血液採取装置の改良
採血装置は、その内部に真空容器を挿入することができる開口端を有する注射器状のハウジング(10)を備えている。採血装置の前部は、針保持部(11)と、両頭針(12)とを含んでいる。一旦、真空容器(13)が除去されて分離された針引っ込め装置(28)がハウジングの開口端部に挿入されて、針保持部の内端部に対して押し付けられた後に限り、針保持部を、ハウジングと分離して採血装置内に引っ込めることができる。針引っ込め装置は、真空下にあり、ピストン(5)によって閉止された開口端部を有する中空体を備えている。ピストンは、針保持部が採血装置から分離されて針保持部を固定し、これと同時に中空体から分離されるように機能する。針保持部とこれに取り付けられた汚染された針とを収容しているピストンは、中空体内に吸い戻され、針を安全な状態にする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、針とハウジングとを有し、真空チューブを用いて血液を採取する(collect)採血装置(blood collecting device)に関するものである。ここで、針は、使用後に、針刺し傷(needlestick injury)が低減又は撲滅されるような態様で引っ込めることができる。本発明は、血液を採取するために使用する場合について説明を行うが、本発明に係る装置はまた、他のタイプの体液を採取するためにも用いることができるということを理解すべきである。
【背景技術】
【0002】
「真空容器(vacutainer)」として一般に知られている装置を用いて、患者から血液を採取するといったことは、非常によく知られた標準的な技術である。このタイプの既知の装置は、ハウジングにぴったり合わされた(fit)両頭針(double ended needle)を有している。ハウジングは、短い注射器の筒体(barrel)に似ている。両頭針は、該針の長い部分がハウジングから外部に伸び、該針の短い部分がハウジングの内部に伸びるといった態様でハウジングにぴったり合わされている。患者から血液を採取するため、針の長い部分は、血管内に挿入される。血液は、試験管に似た、ガラス又はプラスチックでつくることができるコンテナ(容器)の中に採取される。コンテナは、ゴム製のストッパ(又は他の材料でつくられたストッパ)により被覆された開口端を有している。コンテナは、部分的に排気されている(evacuated)。コンテナは、針の内端がゴム製のストッパを突き通る時間が経過するまで、ハウジング内に押し付けられる。コンテナ内の部分的な真空は、血液が針を通ってコンテナ内に吸引されるといった結果を生じさせる。血液の採取が完了したときに、コンテナはハウジングから除去される。この後、血管から針を除去するために、取り付けられた針を含んでいるハウジングは引き戻される。取り付けられた針を含んでいるハウジングは、この後、安全な態様で廃棄することが必要である。しかし、この時点で、(a)針は汚染され、かつ、(b)針がハウジングの前部から突出しているので、突き刺し傷(針刺し傷)が生じる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、針を引っ込ませて突き刺し傷が生じる可能性を低減しさらには撲滅することを可能にする何らかの形態の機構を有する、上記原理に係る部分的に排気されたコンテナを用いる採血装置を得ることが可能であれば、有利である。
【0004】
先行技術文献がここで参照される場合でも、この参照は、上記文献がオーストラリア又はその他の国の技術分野における普通の一般的な知識の一部をなすことを承認するものではないということを明確に理解すべきである。
【0005】
本発明の目的は、突き刺し傷の可能性を克服又は低減することができる採血装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの形態においては、本発明は、ハウジングと針保持部(needle holder)と針とを備えた採血装置を提供する。ここで、針は、両頭針状(double ended)であり、ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する。針保持部は、針保持部とこれに取り付けられた針とが引っ込むことができるように、ハウジングに対して取り外し可能に(releasably)取り付けられている。
【0007】
もう1つの形態においては、本発明は、上記採血装置と針引っ込め装置(needle retraction device)とを備えた採血装置集合体(blood collection device assembly)を提供する。針引っ込め装置は、ハウジング内に押し入れられて(pushed)、ハウジングから針保持部を解放する(release)とともに、取り付けられた針を含んでいる針保持部を該針引っ込め装置内に引っ込めることができる。
【0008】
この仕様においては、「真空容器」技術とは異ならない仕様で血液を採取することができる。しかしながら、一旦、必要な量の血液を採取した後は、血管から針を単純に引き抜いて厳しい危険(sharps risk)を生じさせる汚染されて突出している針を生じさせることなく、針引っ込め装置がハウジング内に押し入れられ、ハウジングの端部に向かって押し付けられる。この針引っ込め装置は、針保持部(汚染された針を含んでいる)をハウジングから切り離す(decouple)ように機能し、この後針を、突き刺し傷に対して針を保護するように機能する針引っ込め装置内に引っ込める。この技術は、非常に安全であり非常に用いやすく、かつ、汚染された針に接触する可能性がほとんどあり得ないものと考えられる。
【0009】
採血装置は、ハウジングと、針保持部と、一般によく知られた針とを備えている。しかしながら、本発明の一部として、針保持部は、ハウジングに対して取り外し可能に取り付けられ、針保持部が別体の針引っ込め装置に内に引っ込められることができるようになっている。
【0010】
ハウジングは、典型的には、縦長の円柱中空体を備えている。血液採取コンテナは、この円柱中空体に入る(pass)ことができる。円柱中空体は、典型的には、血液採取コンテナをハウジング内に押し入れることを可能にするための開口後端部を有している。ハウジングの前部は、典型的には、針保持部がハウジングの前部に取り付けることが可能な構造(configuration)を有している。典型的には、ハウジングの前部は、小直径で伸びるカラー(collar)を有している。このカラーには、針保持部を該カラーに対して取り外し可能に取り付けることを可能にする係合手段(engagement means)が設けられていてもよい。係合手段は、凹部(recess)を備えていてもよい。凹部は、環状凹部であってもよい。複数の凹部が設けられ、又は該凹部が単一の凹部もしくは複数の凹部であることが予定されている。凹部は、カラーの内壁に沿って伸びる小さい溝を備えていてもよい。これに代えて、係合手段は、1つの突起部(projection)又は複数の突起部を備えていてもよい。
【0011】
典型的には、針保持部に、スチール針を収容するための内部通路(internal passageway)が設けられている。好ましくは、針保持部に、ハウジングと係合するための、とくにカラーと係合するための係合手段が設けられている。カラーの上の係合手段が凹部を備えている場合、針保持部の上の係合手段は、典型的には、凹部と係合して針保持部をカラーに対して、ひいてはハウジングに対して保持することができる突起部を備えている。しかしながら、カラーの上の係合手段が突起部を備えている場合、針保持部の上の係合手段は典型的には凹部を備えている。針保持部の上の係合手段は、複数の突起部、複数の凹部又はこれらの組み合わせを備えていてもよい。しかしながら、典型的には、針保持部の上の係合手段は、突起部を備えていてもよく、典型的にはカラーの上の小さい環状凹部の内部に係合することができる小さい環状リブを備えていてもよい。
【0012】
針保持部は、別体の部品で形成されてもよく、典型的には、2つの部品、すなわち大きい内側部品と小さい外側部品とで形成される。内側部品には、スチール針を収容するともに、針保持部の「主要部(main body)」としてみることができる通路が設けられている。外側部品は、主要部の付近で伸び、又は少なくとも部分的に主要部の付近で伸びる。外側部品には、典型的には係合部材が設けられている。外側部品及び内側部品は、何らかの適切な手段により、一緒に取り付けることができる。
【0013】
針は、この技術分野でよく知られている従来の採血針であってもよい。
【0014】
血液の採取に用いられる血液採取コンテナは、従来の仕様のものであってもよく、これらは典型的には、部分的に排気(真空吸引)され、突き刺し可能な前ストッパが設けられた縦長の中空体を備えていてもよい。コンテナがハウジングを通って押し入れられるのに伴って、針の内側部分は前ストッパを突き通し、コンテナ内の部分的な真空は、血液が針を通ってコンテナ内に吸引される結果を生じさせる。この構成は、よく知られている。
【0015】
針引っ込め装置は、典型的には別体の部品であり、血液採取コンテナ内に十分な血液が採取された後においてのみ、ハウジングに挿入される。このとき、針を安全な態様で引っ込めるのが望ましい。針引っ込め装置は、典型的には、少なくとも部分的にハウジング内に押し入れることができる縦長の本体部を備えている。したがって、縦長の本体部は、実質的には管状である。縦長の本体部は、典型的には、該本体部内に、排気された室を有している。この室の機能は、針と針保持部とを安全な態様で収容することである。
【0016】
排気された室は、典型的には、プラグ(栓)で塞がれた開口前端部を有している。プラグは、典型的には、室に沿ってシールされた状態で滑り運動をすることができる。したがって、プラグには、該プラグを、排気された室の内壁の上でシールすることを可能にするシール手段が設けられている。しかし、プラグは、なお排気された室に沿って滑り運動をすることができる。シール手段は、シールリングを備えていてもよい。プラグそれ自体に内室が設けられ、この内室は、ハウジング内で伸びる針の一部を収容するように機能する。この内室は、排気する必要はない。要望があれば、プラグの前部は、突き通し可能な、又は破損しやすい壁を有していてもよい。
【0017】
プラグは、該プラグが、部分的に排気された室内に吸い戻されるのを防止するために、針引っ込め装置の本体部に対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。典型的には、プラグは、本体部に取り付ける弾性的な部材又は部分を備えた取り外し可能な係合手段を含んでいる。しかしながら、係合手段が自由な位置に移動する際に、プラグは、本体部から解放され、部分的に排気された室内に吸い戻される(sucked back)であろう。
