薬用エアゾール化噴霧器を用いた振動PEP治療システム
【課題】正の呼気圧(PEP)治療を実施するために、薬用のエアゾール薬物供給システムと共に用いるのに適した振動する正の呼気圧のための呼吸器治療装置を提供する。
【解決手段】空気流管が、ユーザーにより送られる呼気のための入口及び出口を有し、空気流管内に位置して、呼気の圧力に応答して動作する閉鎖手段を含み、閉鎖手段が、呼気の事前決定された圧力の存在に応答して開かれ、又、出口を通って空気圧の低下が事前決定された率になるのに応答して閉じる通常は閉鎖している非直線形出口を含み、さらに、閉鎖手段が、呼気の流れを阻止する閉位置と空気流路内に呼気を流れさせる開位置の間で空気流路内の呼気に応答して動ける閉鎖手段を含み、噴霧器接続手段が、入口からユーザーへの空気流路に流体を流すために噴霧管を接続するためにある構成とする。
【解決手段】空気流管が、ユーザーにより送られる呼気のための入口及び出口を有し、空気流管内に位置して、呼気の圧力に応答して動作する閉鎖手段を含み、閉鎖手段が、呼気の事前決定された圧力の存在に応答して開かれ、又、出口を通って空気圧の低下が事前決定された率になるのに応答して閉じる通常は閉鎖している非直線形出口を含み、さらに、閉鎖手段が、呼気の流れを阻止する閉位置と空気流路内に呼気を流れさせる開位置の間で空気流路内の呼気に応答して動ける閉鎖手段を含み、噴霧器接続手段が、入口からユーザーへの空気流路に流体を流すために噴霧管を接続するためにある構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸器の治療分野、より特定すれば、一人の患者が、正の呼気圧(PEP)治療を実施するために、薬用のエアゾール薬物供給システムと共に用いるのに適した振動する正の呼気圧の呼吸器治療装置を用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
粘液を生じる呼吸器状態になっているヒトは、肺の中に生じた大量の粘液は多くの場合これらの分泌物を除去するのに支援を必要とする。もし、これらの分泌物が肺の中に残されると、気道閉塞により酸素不足になり、肺炎及び(又は)死亡の可能性がある。この状態で臨床的に認識された治療のひとつは、正の呼気圧又はPEPとして知られている技術である。PEP治療により、患者は実質的に一定の流量で呼気圧を生じるために抵抗を超えて呼気を行う。規定の呼気圧は他の圧力範囲及び圧力を使用できるが一般的に水柱10−20cmの範囲である。好ましい流量は毎分10−25リットルである。
【0003】
PEP治療で、患者は呼気の間に肺の中で正の圧力を生じ、その圧力は呼気の終わりにゼロに落ちるために、オリフィス(orifice)制限器を通して呼吸する。適当なサイズ(size)のオリフィスを選択することにより、個々の患者により生じる呼気流量に対して圧力が決定される。この拡張された実質的に一定の高い圧力の呼気流が、分泌物を咳により排出できる大きな気道に肺内に捕捉された分泌物を移動するのに有効であることが示されている。さらに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、肺拡張不全又は分泌物の保持を生じる他の状態を有する患者の治療で、PEP治療を用いた処置が、正の呼気圧治療と気道振動及び間欠的気流加速を組合わせることにより、改善されることが見いだされている。この目的で、特許文献1及び2のような、携帯で一人の患者が多様な使い方で、正の呼気圧の呼吸器治療装置が開発されている。
【0004】
参照した特許文献1及び2はその希望の目的を達成しているので、PEP及びCOPD治療を薬用のエアゾール薬物供給システムに組込むことが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,581,598号明細書
【特許文献2】米国特許第7,059,324号明細書
【発明の開示】
【0005】
本発明は関連技術に伴う1以上の問題又は不利益を克服することを目指している。すぐ理解できるように、又、以下の好ましい実施例の詳細説明から十分理解できるように、本発明は、薬用の振動PEP治療の選択的使用のために薬用エアゾール噴霧器を含む振動する正の呼気圧による呼吸器治療装置を具体化している。
【0006】
本発明の別の利点はそれに寄与した追加の特徴及びそれからの利点は添付図面と関連して示されている本発明の好ましい実施例についての以下の詳細説明を参照することにより明らかになる。図面は詳細を見やすくするために縮尺通りではない。いくつかの図面を通じて類似の参照番号は対応する部分及び類似要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ここで図面を参照すると、図1及び図2には小型噴霧器5によりエアゾール化した薬物を投与している患者に振動する正の呼気圧治療を適用するため、振動する正の呼気圧(PEP)呼吸器治療装置1000が示されている。
【0008】
振動PEP装置1000が噴霧器5に流体を流すように結合されている。噴霧器5はエアゾール化した薬物を及び(又は)加湿ガス(gas)を患者に供給するように、又、標準の22mm取外し可能なマウスピース3を、又は、22mm標準マスク2を患者が使用する。臨床医の決定により、患者に供給する酸素及び(又は)他のガスが噴霧器5のベース(base)の適当なはめ合いで一端に接続されているチュービング6を通じて噴霧器5に結合し、他端は希望のガス源(図示せず)に接続される。希望する場合、臨床医による決定で、患者に投与するため、薬品を噴霧器5に添加できる。噴霧器5が振動PEP装置1000に、PEP装置1000の下側で噴霧器の入口ポート202を通じて接続されて、好ましくは、毎分約5から約7リットルの率で希望のガスと薬品を患者に供給する。
【0009】
患者が患者接続ポート201を通じて深く吸引する。表示の都合で、取外し可能なマウスピース3を接続し、臨床医が決定した率及び程度で吸引できるようにする。吸気は吸気ポート204を通じて、PEP装置1000に入る。希望すれば、リザーバー・チュービング(reservoir tubing)7を入口ポート204に取付けられる。一方向弁225が、吸気ポート204と噴霧器入口ポート202の下流のPEP装置の入口空気室206内に配置されて、吸気は弁225を通じて自由に装置に入るが、患者からの呼気は、吸気ポート204を通して排出されるのを又は噴霧器5に戻るのを阻止される。
【0010】
呼気は患者からマウスピース3を通じて、患者接続ポート201を通過して振動PEP装置1000に送られる。呼気は患者接続ポート201を通過して、空気流管200を通過して、2部分から成るハウジング300内に含まれる呼気に駆動された振動ロッカー・アセンブリー(rocker assembly)400に送られる。呼気に駆動された振動ロッカー・アセンブリー400が、呼気の際に患者に加えられる振動する正の呼気圧(PEP)を生じる。呼気に駆動された振動ロッカー・アセンブリー400は2部分、ロッカー部分440とロッカー支持又はプラットフォーム部分480から成り、一緒になって振動PEP治療の創造で機能する。患者は呼気を約3秒から約4秒間維持することが好ましい。
