリン(pentoxyfylline);抗生物質(例えば、アンピシリン、アモキシシリン、セファレキシン(cefalexin)、コハク酸エリスロマイシンエチル、塩酸バカンピシリン、塩酸ミノサイクリン、チオランフェニコール(chioramphenicol)、テトラサイクリン、エリスロマイシン、セフタジジム、セフロキシムナトリウム、アスポキシリン(aspoxicillin)およびアコキシルリチペネム水和物(ritipenem));合成抗菌薬(例えば、ナリジスク酸、ピロミド酸、ピペミド酸3水和物、エノキサシン、シノキサシン、オフロキサシン、ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシンおよびスルファメトキサゾール-トリメトプリム);抗ウイルス薬(例えば、アシクロビルおよびガンシクロビル);抗けいれん剤(例えば、臭化プロパンテリン、硫酸アトロピン、臭化オキシトロピウム(oxitropium)、臭化チメピジウム、スコポラミンブチルブロマイド、塩化トロスピウム、臭化ブトロピウム、N-メチルスコポラミン硫酸メチルおよび臭化メチルオクタトロピン);咳止め薬(例えば、ヒベンズ酸チペピジン、塩酸メチルエフェドリン、リン酸コデイン、トラニラスト、臭化水素酸デキストロメルトファン、リン酸ジメモルファン、塩酸クロフェナドール、塩酸ホミノベン、リン酸ヘンプロペリン(henproperine)、塩酸エプラジノン、塩酸クロフェダノール、塩酸エフェドリン、ノスカピン、クエン酸ペントキシベリン、クエン酸オキセラジンおよびクエン酸イソアミニル);排痰剤(例えば、塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、塩酸エチルシステインおよび塩酸メチルシステイン);気管支拡張剤(例えば、テオフィリン、アミノフィリン、ナトリウムクロモグリケート(cromoglicate)、塩酸プロカテロール、塩酸トリメトキノール、ジプロフィリン、硫酸サルブタモール、塩酸クロルプレナリン、フマル酸フォルモテロール、硫酸オルシプレナリン、塩酸ピルフテロール、硫酸ヘキソプレナリン、ビトルテロールメシレート(bitolterol mesilate)、塩酸クレンブテロール、硫酸テルブタリン、塩酸マブテロール、臭化水素酸フェノテロールおよび塩酸メトキシフェナミン);強心剤(例えば、塩酸ドーパミン、塩酸ドブタリン、ドカルパミン(docarpamine)、カフェイン、ジゴキシン、ジギトキシンおよびユビデカレノン(ubidecarenone);利尿薬(例えば、フロセミド、アセタゾールアミド、トリクロルメチアジド、メチルクロチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、エチアジド、シクロペンチアジド、スピロノラクトーン、トリアムテレン、フルオロチアジド、ピレタニド、メフルシド、エタクリン酸、アゾセミド(azosemide)およびクロフェナミド);筋肉弛緩剤(例えば、エフロヘネシン(ehlorphenesin)カルアメート、塩酸トルペリゾン、塩酸エペリゾン、塩酸チザニジン、メフェネシン、クロルゾキサゾン、フェンプロバメート、メトカルバモール、クロルメザノン、メシル酸プリジノール、アフロクアロン、バクロフェンおよびダントロレンナトリウム);脳代謝改良剤(例えば、ニセルゴリン(nicergoline)、塩酸メクロフェノキセートおよびタルチレリン(taltireline));マイナートランキライザー(例えば、オキサゾーラム、ジアゼパム、クロチアゼパム、メダゼパム、テマゼパム、ルルジアゼパム、メプロバメート、ニトラゼパムおよびクロロジアゼポキシド);強力精神安定剤(例えば、スルピリド、塩酸クロカプラミン(clocapramine)、ゾテピン(zotepine)、クロルプロマジンおよびハロペリドール);ベータ遮断剤(例えば、フマル酸ビソプロロール、ピンドロール(pindolol)、塩酸プロプラノロール、塩酸カルテオロール、酒石酸メトプロロール、塩酸ラベタノール、塩酸アセブトロール、塩酸ブフェトロール、塩酸アルプレノロール、塩酸アロチノロール、塩酸オキシプレノロール、ナドロール、塩酸ブクモロール、塩酸インデノロール、マレイン酸チモロール、塩酸ベフノロールおよび塩酸フプラノロール);抗不整脈剤(antian-thymic)(例えば、塩酸プロカインアミド、リン酸ジソピラミド、コハク酸シベンゾリン、アジマリン、硫酸キニジン、塩酸アプリンジン(aprindine)、塩酸アプリンジン、塩酸プロパフェノン、塩酸メキシレチンおよび塩酸アジミリド);高尿酸