【0018】
針引っ込め装置、及びとくに針引っ込め装置の前部の構成及び配置形態(arrangement)は、以下のとおりである。すなわち、該装置がハウジング内に押し入れられてハウジングの内端に押し付けられたときに、プラグ及び典型的にはプラグ上の係合手段が針保持部と結合し、この結合運動(coupling motion)がまた、針保持部をハウジングから解放する。さらに、この結合運動は、プラグを針引っ込め装置の本体部から解放する。かくして、プラグは、排気された室内に吸い戻される。そして、プラグが針保持部に取り付けられるのに伴って、針保持部が室内に吸い戻される結果を生じさせるであろう。
【0019】
好ましくは、一旦針が針引っ込め装置内に吸い戻された後、ハウジング内の針引っ込め装置を固定するために固定手段(locking means)が設けられている。固定手段は、針引っ込め手段がハウジングから引き抜かれるのを防止するよう機能する。この後、集合体全体が安全な態様で廃棄される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の2つの実施の形態を具体的に説明する。
【0021】
まず、図面中の図9〜図18に示す第2の実施の形態を参照しつつ、本発明を説明する。とくに、図9及び図10は、本発明の実施の形態に係る採血装置をよく示している。基本的には、採血装置は、3つの主要部分、すなわちハウジング10と、針保持部11と、両頭針12とを備えている。これらの図にはまた、血液採取室13(blood collection chamber)も記載されている。この血液採取室13は普通の仕様のものであり、部分的に排気された(partially evacuated)室本体を備えている。この室本体は前栓ないしは前プラグ14(forward plug)でシールされている。この前プラグ14は、針12の内側部分で突き通すことができるようになっている。
【0022】
ハウジング10は、管の形態のものであって、典型的にはプラスチック材料でつくられ、外向きに広がるフランジ15を備えた後部を有している。フランジ15は、後でより詳しく説明する針引っ込め装置を片手で操作するのを助ける機能を有する。しかしながら、フランジ15は、注射器のフランジに非常によく似ている。ハウジング10は、全体的に中空である。血液採取室13は、針12の内側の端部に向かってハウジング内に入ることができるようになっている。
【0023】
ハウジング10の前部には、後で図14及び図15を参照しつつより詳しく説明する伸長カラー16(extending collar)が設けられている。カラー16(環状部材)は、ハウジング10の前部(前端面)から実質的に垂直に伸びる第1環状部17を有している。第1環状部17は、第2環状部18に伸びている。第2環状部18は、テーパ状(先細り状)であり、第3環状部材19に伸びている。第3環状部19は、再びハウジング10の前部に対して垂直となっている。第1環状部材17には、小さい内部環状溝20が設けられている。この環状溝20は、針保持部11をカラー16に係合させる係合部の一部を形成している。
【0024】
特定の実施の形態においては、針保持部11は、2つの部品(パーツ)、すなわち大きい内側部品21と、小さい外側部品22とで形成されている。内側部品21は、スチール製の針12を収容する通路(passageway)を含んでいる。外側部品22は、内側部品21の内側で伸び、針に係る全集合体をカラー16に対して取り外し可能に取り付ける係合手段を収容している。とくに、外側部品22には、図15中に最もよく示されている環状のフランジ23が設けられている。フランジ23は、第2の部分18及び第1の部分17の内壁に対して伸びている。フランジ23は、カラー16の内壁に対して押し付ける付勢部(bias)をもつようにつくられている。第1の部分17の内壁に対して押し付けるフランジ23の部分には、第1の部分17の上にある溝20と係合する小さい伸長リブ24が設けられている。かくして、この配置構造(arrangement)は、針保持部11をカラー16に対して保持する。しかしながら、フランジ23は、小さい角度付けられたリップ25(lip)内で終端している。リップ25は、カラー16との結合部(junction)及びハウジング10の残部からやや離間して突出し、非常に小さいが重要な隙間(gap)を形成している。この構成は、針引っ込め装置によって針保持部11をハウジング10から分離するのを促進するようになっている。なお、そのより詳細な事項は後で説明する。
【0025】
かくして、フランジ23が妨害されず(not interfered)、又は操作される(manipulated)限り、針保持部11はカラー16に取り付けられた状態を保持する結果となる。
【0026】
この構成でもって、血液採取室13(図9参照)を、ハウジング内において、針12の内側部分に押し付けることができる。さらに、針12の内側部分に押し付けて(図10参照)、室13のプラグ14を突き通し、針12を室13内の部分的な真空(partial vacuum)にさらすことができる。部分的な真空は、血液を針を通して吸引して室内に入らせる結果となる。一旦、室13がシールされ、又は所望の量の血液を採取したときには、室13をハウジング10から単純に引き抜くことができる。場合によっては、このような室を複数用いて、より大量の血液を採取することも可能である。
【0027】
一旦、すべての血液を採取すれば、本発明の次のステップで、針12を引っ込めて(retract)、針刺し損傷(needlestick injury)を防止することを可能にする。これは、別体の装置、すなわち針引っ込め装置28を必要とする。この針引っ込め装置28は、図11〜図13に示されている。基本的には、針引っ込め装置28は、部分的に排気された(partially evacuated)室30を有する縦長の本体部29を備えている。針引っ込め装置28の後部には、親指又は掌で押圧することができる押圧可能部31(depressible chamber)が設けられ、針引っ込め装置28をハウジング10内に押し付けるのを促進するようにしている。室30の前部は開口しているが、プラグ32によってシールされている。プラグ32は、シール状態を保ったままで室30内に吸い戻されることが可能な構造となっている。したがって、プラグ32の外壁は、環状のシールリブ33(図15参照)を備えている。これは、注射器のプランジャと異ならない。しかしながら、プラグ32は、本体部29に取り外し可能に固定することにより、部分的に排気された室30内に吸い戻されるのを防止することができる。とくに、図14に明瞭に示すように、プラグ32には、弾性を有し、本体部29の内壁に対して自然に付勢される環状フランジ34が設けられている。環状フランジ34の最も外側の縁部には、全体的には「矢(arrow)」形である当接部35(abutment)が設けられている。当接部35は、本体部29の前縁部に当接する(abut)面を有し、これにより、プラグを本体部29に対して固定し、排気された室30内にプラグが吸い戻されるのを阻止する。したがって、当接部35が本体部29の前縁部と係合する限り、プラグが室内に吸い戻されることはない。
【0028】
プラグ32自体には内室36が設けられている。この内室36の機能は、針12の内側部分を収容することである。なお、これは、図11に最も明瞭に示されている。プラグ32の前部を覆う小さいシール膜37が設けられ、これは針12の内端部によって突き通すことができる。プラグ32の内室36は排気されず、シール膜37はそこに清浄な終端部(finish)を生成し、異物が室内に入るのを防止する。
【0029】
針引っ込め装置28がハウジング10内に挿入され、ハウジング10の端部から完全に離反するように押された(pushed)ときに、汚染された針及び針保持部は、以下で説明するように、室30内に吸い戻される。
まず、とくに図14及び図15に示すように、本体部29の前部がハウジング10の内端に近づくのに伴って、環状フランジ34の縁部の上の当接部35が、ハウジング10の第1の部分17と残部との間の内側縁部に接触し始める。そして、(図14図及び図15に最も明瞭に示されているように)この内側縁部40は、反らされる(ramped)。さらに、当接部35の形状は、本体部29のさらに前方への移動が、当接部35を、反らされた内側縁部40に沿って寄りかからせ、内向きに押されるようなものとされる。当接部35は、内向きに押圧される(pressed)ので、本体部29との係合から解放されるようになる。したがって、プラグ32は、本体部29から解放されるようになる。これと同時に、当接部35の内向きの移動は、該当接部35を、針保持部11の一部を形成している環状フランジ23の自由端の上に存在する小さいリップ25と係合させる。さらに、小さいリップ25との係合に加えて、内向きの移動はまた、環状フランジ23を内向きに移動させる結果ともなる。そして、これは小さいリブ24を、溝24との係合から解放する。かくして、針保持部11は、ハウジング10との係合から切り離され又は解放され、さらにプラグ32は本体部29から切り離され又は解放される。ここで、真空の内室30は、プラグ32を室内に吸い戻すといった結果を生じさせる。ここで、プラグ32が針保持部11に結合されるのに伴って、針保持部11もまた室内に吸い戻される。この最終的な位置は、図13に示されている。図13に示すように、針保持部(汚染された針を伴っている)が室内に吸い戻されたときに、針は完全に本体部29によって遮蔽される(shielded)。
【0030】
しかしながら、さらに安全性を高めるために、一旦図12又は図13に示す位置ないしは状態が実現され、これにより針引っ込め装置28を除去することができなくなったときには、針引っ込め装置28をハウジング10に対して固定するのが好ましい。これは、図18に最も明瞭に示されている小さい固定構造42(locking arrangement)によって実現することができる。この固定構造42は、小さい外向きに付勢されたリブ43を備えている。このリブ43は、本体部29の一部を形成し、ハウジング10の一部を形成する小さいスロット44(slot)と係合している。かくして、針引っ込め装置28がハウジング10内に完全に押し入れられる(pushed)のに伴って(図12及び図13参照)、リブ43は外向きに飛び出して(spring)スロット44と係合する。そして、針引っ込め装置は、ハウジング10から引っ込むことができなくなる。
【0031】
以下、図1〜図8に示す本発明の第1の実施の形態を説明する。これらの図に示す採血装置は、第2の実施の形態に関して説明したのと同様の原理で動作するが、いくつかの相違点を含んでいる。