【0011】
患者に用いられる振動圧力の大きさと周波数を制御するために、回転できる周波数制御ダイアル350は、空気流管200、患者接続ポート201を通過する患者からの呼気を受ける導管、の出口203周辺の水平状態で保持されている。空気流管200は下側ハウジング部分302により保持され、呼気により駆動された振動ロッカー・アセンブリー400を支持する。調節可能な周波数制御ダイアル350の動作により、振動ロッカー・アセンブリー400の部分を含む振動PEP、ロッカー部分440、ロッカー支持部分480の間の相対的配置を調節して、振動する呼気圧の大きさと周波数を制御又は設定する。
【0012】
呼気により駆動された振動ロッカー部分440は、図2、7、8、10の分解図に最も良く示されている。ロッカー支持部分480は、振動する呼気の流量と圧力を生じるために、ロッカー部分440と協調して機能するが、図2の分解図にも示されている。又、図7、8、10にも詳細に示す。呼気により駆動された振動ロッカー部分440とロッカー支持部分480が、共に組立てられた時に、ロッカー・アセンブリー400を形成する。
【0013】
ロッカー・アセンブリー400は空気流管200に保持され、その空気流管は一端に吸気ポート204を有し、それを通じて患者が一方向弁225により吸気を受取り、他端に出口203があり、それを通じてその患者からの呼気をロッカー・アセンブリー400に送り、振動する呼気の流れと圧力を生じる。空気流管出口203は空気流管200の上面部分205の上に形成され、呼気はそこを通過して、患者に振動PEP治療を行うために、振動ロッカー・アセンブリー400に送られる。希望の振動波形を得るために振動ロッカー・アセンブリー400に呼気が送られた後で、空気は患者接続ポート201の向い側端部にあるハウジング300のそれぞれ上側と下側の部分301及び302の間のスペース(space)により形成された出口304を通って装置1000から出て行く。
【0014】
図2、7、8、10に最良の図示が行われているように、ロッカー部分440が、ロッカー支持部480のプラットフォーム(platform)485上に形成され、スペースを設けたピボット支持部481上のピボット・ピン441の回りで揺動運動をするためにバランス配置されている。ピボット・ピン441は、ロッカー部分440の運動面を横断するピボット軸を形成し、ロッカー部分440が支持されているプラットフォーム485の長軸の上方で、かつ、それを横断するように伸びている平面内にある。ピボット・ピン441はプラットフォーム485により保持される一対のロッキング・ガイド(locking guide)482と係合している。そのひとつは図示されているようにピボット支持部481上の適切な位置にピボット・ピン441を維持するために、ピボット支持部481のそれぞれに隣接して配置されている。この方法で、ロッカー部分440が、使用時に向きと無関係に機能するように装置1000の向きと無関係にロッカー支持部481に対して揺動する。
【0015】
平衡パッド(pad)442と平衡シリンダー(cylinder)443が円錐形の空気流閉鎖部材447の重量と釣合をとるために、ロッカー・アーム445の一端に形成される。又、ピン448がステンレス鋼のような磁気吸引性の材料から形成される。その両方がロッカー・アーム445の反対側の端部に保持される。ピン448が複数のグリッピング・フィンガー446の間のロッカー・アーム445の先端側に保持される。そのグリッピング・フィンガー446がピン448を囲んで、磁石ホルダー490内で、空気流管200の隣接端に保持された円盤状磁石488の磁界に曝される位置にピン448を保持する。円盤状磁石488とピン448はPEP治療の振動の周波数を、この呼吸治療のために患者が求める呼気圧を制御又は設定するように機能する。
【0016】
動作時に、コーン(cone)形の空気流閉鎖部又は空気流閉鎖コーン447は、ロッカー・アーム445上に配置される寸法と位置で、呼気が空気流管の出口203を通じて排出されたときに、振動PEPが機能するために非直線形の呼気排気口又は出口を生じるように、プラットフォーム485内に形成された先細のベル状又はトランペット状の排気口487に周期的に挿入する。図6及び10に最良に図示されているように、排気口487の内部は非直線形の先細又はベル状(bell−shaped)の内部が、そこへ、又そこから気流閉鎖コーン447の揺動運動に応じて振動PEP治療を行う。この方法で、出口487を周期的に開閉して、振動PEP治療を実施できるように患者の呼気排出に応答する。
【0017】
振動するロッカー・アセンブリー400が空気流管200上に固定されていて、かつ、図4及び7に最良に図示されているように、空気流管の出口203の外側に伸びている円形外側の側壁287を囲み、係合するために、空気出口487の外面を囲んでいて、プラットフォーム485の下から下向きに伸びているカウリング489により、ハウジング300内に位置している。プラットフォーム485の一対の側壁486、空気流管200の平面205上に配置された底部が、必要に応じて、リッジド・フィンガー(ridged finger)に係合した面で形成され、装置1000を清掃するために空気流管200上でのロッカー支持部480の取り外しと再配置を容易にする。側壁486は空気流管200の平面205から垂直外向きに伸びて、その間にロッカー・アーム445を受けるのに十分な距離離れている。この方法で、上側と下側のハウジング部分301と302のそれぞれが清掃のために分離された時に、ロッカー・アーム445が側壁486の間に保護される。ロッカー・アセンブリー400を取り外すとき把握を目的とした側壁486のリブ(rib)又はリッジ(ridge)付きフィンガー係合面にユーザーの注意が向けられるので、装置1000の清掃のために分解するとき、この配置が、ユーザー又は臨床医がうっかりと不適切に握ることからロッカー・アセンブリー400を保護する。タング(tang)384が上側ハウジング部分301の内部から下方に伸びて、ロッカー・アーム445内に形成された開口444を通り、プラットフォーム485の上面205に係合して、使用時に装置1000の向きに無関係にこれらの要素を正しい位置に保持する。
【0018】