血症治療薬(athrifuges)(例えば、アロプリノール、プロベニシド、コリスチン、サルフィンピラゾン、ベンズブロマロンおよびブコローム);抗凝血剤(例えば、塩酸チクロピジン、ジクマロールカリウムワルファリン、および(2R,3R)-3-アセトキシ-5-[2(ジメチルアミノ)エチル]-2,3-ジヒドロ-8-メチル-2-(4-エチルフェニル)-1,5-ベンゾチアゼピン-4(5H)-1つのマレイン酸);血栓溶解剤(例えば、メチル(2E,3Z)-3-ベンジリデン-4-(3,5-ジメトキシ-α-メチルベンジルジン)-N-(4-メチルピペラジン-1-イル)塩酸サクシナメート(succinamate));肝疾患剤(例えば、(+)-r-5-ヒドロキシメチル-t-7-(3,4-ジメトキシフェニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]フラン-c-6-カルボキシラクトーン);抗てんかん剤(例えば、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウム、メタルビタル(metalbital)およびカルバマピゼン);アンチヒスタミン剤(例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、メクイタジン(mequitazine)、酒石酸アリメマジン、塩酸シプロヘプタジンおよびベポタジンベシレート(bepotasin besilate));制吐剤(例えば、塩酸ジフェニドール、メトクロプラミド、ドンペリドン、メシル酸ベタヒスチンおよびメシル酸トリメブチン);血圧降下剤(例えば、レセルピリン酸ジメチルアミノエチル、レシンナミン、メチルドーパ、塩酸プラゾシン、塩酸ブナゾジン、塩酸クロニジン、ブドラジン(budrazine)、ウラピジルおよびN-[6-[2-[(5-ブロルノ-2-ピリミジニル)オキシ]エトキシ]-5-(4-メチル]フェニル)-4-ピリミジニル]-4-(2-ヒドロキシ-I,I-ジメチルエチル)ベンゼンスルホンアミドナトリウム);高脂質血剤(例えば、プラバスタチンナトリウムおよびフルバスタチンナトリウム);交感神経刺激剤(例えば、メシル酸ジヒドロエルゴタミンおよび塩酸イソプイロテレノール、塩酸エチレフリン);経口糖尿病治療剤(例えば、グリベンクラミド、トルブタミド、グリミジン(glymidine)ナトリウム);経口制癌剤(例えば、マリマスタット(marimastat));ビタミン剤(例えば、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、および葉酸);頻尿治療薬(例えば、塩酸フラボキセイト、塩酸オキシブチニンおよび塩酸テロリジン);およびアンジオテイシン変換インヒビター(例えば、塩酸イミダプリル、マレイン酸エナラプリル、アラセプリル(alacepril)および塩酸デラプリル(delapril))。
【0015】
通常、本発明のセラミック構造体は、チタン、ジルコニウム、スカンジウム、セリウムおよびイットリウムの単体または混合物の固体状多孔質酸化物を含む。セラミックは、チタン酸化物またはジルコニウム酸化物であることが好ましく、チタン酸化物が特に好ましい。セラミックの構造上の特徴は、合成方法または分離技術によって、十分に制御される。制御可能な特徴の一例には、以下のものが含まれる:1)構造体が中空のほぼ球形、中空の非球形、またはほぼ球形にもしくは非球形に相互に結合された微細粒子の集合体、2)構造体の寸法範囲(例えば、粒子直径)、3)構造体の表面積、4)構造体が中空の場合、壁の厚さ、5)ポア寸法範囲。
【0016】
通常、セラミックは、粒子を形成するため、金属塩の溶液のスプレー加水分解法によって形成され、粒子は、回収されて熱処理される。スプレー加水分解法では、まず非晶質球が得られる。球の表面は、金属酸化物または混合金属酸化物のアモルファスのガラス状の膜で構成される。材料の焼成または熱処理によって、膜が結晶化し、結晶が連結された骨格が形成される。焼成生成物は、通常多孔質で硬質構造である(例えば、本願の参照文献として取り入れられている、米国特許第6,375,923号参照)。
【0017】
あるパラメータを変化させることにより、ほぼ球形の様々なセラミック材料が形成される:a)金属組成または元の溶液の混合物の変更、b)溶液濃度の変更、c)焼成条件の変更。また、材料は、従来の空気分級法およびふるい分け技術を用いて分級しても良い。
【0018】
