説明

蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体

【課題】蛍光ランプ交換時に、本体ケースからソケットカバーが離脱することを抑制できる蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体を提供する。
【解決手段】本体ケース12に取り付けた蛍光ランプ15のソケット13を被覆する被覆位置P1と、ソケット13を露出する露出位置P2との二位置間をスライド移動なソケットカバー14を本体ケース12に取り付けた蛍光灯ユニット11におけるソケットカバー14の取付構造体において、本体ケース12には、それぞれ長手方向Lに沿って延びる一対のガイド凹条部16を備え、ソケットカバー14には、係止凹部と、係止段部とを備え、本体ケース12には、ソケットカバー14が被覆位置P1に位置する場合に係止凹部と係合し、かつソケットカバー14が露出位置P2に位置する場合に係止段部に係合するスプリングピン25を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光ランプを用いる照明器具である蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、蛍光ランプを用いて照明を行う照明器具として、図7及び図8(a)〜(d)に示す蛍光灯ユニットが知られている。図7及び図8(a)〜(d)の蛍光灯ユニット101は、一対のソケット102が取り付けられた本体ケース103、2つのソケットカバー104を備えている。蛍光灯ユニット101は、この両ソケット102間に蛍光ランプ105が取り付けられるように構成されている。本体ケース103及びソケットカバー104は、例えば、金属材料を用いて押出加工により形成されている。ソケットカバー104は、蛍光ランプ105交換時以外にソケット102を覆うことにより、蛍光灯ユニット101の見栄えを向上させるものである。ソケットカバー104がソケット102を覆っている状態では、蛍光ランプ105を交換する際に妨げとなるため、ソケットカバー104は本体ケース103に対してスライド移動可能となるように構成されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、上記蛍光灯ユニット101は、ソケット102に取り付けられている蛍光ランプ105を交換する際に、両ソケット102を覆っている両ソケットカバー104を外方へスライド移動させるため、勢い余って本体ケース103からソケットカバー104が離脱してしまうことがあった。本体ケース103からソケットカバー104が離脱してしまうと、作業者は、そのソケットカバー104を本体ケース103に取り付けなければならず、蛍光ランプ105の交換作業効率が悪くなってしまうという問題があった。さらに、ソケットカバー104をスライド移動させた際に、ソケットカバー104の位置決めができないという問題があった。
【0004】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は蛍光ランプ交換時に、本体ケースからソケットカバーが離脱することを抑制できる蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、本体ケースに取り付けた蛍光ランプのソケットを被覆する被覆位置と、前記ソケットを露出する露出位置との二位置間をスライド移動なソケットカバーを前記本体ケースに取り付け、前記ソケットカバーが前記露出位置を基準として前記被覆位置とは反対側へ向けてスライド移動することにより該ソケットカバーが前記本体ケースから離脱する蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体において、前記本体ケースには、それぞれスライド方向に沿って延びる一対のガイド凹条部を備え、前記ソケットカバーには、前記両ガイド凹条部にそれぞれスライド移動可能にガイドされる一対のガイドリブを備え、前記ガイドリブには、第1係止部と、第2係止部とを備え、前記本体ケースには、前記ソケットカバーが前記被覆位置に位置する場合に前記第1係止部と係合し、かつ前記ソケットカバーが前記露出位置に位置する場合に前記第2係止部に係合する係止突部を備えた。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記本体ケースには、前記ソケットカバーが前記露出位置から前記被覆位置とは反対側へ向けてスライド移動することを規制する規制部材を備えた。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記ソケットカバーは、その両端に前記ガイドリブがそれぞれ連結された断面U字状をなす遮蔽部を備え、前記ガイド凹条部は、前記ガイドリブと前記遮蔽部とがなす隅部との接触を回避するための角丸め部が形成されている。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の発明において、前記本体ケースと前記ソケットカバーとの間には、前記本体ケースと前記ソケットカバーとの接触のうち少なくとも一部を線接触とする線接触機構、又は前記本体ケースと前記ソケットカバーとの接触のうち少なくとも一部を点接触とする点接触機構を備えた。
