説明

衛生洗浄装置

【課題】多段式の洗浄ノズルの耐久性を高めることができ、また清潔且つ衛生的な洗浄ノズルを維持できる衛生洗浄装置を提供する。
【解決手段】ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200と第2のシリンダ部300とを有する洗浄ノズルであって、ノズルヘッド100に設けられた第1の非制動部と、第2のシリンダ部300に設けられた第2の非制動部と、第1のシリンダ部200に設けられた制動部とを有し、前記制動部が前記第1の非制動部及び第2の非制動部の第1のシリンダ部200からみた移動の可否を規定することによって、ノズルヘッド100のみを進退させるか、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200とを進退させるか、ノズルヘッド100と前記第1及び第2のシリンダ部とを進退させるかを決定する衛生洗浄装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生洗浄装置に関し、より具体的には、洋式腰掛便器に腰かけた使用者の「おしり」などを水で洗浄する衛生洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2には、多段式の洗浄ノズルを順番通り進退させる方法として、駆動力(モータ)とワイヤーを用いた事例、圧縮コイルバネを用いた事例、磁石を用いた事例、ケーブルラックにノズルストッパーを固定する事例などが紹介されている。
【0003】
しかし、駆動力(モータ)とワイヤを用いた事例、圧縮コイルバネを用いた事例、ケーブルラックにノズルストッパーを固定する事例など、ノズルカバー内に入れ込む部品としてはサイズが大きく、部品点数が増える為構造が複雑となり、洗浄ノズルの外径が大きくなってしまう。
【0004】
唯一、ノズルとノズルとの間に磁石を用いることで、洗浄ノズル外径を小さくすることは達成できる。しかし、磁石は水・薬品に弱く腐食しやすい為、洗浄ノズルの動作に支障をきたす恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−283398号公報
【特許文献2】特開2007−211534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、多段式の洗浄ノズルを順番通り進退させる機構(差動機構)の耐久性を高めることができる、あるいは、洗浄ノズルのノズルカバーを重なりなく収納、洗浄することができ、清潔且つ衛生的な洗浄ノズルを維持できる衛生洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
多段ノズルが連結するノズルカバー−ストッパ間やノズル内部に、幾つかに分け連結部を設けるのではなく、ノズルの外周(3段ノズルではノズル2段目の外周)に差動機構を設け1箇所にまとめる事で、ノズル外径を小さくする事ができる。また、付勢体(例:板バネ)を用いる事で、耐久性を向上させ、(駆動部や電気を必要としない為)部品点数を減らせ簡単な構造にする事ができる。その為、より小型で耐久性がある差動機構、洗浄ノズルを実現することができる。
【0008】
上記目的を達成するために成された、請求項1の発明は、吐水口を有するノズルヘッドと、前記ノズルヘッドの少なくとも一部を内部に格納可能な第1のシリンダ部と、前記第1のシリンダ部の少なくとも一部を内部に格納可能な第2のシリンダ部と、を有する洗浄ノズルと、モータと、一端が前記ノズルヘッドに接続された可撓ラックと、前記モータの回転を前記可撓ラックに伝達して前記可撓ラックを進退させる伝達機構と、を有し、前記ノズルヘッドを進退させる駆動機構部と、前記洗浄ノズルを進退可能に支持する取付台と、前記可撓ラックの進退によってノズルヘッドが進退する際に前記第1及び第2のシリンダ部の少なくともいずれかが連動して進退するかどうかを決定する差動機構部と、を備え、前記差動機構部は、前記ノズルヘッドに設けられた第1の非制動部と、前記第2のシリンダ部に設けられた第2の非制動部と、前記第1のシリンダ部に設けられ、前記第1の非制動部及び第2の非制動部と接触することにより前記第1の非制動部及び第2の非制動部の前記第1のシリンダ部からみた移動の可否を規定する制動部と、を有し、前記制動部が前記第1の非制動部及び第2の非制動部の第1のシリンダ部からみた移動の可否を規定することによって前記可撓ラックの進退動作に応じて前記ノズルヘッドのみを進退させるか、前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とを進退させるか、前記ノズルヘッドと前記第1及び第2のシリンダ部とを進退させるかを決定することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0009】
この衛生洗浄装置によると、3段式ノズルの第1のシリンダ部に制動部と非制動部と有する差動機構部を用いることにより、洗浄ノズルが進出および後退する際のノズルヘッド、第1のシリンダ部、および第2のシリンダ部の進退動作の順番を制御し、ノズルの洗浄を確実かつ容易に実施できる洗浄ノズルを備えた衛生洗浄装置を提供することができる。
【0010】
請求項2記載の発明によれば、特に第1の発明において、前記ノズルヘッドと、前記第1及び第2のシリンダ部と、が進出および後退する際には、前記制動部と第1の非制動部との間、および前記制動部と第2の非制動部との間のそれぞれに移動の妨げとなる接触抵抗を付与および解除することができ、前記進出および後退のそれぞれの接触方向で前記接触抵抗の大きさを自由に変更することができることを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0011】
この衛生洗浄装置によれば、3段式ノズルの第1のシリンダ部に設けた差動機構部の制動部が、第1及び第2の非制動部に抵抗力を付与および解除することができる。また、進出方向と後退方向で異なる大きさの抵抗力を設定する事ができる為、制動部と第1および第2の非制動部との間の抵抗力の大きさを調整することで、洗浄ノズルが進出および後退する際のノズルヘッド、第1のシリンダ部、および第2のシリンダ部の進退動作の順番を自由に設定することができる。
【0012】
請求項3記載の発明によれば、特に第1、第2の発明において、前記ノズルヘッドと、前記第1及び第2のシリンダ部と、が後退した状態から進出する際に、前記制動部と前記第1の非制動部との間には接触抵抗が付与されず、前記制動部と前記第2の非制動部との間に接触抵抗が付与され、前記モータの回転が前記伝達機構から前記可撓ラックに伝達されると、まず前記ノズルヘッドが進出を開始し、次に前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とが連動して進出し、前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とが連動して進出した後、前記ノズルヘッドと前記第1及び第2のシリンダ部とが連動して進出することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0013】
この衛生洗浄装置によれば、3段式ノズルを後退した状態から進出させる際、モータなどの駆動部を用いて駆動力をノズルヘッドに伝達させ、最初にノズルヘッドを進出させた後、次に第1のシリンダ部、最後に第2のシリンダ部を進出させるように制御することができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、特に第1〜第3の発明において、前記ノズルヘッドと、前記第1及び第2のシリンダ部と、が進出した状態から後退する際に、前記モータの回転が前記伝達機構から前記可撓ラックに伝達されると、前記ノズルヘッドと前記第1及び第2のシリンダ部とが連動して後退し、前記制動部と前記第2の非制動部との間の接触抵抗が解除された後、前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とが連動して後退し、前記制動部と前記第1の非制動部との間の接触抵抗が解除され、その後、前記ノズルヘッドがさらに後退することを特徴とする衛生洗浄装置である。