ほぼ球形の中空構造の場合、通常、粒子寸法は、10nmから100μmの範囲にある。平均粒子径は、しばしば以下の範囲にある:10nmから100nm、101nmから200nm、201nmから300nm、301nmから400nm、401nmから500nm、501nmから600nm、601nmから700nm、701nmから800nm、801nmから900nm、901nmから1μm、1μmから10μm、11μmから25μm、26μmから100μm。
【0019】
通常、サンプル全体の粒子寸法のばらつきは、適正に制御される。例えば、ばらつきは、平均直径の10.0%未満であり、平均直径の7.5%未満であることが好ましく、平均直径の5.0%未満であることがさらに好ましい。
【0020】
セラミック構造体の表面積は、粒子形状、粒子直径および粒子ポロシティを含む、いくつかの因子に依存する。通常、ほぼ球形の粒子の表面積は、0.1m2/gから100m2/gの範囲である。ただし、しばしば、表面積は、0.5m2/gから50m2/gの範囲である。
中空粒子の壁の厚さは、10nmから5μmの範囲にあり、通常、50nmから3μmの範囲にある。また、そのような粒子のポア寸法は、1nmから5μmの範囲にあり、しばしば5nmから3μmの範囲にある。
【0021】
別の処理を行わなくても、本発明のセラミック構造体は、親水性である。ただし、親水性は、従来の技術を用いて変更しても良い。そのような技術には、これに限られるものではないが、構造体を、マグネシウム、アルミニウム、珪素、銀、亜鉛、リン、マンガン、バリウム、ランタン、カルシウムおよびPEG高分子またはクラウンエーテル構造体を含む塩または水酸化物で処理する方法が含まれる。そのような処理は、構造体が中空空間内に、特に親水性の薬物を取り込む際の特性に影響を及ぼす。
【0022】
あるいは、構造体は、適当な種類の化学薬品を用いて、処理によって、比較的疎水性にしても良い。疎水化剤には、これに限られるものではないが、有機シラン、クロロ有機シラン、有機アルコキシシラン、有機高分子およびアルキル化剤が含まれる。これらの処理によって、構造体での親水性または疎水性の薬物の取り込みが、より有効となる。このように、多孔質で中空の構造体は、化学気相成膜法、金属層成膜法、金属酸化物気相成膜法、または炭素気相成膜法を用いて処理され、表面特性が改質されても良い。
【0023】
セラミック構造体に設置される薬物は、必要であれば、賦形剤を有しても良い。賦形剤の一例には、これに限られるものではないが、以下のものが含まれる:クエン酸アセチルトリエチル、アセチルトリン-n-クエン酸ブチル、アスパルテームと乳糖、アルギン酸塩、炭酸カルシウム、カルボポール、カラギーナン、セルロースと乳糖の組み合わせ、クロスカーメロース(croscarmellose)ナトリウム、クロスポピドン(crospovidone)、D型グルコース、セバジン酸シフチル(dihutyl)、果糖、ゲランガム(gellan gum)、ベヘン酸グリセリル、ステアリン酸マンガン、マルトデキストリン、麦芽糖、マンナトール、カルビキシメチルセルロース、ポリ酢酸ビニルファタレート(phathalate)、ナトリウムスターチグリコレート、ソルビトール、スターチ、スクロース、トリアセチン、クエン酸トリエチルおよびキサンタンガム。
【0024】
薬物は、いかなる適当な方法を用いて、本発明のセラミック構造体と組み合わせても良いが、溶媒設置/気化法および薬物溶融法が好ましい。溶媒設置/気化法の場合、選定された薬物は、適当な溶媒中に溶解される。そのような溶媒には、これに限られるものではないが、以下のものが含まれる:緩衝水、アルコール、エステル、エーテル、塩素消毒溶媒、酸化溶媒、有機アミン、アミノ酸、液体ショ糖、ショ糖の混合物、超臨界液体流体または気体(例えば二酸化炭素)、炭化水素、ポリ酸化溶媒、天然のまたは誘導体の液体および溶媒、芳香族溶媒、ポリ芳香族溶媒、液体イオン交換樹脂、ならびに他の有機溶媒。溶解した薬物は、多孔質セラミック構造体と混合され、得られたサスペンションは、圧力スイング法または超音波を用いて、脱ガス処理される。サスペンションの撹拌の際中に、適当な方法(例えば、真空化、低分圧下または大気圧下でのスプレー乾燥法、および凍結乾燥法)によって、溶媒が気化される。
【0025】
あるいは、前述のサスペンションは、フィルタ処理した後、必要に応じて、コーティングされたセラミック粒子を溶媒で洗浄しても良い。回収された粒子は、標準的な方法で乾燥される。別の代替法では、サスペンションのフィルタ処理の後に、真空乾燥法、空気流乾燥法、マイクロ波乾燥法および凍結乾燥法のような技術を用いてウェットケーキを乾燥させる工程が含まれる。