【0009】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば以下に示す作用を得る。本体ケースのソケットに取り付けている蛍光ランプを交換する場合には、被覆位置に位置するソケットカバーを、第1係止部と係止突部との係合を解除しつつ露出位置へ向けて移動させる。ソケットカバーが露出位置まで来ると、第2係止部と係止突部とが係合し、本体ケースに対してソケットカバーが位置決めされる。この位置決めがなされることにより、ソケットカバーは、本体ケースから離脱することが抑制される。ソケットカバーが露出位置に位置すると、ソケットが露出するのでソケットからの蛍光ランプの交換が可能となる。蛍光ランプを交換した後、ソケットカバーを、第2係止部と係止突部との係合を解除しつつ被覆位置へ向けて移動させる。ソケットカバーが被覆位置まで来ると、第1係止部と係止突部とが係合し、本体ケースに対してソケットカバーが位置決めされ、蛍光ランプ交換作業が完了する。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。ソケットカバーを、被覆位置から露出位置へスライド移動させる際に、ソケットカバーが露出位置を超えた位置までスライド移動しようとしても、規制部材によりソケットカバーのスライド移動が規制される。この結果、蛍光ランプ交換時に、本体ケースからソケットカバーが離脱することがよりいっそう抑制される。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。ガイドリブと遮蔽部とがなす隅部に対してガイド凹条部が接触しないため、本体ケースに対するソケットカバーのスライド移動を円滑に行える。ちなみに、もしガイドリブと遮蔽部とがなす隅部に対してガイド凹条部が接触するのであれば、ソケットカバーがスライド移動する際に、その隅部にガイド凹条部が食い込んでしまう状態となってしまうことがあり、円滑にスライド移動を行うことができないことがある。
【0012】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の発明の作用に加えて以下に示す作用を得る。線接触機構が設けられていることにより、本体ケースに対するソケットカバーのスライド移動を円滑に行える。または、点接触機構が設けられていることにより、本体ケースに対するソケットカバーのスライド移動を円滑に行える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、蛍光ランプ交換時に、本体ケースからソケットカバーが離脱することを抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図5に従って説明する。
図1(a)〜(d)に示すように、蛍光灯ユニット11は、本体ケース12、一対のソケット13、一対のソケットカバー14を備えている。本体ケース12及び両ソケットカバー14は、金属材料(合成樹脂でもよい)を用いて押出加工により形成されている。
【0015】
本体ケース12は、その上部が図示しない天井に固定されている。本体ケース12は、底面視(図1(a)参照)において長尺な四角形状に形成され、その短手辺が延びる方向が短手方向Sとされ、その長手辺が延びる方向がスライド方向としての長手方向Lとされている。
【0016】
図2に示すように、本体ケース12は、中央部12aと、その中央部12aの短手方向S両端に形成された傘部12bとを備えている。
図1(a),(c)に示すように、中央部12aの下面でかつ中央部12aの長手方向L両端側には、一対のソケット13が固定されている。両ソケット13間には、蛍光ランプ15が取り付けられている。
【0017】
図2に示すように、中央部12aの下面には、その凹所16aが短手方向Sにおいて互いに対向する一対のガイド凹条部16を備えている。ガイド凹条部16は、中央部12aの長手方向L全域に亘って形成されている(図1(a),(b)参照)。詳述すると、図3に示すように、ガイド凹条部16は、中央部12aの下面から延びるL字状の突出部17を備えている。突出部17の先端には、その先端から下方へ延びる突起部18が形成されている。中央部12aの一部、突出部17、及び突起部18により、前記ガイド凹条部16が構成されている。
【0018】
図2に示すように、ソケットカバー14は、断面U字状をなすと共にソケット13を遮蔽可能な遮蔽部14aと、その遮蔽部14aの両端にそれぞれ一体に形成されたガイドリブ14bとを備えている。両ガイドリブ14bは、短手方向Sにおいて、遮蔽部14aの端部から互いに離れる方向へ延びるように形成されている。両ガイドリブ14bは、一対の凹所16aにそれぞれ配設されている。この結果、ソケットカバー14は、本体ケース12に対して長手方向Lに沿ってスライド移動可能に構成されている。