【0015】
この衛生洗浄装置によれば、第1のシリンダ部に設けた差動機構部の制動部は、第2非制動部の抵抗力を解除した後、第1の非制動部の抵抗力を解除することで、洗浄ノズルが後退する際のノズルヘッド、第1のシリンダ部、および第2のシリンダ部の後退動作の順番を制御することができる。また。ノズルが後退する際の制動部と第1および第2の非制動部との間の抵抗力を、ノズル進出時の抵抗力とは異なる値に設定することができる為、洗浄ノズルが進出する際とノズルが後退する際とにおいて、ノズルヘッド、第1のシリンダ部、および第2のシリンダ部の進退動作の順番を変更することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多段式の洗浄ノズルを順番通り進退させる機構(差動機構)の耐久性を高めることができる、あるいは、洗浄ノズルのノズルカバーを重なりなく収納、洗浄することができ、清潔且つ衛生的な洗浄ノズルを維持できる衛生洗浄装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【図2】本発明の実施の形態の衛生洗浄装置に設けられた洗浄ノズル部の模式斜視図である。
【図3】本具体例において洗浄ノズルが収納された状態を表す模式断面図である。
【図4】洗浄ノズルが伸展した状態を表す模式部分断面図である。
【図5】本発明の具体例の洗浄ノズル部の駆動部の具体的な構造を例示する一部切断斜視図である。
【図6】差動機構部400内の板バネとピンとの配置関係を例示する模式図である。
【図7】差動機構部400内の板バネとピンの動作関係を例示する模式図である。
【図8】本具体例の洗浄ノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図9】本具体例の洗浄ノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【図10】差動機構部内に使用していた板バネ2枚を1枚に集約した変形例を説明するための模式図である。
【図11】洗浄ノズルが2段ノズルである他の変形例を説明するための模式図である。
【図12】本変形例にかかる洗浄ノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図13】本変形例にかかる洗浄ノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【図14】洗浄ノズルが5段ノズルであるさらに他の変形例にかかる板バネとピンとの配置関係を例示する模式図である。
【図15】本変形例にかかる洗浄ノズルの進出動作を説明するための模式図である。
【図16】本変形例にかかる洗浄ノズルの後退動作を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を表す斜視模式図である。
【0019】
図1に表したトイレ装置は、水洗腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)900と、その上に設けられた衛生洗浄装置10と、を備える。衛生洗浄装置10は、衛生洗浄装置本体800と、便座810と、便蓋820と、を有する。便座810と便蓋820とは、衛生洗浄装置本体800に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。
【0020】
衛生洗浄装置本体800の内部には、便座810に座った使用者の人体局部の洗浄を実現する局部洗浄機能部などが内蔵されている。より具体的には、衛生洗浄装置本体800の内部には、便座810に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができるノズルユニット(図示せず)などが内蔵されている。その図示しないノズルユニットは、例えば温水タンクなどから供給された水を使用者の「おしり」などに向けて噴射する洗浄ノズル20を有する。
【0021】
また、例えば衛生洗浄装置本体800には、使用者が便座810に座ったことを検知する着座センサ830が設けられている。着座センサ830が便座810に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えば図示しないリモコンなどの操作部を操作すると、洗浄ノズル20を便器900のボウル910内に進出させることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置10では、洗浄ノズル20がボウル910内に進出した状態を表している。
【0022】
洗浄ノズル20の先端部には、ひとつあるいは複数の吐水口150が設けられている。そして、洗浄ノズル20は、その先端部に設けられた吐水口150から水を噴射して、便座810に座った使用者の人体局部を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態の衛生洗浄装置に設けられた洗浄ノズル部の模式斜視図である。すなわち、同図(a)は、洗浄ノズルが収納された状態を表し、同図(b)は、伸展した状態を表す。
また、図3は、本具体例において洗浄ノズルが収納された状態を表す模式断面図である。
また、図4は、洗浄ノズルが伸展した状態を表す模式部分断面図である。
図3及び図4は、いずれも洗浄ノズルを水平方向(横方向)から眺めた模式部分断面図である。
【0024】
この洗浄ノズルは3段式であり、ノズルヘッド100と、第1のシリンダ部200と、第2のシリンダ部300と、を有する。なお、本具体例では、3段式すなわち3本の可動部を有する洗浄ノズルを例に挙げたが、本発明はこれに限定されず、可動部が4本あるいはそれ以上の多段式の洗浄ノズルも包含する。
【0025】
ノズルヘッド100の先端には、ひとつあるいは複数の吐水口150が設けられ、後に詳述するように、便座(図示せず)に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴射可能とされている。
【0026】
ノズルヘッド100は、第1のシリンダ部200に対して摺動自在に設けられ、少なくともその一部が第1のシリンダ部200の中に格納可能とされている。また、第1のシリンダ部200は、第2のシリンダ部300に対して摺動自在に設けられ、少なくともその一部が第2のシリンダ部300の中に格納可能とされている。第2のシリンダ部300は、取付台700に対して固定されている。
【0027】
そして、本具体例においては、可撓ラック(rack)610を用いて洗浄ノズルを進出・後退させる。可撓ラック610は、柔軟性を有する樹脂などの材料により形成され、少なくともその一側面に、歯車と係合する凹凸が設けられている。また、可撓ラック610の内部に金属製ワイヤを複数本より合わせたケーブルを埋め込んでいる。このようなケーブルを用いることにより引っ張りに対する高い強度が得られ、さらにその周囲を樹脂で被覆することにより長手方向の圧縮に対する座屈を抑制できる。
【0028】
図3及び図4に表したように、可撓ラック610は、ノズルヘッド100の基端部に固定されている。また、ノズルヘッド100の基端部には周側方向に突出するストッパ120が設けられている。一方、第1のシリンダ部200の先端部の内側にはスライダ210が設けられ、基端部には周側方向に突出するストッパ220が設けられている。ノズルヘッド100はスライダ210の内周面に当接し摺動可能に支持されている。そして、ノズルヘッド100が進出すると、そのストッパ120が第1のシリンダ部200のスライダ210と当接し、ストローク端が決定される。
【0029】
