説明

衛生洗浄便座装置及びトイレ装置

【課題】 コンパクトに収納でき、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供する。
【解決手段】 洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、取り付け台に支持され、ノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、前記第1支持部に支持された第2支持部と、前記第2支持部に支持された吐水部と、を有し、前記第1の支持部を前進させ、前記吐水部と前記第2支持部を後退させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第2支持部に対して前記吐水部を前進させることにより前記吐水部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記第2支持部を前進させることにより前記第2支持部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生洗浄便座装置及びトイレ装置に関し、より具体的には、洋式腰掛便器に腰かけた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄便座装置及びこれを備えたトイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
衛生洗浄便座装置は、その内部に洗浄水を噴射する洗浄ノズルを進退自在に収容するため、腰掛便器の上面後部に設置して使用する形態のものが主流となっている。そして、洗浄ノズルを進退させたり、腰掛便器ボウル内の臭気の吸い込み口を設けるために、衛生洗浄便座装置を構成する本体ケースの前面が腰掛便器のボウル側に延出し、ボウル開口の一部を塞ぐ形態とされている。
【0003】
しかし、このように本体ケースがボウル側に延出すると、その裏側などが汚れやすくなる。これに対して、清掃性をよくするために、例えば、本体ケースの延出部分を着脱自在とした構造が開示されている(例えば、特許文献1及び2)。しかし、掃除の際にいちいち延出部分を取り外すのは煩雑であり、また着脱の際などに延出部分を誤ってボウルの溜水内に落としてしまうなどの問題もある。
【特許文献1】特公平5−74656号公報
【特許文献2】特開平6−167041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような問題を解消するためには、衛生洗浄便座装置の本体ケースが腰掛便器のボウルを覆わないように、後方に後退させて設置するとよい。しかし、通常の腰掛便器は、後方にロータンクやフラッシュバルブなどを近接して設ける必要があるために、本体ケースがボウルを覆わないようにケース前面を後退させると、本体ケースの奥行きが小さくなってしまう。ケースの奥行きが小さくなると、洗浄ノズルをコンパクトに収納できる構造にしなければならない。しかも、清潔性を保つためには、単にコンパクトに収納できるだけではなく、ノズル自身を本体ケースから突出させた状態で確実かつ容易に洗浄できる構造とする必要もある。
【0005】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、コンパクトに収納でき、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持された第2支持部と、
前記第2支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記第2支持部に対して後退させ、前記第2支持部を前記第1支持部に対して後退させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第2支持部に対して前記吐水部を前進させることにより前記吐水部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記第2支持部を前進させることにより前記第2支持部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
【0007】
上記構成によれば、3段式とすることにより、洗浄ノズルをコンパクトに収納でき、かつ洗浄ノズルの進出の際に、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持された第2支持部と、
前記第2支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記第2支持部に対して前進させ、前記第2支持部を前記第1支持部に対して前進させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記第2支持部を後退させることにより前記第2支持部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第2支持部に対して前記吐水部を後退させることにより前記吐水部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
【0009】
上記構成によれば、3段式とすることにより、洗浄ノズルをコンパクトに収納でき、かつ洗浄ノズルの後退の際に、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【0010】
ここで、前記第1支持部に対して進退の駆動力を与える第1の動力源と、
前記第2支持部に対して進退の駆動力を与える第2の動力源と、
前記吐水部に対して進退の駆動力を与える第3の動力源と、
を備えたものとすれば、それぞれの動力源を適宜動作させることにより確実かつ容易に進出及び後退の動作を実現できる。
【0011】
または、前記取り付け台に対して前記第1支持部を前進させる付勢力を前記第1支持部に与える第1の付勢手段と、
前記第1支持部に対して前記第2支持部を後退させる付勢力を前記第2支持部に与える第2の付勢手段と、
前記吐水部に対して進退の駆動力を与える動力源と、
を備えたものとすれば、単一の動力源で確実かつ容易に進出及び後退の動作を実現でき、衛生洗浄便座装置をコンパクトにできる。