【0019】
次に、蛍光灯ユニット11の特徴的な構成について説明する。
図2及び図3に示すように、中央部12aの凹所16aに対応した下面には、断面半円状の突条部20が形成されている。突条部20は、線接触機構に相当する。突条部20は、中央部12aの長手方向L全域に亘って形成されている。突出部17の先端部の上部が角丸め部21となっている。この角丸め部21は、突出部17の長手方向L全域に亘って形成されている。突出部17に角丸め部21が形成されていることにより、突出部17の先端部と、ガイドリブ14bと遮蔽部14aとがなす隅部nとの接触を回避するようになっている。ガイドリブ14bの上面が突条部20に当接され、ガイドリブ14bの下面が突出部17の先端側の上面に当接され、遮蔽部14aの短手方向Sにおける両外側面F1が一対の突起部18の短手方向Sにおける両内側面F2にそれぞれ当接されている。即ち、ソケットカバー14は、本体ケース12に対してガタツキを抑制するように取り付けられている。
【0020】
図4に示すソケットカバー14は、図1(a)の左側のソケットカバー14を示し、図5に示すソケットカバー14は、図1(c)の左側のソケットカバー14を示したものである。図4及び図5に示すように、ガイドリブ14bは、遮蔽部14aに対して一体に連結された側が基端部であり、その先端部には、第1係止部としての係止凹部22及び第2係止部としての係止段部23が切欠き形成されている。ガイドリブ14bにおいて、係止段部23は、係止凹部22が形成されている位置よりも長手方向内方Li側に形成されている。
【0021】
なお、長手方向内方Liとは、長手方向Lにおける本体ケース12の端からその本体ケース12の中央側へ向かう方向をいい、長手方向内方Liと逆の方向を長手方向外方Loという。
【0022】
係止段部23の底の角部23aの深さは、係止凹部22の底面22aの深さと同じとされている。ガイドリブ14bは、係止凹部22と係止段部23との間の部分の先端面が、そのガイドリブ14bにおけるその他の部分の先端面よりも短手方向内方Si側に位置するように、かつ係止段部23の底の角部23aから短手方向外方So側に位置するように形成されている。
【0023】
なお、短手方向内方Siとは、ガイドリブ14bの先端から同ガイドリブ14bの基端へ向かう方向をいい、短手方向内方Siと逆の方向を短手方向外方Soという。以下、ガイドリブ14bにおける係止凹部22と係止段部23との間の部分の先端面を、ガイド面24という。
【0024】
ガイド面24は、平行面24aと斜面24bとを備えている。平行面24aは、ガイド面24の長手方向L中央から係止凹部22にかけて形成されており、斜面24bは、ガイド面24の長手方向L中央から係止段部23にかけて形成されている。平行面24aは、係止凹部22の底面22aよりも短手方向外方So側に位置するように形成されている。斜面24bは、係止段部23に向かうにつれ短手方向内方Siに向かうように形成され、かつ係止段部23の底の角部23aに滑らかに繋がっている。即ち、ガイド面24は、係止凹部22から係止段部23へ向けて切り込み深さが深くなるように形成されている。
【0025】
本体ケース12の中央部12aには、各ガイド面24とほぼ対向するように断面C形状のスプリングピン25が突き刺さった状態で固定されている。スプリングピン25は、係止突部に相当する。スプリングピン25は、弾性変形可能に構成されている。スプリングピン25は、係止凹部22と係合可能に、係止段部23と係合可能に、さらには、ガイド面24に摺接可能に、中央部12aに対して固定されている。詳述すると、スプリングピン25がソケットカバー14の係止凹部22に係合している場合には、ソケットカバー14がソケット13を被覆する位置(以下、被覆位置P1という)に位置するように蛍光灯ユニット11は構成されている。また、スプリングピン25がソケットカバー14の係止段部23に係合している場合には、ソケットカバー14がソケット13を露出する位置(以下、露出位置P2という)に位置するように、蛍光灯ユニット11は構成されている。
【0026】
図1(a),(c)及び図2に示すように、本体ケース12の中央部12aには、4つの断面C形状のスプリングピン26が突き刺さった状態で固定されている。このスプリングピン26は、規制部材に相当する。スプリングピン26は、弾性変形可能に構成されている。各スプリングピン26は、短手方向Sにおいて前記各スプリングピン25と同位置にそれぞれ配置されている。
【0027】