また、第2のシリンダ部300の先端部の内側にもスライダ310が設けられ、基端部にはストッパ320が設けられている。第1のシリンダ部200は、スライダ310の内周面に当接し摺動可能に支持されている。そして、第1のシリンダ部200が進出すると、ストッパ220が第2のシリンダ部300のスライダ310と当接し、そのストローク端が決定される。
【0030】
後に詳述するように、ノズルヘッド100、第1及び第2のシリンダ部200、300の筐体をステンレスやアルミニウムなどの金属で形成し、スライダ210、310をPET(ポリエチレンテレフタレート)などの樹脂で形成することにより、外部からの水の侵入を遮断しつつ円滑な摺動が可能となる。また、ノズルヘッド100の筐体は、例えば樹脂などにより形成してもよい。
【0031】
一方、ノズルヘッド100の基端部及び第2のシリンダ部300の先端部には、ピン140(第1のピン、第1の非制動部)、ピン340(第2のピン、第2の非制動部)がそれぞれ設けられている。 また、第1のシリンダ部200には、引き込まれたピン140、340がそれぞれ係合する第1および第2の板バネ(付勢体)410、411が設けられている。これらのピン140、340と第1および第2の板バネ410、411(制動部)とで、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300の間の相対動作を規定する。
【0032】
また、本具体例の洗浄ノズル部には、ノズル洗浄室500が設けられている。ノズル洗浄室500は、取付台700に対して固定され、その内部に設けられた吐水口から水を噴射することにより、洗浄ノズルの外周表面を洗浄することができる。図2(a)及び図3に表したように、洗浄ノズルが収納された状態において、ノズルヘッド100の先端部は第1のシリンダ部200から突出し、ノズル洗浄室500の中にほぼ収容されている。また、図2(b)及び図3に表したように、洗浄ノズルは、ノズル洗浄室500を貫通して進出・後退する。
【0033】
図5は、本発明の具体例の洗浄ノズル部600の駆動部の具体的な構造を例示する一部切断斜視図である。
本具体例においては、可撓ラック610は、取付台700に設けられたガイド部612に沿って衛生洗浄装置内で長手方向に摺動可能に支持され、その先端はノズルヘッド100に固定される。また、取付台700には、駆動ユニット620が設けられ、モータ622の駆動出力を適宜減速させて歯車624に出力可能とされている。可撓ラック610は、歯車624に係合され、歯車624の回転駆動力を直線方向の駆動力に変換してノズルヘッド100を移動させる。
また、本具体例においては、第1のシリンダ部200の下部には、差動機構部400が設けられている。
【0034】
図6は、差動機構部400内の板バネとピンとの配置関係を例示する模式図である。なお、図6(a)は図3のA方向から眺めた部分平面図であり、同図(b)は図4のB方向から眺めた部分平面図である。
【0035】
差動機構部400は、第1のシリンダ部200の中に設けられた第1および第2の板バネ410、411と、第1及び第2のピン140、340と、有する。
【0036】
本具体例の板バネは、2枚の第1および第2の板バネ410、411を有し、第1の板バネ410、および第2の板バネ411は、差動機構部400内の固定部にそれぞれ片側を固定されている。ノズルヘッド100からのピン140と接触する第1の板バネ410は、自由端となっている他方の端部に突起部410aを有する。また、第2のシリンダからのピン340と接触する第2の板バネ411は、自由端となっている他方の端部と中央付近とに突起部411a、411bを有する。
【0037】
ノズルヘッド100のストッパ120から差動機構部400の方向に伸びるピン140、および第2のシリンダ300内部から差動機構部400の方向に伸びるピン340は、差動機構部400内に設けられた溝やスリットをガイドとして、駆動モータ620からの駆動力により第1及び第2の板バネ410、411に対して矢印C方向に移動する。
【0038】
図7は、差動機構部400内の板バネとピンの動作関係を例示する模式図である。
駆動モーター620の駆動力により可撓ラック610からノズルヘッド100に力を受けノズルが進出する。
その際、図7(a)に表したように、ノズルヘッド100から伸びるピン140は矢印D方向の力を受け、第2のシリンダから伸びるピン340は矢印E方向の力を受ける。
【0039】
この時、第2のシリンダ300から伸びるピン340は、第2の板バネ411と接触し、第2の板バネ411の突起部411aを乗り越えようとする。第2のシリンダ300から伸びるピン340が第2の板バネ411の突起部411aを乗り越える際、第2の板バネ411が内側に曲がり付勢力が発生する。この付勢力が、ピン340の移動の妨げ(抵抗)となり、ピン340よりピン140の方が先に、矢印D方向に移動する。
【0040】
ピン140は、図7(b)に表したように、差動機構部400内に設けられた溝やスリットをガイドとして、第1の板バネ410からの抵抗を受けることなく第1の板バネ410の突起部410aまで移動する。
【0041】
そして、ピン140は、第1の板バネ410の突起部410aと接触し、突起部410aを乗り越える際、第1の板バネ410の付勢力によって、移動を妨げられる抵抗を受ける。ここで、ピン140が第1の板バネ410の突起部410aから受ける抵抗を、ピン340が第2の板バネ411の突起部411aから受ける抵抗より小さく設定している為、図7(c)および図7(d)に表したように、ピン340が第2の板バネ411の突起部411aを乗り越えるより、ピン140の方が第1の板バネ410の突起部410aを先に乗り越え、ピン140は、突起部410aを乗り越えた停止位置で停止する。その後、ピン340が、図7(e)に表したように、矢印E方向に移動を始める。
ピン340が、図7(f)〜図7(h)に表したように、第2の板バネ411の先端にある突起部411a、および中央にある突起部411bを乗り越え、停止位置で停止する。
【0042】
ピンが、板バネから受ける抵抗力は、板バネの突起部の角度や高さによって、調整することができる。ある1枚の板バネでも、突起部の左右の山の角度を変えることにより、等しい付勢力から得られるピンと板バネとの抵抗力を変えることができる。山の角度が大きければ大きいほど、抵抗力も高くなる。
【0043】
板バネ自体の付勢力と、板バネ突起部の高さおよび角度と、を変更することにより、ピンと板バネとの抵抗力を調節し、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300の間の相対動作を規定して、ノズルの進退順を制御することができる。
【0044】
次に、本具体例の洗浄ノズルの進出と後退の動作について説明する。
図8は、本具体例の洗浄ノズルの進出動作を説明するための模式図である。
図8(a)は、洗浄ノズルが完全に収納された状態を表す。この状態においては、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300はそれぞれ基端部の方向に後退し、ストッパ120、220、320が互いに当接した状態とされている。
【0045】
このように洗浄ノズルが収納された状態において、使用者が衛生洗浄装置あるいはこれを操作するためのリモコンに設けられた洗浄スイッチを操作すると、「おしり」などを洗浄するための動作が開始される。
【0046】
この時、まず、図8(a)に表したように洗浄ノズルが収納された状態のまま、ノズルヘッドの吐水口150から水を吐水させる「ノズル前洗浄」を実施することができる。これは、衛生洗浄装置に設けられている温水供給源からノズルヘッド100までの通水経路に溜った冷水を予め排出し、適温の水を使用者の「おしり」などに直ちに噴射可能とするための処理である。また、予め水を噴射させることにより、ノズルヘッド100の吐水口150の詰まりなども防止できる。ノズルヘッド100に複数の吐水口150が設けられている場合には、全ての吐水口から水を吐水させてもよい。