【0032】
図1〜図5は、採血装置の全体的な動作(operation)を示している。他方、図6〜図8は、第1の実施の形態の特有の特徴を、より詳しく示している。
【0033】
とくに、図1は、開口後端部を有するハウジング46を示している。従来の引き抜かれた血液を採取するコンテナ2は、開口後端部を通り抜けることができる。このコンテナ2は、第2の実施の形態において示されたものと同様である。ハウジング46の前部は、針保持部集合体(needle holder assembly)を備えている。この針保持部集合体は、この特定の実施の形態では、2つの別体の部品、すなわち内側針保持部1Bと、外側鼻状部2(nosepiece)とを備えている(図6A参照)。
【0034】
両頭スチール突き刺し針1Aは、内側針保持部1Bを通って、ハウジング46の内部に伸びている。これは、第2の実施の形態に関して説明したものと異ならない。ハウジング46内に伸びている突き刺し針1Aの一部は、可撓性を有する保護管45(protective flexible sheath)によって被覆され、使用直前まで針を無効状態に(sterile)保つ。
【0035】
図1は、ハウジング46の開口後端部内に押し入れられ(pushed)、針1Aの後部とほぼ係合している血液採取コンテナ2を示している。
【0036】
図2は、血液採取コンテナ2がさらに前向きに移動した状態を示している。ここで、絵血液採取コンテナ2は、十分な力でもって針1Aに押し付けられ、針1Aは、コンテナ2の前端部のシール栓(sealing bung)を通り抜けている。ここで、コンテナ2内の真空は、血液又はその他の体液を、針1Aを通してコンテナ2内に吸引させる結果となる。この配置構造(arrangement)はまた、保護管45が押しのけられて(pushed away)針1Aを露出させる結果となる。そして、図2に示すように、この保護管45は、シール栓の拡大部(enlargement)内に収容されている。
【0037】
図3〜図5は、動作中における針引っ込め装置47を示している。針引っ込め装置47は、別体の部材であり、血液採取コンテナ2が血液で満たされてハウジング46から除去された後に、ハウジング46の後部に押し入れられる。
【0038】
針引っ込め装置47は、ある程度は、第2の実施の形態に関して説明したものと類似し、中空であって真空下にある縦長の本体部を備えている。針引っ込め装置47の前部は、鼻状部2(nosepiece)と結合して(couple with)鼻状部を引っ込めることができ、したがって取り付けられた針1Aを、針引っ込め装置47の内部の安全圏(safety)内に戻すピストン集合体(piston assembly)を備えている。
【0039】
かくして、図3においては、針引っ込め装置47は、ハウジング46内に挿入され、汚染された針1Aに向かって前向きに押されている。
【0040】
図4においては、針引っ込め装置47は、鼻状部2の後部に対して押しつけられ、鼻状部をハウジング46の前部から切り離す(decouple)過程にある(後で、より詳しく説明する。)。
【0041】
図5においては、後でより詳しく説明するように、針引っ込め装置47は、取り付けられた針保持部1Bと取り付けられた針1Aとを含む鼻状部を、装置内の真空の作用により装置内に引っ込めている。
【0042】
図6Aは、切り離し動作をより詳しく説明しており、とくに、針引っ込め装置47が鼻状部2を切り離す時点の直前における針引っ込め装置47の前部を示している。
【0043】
とくに、ハウジング46は、切り離し動作(decoupling process)を助勢するために、内部の傾斜部3Bと一緒にモールド成形されている。ハウジング46の前部は、小さい頭部48(図5参照)含み、さらに少なくとも鼻状部2の一部と、針保持部1Bと、取り付けられた突き刺し針1Aとを含んでいる(contain)。
【0044】
基本的には、針保持集合体(needle holding assembly)は、3つの部品、すなわち鼻状部2と針保持部1Bと突き刺し針1Aとを備えている。
【0045】
鼻状部2は、外側の部材(outer member)であり、実質的に中空であり、実質的に鼻状部2内に着座している(sit)針保持部1Bを収容している。針保持部1Bは、突き刺し針1Aを収容するための従来の内部通路(internal passageway)を含んでいる。
【0046】
鼻状部2は、「矢じり形(arrowhead)」の形状の部分が設けられたフィンガ部材(finger member)を備えた複数の保持爪2B(retaining claw)を含んでいる。1つの部分は、フィンガ部材の端部に存在し、他の部分はフィンガ部(finger portion)の長さの中間に位置している。
【0047】
図6Bに示すように、中間の矢じり形の部分は、ハウジング46の一部を形成する傾斜部3B(ramp)の後部に対して隣接ないしは当接している(abut)。そして、この配置構造は、針保持集合体がハウジング内に引っ込められるのを防止する。
【0048】
針保持集合体がハウジングの前部で引き出されるのを防止するために、ハウジング46内に鼻状部保持溝3A(nosepiece retaining groove)が設けられている。中間の矢じり形の部分は鼻状部保持溝内に入っている。かくして、中間の矢形の頭部は、鼻状部を保持するように機能し、したがって針保持集合体全体がハウジング46内に押されてハウジング46の前部から引き出されるのを防止する。回転防止キー2A(anti-spin key)も設けられている。
【0049】
したがって、保持爪2B(中間の矢形の部分を含む)が移動させられるまで、針保持集合体は所定の位置に固定される。
【0050】
針引っ込め装置47の前部は、開かれているが、特定の形態(configuration)を有するピストン集合体(piston assembly)によって閉じられている。図6Aに示すように、ピストン集合体は、固体材料(典型的にはプラスチック)でつくられた全体的には中空円柱形のピストン5を備えている。ピストン5は、複数のシールリング5Bを含む外側ゴムカバーを含んでいる。その機能は、針引っ込め装置47の引き抜かれた主要部(main body)とピストンとの間に真空に対して堅固なシールを保持することである。
【0051】
外側ゴムカバーはまた、外向きに広がるさらなるリング5Cを含んでいる。このリング5Cは、針引っ込め装置の内壁にグリップし、ないしは引っかかり(grip)、針引っ込め装置内へのピストンの引っ込みを制御するための「ブレーキ」又は「速度制御部」として動作する機能を有する。この追加部分なしで説明するために、ピストンの引っ込め動作は、まったく突然のものであってもよい。また、装置を用いている人に警告を与えることができる。外向きに伸びているリング5Cは、針引っ込め装置の内壁に対してピストンの摩擦グループ(frictional group)を増加させることにより、ピストンの引っ込め速度を低下させる機能を有する。
【0052】
前記のとおり、ピストン5は、全体的には中空であり、(汚染された)突き刺し針1Aの内端及び保護管45を収容している。しかしながら、ピストン5の内部は、ゴムやその他の材料などの、何らかの柔軟材料5Dを含んでいる。この柔軟材料は、突き刺し針1Aの内端によって突き通されることができる。これは、図6Aに示されている。かくして、針引っ込め装置が起動されて(triggered)針を該装置内に引っ込める前に(これは、図6Aに示された位置ないしは状態である。)、突き刺し針の内端は、柔軟材料5D内に入る。ここで、柔軟材料は、針に栓をして、引っ込め動作時に血液のしぶきが飛び散るのを防止する機能を有する。
【0053】
ピストン5の前部は、複数の引っ込め爪2C(withdrawal claw)を含んでいる。これらの爪は、前向きに伸びるフィンガを備えている。これらのフィンガは、各フィンガの端部に矢じり形の突起部(projection)を含んでいる。図6Aを参照すれば、これらの引っ込め爪2Cはまた、針引っ込め装置47の前部と係合し、したがって針引っ込め装置内へピストンが引っ込まないように固定するということが分かるであろう。かくして、これらの引っ込み爪が移動させられるまで、ピストンは引っ込みに対して固定される。
【0054】
起動(triggering)の直前においては、針引っ込め装置は、図6Aに示す位置ないしは状態にある。この位置では、引っ込め爪2Cは、鼻状部2の上にある保持爪2Bにちょうど接触している(touch)。
【0055】
図6Bは、ピストンが針引っ込め装置から切り離される起動位置を示している。この位置ないしは状態では、針引っ込め装置内の真空によりピストンを吸い戻すことができる。そして、鼻状部は、ハウジング46の前部から切り離され、ピストン5に取り付けられる。ここで、ピストン5の引っ込みはまた、鼻状部の引っ込み、ひいてはこれに取り付けられた、汚染された突き刺し針1Aの引っ込みを生じさせる。
【0056】
針引っ込め装置が軽くハウジング46内にさらに押されるのに伴って、引っ込め爪2Cは、各保持爪2Bの端部の上の矢じり形の突起部と係合し、保持爪を内向きに押し始める。この動作は、保持爪2Bの上の中間の突起部に、ハウジング46に対する隣接ないしは当接(abutment)を解除させる結果を生じさせる。また、中間の突起部が鼻状部保持溝3Aを出る(exit)結果を生じさせる。かくして、鼻状部2は、ハウジング46との係合から解放され、自由な状態となる。
【0057】
しかしながら、これと同時に、引っ込め爪2Cは、保持爪2Bに対して固定状態となる。このとき、鼻状部2は、ピストン5に対して固定される。このピストンは、図6B中によく示されている。
【0058】
これと同時に又はおよそ同時に、ピストンの上の引っ込め爪2Cは、ハウジング46の一部を形成する傾斜部3Bの上に乗る(ride)。そうすることにより、爪は内向きに押され、したがって針引っ込め装置47の前部とはもはや係合しない。傾斜部3Bはまた、引っ込め爪2Cが保持爪2Bに対して適切に固定されることを確実化する機能を有する。
【0059】
かくして、この配置構造によれば、ピストン5が針引っ込め装置47から解放された状態となり、鼻状部2はハウジング46に対する係合から解放された状態となり、ピストン5は鼻状部2に対して固定された状態となる。
【0060】
ここで、針引っ込め装置47内の真空は、図5中に明瞭に示されているように、該装置の後部内にピストン5を吸い戻す機能を有する。このとき、汚染された針は、完全に安全な状態となる。
【0061】
図7A〜図7Cは、真空チューブ(血液採取コンテナ2)をハウジング46に対して一時的に固定するための固定配置構造(locking arrangement)を示している。ハウジング46は固定溝3Cを含み、これは真空チューブの外壁の上の突起部4A又は固定爪を収容する。