【0026】
薬物溶解コーティング法の場合、低分圧条件下(すなわち、脱気条件下)で、所望の薬物の溶解物が多孔質中空セラミック構造体と混合される。混合物は、大気圧と平衡にされ、撹拌状態で冷却される。この処理プロセスでは、構造体の内部および外部の両方に薬物を有する粉末を得ることができる。薬物は、適当な溶媒による粒子表面の単純な洗浄処理と、その後の乾燥処理によって、錠剤化の前に、粒子表面から除去しても良い。
【0027】
通常、セラミック構造体の内部および外部の薬物は、厚さが10nmから10μmの範囲となるようにコーティングされるが、厚さは、50nmから5μmであることが好ましい。通常、粒子に対する薬物の重量比は、1.0から100の範囲であり、2.0から50の範囲であることが好ましい。
【0028】
コーティングされた薬物は、結晶質状態またはアモルファス(非晶質)状態のいずれで存在しても良い。結晶質材料は、格子と呼ばれる明確なパターンを形成する原子、イオンまたは分子の配置により、特徴的な構造と、劈開面とを示す。アモルファス材料は、分子格子構造を示さない。この違いは、材料の粉末回折研究によって観察することができる:結晶質材料の粉末回折の研究では、粒子寸法が約500nm程度のところから、ピークがブロードになり始める。このブロード化は、結晶質材料の微細化とともに継続し、約5nmでピークが消失する。ピークがバックグラウンドノイズと識別できなくなるほどブロードになった時点を、XRDによる材料が「アモルファスである」と定義するが、これは、5nm以下で生じる。
【0029】
粒子にコーティングされた薬物は、実質的に純粋な状態である。通常、薬物は、少なくとも95.0%の純度を有し、少なくとも97.5%の純度を有することが好ましく、少なくとも99.5%の純度を有することが特に好ましい。換言すれば、薬物の不純物(例えば、加水分解生成物、酸化生成物、光化学的劣化による生成物等)は、それぞれ、5.0%、2.5%または0.5%未満に維持される。
【0030】
通常、材料を含む薬物は、半透過膜(例えば、多孔質で疎水性または親水性の高分子)を有し、この膜は、材料の放出特性を制御する。半透過膜は、薬物の上部のコーティングとして機能するように、薬物が組み合わされた後に設置されても良く、あるいは薬物が組み合わされる前に設置されても良い。いずれの場合も、薬物分子が膜を通って拡散するには長い時間が必要となるため、供給速度は減少する。
【0031】
半透過膜は、前述のように材料の外側にコーティングされても、材料の内部に含浸されても良い。これが含浸される場合でも、通常、設置には、圧力適正化高分子埋設法(すなわちPOPE(登録商標))法が使用される。この方法は、液体または半固体状の高分子と材料とを接触させるステップと、材料のポア内の高分子に加える圧力を変化させるステップとを有する。ある場合には、正圧を使用せずに、負圧が利用される。
【0032】
本発明の組み合わせに利用される疎水性高分子の一例には、これに限られるものではないが、以下のものが含まれる:アルキルセルロース高分子(例えば、エチルセルロース高分子)、アクリル系高分子(例えば、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシルメタクリレート、シアナオエチル(cyanaoethyl)メタクレーレート、メチルメタクリレート、コポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、メタクリル酸コポリマー、メチルマタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸)(無水和物)、メチルメタクリレート、ポリメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水和物)、およびグリシジルメタクリレートコポリマー)。
【0033】
材料を含む薬物は、必要に応じて、第2もしくは第3の薬物またはプロドラッグを有しても良い。そのような第2の薬物は、これに限定されるものではないが、例えば、シトクロムP450インヒビター(例えば、ケトコンゾールおよびイソニアジド)である。さらに材料は、必要であれば、各種ショ糖または高分子でコーティングされても良く、通常、この高分子は、半透過膜とは異なる親水性または疎水性有機高分子である。
【0034】
本発明の薬物/セラミック構造体の組み合わせにより、経口投与の際の薬物の供給が可能となる。通常、組み合わせは、含まれている薬物の少なくとも25%を放出するが、含まれている薬物の少なくとも50%を放出することが好ましく、含まれている薬物の少なくとも75%を放出することがさらに好ましい。