【0012】
またここで、前記第2支持部に対して前記吐水部が前進した状態において前記吐水部と前記第2支持部との間に当接部が形成され、前記動力源から前記吐水部に与えられた前進のための駆動力が前記当接部を介して前記第2支持部に伝達されることにより前記第2の付勢手段による前記付勢力に対抗して前記第2支持部が前記第1支持部に対して前進するものとすれば、ストッパを利用して駆動力を確実に伝達することによりノズルを進出させることができる。
【0013】
また、前記第2支持部に対して前記吐水部が後退した状態において前記吐水部と前記第2支持部との間に第1の当接部が形成され、前記第1支持部に対して前記第2支持部が後退した状態において前記第2支持部と前記第1支持部との間に第2の当接部が形成され、前記動力源から前記吐水部に与えられた後退のための駆動力が前記第1及び第2の当接部を介して前記第1支持部に伝達されることにより前記第1の付勢手段による前記付勢力に対抗して前記第1支持部が前記取り付け台に対して後退するものとすれば、ストッパを利用して駆動力を確実に伝達することによりノズルを後退させることができる。
【0014】
さらに、本発明の他の一態様によれば、
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持されて複数の支持部からなる複層支持部と、
前記複層支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記複層支持部に対して後退させ、前記複層支持部を前記第1支持部に対して後退させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記複層支持部に対して前記吐水部を前進させることにより前記吐水部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記複層支持部の複数の支持部を前記吐水部側から順次前進させることにより前記複数の支持部を順次洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
【0015】
上記構成によれば、多段式とすることにより、洗浄ノズルをコンパクトに収納でき、かつ洗浄ノズルの進出の際に、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【0016】
また、本発明のさらに他の一態様によれば、
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持されて複数の支持部からなる複層支持部と、
前記複層支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記複層支持部に対して前進させ、前記複層支持部を前記第1支持部に対して前進させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記複層支持部の複数の支持部を前記第1支持部側から順次後退させることにより前記複層支持部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記複層支持部に対して前記吐水部を後退させることにより前記吐水部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置が提供される。
【0017】
上記構成によれば、多段式とすることにより、洗浄ノズルをコンパクトに収納でき、かつ洗浄ノズルの後退の際に、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【0018】
また、本発明の各態様において、前記第1支持部の後端から前方に向けて切り欠きを設け、前記切り欠きに前記吐水部に洗浄水を供給する給水チューブを挿通させれば、吐水部に洗浄水を供給する給水チューブの長さを最短にすることができる。
【0019】
また、前記衛生洗浄便座装置は、前記腰掛便器の上部に設けられ前記洗浄ノズルを有する本体と、前記本体に付設された便座と、を有し、
前記本体は前記腰掛便器に面する前面に開口を有し、
前記第1支持部が前記取り付け台に対して前進した状態において、前記ノズル洗浄吐水口は前記開口から突出してなるものとすれば、ノズルを洗浄して生じた水や汚れを衛生洗浄便座装置本体の中に放出させず、ボウルに確実に排水できる。
【0020】
一方、本発明のさらに他の一態様によれば、腰掛便器と、上記のいずれかの衛生洗浄便座装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置が提供される。
上記構成によれば、3段式とすることにより、洗浄ノズルをコンパクトに収納でき、かつ洗浄ノズルの進出や後退の際に、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、コンパクトに収納でき、ノズル自身の洗浄も確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置及びこれを備えたトイレ装置を提供することができ、産業上のメリットは多大である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の第1の具体例の衛生洗浄便座装置本体の模式斜視図である。
すなわち、腰掛便器300の上部後方の平坦面300Fに衛生洗浄便座装置本体500が設置され、便座410が付設されている。また、便座410の上に、開閉自在の便蓋をさらに設けてもよい。
【0023】
図2は、衛生洗浄便座装置から便座410を取り外した状態を表す模式斜視図である。 本具体例の衛生洗浄便座装置本体500は、使用者が便座410に座った状態で水を噴射させて「おしり」などを洗浄することができる装置であり、商標名「ウォシュレット」などとして普及しているものと同様の機能を有する。なお、本願明細書において「水」とは、冷水のみならず、温水も含むものとする。衛生洗浄便座装置本体500には、その他にも例えば、濡れた「おしり」を乾かす「温風乾燥機能」や、便座410を暖める「便座暖房機能」、腰掛便器内の臭いを除去する「脱臭機能」などを設けることができる。また、使用者の接近を検知して便蓋400を自動的に開き、使用者がいなくなると便蓋400を自動的に閉じる「オート開閉機能」を設けることもできる。これらの機能は、衛生洗浄便座装置本体500に設けられた操作部(図示せず)を適宜操作することにより実行・設定でき、また、トイレの壁面などに設置されたリモコン(図示せず)を操作することにより実行させることも可能である。
