説明

血清グルコースの減少方法

【課題】血清グルコースの減少方法、血清グルコースの減少用組成物を提供すること。
【解決手段】セベラマーまたはその塩を含有してなる、血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少用組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血清グルコースの減少方法、血清グルコースの減少用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
非糖尿病性高血糖症(高血中グルコース濃度)は、心血管リスクの指標である(非特許文献1)。約1600万人のアメリカ人は、2型糖尿病を有する。2型および1型糖尿病の両方を患う個体は、インスリン調節問題のために上昇した血糖レベルを有する。厳重な血中グルコース調節を行なう糖尿病を患う個体は、糖尿病性網膜症(失明をもたらす状態)、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューローパシーおよびアテローム性動脈硬化症を含む糖尿病の血管合併症を発現するリスクを実質的に減少しうる。
【0003】
血中グルコース濃度を調節する現在の方法は、インスリン注射、スルホニル尿素、グルコファージ(glucophage)(ビグアニド薬物)、α−グルコシダーゼインヒビター、およびチアゾリジンジオンの経口投与を含む。これらの治療には、深刻な副作用を有するものもある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Balkan, B. ら、21 Diabetes Care, 360(1998)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、血清グルコースの減少方法、血清グルコースの減少用組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕セベラマーまたはその塩を含有してなる、血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少用組成物、
〔2〕血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少用医薬の製造のためのセベラマーまたはその塩の使用、
〔3〕セベラマーまたはその塩が1日あたり0.1g〜10gの範囲で患者に投与するためのものである〔2〕記載の使用、
〔4〕セベラマーまたはその塩が1日あたり3g〜6gの範囲で患者に投与するためのものである〔2〕記載の使用、
〔5〕セベラマーまたはその塩が1日あたり0.1g〜10gの範囲で患者に投与するためのものである〔1〕記載の組成物、
〔6〕セベラマーまたはその塩が1日あたり3g〜6gの範囲で患者に投与するためのものである〔1〕記載の組成物
に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、血清グルコースの減少方法、血清グルコースの減少用組成物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の要旨
本発明は、セベラマー塩酸塩およびコレセベラムなどの脂肪族アミンポリマーが、胃腸管への投与の際に血清グルコースレベルを低下させるという発見に関する。そういうものとして、本発明は、グルコースに結合するポリマー、またはさもなければ投与の際の間接的な結果としてグルコースレベル低下効果を有する(すなわち、グルコース結合に依存しない)ポリマーなどの血清グルコースレベルを低下させるポリマーを用いた高血中グルコースレベルの治療に関する。本発明の1つの態様は、糖尿病を患う個体における血清グルコースレベルを低下するための治療を含む;別の態様は、高血糖症を患う非糖尿病個体のための治療を含む。
【0009】
本発明は、グルコースおよびグルコースの前駆体に結合し、その吸収(または再吸収)を妨げるポリマーまたはさもなければ血清グルコース減少効果を生じるポリマーの使用を含む。グルコースに結合しうる官能基は、ポリマー骨格、好ましくは吸収を妨げるのに十分な分子量のポリマーに付着されうる。
【0010】
1つの好ましい態様において、ポリマーは、架橋されたポリアミンである。架橋は、患者においてポリマーの吸着を回避するかまたは最小にする。かかるポリアミンとしては、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリエチレンイミン(直鎖または分枝鎖)、ポリビニルアミン、ポリブテニルアミン、ポリリジン、ポリアルギニン、およびポリ(アミノプロピルアクリルアミド)などの脂肪族アミンポリマーが挙げられ得る。ポリアミンはまた、コレスチラミンなどの芳香族アミンポリマーを含み得る。
【0011】
本発明に使用される好ましいポリマーは、本明細書に記載の水不溶性、非吸収性、かつ架橋されたポリアミンを含む。本発明のポリアミンは、アミンまたはアンモニウム含有脂肪族ポリマーであり得る。脂肪族アミンポリマーは、脂肪族アミン部分を含むポリマーである。好ましい態様において、ポリマーは、1つ以上の式I:
【0012】
【化1】

【0013】
(式中、nは正の整数であり、xは0または1〜約4の整数であり、好ましくは1である)
のモノマー単位およびその塩により特徴付けられる。好ましい態様において、ポリマーは、多官能性架橋剤により架橋される。
【0014】
本発明は、血中の高レベルのグルコースを減少する有効な治療を提供する。本発明はまた、高血糖症の治療のための医薬の製造における本明細書に記載のポリマーの使用を提供する。
【0015】
他の特性および利点は、以下の好ましい態様の記載および特許請求の範囲から明らかである。
【0016】
発明の詳細な説明
上記のように、本発明に使用される好ましいポリマーは、水不溶性、非吸収性、架橋されたポリアミンを含む。好ましいポリアミンは脂肪族である。好ましいポリマーの例としては、ポリエチレンイミンポリマー、ポリアリルアミンポリマー、ポリビニルアミンポリマーおよびポリジアリルアミンポリマーが挙げられる。ポリマーは、以下に考察するようにホモポリマーまたはコポリマーであり得、置換または非置換であり得る。本発明に使用され得るこれらおよび他のポリマーは、米国特許第5,487,888 号;同第5,496,545 号;同第5,607,669 号;同第5,618,530 号;同第5,624,963 号;同第5,667,775 号;同第5,679,717 号;同第5,703,188 号;同第5,702,696 号および同第5,693,675 号(その内容はその全体が参考として本明細書に援用される)に報告されている。本発明の使用に好適なポリマーはまた、同時継続米国出願番号第08/659,264号;同第08/823,699号;同第08/835,857号;同第08/470,940号;同第08/826,197号;同第08/777,408号;同第08/927,247号;同第08/964,498号;同第08/964,536号および同第09/359,226号(その内容はその全体が参考として本明細書に援用される)に報告される。
【0017】
ポリマーは、ホモポリマーまたは1つ以上のアミン含有モノマーのコポリマーまたは1つ以上のアミン含有モノマーと1つ以上の非アミン含有モノマーを組み合わせたコポリマーであり得る。コポリマーが上記式Iのモノマーで製造される場合、コモノマーは好ましくは不活性、非毒性である。好適な非アミン含有モノマーの例としては、ビニルアルコール、アクリル酸、アクリルアミド、およびビニルホルムアミドが挙げられる。アミン含有モノマーの例としては、好ましくは、上記式Iを有するモノマーが挙げられる。好ましくは、モノマーは脂肪族である。最も好ましくは、ポリマーは、ホモポリアリルアミン、ホモポリビニルアミン、ホモポリジアリルアミンまたはポリエチレンアミンなどのホモポリマーである。本明細書で使用される場合、用語「アミン」としては、一級、二級および三級アミン、ならびにトリアルキルアンモニウムなどのアンモニウムおよびグアニジノ基が挙げられる。
【0018】
他の好ましいポリマーとしては、1つ以上の以下:
【0019】
【化2】

【0020】
【化3】

【0021】
【化4】

【0022】
