説明

蘚苔類による汚染改善方法

【課題】蘚苔類を、効率よく環境浄化に使用する技術を提供する。
【解決手段】蘚苔類を培養して、その有世世代の植物体、培地を、汚染地域の対象物件の重量比で100分の1以下使用する蘇苔頬による汚染改善方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツノゴケ類、苔類、蘚類などの下等植物を用い、汚泥、土質、汚水、廃水、下水を処理する技術であり、これらの蘚苔類の生物的作用により汚染された原物質の有害物質が蘚苔類に吸着され、放射性物質の除去にも利用出来る。
【背景技術】
【0002】
京都の苔寺(西芳寺)に見られるように、蘚苔類が環境に及ぼす影響は非常に大きい。
しかし、現実では庭園などに用いられる程度で、汚染された土質、廃水などの処理には利用されていない。
【0003】
【特許文献1】 特開2006−219372
【特許文献2】 特開平11−226351
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
汚染された地域の土、廃水、廃棄物などを蘚苔類で浄化する技術の確立。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、蘚苔類を用いて環境を浄化すために、蘚苔類の発育過程を管理し、その有世世代を効果的に利用するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、蘚苔類の生命力を利用して環境の浄化をはかるもので、経済的に他の浄化技術より安価に効率よく成果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、蘚苔類の生活が有世世代と無世世代にわかれていることを利用するものである。
【実施例】
【0008】
ゼニゴケは、有世世代と無世世代が規則正しく交代してあらわれる。
ゼニゴケは雌雄異株であるが、受精卵は発育して無世世代の造胞体になる。造胞体は葉状体に寄生し養分をとるが、この状態のゼニゴケには環境浄化能力はほとんどなく、造胞体の胞子はやがて発芽して原糸体になる。
本発明は、これから成育する有世世代のゼニゴケを培養して汚染地域に散布するもので、配布する量はその地域の汚染度により決定する。
【0009】
ゼニゴケの他、ツノゴケ、ミズゼニゴケ、マキノゴケ、クモノスゴケなど他の蘚苔類でも環境浄化能力はあるが、その環境地域の状況に応じて、蘚苔類培養物の使用量を決定する。また、これらの蘚苔類の培養方法は公知で、特に記載することは無いが、蘚苔類の種類により培養成分が異なることは当然であり、環境浄化能力にも差異を生ずる。
【産業上の利用可能性】
【0010】
本発明は、古くから人間の生活に取り入れられているコケなどの蘚苔類を利用して環境の浄化を行うもので、蘚苔類は植物であり、成育も早く、寒熱の環境変化にも強いので環境汚染物質の除去に有効で、最近、問題の放射性物質の吸着、排除も期待される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蘚苔類を培養して、その有世世代の植物体、培地を分別せずに、汚染地域の広狭に応じて、その重量の100分の1以下の比率で使用する蘚苔類による汚染改善方法。

【公開番号】特開2013−94772(P2013−94772A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249106(P2011−249106)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【出願人】(511276585)イメージインテック株式会社 (1)
【出願人】(502287750)
【Fターム(参考)】