説明

血液凝固第X因子を主剤とする血液凝固異常に基づく疾患の治療・予防用医薬組成物

【目的】 血液凝固障害が、血小板を含む血液凝固因子欠損または異常による出血症状、傷害による出血症状、例えば血液凝固因子異常(欠損も含む)特に血液凝固因子に対するインヒビター(抗体)を有することにより止血障害を呈する患者の止血管理に使用され得る医薬組成物を提供する。
【構成】 主たる成分としてFXまたはFXに微量のFVIIaを組み合わせてなる医薬組成物。
【効果】 止血管理が可能な従来にない医薬組成物を提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、医療用医薬品の分野に属し血液に由来する成分を主たる有効成分とする医薬品に関する。詳細には、血液凝固障害が、血小板を含む血液凝固因子欠損または異常による出血症状、傷害による出血症状、その中でも特に血液凝固因子に対するインヒビター(抗体)を有することにより止血障害を呈する血液凝固障害を伴う患者の止血管理に用いられる医薬品に関する。より詳細には、血液凝固第X因子(以下、FXと称することがある)単独もしくはこれに活性化血液凝固第VII因子(以下、FVIIaと称することがある)を組み合わせてなる組成物を主たる有効成分とする、血液凝固障害に伴う出血症状の予防・治療用医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
止血反応は、極めて重要な生体の防御機構の一つあり、一般的に、血管損傷部位への血小板の粘着・凝集による一次止血と、可溶性のフィブリノーゲンが不溶性のフィブリンへ転換されて血管損傷部位をふさぐ二次止血に大別される。二次止血の過程は各種の血液凝固因子及び補助因子による血液凝固カスケードとして知られる一連の連続的な反応に基づいており、内因系凝固と外因系凝固の二つの経路からなる(図1参照のこと)。従って、この血液凝固カスケード中の因子が欠損または正常に機能しないと、血液凝固が妨げられ、出血症状を呈することがある。その多くは遺伝的素因に基づく場合が多く、先天性凝固因子障害によって引き起こされる代表的な疾患として、血液凝固第VIII因子(以下、第VIII因子と称することがある)が欠損した血友病A、血液凝固第IX因子(以下、第IX因子と称することがある)が欠損した血友病Bがよく知られている。
【0003】
これら血友病患者の治療には、欠損因子の補充を目的として第VIII因子あるいは第IX因子を含む濃縮製剤が開発され、止血管理に使用されており、これを補充療法という。通常、血友病患者の血漿中の第VIII因子活性、第IX因子活性を5〜20%のレベルになるように補充する。しかし、その結果、第VIII因子あるいは第IX因子に対する抗体(これは、通常インヒビターと呼ばれる)が患者の約2〜24%に発生することが知られており(非特許文献1参照, 非特許文献2参照, 非特許文献3参照, 非特許文献4参照)、これは補充療法における最も深刻な副作用の一つである。インヒビターが発生すると、従来の補充療法は効果がなくなり、患者の止血管理は困難をきわめる。また、血友病のような遺伝的な素因がない場合でも、自然発生的または自己免疫疾患的にインヒビターが発現することが多数報告されている(非特許文献5参照)。
【0004】
現在インヒビターを有する患者の治療には主に以下の方法が用いられている。
(a)中和療法:インヒビターを凌駕するような高投与量の濃縮製剤を投与することでインヒビターを中和し、さらに止血に必要な因子の補充を行なう。
(b)バイパス療法:第VIII因子や第IX因子は共に内因系凝固に関与する因子であるので、内因系を介さない、即ちバイパスする外因系凝固により止血する。外因系凝固能を高めるため、APCCと呼ばれる活性化プロトロンビン複合体濃縮製剤やFVIIa製剤の投与が行なわれている。
(c)免疫寛容療法:大量の濃縮製剤を連日投与することにより、インヒビター産生能を免疫学的に疲弊させて、抗体の消失を図る。
【0005】