(式中、nは正の整数であり、yおよびzは共に1以上の整数(例えば、約1〜約10)であり、各R、R1、R2、およびR3は独立して、Hまたは置換もしくは非置換アルキル基(例えば、まとめて1〜25個または1〜5個の炭素原子を有する)、アルキルアミノ(例えば、まとめて1〜5個の炭素原子を有する、例えば、エチルアミノまたはポリ(エチルアミノ))またはアリール(例えば、フェニル)基であり、各X- は交換可能な陰性荷電した対イオンである)
に示す繰り返し単位により特徴付けられたポリマーまたはそのコポリマーが挙げられる。
【0023】
1つの好ましいポリマーにおいて、R、R1、R2、またはR3基のうち少なくとも1つは水素原子である。より好ましい態様において、これらの基のそれぞれが水素である。
【0024】
各場合において、R基は1つ以上の置換基を有し得る。好適な置換基としては、治療用カチオン基(例えば、四級アンモニウム基)またはアミン基(例えば、一級、二級または三級アルキルもしくはアリールアミン)が挙げられる。他の好適な置換基の例としては、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキサミド、スルホンアミド、ハロゲン、アルキル、アリール、ヒドラジン、グアニジン、尿素、ポリ(アルキレンイミン)(例えば、ポリ(エチレンイミン))、およびカルボン酸エステルが挙げられる。
【0025】
好ましくは、ポリマーは、架橋により水不溶性にされる。架橋剤は、モノマーのアミノ基と反応する官能基に特徴を有し得る。あるいは、架橋基は、アミンモノマーでフリーラジカル重合化をうける2つ以上のビニル基に特徴を有し得る。
【0026】
好適な架橋剤の例としては、ジアクリル酸塩およびジメチルアクリル酸塩(例えば、エチレングリコールジアクリル酸塩、プロピレングリコールジアクリル酸塩、ブチレングリコールジアクリル酸塩、エチレングリコールジメタクリル酸、プロピレングリコールジメタクリル酸、ブチレングリコールジメタクリル酸、ポリエチレングリコールジメタクリル酸およびポリエチレングリコールジアクリル酸塩)、メチレンビスアクリルアミド、メチレンビスメタクリルアミド、エチレンビスアクリルアミド、エチレンビスメタクリルアミド、エチリデンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン、ビスフェノールA、ジメタクリル酸ならびにビスフェノールAジアクリル酸塩が挙げられる。架橋剤としてはまた、塩化アクリロイル、エピクロロヒドリン、ブタンジオールジグリシジルエーテル、エタンジオールジグリシジルエーテル、二塩化スクシニル、ビスフェノールAのジグリシダルエーテル、無水ピロメリト酸、トルエンジイソシアネート、エチレンジアミンおよびジメチルスクシネートが挙げられ得る。
【0027】
好ましくは、ポリマーは、胃腸管において非吸収性であり、および/または実質的に水不溶性である。ポリマーは、10以上のモノマー単位に特徴を有し得、および/または約570 以上、好ましくは5,000 ダルトン以上の分子量を有する。
【0028】
用語「不溶性」、「実質的に水不溶性」およびその文法上の語尾変化は、本明細書で使用される場合、水系系に溶解しないかまたは水溶性物質よりも低速で溶解もしくは可溶化になるポリマーまたは他の物質をいう。胃腸管に導入される水不溶性ポリマーは、全身に吸収されないか、または水溶性ポリマーよりも少ない程度で吸収される。
【0029】
「非吸収性(nonabsorbent)」または「非吸収可能(non-absorbable)」は、この用語が本明細書で使用される場合、そのように記載されるポリマーまたは他の物質が胃腸管で溶解しないか、または吸収性もしくは吸収可能物質よりも少ない程度で溶解するか、またはインビトロで腐食、分解(degrade )、もしくはその他の分解(break down)をして物理的もしくは化学的プロセスのいずれによってもより小さな化学種を形成しないことを意味する。従って、非吸収可能ポリマーは、全身に吸収されないかまたは吸収可能ポリマーよりも少ない程度で吸収される。
【0030】
好ましい架橋剤は、その高い有効性および低コストのためエピクロロヒドリンである。エピクロロヒドリンはまた、その低分子量および親水性特性のため有利であり、ポリアミンの水膨潤性およびゲル特性を増加する。
【0031】
架橋のレベルは、ポリマーを不溶性にし、実質的に吸収および分解に対して耐性にし、それにより胃腸管に対するポリマーの活性を制限し、患者の潜在的な副作用を減少する。従って、組成物は非全身性活性の傾向がある。典型的には、架橋剤は、モノマーおよび架橋剤の総重量に対し、約0.5 〜35重量%または約0.5 〜25重量%(例えば、約2.5 〜20%または約1 〜10%)の量で存在する。ポリマーはまた、さらに誘導体化され得る:例としては、例えば、米国特許第5,679,717 号、同第5,607,669 号および同第5,618,530 号(その教示はその全体が参考として本明細書に援用される)に記載のアルキル化アミンポリマーが挙げられる。好ましいアルキル化剤としては、疎水性基(例えば、脂肪族疎水性基)および/または四級アンモニウムアルキル基もしくはアミン置換アルキル基が挙げられる。
【0032】
架橋されていないおよび架橋されたポリアリルアミンおよびポリビニルアミンは、当該分野で一般的に公知であり、市販されている。ポリアリルアミンおよびポリビニルアミン、ならびにその架橋誘導体の製造方法は上記米国特許に記載される。Haradaら(米国特許第4,605,701 号および同第4,528,347 号(参考としてその全体が本明細書に援用される))もまた、ポリアリルアミンおよび架橋されたポリアリルアミンを製造する方法を記載する。
【0033】
他の態様において、ポリマーはポリブテニルアミン、ポリリジン、もしくはポリアルギニンのホモポリマーまたはコポリマーであり得る。あるいは、ポリマーは芳香族ポリマー(例えば、アミンまたはアンモニウム置換ポリスチレン(例えば、コレスチラミン))であり得る。
【0034】
上記のように、ポリマーは塩の形態で投与され得る。「塩」により、繰り返し単位の窒素基がプロトン化され、負に荷電した対イオンに関する正に荷電した窒素原子を作ることが意味される。好ましいポリマーは、40%未満のアミン基がプロトン化されたポリアリルアミンの低塩(例えば、低塩化物)形態である。
【0035】
カチオン性対イオンは、下により詳細に記載されるように、患者における有害効果を最小にするように選択され得る。好適な対イオンの例としては、有機イオン、無機イオン、またはその組み合わせ(例えば、ハロゲン化物(Cl- およびBr- )、CH3OSO3 - 、HSO4- 、SO42- 、HCO3- 、CO3 - 、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、酪酸塩、アスコルビン酸塩、クエン酸塩、二水素クエン酸塩、酒石酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、コール酸塩、クエン酸水素塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、葉酸塩、アミノ酸誘導体、または脂質)が挙げられる。対イオンは同一であるか、または互いに異なり得る。例えば、ポリマーは、2つの異なる型の対イオンを含み得る。
【0036】
本発明の態様によるポリマーは、治療有効量で患者に投与される。本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」および「治療有効用量」は、患者において所望の結果を誘導するように投与される必要がある活性剤、例えば、本明細書に記載のポリマーなどの治療有効物質の量をいう。この結果は、治療の必要な患者の症状または状態の緩和または改善(完全または部分的)、あるいは患者の症状、疾患もしくは状態における任意の他の所望の改善であり得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、用語「治療有効量」はまた、活性剤または治療的に有効な物質(例えば、本明細書に記載のアミンポリマー)の量といってもよく、その投与は、患者の症状、疾患、または状態において改善を生じるが、活性剤の非存在ではほとんどまたは全く改善が生じない。典型的には、ポリマーは、所望の治療効果を達成するのに充分な期間投与される。
【0038】
治療効果は、実験動物における標準的な薬理学手順を使用して測定され得る。
【0039】