【0062】
本明細書及び請求の範囲の全体においては(もし存在すれば)、とくに断らない限り、「備える(comprise)」との語、又は「備える(comprises)」もしくは「備えている(comprising)」などといった前記語の変形は、記載された要素又は要素群を含むことを意味するものであり、その他の要素又はその他の要素群を排除するものではないということを理解すべきである。
【0063】
本明細書及び請求の範囲の全体においては(もし存在すれば)、とくに断らない限り、「実質的に(substantially)」との語又は「およそ(about)」との語は、その語によって規定される範囲の値に限定されないということを意味するものと理解すべきである。
【0064】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、前記の実施の形態に対する種々の変形例及び修正例が可能であるということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ハウジング内に部分的に押し付けられている従来の血液採取室を伴った、本発明の第1の実施の形態に係る採血装置を示す断面図である。
【図2】従来の血液採取室がハウジング内に完全に押し付けられて血液を室内に吸引することが可能になった状態における、図1に示す採血装置の断面図である。
【図3】ハウジングとは別体の部材であり、ハウジング内に部分的に押し付けられた状態における針引っ込め装置示す断面図である。
【図4】完全に前側位置に押し付けられ、針保持部と結合し、針保持部をハウジングとの取付部から解放した状態における、図3に示す針引っ込め装置を示す断面図である。
【図5】汚染された針と、針保持部と、針引っ込め装置の一部を構成し針引っ込め装置内に吸い戻されて突き刺し傷を防止するピストンとを示す断面図である。
【図6A】針引っ込め装置がちょうど「起動する」位置にある状態をより詳しく示す断面図である。
【図6B】図6Aに示す針引っ込め装置がもう少し押し付けられた位置における種々の結合及び結合解除の状態を示す断面図である。
【図7A】本発明の第1の実施の形態に係る装置の1つの断面を示す図である。
【図7B】本発明の第1の実施の形態に係る装置の1つの断面を示す図である。
【図7C】本発明の第1の実施の形態に係る装置の1つの断面を示す図である。
【図8】ピストンをより詳しく示す断面図であり、とくにピストンの引っ込め速度を制御するピストンブレーキの態様を示している。
【図9】ハウジング内に部分的に押し付けられている従来の血液採取室を伴った、本発明の第2の実施の形態に係る採血装置を示す断面図である。
【図10】従来の血液採取室がハウジング内に完全に押し付けられて血液を室内に吸引することが可能になった状態における、図9に示す採血装置の断面図である。
【図11】ハウジングとは別体の部材であり、ハウジング内に部分的に押し付けられた状態における針引っ込め装置示す断面図である。
【図12】完全に前側位置に押し付けられ、針保持部と結合し、針保持部をハウジングとの取付部から解放した状態における、図11に示す針引っ込め装置を示す断面図である。
【図13】汚染された針と、針保持部と、針引っ込め装置の一部を構成し針引っ込め装置内に吸い戻されて突き刺し傷を防止するプラグとを示す断面図である。
【図14】針保持部をハウジングから切り離すとともに、針引っ込め装置からプラグを切り離す最初の過程をより詳細に示す断面図である。
【図15】針保持部をハウジングから切り離すとともに、針引っ込め装置からプラグを切り離す最後の過程をより詳細に示す断面図である。
【図16】完全に前側位置にある、針引っ込め装置の断面を示す斜視図である。
【図17】図16に示す図を拡大した、針引っ込め装置の断面を示す斜視図である。
【図18】針引っ込め装置をハウジングに対して固定する固定装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1A 突き刺し針、1B 針保持部、2 血液採取コンテナ、10 ハウジング、11 針保持部、12 両頭針、13 血液採取室、14 前プラグ、15 フランジ、16 カラー。
【技術分野】
【0001】
本発明は、針とハウジングとを有し、真空チューブを用いて血液を採取する(collect)採血装置(blood collecting device)に関するものである。ここで、針は、使用後に、針刺し傷(needlestick injury)が低減又は撲滅されるような態様で引っ込めることができる。本発明は、血液を採取するために使用する場合について説明を行うが、本発明に係る装置はまた、他のタイプの体液を採取するためにも用いることができるということを理解すべきである。
【背景技術】
【0002】
「真空容器(vacutainer)」として一般に知られている装置を用いて、患者から血液を採取するといったことは、非常によく知られた標準的な技術である。このタイプの既知の装置は、ハウジングにぴったり合わされた(fit)両頭針(double ended needle)を有している。ハウジングは、短い注射器の筒体(barrel)に似ている。両頭針は、該針の長い部分がハウジングから外部に伸び、該針の短い部分がハウジングの内部に伸びるといった態様でハウジングにぴったり合わされている。患者から血液を採取するため、針の長い部分は、血管内に挿入される。血液は、試験管に似た、ガラス又はプラスチックでつくることができるコンテナ(容器)の中に採取される。コンテナは、ゴム製のストッパ(又は他の材料でつくられたストッパ)により被覆された開口端を有している。コンテナは、部分的に排気されている(evacuated)。コンテナは、針の内端がゴム製のストッパを突き通る時間が経過するまで、ハウジング内に押し付けられる。コンテナ内の部分的な真空は、血液が針を通ってコンテナ内に吸引されるといった結果を生じさせる。血液の採取が完了したときに、コンテナはハウジングから除去される。この後、血管から針を除去するために、取り付けられた針を含んでいるハウジングは引き戻される。取り付けられた針を含んでいるハウジングは、この後、安全な態様で廃棄することが必要である。しかし、この時点で、(a)針は汚染され、かつ、(b)針がハウジングの前部から突出しているので、突き刺し傷(針刺し傷)が生じる可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、針を引っ込ませて突き刺し傷が生じる可能性を低減しさらには撲滅することを可能にする何らかの形態の機構を有する、上記原理に係る部分的に排気されたコンテナを用いる採血装置を得ることが可能であれば、有利である。
【0004】
先行技術文献がここで参照される場合でも、この参照は、上記文献がオーストラリア又はその他の国の技術分野における普通の一般的な知識の一部をなすことを承認するものではないということを明確に理解すべきである。
【0005】
本発明の目的は、突き刺し傷の可能性を克服又は低減することができる採血装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの形態においては、本発明は、ハウジングと針保持部(needle holder)と針とを備えた採血装置を提供する。ここで、針は、両頭針状(double ended)であり、ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する。針保持部は、針保持部とこれに取り付けられた針とが引っ込むことができるように、ハウジングに対して取り外し可能に(releasably)取り付けられている。
【0007】
もう1つの形態においては、本発明は、上記採血装置と針引っ込め装置(needle retraction device)とを備えた採血装置集合体(blood collection device assembly)を提供する。針引っ込め装置は、ハウジング内に押し入れられて(pushed)、ハウジングから針保持部を解放する(release)とともに、取り付けられた針を含んでいる針保持部を該針引っ込め装置内に引っ込めることができる。
【0008】
この仕様においては、「真空容器」技術とは異ならない仕様で血液を採取することができる。しかしながら、一旦、必要な量の血液を採取した後は、血管から針を単純に引き抜いて厳しい危険(sharps risk)を生じさせる汚染されて突出している針を生じさせることなく、針引っ込め装置がハウジング内に押し入れられ、ハウジングの端部に向かって押し付けられる。この針引っ込め装置は、針保持部(汚染された針を含んでいる)をハウジングから切り離す(decouple)ように機能し、この後針を、突き刺し傷に対して針を保護するように機能する針引っ込め装置内に引っ込める。この技術は、非常に安全であり非常に用いやすく、かつ、汚染された針に接触する可能性がほとんどあり得ないものと考えられる。
【0009】
採血装置は、ハウジングと、針保持部と、一般によく知られた針とを備えている。しかしながら、本発明の一部として、針保持部は、ハウジングに対して取り外し可能に取り付けられ、針保持部が別体の針引っ込め装置に内に引っ込められることができるようになっている。
【0010】
ハウジングは、典型的には、縦長の円柱中空体を備えている。血液採取コンテナは、この円柱中空体に入る(pass)ことができる。円柱中空体は、典型的には、血液採取コンテナをハウジング内に押し入れることを可能にするための開口後端部を有している。ハウジングの前部は、典型的には、針保持部がハウジングの前部に取り付けることが可能な構造(configuration)を有している。典型的には、ハウジングの前部は、小直径で伸びるカラー(collar)を有している。このカラーには、針保持部を該カラーに対して取り外し可能に取り付けることを可能にする係合手段(engagement means)が設けられていてもよい。係合手段は、凹部(recess)を備えていてもよい。凹部は、環状凹部であってもよい。複数の凹部が設けられ、又は該凹部が単一の凹部もしくは複数の凹部であることが予定されている。凹部は、カラーの内壁に沿って伸びる小さい溝を備えていてもよい。これに代えて、係合手段は、1つの突起部(projection)又は複数の突起部を備えていてもよい。
【0011】
