説明

虫忌避用体

【課題】安価であるとともに容易に使用でき、野外活動等において便利に用いられる虫忌避用体を提供する。
【解決手段】身体に装着可能な基布2に、虫忌避成分を発散可能に付設してなることを特徴とする虫忌避用体であり、ストール、スカーフ、ネッカチーフ、さらには、リストバンド等の形態を持ち、身体に装着使用されることで周囲に虫忌避成分が発散され、装着者の周囲に蚊等の子虫が寄り付くことが回避される効果を果たす。これを用いることにより夏季等の野外活動が快適に行えるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、身体に装着使用する虫忌避用体に関する。
【背景技術】
【0002】
夏季において菜園での作業等の野外活動をする場合、蚊等の子虫が寄ってきて非常に煩わしい。そのような対策として、例えば、虫忌避成分をファンにより発散させる防虫具が提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−028040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような防虫具は高価であるとともに衣服の一部に取り付けたりして携帯しなければならず、また、ファン用の電池の取り換え等にも手間がかかった。
【0005】
この発明では、安価であるとともに容易に使用でき、野外活動等において便利に用いられる虫忌避用体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明では、身体に装着可能な基布に、虫忌避成分を発散可能に付設してなることを特徴とする虫忌避用体を提供する。
【0007】
虫忌避用体は基布を身体に装着使用することで周囲に虫忌避成分が発散され、装着者の周囲に蚊等の子虫が寄り付くことが回避される。
【0008】
虫忌避用体の形態は基布が身体に装着可能であれば適宜であってよく、例えば、ストール、スカーフ、ネッカチーフ、マフラー等の首巻形態やリストバンド形態等とされる。首巻形態とされた場合は冷却機能を持つ構成とされることで、夏季の野外において快適に使用できるとともに熱中症の予防効果も果たすので、きわめて実用性に優れるものとなる。虫忌避成分としては精油等適宜のものが使用可能で、殺虫効果を併せ持つものとされてよい。虫忌避成分は不織布やフェルト等に含浸させて担持させ、その担持させたものが基布に取り付けられることで発散される。
【発明の効果】
【0009】
この発明の虫忌避用体は基布を身体に装着することにより、安価、かつ、容易にして周りに蚊等の子虫が寄ってくることを回避でき、これを用いることにより夏季等の野外活動が快適に行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の虫忌避用体の第1の実施形態の一方面側斜視図
【図2】この発明の虫忌避用体の第1の実施形態の他方面側斜視図
【図3】この発明の虫忌避用体の第2の実施形態の斜視図
【図4】この発明の虫忌避用体の第2の実施形態において用いるクリップ片斜視図
【図5】この発明の虫忌避用体の第3の実施形態の斜視図
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1はこの発明の虫忌避用体の第1の実施形態の一方側面の斜視図、図2は同他方側面の斜視図である。虫忌避用体1はストールの形態であり、麻よりなる帯状の基布2の一方側面の中央に設けられたポケット4内に虫忌避成分である揮発性の精油が含浸された不織布6が収納されている。不織布6は精油が含浸された状態において袋内に密封されて提供され、その袋から取り出されてポケット4内に収納使用される。
【0012】
基布2の他方側面の中央に帯状のポケット14が設けられ、そのポケット14内に帯状の冷却体16が収納されている。冷却体16として保冷剤パックや保水機能を持つ樹脂体が使用され、保冷剤パックは冷蔵庫において冷却したものを、樹脂体は使用時に水を含ませて使用する。樹脂体は含まれる水が蒸発して気化熱を奪うことで冷却機能を発揮する。なお、冷却体16によって不織布6が濡れて虫忌避成分が加水分解することがないように、不織布6は水分を遮断し虫忌避成分の発散を可能とする通気性フィルムにより密封した状態として使用する。
【0013】
この虫忌避用体1がポケット4を外側として首に巻かれて野外等において装着使用されることで、不織布6に含浸される精油から虫忌避成分が一定時間揮発により発散され、これにより装着者の周囲に蚊等の子虫が寄り付くことが回避される。さらに、冷却体16により首の後部が冷やされ、これにより夏季の野外において快適に使用でき、また、熱中症の予防効果が果たされる。
【0014】
図3は虫忌避用体の第2の実施形態の斜視図である。この虫忌避用体20は基布22とそれに取り付けられるクリップ片24とからなる。クリップ片24は、図4に示すように、樹脂製のクリップ部25の外面にフェルト片26が貼り付けられて構成され、フェルト片26に虫忌避成分である揮発性の精油が含浸されている。フェルト片26には使用に際して精油が含浸される。
【0015】
この虫忌避用体20が首に巻かれたり、肩にかけられたりして野外において装着使用されることで、フェルト片26に含浸される精油から虫忌避成分が一定時間揮発により発散され、これにより装着者の周囲に蚊等の子虫が寄り付くことが回避される。クリップ片24は虫忌避用体20のデザイン性を向上させる。
【0016】
上記それぞれの実施形態のものはストール形態であるが、スカーフ、ネッカチーフ、マフラー等適宜の形態とされてよい。それらをタンス内等に収納する際に虫忌避成分が発散される状態としておくことで、虫食い防止効果が発揮される。
【0017】
図5はこの発明の虫忌避用体の第3の実施形態の斜視図である。虫忌避用体30はリストバンドの形態であり、布片よりなる環状の基布32の外面の一部に設けられたポケット34内に虫忌避成分である揮発性の精油が含浸された不織布36が収納されて構成されている。不織布36は精油が含浸された状態において袋内に密封された状態で提供され、その袋から取り出されてポケット34内に収納使用される。
【0018】
この虫忌避用体30が手首に装着使用されることで、不織布36に含浸される精油から虫忌避成分が一定時間揮発により発散され、これにより装着者の周囲に蚊等の子虫が寄り付くことが回避される。リストバンド形態の虫忌避用体30により顔等の汗がぬぐわれることで、顔等に付着した虫忌避成分も発散してより高い虫の忌避効果が得られる。この虫忌避用体30は径が大きくされることでヘッドバンドとなり、その場合には第1の実施形態のもののように冷却機能を持つものとすることで快適に使用でき、また、メントールを付することで覚醒効果を発揮するものとなる。この実施形態の虫忌避用体30を犬等のペットに装着使用することでペットの防虫効果が発揮される。
【符号の説明】
【0019】
1 虫忌避用体
2 基布


【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着可能な基布に、虫忌避成分を発散可能に付設してなることを特徴とする虫忌避用体。
【請求項2】
首巻形態である請求項1記載の虫忌避用体。
【請求項3】
冷却機能を備える請求項2記載の虫忌避用体。
【請求項4】
リストバンド形態である請求項1記載の虫忌避用体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−193118(P2012−193118A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56154(P2011−56154)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(505129965)ウエ・ルコ物流株式会社 (11)
【Fターム(参考)】