説明

蝋燭立

【課題】旧来の蝋燭立、また燃え滓の皆無といえる程出ない、或いは蝋燭芯立及びその付根に不燃繊維を貼付けたものが出たが、何れも欠点があり量産性に不適であったり、燃え滓は出ないがコイル型ばねを芯立代わりにするため使用可能の蝋燭の太さが1種類に限られて非実用的なものであった。
【解決手段】燃え滓が蝋受皿に溜る原因は、その中心部に立つ熱伝導率の高い金属芯立が燃焼完了寸前に蝋受皿内に溶融蝋を溜め、既にその時点では蝋芯繊維は剥き出し状になり、液状蝋中に沈んで焦芯として残り、溶け蝋も固まって蝋塊として残留する。これを解決するのは金属芯立を除き、耐高熱性窒化珪素製の弾性のあるばね線で空隙のある、


した複数輪環との共働作用により残滓皆無といえる程度の清浄さを長期保持できる蝋燭立。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仏閣、神殿及び一般家庭用の蝋燭立に関する。
【背景技術】
【0002】
伝統的、且一般的蝋燭立は、その構成、使用法も簡略で灯りを点すという視点からのみ見れば申し分ないが、使用後清掃や芯立についた残り蝋の削落しをしなければならない。
【0003】
次に平成7〜8年頃、前述の欠点をのぞくために、蝋燭立の特願が知る限り内では2件出されている。先ず前者の考案は蝋受け皿の中心に立つ芯立と、その付根から蝋受皿の中央部分に半径1cm程の円面に夫々不燃繊維を巻きつけたり、貼りつけたりして蝋燭滓を残さず燃やし尽そうとするものである。
【0004】
続いて後者の考案は、蝋燭立受け皿の中心部に立っている芯立を取払い蝋燭の外径に適合致した内径を持つ十余巻数のコイル状金属ばねを蝋受皿の中心に固定し、その金属ばねの内径にほぼ一致する蝋燭をさしこむことによって蝋燭を保持させ、蝋燭の全てを燃焼し尽くすという仕組である。
【0005】
【特許文献1】特開平7−182920
【特許文献2】特開平8−111117
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上に述べた考案の問題点を指摘していくと、伝統的な蝋燭立の大きな難点は蝋受け皿の中心で蝋燭を立てるための金属製の芯立である。蝋燭本体の底部には芯立に挿入するための穴があり、蝋燭の中心を通っていた繊維芯は金属芯立の先端部分のあたりから蝋燭の表面方向の側へ曲がってしまう。そのため繊維芯のある側は激しく蝋は熱せられ液状となり焦げ芯として蝋受け皿を汚し、裏側の蝋も低気温時には一部は受け皿に堆積し、後の一部は金属芯立にこびりつき、新しい蝋燭を立てる都度一々爪先で削ぎ落とすことになる。
【0007】
次に(〔0005〕特開平7−182920)の課題点について述べると蝋受け皿の中心に立っている金属製芯立に不燃繊維を巻きつけ、その下端が接する蝋受皿の中心部分にも半径1cm強の円形内に不燃繊維を貼りつけなければならない。少し外径が太めの蝋燭なら溶けた蝋は円形不燃繊維の外まで溢れ、その蝋は不燃繊維の外側で固まって蝋溜りとして残ってしまう。また長期間使用していると埃や焦芯で黒ずんできて蝋受け皿の汚れのため使い辛くなる欠点がある。今一つの問題は不燃繊維を芯立に巻きつけたり、垂れ蝋を燃やすために蝋受け皿中心周辺に貼りつけるなど手作業的で量産になじみにくい欠点もあり更に燃焼しいる最終段階で溶けて下に溜った液状蝋の中に炎芯が落ち焦芯として残る。
【0008】
又、(〔0005〕特開平8−111117)について述べると、三種類の課題がある。その一つは、蝋受皿の中心に立っている金属製芯立を取り除き、代りに蝋受皿の中心部に金属製コイル状ばねの内環を利用し、その円環内に蝋燭を立てて燃焼させる方法は殆どと言える程残滓を残さず目的を果せるが、金属線のため長期間使用すると炎の灼熱で赤らみ酸化が進み脆弱化していくことが一点と次に決定的とも言える難点は家庭用蝋燭の外径は6mmから10mmの五種類があり、一方それらの蝋燭を支えるコイル状ばねの内径は一定しているため、強いて言えば一種類の外径の蝋燭しか使えず、このため実用性のある物品とは言い難い。また雰囲気を重視する仏壇や神前に機械部品の一部が最も目立つところにあるというのは誰しも興醒めするであろう。三点目は蝋燭を立てるためのコイル状金属ばねのコイル線巻数が十余巻以上あり、灯っている蝋燭は金属ばねに触れるところまで通常の明るさで燃えるが、熱伝導率の高い金属ばねのところまで来ると突然炎が鈍って暗くなり、それに比例して燃え終わる時間も長びくという悪循環に陥いる。
