説明

蛍光管ホルダ

【課題】 複数の蛍光管を保持する蛍光管ホルダにおいて、ホルダ側の金属部と外部の金属性の本体ベースとの絶縁耐圧を向上できるようにする。
【解決手段】 複数の電極保持部37、第1の帯板32、第2の帯板33および突出片35aなどの金属部位は同じ金属板から形成されている。合成樹脂で形成された絶縁ベース20の表面21aに電極保持部37が突出するように設けられ、第1の帯板32、第2の帯板33および突出片35aなどの金属部位が絶縁ベース20の裏面21bに設けられている。絶縁ベース20の裏面21bを合成樹脂で形成された絶縁カバー29で覆うことにより、内部の金属部位と外部の金属性の本体ベースとの間の絶縁耐圧を高めることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置用のバックライト装置などに使用される複数本の蛍光管の電極部を保持する蛍光管ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
テレビジョンやパーソナルコンピュータのディスプレイに使用されている液晶表示装置は、透過型の液晶セルの背部にバックライト装置が設けられている。このバックライト装置は、互いに平行に配置された複数の蛍光管と、それぞれの蛍光管の両端部に形成された電極部を保持する蛍光管ホルダと、前記蛍光管ホルダを支持する本体ベースとで構成されている。
【0003】
前記蛍光管ホルダは長尺形状であり、複数の蛍光管の両側に配置されて、長手方向が蛍光管と直交する向きに延びている。この蛍光管ホルダには、それぞれの蛍光管の電極部が嵌着される導電性のソケットが、長手方向に間隔を空けて配置されていると共に、それぞれのソケットに接続されている通電用の導電路が設けられている。
【0004】
以下の特許文献1に記載されているように、従来の蛍光管ホルダは、長方形の板材で形成された基板の表面に、独立して形成された前記ソケットが、個別に固定されている。ソケットはプラスチック材料で形成されたハウジングに金属製の接点保持部が取り付けられているものであり、それぞれのハウジングの底部に設けられた凸部が前記基板に形成された取付け穴に嵌合されることで、基板上でソケットが位置決めされて固定されている。
【0005】
また、それぞれのソケットへ通電するための導電路は、基板の表面に形成された導電性金属の薄膜で構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−344602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の蛍光管ホルダは、接点保持部以外の配線用の金属部がハウジングの外面に露出された状態で構成されやすい。特に、ハウジングの下面側に接点保持部の一部や配線部材となる金属部が露出していると、露出する金属部とその下の金属シャーシとの間で絶縁耐圧が低下し、放電が発生するなどの問題がある。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、ハウジング内の金属部位と外部の金属シャーシとの間の絶縁耐圧を高めることが可能な蛍光管ホルダを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、蛍光管の端部に設けられた電極部と電気的に接続される導電性のソケットが、複数個配列された蛍光管ホルダにおいて、
前記ソケットは、前記電極部を保持する電極保持部と前記電極保持部の基部に設けられた金属支持部とを有しており、絶縁材料で形成された絶縁ベースに前記金属支持部が固定されて、前記絶縁ベースの表側に前記電極保持部が支持され、前記絶縁ベースの裏面に前記金属支持部の少なくとも一部が現れており、
前記絶縁ベースの裏側に絶縁材料で形成された絶縁カバーが取り付けられ、この絶縁カバーで前記金属支持部が覆われていることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明は、前記絶縁ベースの裏側に、それぞれのソケットに通電する配線部材が設けられており、この配線部材も前記絶縁カバーで覆われていることが好ましい。
【0011】
本発明の蛍光管ホルダは、絶縁ベースの裏側に金属部が露出しないため、金属製の本体ベースの上に蛍光管ホルダを接近して配置しても、ホルダへの通電部の絶縁耐圧を高めることができる。