【0024】
またさらに、リモコン操作などにより腰掛便器300に洗浄水を流す「自動水洗機能」を、衛生洗浄便座装置本体500に付加してもよい。これは、ロータンク200やフラッシュバルブの排水機構を動作させる駆動機構を設け、リモコン操作や人体センサなどと連動して、この駆動機構を動作させる信号を衛生洗浄便座装置本体500から出力させて、腰掛便器300に自動的に洗浄水を流す機能である。
【0025】
そして、本具体例においては、衛生洗浄便座装置本体500の前面510に開口520が設けられ、塞ぎ板525が開閉自在に設けられている。塞ぎ板525の裏側には、洗浄ノズルが収容されている。
図3は、本具体例の洗浄ノズルを表す模式断面図である。すなわち、同図(a)は、3段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収容された状態を表し、(b)は、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す。
【0026】
洗浄ノズル530は、取り付け台532の上に設けられた略シリンダ状の第1支持部534と、第1支持部内に摺動自在に設けられた略シリンダ状の第2支持部536と、第2支持部内に摺動自在に設けられた吐水部538と、を有する。吐水部538には、給水チューブ537が接続され、先端付近に設けられた吐水口(図示せず)から、使用者の「おしり」などに向けてお湯や水を噴射可能とされている。
【0027】
また、第1支持部534には、水路534Tが設けられている。この水路534Tは、第1支持部534の先端付近において内側に向けて開口した吐水口534Wに連通している。第1支持部534には給水チューブ533が接続され、水路534Tを介して吐水口534Wから内側に向けて水を放出することにより、第2支持部536や吐水部538の表面を洗浄可能とされている。
【0028】
この洗浄ノズル530は、収納状態においては、図3(a)に表したように、吐水部538が第2支持部536内に収容され、第2支持部536は第1支持部534内に収容され、第1支持部534は、取り付け台532の上で後方に後退した位置にある。このように洗浄ノズル530を3段式の構造とすることにより、コンパクトに収納できる。
特に、図1及び図2に表したように、衛生洗浄便座装置本体500が便器のボウル310の上に延出しないように前面510をボウル310の後端まで後退させた場合、衛生洗浄便座装置本体500の奥行き寸法が制限される。従って、洗浄ノズル530をコンパクトに収納できる構造にする必要がある。これに対して、本具体例によれば、洗浄ノズル530を3段式としてコンパクトに収納でき、衛生洗浄便座装置本体500の奥行きを小さくすることができる。
【0029】
一方、図3(b)に表したように、便器のボウル310に進出した状態においては、第1支持部534は取り付け台532の上で前方に前進し、また、第2支持部536、吐水部538がそれぞれ前方に進出する。このように3段式の構造とすることにより、ノズルの「がたつき」や先端の「位置ずれ」などが少なく、ノズルをより遠くまで進出させることが可能となる上、洗浄ノズル530を前後に揺動させながら吐水するムーブ洗浄も確実に実行することができる。
【0030】
また、第1支持部534の下側に、第1支持部534の後端から前方に向けて切り欠き534Cを設け、この切り欠き534Cに給水チューブ537が進入可能とすることにより、図3に表したように、給水チューブ537の全長を短くしつつ、吐水部538を長いストロークで移動させることができる。つまり、収納状態においては、図3(a)に表したように、給水チューブ537は第1支持部534の切り欠き534Cのほぼ入口付近にあり、ノズルが進出した状態においては、図3(b)に表したように、給水チューブ537は切り欠き534Cの先端付近を通って吐水部538に達している。このように、第1支持部534に切り欠き534Cを設けて給水チューブ537を通すことにより、給水チューブ537の長さを最短にすることができ、ノズルを収納した状態においても給水チューブ537が余って余計な空間を占めることはない。
【0031】
次に、本具体例の洗浄ノズルの動作シーケンスについて説明する。
図4及び図5は、本具体例の洗浄ノズルが進出する動作を表す模式図である。
また、図6は、この動作に対応したフローチャートである。
すなわち、図4(a)に表したように洗浄ノズルを収納した状態からまず、図4(b)に表したように、第1支持部534を取り付け台532の上で前進させる(ステップS102)。すると、塞ぎ板525が開いて第1支持部534の先端部分は、衛生洗浄便座装置本体500からボウル310の中に突出する。なお、塞ぎ板525は、例えば、スプリング(図示せず)などにより閉じる位置に付勢され、第1支持部534の前進により押されて開くようにすればよい。または、塞ぎ板525を開閉させる開閉機構を別途設けてもよい。
【0032】
次に、給水チューブ533から給水することにより、第1支持部534に設けられた吐水口534Wからの吐水を開始させる(ステップS104)。そして、図5(a)に表したように、吐水部538を前進させる(ステップS106)。この時、第2支持部536は第1支持部534に対して相対的に移動させない。すると、吐水部538が前進するに伴って、その先端部から根元に向けて、吐水口534Wから放出される水により順次洗浄される。この時、第1支持部534が衛生洗浄便座装置本体500から突出しているので、吐水部538を洗浄した水は、ボウル310に落下し溜水として排水される。つまり、吐水部538を洗浄した水を衛生洗浄便座装置本体500の中に放出することなく、洗浄ノズル自身を洗浄することができる。
【0033】