【0035】
本発明の薬物/セラミック構造の組み合わせは、半透過膜を有し、または適当なポア寸法を有し、通常、患者に投与する際に、患者への薬物の持続的な供給が可能である。通常、37℃の緩衝水溶液(pHは、1.6から7.2)900ml中で100rpmでのUSPパドル法を用いて、対象の組み合わせが評価された場合、以下の溶解プロファイルが得られる:1時間後の薬物の放出率は、5.0%から50.0%;2時間後の薬物の放出率は、10.0%から75.0%;4時間後の薬物の放出率は、20.0%から85.0%;6時間後の薬物の放出率は、25.0%から95.0%。しばしば、4、5または6時間まで、薬物放出が観測され、その後ゼロ次の速度となる。
【0036】
本発明の薬物/セラミック構造体の組み合わせは、任意の高分子コーティングまたは適当な寸法のポアを含まなくても良く、実際の薬物供給速度は、固体状薬物自体の速度を超える。この速度増加は、主として薬物の表面積の増大、さらにはその溶解速度の増大によるものであると考えられる。通常の場合、第2のコーティングを有さないこの組み合わせは、前述のUSPパドル法を用いて評価され、組み合わせからの薬物の溶解速度の、錠剤状薬物の同量の溶解速度に対する比は、少なくとも1.1である。この比は、少なくとも1.5であることが好ましい。また、少なくとも2.0であることがより好ましく、少なくとも3.0であることがさらに好ましい。この組み合わせは、水中溶解度が1.0mg/ml未満の薬物供給の場合、特に有益である。
【0037】
薬物/セラミック構造体の組み合わせが、処置の必要な患者に投与される場合、薬物投与量は、通常100ngから1gの範囲であり、1mgから750mgの範囲であることが好ましい。正確な投与量は、組み合わせ内の特定の薬物に依存し、従来の方法を用いて定めることができる。
【0038】
薬物/セラミック構造体の組み合わせは、多くの条件下で有意な安定性を示す。換言すれば、含まれる薬物は、適正な期間の間、実質的に分解しない。例えば、通常、25℃で2週間経過後の薬物の純度の低下は、5%未満である。しばしば、(例えば、加水分解、酸化、光化学的反応による)純度の低下は、4%、3%、2%未満である。
【0039】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
【実施例1】
【0040】
Tiを15g/L、Clを55g/L含むチタンの酸塩化物とHClの水溶液を、12L/hの速度で、チタンスプレードライヤで放射する。スプレードライヤの出口温度は、250℃であった。アモルファス球からなる中間固体生成物を、バッグフィルタから回収した。中間生成物を、マッフル炉を用いて500℃で8時間焼成した。さらに、一組のサイクロンを用いて焼成材料を分級した。15〜25μmの寸法の粒子を、球としていかなる粒子の存在しないようにスクリーン処理した。X線回折の結果、生成物は、主としてTiO2ルチルからなり、約1%のアナターゼを含むことがわかった。カウントした多数の粒子を平坦金属表面に設置し、別の金属板を上部に設置して、粒子が壊れるまで徐々に圧力を加え、粒子の平均機械的強度を測定した。焼結生成物の走査型電子顕微鏡写真から、この粒子は、ルチル型結晶で構成され、相互に薄膜構造で結合されていることがわかった。薄膜の厚さは、約500nmであり、ポア寸法は、約50nmであった。
【実施例2】
【0041】
溶液中の塩素およびチタンの濃度を変え、ノズル寸法を変えて、500から900℃の異なる焼成温度範囲で実施例1の実験を繰り返した。チタン濃度は、120から15g/Lの範囲で変化させた。全般に、高温ほど、大きく高強度の粒子が形成され、Ti濃度が低くなると、球の寸法が低下し、壁の厚さが厚くなり、粒子の機械的強度が向上する傾向にあった。
【実施例3】
【0042】
条件は、実施例1の場合と同様であるが、この実施例では、スプレーステップの前に、TiO2の25%のLi、NaおよびKの塩化物塩の共晶混合物を溶液に添加し、焼成ステップの後に、洗浄ステップを加えた。洗浄ステップでは、焼成生成物が水中で洗浄され、これにより、最終生成物からアルカリ塩が除去される。塩を追加するステップを用いる利点は、最終生成物の球が厚い壁を有するようになることである。また、非反応性またはほぼ非反応性の塩は、反応温度よりも低い温度での焼成後に、セラミック構造体の壁に塩の粒子を生成する。これらの塩粒子は、水中への浸漬によって容易に溶解する。洗浄処理および乾燥処理後、セラミック構造体の壁には、ボイドが観察される。これらのボイドは、薬物と接するためのポアとなる。異なる塩または異なる混合物を使用した場合、焼成後に、異なる寸法の塩粒子が得られ、これによりポア寸法が制御できる。塩には、アルカリ金属塩化物およびアルカリ土類金属塩化物が含まれる。