【0012】
また、本発明は、前記絶縁ベースの長手方向に延びる両側の縁部のそれぞれに、裏側に突出するリブが形成され、前記絶縁カバーが両側のリブの間に嵌着されており、前記リブによって、前記金属支持部または前記配線部材が側部に露出しないように覆われていることが好ましい。
【0013】
上記のように側方のリブによって金属部を覆うことで、蛍光管ホルダを金属製の本体ベースの側板に接近した位置に配置できるようになる。
【0014】
また、本発明は、前記絶縁ベースの縁部と前記絶縁カバーの縁部とが、掛止爪と掛止凹部との凹凸嵌合で固定されていることが好ましい。
【0015】
また本発明は、前記絶縁ベースの前記電極保持部が配置されている表面に、前記電極保持部に保持された蛍光管の電極部の端部に対向する絶縁壁が起立して形成されているものが好ましい。
【0016】
前記絶縁壁が形成されていると、この絶縁壁が金属製の本体ベースの側板などに対向している場合に、蛍光管の電極部の端部と前記側板との間の絶縁耐圧を高めることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の蛍光管ホルダでは、電極保持部以外の金属部位がハウジングの外側に露出することがなくなるため、金属性の本体ベースと蛍光管ホルダ内の金属部との間の絶縁耐圧を高めることができる。このため、例えば蛍光管ホルダの金属部と金属製の本体ベースとの間での放電を未然に防止することができる。
【0018】
また絶縁耐圧を高めることができるため、蛍光管ホルダを金属性の本体ベースに接近させた状態で実装することが可能となり、薄型のバックライト装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】バックライト装置を示す平面図である。
【図2】図1のバックライト装置をII−II線で切断した断面を示す拡大断面図である。
【図3】バックライト装置に使用されている蛍光管ホルダを示す拡大斜視図である。
【図4】図3に示す蛍光管ホルダの絶縁ベース内に設けられている金属部を示す拡大斜視図である。
【図5】(A)は図3に示す蛍光管ホルダをVa矢視方向から見た拡大側面図であり、(B)は図4に示す金属部をVb矢視方向から見た拡大側面図である。
【図6】図3に示す蛍光管ホルダの分解斜視図である。
【図7】図3に示す蛍光管ホルダをVII−VII線で切断して矢視方向から見た拡大断面図であり、(A)は絶縁ベースに絶縁カバーを装着させた状態、(B)は絶縁ベースから絶縁カバーを分離させた状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図2に示すように、バックライト装置1は液晶セル5の背面に配置される。液晶セル5はフルカラー表示が可能な透過型である。バックライト装置1から発せられる光によって、液晶セル5の映像を鮮明に目視することが可能になる。
【0021】
図1と図2に示すように、バックライト装置1は金属製の本体ベース2を有している。本体ベース2は圧延鋼板などの鉄板を折り曲げて形成されている。本体ベースは浅い箱型であり、長方形の底板2aと、底板2aのそれぞれの長辺から直角に折り曲げられた長側板2b,2cと、底板2aのそれぞれの短辺から直角に折り曲げられた短側板2d,2eを有している。
【0022】
本体ベース2を構成している金属板は、表面がメッキされまたは表面が塗装されたものであるが、さらに底板2aの蛍光管70に向く内面2fが反射面として機能できるように処理されている。例えば、前記内面2fに、薄い白色シートが敷設され、または薄い金属シートが敷設され、または白色や金属色の塗装が施されている。
【0023】
前記本体ベース2の底板2aの内面2fには、一対の長尺形状の蛍光管ホルダ10,10が固定されている。一方の蛍光管ホルダ10は、本体ベース2の短側板2dのすぐ内側において前記底板2aに固定されており、他方の蛍光管ホルダ10は、本体ベースの短側板2eのすぐ内側において前記底板2aに固定されている。短側板2dの内側に配置されている蛍光管ホルダ10と、短側板2dの内側に配置されている蛍光管ホルダ10は、全く同じものであるが、その配置の向きが180度相違している。
【0024】