典型的には、針保持部に、スチール針を収容するための内部通路(internal passageway)が設けられている。好ましくは、針保持部に、ハウジングと係合するための、とくにカラーと係合するための係合手段が設けられている。カラーの上の係合手段が凹部を備えている場合、針保持部の上の係合手段は、典型的には、凹部と係合して針保持部をカラーに対して、ひいてはハウジングに対して保持することができる突起部を備えている。しかしながら、カラーの上の係合手段が突起部を備えている場合、針保持部の上の係合手段は典型的には凹部を備えている。針保持部の上の係合手段は、複数の突起部、複数の凹部又はこれらの組み合わせを備えていてもよい。しかしながら、典型的には、針保持部の上の係合手段は、突起部を備えていてもよく、典型的にはカラーの上の小さい環状凹部の内部に係合することができる小さい環状リブを備えていてもよい。
【0012】
針保持部は、別体の部品で形成されてもよく、典型的には、2つの部品、すなわち大きい内側部品と小さい外側部品とで形成される。内側部品には、スチール針を収容するともに、針保持部の「主要部(main body)」としてみることができる通路が設けられている。外側部品は、主要部の付近で伸び、又は少なくとも部分的に主要部の付近で伸びる。外側部品には、典型的には係合部材が設けられている。外側部品及び内側部品は、何らかの適切な手段により、一緒に取り付けることができる。
【0013】
針は、この技術分野でよく知られている従来の採血針であってもよい。
【0014】
血液の採取に用いられる血液採取コンテナは、従来の仕様のものであってもよく、これらは典型的には、部分的に排気(真空吸引)され、突き刺し可能な前ストッパが設けられた縦長の中空体を備えていてもよい。コンテナがハウジングを通って押し入れられるのに伴って、針の内側部分は前ストッパを突き通し、コンテナ内の部分的な真空は、血液が針を通ってコンテナ内に吸引される結果を生じさせる。この構成は、よく知られている。
【0015】
針引っ込め装置は、典型的には別体の部品であり、血液採取コンテナ内に十分な血液が採取された後においてのみ、ハウジングに挿入される。このとき、針を安全な態様で引っ込めるのが望ましい。針引っ込め装置は、典型的には、少なくとも部分的にハウジング内に押し入れることができる縦長の本体部を備えている。したがって、縦長の本体部は、実質的には管状である。縦長の本体部は、典型的には、該本体部内に、排気された室を有している。この室の機能は、針と針保持部とを安全な態様で収容することである。
【0016】
排気された室は、典型的には、プラグ(栓)で塞がれた開口前端部を有している。プラグは、典型的には、室に沿ってシールされた状態で滑り運動をすることができる。したがって、プラグには、該プラグを、排気された室の内壁の上でシールすることを可能にするシール手段が設けられている。しかし、プラグは、なお排気された室に沿って滑り運動をすることができる。シール手段は、シールリングを備えていてもよい。プラグそれ自体に内室が設けられ、この内室は、ハウジング内で伸びる針の一部を収容するように機能する。この内室は、排気する必要はない。要望があれば、プラグの前部は、突き通し可能な、又は破損しやすい壁を有していてもよい。
【0017】
プラグは、該プラグが、部分的に排気された室内に吸い戻されるのを防止するために、針引っ込め装置の本体部に対して取り外し可能に取り付けられていてもよい。典型的には、プラグは、本体部に取り付ける弾性的な部材又は部分を備えた取り外し可能な係合手段を含んでいる。しかしながら、係合手段が自由な位置に移動する際に、プラグは、本体部から解放され、部分的に排気された室内に吸い戻される(sucked back)であろう。
【0018】
針引っ込め装置、及びとくに針引っ込め装置の前部の構成及び配置形態(arrangement)は、以下のとおりである。すなわち、該装置がハウジング内に押し入れられてハウジングの内端に押し付けられたときに、プラグ及び典型的にはプラグ上の係合手段が針保持部と結合し、この結合運動(coupling motion)がまた、針保持部をハウジングから解放する。さらに、この結合運動は、プラグを針引っ込め装置の本体部から解放する。かくして、プラグは、排気された室内に吸い戻される。そして、プラグが針保持部に取り付けられるのに伴って、針保持部が室内に吸い戻される結果を生じさせるであろう。
【0019】
好ましくは、一旦針が針引っ込め装置内に吸い戻された後、ハウジング内の針引っ込め装置を固定するために固定手段(locking means)が設けられている。固定手段は、針引っ込め手段がハウジングから引き抜かれるのを防止するよう機能する。この後、集合体全体が安全な態様で廃棄される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の2つの実施の形態を具体的に説明する。
【0021】
まず、図面中の図9〜図18に示す第2の実施の形態を参照しつつ、本発明を説明する。とくに、図9及び図10は、本発明の実施の形態に係る採血装置をよく示している。基本的には、採血装置は、3つの主要部分、すなわちハウジング10と、針保持部11と、両頭針12とを備えている。これらの図にはまた、血液採取室13(blood collection chamber)も記載されている。この血液採取室13は普通の仕様のものであり、部分的に排気された(partially evacuated)室本体を備えている。この室本体は前栓ないしは前プラグ14(forward plug)でシールされている。この前プラグ14は、針12の内側部分で突き通すことができるようになっている。
【0022】
ハウジング10は、管の形態のものであって、典型的にはプラスチック材料でつくられ、外向きに広がるフランジ15を備えた後部を有している。フランジ15は、後でより詳しく説明する針引っ込め装置を片手で操作するのを助ける機能を有する。しかしながら、フランジ15は、注射器のフランジに非常によく似ている。ハウジング10は、全体的に中空である。血液採取室13は、針12の内側の端部に向かってハウジング内に入ることができるようになっている。
【0023】
ハウジング10の前部には、後で図14及び図15を参照しつつより詳しく説明する伸長カラー16(extending collar)が設けられている。カラー16(環状部材)は、ハウジング10の前部(前端面)から実質的に垂直に伸びる第1環状部17を有している。第1環状部17は、第2環状部18に伸びている。第2環状部18は、テーパ状(先細り状)であり、第3環状部材19に伸びている。第3環状部19は、再びハウジング10の前部に対して垂直となっている。第1環状部材17には、小さい内部環状溝20が設けられている。この環状溝20は、針保持部11をカラー16に係合させる係合部の一部を形成している。
【0024】
特定の実施の形態においては、針保持部11は、2つの部品(パーツ)、すなわち大きい内側部品21と、小さい外側部品22とで形成されている。内側部品21は、スチール製の針12を収容する通路(passageway)を含んでいる。外側部品22は、内側部品21の内側で伸び、針に係る全集合体をカラー16に対して取り外し可能に取り付ける係合手段を収容している。とくに、外側部品22には、図15中に最もよく示されている環状のフランジ23が設けられている。フランジ23は、第2の部分18及び第1の部分17の内壁に対して伸びている。フランジ23は、カラー16の内壁に対して押し付ける付勢部(bias)をもつようにつくられている。第1の部分17の内壁に対して押し付けるフランジ23の部分には、第1の部分17の上にある溝20と係合する小さい伸長リブ24が設けられている。かくして、この配置構造(arrangement)は、針保持部11をカラー16に対して保持する。しかしながら、フランジ23は、小さい角度付けられたリップ25(lip)内で終端している。リップ25は、カラー16との結合部(junction)及びハウジング10の残部からやや離間して突出し、非常に小さいが重要な隙間(gap)を形成している。この構成は、針引っ込め装置によって針保持部11をハウジング10から分離するのを促進するようになっている。なお、そのより詳細な事項は後で説明する。
【0025】
かくして、フランジ23が妨害されず(not interfered)、又は操作される(manipulated)限り、針保持部11はカラー16に取り付けられた状態を保持する結果となる。
【0026】
この構成でもって、血液採取室13(図9参照)を、ハウジング内において、針12の内側部分に押し付けることができる。さらに、針12の内側部分に押し付けて(図10参照)、室13のプラグ14を突き通し、針12を室13内の部分的な真空(partial vacuum)にさらすことができる。部分的な真空は、血液を針を通して吸引して室内に入らせる結果となる。一旦、室13がシールされ、又は所望の量の血液を採取したときには、室13をハウジング10から単純に引き抜くことができる。場合によっては、このような室を複数用いて、より大量の血液を採取することも可能である。
【0027】
一旦、すべての血液を採取すれば、本発明の次のステップで、針12を引っ込めて(retract)、針刺し損傷(needlestick injury)を防止することを可能にする。これは、別体の装置、すなわち針引っ込め装置28を必要とする。この針引っ込め装置28は、図11〜図13に示されている。基本的には、針引っ込め装置28は、部分的に排気された(partially evacuated)室30を有する縦長の本体部29を備えている。針引っ込め装置28の後部には、親指又は掌で押圧することができる押圧可能部31(depressible chamber)が設けられ、針引っ込め装置28をハウジング10内に押し付けるのを促進するようにしている。室30の前部は開口しているが、プラグ32によってシールされている。プラグ32は、シール状態を保ったままで室30内に吸い戻されることが可能な構造となっている。したがって、プラグ32の外壁は、環状のシールリブ33(図15参照)を備えている。これは、注射器のプランジャと異ならない。しかしながら、プラグ32は、本体部29に取り外し可能に固定することにより、部分的に排気された室30内に吸い戻されるのを防止することができる。とくに、図14に明瞭に示すように、プラグ32には、弾性を有し、本体部29の内壁に対して自然に付勢される環状フランジ34が設けられている。環状フランジ34の最も外側の縁部には、全体的には「矢(arrow)」形である当接部35(abutment)が設けられている。当接部35は、本体部29の前縁部に当接する(abut)面を有し、これにより、プラグを本体部29に対して固定し、排気された室30内にプラグが吸い戻されるのを阻止する。したがって、当接部35が本体部29の前縁部と係合する限り、プラグが室内に吸い戻されることはない。
【0028】