しかしながら、前記方法は各々幾つかの欠点をかかえている。即ち、(a)中和療法はインヒビター価の低い患者に対しては有効であるが、ハイリスポンダーと呼ばれる高いインヒビター価を有する患者に対しては無効である。(b)バイパス療法におけるAPCCは心筋梗塞(非特許文献6参照やDIC(非特許文献7参照)の副作用が報告されており安全性に問題がある。一方、その安全性の高さからインヒビター患者の止血管理で最も汎用されているFVIIa製剤は、FVIIaの生体半減期が短いため頻回投与が必要であり(非特許文献8参照、経済的な面も含め患者に多大な負担を負わせることになっている。また、その有効性も充分とは言えない。(c)免疫寛容療法は限られた患者においてのみ有効であり、且つ患者の経済的負担が大きい。このように、現状ではインヒビター患者に対する種々の止血管理方法は充分なものとはいえず、より安全で、効果が高く、止血管理が容易な製剤が切望されている。
【0006】
なお、従来技術として、特開平7−145072〜145075(特許文献1〜4参照)により開示されている「血液凝固因子阻害因子処理のための水性組成物」は従来のAPCC製剤における活性化の程度を規定しているだけであり、その本質を極めていない。また、特開平9−110715(特許文献5参照)により示されている「血液凝固疾患を治療するための医薬組成物とその製造法」も、従来のAPCC中のFVIIa含量を増加させることにより治療効果を期待している点に特徴を有するが、単独で治療効果が確認されているFVIIaをAPCCに加えただけであり、同様になお課題を残すものである。また、平成11年特許願第368122号(特許文献6参照)により示されている「血液凝固異常に基づく疾患の治療・予防用医薬組成物」は、FXとFVIIaの混合製剤が上記の血液凝固異常に基づく疾患の治療・予防に有効とする点に特徴を有するが、FXを主成分とするFX単独製剤に言及したものではない。
【0007】
【特許文献1】特開平7−145072号公報
【特許文献2】特開平7−145073号公報
【特許文献3】特開平7−145074号公報
【特許文献4】特開平7−145075号公報
【特許文献5】特開平9−110715号公報
【特許文献6】特開2001−181204号公報
【特許文献7】特開平3−155797号公報
【特許文献8】特開平10−059866号公報
【特許文献9】特開平10−059867号公報
【非特許文献1】Sultan Y, Thromb Haemost 67:600-602(1992)
【非特許文献2】Kamiya T, Takahashi I, Saito H, Int J Hematol 62:175-181(1995)
【非特許文献3】Ehrenforth S, Kreuz W, Scharrer I, Linde R, Funk M, Gungor T, Krackhardt B, Kornhuber B, Lancet 339(8793):594-598(1992)
【非特許文献4】Bray GL, Gomperts ED, Courter S, Gruppo R, Gordon EM, Manco-Johnson M, Shapiro A, Scheibel E, White G 3rd, Lee M, Blood 83:2428-2435(1994)
【非特許文献5】Allain JP, Gaillandre A, Frommel D, Thromb Haemost 45:285-289(1981)
【非特許文献6】Chavin SI, Siegel DM, Rocco TA Jr, Olson JP, Am J Med 85:245-249(1988)
【非特許文献7】Rodeghiero F, Castronovo S, Dini E, Thromb Haemost 48:339-340(1982)
【非特許文献8】Hedner U, Glazer S, Falch J, Transfus Med Rev 7:78-83(1993)
【非特許文献9】Girolami A, Molaro G, De Marco L, Acta Haematol 52:223-231(1974)
【非特許文献10】Jpn J Thromb Hemost 5(3):158-172(1994)