蛍光管ホルダ10は、図3に示す合成樹脂材料で形成された絶縁ベース20に、図4に示す金属部30が取り付けられている。前記金属部30の一部によってソケット31が形成されている。前記ソケット31は、絶縁ベース20の表面21aから上方へ露出しており、ソケット31は、絶縁ベース20の長手方向へ一定の間隔を空けて設けられている。
【0025】
図1に示すように、本体ベース2の短側板2dの内側に設けられた蛍光管ホルダ10と短側板2eの内側に設けられた蛍光管ホルダ10は、それぞれソケット31が左右の同じ位置に対向するように配置される。そして両側の蛍光管ホルダ10,10の間に蛍光管70が保持される。蛍光管70は、発光管本体71とその両側に設けられた電極部72,72とを有している。両側の電極部72,72が、図1に示す右側の蛍光管ホルダ10のソケット31と左側の蛍光管ホルダ10のソケット31に嵌着されることで、図2に示すように、蛍光管70は、本体ベース2の底板2aの内面2fから少し離れた位置に配置される。
【0026】
複数の蛍光管70のそれぞれの電極部72が、蛍光管ホルダ10に設けられた全てのソケット31に嵌着されており、図1に示す実施の形態では、本体ベース2内に、合計で11本の蛍光管70が取り付けられている。
【0027】
図1と図3に示されている蛍光管70は、EEFL型であり、点灯時の電圧を発生するコンデンサが電極部72の内部に組み込まれており、蛍光管ホルダ10にコンデンサを取り付ける必要はない。ただし、蛍光管にコンデンサが含まれておらず、ソケット上に実装されたコンデンサを介して電極部に通電されるものであってもよい。
【0028】
図4に示すように、絶縁ベース20内に設けられている金属部30は、一枚の金属板を打ち抜き且つ折り曲げることで形成されている。金属部30を構成している金属板は導電性であり且つ強度の高い圧延鋼板などの鉄板である。この鉄板の表面にメッキが施されたものが好ましく使用される。
【0029】
図4に示すように、金属部30には、蛍光管ホルダ10の長手方向に向けて平行に延びる第1の帯板32と第2の帯板33とが設けられ、第1の帯板32と第2の帯板33は、その間に形成されたソケット31を介して互いに連結されている。
【0030】
前記ソケット31には、第1の帯板32と第2の帯板33とを連結する連結板部34が形成されている。図4に示すように、連結板部34の中央部には、第1の帯板32および第2の帯板33と平行に延びる突出片35aが一体に形成されている。図5(B)に示すように、突出片35aに連続する折り返し部35bは、前記突出片35aから裏側に向けて180度折り返されており、この折り返し部35bに長方形状からなる支持板部36が一体に形成されている。図7に示すように、それぞれの支持板部36の中央には、上下に貫通する位置決め穴36aが形成されている。
【0031】
図4に示すように、第1の帯板32の内側には、前記連結板部34の両側部から折り曲げられて互いに対向する電極保持片37aと電極保持片37bとが設けられ、第2の帯板33の内側には、前記連結板部34の両側部から折り曲げられて互いに対向する電極保持片37cと電極保持片37dとが設けられている。電極保持片37aと電極保持片37bおよび電極保持片37cと電極保持片37dとで、ソケット31の電極保持部37が形成されている。そして、前記支持板部36は、この電極保持部37の下側に敷かれている。この実施の形態では、前記連結板部34または支持板部36、あるいは連結板部34と支持板部36が、電極保持部37を支持する金属支持部である。
【0032】
前記支持板部36および電極保持片37a,37b,37c,37dは、連結板部34と一体であり、第1の帯板32と第2の帯板33との間から切り出される。そのため、第1の帯板32と第2の帯板33との間で且つ隣り合う電極保持部37の間に、切欠き部38が形成されている。
【0033】
第1の帯板32の端部には、コネクタ電極39が設けられている。このコネクタ電極39は、第1の帯板32などを形成する金属板とは別の導電性の金属板で折り曲げ形成されており、前記第1の帯板32の上面に溶接により固定されている。
【0034】
図3に示すように、絶縁ベース20は、前記本体ベース2の短側板2dまたは2eに対向する対向側縁部20aと、ソケット31に保持された蛍光管70が延出する延出側縁部20bとを有している。
【0035】