次に、図5(b)に表したように、第2支持部536を前進させる(ステップS108)。すると、第2支持部536が前進するに伴って、その先端から根元に向けて、吐水口534Wから放出される水により順次洗浄される。また、この時に、吐水部538も一緒に前進し、使用者の「おしり」などを洗浄すべき位置に進出させることができる。またこの時も、第1支持部534が衛生洗浄便座装置本体500から突出しているので、第2支持部536を洗浄した水は、ボウル310に落下し溜水として排水される。つまり、第2支持部536を洗浄した水を衛生洗浄便座装置本体500の中に放出させることなく、洗浄ノズル自身を洗浄することができる。
【0034】
このように各シリンダを洗浄しながら前進させたら、吐水口534Wからの吐水を停止する(ステップS110)。そして、吐水部538に設けられた吐水口から使用者の「おしり」などに向けて吐水を開始する(ステップS112)。
【0035】
以上説明したように、本具体例によれば、吐水部538と第2支持部536をこの順に前進させることにより、これらの表面をむらなく洗浄しながら、ボウルに向けて進出させることができる。従って、使用者が「おしり」などを洗浄する前に、洗浄ノズル自身を洗浄して清潔な状態で使用することができる。またこの時、第1支持部534を前進させた状態でこれらシリンダを洗浄することにより、シリンダを洗浄して生じた水や汚れを衛生洗浄便座装置本体500の中に放出させず、ボウル310に確実に排水できる。
【0036】
特に、図1及び図2に表したように、衛生洗浄便座装置本体500が便器のボウル310の上に延出しないように前面510をボウル310の後端まで後退させた場合、衛生洗浄便座装置本体500の中で洗浄ノズルを洗浄すると、その排水を放出させる手段を別途設ける必要が生ずる。これに対して、本具体例によれば、第1支持部534を前進させた状態で吐水部538と第2支持部536を洗浄することにより、シリンダを洗浄した水や汚れをそのままボウル310に落とすことができ、便利である。
【0037】
次に、洗浄ノズル530の後退のシーケンスについて説明する。
図7及び図8は、本具体例の洗浄ノズルが後退する動作を表す模式図である。
また、図9は、この動作に対応したフローチャートである。
図7(a)に表したように洗浄ノズル530が進出した状態から後退させる際には、まず、第1支持部の吐水口534Wから吐水を開始させる(ステップS202)。すなわち、洗浄ノズル530を後退させる際にも、各シリンダを洗浄することができる。
【0038】
そして、図7(b)に表したように、第2支持部536を後退させる(ステップS204)。すると、第2支持部536の根元から先端に向けて順次洗浄される。
次に、図8(a)に表したように、吐水部538を後退させる(ステップS206)。すると、吐水部538の根元から先端に向けて順次洗浄される。
しかる後に、吐水口534Wからの吐水を停止させ(ステップS208)、図8(b)に表したように、第1支持部534を後退させる(ステップS210)。
【0039】
以上説明した後退のシーケンスにおいても、第1支持部534を前進させた状態で第2支持部536と吐水部538を洗浄しながら順次後退させることにより、これらシリンダをむらなく洗浄できる。従って、使用者の「おしり」などを洗浄した際に付着した汚れなどを落とすことができる。しかもこの洗浄により生じた水や汚れは、衛生洗浄便座装置本体500の中に放出させず、ボウル310の中にそのまま落とすことができる。
【0040】
次に、本具体例の洗浄ノズル530の駆動機構について説明する。
図10は、本具体例の洗浄ノズル530の駆動機構を例示するブロック図である。
すなわち、衛生洗浄便座装置本体500の筺体の一部を構成するケースプレート604に対して取り付け台532が固定されている。そして、取り付け台532の上に、第1支持部534、第2支持部536、吐水部538がそれぞれ相対的にスライド支持されている。一方、取り付け台532には、電動機及び減速機650が相対的に固定されている。そして、この電動機及び減速機650から伸出・収納力伝達手段により、各シリンダに対して駆動力が伝達される。
【0041】
図11は、本具体例の洗浄ノズルの駆動機構を例示する模式図である。
すなわち、取り付け台532には第1モータ652、第2モータ654、第3モータ656がそれぞれ設けられている。第1モータ652は、第1支持部534をスライドさせる。その動力伝達機構としては、例えば、ベルト式、歯車式、ワイヤ式などの各種の方式を用いることができる。
また、第2モータ654は、例えばワイヤガイド663によりガイドされるワイヤ662を送り出しまたは引き戻すことにより、第2支持部536を取り付け台532に対して相対的にスライドさせる。第3モータ656も、例えばワイヤガイド665によりガイドされるワイヤ664を送り出しまたは引き戻すことにより、吐水部538を取り付け台532に対して相対的にスライドさせる。
【0042】
図12及び図13は、この駆動機構によるノズルの進出動作を説明するための模式図である。
図12(a)に表したように収納された状態から、まず、第1モータ652、第2モータ654、第3モータ656が動作することにより、第1支持部534、第2支持部536、吐水部538が図12(b)に表した位置まで前進する。すなわち、第1支持部534は、第1モータ652により前進される。また、第2支持部536は、第2モータ654がワイヤ662を所定量だけ送り出すことにより、前進する。同様に、吐水部538も、第3モータ656がワイヤ664を所定量だけ送り出すことにより、前進する。
【0043】
次に、第3モータ656を動作させてワイヤ664を送り出すことにより、図13(a)に表したように、吐水部538を前進させる。この時、吐水口534Wから吐水して吐水部538を洗浄できる。
【0044】
しかる後に、第2モータ654と第3モータ656によりワイヤ662、664をそれぞれ送り出すことによって、図13(b)に表したように、第2支持部536と吐水部538をそれぞれ前進させる。この時にも、吐水口534Wから吐水して第2支持部536を洗浄できる。
【0045】
図14及び図15は、この駆動機構によるノズルの後退動作を説明するための模式図である。