【0047】
なお、このような「ノズル前洗浄」は、ノズル洗浄室500の中で実施されるので、吐水が外部に飛散することはなく、吐水口150から噴射された水はノズル洗浄室500の下方の開口から流出し、便器のボウル部に排出される。
【0048】
「ノズル前洗浄」が終了すると、次に、「ノズル胴体洗浄」を実施しながら洗浄ノズルを進出させる。すなわち、ノズル洗浄室500に設けられた吐水口から洗浄水Wを噴射させる。
そして、洗浄ノズルを進出させるために、可撓ラック610が矢印Fの方向に押し出される。するとまず、図8(b)に表したように、ノズルヘッド100が進出する。この時、ノズルヘッド100、第1、第2のシリンダ部200、300の間に作用する抵抗力の大小関係を適宜調節することにより、ノズルヘッド100のみが進出し、第1及び第2のシリンダ部200、300は動かないようにすることができる。
【0049】
ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200に作用する抵抗力については、差動機構部400の第1および第2の板バネ410、411とピン140、340との間の抵抗力を調整することにより調整することができる。また、第2のシリンダ部300に作用する抵抗力については、第2のシリンダ300の末端に取り付けた磁性体350と、駆動部600のノズル停止ストッパ640に取り付けた磁石630と、の引力を調整することにより調整することができる。
【0050】
つまり、これらの抵抗力を調整することにより、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300に作用する抵抗力よりも、ノズルヘッド100に作用する抵抗力のほうが小さくなるように構成することができる。
【0051】
そして、ノズルヘッド100が図8(b)に表した位置まで進出すると、ノズルヘッド100からのピン140が第1の板バネ410の突起部410aを乗り越え停止位置に至る。
【0052】
このように、まずノズルヘッド100のみを進出させることにより、その外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0053】
図8(b)に表したように、ノズルヘッド100がそのストローク端まで進出すると、ストッパ120がスライダ210に当接することにより、可撓ラック610の駆動力が第1のシリンダ部200にも伝達され、第2のシリンダからのピン340が第2の板バネ411の突起部411aを乗り越え、第1のシリンダ部200が進出を開始する。この時も、第1、第2のシリンダ部200、300の間に作用する抵抗力の大小関係を適宜調節することにより、第1のシリンダ部200のみが進出し、第2のシリンダ部300は動かないようにすることができる。つまり、第2のシリンダ部300に作用する抵抗力よりも、第1のシリンダ部200に作用する抵抗力のほうが小さくなるように構成すればよい。
【0054】
そして、第1のシリンダ部200が図8(c)に表した位置まで進出すると、第2のシリンダからのピン340が第2の板バネ411の突起部411bを乗り越え、停止位置に至る。
【0055】
このように、ノズルヘッド100の次に、第1のシリンダ部200を進出させることにより、第1のシリンダ部200の外周表面の全てもノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0056】
第1のシリンダ部200が図8(c)に表したようにストローク端まで進出すると、ストッパ220がスライダ310に当接することにより、可撓ラック610の駆動力が第2のシリンダ部300にも伝達されて、磁性体350と磁石630との引力に反発して、第2のシリンダ部300が進出を開始する。そして、図8(d)に表した位置まで第2のシリンダ部300が伸展する。この後、ノズルヘッド100の吐水口150から水を噴射させることにより、「おしり」などを洗浄することができる。
【0057】
このように、第1のシリンダ部200の次に、第2のシリンダ部300を進出させることにより、第2のシリンダ部300の外周表面もノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0058】
なお、図8(d)に表した状態は、例えば、「おしり」を洗浄するための通常位置まで洗浄ノズルを進出させた状態であり、例えば、図4に表したようにストローク端まで進出させた時よりもやや短い状態にある。本具体例においては、このように「ノズル胴体洗浄」を実施しながら「おしり」などの洗浄のための通常位置まで洗浄ノズルを進出させ、その後直ちに「おしり」などの洗浄を開始してもよく、または、「ノズル胴体洗浄」を実施しながら、最大のストローク端(例えば、図4の状態)まで洗浄ノズルを進出させてその全体を洗浄した後に、通常位置(例えば、図8(c)の状態)まで後退させて、「おしり」などの洗浄を開始してもよい。
【0059】
以上説明したように、本具体例においては、可撓ラック610の駆動力をノズルヘッド100に与え、ストッパ120、220を介して各シリンダ部に伝達することにより、洗浄ノズルを進出させることができる。また、可撓ラック610は、金属製ケーブルの周囲を樹脂で被覆した構造を有するので、可撓ラック610のたわみや座屈を抑止できる。その結果として、多段ノズルであっても洗浄ノズルの進出量を精密に制御することができる。なお、可撓ラック610が直進方向に進退するだけならば太径のワイヤを用いればよいが、衛生洗浄装置本体800の奥行きは多段式の洗浄ノズルの進出長より短いから、洗浄ノズルを進退させる可撓ラック610をガイド部612で曲げて衛生洗浄装置本体800に収納する必要がある。よって、本具体例のように、曲げに強いケーブルを用いるのが好ましい。
【0060】
また、可撓ラック610は細径であり、衛生洗浄装置内で長手方向に摺動可能に支持されるので、洗浄ノズルの進退駆動の機構を衛生洗浄装置内に収納するスペースは小さくすることができる。
【0061】
さらに、本具体例によれば、洗浄ノズルを進出させる際に、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、の順に進出させることにより、これら可動部の外周の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。その結果として、洗浄ノズルを清潔且つ衛生的な状態で「おしり」などを洗浄することができる。また、予め洗浄ノズルの外周表面を濡らしておくことにより、「おしり」などを洗浄する際に飛散した汚物などの付着を抑制する効果も得られる。
【0062】
次に、本具体例における洗浄ノズルの後退の動作について説明する。
図9は、本具体例の洗浄ノズルの後退動作を説明するための模式図である。
図9(a)は、洗浄ノズルが完全に伸展した状態を表す。
【0063】
この状態においては、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300はそれぞれ先端の方向に進出し、ストッパ120、220、320が、スライダ210、310と当接している。なお、このように完全に進出した状態の代わりに、前述したように、「おしり」などの洗浄位置にあってもよい。
【0064】
このように洗浄ノズルが進出した状態において、使用者が「おしり」などの洗浄を終了し、例えば、リモコンなどに設けられた停止スイッチを操作すると、ノズルヘッド100の吐水口150からの吐水を停止し、「ノズル胴体洗浄」を実施しながら、洗浄ノズルの後退動作が開始される。
【0065】