【実施例4】
【0043】
条件は、実施例1の場合と同様であるが、この実施例では、スプレーの前に、リン酸ナトリウムNa3PO4を、TiO2量の3%となるように溶液に添加した。添加によって、焼成時の生成物のルチル化が迅速化された。この実施例での最終生成物は、他の実施例よりも大きなルチル結晶からなり、高い機械的強度を示した。
【実施例5】
【0044】
配位子としての銀化合物を変え、温度および濃度が異なる条件で実施例5を繰り返した。以下の化合物を配位子として使用した:プロテイン、酵素、高分子、コロイド状金属、金属酸化物および塩、活性調合剤。温度は、配位子の安定性を考慮して選定した。有機化合物を用いる場合、温度は、通常約150℃以下に制限される。
【実施例6】
【0045】
TiCl4、HClおよび水を原料として、温度制御され十分に混合した濃HCl溶液中に、添加するTiCl4の添加比を制御することにより、チタンの酸塩化物溶液を調製する。透明溶液に表面張力抑制剤を添加すると、この条件でのスプレーの際に小さな液滴が形成され、これにより、より微細なセラミック構造体が形成される。これらの洗浄剤には、アルカリリン酸塩/ピロリン酸塩、および酸リン酸塩が含まれる。また、粒子寸法または形状の制御剤が、透明溶液に溶解される。両方の機能(表面張力抑制およびルチル化剤)は、Na3PO4によって提供される。Na3PO4は、TiO2に対して3wt%添加される。溶液は、250℃の放電温度で、回転式アトマイザを用いて、チタンラインスプレードライヤ中でスプレー乾燥される。回収粉末は、XRDの結果、全般的に球形のアモルファスであり、ほとんどのものは中空である。回収粉末は、800℃で4wt%が揮発する。揮発分は、20%がHClで80%が水である。アモルファス粉末は、トレーに入れて700℃で6時間焼成される。セラミック構造体は、TiO2結晶の格子細工で製作される。次にセラミック構造体は、HCl溶液中に浸漬され、洗浄後オーブンで乾燥される。これにより、未反応制御剤が除去される。次にセラミック構造体は、トレーに入れてオーブン内で800℃に加熱された後、その温度で6時間保持される。これにより結晶構造は、「ガラス化」され、溶融されて強固になる。次に、熱処理されたセラミック構造体は、〜20μmまでのふるいによって区分けされ、主として5μmから20μmの間の集合が形成される。次に、寸法化された熱処理後のセラミック構造体は、疎水化剤(前述のもの)で処理された後、熱処理される。疎水化セラミック表面が形成される。セラミック構造体に、薬物とアルコールの溶液が添加され、加圧することにより適正な充填状態が得られる。余分な溶液は、流出される。その後、セラミック構造体と薬物の混合物は、真空乾燥される。
【実施例7】
【0046】
10ml瓶のラテックス(ポリサイエンス:10mL水中、2.5wt%の0.5μmの微小球)を、全量が40mLとなるように蒸留水で希釈した。得られた混合物を、0.36gのタイザー(Tyzor)LA(登録商標)(ジュポン社)で処理した。ラテックス/タイザーLA(登録商標)混合物を、撹拌棒で連続撹拌した。蠕動ポンプを用いて、約0.5mL/hの酸を混合物に加えた。pHを連続的にモニターし、時間に対する値を記録した。混合物のpHを、2となるように滴定した。基板にラテックスが浸漬コーティングされ、有機ラテックスは、600℃での酸化によって除去された。直径が約0.5μmの場合、中空セラミック粒子の変動幅は、通常、平均直径の5.0%未満である。微細な微小球を使用することにより、この処理プロセスで、同様の均一性を有する実質的に微細な粒子を作製することができる(例えば、0.1μm、0.05μmおよび0.02μm)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
継続的な薬物供給のための組成物であって、
薬物およびセラミック構造体を有し、
前記セラミック構造体は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、スカンジウム酸化物、セリウム酸化物およびイットリウム酸化物からなる群から選定された金属酸化物を有することを特徴とする組成物。
【請求項2】