図3、図6および図7(B)に示すように、絶縁ベース20の裏面21bには、対向側縁部20aから下向きに凸状となるように一体に形成されたリブ21cと、延出側縁部20bから下向きに凸状となるように一体に形成されたリブ21dが、共に長手方向に沿って互いに平行に延びて形成されている。対向側縁部20aから下に延びるリブ21cには、長手方向に間隔を空けて掛止爪21eが一体に形成され、リブ21dには、長手方向に間隔を空けて掛止爪21fが一体に形成されている。前記掛止爪21eと掛止爪21fは、絶縁ベース20の中心側に向けられている。
【0036】
絶縁ベース20には、表面21aから裏面21bに貫通する長方形の開口部22が長手方向に間隔を空けて形成されている。
【0037】
図7(A)(B)に示すように、金属部30は絶縁ベース20の裏面21bに装着される。ソケット31を構成する各電極保持片37a,37b,37c,37dは絶縁ベース20の裏面21b側から各開口部22に挿通されて、それぞれの電極保持片37a,37b,37c,37dが、絶縁ベース20の表面21aから上方へ突出させられる。このとき、右側の第1の帯板32の縁部が、対向側縁部20aのリブ21cの内面に当たり、左側の第2の帯板33の縁部が、延出側縁部20bのリブ21dの内面に当たって、金属部30が、リブ21cとリブ21dとで挟まれて位置決めされる。
【0038】
図6に示すように、絶縁ベース20の裏面21bには絶縁カバー29が取り付けられる。絶縁カバー29は絶縁性の合成樹脂によって長尺形状に形成されており、絶縁ベース20の裏面21bに重ねられる。絶縁カバー29の幅寸法は、リブ21cとリブ21dとの対向間隔にほぼ一致しており、絶縁カバー29は、リブ21cとリブ21dとの間に挟まれて位置決めされる。
【0039】
図6に示すように、絶縁カバー29には長方形の第1の収容凹部29aが形成されており、第1の収容凹部29aは長手方向に間隔を空けて配置されている。それぞれの第1の収容凹部29aの一方の縁部には長手方向に突出する第2の収容凹部29bが形成されている。またそれぞれの第1の収容凹部29aの中央には、上方に突出する位置決め凸部29cが一体に形成されている。
【0040】
第1の収容凹部29aと第2の収容凹部29bおよび位置決め凸部29cを除く部分では、絶縁カバー29の表面29Aはその全域が同一平面となる平坦面である。
【0041】
図7(B)に示すように、絶縁カバー29の右側の縁部の下部に、長手方向に間隔を空けて掛止凹部29dが形成され、左側の縁部の下部に、長手方向に間隔を空けて掛止凹部29eが形成されている。右側の掛止凹部29dは、絶縁ベース20の掛止爪21eと同じ位置に形成され、左側の掛止凹部29eは、絶縁ベース20の掛止爪21fと同じ位置に形成されている。
【0042】
絶縁ベース20のリブ21cとリブ21dとの間に、絶縁カバー29を装着すると、前記掛止爪21eと掛止凹部29dが嵌合し、掛止爪21fと掛止凹部29eが嵌合して絶縁ベース20の裏面21bに絶縁カバー29が保持される。このとき、絶縁ベース20の裏面21bと絶縁カバー29の表面29Aとの間に、第1の帯板32と第2の帯板33が挟まれて、上下に動くことなく保持される。
【0043】
また、絶縁カバー29の第1の収容凹部29a内に金属部30の支持板部36が収容され、第2の収容凹部29b内に突出片35a及び折り返し部35bが収容される。絶縁カバー29側の位置決め凸部29cが、支持板部36の位置決め穴36a内に挿入される。これにより、絶縁カバー29が絶縁ベース20の第1の収容凹部29a内に位置決めされる。
【0044】
絶縁ベース20の裏面21bに絶縁カバー29が装着されることで、絶縁ベース20の裏面21bに現れていた第1の帯板32と第2の帯板33、ソケット31の支持板部36、ならびに突出片35aと折り返し部35bなどの各金属材料部が、絶縁材料製の絶縁カバー29で覆い隠される。また、対向側縁部20aでは、第1の帯板32の右縁がリブ21cで覆われ、延出側縁部20bでは、第2の帯板33の左縁がリブ21dで覆われている。したがって、絶縁ベース20の下面と両側縁部には金属部が一切露出しない。
【0045】
よって、金属部30の絶縁耐圧を高めることが可能となる。よって、金属製の本体ベースとの間の放電などを未然に防止することができる。また絶縁カバー29を設けることにより、絶縁ベース20を本体ベース2に接近して配置することができ、従来よりも薄型で小型のバックライト装置を構成することができる。