すなわち、まずノズル洗浄室500に設けられた吐水口から洗浄水を噴射させる。そして、洗浄ノズルの後退を開始するために、可撓ラック610が矢印Gの方向に引き戻される。すると、図9(b)に表したように、ノズルヘッド100及び第1のシリンダ部200とともに第2のシリンダ部300が一体となって後退を開始し、ノズル収納スペースに格納される。この際、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200の間、および第1のシリンダ部200と第2のシリンダ部300の間は、第1および第2の板バネ410、411の突起部410a、411bとピン140、340の間に抵抗力を持たせている為、抵抗が少ない第2のシリンダ部300から動作を始める。
【0066】
この時、第2のシリンダ部300は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第2のシリンダ部300の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0067】
第2のシリンダ部300が後退すると、図9(b)の位置まで引き戻される。次に、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200との間の抵抗力より、第1のシリンダ部200と第2のシリンダ部300との間の抵抗力の方を小さく設定することにより、第2のシリンダ部300に対して第1のシリンダ部200が後退を始める。より具体的には、第2のシリンダ部300に設けたピン340が第2の板バネ411の突起部411bから受ける抵抗を、ノズルヘッド100に設けたピン140が第1の板バネ410の突起部410aから受ける抵抗よりも小さく設定されている。これにより、ピン340が第2の板バネ411の突起部411bを乗り越えて第2の板バネ411に対して移動を開始し、第2のシリンダ部300に対して第1のシリンダ部200が後退を始める。
【0068】
この時も、第1のシリンダ部200は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第1のシリンダ部200の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0069】
図9(c)に表したように、第1のシリンダ部200が後退した後に、ノズルヘッド100が後退する際にも、その外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。このようにして、図9(d)に表したように、ストローク端まで後退すると、洗浄ノズルは完全に収納された状態となる。
【0070】
この後、ノズル洗浄室500の中に収容されているノズルヘッド100の先端部の吐水口150から適宜水を噴射させることにより、「ノズル後洗浄」を実施してもよい。これにより、吐水口150の詰まりなどを防止し、さらにノズルヘッド100の先端部とノズル洗浄室500の内部を入念的に洗浄する効果も得られる。なお、ノズルヘッド100に複数の吐水口150が設けられている場合には、「ノズル後洗浄」の際にも、これら吐水口150の全てから水を噴射させるとよい。
【0071】
以上説明したように、本具体例においては、第1および第2の板バネ410、411、ピン140、340を有する差動機構部400を設けることにより、洗浄ノズルを後退させる際に、第2のシリンダ部300、第1のシリンダ部200、ノズルヘッド100、の順に後退させることができる。こうすることにより、これら可動部の外周の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。つまり、多段式の洗浄ノズルの後退時に、「ノズル胴体洗浄」を効果的且つ確実に実施できる。その結果として、多段式の洗浄ノズルであっても、清潔且つ衛生的な状態を維持でき、清掃の手間を減らし、汚物の付着などによる動作不良や故障を未然に防ぐこともできる。
【0072】
また、洗浄ノズルの内部に磁石を設けていないので、磁石の腐食などにより洗浄ノズルの伸縮に支障をきたすようなこともない。
なお、本具体例では、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200との摺動、および、第1のシリンダ部200と第2のシリンダ部300との摺動の際に、摺動抵抗が働く。しかし、これらの摺動抵抗力は、差動機構部400により生じる抵抗力より小さくされている。
【0073】
以下は、本実施形態の変形例について説明する。
図10は、差動機構部内に使用していた板バネ2枚を1枚に集約した変形例を説明するための模式図である。
【0074】
板バネの端を繋げて成形し、板バネを1枚にすることで、生産コストを抑えることができ、作動機構部内に板バネを取付ける工程を1工程減らすことができる。また、板バネの固定部(2枚が1枚になった結合部)に凹部や凸部を入れる事で、取付け方向や取付向きの間違いをなくす事ができる。
【0075】
図11は、洗浄ノズルが2段ノズルである他の変形例を説明するための模式図である。 なお、図11(a)は、2段ノズルにした際のノズルの断面図であり、図11(b)は、差動機構部内の板バネとピンの模式図である。
【0076】
ノズルヘッド100のノズルストッパー120にはピン140が取付けられており、そのピン140は、第1のシリンダ部200の下部に取付けられている差動機構部400内に引込まれている。これらのピン140と第1の板バネ410とで、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200との間の相対動作を規定する。
ピン140は、差動機構部400内に設けられた溝やスリットをガイドとして、駆動モータ620からの駆動力により第1の板バネ410に対して矢印C方向に移動する。
【0077】
次に、2段ノズルでの洗浄ノズルの進出と後退の動作について説明する。
図12は、本変形例にかかる洗浄ノズルの進出動作を説明するための模式図である。
なお、図12(a)は、洗浄ノズルが完全に収納された状態を表す。この状態においては、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、はそれぞれ基端部の方向に後退し、ストッパ120、220が互いに当接した状態とされている。
【0078】
洗浄ノズルを進出させるために、可撓ラック610が進出方向に押し出される。するとまず、ノズルヘッド100が進出する。この時、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200間に作用する抵抗力の大小関係を適宜調節することにより、ノズルヘッド100のみが進出し、第1のシリンダ部は動かないようにすることができる。
【0079】
ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200に作用する抵抗力ついては、差動機構部400の第1の板バネ410とピン140との間の抵抗力を調整することにより調整することができる。また、第1のシリンダ部200については、第1のシリンダ200の末端に取り付けた磁性体350と、駆動部600のノズル停止ストッパ640に取り付けた磁石630と、の引力を調整することにより調整することができる。
つまり、これらの抵抗力を調整することにより、第1のシリンダ部200に作用する抵抗力よりも、ノズルヘッド100に作用する抵抗力のほうが小さくなるように構成することができる。
【0080】
そして、ノズルヘッド100が図12(b)に表した位置まで進出すると、ノズルヘッド100からのピン140が第1の板バネ410の突起部410aを乗り越え、停止位置に至る。
このように、まずノズルヘッド100のみを進出させることにより、その外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0081】
図12(b)に表したように、ノズルヘッド100がそのストローク端まで進出すると、ストッパ120がスライダ210に当接することにより、可撓ラック610の駆動力が第1のシリンダ部200にも伝達され、磁性体350と磁石630との引力に反発して、第1のシリンダ部200が進出を開始する。