前記薬物は、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、ステロイド性抗炎症性薬、冠拡張薬、末梢血管拡張剤、抗生物質、合成抗菌薬、抗ウイルス薬、抗けいれん剤、咳止め薬、排痰剤、気管支拡張剤、強心剤、筋肉弛緩剤、脳代謝改良剤、マイナートランキライザー、メジャートランキライザー、ベータ遮断剤、抗不整脈剤(antianythmic)、高尿酸血症治療薬(anthtifuge)、抗凝血剤、血栓溶解剤、アンチヒスタミン剤、制吐剤、血圧降下剤、高脂質血剤、交感神経刺激剤、経口糖尿病治療剤、経口制癌剤、ビタミン剤、頻尿治療薬およびアンジオテイシン変換インヒビターからなる群から選定されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記セラミック構造体は、前記薬物が収容された中空部分、または相互に結合された微細な粒子の集合体を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記セラミック構造体は、ほぼ球形であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ほぼ球形の構造体は、直径を有し、平均直径は、10nmから100μmの範囲にあることを特徴とする請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記平均直径は、10nmから1μmの範囲にあることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記セラミック構造体は、ポアを有し、該ポアは、ポア直径が1nmから5μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記セラミック構造体は、塩または水酸化物によって処理されていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記塩または水酸化物は、マグネシウム、アルミニウム、珪素、銀、亜鉛、リン、マンガン、バリウム、ランタン、カルシウム、セリウム、PEGポリエーテルまたはクラウンエーテルを有することを特徴とする請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記セラミック構造体は、疎水化剤で処理されていることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記疎水化剤は、有機シラン、クロロ有機シラン、有機アルコキシシランまたは有機高分子、およびアルキレート化剤からなる群から選定されることを特徴とする請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
さらに前記組み合わせは、賦形剤を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
前記薬物は、前記セラミック構造体にコーティングされ、コーティング厚さは、10nmから10μmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記コーティングされた薬物は、アモルファス状であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
前記コーティングされた薬物は、結晶質であることを特徴とする請求項13に記載の組成物。
【請求項16】
継続的に薬物を放出する経口の薬剤形態であって、
a)薬物、
b)前記薬物と組み合わされたセラミック構造体、および
c)前記セラミック構造体をコーティングする高分子、
を有することを特徴とする薬剤形態。
【請求項17】
前記薬物放出は、1時間から4時間経過後、ゼロ次の速度となることを特徴とする請求項16に記載の薬剤形態。
【請求項18】
前記薬物は、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、ステロイド性抗炎症性薬、冠拡張薬、末梢血管拡張剤、抗生物質、合成抗菌薬、抗ウイルス薬、抗けいれん剤、咳止め薬、排痰剤、気管支拡張剤、強心剤、筋肉弛緩剤、脳代謝改良剤、マイナートランキライザー、メジャートランキライザー、ベータ遮断剤、抗不整脈剤(antiarrythmic)、高尿酸血症治療薬(anthtifuge)、抗凝血剤、血栓溶解剤、アンチヒスタミン剤、制吐剤、血圧降下剤、高脂質血剤、交感神経刺激剤、経口糖尿病治療剤、経口制癌剤、ビタミン剤、頻尿(thanxuria)治療薬およびアンジオテイシン変換インヒビターからなる群から選定されることを特徴とする請求項16に記載の薬剤形態。