各スプリングピン26は、それぞれ対応するソケットカバー14が露出位置P2から長手方向外方Loへ向けて所定量だけ移動した場合に、そのソケットカバー14に当接することにより、そのソケットカバー14のそれ以上の長手方向外方Loへの移動を防止している。ちなみに、ソケットカバー14は、スプリングピン26に当接している状態では、両ガイドリブ14bがガイド凹条部16から離脱しないようになっている。
【0028】
従って、本実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
(1)本体ケース12のソケット13に取り付けている蛍光ランプ15を交換する場合には、被覆位置P1に位置するソケットカバー14を、係止凹部22とスプリングピン25との係合を解除しつつ露出位置P2へ向けて移動させる。
【0029】
この際、スプリングピン25は、先ずガイド面24の平行面24aに摺接し、その後、ガイド面24の斜面24bに摺接する。即ち、ガイド面24が係止凹部22から係止段部23へ向けて切り込み深さが深くなるように形成されているため、ソケットカバー14を露出位置P2へ向けて移動させてゆくと、スプリングピン25とガイド面24との摺接抵抗が次第に小さくなってゆく。この摺接抵抗が小さくなってゆくことにより、ソケットカバー14を露出位置P2へ向けて移動させるにつれ軽い力で移動させることができる。このため、ソケットカバー14を露出位置P2へ移動させるにあたり、ソケットカバー14の係止段部23をスプリングピン25に静かに当接させることができる。係止段部23をスプリングピン25に静かに当接させることにより、ソケットカバー14が露出位置P2を超えて長手方向外方Loへ向けて移動することを抑制できる。
【0030】
ソケットカバー14が露出位置P2まで来ると、係止段部23とスプリングピン25とが係合し、本体ケース12に対してソケットカバー14が位置決めされる。この位置決めがなされることにより、ソケットカバー14は、露出位置P2から長手方向外方Loへ向けて移動することが抑制される。ソケットカバー14が露出位置P2に位置すると、ソケット13が露出するのでソケット13からの蛍光ランプ15の交換が可能となる。蛍光ランプ15を交換した後、ソケットカバー14を、係止段部23とスプリングピン25との係合を解除しつつ被覆位置P1へ向けて移動させる。
【0031】
この際、スプリングピン25は、先ずガイド面24の斜面24bに摺接し、その後、ガイド面24の平行面24aに摺接する。即ち、ガイド面24が係止段部23から係止凹部22へ向けて切り込み深さが浅くなるように形成されているため、ソケットカバー14を被覆位置P1へ向けて移動させてゆくと、スプリングピン25とガイド面24との摺接抵抗が次第に大きくなってゆく。この摺接抵抗が大きくなってゆくことにより、ソケットカバー14を被覆位置P1へ向けて移動させるにつれ大きな力で移動させることが必要となるが、その分、ガイド面24(平行面24a)と係止凹部22の底面22aとの段差を確保でき、係止凹部22とスプリングピン25との係合を好適に維持できる。
【0032】
ソケットカバー14が被覆位置P1まで来ると、係止凹部22とスプリングピン25とが係合し、本体ケース12に対してソケットカバー14が位置決めされ、蛍光ランプ交換作業が完了する。よって、蛍光ランプ交換時に、本体ケース12からソケットカバー14が離脱することを抑制できる。
【0033】
(2)ソケットカバー14を、被覆位置P1から露出位置P2へスライド移動させる際に、ソケットカバー14が露出位置P2を超えた位置までスライド移動しようとしても、スプリングピン26にソケットカバー14が当接することにより、ソケットカバー14のそれ以上の長手方向外方Loへのスライド移動が防止される。よって、蛍光ランプ交換時に、本体ケース12からソケットカバー14が離脱することを確実に防止できる。
【0034】
(3)図3に示すように、突出部17の先端部の上部には、ガイドリブ14bと遮蔽部14aとがなす隅部nとの接触を回避するための角丸め部21を形成した。隅部nに対してガイド凹条部16の先端部が接触しないため、本体ケース12に対するソケットカバー14のスライド移動を円滑に行える。ちなみに、もし隅部nに対してガイド凹条部16の先端部が接触するのであれば、ソケットカバー14がスライド移動する際に、その隅部nにガイド凹条部16の先端部が食い込んでしまう状態となってしまうことがあり、円滑にスライド移動を行うことができないことがある。
【0035】