そして、第1のシリンダ部200が図12(c)に表した位置まで進出する。
【0082】
このように、ノズルヘッド100の次に、第1のシリンダ部200を進出させることにより、第1のシリンダ部200の外周表面の全てもノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0083】
なお、図12(c)に表した状態は、例えば、「おしり」を洗浄するための通常位置まで洗浄ノズルを進出させた状態であり、例えば、図4に表したようにストローク端まで進出させた時よりもやや短い状態にある。本具体例においては、このように「ノズル胴体洗浄」を実施しながら「おしり」などの洗浄のための通常位置まで洗浄ノズルを進出させ、その後直ちに「おしり」などの洗浄を開始してもよく、または、「ノズル胴体洗浄」を実施しながら、最大のストローク端(例えば、図4の状態)まで洗浄ノズルを進出させてその全体を洗浄した後に、通常位置(例えば、図12(c)の状態)まで後退させて、「おしり」などの洗浄を開始してもよい。
【0084】
以上説明したように、本変型例においては、可撓ラック610の駆動力をノズルヘッド100に与え、ストッパ120、220を介して各シリンダ部に伝達することにより、洗浄ノズルを進出させることができる。
【0085】
さらに、洗浄ノズルを進出させる際に、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、の順に進出させることにより、これら可動部の外周の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。その結果として、洗浄ノズルを清潔且つ衛生的な状態で「おしり」などを洗浄することができる。また、予め洗浄ノズルの外周表面を濡らしておくことにより、「おしり」などを洗浄する際に飛散した汚物などの付着を抑制する効果も得られる。
【0086】
次に、本変形例における2段洗浄ノズルの後退の動作について説明する。
図13は、本変形例の洗浄ノズルの後退動作を説明するための模式図である。
図13(a)は、洗浄ノズルが完全に伸展した状態を表す。
【0087】
この状態においては、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200はそれぞれ先端の方向に進出し、ストッパ120、220が、スライダ210と当接している。なお、このように完全に進出した状態の代わりに、前述したように、「おしり」などの洗浄位置にあってもよい。
【0088】
まずノズル洗浄室500に設けられた吐水口から洗浄水を噴射させる。そして、洗浄ノズルの後退を開始するために、可撓ラック610が後退の方向に引き戻される。すると、図13(b)に表したように、ノズルヘッド100及び第1のシリンダ部200が一体となって後退を開始し、ノズル収納スペースに格納される。この際、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200とは、第1の板バネ410の突起部410aとピン140の間に抵抗力を持たせている為、抵抗が少ない第1のシリンダ部200から動作を始める。
【0089】
この時、第1のシリンダ部200は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第1のシリンダ部200の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0090】
第1のシリンダ部200が後退すると、図13(b)に表したように、ノズルヘッド100が第1のシリンダ部200に対して後退を始める。より具体的には、ピン140が第1の板バネ410の突起部410aを乗り越えて第1の板バネ410に対して移動を開始し、第1のシリンダ部200に対してノズルヘッド100が後退を始める。
この時も、ノズルヘッド100は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、ノズルヘッド100の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0091】
ノズルヘッド100が後退した後、図13(c)に表したように、ストローク端まで後退すると、洗浄ノズルは完全に収納された状態となる。 以上が2段ノズルの実施例となる。
【0092】
次に、多段ノズルでの実施例(例:5段ノズル)と洗浄ノズルの進出と後退の動作について説明する。
図14は、洗浄ノズルが5段ノズルであるさらに他の変形例にかかる板バネとピンとの配置関係を例示する模式図である。
なお、図14(a)は、本変形例にかかる洗浄ノズルの垂直断面図である。図14(a)は、図3に表したA方向に相当する方向から眺めた断面模式図である。また、図14(b)および図14(c)は、図4に表したB方向に相当する方向から眺めた部分平面図である。
【0093】
本変形例の5段洗浄ノズルにおいては、内側から、ノズルヘッド100と、第1のシリンダ部200と、第2のシリンダ部300と、第3のシリンダ部750と、第4のシリンダ部760と、がこの順番で設けられている。3段構成のノズル外径を小さくし、第3及び第4のシリンダ部750、760を追加しても、ノズル外径の大きさを変えずに5段構成の洗浄ノズルが実現できる。
【0094】
また、差動機構部400、450は3段洗浄ノズルで使用した構成とほぼ同じもの(但し、板バネの突起部分の角度や山の高さは、ノズル進出の順番を制御する為に変更)を、第1のシリンダ部200、第3のシリンダ部750の下部にそれぞれ設置し、ノズルの進出順番を制御する。
【0095】
作動機構部400は、第1および第2の板バネ410、411と、ピン140、340と、を有する。図14(b)に表したように、第1の板バネ410には突起部410aが形成され、第2の板バネ411には突起部411a、411bが形成されている。
また、作動機構部450は、第3および第4の板バネ451、452と、ピン360、762と、を有する。図14(c)に表したように、第3の板バネ451には突起部451a、451bが形成され、第4の板バネ452には、突起部452a、452bが形成されている。本変形例においては、第3の板バネ451に突起部451bが形成されている点で、3段洗浄ノズルで使用した構成と相違する。この突起部451bは、ノズル進出の際に、差動機構部450よりも差動機構部400を先に進出させて、ノズルの進出順番を制御する機能を果たす。
【0096】
ノズルヘッド100のストッパ120にはピン140が取付けられており、第1のシリンダ部200の下部に取付けられている差動機構部400内に引込まれている。
【0097】
第2のシリンダ部300の内周にはピン340が取り付けられており、第2のシリンダ部300の外周にはピン360が取付けられている。ピン340は、第1のシリンダ部200の下部に取付けられている差動機構部400内に引込まれ、ピン360は、第3のシリンダ部750の下部に取付けられている差動機構部450内に引込まれる。
第4のシリンダ部760の内周にはピン762が取付けられており、ピン762は、第3のシリンダ部750の下部に取付けられている差動機構部450内に引込まれる。
これらのピン140、340、360、762と第1〜第4の板バネ410、411、451、452とで、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、第3のシリンダ部750、第4のシリンダ部760の間の相対動作を規定する。
【0098】
収納状態で、3段洗浄ノズルと5段洗浄ノズルのノズル長さを変えない場合、追加した第3及び第4のシリンダ部750、760の分だけ、ノズルの長さを長く伸ばすことができ、より広い範囲の洗浄が可能となる。
また、3段洗浄ノズルが最も進出した長さと、5段洗浄ノズルが最も進出した長さと、が等しい場合には、収納状態で、5段洗浄ノズルの方が短く収納できる為、ノズルスペースを小さくでき、衛生洗浄装置本体の大きさも小さくできる。