プラグ32自体には内室36が設けられている。この内室36の機能は、針12の内側部分を収容することである。なお、これは、図11に最も明瞭に示されている。プラグ32の前部を覆う小さいシール膜37が設けられ、これは針12の内端部によって突き通すことができる。プラグ32の内室36は排気されず、シール膜37はそこに清浄な終端部(finish)を生成し、異物が室内に入るのを防止する。
【0029】
針引っ込め装置28がハウジング10内に挿入され、ハウジング10の端部から完全に離反するように押された(pushed)ときに、汚染された針及び針保持部は、以下で説明するように、室30内に吸い戻される。
まず、とくに図14及び図15に示すように、本体部29の前部がハウジング10の内端に近づくのに伴って、環状フランジ34の縁部の上の当接部35が、ハウジング10の第1の部分17と残部との間の内側縁部に接触し始める。そして、(図14図及び図15に最も明瞭に示されているように)この内側縁部40は、反らされる(ramped)。さらに、当接部35の形状は、本体部29のさらに前方への移動が、当接部35を、反らされた内側縁部40に沿って寄りかからせ、内向きに押されるようなものとされる。当接部35は、内向きに押圧される(pressed)ので、本体部29との係合から解放されるようになる。したがって、プラグ32は、本体部29から解放されるようになる。これと同時に、当接部35の内向きの移動は、該当接部35を、針保持部11の一部を形成している環状フランジ23の自由端の上に存在する小さいリップ25と係合させる。さらに、小さいリップ25との係合に加えて、内向きの移動はまた、環状フランジ23を内向きに移動させる結果ともなる。そして、これは小さいリブ24を、溝24との係合から解放する。かくして、針保持部11は、ハウジング10との係合から切り離され又は解放され、さらにプラグ32は本体部29から切り離され又は解放される。ここで、真空の内室30は、プラグ32を室内に吸い戻すといった結果を生じさせる。ここで、プラグ32が針保持部11に結合されるのに伴って、針保持部11もまた室内に吸い戻される。この最終的な位置は、図13に示されている。図13に示すように、針保持部(汚染された針を伴っている)が室内に吸い戻されたときに、針は完全に本体部29によって遮蔽される(shielded)。
【0030】
しかしながら、さらに安全性を高めるために、一旦図12又は図13に示す位置ないしは状態が実現され、これにより針引っ込め装置28を除去することができなくなったときには、針引っ込め装置28をハウジング10に対して固定するのが好ましい。これは、図18に最も明瞭に示されている小さい固定構造42(locking arrangement)によって実現することができる。この固定構造42は、小さい外向きに付勢されたリブ43を備えている。このリブ43は、本体部29の一部を形成し、ハウジング10の一部を形成する小さいスロット44(slot)と係合している。かくして、針引っ込め装置28がハウジング10内に完全に押し入れられる(pushed)のに伴って(図12及び図13参照)、リブ43は外向きに飛び出して(spring)スロット44と係合する。そして、針引っ込め装置は、ハウジング10から引っ込むことができなくなる。
【0031】
以下、図1〜図8に示す本発明の第1の実施の形態を説明する。これらの図に示す採血装置は、第2の実施の形態に関して説明したのと同様の原理で動作するが、いくつかの相違点を含んでいる。
【0032】
図1〜図5は、採血装置の全体的な動作(operation)を示している。他方、図6〜図8は、第1の実施の形態の特有の特徴を、より詳しく示している。
【0033】
とくに、図1は、開口後端部を有するハウジング46を示している。従来の引き抜かれた血液を採取するコンテナ2は、開口後端部を通り抜けることができる。このコンテナ2は、第2の実施の形態において示されたものと同様である。ハウジング46の前部は、針保持部集合体(needle holder assembly)を備えている。この針保持部集合体は、この特定の実施の形態では、2つの別体の部品、すなわち内側針保持部1Bと、外側鼻状部2(nosepiece)とを備えている(図6A参照)。
【0034】
両頭スチール突き刺し針1Aは、内側針保持部1Bを通って、ハウジング46の内部に伸びている。これは、第2の実施の形態に関して説明したものと異ならない。ハウジング46内に伸びている突き刺し針1Aの一部は、可撓性を有する保護管45(protective flexible sheath)によって被覆され、使用直前まで針を無効状態に(sterile)保つ。
【0035】
図1は、ハウジング46の開口後端部内に押し入れられ(pushed)、針1Aの後部とほぼ係合している血液採取コンテナ2を示している。
【0036】
図2は、血液採取コンテナ2がさらに前向きに移動した状態を示している。ここで、絵血液採取コンテナ2は、十分な力でもって針1Aに押し付けられ、針1Aは、コンテナ2の前端部のシール栓(sealing bung)を通り抜けている。ここで、コンテナ2内の真空は、血液又はその他の体液を、針1Aを通してコンテナ2内に吸引させる結果となる。この配置構造(arrangement)はまた、保護管45が押しのけられて(pushed away)針1Aを露出させる結果となる。そして、図2に示すように、この保護管45は、シール栓の拡大部(enlargement)内に収容されている。
【0037】
図3〜図5は、動作中における針引っ込め装置47を示している。針引っ込め装置47は、別体の部材であり、血液採取コンテナ2が血液で満たされてハウジング46から除去された後に、ハウジング46の後部に押し入れられる。
【0038】
針引っ込め装置47は、ある程度は、第2の実施の形態に関して説明したものと類似し、中空であって真空下にある縦長の本体部を備えている。針引っ込め装置47の前部は、鼻状部2(nosepiece)と結合して(couple with)鼻状部を引っ込めることができ、したがって取り付けられた針1Aを、針引っ込め装置47の内部の安全圏(safety)内に戻すピストン集合体(piston assembly)を備えている。
【0039】
かくして、図3においては、針引っ込め装置47は、ハウジング46内に挿入され、汚染された針1Aに向かって前向きに押されている。
【0040】
図4においては、針引っ込め装置47は、鼻状部2の後部に対して押しつけられ、鼻状部をハウジング46の前部から切り離す(decouple)過程にある(後で、より詳しく説明する。)。
【0041】
図5においては、後でより詳しく説明するように、針引っ込め装置47は、取り付けられた針保持部1Bと取り付けられた針1Aとを含む鼻状部を、装置内の真空の作用により装置内に引っ込めている。
【0042】
図6Aは、切り離し動作をより詳しく説明しており、とくに、針引っ込め装置47が鼻状部2を切り離す時点の直前における針引っ込め装置47の前部を示している。
【0043】
とくに、ハウジング46は、切り離し動作(decoupling process)を助勢するために、内部の傾斜部3Bと一緒にモールド成形されている。ハウジング46の前部は、小さい頭部48(図5参照)含み、さらに少なくとも鼻状部2の一部と、針保持部1Bと、取り付けられた突き刺し針1Aとを含んでいる(contain)。
【0044】
基本的には、針保持集合体(needle holding assembly)は、3つの部品、すなわち鼻状部2と針保持部1Bと突き刺し針1Aとを備えている。
【0045】
鼻状部2は、外側の部材(outer member)であり、実質的に中空であり、実質的に鼻状部2内に着座している(sit)針保持部1Bを収容している。針保持部1Bは、突き刺し針1Aを収容するための従来の内部通路(internal passageway)を含んでいる。
【0046】
鼻状部2は、「矢じり形(arrowhead)」の形状の部分が設けられたフィンガ部材(finger member)を備えた複数の保持爪2B(retaining claw)を含んでいる。1つの部分は、フィンガ部材の端部に存在し、他の部分はフィンガ部(finger portion)の長さの中間に位置している。
【0047】
図6Bに示すように、中間の矢じり形の部分は、ハウジング46の一部を形成する傾斜部3B(ramp)の後部に対して隣接ないしは当接している(abut)。そして、この配置構造は、針保持集合体がハウジング内に引っ込められるのを防止する。
【0048】
針保持集合体がハウジングの前部で引き出されるのを防止するために、ハウジング46内に鼻状部保持溝3A(nosepiece retaining groove)が設けられている。中間の矢じり形の部分は鼻状部保持溝内に入っている。かくして、中間の矢形の頭部は、鼻状部を保持するように機能し、したがって針保持集合体全体がハウジング46内に押されてハウジング46の前部から引き出されるのを防止する。回転防止キー2A(anti-spin key)も設けられている。
【0049】
したがって、保持爪2B(中間の矢形の部分を含む)が移動させられるまで、針保持集合体は所定の位置に固定される。
【0050】
針引っ込め装置47の前部は、開かれているが、特定の形態(configuration)を有するピストン集合体(piston assembly)によって閉じられている。図6Aに示すように、ピストン集合体は、固体材料(典型的にはプラスチック)でつくられた全体的には中空円柱形のピストン5を備えている。ピストン5は、複数のシールリング5Bを含む外側ゴムカバーを含んでいる。その機能は、針引っ込め装置47の引き抜かれた主要部(main body)とピストンとの間に真空に対して堅固なシールを保持することである。
【0051】
外側ゴムカバーはまた、外向きに広がるさらなるリング5Cを含んでいる。このリング5Cは、針引っ込め装置の内壁にグリップし、ないしは引っかかり(grip)、針引っ込め装置内へのピストンの引っ込みを制御するための「ブレーキ」又は「速度制御部」として動作する機能を有する。この追加部分なしで説明するために、ピストンの引っ込め動作は、まったく突然のものであってもよい。また、装置を用いている人に警告を与えることができる。外向きに伸びているリング5Cは、針引っ込め装置の内壁に対してピストンの摩擦グループ(frictional group)を増加させることにより、ピストンの引っ込め速度を低下させる機能を有する。
【0052】
前記のとおり、ピストン5は、全体的には中空であり、(汚染された)突き刺し針1Aの内端及び保護管45を収容している。しかしながら、ピストン5の内部は、ゴムやその他の材料などの、何らかの柔軟材料5Dを含んでいる。この柔軟材料は、突き刺し針1Aの内端によって突き通されることができる。これは、図6Aに示されている。かくして、針引っ込め装置が起動されて(triggered)針を該装置内に引っ込める前に(これは、図6Aに示された位置ないしは状態である。)、突き刺し針の内端は、柔軟材料5D内に入る。ここで、柔軟材料は、針に栓をして、引っ込め動作時に血液のしぶきが飛び散るのを防止する機能を有する。