上側及び下側のハウジング部分301及び302のそれぞれが2個の別々の部分として形成され、清掃のために装置の内部に接近しやすくしている。この目的のため、上側ハウジング部分301が、その内部に接近するためにハウジング300を開くことを希望する場合を除き、ハウジング300の2部分の係合を維持するために、下側ハウジング部分302の中に形成された相補性凹部306を係合するように設計された各端部の一対のタブ(tab)303を用いて、上側ハウジング部分301が形成される。ハウジング300を開くことを希望する場合、係合している凹部306からタブ303を外しやすくするために、上側ハウジング301の両側をお互いの方に圧縮する。2個のハウジング部分を共に固定しやすくするために、患者接続ポート201に隣接した上側ハウジング部分301内に形成された相補性凹部307を係合する位置で上側ハウジング部分301の一端から固定タブ305を外側に伸ばしている。使用時に装置1000にそのような要素が組込まれているとき、相補性凹部307内に固定用タブ305の接合が、ハウジング部分301及び302の偶発的分離を防止するために、標準のマウスピース3又はマスク2の先端を受けるサイズの外径を生じている。
【0019】
振動PEP治療の実施のために希望の周波数及び(又は)呼気圧を制御又は設定をするために、磁気吸引性のピン441が円板磁石488の磁界内でロッカー・アーム445上に配置する。円板状磁石488がホルダー490内に保持される。そのホルダー490は一対の垂直に伸びたガイド210に沿って垂直方向にスライドして位置決めでき、そのガイドは周波数制御ダイアル350の回転位置に基づいて患者接続ポート201に隣接した空気流管200の平面205から上方に伸びている。この方法で、希望の周波数及び(又は)呼気圧が、臨床医の指示に基づいてユーザーが容易に設定又は制御できる。
【0020】
円板磁石488はレシーバー・ポケット(receiver pocket)491内のホルダー490内に保持されて、複数のグリッピング(gripping)又はセンタリング(centering)フィンガー(finger)492を有し、円形レシーバー・ポケット491内に磁石488を保持する。レシーバー・ポケット491内はホルダー490の一端に形成され、ガイド210に沿って垂直方向に動ける。ホルダーの底部は、空気流管200の出口203周辺の水平位置に保持された回転式周波数制御ダイアル350に形成されたカム(cam)396のリップ・ポーション(lip portion)395にその間で係合するためレシーバー・ポケット491の底部から間隔を設けて複数のストップ(stops)又はフィート(feet)494と共に形成される。この方法で、臨床医の指示に基づいて振動するPEP治療を受けるために希望の振動周波数及び(又は)呼気圧を制御又は設定するために、鋼製ピン448が機能できる付近で装置ユーザーが円板磁石488を選択的に配置できる。
【0021】
図2、8、10−13を参照すると、回転可能な周波数制御ダイアル350及びその上に形成されるカム396は複数のガイド351により空気流管出口203の側壁287と同心的に配置されている。回転可能な周波数制御ダイアル350の内径は自由に回転できる寸法であり、その一方で、ガイド351は側壁287と同心のダイアルを維持している。カム396の位置は、そのリップ・ポーション395が、円板磁石レシーバー491の底部とストップ又はフィート494の間でその磁石ホルダー490に係合し、周波数制御ダイアル350の回転位置に基づいてホルダー490が上下する。この方法で、ロッカー・アーム445により保持された鋼製ピン448に対する円板磁石488の磁界強度がその間で変化し、これら要素間のスペースにより決定されているように、振動する呼気圧のパルス(pulse)発生のために設定される呼気圧の制御可能な範囲を提供する。
【0022】
装置1000の使用で、ユーザー又は医療提供者を支援するために、正しい磁界強度が設定されると、周波数制御ダイアル350に沿ってスペースを置いて複数のインディシア(indicia)310を使用して正しい位置にすぐに再配置できる。さらに、位置が決定されると正しい位置を維持するために、一連の回り止め352を用いて、ダイアル350の偶発的回転を防止する。この目的のために、プラットフォーム485の下から支持されるカラー510が空気流管出口203の側壁287の上部を囲み、その突起部512が逐次回り止め352に係合し、周波数制御ダイアル350の偶発的回転を防止する。凹部514が希望の位置でカラー510を保持するためにプラットフォーム485の底部から下向きに伸びているタブ414により係合されている。
【0023】
使用では、患者が空気流管200の患者接続ポート201を通して呼気を吐き出す。それが空気流管出口203を通って振動するロッカー・アセンブリー400に送られ、装置1000から2個のハウジング部分301及び302の間の出口空間304を通過する。従って、呼気圧がロッカー445のコーン形閉鎖部447に加えられる。その閉鎖部は非直線形出口又はオリフィス487の閉鎖部を形成する。患者の呼気の圧力がコーン形閉鎖部447を持上げ、揺動するロッカー支持部480に保持された円板磁石488とロッカー・アセンブリー400上に保持された鋼製ピン448の間の磁界の力に対して、ピボット・ピン441の周囲でロッカー部分440を揺動させる。コーン形閉鎖部447が、呼気圧の上昇に応答して上方に動くので、コーン形閉鎖部447の一定した傾斜のコーン形状がベル形又はトランペット形の非直線形先細の吐出口487と組合わせることで、非直線形出口を形成し、それが有効排出面積を増加し、それにより、コーン形閉鎖部447に加えられる空気圧を低減し、ロッカー・アーム445の上向き加速度を低減する。
【0024】
出口487のベル形又は非直線形先細の内面が、先細のコーン状閉鎖部447に加わる呼気圧を克服したとき、コーン形閉鎖部447は再び下向きに動き始め、ベル状の非直線形先細の出口487の中に加速される。コーンが出口又はオリフィス487を通って空気流路の中に下降すると共に、環状流路面積が低減し、空気流量が低減し、空気圧が増大する。これは下降モーメンタム(momentum)が克服され、コーン447が上向きの加速を再開するまで続く。最大圧力はこのポイントで得られて、他のサイクルが始まる。適当な抵抗範囲を選択することで、約1:3から約1:4という希望の吸気対呼気の比(I:E)を生じる。
【0025】
本発明の好ましい実施例に関する前述の説明は図示と記述の目的で示されているが、本発明を網羅することも開示された正確な形に限定することも意図していない。上記の教示に基づいて明白な修正又は変更を行うことは可能である。実施例は本発明の原理及びその実際的な応用の最良の例示を提供する努力の中で選ばれ、示されていて、発明家に現在知られている最良の方式は、適当な使用に適していると想定されている種々の実施例及び種々の修正で、当業の通常の技術者であれば本発明を用いることができる。そのような修正と変更は、請求項の権利の範囲に基づき解釈することにより、本発明の範囲内に入る。
【0026】
さらに、本出願書は特定の辞書を参照せずに作成されている。従って、ここで用いた用語の定義は、そのような辞書の解釈とは無関係に発明者の意味に反する又は異なる辞書の意味よりはむしろ本出願書の教示に基づくそれら自身の辞書編集者として機能する発明者が意図する意味に適合している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】適当な環境での本発明の実施例の透視図である。