本発明のポリマーは、約1 μg/kg/ 日〜約1g/kg/日を含む投薬で胃腸管に投与され得る。特定の投薬は、個々の患者(例えば、患者の体重およびグルコース除去の必要な程度)および使用されるポリマーの特性に依存する。本発明のポリマーは、1日あたり1または数用量で投与され得る。1つの態様において、治療治療について、本発明の少なくとも1つのポリマーが1日あたり約70μg 〜約91g ;1日あたり約0.1g〜約10g ;1日あたり約0.5g〜約6g;または1日あたり約0.5g〜約3gを含む量で成人に投与され得ることは直ちに予期される。ポリマーは、水和形態または無水形態のいずれかで投与され、患者受容性を向上することを所望する場合、食品または飲料に風味をつけるか、または、添加され得る。好ましい成人用量は、1日あたり約3g〜約6gである。ポリマーは、好ましくは食品と共に与えられる。
【0040】
さらなる成分(例えば、他の関連適応症を治療するための成分、または人工着色剤などの不活性成分)も添加されうる。
【0041】
さらなる活性成分は、ポリマーと同時または連続投与され得る。成分が同時投与される場合、成分は、例えば、共有結合により、あるいはポリマー粒子の外側または内側に物理的に成分をカプセル化することによりポリマーに任意に結合され得る。共有結合は、ポリマーおよび成分を好適な架橋剤と反応させることにより達成され得る。例えば、ポリアリルアミンおよびペニシラミンは、加水分解可能な結合により架橋される。
【0042】
投与(好ましくは経口投与)の好適な形態の例としては、丸剤、錠剤、カプセル剤、および散剤(例えば、食品上に撒かれているか、または飲料中に混ぜられている)が挙げられる。丸剤、錠剤、カプセル剤、または散剤は、食道での崩壊から組成物を保護し得るが組成物が胃に入り、食品と混ざり、患者の小腸へ進む場合に崩壊し得る物質によりコーティングされ得る。ポリマーは、単独または薬学的に許容され得るキャリア物質(例えば、ポリマーがミセルを形成し得る亜鉛塩または炭酸マグネシウム)と共に投与され得る。
【0043】
本発明のポリマーは、高いグルコースレベルを有する患者、好ましくはヒトを治療するため、あるいは予防として使用され得る。
【実施例】
【0044】
A.ポリマー調製
実施例1−ポリ(ビニルアミン)
第一工程は、エチリデンビスアセトアミドの調製に関する。アセトアミド(118g)、アセトアルデヒド(44.06g)、酢酸グルコース(0.2g)、および水(300mL )を、冷却器、温度計、および機械撹拌装置を備える1L三つ首フラスコに入れた。濃HCl (34mL)を添加し、混合物を24時間撹拌しながら45〜50℃に加熱した。次いで、水を減圧下で除去して、厚いスラッジを残し、5 ℃に冷却して結晶を形成した。アセトン(200mL )を添加し、数分間撹拌し、その後、固体を濾過除去して捨てた。アセトンを0 ℃に冷却し、固体を濾過除去した。固体を500mL のアセトンでリンスし、18時間空気乾燥させ31.5g のエチリデンビスアセトアミドを得た。
【0045】
次の工程は、エチリデンビスアセトアミドからのビニルアセトアミドの調製に関する。エチリデンビスアセトアミド(31.05g)、炭酸カルシウム(2g)および濾過剤、Celite(登録商標)541 (2g)(Aldrich, Milwaukee, WIから入手可能)を、温度計、機械撹拌装置、およびVigreauxカラムの頂上の蒸留加熱機を備える500mL 三つ首フラスコに入れた。混合物を、180 〜225 ℃にポットを加熱することにより24mm Hg で減圧蒸留した。単一の画分のみを収集(10.8g )し、この画分は、生成物に加え、かなりの部分のアセトアミドを含んでいた(NMR によって測定)。この固体生成物を、イソプロパノール(30mL)に溶解し、重合化に用いる粗ビニルアセトアミド溶液を形成した。
【0046】
粗ビニルアセトアミド溶液(15mL)、ジビニルベンゼン(1g、工業用等級、55%純度、異性体混合物)、およびAIBN(0.3g)を混合し、加熱して90分間窒素雰囲気下で還流し、固体沈殿物を形成した。溶液を冷却し、イソプロパノール(50mL)を添加し、固体を遠心分離により収集した。固体をイソプロパノールで2回、水で1回リンスし、減圧オーブンで室温にて乾燥して0.8gのポリ(ビニルアセトアミド)を得、以下のようにポリ(ビニルアミン)を調製するために使用した。
【0047】
ポリ(ビニルアセトアミド)(0.79g )を水(25mL)および濃HCl (25mL)を含む100mL 一首フラスコに入れた。混合物を5 日間再還流し、その後、固体を濾過除去し、水で1回、イソプロパノールで2回リンスし、減圧オーブンで乾燥して、0.77g の生成物を得た。赤外分光学は、有意な量のアミド(1656cm-1)が残っておりアミン(1606cm-1)はあまり形成されていないことを示していた。この反応の生成物(約0.84g )をNaOH(46g )および水(46g )に懸濁し、沸騰する(約140 ℃)まで加熱した。発泡により温度を減少させ、約100 ℃で2時間維持した。水(100mL )を添加し、濾過により固体を収集した。水で1回リンスした後、固体を水(500mL )に懸濁し、酢酸でpH5に調整した。固体を再度濾過除去し、水、次いでイソプロパノールでリンスし、減圧オーブンで乾燥して0.51g の生成物を得た。赤外分光学は、有意なアミンを形成していたことを示した。
【0048】
実施例2−ポリ(アリルアミン)塩酸塩
(1)窒素ガス入口の頂を覆う冷却機、(2)温度計、および(3)機械撹拌装置を備える2L水ジャケット反応釜に濃塩酸(360mL )を添加した。酸を、反応釜のジャケット内の循環水(水温=0 ℃)を使用して5 ℃に冷却した。アリルアミン(328.5mL 、250mg )を反応温度を5 〜10℃に維持しながら撹拌しながら滴下した。添加完了後、混合物を除去して3L一首フラスコに入れ、206gの液体を60℃でロータリー減圧エバポレーションにより除去した。次いで、水(20mL)を添加し、液体を反応釜に戻した。11mLの水に懸濁したアゾビス(アミジノプロパン)二塩酸塩(0.5g)を、次いで添加した。得られた反応混合物を24時間撹拌しながら窒素雰囲気下で50℃に加熱した。11mLの水に懸濁したさらなるアゾビス(アミジノプロパン)二塩酸塩(5mL )を、次いで添加し、その後、加熱、撹拌をさらに44時間継続した。
【0049】
この期間終了時、蒸留水(100mL )を反応混合物に添加し、液体混合物を撹拌しながら冷却させた。次いで、混合物を除去して、2L分液漏斗に入れて、その後メタノールの撹拌溶液(4L)に滴下し、固体を形成した。固体を濾過により除去し、メタノール(4L)に再懸濁し、1 時間撹拌し、濾過により収集した。次いで、メタノールリンスをもう1回繰り返し、固体を減圧オーブン中で室温にて乾燥して215.1gのポリ(アリルアミン)塩酸塩を顆粒状の白色固体として得た。
【0050】
実施例3−エピクロロヒドリンで架橋したポリ(アリルアミン)塩酸塩
5 ガロン容器に実施例2に記載のように調製したポリ(アリルアミン)塩酸塩(1kg )および水 (4L)を添加した。混合物を撹拌して塩酸塩を溶解し、pHを、固体NaOH(284g)を添加することで調整した。得られた溶液を室温に冷却し、その後、エピクロロヒドリン架橋剤(50mL)を、撹拌しながら一度に全て添加した。得られた混合物をゲル化するまで(約35分)穏やかに撹拌した。架橋反応を室温でさらに18時間進め、その後、ポリマーゲルを除去して、合計10L の水と共にブレンダーに分割して入れた。各部分を約3分間穏やかにブレンドして粗い粒子を形成し、次いで1時間撹拌し、濾過により収集した。固体を水(10L 、15L 、20L )に懸濁することにより3回リンスし、各懸濁物を1時間撹拌し、濾過によりそれぞれ固体を収集した。次いで、得られた固体をイソプロパノール(17L )に懸濁することで1回リンスし、1時間混合物を撹拌し、次いで濾過により固体を収集し、その後、固体を18時間50℃で減圧オーブンで乾燥し、約677gの架橋されたポリマーを顆粒状の、脆い、白色固体として得た。
【0051】
実施例4−ブタンジオールジグリシジルエーテルで架橋したポリ(アリルアミン)塩酸塩
5ガロンのプラスチックバケツに実施例2に記載のように調製したポリ(アリルアミン)塩酸塩(500g)および水(2L)を添加した。混合物を撹拌して塩酸塩を溶解し、pHを固体NaOH(134.6g)を添加することで10に調整した。得られた溶液を室温にバケツ中で冷却し、その後、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル架橋剤(65mL)を撹拌しながら一度に全て添加した。得られた混合物をゲル化するまで(約6分)穏やかに撹拌した。架橋反応を室温でさらに18時間進め、その後、ポリマーゲルを除去して、24時間75℃で減圧オーブンで乾燥した。次いで、乾燥固体をすり潰し、-30 メッシュで篩い分けし、その後、6ガロンの水に懸濁し、1時間撹拌した。次いで、固体を濾過除去し、リンス処理をもう2回繰り返した。次いで、得られた固体を48時間空気乾燥し、その後、50℃で24時間減圧オーブンで乾燥して、約415gの架橋されたポリマーを白色固体として得た。