すなわち、図14(a)に表したように進出した状態から、まず、第2モータ654と第3モータ656によりワイヤ662、664をそれぞれ引き戻すことによって、図14(b)に表したように、第2支持部536と吐水部538をそれぞれ後退させる。この時に、吐水口534Wから吐水して第2支持部536を洗浄できる。
【0046】
次に、第3モータ656を動作させてワイヤ664を引き戻すことにより、図15(a)に表したように、吐水部538を後退させる。この時も、吐水口534Wから吐水して吐水部538を洗浄できる。
【0047】
しかる後に、第1モータ652、第2モータ654、第3モータ656をそれぞれ動作させることにより、第1支持部534、第2支持部536、吐水部538を図15(b)に表した収納位置まで後退させる。すなわち、第1支持部534は、第1モータ652により後退される。また、第2支持部536は、第2モータ654がワイヤ662を所定量だけ引き戻すことにより、後退する。同様に、吐水部538も、第3モータ656がワイヤ664を所定量だけ引き戻すことにより、後退する。
【0048】
以上説明したように、本具体例によれば、3つのモータにより第1支持部から吐水部までをそれぞれ駆動させることによって、所定のシーケンスでの進出動作と後退動作を実現できる。
【0049】
次に、ひとつのモータで本実施形態の進出・後退シーケンスを実現する駆動機構について説明する。
図16は、本具体例の洗浄ノズルの駆動機構を表すブロック図である。
すなわち、ケースプレート604に対して取り付け台532が固定され、その上に、第1支持部534、第2支持部536、吐水部538がそれぞれ相対的にスライド支持されている。一方、取り付け台532には、電動機及び減速機650が相対的に固定され、この電動機及び減速機650から伸出・収納力伝達手段により、吐水部538に対して駆動力が伝達される。
さらに、第1支持部534は、取り付け台532に対して前進方向に付勢されている。すなわち、第1支持部534には、取り付け台532に対して前進方向にスライドさせようとする弾性力が与えられている。
また一方、第2支持部536は、第1支持部534に対して後退方向に付勢されている。すなわち、第2支持部536には、第1支持部534の中に収納する方向にスライドさせようとする弾性力が与えられている。
このような機構を用いることにより、単一のモータで本形態の駆動シーケンスが可能となる。
【0050】
図17は、本具体例の洗浄ノズルの駆動機構を例示する模式図である。
すなわち、取り付け台532にはモータ656が設けられている。モータ656は、例えばワイヤガイド665によりガイドされるワイヤ664を送り出しまたは引き戻すことにより、吐水部538を取り付け台532に対して相対的にスライドさせる駆動力を与える。
また、取り付け台532と第1支持部534との間には、第1支持部を相対的に押し出す方向に付勢されたスプリング667が設けられている。つまり、第1支持部534は、スプリング667によって、取り付け台532に対して前進する方向に付勢されている。
【0051】
またさらに、第1支持部534と第2支持部536との間には、両者を引っ張る方向に付勢されたスプリング668が設けられている。つまり、第2支持部536は、スプリング668、ワイヤ669、滑車670によって、第1支持部534の中に収納する方向に付勢されている。
【0052】
図18及び図19は、この駆動機構によるノズルの進出動作を説明するための模式図である。
図18(a)に表したように収納された状態から、まず、モータ656がワイヤ664を所定量だけ送り出すことにより、吐水部538に対して、図18(b)に表した位置まで前進させる駆動力を与える。すると、第1支持部534は、スプリング667の付勢力により、吐水部538に同期して取り付け台532から前進する。この時、第1支持部534は、取り付け台532に設けられたストッパ532Sによりそのストローク端まで移動する。また、第2支持部536は、スプリング668の付勢力により、第1支持部534の中に収納された状態のまま、第1支持部534とともに前進する。
【0053】
次に、モータ656を動作させてワイヤ664をさらに送り出すことにより、図19(a)に表したように、吐水部538を前進させる。この時、第1支持部534は、ストッパ532Sにより規制されもはや前進しない。また、第2支持部536は、スプリング668の付勢力により、第1支持部534の中に収納された状態を維持する。なお、この前進動作の際に、吐水口534Wから吐水して吐水部538を洗浄できる。
【0054】
しかる後に、モータ656によりワイヤ664をさらに送り出すと、吐水部538の内壁に設けられたストッパ538Sが第2支持部536に当接し、第2支持部536がスプリング668の付勢力に対抗して吐水部538とともに前進する。このようにして、図19(b)に表したように、第2支持部536と吐水部538を同時に前進させることができる。なおこの時にも、吐水口534Wから吐水して第2支持部536を洗浄できる。
【0055】
図20及び図21は、この駆動機構によるノズルの後退動作を説明するための模式図である。
すなわち、図20(a)に表したように進出した状態から、まず、モータ656によりワイヤ664を引き戻す駆動力を与える。すると、第1支持部534はスプリング667の付勢力により前進した状態を維持するが、第2支持部536は、スプリング668の付勢力によって吐水部538と同時に後退する。つまり、図20(b)に表したように、第2支持部536と吐水部538をそれぞれ後退させ、第2支持部536が第1支持部534の中に収納された状態とすることができる。この時に、吐水口534Wから吐水して第2支持部536を洗浄できる。
【0056】
次に、モータ656を動作させてワイヤ664をさらに引き戻すことにより、図21(a)に表したように、吐水部538を後退させる。この時も、第1支持部534は、スプリング667の付勢力により、前進した状態を維持する。なおこの時に、吐水口534Wから吐水して吐水部538を洗浄できる。
【0057】