【非特許文献11】Thromb Res 56:603-609(1989)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を鑑み、本願発明者らは血液凝固障害に伴う出血症状に対する予防・治療剤を開発するべく鋭意研究した結果、驚くべきことに、FXを主成分とする医薬組成物が血液凝固障害を原因とする止血障害の予防・治療剤として非常に有効であることを初めて見出し、さらにFXを主成分とする本願発明の医薬組成物に微量のFVIIaを添加した医薬組成物は、FXを主成分とする医薬組成物の効果を増幅することを見出し、この知見に基づいて本願発明を完成するに至った。本願発明は従来の公知技術とは異なる新しい技術と新規な知見に基づくものである。
【0009】
特に、本願発明によってもたらされる組成物の優れた点として、(1)APCC製剤の副作用を引き起こしている原因物質としての可能性の高いFII、FIIa、FIX、FIXa及びリン脂質等を実質的に含まないため安全性が極めて高い。また、(2)FXの生体内半減期が30時間と報告されており(非特許文献9参照)、FVIIa製剤の欠点であった頻回投与の必要がなくなり、止血効果の持続性が高いことが予想される。即ち、安全で、効果が高く、止血管理が容易な、待ち望まれていた医薬組成物と言うことができる。また、FII及びFIX等をほとんど含まないという点で従来のAPCC製剤と異なり、FXを含む点でFVIIa製剤とも異なる。本願発明は、FXをFVIIaと混合せずに単独投与することを発明の骨子としているが、FXに極微量のFVIIaを含むことも本願発明に含まれる。特許文献6により示されている「血液凝固異常に基づく疾患の治療・予防用医薬組成物」に記載されている、FXとFVIIaの混合製剤はFX単独製剤を意味しておらず、本願発明とはその技術思想を異にする製剤である。
【発明の効果】
【0010】
血液凝固障害を原因とする止血障害に対する予防と止血に用いられているFVIIa製剤は、その短い生体内半減期(2.7時間)のため、頻回投与を前提として使用されているが、本願発明のFX単独製剤を用いればFXの生体内半減期が30時間と長いため、極めて少ない投与回数で止血が完了できることが予想される。また、このFXに極微量のFVIIaを加えれば投与時には一過性により強い止血効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本願発明の医薬組成物の主たる成分の前駆体であるFXは448残基のアミノ酸からなる分子量約59,000のビタミンK依存性凝固因子であり、血漿中には5〜10μg/ml含まれる。FXは、カルシウムイオン存在下でFVIIa/組織因子複合体により活性化されるか(外因系凝固経路)、あるいは、活性化血液凝固第VIII因子、カルシウムイオン及びリン脂質存在下で活性化血液凝固第IX因子により活性化されて(内因系凝固経路)、活性化血液凝固第X因子(以下、FXaと称することがある)となり、酵素活性を発揮するようになる。FXaは活性化血液凝固第V因子、カルシウムイオン及びリン脂質存在下で、プロトロンビンをトロンビンに活性化し、その結果フィブリン形成を引き起こす。
【0012】
また、本願発明の補助的成分たるFVIIは406残基のアミノ酸からなる分子量約50,000を有するビタミンK依存性凝固因子であり、血漿中には約0.5μg/ml含まれる。FVIIは分子内のArg152−Ile153結合が加水分解されることにより酵素活性を持つ二本鎖のFVIIaとなる。FVIIaは組織因子とともにカルシウムイオン存在下でFIX及びFXを活性化する。従って、外因系凝固経路において非常に重要な位置を占めている物質とみなすことができる。
【0013】
本願発明に使用されるFX及びFVIIaを製造する方法は特に限定されることなく、例えばヒト血液より分離する方法あるいは遺伝子組換え技術により作製する方法などによって製造することができる。また、遺伝子組換え技術により作製されたFXとFVIIaは本質的な生物活性が血漿由来FXとFVIIaと同様であれば、本来のアミノ酸配列を別のアミノ酸配列に置換した改変体も本願発明に使用できる。
【0014】