【0099】
図15は、本変形例にかかる洗浄ノズルの進出動作を説明するための模式図である。
図15(a)は、洗浄ノズルが完全に収納された状態を表す。この状態においては、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、第3のシリンダ部750、第4のシリンダ部760、はそれぞれ基端部の方向に後退し、ストッパ120、220、320、751、761が互いに当接した状態とされている。
【0100】
洗浄ノズルを進出させるために、可撓ラック610が進出方向に押し出される。するとまず、ノズルヘッド100が進出する。この時、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、第3のシリンダ部750、第4のシリンダ部760間に作用する抵抗力の大小関係を適宜調節することにより、ノズルヘッド100のみが進出し、第1から第4までのシリンダ部は動かないようにすることができる。
【0101】
ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、第3のシリンダ部750、第4のシリンダ部760に作用する抵抗力については、差動機構部400、450の第1〜第4の板バネ410、411、451、452とピン140、340、360、762との間の抵抗力を調整することにより調整することができる。また、第4のシリンダ部760については、第4のシリンダ760の末端に取り付けた磁性体350と駆動部600のノズル停止ストッパ640に取り付けた磁石630との引力を調整することにより調整することができる。
つまり、これらの抵抗力を調整することにより、第1から第4のシリンダ部200、300、750、760に作用する抵抗力よりも、ノズルヘッド100に作用する抵抗力のほうが小さくなるように構成することができる。
【0102】
そして、ノズルヘッド100が図15(b)に表した位置まで進出すると、ノズルヘッド100からのピン140が第1の板バネ410の突起部410aを乗り越え、停止位置に至る。
【0103】
このように、まずノズルヘッド100のみを進出させることにより、その外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0104】
図15(b)に表したように、ノズルヘッド100がそのストローク端まで進出すると、ストッパ120がスライダ210に当接することにより、可撓ラック610の駆動力が第1のシリンダ部200にも伝達され、第2シリンダからのピン340が第2の板バネ411の突起部411aを乗り越え、第1のシリンダ部200が進出を開始する。
【0105】
この時、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、第3のシリンダ部750、第4のシリンダ部760間に作用する抵抗力の大小関係を適宜調節することにより、第1のシリンダ部200のみが進出し、第2から第4までのシリンダ部300、750、760は動かないようにすることができる。
このように適宜抵抗力を調整することで、第2のシリンダ部300と、第3のシリンダ部750と、第4のシリンダ部760と、をこの順番に進出することができ、順次、ノズル外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0106】
以上説明したように、本変形例においては、可撓ラック610の駆動力をノズルヘッド100に与え、ストッパ120、220、320、751、761を介して各シリンダ部に伝達することにより、洗浄ノズルを進出させることができる。
【0107】
さらに、本変形例によれば、洗浄ノズルを進出させる際に、ノズルヘッド100(図115(b)参照)、第1のシリンダ部200(図15(c)参照)、第2のシリンダ部300(図15(d)参照)、第3のシリンダ部750(図15(e)参照)、第4のシリンダ部760(図15(f)参照)、の順に進出させることにより、これら可動部の外周の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。その結果として、洗浄ノズルを清潔且つ衛生的な状態で「おしり」などを洗浄することができる。また、予め洗浄ノズルの外周表面を濡らしておくことにより、「おしり」などを洗浄する際に飛散した汚物などの付着を抑制する効果も得られる。
【0108】
次に、本変形例における洗浄ノズルの後退の動作について説明する。
図16は、本変形例の洗浄ノズルの後退動作を説明するための模式図である。
図16(a)は、洗浄ノズルが完全に伸展した状態を表す。
【0109】
この状態においては、ノズルヘッド100、第1のシリンダ部200、第2のシリンダ部300、第3のシリンダ部750、第4のシリンダ部760はそれぞれ先端の方向に進出し、ストッパ120、220、320、751、761が、各シリンダのスライダと当接している。また、この状態においては、第1の板バネ410とピン140、第2の板バネ411とピン340、第3の板バネ451とピン360、第4の板バネ452とピン762とが係合し、ノズル間を保持、固定する抵抗力となっている。なお、このように完全に進出した状態の代わりに、前述したように、「おしり」などの洗浄位置にあってもよい。
【0110】
まずノズル洗浄室500に設けられた吐水口から洗浄水を噴射させる。そして、洗浄ノズルの後退を開始するために、可撓ラック610が後退の方向に引き戻される。すると、図16(b)に表したように、ノズルヘッド100及び第1から第4のシリンダ部200、300、750、760が一体となって後退を開始し、ノズル収納スペースに格納される。この際、ノズルヘッド100と第1のシリンダ部200、第1のシリンダ部200と第2のシリンダ部300、第2のシリンダ部300と第3のシリンダ部750、第3のシリンダ部750と第4のシリンダ部760の間は、第1〜第4の板バネ410、411、451、452の突起部410a、411b、451a、452bとピン140、340、360、762の間に抵抗力を持たせている為、抵抗が少ない第4のシリンダ部760から動作を始める。
【0111】
この時、第4のシリンダ部760は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第4のシリンダ部760の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0112】
第4のシリンダ部760が後退すると、図16(b)に表したように、第4のシリンダ部760に対して第3のシリンダ部750が後退を始める。より具体的には、第4のシリンダ部760に設けたピン762が第4の板バネ452の突起部452bから受ける抵抗は、ノズルヘッド100に設けたピン140が第1の板バネ410の突起部410aから受ける抵抗、第2のシリンダ部300に設けたピン340が第2の板バネ411の突起部411bから受ける抵抗、および第2のシリンダ部300に設けたピン360が第3の板バネ451の突起部451aから受ける抵抗よりも小さく設定されている。これにより、ピン762が第4の板バネ452の突起部452bを乗り越えて第4の板バネ452に対して移動を開始し、第4のシリンダ部760に対して第3のシリンダ部750が後退を始める。
この時も、第3のシリンダ部750は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第3のシリンダ部750の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0113】