【0052】
実施例5−エタンジオールジグリシジルエーテルで架橋したポリ(アリルアミン)塩酸塩
100mL ビーカーに実施例2に記載のように調製したポリ(アリルアミン)塩酸塩(10g )および水(40mL)を添加した。混合物を撹拌して塩酸塩を溶解し、pHを固体NaOHを添加することで10に調整した。得られた溶液をビーカー内で室温に冷却し、その後、1,2-エタンジオールジグリシジルエーテル架橋剤(2.0mL )を撹拌しながら一度に全て添加した。得られた混合物をゲル化するまで(約4 分)穏やかに撹拌した。架橋反応を室温でさらに18時間進め、その後、ポリマーゲルを除去して、500mL のメタノールにブレンドした。次いで、固体を濾過除去し、水(500mL )に懸濁した。1時間撹拌した後、固体を濾過除去し、リンス処理を繰り返した。得られた固体をイソプロパノール(400mL )で2回リンスし、次いで、24時間50℃で減圧オーブンで乾燥し、8.7gの架橋されたポリマーを白色固体として得た。
【0053】
実施例6−ジメチルスクシネートで架橋したポリ(アリルアミン)塩酸塩
500mL 丸底フラスコに実施例2に記載のように調製したポリ(アリルアミン)塩酸塩(10g )、メタノール(100mL )、およびトリエチルアミン(10mL)を添加した。混合物を撹拌してジメチルスクシネート架橋剤(1mL )を添加した。溶液を加熱して還流し、30分後撹拌を停止した。18時間後、溶液を室温まで冷却し、固体を濾過除去して、400mL のイソプロパノールにブレンドした。次いで、固体を濾過除去し、水(1L)に懸濁した。1時間撹拌した後、固体を濾過除去し、リンス処理をさらに2回繰り返した。次いで、固体をイソプロパノール(800mL )で1回リンスし、24時間50℃で減圧オーブンで乾燥し、5.9gの架橋されたポリマーを白色固体として得た。
【0054】
実施例7−ポリ(アリルトリメチル塩化アンモニウム)
磁気撹拌装置、温度計、および窒素入口頂に有する冷却機を備える500mL 三つ首フラスコに、エピクロロヒドリンで架橋したポリ(アリルアミン)(5.0g)、メタノール(300mL )、ヨウ化メチル(20mL)、および炭酸ナトリウム(50g )を添加した。次いで、混合物を冷却して、水を合計2Lの容積まで添加した。濃塩酸をさらなる発泡が生じなくなるまで添加し、残存固体を濾過除去した。固体を10%水性NaCl(1L)で1時間撹拌して2回リンスし、次いで濾過して固体を回収した。次いで、固体を水(2L)に懸濁し、1時間撹拌することにより3回リンスし、濾過して固体を回収した。最後に、固体をメタノールで上記のようにリンスし、18時間50℃で減圧オーブン(over)で乾燥し、7.7gの白色顆粒状固体を得た。
【0055】
実施例8−ポリ(エチレンイミン)/塩化アクリロイル
機械撹拌装置、温度計、および補助漏斗を備える5L三つ首フラスコに、ポリエチレンミン(510gの50%水溶液(255gの乾燥ポリマーと同等)およびイソプロパノール(2.5L)を添加した。塩化アクリロイル(50g )を、29℃以下の温度に保ちながら35分間にわたって補助漏斗を介して滴下した。次いで、溶液を18時間撹拌しながら60℃に加熱した。溶液を冷却し、固体を直ちに濾過除去した。固体を水(2ガロン)に懸濁し、1時間撹拌することにより3回リンスし、濾過して固体を回収した。固体をメタノール(2ガロン)に懸濁して30分間撹拌することにより1回リンスし、濾過して固体を回収した。最後に、固体をイソプロパノールで上記のようにリンスし、18時間50℃で減圧乾燥器(over)で乾燥させ、206gの淡橙色の顆粒状固体を得た。
【0056】
実施例9−ポリ(ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)
ジメチルアミノ−プロピルアクリルアミド(10g )およびメチレン−ビスアクリルアミド(1.1g)を100mL 三つ首フラスコ中で50mLの水に溶解した。溶液を10分間窒素下で撹拌した。過硫酸カリウム(0.3g)およびメタ亜硫酸水素ナトリウム(0.3g)をそれぞれ、2 〜3mL の水に溶解し、次いで混合した。数秒後、この溶液を窒素下のままモノマー溶液に添加した。直ちにゲルが形成され一晩静置させた。ゲルを除去し、500mL のイソプロパノールとブレンドした。固体を濾過除去し、3回アセトンでリンスした。固形の白色粉末を濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させて6.1gを得た。
【0057】
実施例10−ポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチル塩化アンモニウム)=(ポリ(MAPTAC))
(3-(メタクリロイルアミノ)プロピル)トリメチル塩化アンモニウム(38mLの50%水溶液)およびメチレンビス−メタクリルアミド(2.2g)を室温でビーカー内で撹拌した。メタノール(10mL)を添加して、溶液を40℃に温めてビスアクリルアミドを完全に溶解した。過硫酸カリウム(0.4g)を添加して、溶液を2分間撹拌した。メタ重亜硫酸カリウム(0.4g)を添加して撹拌を続けた。5分後、溶液を窒素雰囲気下に置いた。20分後、溶液は有意な沈殿物を含有し、溶液を一晩静置させた。固体をイソプロパノールで3回洗浄し、濾過により収集した。次いで、固体を水500 (mL)に懸濁し、数時間撹拌し、その後遠心分離により収集した。固体を再び水で洗浄し濾過により収集した。次いで、固体を減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させて21.96gを得た。
【0058】
実施例11−ポリ(エチレンイミン)「A」
ポリエチレンイミン(50g の50%水溶液;Scientific Polymer Products )を水(100mL )に溶解した。エピクロロヒドリン(4.6mL )を滴下した。溶液を4時間55℃に加熱し、その後、ゲル化させた。ゲルを除去し、水(1L)とブレンドし、固体を濾過除去した。水(2L)に再懸濁して10分間撹拌した。固体を濾過除去し、リンスを水で1回、イソプロパノールで2回繰り返し、得られたゲルを減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、26.3g のゴム状固体を得た。
【0059】
ポリ(エチレンイミン)「B」およびポリ(エチレンイミン)「C」を、それぞれ9.2 および2.3mL のエピクロロヒドリンを用いる以外は類似の様式で作製した。
【0060】
実施例12−ポリ(メチルメタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)
メチルメタクリレート(50g )およびジビニルベンゼン(5g)およびアゾビスイソブチロニトリル(1.0g)をイソプロパノール(500mL )に溶解し、加熱して窒素14雰囲気下で18時間還流した。固形白色沈殿物を濾過除去し、アセトンで1回(遠心分離により収集)、水で1回(濾過により収集)リンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させて19.4g を得た。
【0061】
実施例13−ポリ(ジエチレントリアミンメタクリルアミド)
ポリ(メチル−メタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)(20g )をジエチレントリアミン(200mL )に懸濁し、加熱して窒素雰囲気下で18時間還流した。固体を濾過により収集し、水(500mL )に再懸濁し、30分撹拌し、濾過除去し、水(500mL )に再懸濁し、30分撹拌し、濾過除去し、イソプロパノールで簡略にリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、18.0g を得た。
【0062】