しかる後に、モータ656を動作させてワイヤ664をさらに引き戻す。すると、その駆動力が、ストッパ534S、536Sを介して第1支持部534に伝達され、スプリング667の付勢力に対抗して、図21(b)に表したように、第1支持部534を後退させることができる。
【0058】
以上説明したように、本具体例によれば、スプリングとストッパを利用することにより、単一のモータで本実施形態の進出・後退シーケンスを実現できる。モータをひとつにできると、衛生洗浄便座装置本体500のサイズをコンパクトにできる。
【0059】
特に、図1及び図2に表したように、衛生洗浄便座装置本体500が便器のボウル310の上に延出しないように前面510をボウル310の後端まで後退させた場合、衛生洗浄便座装置本体500の奥行き寸法が制限される。これに対して、本具体例によれば、洗浄ノズル530の駆動機構をコンパクトに収納でき、衛生洗浄便座装置本体500の奥行きを小さくすることができる。
【0060】
図22は、単一のモータによる駆動機構の変型例を表すブロック図である。
すなわち、本変型例においては、第2支持部536は、取り付け台532に対して後退方向に付勢されている。すなわち、第2支持部536には、取り付け台532に向けて後退する方向にスライドさせようとする弾性力が与えられている。
このような機構を用いても、図17乃至図21に関して前述した駆動機構と同様に単一のモータで本形態の駆動シーケンスが可能となる。
【0061】
図23は、単一のモータによる4段式の洗浄ノズルの駆動機構を例示するブロック図である。
すなわち、ケースプレート604に対して取り付け台532が固定され、その上に、第1支持部534、第2支持部536、第3支持部539、吐水部538がそれぞれ相対的にスライド支持されている。一方、取り付け台532には、電動機及び減速機650が相対的に固定され、この電動機及び減速機650から伸出・収納力伝達手段により、吐水部538に対して駆動力が伝達される。
さらに、第1支持部534は、取り付け台532に対して前進方向に付勢されている。すなわち、第1支持部534には、取り付け台532に対して前進方向にスライドさせようとする弾性力(スプリング667)が与えられている。
一方、第2支持部536は、第1支持部534に対して後退方向に相対的に強く付勢されている。すなわち、第2支持部536には、第1支持部534の中に収納する方向にスライドさせようとする相対的に大きな弾性力(スプリング668)が与えられている。
また一方、第3支持部539は、第2支持部536に対して後退方向に相対的に弱く付勢されている。すなわち、第3支持部539には、第2支持部536の中に収納する方向にスライドさせようとする相対的に小さな弾性力(スプリング671)が与えられている。これら第2支持部536と第3支持部539とが、「複層支持部」を構成している。
【0062】
図24は、本具体例の洗浄ノズルの進出動作を表すフローチャートである。
すなわち、本具体例においても、図3などに関して前述したものと同様に、第1支持部534の内壁に開口した吐水口534Wが設けられ、第2支持部、第3支持部、吐水部を洗浄可能としている。また、モータ、駆動力伝達手段、付勢手段などは、図17などに関して前述したものと同様とすることができる。以下、図17に表した要素を参照しつつ説明する。
【0063】
本具体例においても、まず、第1支持部534を前進させる(ステップS302)。この際に、図18などに表したように、第2支持部と第3支持部と吐水部は第1支持部534に収納された状態のまま前進する。このために、モータ656によりワイヤ664を送り出して、吐水部538に対して前進する方向の駆動力を与える。すると、第1支持部534はスプリング667により付勢されて吐水部538と同期して前進し、第2支持部536と第3支持部539は、それぞれスプリング668、671により付勢されて第1支持部534の中に収納された状態のまま前進する。
【0064】
次に、第1支持部の吐水口534Wから吐水を開始する(ステップS304)。
そして、吐水部538を前進させ洗浄する(ステップS306)。つまり、モータ656によりワイヤ664を送り出して、吐水部538に対して前進する方向の駆動力を与える。すると、第1支持部はストッパ532Sにより規制され、一方、第2支持部536と第2支持部539は、それぞれスプリング668、671により付勢されて第1支持部534の中に収納された状態を維持する。
【0065】
次に、第3支持部539を前進させ洗浄する(ステップS308)。つまり、モータ656によりワイヤ664をさらに送り出して、吐水部538に対して前進する方向の駆動力を与える。すると、第1支持部はストッパ532Sにより規制され、一方、第2支持部536は、相対的に大きな付勢力のスプリング668により付勢されて第1支持部534の中に収納された状態を維持する。これに対して、第3支持部539は、吐水部538に設けられたストッパ(図19(b)ストッパ538S参照)を介して駆動力が伝達され、相対的に小さな付勢力のスプリング671の付勢力に対抗して前進させ洗浄することができる。
【0066】
次に、第2支持部536を前進させ洗浄する(ステップS310)。つまり、モータ656によりワイヤ664をさらに送り出して、吐水部538に対して前進する方向の駆動力を与える。すると、第1支持部はストッパ532Sにより規制され、一方、第3支持部と吐水部にそれぞれ設けられたストッパ(図19(b)参照)を介して第2支持部536に駆動力が伝達され、相対的に大きな付勢力のスプリング668の付勢力に対抗して前進させ洗浄することができる。
しかる後に、吐水口534Wからの吐水を停止し(ステップS312)、吐水部538の先端に設けられた吐水口から使用者の「おしり」などに向けて吐水する。
【0067】
図25は、本具体例の洗浄ノズルの後退動作を表すフローチャートである。
すなわち、後退の際においても、図23に関して前述した動作を逆転させた動作をさせ、第2支持部536から吐水部538までを順次洗浄しながら後退させることができる。
【0068】
以上説明したように、本具体例においても、単一のモータを用いて4段式の洗浄ノズルを順次進出・後退させ、各シリンダを洗浄することができる。また、同様にして、5段式あるいはそれ以上の多段式の洗浄ノズルも単一のモータにより進出・後退させることができる。この時、各シリンダ間に作用させる付勢力の大きさを変えることにより、シリンダの進出、後退の順番を制御できる。