図16(c)〜図16(f)に表したように、第3のシリンダ部750が後退した後、順次、第2のシリンダ部300と、第1のシリンダ部200と、ノズルヘッド100と、がこの順に収納される。より具体的には、第2のシリンダ部300に設けたピン360が第3の板バネ451の突起部451aから受ける抵抗は、ノズルヘッド100に設けたピン140が第1の板バネ410の突起部410aから受ける抵抗、および第2のシリンダ部300に設けたピン340が第2の板バネ411の突起部411bから受ける抵抗よりも小さく設定されている。これにより、ピン360が第3の板バネ451の突起部451aを乗り越えて第3の板バネ451に対して移動を開始し、第3のシリンダ部750に対して第2のシリンダ部300が後退を始める。
この時も、第2のシリンダ部300は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第2のシリンダ部300の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0114】
また、第2のシリンダ部300に設けたピン340が第2の板バネ411の突起部411bから受ける抵抗は、ノズルヘッド100に設けたピン140が第1の板バネ410の突起部410aから受ける抵抗よりも小さく設定されている。これにより、ピン340が第2の板バネ411の突起部411bを乗り越えて第2の板バネ411に対して移動を開始し、第2のシリンダ部300に対して第1のシリンダ部200が後退を始める。
この時も、第1のシリンダ部200は、ノズル洗浄室500を通過しながら洗浄される。つまり、第1のシリンダ部200の外周表面の全てをノズル洗浄室500でむらなく洗浄することができる。
【0115】
ノズルヘッド100が後退した後、図16(f)に表したように、ストローク端まで後退すると、洗浄ノズルは完全に収納された状態となる。 以上が5段洗浄ノズルの実施例となる。
【0116】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。例えば、ノズルヘッドやシリンダ部の形状や構造、数、配置関係などについて変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備える限りにおいて、本発明の範囲に包含される。例えば、第2のシリンダ部300を基部700に対してスライドさせて、洗浄ノズルの進出時には第2のシリンダ部300をノズル洗浄室500から完全に進出方向に露出させてもよい。
【0117】
また、図1乃至図16に関して前述した特徴部分は、技術的に可能な範囲においていかようにも組合せることができ、これら組合せにより得られた衛生洗浄装置についても、本発明の要旨を含む限りにおいて本発明の範囲に包含される。
【0118】
また、本発明の衛生洗浄装置に含まれる、脱臭装置、温風乾燥装置、着座センサ、筺体、リモコン、腰掛便器、ロータンクなどの各要素については、当業者が適宜設計変更することにより本発明を同様に実施し、同様の効果を得ることができるものも本発明の要旨を含む限り、本発明の範囲に包含される。
【0119】
その他、本発明の実施の形態として上述した衛生洗浄装置を基にして、当業者が適宜設計変更して実施しうるすべての衛生洗浄装置も同様に本発明の範囲に属する。
【符号の説明】
【0120】
10 衛生洗浄装置、 20 洗浄ノズル、 100 ノズルヘッド、 120 ストッパ、 140 ピン、 150 吐水口、 200 第1のシリンダ部、 210、310 スライダ、 220、320 ストッパ、 300 第2のシリンダ部、 340 ピン、 350 磁性体、 360 ピン、 400 差動機構部、 410 第1の板バネ、 410a 突起部、 411 第2の板バネ、 411a、411b 突起部、 450 差動機構部、 451 第3の板バネ、 451a、451b 突起部、 452 第4の板バネ、 452a、452b 突起部、 500 ノズル洗浄室、 600 駆動部、 610 可撓ラック、 612 ガイド部、 614 収納パイプ、 620 駆動ユニット、 622 モータ、 624 歯車、 630 磁石、 640 ノズル停止ストッパ、 700 取付け台、 750 第3のシリンダ部、 751 ストッパ、 760 第4のシリンダ部、 761 ストッパ、 762 ピン、 800 衛生洗浄装置本体、 810 便座、 820 便蓋、 830 着座センサ、 900 水洗腰掛便器、 910 ボウル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐水口を有するノズルヘッドと、
前記ノズルヘッドの少なくとも一部を内部に格納可能な第1のシリンダ部と、
前記第1のシリンダ部の少なくとも一部を内部に格納可能な第2のシリンダ部と、
を有する洗浄ノズルと、
モータと、
一端が前記ノズルヘッドに接続された可撓ラックと、
前記モータの回転を前記可撓ラックに伝達して前記可撓ラックを進退させる伝達機構と、
を有し、前記ノズルヘッドを進退させる駆動機構部と、
前記洗浄ノズルを進退可能に支持する取付台と、
前記可撓ラックの進退によってノズルヘッドが進退する際に前記第1及び第2のシリンダ部の少なくともいずれかが連動して進退するかどうかを決定する差動機構部と、
を備え、
前記差動機構部は、
前記ノズルヘッドに設けられた第1の非制動部と、
前記第2のシリンダ部に設けられた第2の非制動部と、
前記第1のシリンダ部に設けられ、前記第1の非制動部及び第2の非制動部と接触することにより前記第1の非制動部及び第2の非制動部の前記第1のシリンダ部からみた移動の可否を規定する制動部と、
を有し、
前記制動部が前記第1の非制動部及び第2の非制動部の第1のシリンダ部からみた移動の可否を規定することによって前記可撓ラックの進退動作に応じて前記ノズルヘッドのみを進退させるか、前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とを進退させるか、前記ノズルヘッドと前記第1及び第2のシリンダ部とを進退させるかを決定することを特徴とする衛生洗浄装置。
【請求項2】
前記ノズルヘッドと、前記第1及び第2のシリンダ部と、が進出および後退する際には、前記制動部と第1の非制動部との間、および前記制動部と第2の非制動部との間のそれぞれに移動の妨げとなる接触抵抗を付与および解除することができ、前記進出および後退のそれぞれの接触方向で前記接触抵抗の大きさを自由に変更することができることを特徴とする請求項1記載の衛生洗浄装置。
【請求項3】
前記ノズルヘッドと、前記第1及び第2のシリンダ部と、が後退した状態から進出する際に、前記制動部と前記第1の非制動部との間には接触抵抗が付与されず、前記制動部と前記第2の非制動部との間に接触抵抗が付与され、前記モータの回転が前記伝達機構から前記可撓ラックに伝達されると、まず前記ノズルヘッドが進出を開始し、次に前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とが連動して進出し、前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とが連動して進出した後、前記ノズルヘッドと前記第1及び第2のシリンダ部とが連動して進出することを特徴とする請求項1または2に記載の衛生洗浄装置。
【請求項4】
前記ノズルヘッドと、前記第1及び第2のシリンダ部と、が進出した状態から後退する際に、前記モータの回転が前記伝達機構から前記可撓ラックに伝達されると、前記ノズルヘッドと前記第1及び第2のシリンダ部とが連動して後退し、前記制動部と前記第2の非制動部との間の接触抵抗が解除された後、前記ノズルヘッドと前記第1のシリンダ部とが連動して後退し、前記制動部と前記第1の非制動部との間の接触抵抗が解除され、その後、前記ノズルヘッドがさらに後退することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の衛生洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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