ポリ(ペンタエチレンヘキサミンメタクリルアミド)、ポリ(テトラエチレンペンタミンメタクリルアミド)、およびポリ(トリエチレンテトラアミンメタクリルアミド)を、それぞれペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、およびトリエチレンテトラアミンからポリ(ジエチレントリアミンメタクリルアミド)と類似の様式で作製した。
【0063】
実施例14−ポリ(メチルメタクリレート/PEI )
ポリ(メチルメタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)(1.0g)をヘキサノール(9150mL)およびポリエチレンイミン(15g の水に15g )を含有する混合物に添加した。混合物を加熱して4日間窒素下で還流した。反応物を冷却し固体を濾過除去し、メタノール(300mL )に懸濁し、1時間撹拌し、濾過除去した。リンスをイソプロパノールで1回繰り返し、固体を減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ0.71g を得た。
【0064】
実施例15−ポリ(アミノエチルメタクリルアミド)
ポリ(メチルメタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)(20g )をエチレンジアミン9200mL)に懸濁し、加熱して3日間窒素雰囲気下で還流した。固体を遠心分離により収集し、水(500mL )に再懸濁することにより洗浄し、30分間撹拌し、固体を濾過除去した。固体を水でさらに2回、イソプロパノールで1回洗浄し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させて17.3g を得た。
【0065】
実施例16−ポリ(ジエチルアミノプロピルメタクリルアミド)
ポリ(メチル−メタクリレート−コ−ジビニルベンゼン)(20g )をジエチルアミノプロピルアミン(200mL )に懸濁し、加熱して18時間窒素雰囲気下で還流した。固体を濾過により収集し、水(500mL )に再懸濁し、濾過除去し、水(500mL )に再懸濁し、濾過により収集し、イソプロパノールで簡略にリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させて8.2gを得た。
【0066】
実施例17−NHS-アクリル酸塩
N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS, 157.5g )を5L フラスコ中のクロロホルム(2300mL)に溶解させた。溶液を0℃に冷却し、塩化アクリロイル(132g)を滴下により添加し、温度を2℃に維持した。添加の完了後、溶液を1.5 時間撹拌し、分液漏斗中にて水(1100ml)でリンスし、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、小量の酢酸エチルを残渣に添加した。この混合物を撹拌しながらヘキサン(200mL )に注いだ。この溶液を加熱して還流し、さらに酢酸エチル(400mL )を添加した。不溶性NHS を濾過除去し、ヘキサン(1L)を添加し、溶液を加熱して還流し、酢酸エチル(400mL )を添加し、溶液を<10℃に冷却した。次いで固体を濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ125.9gを得た。次いで、80g の二次収穫物をさらなる冷却により回収した。
【0067】
実施例18−ポリ(NHS-アクリル酸塩)
NHS-アクリル酸塩(28.5g )、メチレンビス- アクリルアミド(1.5g)およびテトラヒドロフラン(500mL )を1Lフラスコ中で混合し、窒素雰囲気下で50℃に加熱した。アゾビスイソブチロニトリル(0.2g)を添加し、溶液を1時間撹拌し、濾過して過剰のN-ヒドロキシスクシニミドを除去し、窒素雰囲気下で50℃に4.5 時間加熱した。次いで溶液を冷却し、固体を濾過除去し、テトラヒドロフランでリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、16.1g を得た。
【0068】
実施例19−ポリ(グアニジノブチルアクリルアミド)
ポリ(NHS-アクリル酸塩)(1.5g)を、アグマチン(1.5g)を含有する水(25mL)に懸濁し、固体NaOHでpH9 に調整した。この溶液を4日間撹拌し、その後pHは6.3 に下がった。水を総量500ml まで添加し、溶液を30分間撹拌し、固体を濾過除去した。固体を水で2回、イソプロパノールで2回リンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、0.45g を得た。
【0069】
実施例20−ポリ(塩化メタクリロイル)
塩化メタクリロイル(20mL)、ジビニルベンゼン(80%純度の4mL)、AIBN(0.4g)、およびTHF (150mL )を窒素雰囲気下で60℃にて18時間撹拌した。溶液を冷却し、固体を濾過除去し、THF で、次いでアセトンでリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ8.1gを得た。
【0070】
実施例21−ポリ(グアニジノブチルメタクリルアミド)
ポリ(塩化メタクリロイル)(0.5g)、硫酸アグマチン(1.0g)、トリエチルアミン(2.5mL )、およびアセトン(50mL)を4日間共に撹拌した。水(100mL )を添加し、混合物を6時間撹拌した。固体を濾過除去し、水(500mL )中で再懸濁することにより洗浄し、30分間撹拌し、固体を濾過除去した。洗浄を水で2回、メタノールで1回繰り返し、固体を減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、0.41g を得た。
【0071】
実施例22−ポリ(グアニジノアクリルアミド)
硫酸アグマチンを炭酸水素アミノグアニジン(5.0g)に置き換えて、ポリ- (グアニジノブチルアクリルアミド)のための手順に従い、0.75g を得た。
【0072】
実施例23−ポリ(PEH/EPI )
エピクロロヒドリン(1.5g)をペンタエチレンヘキサミン(PEH )(20g )および水(100mL )を含有する溶液に滴下して添加し、温度を65℃に保った。溶液がゲルになるまで撹拌し、加熱を4時間続けた(65℃で)。室温で一晩撹拌した後、ゲルを除去し、水(1L)と混合した。固体を濾過除去し、水を添加し(1L)、混合および濾過を繰り返した。ゲルをイソプロパノールに懸濁し、得られた固体を濾過により回収し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、28.2g を得た。
【0073】
実施例24−エチリデンビスアセトアミド
アセトアミド(118g)、アセトアルデヒド(44.06g)、酢酸グルコース(0.2g)、および水(300mL )を、冷却器、温度計および機械的撹拌機を取り付けた1Lの三つ口フラスコに入れた。濃縮HCl (34mL)を添加し、混合物を24時間撹拌しながら、45〜50℃に加熱した。次いで、水を減圧下で除去し、厚いスラッジを残し、5℃に冷却して結晶を形成させた。アセトン(200mL )を添加し、数分間撹拌し、固体を濾過除去し、廃棄した。アセトンを0℃に冷却し、固体を濾過除去した。この固体を500mL アセトンでリンスし、18時間おおよそ室温にて風乾させ、31.5g を得た。
【0074】
実施例25−ビニルアセトアミド
エチリデンビスアセトアミド(31.05 )、炭酸カルシウム(2g)およびCelite541 (登録商標)(2g)を、温度計、機械的撹拌機およびVigreauxカラムの上の蒸留ヘッドを取り付けた500mL 三つ口フラスコに入れた。ポットを180 〜225 ℃に加熱することにより混合物を35mmHgで減圧蒸留した。産物に加えてアセトアミドの大部分を含む単一画分のみを回収した(10.8g )(NMRで測定) 。この固体産物をイソプロパノール(30mL)で溶解させ、重合に使用する粗溶液を形成させた。
【0075】
実施例26−ポリ(ビニルアセトアミド)
粗ビニルアセトアミド溶液(15mL)、ジビニルベンゼン(1g工業用等級、55%純度、混合異性体)、およびAIBN(0.3g)を混合し、窒素雰囲気下で90分間加熱して還流し、固体の沈殿物を形成させた。溶液を冷却し、イソプロパノール(50mL)を添加し、固体を遠心分離により回収した。固体をイソプロパノールで2回、水で1回リンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、0.8gを得た。