【0046】
図3に示すように、蛍光管70の電極部72は、電極保持片37aと電極保持片37bとの間、ならびに電極保持片37cと電極保持片37dとの間に挟みこまれて装着される。
【0047】
絶縁ベース20の表面21aには、前記対向側縁部20a側においてほぼ垂直に立ち上がる絶縁壁23が一体に形成されている。図5(A)にも示すように、複数の絶縁壁23は、それぞれ、ソケット31に対して延出側縁部20aの側から対向している。よって、ソケット31の電極保持部37に蛍光管70の電極部72が装着されると、電極部72の端面72aが、絶縁壁23に対向する。
【0048】
図3に示すように、絶縁ベース20の表面21aには、端部から上方へ隆起するコネクタ部24が一体に形成されている。コネクタ部24はコネクタハウジング24aと、コネクタハウジング24a内に形成された差込み空間24bとを有しており、前記差込み空間24bの内部に、図4に示すコネクタ電極39が現れている。
【0049】
また、絶縁ベース20には、表裏を貫通する複数の取付け穴25が形成され、絶縁カバー29にもこれに対応する取付け穴29dが形成されている。
【0050】
図1に示すように、前記蛍光管ホルダ10は長尺形状で絶縁ベース20が合成樹脂で形成されているが、その裏面21b側の両側(対向側縁部20a側と延出側縁部20b側)に長手方向にわたって第1の帯板32と第2の帯板33がそれぞれ設けられているため、第1の帯板32と第2の帯板33とで長尺形状の絶縁ベース20の強度を高めることができる。特に、第1の帯板32と第2の帯板33は、複数のソケット31の側部を通過し、隣り合うソケット31とソケット31との間には、必ず金属製の帯板が形成されているため、作業中などに絶縁ベース20が曲げ応力により損傷する確率をきわめて低くできる。しかも絶縁ベース20の裏面に装着される合成樹脂製の絶縁カバー29も補強板としても機能し得るため、さらに絶縁ベース20の強度を高めることが可能である。
【0051】
図1に示すように、蛍光管ホルダ10は、本体ベース2の底板2aの上に設置される。図6に示すように、底板2aの表面側の複数の位置には位置決め凸部2a1がそれぞれ形成されている。各位置決め凸部2a1が、対応する取付け穴29f及び取付け穴25に挿通されて位置決めされる。そして、長手方向の両端に設けられた取付け穴29f及び取付け穴25に挿通された取付けねじ(図示せず)が前記底板2aに螺着されて固定される。あるいは絶縁ベース20の長手方向の両端に設けられたロック凹部28が、本体ベース2側に設けられたロック凸部(図示せず)に係合することにより固定されるものであってもよい。
【0052】
そして、電力供給用のプラグ(図示せず)がコネクタ部24に装着されて、コネクタ電極39に電力が供給される。コネクタ電極39に与えられた電力は、第1の帯板32および第2の帯板33を介してそれぞれのソケット31に与えられる。第1の帯板32と第2の帯板33が、それぞれの通電用の配線部材として機能する。図4に示す金属部30を、コネクタ電極39を除いて全て同じ金属板からプレス成形できるため、製造が容易である。なお、前記コネクタ電極39を、第1の帯板32または第2の帯板33から一体に折り曲げ成形してもよい。
【0053】
さらに、ソケット31に装着される蛍光管70の電極部72の端面72aと金属製の短側板2dとの間に、合成樹脂製の絶縁壁23が立ち上がっているため、電極部72と本体ベース2との絶縁も十分に確保できる。また、前述のように、絶縁ベース20の裏面21bと対向側縁部20aと延出側縁部20bに金属部30が露出していないため、金属部30と金属製の本体ベース2との絶縁距離を実質的に長く確保できる。
【0054】
なお、前記実施の形態では、金属部30の第1の帯板32と第2の帯板33と、複数のソケット31とが一体に形成され、第1の帯板32と第2の帯板33とが絶縁ベース20と絶縁カバー29とで挟まれた構造である。
【0055】