血液由来のFXの製法としては、例えば、新鮮凍結ヒト血漿を冷融解・遠心処理してクリオプレシピテートを除いた脱クリオ血漿から、陰イオン交換クロマトグラフィーにより粗精製後、抗FXモノクローナル抗体固定化カラムを用いてのアフィニティークロマトグラフィーによってFXを精製する方法がある。前記と同様、得られるFXはその安全性を確保するために、FII、FIIa、FIX及びFIXaを可能な限り伴わない方が好ましい。また、血液由来のFVIIaの製法としては、例えば、特開平3−155797(特許文献7参照)、特開平10−059866(特許文献8参照)及び特開平10−059867(特許文献10参照)に示される方法がある。また、新鮮凍結ヒト血漿を冷融解・遠心処理してクリオプレシピテートを除いた脱クリオ血漿から、陰イオン交換クロマトグラフィーにより粗精製後、抗FVIIモノクローナル抗体固定化カラムを用いてのアフィニティークロマトグラフィーによってFVIIを精製した後、他の血漿蛋白質、例えば活性化血液凝固第XII因子、FXaなどによりFVIIaに活性化する方法がある。得られるFVIIaは、その安全性を確保するために、FII、FIIa、FIX及びFIXaを可能な限り伴わない方が好ましい。
【0015】
上述の方法で調製されたFXまたはFVIIaの活性を最大限に維持するために、それぞれ好適な安定化剤と共に凍結乾燥して保存することができるし、FX溶液またはFVIIa溶液をそれぞれ凍結し保存することも可能である。さらには、FXまたはFVIIaを好適な安定化剤と共に好適な濃度で混合し、凍結乾燥して保存することができるし、混合溶液を凍結し保存することも可能である。本願発明では、かかる有効成分としてFXを単独で含む組成物、またはFXとFVIIaを含む組成物と、公知の適当な賦形剤を組み合わせ、公知の方法で血液凝固障害を原因とする止血障害に対する予防・治療用製剤とすることができる。当該製剤の投与対象は、血液凝固障害によって引き起こされる止血障害のある患者であれば特に限定されることはない。
【0016】
FXの有効投与量は、例えば投与対象者の年齢、症状及び重症度などにより変動するが、160μg/体重(kg)以上の投与量であり、また、 FX 160μg/体重(kg)以上の投与量に5μg/体重(kg)未満の投与量のFVIIaを組み合わせることもできる。投与方法は単回投与(Bolus)あるいは点滴の静脈内投与が最適である。本願発明の予防・治療用製剤は、FXを主成分とすることを好適な実施態様とするが、FXに投与量5μg/体重(kg)未満のFVIIaをFXとFVIIaの投与間隔が充分短ければ、個別に投与することも可能であり、同様に本願発明の効果を発揮する。
【0017】
本願発明は、 ヒト血液より分離する方法あるいは遺伝子組換え技術により作製する方法などによって製造されたFXとFVIIaを基に、薬剤本態として10μg/ml以上のFX、または同量のFXに0.3125μg/ml以下の濃度のFVIIaを混合した組成に好適な安定剤を添加した血液凝固異常に基づく疾患の治療・予防用薬剤である。
【0018】
以下に実施例を挙げて本願発明を具体的に説明するが、本願発明はこれらの例に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0019】
(本願発明組成物のAPTT測定による評価)
活性化部分トロンボプラスチン時間(以下、APTTと称することがある)は、APTT試薬を用いて測定される内因系スクリーニング検査法である。具体的には、被検血漿にAPTT試薬とカルシウムイオンを添加しフィブリンが形成されるまでの内因性凝固の酵素反応を総合的に測定するもので、特に、血友病AまたはBに代表される内因系凝固因子の量的ないし質的異常、または内因系凝固因子に対するインヒビターの存在などによりAPTTは延長する。正常値は30〜40秒であり、その延長の度合は量的ないし質的異常を示している内因系凝固因子の凝固活性に依存し、一般に重篤な臨床症状を示す血友病(インヒビターも含む)では極度に延長する。齋藤らが報告したFVIIa製剤の臨床評価結果によると、インヒビターを有する血友病患者12人のAPTTは122.0±18.7秒(平均±SD)に延長していたが、遺伝子組換えFVIIa投与20分後には82.9±21.6秒に低下した(非特許文献10参照)。また、in vitroにおいてもFVIIIまたはFIX等の各種欠乏血漿にFVIIaを添加すると、APTTが有意に短縮することが報告されている(非特許文献11参照)。
【0020】