【0076】
実施例27−ポリ(ビニルアミン)
ポリ(ビニルアセトアミド)(0.79g )を、水25mLおよび濃縮HCl 25mLを含む100mL の一つ口フラスコに入れた。混合物を5日間還流し、固体を濾過除去し、水で1回、イソプロパノールで2回リンスし、減圧乾燥器で乾燥させ、0.77g を得た。この反応の産物(約0.84g )をNaOH(46g )および水(46g )中に懸濁し、加熱して沸騰させた(約140 ℃)。気泡のために、温度を下げ、約100 ℃で2時間維持した。水(100mL )を添加し、固体を濾過により回収した。水で一回リンスした後、固体を水(500mL )に懸濁し、酢酸でpH5 に調整した。固体を再び濾過し、水で、次いでイソプロパノールでリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、0.51g を得た。
【0077】
実施例28−ポリ(エチレンイミン)塩
ポリエチレンイミン(25g 水に25g 溶解)を水(100mL )に溶解し、トルエン(1L)と混合した。エピクロロヒドリン(2.3mL )を添加し、混合物を激しく機械的に撹拌しながら18時間60℃に加熱した。混合物を冷却し、固体を濾過除去し、メタノール(2L)に再懸濁し、1時間撹拌し、遠心分離により回収した。固体を水(2L)に懸濁し、1時間撹拌し、濾過除去し、水(4L)に懸濁し、1時間撹拌し、再び濾過した。固体をアセトン(4L)に懸濁し、15分間撹拌し、液体を流し出し、アセトン(2L)を添加し、混合物を15分間撹拌し、アセトンを再び流し出し、固体を減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、中間体「D」を形成させた。
【0078】
実施例29−ポリ(硫酸エチレンイミンA )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、硫酸(1.1g)で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0079】
実施例30−ポリ(硫酸エチレンイミンB )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、硫酸(0.57g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0080】
実施例31−ポリ(硫酸エチレンイミンC )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、硫酸(0.28g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0081】
実施例32−ポリ(硫酸エチレンイミンD )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、硫酸(0.11g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0082】
実施例33−ポリ(酒石酸エチレンイミンA )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、酒石酸(1.72g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0083】
実施例34−ポリ(酒石酸エチレンイミンB )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、酒石酸(0.86g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0084】
実施例35−ポリ(酒石酸エチレンイミンC )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mM )に懸濁し、30分間撹拌し、酒石酸(0.43g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0085】
実施例36−ポリ(アスコルビン酸エチレンイミンA )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、アスコルビン酸(4.05g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0086】
実施例37−ポリ(アスコルビン酸エチレンイミンB )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、アスコルビン酸(2.02g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0087】
実施例38−ポリ(アスコルビン酸エチレンイミンC )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、アスコルビン酸(1.01g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0088】
実施例39−ポリ(クエン酸エチレンイミンA )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、クエン酸(1.47g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0089】
実施例40−ポリ(クエン酸エチレンイミンB )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、クエン酸(0.74g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5 分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0090】
実施例41−ポリ(クエン酸エチレンイミンC )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に再懸濁し、30分間撹拌し、クエン酸(0.37g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過除去し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過除去し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0091】
実施例42−ポリ(コハク酸エチレンイミンA )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に再懸濁し、30分間撹拌し、コハク酸(1.36g )で部分的に中和した。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0092】
実施例43−ポリ(コハク酸エチレンイミンB )
中間体「D 」(1.0g)を水(150mL )に懸濁し、30分間撹拌し、コハク酸(0.68g )で部分的に中和させた。混合物をさらに30分間撹拌し、固体を濾過し、メタノール(200mL )に再懸濁し、5分間撹拌し、濾過し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させた。
【0093】
実施例44−ポリ(塩化エチレンイミン)
ポリエチレンイミン(100gの水に100g)を水(さらに640mL )に溶解し、pHを濃縮HCl で10に調整した。イソプロパノール(1.6L)を添加し、続いてエピクロロヒドリン(19.2mL)を添加した。混合物を窒素下で60℃にて18時間撹拌した。固体を濾過除去し、漏斗上でメタノール(300mL )にてリンスした。固体をメタノール(4L)に再懸濁することによりリンスし、30分間撹拌し、固体を濾過除去した。リンスをメタノールで2回繰り返し、続いて水(1ガロン)に再懸濁した。pHを濃縮HCl で1.0 に調整し、固体を濾過除去し、水(1ガロン)に再懸濁し、濃縮HCl でpHを再び1.0 に調整し、混合物を30分間撹拌し、固体を濾過除去した。メタノールリンスを再び繰り返し、固体を減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、112.4gを得た。
【0094】
実施例45−ポリ(塩化ジメチルエチレンイミン)