【0053】
ピストン5の前部は、複数の引っ込め爪2C(withdrawal claw)を含んでいる。これらの爪は、前向きに伸びるフィンガを備えている。これらのフィンガは、各フィンガの端部に矢じり形の突起部(projection)を含んでいる。図6Aを参照すれば、これらの引っ込め爪2Cはまた、針引っ込め装置47の前部と係合し、したがって針引っ込め装置内へピストンが引っ込まないように固定するということが分かるであろう。かくして、これらの引っ込み爪が移動させられるまで、ピストンは引っ込みに対して固定される。
【0054】
起動(triggering)の直前においては、針引っ込め装置は、図6Aに示す位置ないしは状態にある。この位置では、引っ込め爪2Cは、鼻状部2の上にある保持爪2Bにちょうど接触している(touch)。
【0055】
図6Bは、ピストンが針引っ込め装置から切り離される起動位置を示している。この位置ないしは状態では、針引っ込め装置内の真空によりピストンを吸い戻すことができる。そして、鼻状部は、ハウジング46の前部から切り離され、ピストン5に取り付けられる。ここで、ピストン5の引っ込みはまた、鼻状部の引っ込み、ひいてはこれに取り付けられた、汚染された突き刺し針1Aの引っ込みを生じさせる。
【0056】
針引っ込め装置が軽くハウジング46内にさらに押されるのに伴って、引っ込め爪2Cは、各保持爪2Bの端部の上の矢じり形の突起部と係合し、保持爪を内向きに押し始める。この動作は、保持爪2Bの上の中間の突起部に、ハウジング46に対する隣接ないしは当接(abutment)を解除させる結果を生じさせる。また、中間の突起部が鼻状部保持溝3Aを出る(exit)結果を生じさせる。かくして、鼻状部2は、ハウジング46との係合から解放され、自由な状態となる。
【0057】
しかしながら、これと同時に、引っ込め爪2Cは、保持爪2Bに対して固定状態となる。このとき、鼻状部2は、ピストン5に対して固定される。このピストンは、図6B中によく示されている。
【0058】
これと同時に又はおよそ同時に、ピストンの上の引っ込め爪2Cは、ハウジング46の一部を形成する傾斜部3Bの上に乗る(ride)。そうすることにより、爪は内向きに押され、したがって針引っ込め装置47の前部とはもはや係合しない。傾斜部3Bはまた、引っ込め爪2Cが保持爪2Bに対して適切に固定されることを確実化する機能を有する。
【0059】
かくして、この配置構造によれば、ピストン5が針引っ込め装置47から解放された状態となり、鼻状部2はハウジング46に対する係合から解放された状態となり、ピストン5は鼻状部2に対して固定された状態となる。
【0060】
ここで、針引っ込め装置47内の真空は、図5中に明瞭に示されているように、該装置の後部内にピストン5を吸い戻す機能を有する。このとき、汚染された針は、完全に安全な状態となる。
【0061】
図7A〜図7Cは、真空チューブ(血液採取コンテナ2)をハウジング46に対して一時的に固定するための固定配置構造(locking arrangement)を示している。ハウジング46は固定溝3Cを含み、これは真空チューブの外壁の上の突起部4A又は固定爪を収容する。
【0062】
本明細書及び請求の範囲の全体においては(もし存在すれば)、とくに断らない限り、「備える(comprise)」との語、又は「備える(comprises)」もしくは「備えている(comprising)」などといった前記語の変形は、記載された要素又は要素群を含むことを意味するものであり、その他の要素又はその他の要素群を排除するものではないということを理解すべきである。
【0063】
本明細書及び請求の範囲の全体においては(もし存在すれば)、とくに断らない限り、「実質的に(substantially)」との語又は「およそ(about)」との語は、その語によって規定される範囲の値に限定されないということを意味するものと理解すべきである。
【0064】
本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、前記の実施の形態に対する種々の変形例及び修正例が可能であるということを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】ハウジング内に部分的に押し付けられている従来の血液採取室を伴った、本発明の第1の実施の形態に係る採血装置を示す断面図である。
【図2】従来の血液採取室がハウジング内に完全に押し付けられて血液を室内に吸引することが可能になった状態における、図1に示す採血装置の断面図である。
【図3】ハウジングとは別体の部材であり、ハウジング内に部分的に押し付けられた状態における針引っ込め装置示す断面図である。
【図4】完全に前側位置に押し付けられ、針保持部と結合し、針保持部をハウジングとの取付部から解放した状態における、図3に示す針引っ込め装置を示す断面図である。
【図5】汚染された針と、針保持部と、針引っ込め装置の一部を構成し針引っ込め装置内に吸い戻されて突き刺し傷を防止するピストンとを示す断面図である。
【図6A】針引っ込め装置がちょうど「起動する」位置にある状態をより詳しく示す断面図である。
【図6B】図6Aに示す針引っ込め装置がもう少し押し付けられた位置における種々の結合及び結合解除の状態を示す断面図である。
【図7A】本発明の第1の実施の形態に係る装置の1つの断面を示す図である。
【図7B】本発明の第1の実施の形態に係る装置の1つの断面を示す図である。
【図7C】本発明の第1の実施の形態に係る装置の1つの断面を示す図である。
【図8】ピストンをより詳しく示す断面図であり、とくにピストンの引っ込め速度を制御するピストンブレーキの態様を示している。
【図9】ハウジング内に部分的に押し付けられている従来の血液採取室を伴った、本発明の第2の実施の形態に係る採血装置を示す断面図である。
【図10】従来の血液採取室がハウジング内に完全に押し付けられて血液を室内に吸引することが可能になった状態における、図9に示す採血装置の断面図である。
【図11】ハウジングとは別体の部材であり、ハウジング内に部分的に押し付けられた状態における針引っ込め装置示す断面図である。
【図12】完全に前側位置に押し付けられ、針保持部と結合し、針保持部をハウジングとの取付部から解放した状態における、図11に示す針引っ込め装置を示す断面図である。
【図13】汚染された針と、針保持部と、針引っ込め装置の一部を構成し針引っ込め装置内に吸い戻されて突き刺し傷を防止するプラグとを示す断面図である。
【図14】針保持部をハウジングから切り離すとともに、針引っ込め装置からプラグを切り離す最初の過程をより詳細に示す断面図である。
【図15】針保持部をハウジングから切り離すとともに、針引っ込め装置からプラグを切り離す最後の過程をより詳細に示す断面図である。
【図16】完全に前側位置にある、針引っ込め装置の断面を示す斜視図である。
【図17】図16に示す図を拡大した、針引っ込め装置の断面を示す斜視図である。
【図18】針引っ込め装置をハウジングに対して固定する固定装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1A 突き刺し針、1B 針保持部、2 血液採取コンテナ、10 ハウジング、11 針保持部、12 両頭針、13 血液採取室、14 前プラグ、15 フランジ、16 カラー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き抜かれた血液を採取するチューブを収容するように構成された開口後端部と、前端部とを有するハウジングと、
上記前端部に配設された針保持部と、
上記針保持部に取り付けられ、両頭針状であり、上記ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、上記ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する針とを備えていて、
上記針保持部は、該針保持部とこれに取り付けられた上記針とが引っ込むことができるように、上記ハウジングに対して取り外し可能に取り付けられ、
さらに、針引っ込め装置を備えていて、該針引っ込め装置は、上記ハウジング内に押し入れられて、該ハウジングから針保持部を解放させるとともに、取り付けられた上記針を収容している上記針保持部を該針引っ込め装置内に引っ込めることができるように構成され、
上記針保持部は、上記ハウジングと係合して該針保持部を上記ハウジングに対して保持する少なくとも1つのフィンガ部材を含み、
上記フィンガ部材は、該フィンガ部材が上記針保持部を上記ハウジングに対して保持する固定位置と、上記針保持部が上記ハウジング内に引っ込められることができる解放位置との間で屈曲可能となっていることを特徴とする採血装置。
【請求項2】
上記針保持部が、少なくとも2つの部品で構成される集合体を備えていて、
第1の部品は、内側部品であり、通路を備えていて、穿刺針が上記通路を通って伸びて該穿刺針を該内側部品にぴったり合わせることができ、
第2の部品は、外側の鼻状部を備えていて、上記少なくとも1つのフィンガ部材が上記鼻状部に対して取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の採血装置。
【請求項3】
上記針引っ込め装置は、真空を保持するとともに開口端部を有する縦長の中空体を備えるとともに、
上記縦長の中空体の上記開口端部を閉止し、上記中空体内において滑り運動を行うことができるように構成され、上記開口端部に対して取りはずし可能に取り付けられたピストンを備えていることを特徴とする、請求項2に記載の採血装置。
【請求項4】
上記ピストンは、上記中空体の1つの端部に対して上記ピストンを取りはずし可能に取り付ける少なくとも1つのフィンガ部材を備えていて、
上記フィンガ部材は、上記ピストンが上記中空体に取り付けられる固定位置と、上記ピストンが真空の影響下で上記中空体内に引っ込められることができる解放位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の採血装置。
【請求項5】
上記ピストン上の上記少なくとも1つのフィンガ部材は上記ピストンから前向きに伸び、上記針保持部上の上記少なくとも1つのフィンガ部材は後向きに伸び、
上記針引っ込め装置が上記針保持部の後部に対して押し付けられるのに伴って、上記ピストン上の上記少なくとも1つのフィンガ部材は上記針保持部上の上記少なくとも1つのフィンガ部材を解放し、上記針保持部上の上記少なくとも1つのフィンガ部材と係合することを特徴とする、請求項4に記載の採血装置。