(4)本体ケース12における中央部12aの凹所16aに対応した下面に、断面半円状の突条部20を形成した。即ち、この突条部20により、本体ケース12の中央部12aとソケットカバー14のガイドリブ14bとの接触を線接触となるようにした。中央部12aとガイドリブ14bとを線接触としたことにより、それらを面接触とした場合に比して摺動抵抗を軽減でき、本体ケース12に対するソケットカバー14のスライド移動を円滑に行うことができる。また、蛍光灯ユニット11は、ガイドリブ14bの上面を突条部20に当接させ、ガイドリブ14bの下面を突出部17の先端側の上面に当接させ、遮蔽部14aの両外側面F1を一対の突起部18の両内側面F2にそれぞれ当接させることにより、ソケットカバー14を本体ケース12に対してガタツキを抑制するように取り付けていた。このように、ソケットカバー14と本体ケース12との間のガタツキを抑制するように構成したことにより、蛍光灯ユニット11を車両などの振動が発生するものに対して取り付けても、ガタツキ音の発生が抑制される。さらには、ソケットカバー14と本体ケース12とのガタツキを抑制するように構成したにも拘わらず、中央部12aとガイドリブ14bとを線接触としたことにより、本体ケース12に対してソケットカバー14を円滑にスライド移動させることができる。よって、蛍光灯ユニット11は、ガタツキ音を抑制しつつ、蛍光ランプ交換作業を円滑に行うことができる。
【0036】
(5)突条部20は、本体ケース12を押出加工により形成する際に、同時に形成することができる。よって、本体ケース12と突条部20とを各別で形成し、それらを後で互いに固定する場合に比して、蛍光灯ユニット11の製作コストを低減することができる。
【0037】
(6)スプリングピン25は、断面C形状に形成されており、弾性変形可能となっている。そのため、係止凹部22とスプリングピン25との係合を解除する際、係止段部23とスプリングピン25との係合を解除する際に、スプリングピン25が弾性変形することにより、好適に上記解除を行うことができる。
【0038】
なお、前記実施形態は、以下の態様に変更してもよい。
・前記実施形態では、中央部12aの凹所16aに対応した下面にのみ、断面半円状の突条部20を形成していた。これに限らず、図6(a)に示すように、突出部17の先端側の上面に断面半円状の突条部30を形成してもよい。突条部30は、線接触機構に相当する。また、突条部20を省略し、突条部30のみ突出部17の先端側の上面に形成するようにしてもよい。
【0039】
・また、図6(b)に示すように、前記突条部30と角丸め部21とを兼用した突条部31を、突出部17の先端部の上面に形成してもよい。突条部31は、角丸め部及び線接触機構に相当する。
【0040】
・前記実施形態では、中央部12aに突条部20を形成していた。これに限らず、図6(c)に示すように、突条部20をガイドリブ14bの上面及び下面に形成してもよい。また、ガイドリブ14bの上面及び下面のうち少なくとも一方に突条部20を形成するようにしてもよい。
【0041】
・前記実施形態では、本体ケース12の中央部12aに、その中央部12aの長手方向L全域に亘って断面半円状の突条部20を形成していた。これに限らず、中央部12aの凹所16aに対応した下面に、半球状の突部を形成し、その突部により本体ケース12の中央部12aとソケットカバー14のガイドリブ14bとの接触を点接触となるように蛍光灯ユニット11を構成してもよい。この突部は、点接触機構に相当する。このように構成すると、中央部12aとガイドリブ14bとの接触を線接触とした場合に比して、接触面積が少ない分、よりいっそう本体ケース12に対するソケットカバー14のスライド移動を円滑に行うことができる。
【0042】
・前記実施形態では、突出部17の先端部の上部を、円弧をなす角丸め部21としていたが、この突出部17の先端部の上部に斜面を形成してもよい。即ち、この突出部17の先端部の上部に面取りを形成してもよい。
【0043】
・前記実施形態では、突出部17の先端部の上部を角丸め部21としていたが、これに限らず、角張った角部としてもよい。
・前記実施形態では、蛍光灯ユニット11にスプリングピン26を備えていたが、このスプリングピン26を省略してもよい。
【0044】
・前記実施形態において、断面C形状のスプリングピン25の代わりに、係止突部としての円柱状の係止ピンや、係止突部としての円筒状の係止ピンを用いてもよい。また、断面C形状のスプリングピン26の代わりに、規制部材としての円柱状の係止ピンを用いてもよい。
【0045】
・前記実施形態では、蛍光灯ユニット11は突条部20及び角丸め部21を備えていたが、それらを省略してもよい。即ち、蛍光灯ユニット11は、図7、図8(a)〜(d)に示す蛍光灯ユニット101に、係止凹部22、係止段部23、ガイド面24、スプリングピン25,26を備えた構成とし、本体ケース(12)の中央部(12a)とソケットカバー14のガイドリブ(14b)とが面接触となるように構成してもよい。
【0046】