しかし、本発明は前記実施の形態に限られず、絶縁ベース20の裏面が絶縁カバー29で覆われていれば、絶縁ベース20へのソケット31などの取付け構造がどのようなものであってもよい。例えば、複数の金属製のソケット31が個々に分離して形成されて、それぞれのソケット31が電極保持部37とその基部に一体に形成された金属支持部とで構成されている。または電極保持部37とこれとは別体に形成されて前記電極保持部37に固定された金属支持部とで構成されている。個々の金属支持部が絶縁ベース20に形成されたスリットに差し込まれることで、または前記金属支持部が絶縁ベース20の裏面に延びて半田付けや圧入手段で固定されることで、絶縁ベース20にソケット31が個別に固定されている。絶縁ベースには、ソケット31とは別体の配線部材または配線層が設けられ、この配線部材または配線層を経て全てのソケット31に通電される。
【0056】
この場合も、絶縁ベース20の裏面が絶縁カバー29で覆われることで、ソケット31の金属支持部や配線部材または配線層が裏面側に露出するのを防止できる。
【0057】
また、絶縁カバー29に掛止爪21e,21fが形成され、絶縁ベース20に掛止凹部29d,29eが形成されて、掛止爪21e,21fと掛止凹部29d,29eが嵌着されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 バックライト装置
2 本体ベース
2a 底板
2d,2e 短側板
5 液晶セル
10 蛍光管ホルダ
20 絶縁ベース
21a 表面
21b 裏面
21c,21d リブ
21e,21f 掛止爪
22 開口部
23 絶縁壁
24 コネクタ部
29 絶縁カバー
29A 絶縁カバーの表面
29a 第1の収容凹部
29b 第2の収容凹部
29c 位置決め凸部
29d,29e 掛止凹部
30 金属部
31 ソケット
32 第1の帯板
33 第2の帯板
34 連結板部(金属支持部)
35a 突出片
35b 折り返し部
36 支持板部(金属支持部)
37 電極保持部
37a,37b,37c,37d 電極保持片
39 コネクタ電極
70 蛍光管
72 電極部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光管の端部に設けられた電極部と電気的に接続される導電性のソケットが、複数個配列された蛍光管ホルダにおいて、
前記ソケットは、前記電極部を保持する電極保持部と前記電極保持部の基部に設けられた金属支持部とを有しており、絶縁材料で形成された絶縁ベースに前記金属支持部が固定されて、前記絶縁ベースの表側に前記電極保持部が支持され、前記絶縁ベースの裏面に前記金属支持部の少なくとも一部が現れており、
前記絶縁ベースの裏側に絶縁材料で形成された絶縁カバーが取り付けられ、この絶縁カバーで前記金属支持部が覆われていることを特徴とする蛍光管ホルダ。
【請求項2】
前記絶縁ベースの裏側に、それぞれのソケットに通電する配線部材が設けられており、この配線部材も前記絶縁カバーで覆われている請求項1記載の蛍光管ホルダ。
【請求項3】
前記絶縁ベースの長手方向に延びる両側の縁部のそれぞれに、裏側に突出するリブが形成され、前記絶縁カバーが両側のリブの間に嵌着されており、前記リブによって、前記金属支持部が側部に露出しないように覆われている請求項1記載の蛍光管ホルダ。
【請求項4】
前記絶縁ベースの長手方向に延びる両側の縁部のそれぞれに、裏側に突出するリブが形成され、前記絶縁カバーが両側のリブの間に嵌着されており、前記リブによって、前記配線部材が側部に露出しないように覆われている請求項2記載の蛍光管ホルダ。
【請求項5】
前記絶縁ベースの縁部と前記絶縁カバーの縁部とが、掛止爪と掛止凹部との凹凸嵌合で固定されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の蛍光管ホルダ。
【請求項6】
前記絶縁ベースの前記電極保持部が配置されている表面に、前記電極保持部に保持された蛍光管の電極部の端部に対向する絶縁壁が起立して形成されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の蛍光管ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−192173(P2010−192173A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33331(P2009−33331)
【出願日】平成21年2月17日(2009.2.17)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】