【請求項19】
前記セラミック構造体は、酸化物を有することを特徴とする請求項16に記載の薬剤形態。
【請求項20】
前記酸化物は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、スカンジウム酸化物、セリウム酸化物およびイットリウム酸化物からなる群から選定されることを特徴とする請求項19に記載の薬剤形態。
【請求項21】
前記セラミック構造体は、中空部分を有し、前記薬物は、前記中空部分に収容されることを特徴とする請求項16に記載の薬剤形態。
【請求項22】
前記セラミック構造体は、ほぼ球形であることを特徴とする請求項16に記載の薬剤形態。
【請求項23】
前記組み合わせが、pHが1.6から7.2の間の900mlの37℃の緩衝水溶液中で、100rpmで撹拌された際、以下の溶解プロファイル:1時間後に、5.0%から50.0%の間の薬物の放出;2時間後に、10.0%から75.0%の間の薬物の放出;4時間後に、20.0%から85.0%の間の薬物の放出;6時間後に、25.0%から95.0%の間の薬物の放出;が得られることを特徴とする請求項16に記載の薬剤形態。
【請求項24】
前記ほぼ球形の構造体は、直径を有し、平均直径は、10nmから100μmの範囲にあることを特徴とする請求項22に記載の薬剤形態。
【請求項25】
請求項16に記載の薬剤形態を調整するための処理プロセスであって、
a)溶媒に薬物を溶解させ、溶液を得るステップ、
b)前記溶液をセラミック構造体と接触させるステップ、および
c)前記溶媒を揮発させて、前記薬剤形態を得るステップ、
を有する処理プロセス。
【請求項26】
さらに、前記溶液をセラミック構造体に接触させることにより得られるサスペンションを、脱ガス処理するステップを有することを特徴とする請求項25に記載の処理プロセス。
【請求項27】
さらに、前記セラミック構造体の外側にコーティングされた薬物を除去するステップを有することを特徴とする請求項25に記載の処理プロセス。
【請求項28】
前記溶媒は、水、緩衝水、アルコール、エステル、エーテル、塩素消毒溶媒、酸化溶媒、有機アミン、アミノ酸、液体ショ糖、ショ糖の混合物、超臨界液体流体または気体、炭化水素、ポリ酸化溶媒、天然のまたは誘導体の流体および溶媒、芳香族溶媒、ポリ芳香族溶媒、液体イオン交換樹脂、ならびに他の有機溶媒からなる群から選定されることを特徴とする請求項25に記載の処理プロセス。
【請求項29】
請求項16に記載の薬剤形態を調整するための処理プロセスであって、
a)薬物の溶融物をセラミック構造体に接触させて、混合体を得るステップ、および
b)前記混合体を冷却して、粉末を得、これにより前記薬剤形態を得るステップ、
を有することを特徴とする請求項16に記載の処理プロセス。
【請求項30】
前記薬物の溶融物は、解熱剤、鎮痛剤、消炎剤、ステロイド性抗炎症性薬、冠拡張薬、末梢血管拡張剤、抗生物質、合成抗菌薬、抗ウイルス薬、抗けいれん剤、咳止め薬、排痰剤、気管支拡張剤、強心剤、筋肉弛緩剤、脳代謝改良剤、マイナートランキライザー、メジャートランキライザー、ベータ遮断剤、抗不整脈剤(antiarrythmic)、高尿酸血症治療薬(anthtifuge)、抗凝血剤、血栓溶解剤、アンチヒスタミン剤、制吐剤、血圧降下剤、高脂質血剤、交感神経刺激剤、経口糖尿病治療剤、経口制癌剤、ビタミン剤、頻尿治療薬およびアンジオテイシン変換インヒビターからなる群から選定された薬物であることを特徴とする請求項29に記載の処理プロセス。
【請求項31】
前記セラミック構造体は、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、スカンジウム酸化物、セリウム酸化物およびイットリウム酸化物からなる群から選定される酸化物を有することを特徴とする請求項29に記載の処理プロセス。

【公表番号】特表2008−506700(P2008−506700A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521612(P2007−521612)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/024861
【国際公開番号】WO2006/017337
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507012043)アルテアーナノ,インコーポレーテッド (6)
【Fターム(参考)】