【図2】図1に示した実施例の分解透視図で、その内部構造を見やすくなるように一部を除去している。
【図3−6】それぞれ、図1の実施例のプラットフォーム部分の上方と下方の透視図、上面図と断面図で、非直線形出口を形成する構造の一部を見やすくしている。
【図7】図1に示す実施例のロッカーとプラットフォームの部分の透視図で、振動する正の呼気圧を生じるための装置ハウジングの下部に取付けられたこれらの部分の一部を外している。
【図8】組立てられた振動する正の呼気圧装置の透視図で、振動する正の呼気圧の大きさと周波数を調節し、清掃のために分解と組立を容易にするための構造を見やすくするために装置の上部を開いている。
【図9】組立てられた振動の正の呼気圧発生装置の上面図である。
【図10】図9に示された振動する正の呼気圧装置を線10−10に沿って切断した断面図で、振動する正の呼気圧を生じるための、又、振動の周波数と圧力を制御するための、振動の大きさと周波数を変化できる方法の内部構造を見やすくすくしている。
【図11】振動する正の呼気圧装置の調節用ダイアル部分の透視図で、振動の大きさと周波数を設定するために磁気結合部及びマグネット・ホルダーが図2に示したロッカー部分に対して位置決めできる方法を見やすくしている。
【図12】図11に示す調節ダイアルの平面図で、その構造と機能を見やすくしている。
【図13】直線13−13に沿って切断した調節ダイアルの断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は呼吸器の治療分野、より特定すれば、一人の患者が、正の呼気圧(PEP)治療を実施するために、薬用のエアゾール薬物供給システムと共に用いるのに適した振動する正の呼気圧の呼吸器治療装置を用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
粘液を生じる呼吸器状態になっているヒトは、肺の中に生じた大量の粘液は多くの場合これらの分泌物を除去するのに支援を必要とする。もし、これらの分泌物が肺の中に残されると、気道閉塞により酸素不足になり、肺炎及び(又は)死亡の可能性がある。この状態で臨床的に認識された治療のひとつは、正の呼気圧又はPEPとして知られている技術である。PEP治療により、患者は実質的に一定の流量で呼気圧を生じるために抵抗を超えて呼気を行う。規定の呼気圧は他の圧力範囲及び圧力を使用できるが一般的に水柱10−20cmの範囲である。好ましい流量は毎分10−25リットルである。
【0003】
PEP治療で、患者は呼気の間に肺の中で正の圧力を生じ、その圧力は呼気の終わりにゼロに落ちるために、オリフィス(orifice)制限器を通して呼吸する。適当なサイズ(size)のオリフィスを選択することにより、個々の患者により生じる呼気流量に対して圧力が決定される。この拡張された実質的に一定の高い圧力の呼気流が、分泌物を咳により排出できる大きな気道に肺内に捕捉された分泌物を移動するのに有効であることが示されている。さらに、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎、嚢胞性線維症、肺拡張不全又は分泌物の保持を生じる他の状態を有する患者の治療で、PEP治療を用いた処置が、正の呼気圧治療と気道振動及び間欠的気流加速を組合わせることにより、改善されることが見いだされている。この目的で、特許文献1及び2のような、携帯で一人の患者が多様な使い方で、正の呼気圧の呼吸器治療装置が開発されている。
【0004】
参照した特許文献1及び2はその希望の目的を達成しているので、PEP及びCOPD治療を薬用のエアゾール薬物供給システムに組込むことが望ましい。
【特許文献1】米国特許第6,581,598号明細書
【特許文献2】米国特許第7,059,324号明細書
【発明の開示】
【0005】
本発明は関連技術に伴う1以上の問題又は不利益を克服することを目指している。すぐ理解できるように、又、以下の好ましい実施例の詳細説明から十分理解できるように、本発明は、薬用の振動PEP治療の選択的使用のために薬用エアゾール噴霧器を含む振動する正の呼気圧による呼吸器治療装置を具体化している。
【0006】
本発明の別の利点はそれに寄与した追加の特徴及びそれからの利点は添付図面と関連して示されている本発明の好ましい実施例についての以下の詳細説明を参照することにより明らかになる。図面は詳細を見やすくするために縮尺通りではない。いくつかの図面を通じて類似の参照番号は対応する部分及び類似要素を示している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ここで図面を参照すると、図1及び図2には小型噴霧器5によりエアゾール化した薬物を投与している患者に振動する正の呼気圧治療を適用するため、振動する正の呼気圧(PEP)呼吸器治療装置1000が示されている。
【0008】
振動PEP装置1000が噴霧器5に流体を流すように結合されている。噴霧器5はエアゾール化した薬物を及び(又は)加湿ガス(gas)を患者に供給するように、又、標準の22mm取外し可能なマウスピース3を、又は、22mm標準マスク2を患者が使用する。臨床医の決定により、患者に供給する酸素及び(又は)他のガスが噴霧器5のベース(base)の適当なはめ合いで一端に接続されているチュービング6を通じて噴霧器5に結合し、他端は希望のガス源(図示せず)に接続される。希望する場合、臨床医による決定で、患者に投与するため、薬品を噴霧器5に添加できる。噴霧器5が振動PEP装置1000に、PEP装置1000の下側で噴霧器の入口ポート202を通じて接続されて、好ましくは、毎分約5から約7リットルの率で希望のガスと薬品を患者に供給する。
【0009】
患者が患者接続ポート201を通じて深く吸引する。表示の都合で、取外し可能なマウスピース3を接続し、臨床医が決定した率及び程度で吸引できるようにする。吸気は吸気ポート204を通じて、PEP装置1000に入る。希望すれば、リザーバー・チュービング(reservoir tubing)7を入口ポート204に取付けられる。一方向弁225が、吸気ポート204と噴霧器入口ポート202の下流のPEP装置の入口空気室206内に配置されて、吸気は弁225を通じて自由に装置に入るが、患者からの呼気は、吸気ポート204を通して排出されるのを又は噴霧器5に戻るのを阻止される。
【0010】
呼気は患者からマウスピース3を通じて、患者接続ポート201を通過して振動PEP装置1000に送られる。呼気は患者接続ポート201を通過して、空気流管200を通過して、2部分から成るハウジング300内に含まれる呼気に駆動された振動ロッカー・アセンブリー(rocker assembly)400に送られる。呼気に駆動された振動ロッカー・アセンブリー400が、呼気の際に患者に加えられる振動する正の呼気圧(PEP)を生じる。呼気に駆動された振動ロッカー・アセンブリー400は2部分、ロッカー部分440とロッカー支持又はプラットフォーム部分480から成り、一緒になって振動PEP治療の創造で機能する。患者は呼気を約3秒から約4秒間維持することが好ましい。