次に、上記実施形態及びその態様の変更から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記第1係止部は、前記ガイドリブの先端部に切欠き形成された係止凹部であり、前記第2係止部は、前記ガイドリブの先端部に切欠き形成された係止段部であり、前記ガイドリブにおける前記係止凹部と前記係止段部との間には、前記係止凹部から前記係止段部へ向けて切り込み深さが深くなるガイド面を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体。このように構成すると、ガイド面が係止凹部から係止段部へ向けて切り込み深さが深くなるように形成されているため、ソケットカバーを被覆位置から露出位置へ向けて移動させてゆくと、係止突部とガイド面との摺接抵抗が次第に小さくなってゆく。この摺接抵抗が小さくなってゆくことにより、ソケットカバーを被覆位置から露出位置へ向けて移動させるにつれ軽い力で移動させることができる。このため、ソケットカバーを被覆位置から露出位置へ移動させるにあたり、ソケットカバーの係止段部を係止突部に静かに当接させることができる。係止段部を係止突部に静かに当接させることにより、ソケットカバーが露出位置を超えて本体ケースから離脱することが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】(a)は、本実施形態のソケットカバーが被覆位置にある蛍光灯ユニットの底面図。(b)は、本実施形態の蛍光灯ユニットの側面図。(c)は、本実施形態のソケットカバーが露出位置にある蛍光灯ユニットの底面図。(d)は、本実施形態の蛍光灯ユニットの側面図。
【図2】本実施形態の蛍光灯ユニットの側面図。
【図3】図2の部分拡大図。
【図4】図1(a)と対応し、ソケットカバーとスプリングピンとの関係を示す作用図。
【図5】図1(c)と対応し、ソケットカバーとスプリングピンとの関係を示す作用図。
【図6】(a)〜(c)は、態様の変更における蛍光灯ユニットの部分拡大側面図。
【図7】従来技術の蛍光灯ユニットの側面図。
【図8】(a)は、従来技術のソケットカバーが被覆位置にある蛍光灯ユニットの底面図。(b)は、従来技術の蛍光灯ユニットの側面図。(c)は、従来技術のソケットカバーが露出位置にある蛍光灯ユニットの底面図。(d)は、従来技術の蛍光灯ユニットの側面図。
【符号の説明】
【0048】
11…蛍光灯ユニット、12…本体ケース、13…ソケット、14…ソケットカバー、14a…遮蔽部、14b…ガイドリブ、15…蛍光ランプ、16…ガイド凹条部、20…線接触機構としての突条部、21…角丸め部、22…第1係止部としての係止凹部、23…第2係止部としての係止段部、25…係止突部としてのスプリングピン、26…規制部材としてのスプリングピン、L…スライド方向としての長手方向、n…隅部、P1…被覆位置、P2…露出位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケースに取り付けた蛍光ランプのソケットを被覆する被覆位置と、前記ソケットを露出する露出位置との二位置間をスライド移動なソケットカバーを前記本体ケースに取り付け、前記ソケットカバーが前記露出位置を基準として前記被覆位置とは反対側へ向けてスライド移動することにより該ソケットカバーが前記本体ケースから離脱する蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体において、
前記本体ケースには、それぞれスライド方向に沿って延びる一対のガイド凹条部を備え、
前記ソケットカバーには、前記両ガイド凹条部にそれぞれスライド移動可能にガイドされる一対のガイドリブを備え、
前記ガイドリブには、第1係止部と、第2係止部とを備え、
前記本体ケースには、前記ソケットカバーが前記被覆位置に位置する場合に前記第1係止部と係合し、かつ前記ソケットカバーが前記露出位置に位置する場合に前記第2係止部に係合する係止突部を備えたことを特徴とする蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体。
【請求項2】
前記本体ケースには、前記ソケットカバーが前記露出位置から前記被覆位置とは反対側へ向けてスライド移動することを規制する規制部材を備えたことを特徴とする請求項1に記載の蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体。
【請求項3】
前記ソケットカバーは、その両端に前記ガイドリブがそれぞれ連結された断面U字状をなす遮蔽部を備え、
前記ガイド凹条部は、前記ガイドリブと前記遮蔽部とがなす隅部との接触を回避するための角丸め部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体。
【請求項4】
前記本体ケースと前記ソケットカバーとの間には、前記本体ケースと前記ソケットカバーとの接触のうち少なくとも一部を線接触とする線接触機構、又は前記本体ケースと前記ソケットカバーとの接触のうち少なくとも一部を点接触とする点接触機構を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれか1項に記載の蛍光灯ユニットにおけるソケットカバーの取付構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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