本実験は上記事実に基づき、血友病患者様血漿として第VIII因子(FVIII)欠乏血漿または第IX因子(FIX)欠乏血漿(いずれも、デイドベーリングマールブルグ社製)を用い、FXによるAPTTの短縮効果を評価した。APTT試薬としては、Actin(商品名)(デイドベーリングマールブルグ社製)を使用した。評価したFX等の濃度は、FX:終濃度0〜160μg/ml血漿(正常ヒト血漿中の濃度:約10μg/ml血漿)、FVIIa:終濃度0〜0.125μg/ml血漿、結果を図2と図3に示す。図2と図3は、FXを各々の各欠乏血漿に添加した場合のAPTTへの濃度依存的な影響を表したものである。FVIII欠乏血漿の場合、FXの添加は約100μg/ml血漿濃度まで濃度依存的にAPTTを短縮させた。FIX欠乏血漿の場合、FXの添加は約160μg/ml血漿濃度まで濃度依存的にAPTTを短縮させた。
【0021】
図4と図5は、各欠乏血漿にFXを加え、さらにFVIIa加えた場合のAPTTを示している。 FXとFVIIaの血漿中の終濃度は、0〜160μg/ml、0〜0.125μg/mlに設定した。FXに少量のFVIIaを加えることによりAPTTの短縮効果は高まり、FVIIaを0.125μg/ml加えることにより、FVIII欠乏血漿、FIX欠乏血漿ともに各因子を10%補充した場合のAPTTに近づいた。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】内因系凝固と外因系凝固の二つの経路の血液凝固カスケードを示す図である。
【0023】
【図2】FVIII欠乏血漿のAPTTに対するFXの影響を示す図である。(実施例1)
【0024】
【図3】FIX欠乏血漿のAPTTに対するFXの影響を示す図である。(実施例1)
【0025】
【図4】FVIII欠乏血漿のAPTTに対するFXとFVIIaの協同的影響を示す図である。(実施例1)
【0026】
【図5】FIX欠乏血漿のAPTTに対するFXとFVIIaの協同的影響を示す図である。(実施例1)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液凝固第X因子(以下、FXと称することがある)を主たる有効成分とする血液凝固障害に伴う出血症状の予防・治療用医薬組成物。
【請求項2】
前記血液凝固障害が、血小板を含む血液凝固因子欠損または異常による出血症状、傷害による出血症状、その中でも特に血液凝固因子に対するインヒビター(抗体)を有することにより止血障害を呈する血液凝固障害である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
10μg/ml以上の濃度のFXを有効成分とする請求項1または請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
160μg/体重(kg)以上のFXを止血に必要な投与量としてなる請求項1から請求項3のいずれかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
請求項1記載の組成物に選択的に活性化血液凝固第VII因子(以下、FVIIaと称することがある)を組み合わせて主たる有効成分とする血液凝固障害に伴う出血症状の予防・治療用医薬組成物。
【請求項6】
前記血液凝固障害が、血小板を含む血液凝固因子欠損または異常による出血症状、傷害による出血症状、その中でも特に血液凝固因子に対するインヒビター(抗体)を有することにより止血障害を呈する血液凝固障害である請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
10μg/ml以上の濃度のFX, 0.3125μg/ml以下の濃度のFVIIaを有効成分とする請求項5または請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
160μg/体重(kg)以上のFX、5μg/体重(kg)以下のFVIIaを止血に必要な投与量としてなる請求項6から請求項7のいずれかに記載の医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−55899(P2007−55899A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−366353(P2003−366353)
【出願日】平成15年10月27日(2003.10.27)
【出願人】(000173555)財団法人化学及血清療法研究所 (86)
【Fターム(参考)】