【請求項6】
上記ハウジングには、該ハウジングの前部に形成された傾斜部が設けられ、
上記針引っ込め装置が上記針保持部の後部に対して押し付けられたときに、上記傾斜部は上記ピストン上の上記少なくとも1つのフィンガ部材と当接し、
上記少なくとも1つのフィンガ部材は、上記傾斜部に沿って寄りかかり、該少なくとも1つのフィンガ部材を、上記中空体との係合から解放し、取り付けられた上記針保持部を収容している上記ピストンが、真空の影響下において上記中空体内に引っ込められることを特徴とする、請求項5に記載の採血装置。
【請求項7】
上記ピストンは突き刺し可能な材料を含み、
上記突き刺し可能な材料は、上記針引っ込め装置が上記針保持部の後部に対して押し付けられて上記針の内端部を封止したときに、上記針の内端部によって突き刺されるようになっていることを特徴とする、請求項6に記載の採血装置。
【請求項8】
上記ピストンは、上記中空体内への該ピストンの引っ込め速度を制御する速度制御部を含み、
上記制御部は、上記ピストンから伸び、上記中空体とシールを保って係合して上記中空体上での上記ピストンの摩擦力を増加させるシール部材を含むことを特徴とする、請求項7に記載の採血装置。
【請求項9】
引き抜かれた血液を採取するチューブを収容するように構成された開口後端部と、前端部とを有するハウジングと、
上記前端部に配設された針保持部と、
上記針保持部に取り付けられ、両頭針状であり、上記ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、上記ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する針とを備えていて、
上記針保持部は、該針保持部とこれに取り付けられた上記針とが引っ込むことができるように、上記ハウジングに対して取りはずし可能に取り付けられ、
上記針保持部は、上記ハウジングと係合して該針保持部を上記ハウジングに対して保持する少なくとも1つのフィンガ部材を含み、
上記フィンガ部材は、該フィンガ部材が上記針保持部を上記ハウジングに対して保持する固定位置と、上記針保持部が上記ハウジング内に引っ込められることができる解放位置との間で屈曲可能となっていることを特徴とする採血装置。
【請求項10】
引き抜かれた血液を採取するチューブを収容するように構成された開口後端部と、前端部とを有するハウジングと、
上記前端部に配設された針保持部と、
上記針保持部に取り付けられ、両頭針状であり、上記ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、上記ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する針とを備えていて、
上記針保持部は、該針保持部が積極的な固定動作を用いて摩擦係合により上記ハウジングに解放可能に取り付けられている条件下では、該針保持部とこれに取り付けられた上記針とが引っ込むことができるように、上記ハウジングに対して解放可能に取り付けられていることを特徴とする採血装置。
【請求項1】
引き抜かれた血液を採取するチューブを収容するように構成された開口後端部と、前端部とを有するハウジングと、
上記前端部に配設された針保持部と、
上記針保持部に取り付けられ、両頭針状であり、上記ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、上記ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する針とを備えていて、
上記針保持部は、該針保持部とこれに取り付けられた上記針とが引っ込むことができるように、上記ハウジングに対して取り外し可能に取り付けられ、
さらに、針引っ込め装置を備えていて、該針引っ込め装置は、上記ハウジング内に押し入れられて、該ハウジングから針保持部を解放させるとともに、取り付けられた上記針を収容している上記針保持部を該針引っ込め装置内に引っ込めることができるように構成され、
上記針保持部は、上記ハウジングと係合して該針保持部を上記ハウジングに対して保持する少なくとも1つのフィンガ部材を含み、
上記フィンガ部材は、該フィンガ部材が上記針保持部を上記ハウジングに対して保持する固定位置と、上記針保持部が上記ハウジング内に引っ込められることができる解放位置との間で屈曲可能となっていることを特徴とする採血装置。
【請求項2】
上記針保持部が、少なくとも2つの部品で構成される集合体を備えていて、
第1の部品は、内側部品であり、通路を備えていて、穿刺針が上記通路を通って伸びて該穿刺針を該内側部品にぴったり合わせることができ、
第2の部品は、外側の鼻状部を備えていて、上記少なくとも1つのフィンガ部材が上記鼻状部に対して取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の採血装置。
【請求項3】
上記針引っ込め装置は、真空を保持するとともに開口端部を有する縦長の中空体を備えるとともに、
上記縦長の中空体の上記開口端部を閉止し、上記中空体内において滑り運動を行うことができるように構成され、上記開口端部に対して取りはずし可能に取り付けられたピストンを備えていることを特徴とする、請求項2に記載の採血装置。
【請求項4】
上記ピストンは、上記中空体の1つの端部に対して上記ピストンを取りはずし可能に取り付ける少なくとも1つのフィンガ部材を備えていて、
上記フィンガ部材は、上記ピストンが上記中空体に取り付けられる固定位置と、上記ピストンが真空の影響下で上記中空体内に引っ込められることができる解放位置との間で移動可能であることを特徴とする、請求項3に記載の採血装置。
【請求項5】
上記ピストン上の上記少なくとも1つのフィンガ部材は上記ピストンから前向きに伸び、上記針保持部上の上記少なくとも1つのフィンガ部材は後向きに伸び、
上記針引っ込め装置が上記針保持部の後部に対して押し付けられるのに伴って、上記ピストン上の上記少なくとも1つのフィンガ部材は上記針保持部上の上記少なくとも1つのフィンガ部材を解放し、上記針保持部上の上記少なくとも1つのフィンガ部材と係合することを特徴とする、請求項4に記載の採血装置。
【請求項6】
上記ハウジングには、該ハウジングの前部に形成された傾斜部が設けられ、
上記針引っ込め装置が上記針保持部の後部に対して押し付けられたときに、上記傾斜部は上記ピストン上の上記少なくとも1つのフィンガ部材と当接し、
上記少なくとも1つのフィンガ部材は、上記傾斜部に沿って寄りかかり、該少なくとも1つのフィンガ部材を、上記中空体との係合から解放し、取り付けられた上記針保持部を収容している上記ピストンが、真空の影響下において上記中空体内に引っ込められることを特徴とする、請求項5に記載の採血装置。
【請求項7】
上記ピストンは突き刺し可能な材料を含み、
上記突き刺し可能な材料は、上記針引っ込め装置が上記針保持部の後部に対して押し付けられて上記針の内端部を封止したときに、上記針の内端部によって突き刺されるようになっていることを特徴とする、請求項6に記載の採血装置。
【請求項8】
上記ピストンは、上記中空体内への該ピストンの引っ込め速度を制御する速度制御部を含み、
上記制御部は、上記ピストンから伸び、上記中空体とシールを保って係合して上記中空体上での上記ピストンの摩擦力を増加させるシール部材を含むことを特徴とする、請求項7に記載の採血装置。
【請求項9】
引き抜かれた血液を採取するチューブを収容するように構成された開口後端部と、前端部とを有するハウジングと、
上記前端部に配設された針保持部と、
上記針保持部に取り付けられ、両頭針状であり、上記ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、上記ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する針とを備えていて、
上記針保持部は、該針保持部とこれに取り付けられた上記針とが引っ込むことができるように、上記ハウジングに対して取りはずし可能に取り付けられ、
上記針保持部は、上記ハウジングと係合して該針保持部を上記ハウジングに対して保持する少なくとも1つのフィンガ部材を含み、
上記フィンガ部材は、該フィンガ部材が上記針保持部を上記ハウジングに対して保持する固定位置と、上記針保持部が上記ハウジング内に引っ込められることができる解放位置との間で屈曲可能となっていることを特徴とする採血装置。
【請求項10】
引き抜かれた血液を採取するチューブを収容するように構成された開口後端部と、前端部とを有するハウジングと、
上記前端部に配設された針保持部と、
上記針保持部に取り付けられ、両頭針状であり、上記ハウジングから外部に突出する第1の端部(外端部)と、上記ハウジングの内部に突出する第2の端部(内端部)とを有する針とを備えていて、
上記針保持部は、該針保持部が積極的な固定動作を用いて摩擦係合により上記ハウジングに解放可能に取り付けられている条件下では、該針保持部とこれに取り付けられた上記針とが引っ込むことができるように、上記ハウジングに対して解放可能に取り付けられていることを特徴とする採血装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2007−518495(P2007−518495A)
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−549781(P2006−549781)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000063
【国際公開番号】WO2005/070292
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506034880)メディガード・リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】MEDIGARD LIMITED
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【国際出願番号】PCT/AU2005/000063
【国際公開番号】WO2005/070292
【国際公開日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(506034880)メディガード・リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】MEDIGARD LIMITED
【Fターム(参考)】
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