【0011】
患者に用いられる振動圧力の大きさと周波数を制御するために、回転できる周波数制御ダイアル350は、空気流管200、患者接続ポート201を通過する患者からの呼気を受ける導管、の出口203周辺の水平状態で保持されている。空気流管200は下側ハウジング部分302により保持され、呼気により駆動された振動ロッカー・アセンブリー400を支持する。調節可能な周波数制御ダイアル350の動作により、振動ロッカー・アセンブリー400の部分を含む振動PEP、ロッカー部分440、ロッカー支持部分480の間の相対的配置を調節して、振動する呼気圧の大きさと周波数を制御又は設定する。
【0012】
呼気により駆動された振動ロッカー部分440は、図2、7、8、10の分解図に最も良く示されている。ロッカー支持部分480は、振動する呼気の流量と圧力を生じるために、ロッカー部分440と協調して機能するが、図2の分解図にも示されている。又、図7、8、10にも詳細に示す。呼気により駆動された振動ロッカー部分440とロッカー支持部分480が、共に組立てられた時に、ロッカー・アセンブリー400を形成する。
【0013】
ロッカー・アセンブリー400は空気流管200に保持され、その空気流管は一端に吸気ポート204を有し、それを通じて患者が一方向弁225により吸気を受取り、他端に出口203があり、それを通じてその患者からの呼気をロッカー・アセンブリー400に送り、振動する呼気の流れと圧力を生じる。空気流管出口203は空気流管200の上面部分205の上に形成され、呼気はそこを通過して、患者に振動PEP治療を行うために、振動ロッカー・アセンブリー400に送られる。希望の振動波形を得るために振動ロッカー・アセンブリー400に呼気が送られた後で、空気は患者接続ポート201の向い側端部にあるハウジング300のそれぞれ上側と下側の部分301及び302の間のスペース(space)により形成された出口304を通って装置1000から出て行く。
【0014】
図2、7、8、10に最良の図示が行われているように、ロッカー部分440が、ロッカー支持部480のプラットフォーム(platform)485上に形成され、スペースを設けたピボット支持部481上のピボット・ピン441の回りで揺動運動をするためにバランス配置されている。ピボット・ピン441は、ロッカー部分440の運動面を横断するピボット軸を形成し、ロッカー部分440が支持されているプラットフォーム485の長軸の上方で、かつ、それを横断するように伸びている平面内にある。ピボット・ピン441はプラットフォーム485により保持される一対のロッキング・ガイド(locking guide)482と係合している。そのひとつは図示されているようにピボット支持部481上の適切な位置にピボット・ピン441を維持するために、ピボット支持部481のそれぞれに隣接して配置されている。この方法で、ロッカー部分440が、使用時に向きと無関係に機能するように装置1000の向きと無関係にロッカー支持部481に対して揺動する。
【0015】
平衡パッド(pad)442と平衡シリンダー(cylinder)443が円錐形の空気流閉鎖部材447の重量と釣合をとるために、ロッカー・アーム445の一端に形成される。又、ピン448がステンレス鋼のような磁気吸引性の材料から形成される。その両方がロッカー・アーム445の反対側の端部に保持される。ピン448が複数のグリッピング・フィンガー446の間のロッカー・アーム445の先端側に保持される。そのグリッピング・フィンガー446がピン448を囲んで、磁石ホルダー490内で、空気流管200の隣接端に保持された円盤状磁石488の磁界に曝される位置にピン448を保持する。円盤状磁石488とピン448はPEP治療の振動の周波数を、この呼吸治療のために患者が求める呼気圧を制御又は設定するように機能する。
【0016】
動作時に、コーン(cone)形の空気流閉鎖部又は空気流閉鎖コーン447は、ロッカー・アーム445上に配置される寸法と位置で、呼気が空気流管の出口203を通じて排出されたときに、振動PEPが機能するために非直線形の呼気排気口又は出口を生じるように、プラットフォーム485内に形成された先細のベル状又はトランペット状の排気口487に周期的に挿入する。図6及び10に最良に図示されているように、排気口487の内部は非直線形の先細又はベル状(bell−shaped)の内部が、そこへ、又そこから気流閉鎖コーン447の揺動運動に応じて振動PEP治療を行う。この方法で、出口487を周期的に開閉して、振動PEP治療を実施できるように患者の呼気排出に応答する。
【0017】
振動するロッカー・アセンブリー400が空気流管200上に固定されていて、かつ、図4及び7に最良に図示されているように、空気流管の出口203の外側に伸びている円形外側の側壁287を囲み、係合するために、空気出口487の外面を囲んでいて、プラットフォーム485の下から下向きに伸びているカウリング489により、ハウジング300内に位置している。プラットフォーム485の一対の側壁486、空気流管200の平面205上に配置された底部が、必要に応じて、リッジド・フィンガー(ridged finger)に係合した面で形成され、装置1000を清掃するために空気流管200上でのロッカー支持部480の取り外しと再配置を容易にする。側壁486は空気流管200の平面205から垂直外向きに伸びて、その間にロッカー・アーム445を受けるのに十分な距離離れている。この方法で、上側と下側のハウジング部分301と302のそれぞれが清掃のために分離された時に、ロッカー・アーム445が側壁486の間に保護される。ロッカー・アセンブリー400を取り外すとき把握を目的とした側壁486のリブ(rib)又はリッジ(ridge)付きフィンガー係合面にユーザーの注意が向けられるので、装置1000の清掃のために分解するとき、この配置が、ユーザー又は臨床医がうっかりと不適切に握ることからロッカー・アセンブリー400を保護する。タング(tang)384が上側ハウジング部分301の内部から下方に伸びて、ロッカー・アーム445内に形成された開口444を通り、プラットフォーム485の上面205に係合して、使用時に装置1000の向きに無関係にこれらの要素を正しい位置に保持する。
【0018】