【0009】
本発明は、既述のような従来の構造が有していた問題を解決しようとするものであり、常時垂れ蝋や焦げ芯を殆ど皆無と言える状態を保持できることを目的とするものである。
【0010】
当該発明は上記目的を達成するために、通常の蝋燭立は蝋受皿の中心に太さの異なる、家庭用蝋燭の範囲内なら、どれにも適応するように蝋燭の底部の穴が小さければ金属芯立の尖った先端の細い部分に、穴が大きな蝋燭であれば芯立中央部の太いところに篏るように構成してある。ちょっと考えると合理的といえるが、上述した形の金属製芯立である故蝋受皿を多くの焦芯で汚し、また垂れ蝋の山を築き、低温季には毎朝のように金属芯立にこびりついた蝋を爪先で削ぎ落さねばならぬ厄介な仕事の原因になるのである。また細めの蝋燭は芯立の先端に留まり、蝋受皿の底から浮き上ってしまうため見栄えも劣る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記諸問題の解決は、本発明による蝋燭芯立の構造、即ち(〔図1〕1)の弾性体素材窒化珪素製の細長い四本の脚を持つ紡錘形をした蝋燭を立てるための従来の固い金属性ではなく、弾性のある細い四本の線で構成する。先ずこの窒化珪素材の長所は金属芯や金属性ばねと違って約1800℃の高温にも対応でき、熱伝導率も金属の四分の一〜五分一しかないので蝋燭の燃焼をスムーズにでき、更に勝れているのは紡垂状で内部が空間になっていることである。この点は燃焼には最も都合よく高温燃焼を維持してくれる。更に本芯立は紡垂形で中央がやや膨み然も弾性は縦方向にも少しあり、水平方向は蝋燭の範囲内の芯立穴の全てを少しのがたつきもなく柔軟にぴったりと支えてくれる。
【0012】
セラミックばねの基部は(〔図1〕〔図2〕4)の部分の雄部ねじ部品の中心に垂直に取付け、蝋受皿の(〔図2〕5)の中央部にも、雄部ねじに対応する雌ねじ部をしつらえて取りつける。その他の取付け方法としては、ねじ方式でなく(〔図1〕〔図2〕4・5の両底部に吸収しあうよう適切な磁石どうしの吸引性を利用し配設するのも一法である。
【0013】
次に(〔図1〕〔図2〕6・7・8)について説明する。これら一連の配設部品も素材は全て高耐熱性と弾性の勝れた窒化珪素製である。その仕組は蝋受皿((〔図2〕12)の中心より半径6mmの円周を五等分した位置に、窒化珪素製の弱弾性を有する(〔図1〕〔図2〕6・7)の弓形状の五本の支柱が立てられるように五箇所の穴を配置し、(〔図1〔図2〕8)にような蝋が全て溶けきって燃えている裸状態の蝋芯のみとなった時、支えを失い液状蝋の中に蝋芯が倒れないよう、溶融蝋を全て芯が吸収し燃やし続け、最後に芯自らも燃え尽きて皆無に近い状態にさせるための保持役をする上下二段の円環である。
次に(〔図1〕〔図2〕6・7・8)の形状、蝋燭との相関関係について述べる。(7)が弓形状に外側に開いている訳は勿論(〔図1〕1・2)の紡錘状の弾性セラミックス線条のみで十分なのであるが、一つはその先端に発明からやはなれるが、敢て立てた蝋燭の更なる安定と(7)のその先に意匠を登録するため基礎として、残しているもので、家庭用極細蝋燭太さ径6mmから最大で凡そ11mmまでで神社仏閣用は含まない。(〔図1〕〔図2〕の窒化珪素製輪環は直径12mmである故家庭用最大径の蝋燭も最終の燃え尽きようとする裸芯の保持以外両者は触れることはない。輪環を支える(〔図1〕7)の支柱も最小径6mmから最大径の11mmの蝋燭まで拡小拡大自由に開閉し蝋燭の安定を維持できるよう窒化珪素製の弾性を利用して対応するように構成している。
【0014】
(〔図1〕〔図2〕9の空間は溶融蝋の貯蔵箇所であり、その底面には不燃ガラス繊維を貼りつけておく。溶融蝋が完全に燃焼し尽すように(〔図1〕13)のたらいの周りのように高さ3mmの縁を配設する。
【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝋燭の芯立を高耐熱性と弾性を併有する線条で種々ある蝋燭底部の穴の形状に対応できる蝋燭芯立。
【請求項2】
蝋受皿の中心の周辺に燃え尽す寸前の蝋燭裸芯繊維状態になった溶融蝋を吸収しながら燃え続ける蝋芯繊維が倒れず蝋燭の一切が燃え尽きるよう保持する高耐熱性物質で作られた複数の輪環を持つ構成の蝋受皿