ポリ(塩化エチレンイミン)(5.0g)をメタノール(300mL )に懸濁し、炭酸水素ナトリウム(50g )を添加した。ヨウ化メチル(20mL)を添加し、混合物を加熱し、3日間還流させた。水を総容積500mL に達するように添加し、混合物を15分間撹拌し、固体を濾過除去した。固体を水(500mL )に懸濁し、30分間撹拌し、濾過した。固体を水(1L)に懸濁し、pHを濃縮HCl で7.0 に調整し、混合物を10分間撹拌した。固体を濾過除去し、イソプロパノール(1L)で再懸濁し、30分間撹拌し、濾過し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、6.33g を得た。
【0095】
実施例46−ポリ(塩化メタクリロイル)
塩化メタクリロイル(20mL)、ジビニルベンゼン(4mL の80%純度)、AIBN(0.4g)、およびTHF (150mL )を窒素雰囲気下で18時間60℃にて撹拌した。溶液を冷却し、固体を濾過除去し、THF でリンスし、次いでアセトンでリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、8.1gを得た。
【0096】
実施例47−ポリ(グアニジノブチルメタクリルアミド)
ポリ(塩化メタクリロイル)(0.5g)、硫酸アグマチン(1.0g)、トリエチルアミン(2.5mL )、およびアセトン(50mL)を4日間共に撹拌した。水(100mL )を添加し、混合物を6時間撹拌した。固体を濾過除去し、水(500mL )に再懸濁することにより洗浄し、30分間撹拌し、固体を濾過除去した。洗浄を水で2回、メタノールで1回繰り返し、固体を減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、0.41g を得た。
【0097】
実施例48−ポリ(PEH/EPI )
エピクロロヒドリン(21.5g )を、ペンタエチレンヘキサミン(20g )および水(100mL )を含む溶液に滴下により添加し、温度を65℃未満に維持した。ゲルになるまで溶液を撹拌し、加熱を4時間続けた(65℃)。室温で一晩放置した後、ゲルを取り出し、水(1L)と混合した。固体を濾過除去し、水を添加し(1L)、混合および濾過を繰り返した。ゲルをイソプロパノールに懸濁し、得られた固体を濾過により回収し、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、28.2g を得た。
【0098】
実施例49−ポリ(TAEA- アクリルアミド)
ポリ(NHS-アクリル酸塩)(4.4g)を、水(100mL )およびtris(2-アミノエチル)アミン(30mL)を含有する溶液に懸濁し、濃縮HCl でpH9 に調整した。4日間の撹拌後、固体を濾過し、洗浄を繰り返した。次いで固体を水で2回、イソプロパノールで1回手短にリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、3,4gを得た。
【0099】
実施例50−ポリ(PEH-アクリルアミド)
ポリ(NHS-アクリル酸塩)(5.0g)を、水(100mL )およびペンタエチレンヘキサミン(30mL)を含有する溶液に懸濁し、濃縮HCl でpH10に調整した。4日間の撹拌後、固体を濾過除去し、水(500mL )に再懸濁した。混合物を4時間撹拌し、固体を濾過除去し、洗浄を繰り返した。次いで、固体を水で2回、イソプロパノールで1回手短にリンスし、減圧乾燥器でおおよそ室温にて乾燥させ、4.7gを得た。
【0100】
実施例51−ポリ(MI/EPI)
500mL フラスコに2-メチルイミダゾール(41.00g, 0.50mol )および水(100mL )を添加した。溶液を55℃に加熱し、エピクロロヒドリン(46.3g, 0.50mol)を100 分かけて滴下により添加した。添加の間に達した最大温度は75℃であった。添加が完了した場合、溶液を90℃に加熱し、18時間その温度を保った。朝に反応を45℃に冷却し、エピクロロヒドリン(8.7g, 0.094mol)を滴下により添加した。添加が完了した後、溶液を45℃で2時間撹拌した。この時点で、水酸化ナトリウム(3.78g, 0.094mol )の水溶液(15mL)を調製した。反応を冷却し、水酸化ナトリウム溶液を28℃で10分かけて滴下により添加した。溶液をさらに15分間撹拌し、次いでビーカーに移し、ホットプレート上で95℃に加熱した。反応物が凝固した場合、反応物を125 ℃で5時間乾燥器に入れ、硬化させた。室温に冷却した後、ポリマーを解体し、2000mLの水に添加した。混合物を3時間放置し、次いで2部で混合した。水和させたゲルを濾過し、次いで混合機中で2工程にてイソプロパノールで脱水した。濾過およびおおよそ室温での減圧乾燥により83.51gの標題のポリマーを得た。
【0101】
実施例52−エピクロロヒドリンで架橋したポリアリルアミン
ポリ(塩酸アリルアミン)の水溶液(500lb の50.7%水溶液)を水(751lb )で希釈し、水性水酸化ナトリウム(171bの50%水溶液)で中和した。溶液を約25℃に冷却し、アセトニトリル(1340lb)およびエピクロロヒドリン(26.21b)を添加した。溶液を21時間激しく撹拌した。この時間の間、反応器内容物は、2液相から粒子を含有する液体のスラリーに変化した。固体ゲル産物を濾過により単離した。ゲルを、水(136,708lb )を用いた溶離プロセスで洗浄した。ゲルを濾過により単離し、イソプロパノールでリンスした。ゲルをイソプロパノール(1269lb)でスラリー化し、濾過により単離した。イソプロパノール/ 水ウェットゲルを減圧乾燥器で60℃にて乾燥させた。乾燥産物を、50メッシュスクリーンを通過するようにすり潰して、薬理的使用に適切な産物を得た(166lb, 73%)。
【0102】
臨床試験I:Renagel (登録商標)(Geltex Pharmaceuticals.Inc., Waltham, Massachusetts )を用いた観察
血清グルコースを、腎不全の主要な原因として糖尿病を有する患者において、血液透析臨床試験、プロトコル1〜6において安全な研究室として測定した。グルコース測定はいずれも空腹時測定ではなかった。臨床のプロトコル1〜6の各々の記載は、以下の参考文献に見出され得、その教示全体が参考として本明細書中に援用される。
【0103】
プロトコル1:
Chertow, G.M., Burke, S.K., Lazarus, J.M., Stenzel, K.H., Wombolt, D., Goldberg, D., Bonventre, J.V., およびSlatopolsky, E.,“ポリ(塩酸アリルアミン)(RenaGel (登録商標)):a noncalcemic phosphate binder for the treatment of hyperphosphatemiain chronic renal failure,“ Am J Kid Dis. 29:66-71 (1997)。
【0104】
プロトコル2:
Goldberg, D.I., Dillon, M.A., Slatapolsky, E.A., Garrett, B., Gray, J.R., Marbury, T., Weinberg, M., Wombolt, D., およびBurke, S.K.,“Effect of RenaGel, a non-absorbed, calcium-and aluminum-free phosphate binder, on serum phosphorus, calcium, and intact parathyroid hormone in end-stage renal disease patients,” Nephrol Dial Transplant. 13:2303-2310 (1998) 。
【0105】
プロトコル3:
Chertow, G.M., Dillon, M., Burke, S.K., Steg, M., Bleyer, A.J., Garrett, B.N., Domoto, D.T., Wilkes, B.M., Wombolt, D.G., および Slatopolsky, E., “A randomized trial of sevelamer hydrochloride (RenaGel( 登録商標))with and without supplemental calcium. Strategies for the control of hyperphosphatemia in hemodialysis patients,”Clin Nephrol. 51: 18-26 (1999)。