上側及び下側のハウジング部分301及び302のそれぞれが2個の別々の部分として形成され、清掃のために装置の内部に接近しやすくしている。この目的のため、上側ハウジング部分301が、その内部に接近するためにハウジング300を開くことを希望する場合を除き、ハウジング300の2部分の係合を維持するために、下側ハウジング部分302の中に形成された相補性凹部306を係合するように設計された各端部の一対のタブ(tab)303を用いて、上側ハウジング部分301が形成される。ハウジング300を開くことを希望する場合、係合している凹部306からタブ303を外しやすくするために、上側ハウジング301の両側をお互いの方に圧縮する。2個のハウジング部分を共に固定しやすくするために、患者接続ポート201に隣接した上側ハウジング部分301内に形成された相補性凹部307を係合する位置で上側ハウジング部分301の一端から固定タブ305を外側に伸ばしている。使用時に装置1000にそのような要素が組込まれているとき、相補性凹部307内に固定用タブ305の接合が、ハウジング部分301及び302の偶発的分離を防止するために、標準のマウスピース3又はマスク2の先端を受けるサイズの外径を生じている。
【0019】
振動PEP治療の実施のために希望の周波数及び(又は)呼気圧を制御又は設定をするために、磁気吸引性のピン441が円板磁石488の磁界内でロッカー・アーム445上に配置する。円板状磁石488がホルダー490内に保持される。そのホルダー490は一対の垂直に伸びたガイド210に沿って垂直方向にスライドして位置決めでき、そのガイドは周波数制御ダイアル350の回転位置に基づいて患者接続ポート201に隣接した空気流管200の平面205から上方に伸びている。この方法で、希望の周波数及び(又は)呼気圧が、臨床医の指示に基づいてユーザーが容易に設定又は制御できる。
【0020】
円板磁石488はレシーバー・ポケット(receiver pocket)491内のホルダー490内に保持されて、複数のグリッピング(gripping)又はセンタリング(centering)フィンガー(finger)492を有し、円形レシーバー・ポケット491内に磁石488を保持する。レシーバー・ポケット491内はホルダー490の一端に形成され、ガイド210に沿って垂直方向に動ける。ホルダーの底部は、空気流管200の出口203周辺の水平位置に保持された回転式周波数制御ダイアル350に形成されたカム(cam)396のリップ・ポーション(lip portion)395にその間で係合するためレシーバー・ポケット491の底部から間隔を設けて複数のストップ(stops)又はフィート(feet)494と共に形成される。この方法で、臨床医の指示に基づいて振動するPEP治療を受けるために希望の振動周波数及び(又は)呼気圧を制御又は設定するために、鋼製ピン448が機能できる付近で装置ユーザーが円板磁石488を選択的に配置できる。
【0021】
図2、8、10−13を参照すると、回転可能な周波数制御ダイアル350及びその上に形成されるカム396は複数のガイド351により空気流管出口203の側壁287と同心的に配置されている。回転可能な周波数制御ダイアル350の内径は自由に回転できる寸法であり、その一方で、ガイド351は側壁287と同心のダイアルを維持している。カム396の位置は、そのリップ・ポーション395が、円板磁石レシーバー491の底部とストップ又はフィート494の間でその磁石ホルダー490に係合し、周波数制御ダイアル350の回転位置に基づいてホルダー490が上下する。この方法で、ロッカー・アーム445により保持された鋼製ピン448に対する円板磁石488の磁界強度がその間で変化し、これら要素間のスペースにより決定されているように、振動する呼気圧のパルス(pulse)発生のために設定される呼気圧の制御可能な範囲を提供する。
【0022】
装置1000の使用で、ユーザー又は医療提供者を支援するために、正しい磁界強度が設定されると、周波数制御ダイアル350に沿ってスペースを置いて複数のインディシア(indicia)310を使用して正しい位置にすぐに再配置できる。さらに、位置が決定されると正しい位置を維持するために、一連の回り止め352を用いて、ダイアル350の偶発的回転を防止する。この目的のために、プラットフォーム485の下から支持されるカラー510が空気流管出口203の側壁287の上部を囲み、その突起部512が逐次回り止め352に係合し、周波数制御ダイアル350の偶発的回転を防止する。凹部514が希望の位置でカラー510を保持するためにプラットフォーム485の底部から下向きに伸びているタブ414により係合されている。
【0023】
使用では、患者が空気流管200の患者接続ポート201を通して呼気を吐き出す。それが空気流管出口203を通って振動するロッカー・アセンブリー400に送られ、装置1000から2個のハウジング部分301及び302の間の出口空間304を通過する。従って、呼気圧がロッカー445のコーン形閉鎖部447に加えられる。その閉鎖部は非直線形出口又はオリフィス487の閉鎖部を形成する。患者の呼気の圧力がコーン形閉鎖部447を持上げ、揺動するロッカー支持部480に保持された円板磁石488とロッカー・アセンブリー400上に保持された鋼製ピン448の間の磁界の力に対して、ピボット・ピン441の周囲でロッカー部分440を揺動させる。コーン形閉鎖部447が、呼気圧の上昇に応答して上方に動くので、コーン形閉鎖部447の一定した傾斜のコーン形状がベル形又はトランペット形の非直線形先細の吐出口487と組合わせることで、非直線形出口を形成し、それが有効排出面積を増加し、それにより、コーン形閉鎖部447に加えられる空気圧を低減し、ロッカー・アーム445の上向き加速度を低減する。
【0024】
出口487のベル形又は非直線形先細の内面が、先細のコーン状閉鎖部447に加わる呼気圧を克服したとき、コーン形閉鎖部447は再び下向きに動き始め、ベル状の非直線形先細の出口487の中に加速される。コーンが出口又はオリフィス487を通って空気流路の中に下降すると共に、環状流路面積が低減し、空気流量が低減し、空気圧が増大する。これは下降モーメンタム(momentum)が克服され、コーン447が上向きの加速を再開するまで続く。最大圧力はこのポイントで得られて、他のサイクルが始まる。適当な抵抗範囲を選択することで、約1:3から約1:4という希望の吸気対呼気の比(I:E)を生じる。
【0025】
本発明の好ましい実施例に関する前述の説明は図示と記述の目的で示されているが、本発明を網羅することも開示された正確な形に限定することも意図していない。上記の教示に基づいて明白な修正又は変更を行うことは可能である。実施例は本発明の原理及びその実際的な応用の最良の例示を提供する努力の中で選ばれ、示されていて、発明家に現在知られている最良の方式は、適当な使用に適していると想定されている種々の実施例及び種々の修正で、当業の通常の技術者であれば本発明を用いることができる。そのような修正と変更は、請求項の権利の範囲に基づき解釈することにより、本発明の範囲内に入る。
【0026】