【0069】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、第1支持部の形状は、第2支持部を取り囲むシリンダ状には限定されず、第2支持部を進退可能に支持できる形状及び構造を有するものであればよい。同様に、第2支持部についても、その形状は吐水部を取り囲むシリンダ状には限定されず、吐水部を進退可能に支持できる形状及び構造を有するものであればよい。
【0070】
また、図1乃至図25に関して前述した特徴部分は、技術的な可能な範囲においていかようにも組合せることができ、これら組合せにより得られた衛生洗浄便座装置及びトイレ装置についても、本発明の要旨を含む限りにおいて本発明の範囲に包含される。
【0071】
また、本発明の衛生洗浄便座装置及びトイレ装置に含まれる洗浄ノズル、脱臭装置、温風乾燥装置、着座センサ、筺体、リモコン、腰掛便器、ロータンクなどの各要素については、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
【0072】
その他、本発明の実施の形態として上述した衛生洗浄便座装置及びトイレ装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての衛生洗浄便座装置及びトイレ装置も同様に本発明の範囲に属する。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施の形態の第1の具体例の衛生洗浄便座装置本体の模式斜視図である。
【図2】衛生洗浄便座装置から便座410を取り外した状態を表す模式斜視図である。
【図3】(a)は、3段式の洗浄ノズルが衛生洗浄便座装置本体500内に収容された状態を表し、(b)は、この洗浄ノズルがボウル310内に進出した状態を表す模式断面図である。
【図4】本具体例の洗浄ノズルが進出する動作を表す模式図である。
【図5】本具体例の洗浄ノズルが進出する動作を表す模式図である。
【図6】図4及び図5に表した動作に対応したフローチャートである。
【図7】本具体例の洗浄ノズルが後退する動作を表す模式図である。
【図8】本具体例の洗浄ノズルが後退する動作を表す模式図である。
【図9】図7及び図8に表した動作に対応したフローチャートである。
【図10】本具体例の洗浄ノズル530の駆動機構を例示するブロック図である。
【図11】本具体例の洗浄ノズルの駆動機構を例示する模式図である。
【図12】本具体例の駆動機構によるノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図13】本具体例の駆動機構によるノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図14】本具体例の駆動機構によるノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【図15】本具体例の駆動機構によるノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【図16】本具体例の洗浄ノズルの駆動機構を表すブロック図である。
【図17】本具体例の洗浄ノズルの駆動機構を例示する模式図である。
【図18】図17に表した駆動機構によるノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図19】図17に表した駆動機構によるノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図20】図17に表した駆動機構によるノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【図21】図17に表した駆動機構によるノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【図22】単一のモータによる駆動機構の変型例を表すブロック図である。
【図23】単一のモータによる4段式の洗浄ノズルの駆動機構を例示するブロック図である。
【図24】図23に表した具体例の洗浄ノズルの進出動作を表すフローチャートである。
【図25】図23に表した具体例の洗浄ノズルの後退動作を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
200 ロータンク
300 腰掛便器
300F 平坦面
310 ボウル
400 便蓋
410 便座
500 衛生洗浄便座装置本体
510 前面
520 開口
525 塞ぎ板
530 洗浄ノズル
532 取り付け台
532S ストッパ
533 給水チューブ
534 第1支持部
534C 切り欠き
534T 水路
534W 吐水口
536 第2支持部
537 給水チューブ
538 吐水部
538S ストッパ
539 第3支持部
604 ケースプレート
650 減速機
652 第1モータ
654 第2モータ
656 第3モータ
662 ワイヤ
663 ワイヤガイド
664 ワイヤ
665 ワイヤガイド
667、668 スプリング
669 ワイヤ
670 滑車
671 スプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持された第2支持部と、
前記第2支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記第2支持部に対して後退させ、前記第2支持部を前記第1支持部に対して後退させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第2支持部に対して前記吐水部を前進させることにより前記吐水部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記第2支持部を前進させることにより前記第2支持部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置。
【請求項2】