【0106】
プロトコル4:
Bleyer, A.J., Burke, S.K., Dillon, M., Garrett, B., Kant, K.S., Lynch, D., Raman, S.N., Shoenfeld, P., Teitelbaum, I., Zieg, S.,およびSlatopolsky, E.,“A comparison of the calcium-free phosphate binder sevelamer hydrochloride with calcium acetate in the treatment of hyperphosphatemia in hemodialysis patients,” Am J Kid Dis. 33:694-701 (1999)。
【0107】
プロトコル5:
Slatopolsky, E., Burke, S.K., Dillon, M.A., および the RenaGel Study Group“RenaGel (登録商標), a nonabsorbed calcium- and aluminum-free phosphate binder, lowers serum phosphorus and parathyroid hormone, “Kid Int. 55:299-307 (1999)。
【0108】
プロトコル6:
Chertow, G.M., Burke, S.K., Dillon, M.A., および Slatopolsky, E., for the Renagel Study Group,“Long-term effects of sevelamer hydrochloride on the calcium x phosphorus product and lipid profile of haemodialysis patients, “Nephol Dial Transplant. 14: 2907-2914(1999) 。
【0109】
ベースラインから試験の終わりまでの血清グルコースの減少がプロトコル3の臨床試験を除く血液透析臨床試験の各々(表1)で見出された。
【0110】
【表1】

【0111】
臨床試験II:コレセベラムでの観察
グルコースを、-4、0、12および24週目で安全な研究室として測定した。全ての患者について0〜168 日目の変化について血清グルコースについて有意な群効果(p=0.03)があった。3.8 および4.5g/d群における2.8 および2.2mg/dLの0〜168 日目の減少は統計学的に有意であった(p<0.01)。
【0112】
コレスチラミン(8g/d, bid)は、グルコース吸収における変化におそらく関してII型糖尿病を有する患者における血糖コントロールを改善した。中心的な試験において、血漿グルコースは、2つの高用量コレセベラム群において減少した。糖尿病を有する患者(n=13)のpost hoc分析において、血清グルコースは、食事単独における140mg/dLからコレセベラム3.8 または4.5g/dにおける122mg/dL(p<0.01)に低下した。類似した効果が、組み込まれた安全性データの解析において見られた。貯蔵型血清(薬物相互作用試験から)において安価でなされうる確証試験としては、(1)中心的な24週試験におけるHgbA1cの測定;および(2)コレセベラムありまたはなしの標準食事に対するグルコースおよびインスリン応答の測定が挙げられる。
【0113】
均等物
しかし、本発明の前述の記載は、単に例示のためだけであり、その主旨から逸脱することなく他の修飾、態様、および均等物が当業者に明らかでありうることが理解されるべきである。
【0114】
本発明は、特にその好ましい態様に関して示され、記載されたが、当業者は、添付の特許請求の範囲により包囲される本発明の範囲を逸脱することなくその中で形態および細部において種々の変化がなされうることを理解する。
【0115】
本発明の態様として、以下のものが挙げられる。
[1]少なくとも1つのアミンポリマーの治療有効量を患者に投与することを含む、血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少方法。
[2]アミンポリマーが脂肪族である[1]記載の方法。
[3]グルコースに結合するポリマーが、アミン、シアノ、オレフィン、ホスフィン、アルシン、スルフィド、ジチオカルバメート、ニトレート、カルボキシレート、フェノラート、アセチルアセトネート、および水酸基からなる群より選ばれる置換基を有する[1]記載の方法。
[4]ポリマーが、
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

式中、nは正の整数であり、yおよびzは1以上の整数であり、R 、R1、R2およびR3が独立して、Hまたは置換もしくは非置換のアルキル基である、
からなる群より選ばれる式を有する繰り返し単位ならびにその塩およびコポリマーにより特徴づけられる[1]記載の方法。
[5]前記ポリマーが多官能性架橋剤により架橋される[4]記載の方法。
[6]多官能性架橋剤が、モノマーおよび架橋剤の合わせた重量に基づいて約0.5 〜25重量%の量で存在する[5]記載の方法。
[7]多官能性架橋剤が、モノマーおよび架橋剤の合わせた重量に基づいて約2.5 〜20重量%の量で存在する[5]記載の方法。
[8]前記架橋剤がエピクロロヒドリンを含む[5]記載の方法。
[9]ポリマーがホモポリマーである[5]記載の方法。
[10]ポリマーがポリアリルアミンである[5]記載の方法。
[11]ポリマーがポリジアリルアミンである[5]記載の方法。
[12]ポリマーがポリエチレンアミンである[5]記載の方法。
[13]ポリマーがポリビニルアミンである[8]記載の方法。
[14]各式のR 、R1、R2およびR3の少なくとも1つが水素である[5]記載の方法。
[15]ポリマーが1つ以上の食事とともに投与される[5]記載の方法。
[16]グルコースに結合するポリマーが約1 μg/kg/ 日〜約1g/kg/日を含む投薬で胃腸管に投与される[5]記載の方法。
[17]アミンポリマーが1日あたり約3g〜約6gを含む投薬で胃腸管に投与される[5]記載の方法。
[18]治療有効量のセベラマー塩化水素を患者に投与することを含む、血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少方法。
[19]治療有効量のコレセベラムを患者に投与することを含む、血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少方法。
[20]血清グルコースの減少を必要とする個体における血清グルコースの減少目的のための医薬の製造のための治療有効量の少なくとも1つのアミンポリマーの使用。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
セベラマーまたはその塩を含有してなる、血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少用組成物。
【請求項2】
血清グルコースの減少を必要とする患者における血清グルコースの減少用医薬の製造のためのセベラマーまたはその塩の使用。
【請求項3】
セベラマーまたはその塩が1日あたり0.1g〜10gの範囲で患者に投与するためのものである請求項2記載の使用。
【請求項4】
セベラマーまたはその塩が1日あたり3g〜6gの範囲で患者に投与するためのものである請求項2記載の使用。
【請求項5】
セベラマーまたはその塩が1日あたり0.1g〜10gの範囲で患者に投与するためのものである請求項1記載の組成物。
【請求項6】
セベラマーまたはその塩が1日あたり3g〜6gの範囲で患者に投与するためのものである請求項1記載の組成物。


【公開番号】特開2010−90172(P2010−90172A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9197(P2010−9197)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【分割の表示】特願2002−582950(P2002−582950)の分割
【原出願日】平成14年4月10日(2002.4.10)
【出願人】(591042816)ジェンザイム コーポレーション (20)
【Fターム(参考)】