さらに、本出願書は特定の辞書を参照せずに作成されている。従って、ここで用いた用語の定義は、そのような辞書の解釈とは無関係に発明者の意味に反する又は異なる辞書の意味よりはむしろ本出願書の教示に基づくそれら自身の辞書編集者として機能する発明者が意図する意味に適合している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】適当な環境での本発明の実施例の透視図である。
【図2】図1に示した実施例の分解透視図で、その内部構造を見やすくなるように一部を除去している。
【図3−6】それぞれ、図1の実施例のプラットフォーム部分の上方と下方の透視図、上面図と断面図で、非直線形出口を形成する構造の一部を見やすくしている。
【図7】図1に示す実施例のロッカーとプラットフォームの部分の透視図で、振動する正の呼気圧を生じるための装置ハウジングの下部に取付けられたこれらの部分の一部を外している。
【図8】組立てられた振動する正の呼気圧装置の透視図で、振動する正の呼気圧の大きさと周波数を調節し、清掃のために分解と組立を容易にするための構造を見やすくするために装置の上部を開いている。
【図9】組立てられた振動の正の呼気圧発生装置の上面図である。
【図10】図9に示された振動する正の呼気圧装置を線10−10に沿って切断した断面図で、振動する正の呼気圧を生じるための、又、振動の周波数と圧力を制御するための、振動の大きさと周波数を変化できる方法の内部構造を見やすくすくしている。
【図11】振動する正の呼気圧装置の調節用ダイアル部分の透視図で、振動の大きさと周波数を設定するために磁気結合部及びマグネット・ホルダーが図2に示したロッカー部分に対して位置決めできる方法を見やすくしている。
【図12】図11に示す調節ダイアルの平面図で、その構造と機能を見やすくしている。
【図13】直線13−13に沿って切断した調節ダイアルの断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動する正の呼気圧治療装置で、
空気流管が、呼吸器治療を受けるユーザーによりそこに送られる呼気を受けるための入口からの空気流路を有し、前記入口を通過する呼気を排出するための出口を有すること、
前記空気流管が、前記空気流管内に位置して、そこを通る呼気の圧力に応答して開位置と閉位置の間で動作する閉鎖手段を含むこと、
前記呼気に応答する閉鎖手段が、前記空気流路内を通過する呼気の事前決定された圧力の存在に応答して開かれ、又、前記非直線形出口を通って空気圧の低下が事前決定された率になるのに応答して閉じる通常は閉鎖している非直線形出口を含むこと、
さらに、前記呼気に応答する閉鎖手段が、呼気の流れを阻止する閉位置と前記空気流路内に呼気を流れさせる開位置の間で前記空気流路内の呼気に応答して動ける閉鎖手段を含むこと、
噴霧器接続手段が、前記入口からユーザーへの前記空気流路に流体を流すために噴霧管を接続するためにあること、
から成る装置。
【請求項2】
前記入口からの前記空気流路に流体を流すために噴霧器を接続するための前記噴霧器接続手段が、前記入口からユーザーに一方向に空気を移動するために配置されている請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項3】
前記閉鎖部材がコーン形であり、又、前記非直線形出口がベル形である請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項4】
前記閉鎖部材がコーン形であり、又、前記非直線形出口がトランペット形である請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項5】
前記閉鎖部材がコーン形であり、又、前記非直線形出口が非直線形先細の排出オリフィスである請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項6】
さらに、前記非直線形出口の開放と閉鎖を行う偏り力を発生するために磁気力の場を加える手段を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項7】
さらに、磁気力の場の大きさを加える手段を調節するための手段を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項8】
磁場の大きさを加える手段を調節するための前記手段には回転できる周波数制御ダイアルが含まれる請求項7の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項9】
前記回転できる周波数制御ダイアルが前記非直線形出口に対して水平に配置される請求項8の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項10】
さらに、前記回転できる周波数制御ダイアルがその自由回転を抑制する円周方向にスペースを置いた複数の爪を含む請求項9の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項11】
前記非直線形出口がベル状である請求項9の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項12】
前記の呼気に応答する閉鎖手段が、前記空気流路を通過する呼気に事前決定されている圧力が存在することに応答して開き、又、前記非直線形の出口を通る事前決定された空気圧の低減率に応答して閉じ、通常は閉鎖していている非直線形出口を含み、ロッカー支持
プラットフォーム上に揺動可能に支持されたロッカー部分を含む振動するロッカー・アセンブリーから成っている請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項13】
前記ロッカー部分が、前記非直線形出口に出し入れする揺動形の動きのために前記ロッカー部分上に保持されたコーン形閉鎖部材を含み、又、前記ロッカー支持部分が、前記コーン形閉鎖部材の動きに応答して閉鎖される先細の曲線状の非直線形排出オリフィスを含む請求項12の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項14】
前記非直線形出口がベル形である請求項13の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項15】
前記非直線形出口がトランペット形である請求項13の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項16】
さらに、前記噴霧器接続手段に操作可能に接続されている噴霧器を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項17】
前記噴霧器が前記噴霧器に薬品を供給するための手段を含む請求項16の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項18】
さらに、吸気と呼気をユーザーに送る前記空気流管により支えられたマウスピースを含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項19】