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持された第2支持部と、
前記第2支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記第2支持部に対して前進させ、前記第2支持部を前記第1支持部に対して前進させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記第2支持部を後退させることにより前記第2支持部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第2支持部に対して前記吐水部を後退させることにより前記吐水部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置。
【請求項3】
前記第1支持部に対して進退の駆動力を与える第1の動力源と、
前記第2支持部に対して進退の駆動力を与える第2の動力源と、
前記吐水部に対して進退の駆動力を与える第3の動力源と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項4】
前記取り付け台に対して前記第1支持部を前進させる付勢力を前記第1支持部に与える第1の付勢手段と、
前記第1支持部に対して前記第2支持部を後退させる付勢力を前記第2支持部に与える第2の付勢手段と、
前記吐水部に対して進退の駆動力を与える動力源と、
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項5】
前記第2支持部に対して前記吐水部が前進した状態において前記吐水部と前記第2支持部との間に当接部が形成され、前記動力源から前記吐水部に与えられた前進のための駆動力が前記当接部を介して前記第2支持部に伝達されることにより前記第2の付勢手段による前記付勢力に対抗して前記第2支持部が前記第1支持部に対して前進することを特徴とする請求項4記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項6】
前記第2支持部に対して前記吐水部が後退した状態において前記吐水部と前記第2支持部との間に第1の当接部が形成され、前記第1支持部に対して前記第2支持部が後退した状態において前記第2支持部と前記第1支持部との間に第2の当接部が形成され、前記動力源から前記吐水部に与えられた後退のための駆動力が前記第1及び第2の当接部を介して前記第1支持部に伝達されることにより前記第1の付勢手段による前記付勢力に対抗して前記第1支持部が前記取り付け台に対して後退することを特徴とする請求項4または5に記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項7】
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持されて複数の支持部からなる複層支持部と、
前記複層支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記複層支持部に対して後退させ、前記複層支持部を前記第1支持部に対して後退させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記複層支持部に対して前記吐水部を前進させることにより前記吐水部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記複層支持部の複数の支持部を前記吐水部側から順次前進させることにより前記複数の支持部を順次洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置。
【請求項8】
腰掛便器の上部に設けられ洗浄ノズルを備えた衛生洗浄便座装置であって、前記洗浄ノズルは、
取り付け台に対して進退可能に支持され、その先端付近にノズルを洗浄するノズル洗浄吐水口を有する第1支持部と、
前記第1支持部に対して進退可能に支持されて複数の支持部からなる複層支持部と、
前記複層支持部に対して進退可能に支持され、人体を洗浄する人体洗浄吐水口を有する吐水部と、
を有し、
前記第1の支持部を前記取り付け台に対して前進させ、前記吐水部を前記複層支持部に対して前進させ、前記複層支持部を前記第1支持部に対して前進させた状態とした後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記第1支持部に対して前記複層支持部の複数の支持部を前記第1支持部側から順次後退させることにより前記複層支持部を洗浄し、しかる後に、前記ノズル洗浄吐水口から水を吐水させながら前記複層支持部に対して前記吐水部を後退させることにより前記吐水部を洗浄することを特徴とする衛生洗浄便座装置。
【請求項9】
前記第1支持部の後端から前方に向けて切り欠きを設け、前記切り欠きに前記吐水部に洗浄水を供給する給水チューブを挿通させたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項10】
前記衛生洗浄便座装置は、前記腰掛便器の上部に設けられ前記洗浄ノズルを有する本体と、前記本体に付設された便座と、を有し、
前記本体は前記腰掛便器に面する前面に開口を有し、
前記第1支持部が前記取り付け台に対して前進した状態において、前記ノズル洗浄吐水口は前記開口から突出してなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置。
【請求項11】
腰掛便器と、
請求項1〜10のいずれか1つに記載の衛生洗浄便座装置と、
を備えたことを特徴とするトイレ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2006−283398(P2006−283398A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104908(P2005−104908)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000010087)東陶機器株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】