さらに、吸気と呼気をユーザーに送る前記空気流管により支えられた覆面を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項20】
さらに、前記空気流管の前記入口に接続されたリザーバー・チュービングを含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項1】
振動する正の呼気圧治療装置で、
空気流管が、呼吸器治療を受けるユーザーによりそこに送られる呼気を受けるための入口からの空気流路を有し、前記入口を通過する呼気を排出するための出口を有すること、
前記空気流管が、前記空気流管内に位置して、そこを通る呼気の圧力に応答して開位置と閉位置の間で動作する閉鎖手段を含むこと、
前記呼気に応答する閉鎖手段が、前記空気流路内を通過する呼気の事前決定された圧力の存在に応答して開かれ、又、前記非直線形出口を通って空気圧の低下が事前決定された率になるのに応答して閉じる通常は閉鎖している非直線形出口を含むこと、
さらに、前記呼気に応答する閉鎖手段が、呼気の流れを阻止する閉位置と前記空気流路内に呼気を流れさせる開位置の間で前記空気流路内の呼気に応答して動ける閉鎖手段を含むこと、
噴霧器接続手段が、前記入口からユーザーへの前記空気流路に流体を流すために噴霧管を接続するためにあること、
から成る装置。
【請求項2】
前記入口からの前記空気流路に流体を流すために噴霧器を接続するための前記噴霧器接続手段が、前記入口からユーザーに一方向に空気を移動するために配置されている請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項3】
前記閉鎖部材がコーン形であり、又、前記非直線形出口がベル形である請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項4】
前記閉鎖部材がコーン形であり、又、前記非直線形出口がトランペット形である請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項5】
前記閉鎖部材がコーン形であり、又、前記非直線形出口が非直線形先細の排出オリフィスである請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項6】
さらに、前記非直線形出口の開放と閉鎖を行う偏り力を発生するために磁気力の場を加える手段を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項7】
さらに、磁気力の場の大きさを加える手段を調節するための手段を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項8】
磁場の大きさを加える手段を調節するための前記手段には回転できる周波数制御ダイアルが含まれる請求項7の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項9】
前記回転できる周波数制御ダイアルが前記非直線形出口に対して水平に配置される請求項8の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項10】
さらに、前記回転できる周波数制御ダイアルがその自由回転を抑制する円周方向にスペースを置いた複数の爪を含む請求項9の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項11】
前記非直線形出口がベル状である請求項9の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項12】
前記の呼気に応答する閉鎖手段が、前記空気流路を通過する呼気に事前決定されている圧力が存在することに応答して開き、又、前記非直線形の出口を通る事前決定された空気圧の低減率に応答して閉じ、通常は閉鎖していている非直線形出口を含み、ロッカー支持
プラットフォーム上に揺動可能に支持されたロッカー部分を含む振動するロッカー・アセンブリーから成っている請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項13】
前記ロッカー部分が、前記非直線形出口に出し入れする揺動形の動きのために前記ロッカー部分上に保持されたコーン形閉鎖部材を含み、又、前記ロッカー支持部分が、前記コーン形閉鎖部材の動きに応答して閉鎖される先細の曲線状の非直線形排出オリフィスを含む請求項12の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項14】
前記非直線形出口がベル形である請求項13の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項15】
前記非直線形出口がトランペット形である請求項13の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項16】
さらに、前記噴霧器接続手段に操作可能に接続されている噴霧器を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項17】
前記噴霧器が前記噴霧器に薬品を供給するための手段を含む請求項16の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項18】
さらに、吸気と呼気をユーザーに送る前記空気流管により支えられたマウスピースを含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項19】
さらに、吸気と呼気をユーザーに送る前記空気流管により支えられた覆面を含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【請求項20】
さらに、前記空気流管の前記入口に接続されたリザーバー・チュービングを含む請求項1の振動する正の呼気圧治療装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−86768(P2008−86768A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253803(P2007−253803)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(507324049)スミス・メデイカル・エイエスデイ・インコーポレーテツド (3)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(507324049)スミス・メデイカル・エイエスデイ・インコーポレーテツド (3)
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